JP7210962B2 - ゴム積層体およびホース - Google Patents
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Description
フッ素ゴムと、ポリオール系架橋剤とを含有するフッ素ゴム組成物からなるフッ素ゴム層(B)とを備えるゴム積層体が提供される。
フッ素ゴムと、ポリオール系架橋剤とを含有するフッ素ゴム組成物からなるフッ素ゴム層(B)とを備える。
本発明のゴム積層体のエピハロヒドリン系ゴム層(A)を構成するエピハロヒドリン系ゴム組成物は、エピハロヒドリン系ゴムと、シリカと、キノキサリン系架橋剤と、受酸剤と、硫黄原子含有シランカップリング剤と、を含有する。
本発明で用いるエピハロヒドリン系ゴムは、エピハロヒドリン単量体単位を必須構成単量体単位として含有するゴム重合体であり、エピハロヒドリン単量体単位55~90モル%、およびアルキレンオキシド単量体単位10~45モル%を含有する。
シリカとしては、特に限定されず、たとえば、乾式法シリカ、湿式法シリカン、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられるが、乾式法シリカが好ましい。
キノキサリン系架橋剤としては、特に限定されず、キノキサリン構造を有し、かつ、エピハロヒドリン系ゴムに含まれる塩素原子に対して反応性を示す化合物であればよいが、たとえば、2,3-ジメルカプトキノキサリン、キノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、6-メチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート、5,8-ジメチルキノキサリン-2,3-ジチカーボネートなどが挙げられ、これらの中でも、6-メチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネートが好適に用いられる。
受酸剤としては、一般にエピハロヒドリン系ゴムの成形架橋時に受酸剤として使用されるものを制限なく用いることができる。受酸剤としては、たとえば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、硼酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、メタホウ酸カルシウム、メタホウ酸バリウムなどの周期律表第2族金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、珪酸塩、硼酸塩、亜燐酸塩、メタホウ酸塩;酸化錫、塩基性炭酸錫、ステアリン酸錫、塩基性亜燐酸錫、塩基性亜硫酸錫、酸化ケイ素、ステアリン酸ケイ素などの周期律表第14族金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜燐酸塩、塩基性亜硫酸塩;ハイドロタルサイト類;水酸化アルミニウムゲル化合物;などが挙げられる。これらのなかでも、ハイドロタルサイト類が好ましく、特に、下記式で表されるハイドロタルサイト類が好ましい。
MgxAly(OH)2x+3y-2CO3・mH2O
(上記式中、x=1~10、y=1~5、mは0または正の実数を表す。)
硫黄原子含有シランカップリング剤としては、硫黄原子を含有し、かつシランカップリング剤として作用する化合物であればよく、特に限定されない。
本発明で用いるエピハロヒドリン系ゴム組成物は、上記各成分に加えて、カーボンブラックをさらに含有することが好ましい。カーボンブラックとしては、たとえば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、オースチンブラック、グラファイトなどが挙げられる。これらは1種または複数種併せて用いることができる。
本発明のゴム積層体のフッ素ゴム層(B)を構成するフッ素ゴム組成物は、フッ素ゴムと、ポリオール系架橋剤とを含有する。
本発明のゴム積層体は、上述したエピハロヒドリン系ゴム組成物からなるエピハロヒドリン系ゴム層(A)と、フッ素ゴム組成物からなるフッ素ゴム層(B)とを備える積層体である。
また、得られたゴム積層体をさらに熱処理(ポストキュア)してもよい。
各種の物性については、以下の方法に従って評価した。
ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、JIS K6300に従って、100℃で測定した。
