JP2023068863A - 一次熱交換器および給湯器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガイド部材がロウ付け工程の途中で転倒するのを防ぐ。【解決手段】一次熱交換器5は、中ケーシング20と、複数の伝熱フィン21と、複数の伝熱管22と、ガイド部材70と、を備えた一次熱交換器5であって、ガイド部材70は、中ケーシング20の内面に沿わせて配置され第2方向にのびる板部71と、燃焼排気の通過方向で板部71の上流側端部から中ケーシング20の内側に向けて延設される延設部73と、板部71の下流側端部から下流側へ行くにしたがって中ケーシング20の内側に向かうように傾斜して設けられる傾斜板部72と、を備え、延設部73が中ケーシング20の内面と当該内面に最も近い伝熱フィン21との間に挟持されることで板部71が中ケーシング20の内面に密着した状態に保持される。【選択図】図14

Description

本発明は、一次熱交換器および給湯器に関する。
従来、給湯器に用いられる熱交換器として、特開2020-169758号公報(下記特許文献1)に記載の一次熱交換器と二次熱交換器とが知られている。この一次熱交換器は、バーナが取り付けられる四角筒状の中ケーシングと、中ケーシングの内部において左右方向に並設された複数のフィンと、各フィンを左右方向に貫通する複数の伝熱管と、を備えている。中ケーシングは、第1壁部と、第1壁部と左右方向に対向する第2壁部と、を有している。第1壁部と第2壁部には、各伝熱管を貫通させる複数の貫通孔がそれぞれ設けられている。複数のフィンは、伝熱管を貫通させる貫通孔をそれぞれ有している。各伝熱管は、それぞれの両端部が第1壁部および第2壁部の外側にわずかに飛び出した姿勢で中ケーシングに固定されている。
一方、二次熱交換器は、中ケーシングと連通する四角筒状の下ケーシングと、下ケーシング内において厚み方向に所定間隔を空けて並設された複数のペアプレートと、を備えている。ペアプレートは、一対の伝熱プレート同士を向かい合わせて接合したものである。各伝熱プレートの中央部分には、傾斜状の突条が複数平行に並んで突出して設けられている。各ペアプレートには、突条内をジグザグに流れる内部流路が形成されている。また、隣り合う一対のペアプレートの間には、隣り合う一対の突条の間を燃焼排気が流れる排気通路が形成されている。
バーナからの燃焼排気は、一次熱交換器の中ケーシングで各フィンの間を通過することで、伝熱管内を流れる湯水を熱交換し、顕熱が回収される。各フィンの間を通過した燃焼排気は、中ケーシングから二次熱交換器の下ケーシング内に至る。このとき、中ケーシングの左右両側では、左右のガイド部材により下ケーシングにおける内部流路の形成領域側(排気通路側)へガイドされる。よって、ほとんどの燃焼排気は排気通路を通過することになり、内部流路を流れる水と熱交換して潜熱が回収される。
上記したガイド部材は、中ケーシング内の左右両側でフィンおよび伝熱管の下側に一対設けられている。ガイド部材は、上方に延びる上板部と、上板部の下端から下方へ行くにしたがって側方へ延びる傾斜板部と、を備え、上記した燃焼排気は傾斜板部によって排気通路側へガイドされる。
特開2020-169758号公報
ところで、上記の一次熱交換器においては、傾斜板部の前後両端に、中ケーシングの前後の内面に固定するための取付片が上向きに形成されている。取付片は中ケーシングの前後の内面にねじまたはリベットで固定する必要があるため、作業性が悪いものとなっている。そのため作業性を改善するには、ねじまたはリベットによる固定に代えて、例えば他の部品とともに炉中ロウ付けで同時に固定することが望ましい。
しかしながら、ガイド部材は内側に向けて傾斜する傾斜板部を備えており、この傾斜板部によって重心が内側に偏った状態とされる。また、ロウ付け作業は通常の配置とは上下逆の配置で行われるため、ガイド部材は、上板部が伝熱管の上側に配置されるとともに、傾斜板部が上板部の上端から上方へ行くにしたがって側方へ延びる姿勢で仮止めされることになる。したがって、ロウ付け工程の途中でガイド部材が内側に転倒してしまうことが懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ガイド部材がロウ付け工程の途中で転倒するのを防ぐことができる一次熱交換器および給湯器を提供することを目的とする。
