JP7213439B2 - レーザ溶接方法及びレーザ溶接装置 - Google Patents
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Description
[レーザ溶接装置及びレーザ光スキャナの構成]
図1は、本実施形態に係るレーザ溶接装置の構成の模式図を示し、図2は、レーザ光スキャナの概略構成図を示す。図3Aは、ワークの模式図を示し、図3Bは、図3AのIIIB-IIIB線での断面図を示す。図4は、別のワークの断面模式図を示す。
図5は、レーザ光の走査パターンを示し、レーザ光LBは、XY平面内、この場合はワーク200の表面でリサージュパターン(以下、リサージュ図形ともいう)を描くように走査される。
Y1=b×sin(mt+φ) ・・・(2)
ここで、
a:リサージュパターンのX方向における振幅
b:リサージュパターンのY方向における振幅
n:第1ミラー41aの周波数
m:第2ミラー42aの周波数
t:時間
φ:第1ミラー41aまたは第2ミラー42a駆動時の位相差であり、具体的には、第1ミラー41aと第2ミラー42aの回転運動時に設ける角度ずれ量である。
ΔY= b×m×cos(mt+φ)×Δt ・・・(4)
ΔL= Δt×{(ΔX)2+(ΔY)2}1/2 ・・・(5)
よって、リサージュパターンの描画速度Vは、以下に示す式(6)で表される。
一方、描画パターンLS2においては、ΔXとΔYは数式(3)と数式(4)によって同様に計算できるが、X方向における振幅とY方向における振幅のみが描画パターンLS1と異なる。
本実施形態では、マニピュレータ60によってレーザヘッド30をX方向に所定の速度で移動させつつ、レーザ光LBをワーク200の表面に照射している。さらに、レーザ光スキャナ40を用いて、ワーク200の表面で図5に示すリサージュパターンを描くように、レーザ光LBを二次元的に走査している。また、本実施形態では、図3A,3Bに示すワーク200を突き合わせ溶接する場合を例に取って説明する。なお、本実施形態におけるレーザ光LBの出力Pは、リサージュパターンの全長に亘って同じになるように制御される。
以上説明したように、本実施形態に係るレーザ溶接方法は、レーザ光LBをX方向(第1方向)に進行させながら、レーザ光LBを二次元的に走査してワーク200の表面に照射することで、ワーク200を溶接する溶接ステップを備えている。
図7は、本変形例に係るレーザ光の走査パターンを示す。
図8は、本変形例に係るレーザ光の走査パターンを、図9は、レーザ光の描画位置と出力との関係をそれぞれ示す。なお、説明の便宜上、図8,9及び以降に示す各図面において、実施形態1と同様の箇所については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図10は、本実施形態に係るレーザ光の走査パターンを示し、図11は、レーザ光の描画位置と出力との関係を示す。なお、図示しないが、本実施形態におけるワーク200の溶接部位は、溶接線を挟んだ両側で熱容量が同じになるように設定されている。
図12は、本実施形態に係るレーザ光とワークに形成された溶融池との位置関係を示す。図13は、レーザ光の走査パターンを示し、図14は、レーザ光の描画位置と出力との関係を示す。
図15は、本実施形態に係るレーザ光の描画位置に対するレーザ光の描画速度の関係を示す。図16Aは、レーザ光の描画位置に対するレーザ光の描画速度の別の関係を示す。図16Bは、レーザ光の描画位置に対するレーザ光の描画速度のさらなる別の関係を示す。なお、本実施形態におけるレーザ光LBの走査パターンは、図5に示すのと同様である。
図17Aは、本変形例に係るレーザ光の第1の走査パターンを、図17Bは、第2の走査パターンをそれぞれ示す。図18Aは、本変形例に係るレーザ光の第3の走査パターンを、図18Bは、第4の走査パターンを、図18Cは、第5の走査パターンをそれぞれ示す。図19は、リサージュパターンを描画するときの各パラメータの組み合わせの一例を示す。
図20A~20Cは、本変形例に係るレーザ光の第1~第3の走査パターンをそれぞれ示す。なお、図20A~20Cにおいて、矢印はレーザ光LBの描画方向を示す。
実施形態1~4及び変形例1~4に示した各構成要素を適宜組み合わせて、新たな実施形態とすることもできる。
20 光ファイバ
30 レーザヘッド
31 筐体
32 コリメーションレンズ
33 反射ミラー
34 集光レンズ
40 レーザ光スキャナ
41 第1ガルバノミラー
41a 第1ミラー
41b 第1回転軸
41c 第1駆動部
42 第2ガルバノミラー
42a 第2ミラー
42b 第2回転軸
42c 第2駆動部
50 コントローラ
60 マニピュレータ
200 ワーク
201 溶融池
202 キーホール
203 第3部位
204 第4部位
210 第1板材(第1部位)
220 第2板材(第2部位)
230 第3板材
240 第4板材
Claims (20)
- レーザ光を第1方向に進行させながら、前記レーザ光を二次元的に走査してワークの表面に照射することで、前記ワークを溶接する溶接ステップを備え、
前記溶接ステップでは、
前記ワークの表面で所定のパターンを描くように前記レーザ光を走査し、
さらに、前記所定のパターンが、前記第1方向または前記第1方向と交差する第2方向に関して非対称な形状となるように、前記レーザ光を走査し、
前記所定のパターンは、互いに非対称な形状の2つの環状のパターンが一点で接して連続したパターンであることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項1に記載のレーザ溶接方法において、
前記所定のパターンは、8の字状または∞字状のリサージュパターンであり、
前記溶接ステップでは、前記レーザ光を前記第1方向に沿って第1周波数を有する正弦波状に振動させるとともに、前記第1方向と交差する第2方向に沿って第2周波数を有する正弦波状に振動させることで、前記ワークの表面で前記リサージュパターンを描くように前記レーザ光を走査することを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項2に記載のレーザ溶接方法において、
前記第1周波数と前記第2周波数との比は、2:1か、または1:2であることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法において、