エピハロヒドリン系ゴム組成物を、縦15cm、横15cm、深さ0.2cmの金型に入れ、プレス圧10MPaで加圧しながら160℃で30分間プレス成形してシート状の一次架橋物を得た。次いで、得られた一次架橋物をギヤー式オーブンに移して150℃で4時間二次架橋することで、シート状のゴム架橋物を得た。そして、得られたシート状のゴム架橋物を、3号形ダンベルで打ち抜いて試験片を作製し、得られたこの試験片を用いて、JIS K6251に従い、ゴム架橋物の引張強さ、破断伸びおよび100%引張応力を、また、JIS K6253に従い、デュロメータ硬さ試験機(タイプA)を用いてゴム架橋物の硬さを、それぞれ測定した。
上記常態物性の測定と同様にして得られた試験片(シート状のゴム架橋物を3号形ダンベルで打ち抜いて得られた試験片)について、耐熱老化試験を行った。耐熱老化試験は、JIS K6257(2010)に準拠して、150℃で、158時間の試験条件で行い、引張強さ、破断伸び、硬さ、および100%引張応力を測定した。引張強さ、破断伸び、および100%引張応力の評価は、上記常態物性の測定で得られた測定値に対する、耐熱老化試験後の測定値の変化率として求めた。また、硬さの評価は、上記常態物性の測定で得られた測定値に対する、耐熱老化試験後の測定値の変化量として求めた。
金型を用いて、エピハロヒドリン系ゴム組成物を、温度160℃で30分間プレスすることにより架橋し、直径29mm、高さ12.5mmの円柱型の一次架橋物を得た。次いで、得られた一次架橋物を、ギヤー式オーブンにて、さらに150℃、4時間の条件で加熱して二次架橋させることにより、円柱型の試験片を得た。そして、得られた試験片を用いて、JIS K6262に従い、試験片を25%圧縮させた状態で、135℃の環境下に22時間置いた後、圧縮永久歪みを測定した。この値が小さいほど、耐圧縮永久歪み性に優れる。
ゴム積層体を用いて、JIS K6256に従って剥離試験を行うことで、ゴム積層体を構成する両層間の接着性の評価を行った。具体的には、得られたゴム積層体を、幅25.4mm、長さ100mmの短冊状に打ち抜き、この両端を引張り試験機のエアーチャックで掴んで、50mm/分の速さで、180°剥離試験を行い、剥離時の荷重を引張り試験機のロードセルで読み取り、剥離強度TF(N/mm)で求めた。剥離強度が高いほど、接着性に優れると判断できる。
密閉した耐圧ガラス容器を窒素置換して、トルエン200部およびトリイソブチルアルミニウム60部を供給した。このガラス容器を氷水に浸漬して冷却後、ジエチルエーテル230部を添加し、攪拌した。次に、氷水で冷却しながら、リン酸13.6部を添加し、さらに攪拌した。この時、トリイソブチルアルミニウムとリン酸との反応により、容器内圧が上昇するので適時脱圧を実施した。次いで、得られた反応混合物を60℃の温水浴内で1時間熟成反応させて触媒溶液を得た。
オートクレーブにエピクロロヒドリン250部、エチレンオキサイド16部、トルエン279部を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら内溶液を60℃に昇温し、上記で得た触媒溶液10部を添加して反応を開始した。次に、反応開始からエチレンオキサイド103部をトルエン150部に溶解した溶液を5時間かけて等速度で連続添加した。また、反応開始後30分毎に触媒溶液7部ずつを5時間にわたり添加した。次いで、水15部を添加して攪拌し、反応を終了させた。ここにさらに、老化防止剤として4,4’-チオビス-(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)の5重量%トルエン溶液45部を添加し、攪拌した。スチームストリッピングを実施してトルエンを除去し、上澄み水を除去後、60℃にて真空乾燥し、エピクロロヒドリンゴム(a-1)369部を得た。このエピクロロヒドリンゴム(a-1)の単量体組成比は、1H-NMRにより測定した結果、エピクロロヒドリン単量体単位50モル%、エチレンオキサイド単量体単位50モル%であった。また、得られたエピクロロヒドリンゴム(a-1)のムーニー粘度は69であった。
オートクレーブにエピクロロヒドリン100部、トルエン560部を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら内溶液を60℃に昇温し、上記で得た触媒溶液10部を添加して反応を開始した。反応開始後30分毎に触媒溶液7部ずつを5時間にわたり添加した。次いで、水15部を添加して攪拌し、反応を終了させた。ここにさらに、老化防止剤として4,4’-チオビス-(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)の5重量%トルエン溶液45部を添加し、攪拌した。スチームストリッピングを実施してトルエンを除去し、上澄み水を除去後、60℃にて真空乾燥し、エピクロロヒドリンゴム(a-2)100部を得た。このエピクロロヒドリンゴム(a-2)の単量体組成比は、1H-NMRにより測定した結果、エピクロロヒドリン単量体単位100モル%であった。また、得られたエピクロロヒドリンゴム(a-2)のムーニー粘度は75であった。