本開示の一次熱交換器は、上流側にバーナが、下流側に二次熱交換器がそれぞれ連なって設けられ、前記バーナからの燃焼排気が通過することで当該燃焼排気の顕熱を回収可能な一次熱交換器であって、互いに対向する第1壁部および第2壁部を有し、かつ前記第1壁部と前記第2壁部の間に固定される第3壁部および第4壁部を有する四角筒状の筐体と、厚み方向に貫通する貫通孔を有し、前記厚み方向が前記第1壁部と前記第2壁部を結ぶ第1方向を向き、長手方向が前記第3壁部と前記第4壁部を結ぶ第2方向を向く姿勢で、前記第1方向に並んで設けられる複数の伝熱フィンと、前記複数の伝熱フィンの前記貫通孔を前記第1方向に貫通し、前記第1方向の両端部が前記第1壁部と前記第2壁部にそれぞれ固定される複数の伝熱管と、前記筐体の内面に取り付けられ、前記伝熱フィンを通過した前記燃焼排気を前記二次熱交換器に向けて案内するガイド部材と、を備え、前記ガイド部材は、前記筐体の内面に沿わせて配置され前記第2方向にのびる板部と、前記燃焼排気の通過方向で前記板部の上流側端部から前記筐体の内側に向けて延設される延設部と、前記板部の下流側端部から下流側へ行くにしたがって前記筐体の内側に向かうように傾斜して設けられる傾斜板部と、を備え、前記延設部が前記筐体の内面と当該内面に最も近い前記伝熱フィンとの間に挟持されることで前記板部が前記筐体の内面に密着した状態に保持される、一次熱交換器である。
本発明によれば、ガイド部材がロウ付け工程の途中で転倒するのを防ぐことができる。
図1は、フロントカバーを外した給湯器の正面図である。 図2は、樹脂シート、コントローラ及び表示操作パネルを省略した給湯器の正面図である。 図3は、図2の内胴の正面図である。 図4は、図2の内胴の左側面図である。 図5は、図4の左側集水部と下側集水部から蓋部を省略した内胴の左側面図である。 図6は、図2の内胴を左斜め前方から見た斜視図である。 図7は、図2の内胴を右斜め後方から見た斜視図である。 図8は、図2の内胴の平面図である。 図9は、一次熱交換器を右斜め下方から見た斜視図である。 図10は、図8のA-A断面図である。 図11は、図8のC-C断面図であって、一次熱交換器を拡大して示す拡大断面図である。 図12は、図8のB-B断面図であって、ガイド部材を拡大して示す拡大断面図である。 図13は、ガイド部材を中ケーシングにロウ付けする様子を示す斜視図である。 図14は、ガイド部材を中ケーシングにロウ付けする様子を拡大して示す拡大断面図である。 図15は、ガイド部材の斜視図である。
以下、本開示の実施形態を列記して例示する。
(1)本開示の一次熱交換器は、上流側にバーナが、下流側に二次熱交換器がそれぞれ連なって設けられ、前記バーナからの燃焼排気が通過することで当該燃焼排気の顕熱を回収可能な一次熱交換器であって、互いに対向する第1壁部および第2壁部を有し、かつ前記第1壁部と前記第2壁部の間に固定される第3壁部および第4壁部を有する四角筒状の筐体と、厚み方向に貫通する貫通孔を有し、前記厚み方向が前記第1壁部と前記第2壁部を結ぶ第1方向を向き、長手方向が前記第3壁部と前記第4壁部を結ぶ第2方向を向く姿勢で、前記第1方向に並んで設けられる複数の伝熱フィンと、前記複数の伝熱フィンの前記貫通孔を前記第1方向に貫通し、前記第1方向の両端部が前記第1壁部と前記第2壁部にそれぞれ固定される複数の伝熱管と、前記筐体の内面に取り付けられ、前記伝熱フィンを通過した前記燃焼排気を前記二次熱交換器に向けて案内するガイド部材と、を備え、前記ガイド部材は、前記筐体の内面に沿わせて配置され前記第2方向にのびる板部と、前記燃焼排気の通過方向で前記板部の上流側端部から前記筐体の内側に向けて延設される延設部と、前記板部の下流側端部から下流側へ行くにしたがって前記筐体の内側に向かうように傾斜して設けられる傾斜板部と、を備え、前記延設部が前記筐体の内面と当該内面に最も近い前記伝熱フィンとの間に挟持されることで前記板部が前記筐体の内面に密着した状態に保持される、一次熱交換器である。
