JP2015013432A - 積層体 - Google Patents

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Tsuyoshi Inaba
剛志 稲葉
祐己 桑嶋
Hiroki Kuwajima
祐己 桑嶋
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Abstract

【課題】医療分野においては、ゴムに配合する添加剤の溶出や着香等が問題となるため、薬液とゴムが直接接触しないようなゴム製品の材料として、成分の溶出が少なく、着香性が低いフッ素樹脂が着目されている。しかし、フッ素樹脂は、他材との接着性に乏しい。接着剤を使用せず、またゴム層とフッ素樹脂層の各層に表面処理を施すこともなく、ゴム層とフッ素樹脂層が強固に接着され、耐薬品性、低溶出性、低着香性に優れた積層体を提供する。【解決手段】ゴム層(A)と、ゴム層(A)上に積層されたフッ素樹脂層(B)とを備えることを特徴とする積層体。好ましくは、フッ素樹脂層(B)は、少なくともクロロトリフルオロエチレンに由来する共重単位を有するフッ素ポリマーを含むフッ素ポリマー組成物から形成される層。ゴム層のゴムにはNBR等のゴムにジアザビシクロ系のDBUとかDBN等の化合物を含有させることにより接着力を与える。【選択図】なし

Description

本発明は、積層体に関する。
ゴム製品は、種々の分野に利用されている。医療分野においては、ゴムに配合している添加剤の溶出や着香等が問題となるため、薬液とゴムが直接接触しないような設計が望まれている。
ゴム製品の材料として、成分の溶出が少なく、着香性が低い点で、フッ素樹脂が着目されている。しかしながら、フッ素樹脂は、他材との接着性に乏しい。
フッ素樹脂とゴム層とを積層する方法として、例えば、フッ素樹脂の表面をコロナ放電で処理し、表面に官能基を作って加硫接着させる方法や、ゴムの表面をブラスト処理等で荒らし、荒れた表面に溶融したフッ素樹脂を浸透させることによって接着させる手法等が行われている。
しかしながら、これらの方法は、フッ素樹脂やゴムの表面に何らかの処理を加える必要があり、そのため、作業工程の複雑化が生じて生産性が著しく低下し、また大幅なコスト高となるなどの実用上に不具合がある。
フッ素樹脂層とゴム層との接着の向上のために、たとえば特許文献1のように、NBR等のジエン系ゴムに、DBU塩等とともに、硫黄系加硫剤、カルバミン酸金属塩およびチアゾール系金属塩の少なくとも一方、酸化マグネシウムを添加してなるジエン系ゴム層と、フッ化ビニリデン系共重合体(THV)層とが隣接した層構造を備える積層体が知られている。
特許文献2及び3のように、水素原子を複数含むモノマーが少なくとも1種存在するフルオロポリマ又はフッ化ビニリデンを必須とするフルオロポリマを使用し、脱弗化水素組成物を混合することによりフルオロポリマ層に対する硬化性エラストマー化合物の接着性を改良することも知られている。
特開2007−261079号公報 特表2001−527104号公報 特表2001−526972号公報
本発明は、上記現状を鑑みて、接着剤を使用せず、またゴム層とフッ素樹脂層の各層に表面処理を施すこともなく、ゴム層とフッ素樹脂層が強固に接着され、かつ、耐薬品性、低溶出性、及び、低着香性に優れた積層体を提供することを目的とする。
本発明者らはかかる要求を検討した結果、フッ素樹脂層と、ゴム層との積層体とすることにより、接着剤の使用や、表面処理の必要なしに、両層の強固に接着させることができ、かつ、耐薬品性、低溶出性、及び、低着香性に優れた積層体が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ゴム層(A)と、ゴム層(A)上に積層されたフッ素樹脂層(B)とを備えることを特徴とする積層体である。
上記フッ素樹脂層(B)は、フッ素ポリマー組成物から形成される層であり、上記フッ素ポリマー組成物は、少なくともクロロトリフルオロエチレンに由来する共重合単位を有するフッ素ポリマー(b1)、ならびに、エチレン及びテトラフルオロエチレン(TFE)に由来する重合単位を有するフッ素ポリマー(b2)からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
本発明の積層体は、耐薬品性、低溶出性及び低着香性を有する医療用成形品、又は、オフショア用成形品であることが好ましい。
本発明の積層体は、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)とが強固に接着し、耐薬品性、低溶出性、及び、低着香性に優れる。このため、本発明の積層体は、医療用途に適用できる。
本発明は、ゴム層(A)と、ゴム層(A)上に積層されたフッ素樹脂層(B)とを備えることを特徴とする積層体である。
このため、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)との接着性に優れ、かつ、耐薬品性、低溶出性、及び、低着香性に優れる。
以下、各層について説明する。
(A)ゴム層
ゴム層(A)は、加硫用ゴム組成物から形成される層である。