オートクレーブにエピクロロヒドリン265.2部、アリルグリシジルエーテル13.0部、エチレンオキサイド9.76部、トルエン3250部を入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら内溶液を60℃に昇温し、上記で得た触媒溶液8部を添加して反応を開始した。次に、反応開始からエチレンオキサイド60.91部をトルエン300部に溶解した溶液を5時間かけて等速度で連続添加した。また、反応開始後30分毎に触媒溶液7部ずつを5時間にわたり添加した。次いで、水15部を添加して攪拌し、反応を終了させた。ここにさらに、老化防止剤として4,4’-チオビス-(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)の5重量%トルエン溶液45部を添加し、攪拌した。スチームストリッピングを実施してトルエンを除去し、上澄み水を除去後、60℃にて真空乾燥し、エピクロロヒドリンゴム(a-3)349部を得た。このエピクロロヒドリンゴム(a-3)の単量体組成比は、1H-NMRにより測定した結果、エピクロロヒドリン単量体単位62.5モル%、エチレンオキサイド単量体単位35モル%、アリルグリシジルエーテル単量体単位2.5モル%であった。また、得られたエピクロロヒドリンゴム(a-3)のムーニー粘度は69であった。
[エピハロヒドリン系ゴム組成物の調製]
40℃のオープンロールに、製造例2で得られたエピクロロヒドリンゴム(a-1)30部、および製造例3で得られたエピクロロヒドリンゴム(a-2)70部を投入し、次いで、HAFカーボンブラック(製品名「シースト3」、東海カーボン社製)20部、ジメチルシリル処理シリカ(製品名「アエロジル R972V」、EVONIC社製、乾式シリカのジメチルジクロロシラン処理品、BET比表面積:110m2/g、pH:3.5~5.5、見かけ比重:約90g/L)20部、ポリエーテルエステル系可塑剤(製品名「アデカサイザー RS735」、ADEKA社製)5部、エステル系ワックス(製品名「スプレンダー R300」、花王社製、加工助剤)3部、ハイドロタルサイト(製品名「DHT-4A」、協和化学工業社製、受酸剤)10部、ポリエチレングリコール400(活性剤)1部、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(製品名「KBM-803」、信越シリコーン社製、硫黄原子含有シランカップリング剤)1部、2-メルカプトベンズイミダゾール(製品名「ノクラックMB」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)0.5部、4,4’-ジ-(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン(製品名「ノクラックCD」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)1部、ジメチルジチオカルバミン酸銅(製品名「ノクセラーTTCU」、大内新興化学工業社製、老化防止剤)1部、N-(シクロヘキシルチオ)フタルイミド(製品名「RETARDER CTP」、大内新興化学工業社製、架橋遅延剤)1部、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)のフェノール塩(製品名「U-CAT SA831」、サンアプロ社製、DBU42重量%、架橋促進剤)1部、および6-メチルキノキサリン-2,3-ジチオカーボネート(キノキサリン系架橋剤)1.2部を投入し、10分間混練し混合することにより、エピハロヒドリン系ゴム組成物を調製した。
そして、得られたエピハロヒドリン系ゴム組成物を用いて、ムーニー粘度、常態物性(引張強さ、破断伸び、硬さ、100%引張応力)、耐熱老化試験、および圧縮永久歪みの測定・試験を行った。結果を表1に示す。
ポリオール系架橋剤を含有するフッ素ゴム(製品名「VITON A-401C」、ケマーズ社製、ポリオール系架橋剤としてビスフェノールAFを含有するフッ素ゴム)100部に、MTカーボンブラック(製品名「サーマックスMT」、Cancard社製、充填剤)30部、酸化マグネシウム(製品名「キョーワマグ150」、協和化学工業社製、受酸剤)3部、および水酸化カルシウム(製品名「カルディック#1000」、近江化学工業社製、受酸剤)6部を添加し、オープンロールで混練することで、フッ素ゴム組成物を得た。