ガイド部材を筐体の内面に固定するには、ねじまたはリベットによる固定に代えて、例えば他の部品とともに炉中ロウ付けで同時に固定することが作業性の観点から望ましい。ロウ付けを行うには、筐体を下流側が上側を向く姿勢とした上で、傾斜板部と筐体の内面との境界付近にロウ材を載置する。したがって、ガイド部材は、延設部が下側に配置され、傾斜板部が上側に配置され、かつ延設部および傾斜板部が筐体の内側を向いた姿勢(すなわち上下反転した姿勢)で板部を筐体の内面に密着させた状態に保持する必要がある。
そこで、上記の一次熱交換器によると、延設部を筐体の内面と当該内面に最も近い伝熱フィンとの間に差し入れることで、延設部は筐体の内面と当該内面に最も近い伝熱フィンとの間に挟持されるから、板部が筐体の内面に密着するように起立した姿勢で保持される。したがって、ガイド部材がロウ付け工程の途中で上下反転した姿勢をとった場合に筐体の内側に転倒するのを防ぐことができる。
(2)前記延設部は、前記伝熱管の外周面に沿った湾曲形状にのびて形成された複数の位置決め部を有し、前記位置決め部の前記第2方向における中央部は前記傾斜板部側に凹んだ形状とされていることが好ましい。
ガイド部材を伝熱管に上方から組み付ける際に、延設部が伝熱管の外周面に嵌まり込むため、ガイド部材を第2方向に位置決めしやすくなる。また、ガイド部材を伝熱管に組み付けた後に、ガイド部材が筐体の内側に転倒するのを確実に防ぐことができる。
(3)前記ガイド部材は、前記板部または前記傾斜板部の両端部にそれぞれ設けられた一対の支持片をさらに備え、前記一対の支持片の一部は、前記延設部が前記筐体の内面と当該内面に最も近い前記伝熱フィンとの間に挟持されて前記板部が前記筐体の内面に密着した状態に保持されているときに、前記伝熱フィンに当接していることが好ましい。
ガイド部材がロウ付け工程の途中で上下反転した姿勢をとった場合に、一対の支持片の一部が伝熱フィンに上側から当接するため、ガイド部材が筐体の内側に転倒するのをより確実に防ぐことができる。
(4)本開示の給湯器は、バーナと、前記バーナに連なって設けられ、前記バーナからの燃焼排気が通過することで当該燃焼排気の顕熱を回収可能な上記の一次熱交換器と、前記一次熱交換器に連なって設けられ、前記一次熱交換器からの燃焼排気が通過することで当該燃焼排気の潜熱を回収可能な二次熱交換器と、を含む給湯器である。
このような給湯器によると、ガイド部材がロウ付け工程の途中で上下反転した姿勢をとった場合に筐体の内側に転倒するのを防ぐことができる。
<実施形態>
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、給湯器1を示す正面図で、フロントカバーを外した状態で示している。図2は図1の給湯器1において、樹脂シート16、コントローラ12及び表示操作パネル13を除いた状態を示している。
[給湯器の全体構造]
この給湯器1は、前面を開口した四角箱状の筐体2内に、バーナ4と、一次熱交換器5と、二次熱交換器6と、が上から順に設けられる内胴3を収容して、バーナ4から下向きの燃焼火炎を発生させる下向き燃焼式となっている。また、筐体2内には、内胴3の下部から後方へ回り込んで上向きに設けられる排気部7と、内胴3の右側方でバーナ4に連結されたファンユニット8と、ファンユニット8の下側でファンユニット8に連結され、ガスガバナ9を介してガス導入管11から燃料ガスが供給されるガス供給ユニット10と、が設けられている。内胴3の下方右側には、電装基板を収容してなるコントローラ12が横向きに設置され、その下方中央には、フロントカバーから露出する表示操作パネル13が設けられている。
[バーナ]
バーナ4は、燃料ガスと燃焼に必要な全ての燃焼用空気との混合気が燃焼する全一次空気式で、上下面を開口して上下方向に所定深さを有する平面視横長矩形状の上ケーシング14を有し、上ケーシング14の上面は、上方へ突出してファンユニット8が接続されるチャンバ15によって閉塞されている。
[一次熱交換器]