上記加硫用ゴム組成物としては、例えば、特開2012−126015号公報、国際公開公報第2011/001756号、特開2010−89479号公報、特開2012−61644号公報、特開2012−81682号公報、特願2010−254309号、特願2011−45942号、特願2011−229997号、特願2011-275417号、特願2012−22052号、特願2012−199719号に開示される加硫用ゴム組成物が挙げられる。
なかでも、上記加硫用ゴム組成物は、必須成分として未加硫ゴム(a1)、化合物(a2)、酸化マグネシウム(a3)、並びに、シリカ(a4)を含み、更に、任意成分として加硫剤(a5)及び金属塩(a6)の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
特に、加硫用ゴム組成物が未加硫ゴム(a1)及び化合物(a2)に加えて、加硫剤(a5)及び金属塩(a6)を含むものであると、フッ素樹脂層(B)とより大きな接着強度で接着できる。
本発明において未加硫ゴム(a1)は、フッ素ゴムでもよいが、耐寒性が良好な点や、コスト面で優れていることから、非フッ素ゴムが好ましい。
未加硫ゴム(a1)の具体例としては、たとえばアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)またはその水素化物(HNBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)などのジエン系ゴム、エチレン−プロピレン−ターモノマー共重合体ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリル系ゴムなどがあげられる。
未加硫ゴム(a1)としては、耐熱性、耐油性、耐候性、押出成形性が良好な点から、ジエン系のゴム、又は、エピクロルヒドリンゴムであることが好ましく、NBRであることがより好ましい。
加硫用ゴム組成物は、ゴム層(A)に未加硫ゴム(a1)とは別の特性を付与するために、樹脂を含有してもよい。樹脂としては、たとえばPVC、塩素化ポリスチレン、クロロスルホン化ポリスチレンエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などがあげられる。たとえば、加硫用ゴム組成物がNBRとPVCとを含有する場合、耐オゾン性を向上させることができる。この場合、PVCの配合量は、NBR100質量部に対し10〜70質量部が好ましい。
化合物(a2)は、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7塩(DBU塩)、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−ノネン−5塩(DBN塩)、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7(DBU)、及び、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−ノネン−5(DBN)からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。化合物(b2)を含むことによって、加硫用ゴム組成物の加硫特性を改善できる。
DBU塩およびDBN塩としては、DBU又はDBNの炭酸塩、長鎖脂肪族カルボン酸塩、芳香族カルボン酸塩、オルトフタル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、フェノール塩、フェノール樹脂塩、ナフトエ酸塩、オクチル酸塩、オレイン酸塩、ギ酸塩、フェノールノボラック樹脂塩などがあげられ、1,8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセニウムクロライド(DBU−B)、ナフトエ酸塩、オルトフタル酸塩、フェノール塩、及び、ギ酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
より具体的には、化合物(a2)は、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、1,8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセニウムクロライド、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のナフトエ酸塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のフェノール塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のオルトフタル酸塩、及び、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のギ酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