前記所定のパターンは、前記第1方向または前記第2方向に関して、描画長さが異なっていることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項4に記載のレーザ溶接方法において、
前記ワークにおける溶接部位は、溶接線を挟んで一方に第1部位を、他方に前記第1部位よりも熱容量の小さい第2部位を有しており、
前記第1部位に照射される前記レーザ光の描画パターンの描画長さが、前記第2部位に照射される前記レーザ光の描画パターンの描画長さよりも長くなるようにすることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項4または5に記載のレーザ溶接方法において、
前記所定のパターンの描画中に、前記第1方向に沿って、前記ワークに形成される溶融池よりも前方に前記レーザ光が照射される部分を第3部位とし、前記溶融池を含んで前記第3部位よりも後方に前記レーザ光が照射される部分を第4部位とするとき、
前記第3部位に照射される前記レーザ光の出力が、前記第4部位に照射される前記レーザ光の出力よりも高くなるようにすることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項5に記載のレーザ溶接方法において、
前記所定のパターンの描画中に、前記第1部位では、前記第2部位よりも前記レーザ光の出力が高くなるようにするようにすることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法において、
前記所定のパターンの描画中に、前記所定のパターンの原点の近傍では、それ以外の部分よりも前記レーザ光の出力が低くなるようにすることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項5に記載のレーザ溶接方法において、
前記所定のパターンの描画中に、前記第1部位では、前記第2部位よりも前記レーザ光の描画速度が低くなるようにするようにすることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項6に記載のレーザ溶接方法において、
前記第3部位では、前記第4部位よりも前記レーザ光の描画速度が低くなるようにすることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項1ないし4のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法において、
前記所定のパターンの描画中に、前記所定のパターンの原点の近傍では、それ以外の部分よりも前記レーザ光の描画速度が高くなるようにすることを特徴とするレーザ溶接方法。 - 請求項1ないし8のいずれか1項に記載のレーザ溶接方法において、
前記所定のパターンの全長に亘って、前記レーザ光の描画速度が一定となるようにすることを特徴とするレーザ溶接方法。 - レーザ光を発生させるレーザ発振器と、
前記レーザ光を受け取ってワークに向けて照射するレーザヘッドと、
前記レーザヘッドの動作を制御するコントローラと、を少なくとも備え、
前記レーザヘッドは、前記レーザ光を第1方向と前記第1方向と交差する第2方向のそれぞれに走査するレーザ光スキャナを有し、
前記コントローラは、前記レーザ光が前記ワークの表面に所定のパターンを描くように、前記レーザ光スキャナを駆動制御し、
さらに、前記コントローラは、前記所定のパターンが、前記第1方向または前記第1方向と交差する第2方向に関して非対称な形状となるように、前記レーザ光スキャナを駆動制御し、
前記所定のパターンは、互いに非対称な形状の2つの環状のパターンが一点で接して連続したパターンであることを特徴とするレーザ溶接装置。 - 請求項13に記載のレーザ溶接装置において、
前記所定のパターンは、8の字状または∞字状のリサージュパターンであり、
前記コントローラは、前記レーザ光を前記第1方向に沿って第1周波数を有する正弦波状に振動させるとともに、前記第1方向と交差する第2方向に沿って第2周波数を有する正弦波状に振動させることで、前記ワークの表面で前記リサージュパターンを描くように前記レーザ光スキャナを駆動制御することを特徴とするレーザ溶接装置。 - 請求項14に記載のレーザ溶接装置において、
前記第1周波数と前記第2周波数との比は、2:1か、または1:2であることを特徴とするレーザ溶接装置。 - 請求項13ないし15のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置において、
前記コントローラは、前記第1方向または前記第2方向に関して、前記所定のパターンの描画長さを異ならせるように、前記レーザ光スキャナを駆動制御することを特徴とするレーザ溶接装置。 - 請求項13ないし16のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置において、
前記レーザヘッドが取り付けられたマニピュレータをさらに備え、
前記コントローラは、前記マニピュレータの動作を制御し、
前記マニピュレータは、前記ワークの表面に対して、所定の方向に前記レーザヘッドを移動させることを特徴とするレーザ溶接装置。 - 請求項13ないし17のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置において、
前記レーザ発振器と前記レーザヘッドとは光ファイバで接続されており、
前記レーザ光は、前記光ファイバを通って、前記レーザ発振器から前記レーザヘッドに伝送されることを特徴とするレーザ溶接装置。 - 請求項13ないし18のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置において、
前記レーザ光スキャナは、前記レーザ光を前記第1方向に走査する第1ガルバノミラーと、前記レーザ光を前記第1方向と交差する第2方向に走査する第2ガルバノミラーと、で構成されていることを特徴とするレーザ溶接装置。 - 請求項13ないし19のいずれか1項に記載のレーザ溶接装置において、
前記レーザヘッドは、焦点位置調整機構をさらに有し、
前記焦点位置調整機構は、前記第1方向及び前記第2方向のそれぞれに交差する方向に沿って、前記レーザ光の焦点位置を変化させるように構成されていることを特徴とするレーザ溶接装置。
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