一次熱交換器5は、図6から図8に示すように、バーナ4が取り付けられる四角筒状の中ケーシング20と、中ケーシング20の下部に配され、厚み方向となる左右方向へ所定間隔を空けて並設された複数の伝熱フィン21,21・・(各図では一部のみ図示)と、各伝熱フィン21を左右方向に貫通する伝熱管22と、を備えている。伝熱フィン21は、厚み方向に貫通する貫通孔35を有し、厚み方向が左右方向を向き、長手方向が前後方向を向く姿勢で、左右方向に並んで複数設けられている。一次熱交換器5はステンレス製となっている。中ケーシング20は上下方向に貫通する四角筒状をなしている。中ケーシング20は、筐体の一例である。
中ケーシング20は、左右方向に互いに対向する左側壁部31及び右側壁部32と、前後方向に対向する前側壁部41及び後側壁部42と、を有している。図5に示すように、左側壁部31と右側壁部32には、複数の孔部33がそれぞれ設けられている。各孔部33には、複数の伝熱管22の端部がそれぞれ貫通した状態で配されている。各伝熱管22の端部は、各孔部33の内面に固定されている。左右方向は第1方向の一例であり、前後方向は第2方向の一例である。また、左側壁部31は第1壁部の一例であり、右側壁部32は第2壁部の一例であり、前側壁部41は第3壁部の一例であり、後側壁部42は第4壁部の一例である。
伝熱管22は、図6に示すように、最下段で前後方向に所定間隔を空けて配設される横断面楕円形で、長径方向を上下方向とした8本の直線状の大径管23,23・・と、その上方で中ケーシング20の上壁部20bの前後の外面においてそれぞれ上下方向に所定間隔を空けて3本ずつ配設される横断面円形の直線状の小径管24,24・・と、を含んでいる。大径管23は、複数の伝熱フィン21の貫通孔35を左右方向に貫通し、左右方向の両端部が左側壁部31と右側壁部32とにそれぞれ固定されている。
図8に示すように、大径管23は、中ケーシング20の両壁部31,32に設けられた下側集水部25により、前後に隣接する2本の端部同士が左右で交互に接続されて、全体で1本につながる蛇行状となっている。中ケーシング20の両壁部31,32において伝熱フィン21の下方には、燃焼排気を二次熱交換器6の中央部に向けて案内する一対のガイド部材70,70が設けられている。
中ケーシング20の左側壁部31には、前後の3本の小径管24の左端部同士を接続する左側集水部28が設けられている。図7に示すように、最後部の大径管23の右端部には、二次熱交換器6との接続管26が接続され、最前部の大径管23の右端部は、上下に延びる前側集水部27により、前側3本の小径管24の右端部と接続されている。中ケーシング20の右側壁部32には、後側3本の小径管24の右端部同士を接続する右側集水部29が設けられて、右側集水部29に出湯管30が接続される。
よって、一次熱交換器5の伝熱管22では、接続管26から最後部の大径管23に流入した湯水は、最下段の大径管23,23・・を交互に通過しながら前方へ蛇行状に流動した後、最前部の大径管23から前側3本の小径管24、後側3本の小径管24を順番に通過して出湯管30へ流れることになる。
図1に示すように、中ケーシング20の上側外周には、略全面に導電パターンが蛇行状に網羅されてなる帯状の樹脂シート16が巻回されて、中ケーシング20からの燃焼排気の漏洩を検知可能となっている。図5に示すように、各大径管23には、通過する湯水を撹拌するための乱流板23aが挿入されている。
伝熱フィン21は、図11及び図12に示すように、前後方向にのびる横長板状をなす本体を有している。伝熱フィン21の本体には、8つの楕円形の貫通孔35,35・・が形成されている。各貫通孔35は、前後方向に並んで等間隔に配されている。各貫通孔35の内縁には、バーリング加工によって左側に突出するバーリング部36がそれぞれ形成されている。
伝熱フィン21の本体の上側で各貫通孔35の間には、上切れ込み部37が形成されている。上切れ込み部37は、前後の貫通孔35,35の外周面形状に沿った湾曲状の内縁を有している。上切れ込み部37の内縁は、下方へ行くに従って前後の間隔が小さくなるV字状とされている。上切れ込み部37の下端は、貫通孔35の長径方向の中心よりもやや下方に位置している。