上記にて得られたエピハロヒドリン系ゴム組成物とフッ素ゴム組成物とを、それぞれ、オープンロールで混練して、約2mmの均一な厚みのシートに分出し、6cm×10cm角に成形することで、シート状の成形体を得た。次いで、得られたシート状の各成形体を張り合わせ、縦6cm、横10cm、深さ0.4cmの金型に入れ、プレス圧50kg/cm2で加圧しながら、160℃で30分間架橋接着させ、さらに二次架橋(二次架橋条件:150℃、4時間)を行うことにより、ゴム積層体を作製した。なお、この際において、上述した剥離試験を行うために、剥離試験時にエアーチャックでつかむ部分に予めセロファン紙を挟むことで、両シートが接着していない部分を形成しておいた。そして、得られたゴム積層体を用いて、上記方法にしたがって、剥離試験を行った。結果を表1に示す。
エピハロヒドリン系ゴム組成物を調製する際に、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン1部に代えて、ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド(製品名「Si69」、エボニックインダストリーズ社製、硫黄原子含有シランカップリング剤)1部を使用した以外は、実施例1と同様にして、エピハロヒドリン系ゴム組成物、フッ素ゴム組成物、およびゴム積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
エピハロヒドリン系ゴム組成物を調製する際に、製造例2で得られたエピクロロヒドリンゴム(a-1)の使用量を30部から40部に、製造例3で得られたエピクロロヒドリンゴム(a-2)70部から60部にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして、エピハロヒドリン系ゴム組成物、フッ素ゴム組成物、およびゴム積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
エピハロヒドリン系ゴム組成物を調製する際に、製造例2で得られたエピクロロヒドリンゴム(a-1)の使用量を30部から50部に、製造例3で得られたエピクロロヒドリンゴム(a-2)70部から50部にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして、エピハロヒドリン系ゴム組成物、フッ素ゴム組成物、およびゴム積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
エピハロヒドリン系ゴム組成物を調製する際に、製造例2で得られたエピクロロヒドリンゴム(a-1)の使用量を30部から70部に、製造例3で得られたエピクロロヒドリンゴム(a-2)70部から30部にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして、エピハロヒドリン系ゴム組成物、フッ素ゴム組成物、およびゴム積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
エピハロヒドリン系ゴム組成物を調製する際に、製造例2で得られたエピクロロヒドリンゴム(a-1)およびエピクロロヒドリンゴム(a-2)の代わりに、製造例4で得られたエピクロロヒドリンゴム(a-3)100部を使用した以外は、実施例1と同様にして、エピハロヒドリン系ゴム組成物、フッ素ゴム組成物、およびゴム積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
エピハロヒドリン系ゴム組成物を調製する際に、製造例3で得られたエピクロロヒドリンゴム(a-2)の使用量を70部から100部に変更し、かつ、製造例2で得られたエピクロロヒドリンゴム(a-1)を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、エピハロヒドリン系ゴム組成物、フッ素ゴム組成物、およびゴム積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
エピハロヒドリン系ゴム組成物を調製する際に、製造例2で得られたエピクロロヒドリンゴム(a-1)の使用量を30部から100部に変更し、かつ、製造例3で得られたエピクロロヒドリンゴム(a-2)を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、エピハロヒドリン系ゴム組成物、フッ素ゴム組成物、およびゴム積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