伝熱フィン21の本体の前後両端には、中ケーシング20の下壁部20aの内面に当接する端縁部39,39が形成されている。各端縁部39は上下方向にのびるとともに、左側へ折り返された形態とされている。
[ガイド部材の詳細構造]
ガイド部材70は、図8に示すように、一次熱交換器5の右側壁部32と左側壁部31とに取り付けられて一対設けられている。一対のガイド部材70は同一形状とされ、左右対称をなすように配されている。図15においては右側壁部32に取り付けられたガイド部材70を代表として説明し、左側壁部31に取り付けられたガイド部材70についてはその説明を省略する。
ガイド部材70は全体として前後方向にのびる形態をなし、金属板材によって構成されている。ガイド部材70は、上方にのびる板部71と、板部71の下端から下方へ行くにしたがって左方へのびる傾斜板部72と、傾斜板部72の前後両端から上方にのびる一対の取付片75,75と、板部71の上端から左方に延設された延設部73と、を備える。取付片75,75は、傾斜板部72の左右両端部を上方に折り曲げることで形成されている。
図12に示すように、板部71は中ケーシング20の内面20cに沿わせて配置されている。板部71の上端は燃焼排気の通過方向で上流側端部に位置している。延設部73は中ケーシング20の内面20cと直交する配置で板部71の上流側端部から中ケーシング20の内側に向かうように設けられている。傾斜板部72は板部71の下流側端部から下流側へ行くにしたがって中ケーシング20の内側に向かうように傾斜している。
ガイド部材70は、図10に示すように、板部71,71同士が対向する向きで、左右両端に位置する伝熱フィン21のさらに外側に延設部73を位置させ、延設部73の上面を各大径管23,23に当接させた状態で取り付けられている。延設部73は中ケーシング20の内面20cと当該内面20cに最も近い伝熱フィン21との間(以下「差込部38」という場合がある)に差し入れられて挟持されている。詳細には、図10に示すように、左側のガイド部材70は、左側壁部31の内面20cと伝熱フィン21のバーリング部36の端面との間に挟持されている一方、右側のガイド部材70は、右側壁部32の内面20cと伝熱フィン21の本体の右側面(バーリング部36が形成されていない側の面)との間に挟持されている。これにより、板部71,71は伝熱フィン21の上面に載せられた状態で、かつ中ケーシング20の内面20c,20cに密着した状態に保持される。ここでいう伝熱フィン21の「上面」とは給湯器1の製造過程においてロウ付けを行う際に中ケーシング20を上下逆に配置した状態(図13,14参照)における上面のことであって、完成品の状態(中ケーシング20を上下逆にしない通常の使用状態;例えば図1~7,図12参照)における下面のことである。この状態で、溶けたロウ材Pが板部71,71と中ケーシング20の内面20c,20cとの間に回り込み、板部71,71は中ケーシング20の内面20c,20cに対してロウ付けによって接合される。同時に、前後の取付片75,75も中ケーシング20の内面20c,20cに対してロウ付けによって接合される。
左右のガイド部材70の各傾斜板部72は、伝熱フィン21の下方で左右方向の中央側へ行くにしたがって下方にのび、二次熱交換器6の各伝熱プレート56の左右両端において、入口58と出口59との上方にそれぞれ位置して前後方向にのびている。よって、中ケーシング20の左右の内面20c,20cに沿って下方に流れる燃焼排気は、伝熱フィン21の下端位置を通過した後、二次熱交換器6に向けて板部71,71の内側から傾斜板部72,72に沿って中央側へ案内され、排気通路57aに流れることになる。なお、図11と図12に示すように、傾斜板部72のうち二次熱交換器6と対応する部分には、先端を折り返して曲げられた折り返し部76が形成されている。
延設部73は、図15に示すように、前後方向に等間隔で下方に湾曲した複数の位置決め部74を有している。各位置決め部74の前後方向における中央部は傾斜板部72側に凹んだ形状とされている。各位置決め部74は、各大径管23の位置に対応して設けられている。したがって、ガイド部材70が中ケーシング20に取り付けられた状態では、図12に示すように、位置決め部74が大径管23の外周面に沿って配され、かつ接触した状態に保持される。
[ガイド部材の取り付け方法]
この一次熱交換器5では、ガイド部材70の板部71は、上述したように中ケーシング20の内面20cに対してロウ付けすることで取り付けられている。以下の説明においては、左右一対のガイド部材70のうち一方を中ケーシング20の左側壁部31の内面20cに取り付けるとともに、他方を右側壁部32の内面20cに取り付ける方法を例示する。
まず、ロウ付けを行うには、図13に示すように、中ケーシング20を下流側が上側を向く姿勢とする。次に、一方のガイド部材70を上下逆の姿勢で各大径管23の外周面に上方から載置する。図14に示すように、延設部73が差込部38に差し入れられると、その延設部73は、左側壁部31の内面20cと伝熱フィン21のバーリング部36の端面とにより挟持される。同様にして、他方のガイド部材70の延設部73は、右側壁部32の内面20cと伝熱フィン21の本体とにより挟持される。これにより、各ガイド部材70の板部71は、左側壁部31または右側壁部32の内面20cに密着するように起立した姿勢で保持される。
ガイド部材70を各大径管23に上方から組み付ける際に、延設部73の各位置決め部74が各大径管23の外周面に嵌まり込むため、ガイド部材70を前後方向に位置決めしやすくなる。また、延設部73は左右方向に所定の長さを有して形成されているため、ガイド部材70を各大径管23に組み付けた後に、ガイド部材70が中ケーシング20の内側に転倒するのを防ぐことができる。さらに、一対の取付片75は伝熱フィン21に上方から接触しているため、これによってもガイド部材70が中ケーシング20の内側に転倒するのを防ぐことができる。
次に、図14に示すように、傾斜板部72と中ケーシング20の内面20cとの境界付近にロウ材Pを載置し、これを炉中で加熱することによりロウ付けが行われる。すると、溶融したロウ材Pは、傾斜板部72に沿って流れ出し、毛細管現象によって中ケーシング20の内面20cと板部71との界面に行き渡る。そして、ロウ材Pが固化すると、中ケーシング20の内面20cと板部71との間をむらなく固定することができる。
[二次熱交換器]
二次熱交換器6は一次熱交換器5に連なって設けられ、図10に示すように、中ケーシング20と連通する四角筒状の下ケーシング55と、下ケーシング55内に並設された複数の伝熱プレート56,56・・と、を備えている。各伝熱プレート56は、正面視が横長矩形状をなしている。各伝熱プレート56の中央部分には、傾斜状の突条57が複数平行に突設されている。一対の伝熱プレート56を向かい合わせて接合することにより、向かい合う一対の突条57,57内をジグザグに流れる内部流路が形成され、隣り合う一対の突条57,57の間には、燃焼排気が傾斜状に流れる排気通路57aが形成される。
図3に示すように、下ケーシング55の正面側下部には、内部流路に接続する入口58が設けられており、この入口58には給水管60が接続されている。下ケーシング55の正面側上部には、内部流路に接続する出口59が設けられており、この出口59には接続管26が接続されている。
排気部7は、二次熱交換器6の下ケーシング55の下面に取り付けられるドレン受け61と、ドレン受け61の後部に立設される排気ダクト62と、を備える。ドレン受け61の底部は、ドレン排出管63を介して中和器64と接続される。
排気ダクト62は合成樹脂製の横長角筒状で、排気ダクト62の上端の開口には、筐体2の上面に突出する円筒状の排気筒部66を備えた上カバー65が接合される。
[給湯器の動作説明]
以上の如く構成された給湯器1においては、器具内に通水されると、リモコン等で要求される燃焼量に応じた回転数でコントローラ12がファンモータを駆動させてファンを回転させる。すると、ファンユニット8では、ファンの回転数に比例した空気が吸い込まれる。同時にガス導入管11からは燃料ガスが供給され、ガスガバナ9で調圧された後、ガス供給ユニット10でファンユニット8の吸込側に設けたベンチュリーを介して空気と混合されて混合気が生成される。生成された混合気は、ファンケースの吐出口からバーナ4のチャンバ15に吐出され、上ケーシング14内に供給されて、炎孔板の各炎孔から噴出し、点火電極によって点火されて燃焼する。