エピハロヒドリン系ゴム組成物を調製する際に、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランを使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、エピハロヒドリン系ゴム組成物、フッ素ゴム組成物、およびゴム積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
エピハロヒドリン系ゴム組成物を調製する際に、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン1部に代えて、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(製品名「Dynasylan GLYMO」、エボニックインダストリーズ社製、硫黄原子を含有しないシランカップリング剤)1部を使用した以外は、実施例1と同様にして、エピハロヒドリン系ゴム組成物、フッ素ゴム組成物、およびゴム積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
エピハロヒドリン系ゴム組成物を調製する際に、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン1部に代えて、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(製品名「Dynasylan AMEO」、エボニックインダストリーズ社製、硫黄原子を含有しないシランカップリング剤)1部を使用した以外は、実施例1と同様にして、エピハロヒドリン系ゴム組成物、フッ素ゴム組成物、およびゴム積層体を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
また、エピハロヒドリン系ゴム層(A)を形成するエピハロヒドリン系ゴム組成物を用いて得られるエピハロヒドリン系ゴムの架橋物は、耐圧縮永久歪み性と破断伸びとのバランスに優れ、優れた耐熱性を有するものであり、ひいては、エピハロヒドリン系ゴム層(A)とフッ素ゴム層(B)とを備えるゴム積層体も、耐圧縮永久歪み性と破断伸びとのバランスに優れ、優れた耐熱性を有するものであるということができる(実施例1~6)。
エピハロヒドリン系ゴム組成物を構成するエピハロヒドリン系ゴムとして、エピハロヒドリン単量体単位の含有量が少なすぎるものを使用した場合には、耐熱後の引張強さが低く、耐熱性に劣るものであり、また、圧縮永久歪みも高くなる結果となった(比較例2)。
また、エピハロヒドリン系ゴム組成物に、硫黄原子含有シランカップリング剤を含有させなかった場合には、エピハロヒドリン系ゴム層(A)とフッ素ゴム層(B)との接着性に劣るものであり、また、圧縮永久歪みも高くなる結果となった(比較例3)。
また、エピハロヒドリン系ゴム組成物に、硫黄原子を含有しないシランカップリング剤としての3-アミノプロピルトリエトキシシラン(アミノ基含有シランカップリング剤)を配合した場合には、エピハロヒドリン系ゴム層(A)とフッ素ゴム層(B)との接着性に劣るものであり、破断伸びも低くなる結果となった(比較例5)。
Claims (5)
- エピハロヒドリン単量体単位55~90モル%、およびアルキレンオキシド単量体単位10~45モル%を含有するエピハロヒドリン系ゴムと、シリカと、キノキサリン系架橋剤と、受酸剤と、硫黄原子含有シランカップリング剤と、を含有するエピハロヒドリン系ゴム組成物からなるエピハロヒドリン系ゴム層(A)と、
フッ素ゴムと、ポリオール系架橋剤とを含有するフッ素ゴム組成物からなるフッ素ゴム層(B)とを備え、
前記エピハロヒドリン系ゴム層(A)と前記フッ素ゴム層(B)とが、互いに接触した状態で接着されてなるゴム積層体。 - 前記硫黄原子含有シランカップリング剤が、メルカプト基含有シランカップリング剤である請求項1に記載のゴム積層体。
- 前記エピハロヒドリン系ゴム層(A)が、前記エピハロヒドリン系ゴム組成物の架橋物からなる層であり、前記フッ素ゴム層(B)が、前記フッ素ゴム組成物の架橋物からなる層である請求項1または2に記載のゴム積層体。
- 請求項3に記載のゴム積層体を用いてなるホース。
- 前記シリカが、非反応性基で表面処理されたシリカである請求項1~3のいずれかに記載のゴム積層体。
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