バーナ4からの燃焼排気は、一次熱交換器5の中ケーシング20で各伝熱フィン21,21の間を通過することで、伝熱管22内を流れる湯水と熱交換し、顕熱が回収される。伝熱管22のうち、各大径管23内では、乱流板32によって湯水が撹拌されるため、滞留や温度ムラが生じにくくなる。
次に、一次熱交換器5からの燃焼排気は、二次熱交換器6の下ケーシング55内で各伝熱プレート56,56の間を通過することで、内部流路を流れる水と熱交換し、潜熱が回収される。
そして、下ケーシング55を通過した燃焼排気は、排気部7のドレン受け61内に進入し、ドレン受け61の後部に移動して排気ダクト62内を上昇して排気筒部66から外部に排出される。二次熱交換器6で発生したドレンは、ドレン受け61内に落下し、ドレン排出管63及び中和器64を介して器具の外部へ排出される。
[実施形態の作用効果]
ガイド部材70を中ケーシング20の内面20cに固定するには、ねじまたはリベットによる固定に代えて、例えば他の部品とともに炉中ロウ付けで同時に固定することが作業性の観点から望ましい。ロウ付けを行うには、中ケーシング20を下流側が上側を向く姿勢とした上で、ガイド部材70を上下反転させて大径管23の外周面に載置し、傾斜板部72と中ケーシング20の内面20cとの境界付近にロウ材Pを載置する。したがって、ガイド部材70は、延設部73が下側に配置され、傾斜板部72が上側に配置され、かつ延設部73および傾斜板部72が中ケーシング20の内側を向いた姿勢(上下反転した姿勢)で板部71を中ケーシング20の内面20cに密着させた状態に保持する必要がある。
そこで、上記の一次熱交換器5によると、延設部73を差込部38に差し入れることで、延設部73は中ケーシング20の内面20cと当該内面20cに最も近い伝熱フィン21との間に挟持されるから、板部71が中ケーシング20の内面20cに密着するように起立した姿勢で保持される。したがって、ガイド部材70がロウ付け工程の途中で上下反転した姿勢をとった場合に中ケーシング20の内側に転倒するのを防ぐことができる。
ガイド部材70を大径管23に上方から組み付ける際に、延設部73が大径管23の外周面に嵌まり込むため、ガイド部材70を前後方向に位置決めしやすくなる。また、ガイド部材70を大径管23に組み付けた後に、ガイド部材70が中ケーシング20の内側に転倒するのを確実に防ぐことができる。
ガイド部材70がロウ付け工程の途中で上下反転した姿勢をとった場合に、一対の取付片75,75の一部が伝熱フィン21に上側から当接するため、ガイド部材70が中ケーシング20の内側に転倒するのをより確実に防ぐことができる。
[他の実施形態]
上記実施形態では、延設部73が各大径管23に対応した複数の位置決め部74を有しているものを例示したが、延設部が位置決め部を有しておらず、前後方向にのびる平板状に形成されたものでもよい。
上記実施形態では、延設部73が大径管23の外周面に沿った湾曲形状にのびて形成された位置決め部74を有しているものを例示したが、位置決め部は大径管23の外周面に沿った湾曲形状でなくてもよく、隣り合う一対の大径管23の間に嵌合する挿入片としてもよい。
上記実施形態では、傾斜板部72の前後両端に取付片75,75が設けられているが、板部71の前後両端に設けられた取付片でもよい。
その他、各発明に共通して、バーナ、一次熱交換器、二次熱交換器の各形態やファンユニットの配置、コントローラの配置等は適宜変更可能である。二次熱交換器がなくてもよいし、下向き燃焼式でなくてもよい。
また、一次熱交換器では、大径管の数は適宜変更可能であるし、伝熱管として小径管がない形態であっても差し支えない。横断面形状も上記形態のような楕円形とすれば、短軸方向の寸法がコンパクトになるが、楕円形以外も採用できる。伝熱フィン及び伝熱管の向きも上記実施形態と逆であってもよいし、伝熱フィン及び伝熱管は1段でなく複数段設けてもよい。
さらに、ファンユニットで燃料ガスと燃焼用空気とを混合した混合気をチャンバへ供給する予混合式となっているが、これに限らず、ファンからは燃焼用空気のみを供給させてファンの下流側で燃料ガスと燃焼用空気とをチャンバに導入させる給湯器であっても各発明は適用可能である。
1:給湯器 2:筐体 3:内胴 4:バーナ 5:一次熱交換器 6:二次熱交換器 7:排気部 8:ファンユニット 9:ガスガバナ 10:ガス供給ユニット 11:ガス導入管 12:コントローラ 13:表示操作パネル 14:上ケーシング 15:チャンバ 16:樹脂シート
20:中ケーシング(筐体) 20a:下壁部 20b:上壁部 20c:内面 21:伝熱フィン 22:伝熱管 23:大径管 23a:乱流板 23b:端部 24:小径管 25:下側集水部(通水部品) 26:接続管 27:前側集水部 28:左側集水部 29:右側集水部 30:出湯管 31:左側壁部(第1壁部) 32:右側壁部(第2壁部) 33:孔部 35:貫通孔 36:バーリング部 37:上切れ込み部 38:差込部 39:端縁部 41:前側壁部(第3壁部) 42:後側壁部(第4壁部)
55:下ケーシング 56:伝熱プレート 57:突条 57a:排気通路 58:入口 59:出口 60:給水管 61:ドレン受け 62:排気ダクト 63:ドレン排出管 64:中和器 65:上カバー 66:排気筒部
70:ガイド部材 71:板部 72:傾斜板部 73:延設部 74:位置決め部 75:取付片(支持片) 76:折り返し部
P:ロウ材

Claims (4)

  1. 上流側にバーナが、下流側に二次熱交換器がそれぞれ連なって設けられ、前記バーナからの燃焼排気が通過することで当該燃焼排気の顕熱を回収可能な一次熱交換器であって、
    互いに対向する第1壁部および第2壁部を有し、かつ前記第1壁部と前記第2壁部の間に固定される第3壁部および第4壁部を有する四角筒状の筐体と、
    厚み方向に貫通する貫通孔を有し、前記厚み方向が前記第1壁部と前記第2壁部を結ぶ第1方向を向き、長手方向が前記第3壁部と前記第4壁部を結ぶ第2方向を向く姿勢で、前記第1方向に並んで設けられる複数の伝熱フィンと、
    前記複数の伝熱フィンの前記貫通孔を前記第1方向に貫通し、前記第1方向の両端部が前記第1壁部と前記第2壁部にそれぞれ固定される複数の伝熱管と、
    前記筐体の内面に取り付けられ、前記伝熱フィンを通過した前記燃焼排気を前記二次熱交換器に向けて案内するガイド部材と、を備え、
    前記ガイド部材は、前記筐体の内面に沿わせて配置され前記第2方向にのびる板部と、前記燃焼排気の通過方向で前記板部の上流側端部から前記筐体の内側に向けて延設される延設部と、前記板部の下流側端部から下流側へ行くにしたがって前記筐体の内側に向かうように傾斜して設けられる傾斜板部と、を備え、
    前記延設部が前記筐体の内面と当該内面に最も近い前記伝熱フィンとの間に挟持されることで前記板部が前記筐体の内面に密着した状態に保持される、一次熱交換器。
  2. 前記延設部は、前記伝熱管の外周面に沿った湾曲形状にのびて形成された複数の位置決め部を有し、前記位置決め部の前記第2方向における中央部は前記傾斜板部側に凹んだ形状とされている、請求項1に記載の一次熱交換器。
  3. 前記ガイド部材は、前記板部または前記傾斜板部の両端部にそれぞれ設けられた一対の支持片をさらに備え、
    前記一対の支持片の一部は、前記延設部が前記筐体の内面と当該内面に最も近い前記伝熱フィンとの間に挟持されて前記板部が前記筐体の内面に密着した状態に保持されているときに、前記伝熱フィンに当接している、請求項1または請求項2に記載の一次熱交換器。
  4. バーナと、
    前記バーナに連なって設けられ、前記バーナからの燃焼排気が通過することで当該燃焼排気の顕熱を回収可能な請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の一次熱交換器と、
    前記一次熱交換器に連なって設けられ、前記一次熱交換器からの燃焼排気が通過することで当該燃焼排気の潜熱を回収可能な二次熱交換器と、を含む給湯器。
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