化合物(a2)としては、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、1,8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセニウムクロライド、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のフェノール塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のオルトフタル酸塩、及び、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のギ酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることがより好ましい。更に好ましくは、1,8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセニウムクロライド、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のギ酸塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のフェノール塩、及び、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のオルトフタル酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。これらの化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
化合物(a2)は、未加硫ゴム(a1)100質量部に対して1.0質量部を超え、5.0質量部以下であることが好ましい。化合物(a2)は、未加硫ゴム(a1)100質量部に対して、1.5質量部以上であることがより好ましい。化合物(a2)が少なすぎると接着力が充分でないおそれがある。また、化合物(a2)は、未加硫ゴム(a1)100質量部に対して、3.1質量部以下であることがより好ましく、3.0質量部以下であることが更に好ましく、2.0質量部以下であることがより更に好ましい。
加硫用ゴム組成物は、酸化マグネシウム(a3)を含むことが好ましい。酸化マグネシウム(a3)の配合量は、接着性、ゴム物性の点から、未加硫ゴム(a1)100質量部に対して3〜20質量部が好ましく、特に好ましくは5〜15質量部である。本発明の特定の構造を有する積層体は、酸化マグネシウム(a3)を必須とすることによって優れた接着性を有するものとなる。
加硫用ゴム組成物は、シリカ(a4)を含むことが好ましい。シリカ(a4)としては、塩基性シリカ、酸性シリカを用いることができ、接着性の観点から、塩基性シリカを用いる方が好ましい。塩基性シリカとしては、カープレックス1120(DSLジャパン(株)製)が挙げられる。また、接着性、ゴム物性の観点から、未加硫ゴム(a1)100質量部に対して10〜40質量部がより好ましく、特に好ましくは15〜25質量部である。本発明の特定の構造を有する積層体は、シリカ(a4)を必須とすることによって優れた接着性を有するものとなる。
加硫剤(a5)は、加硫用ゴム組成物の加硫系に合わせて、従来公知のものが使用できる。未加硫ゴム(a1)を加硫することにより、得られる加硫ゴム層の引張強度などの機械的強度が向上し、良好な弾性も獲得できる。
本発明で用いられ得る加硫系としては、硫黄加硫系、ポリアミン加硫系、ポリオール加硫系、パーオキサイド加硫系、イミダゾール加硫系、トリアジン加硫系、オキサゾール加硫系、チアゾール加硫系のいずれも採用できるが、未加硫ゴムに加硫性基(キュアサイト)が含まれる場合はキュアサイトの種類によって、または加硫された積層体に付与する特性や用途により適宜選択すればよい。
加硫剤(a5)としては、加硫系に合わせて硫黄加硫系加硫剤、ポリアミン加硫系加硫剤、ポリオール加硫系加硫剤、パーオキサイド加硫系加硫剤、イミダゾール加硫系加硫剤、トリアジン加硫系加硫剤、オキサゾール加硫系加硫剤、チアゾール加硫系加硫剤のいずれも採用でき、単独で使用または併用してもよい。
たとえば、未加硫ゴム(a1)がジエン系の非フッ素ゴム(NBR、SBR、BRなど)の場合は硫黄加硫系およびパーオキサイド加硫系が通常採用されるので、加硫剤としても硫黄加硫系加硫剤及びパーオキサイド加硫系加硫剤からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
硫黄加硫系加硫剤としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、ジスルフィド化合物、ポリスルフィド化合物などが例示できる。
硫黄加硫系加硫剤の配合量は、未加硫ゴム(a1)100質量部に対して、1.0〜10.0質量部が好ましい。少なすぎると接着性が不充分となり、多すぎると硬くなりすぎる傾向にある。
パーオキサイド加硫系加硫剤としては、熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシラジカルを発生する有機過酸化物が好ましいものとしてあげられる。
有機過酸化物としては、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどを例示することができる。そのなかでも好ましいものはジアルキル化合物である。一般に活性−O=O−の量、分解温度などから種類ならびに配合量が選ばれる。配合量は通常、未加硫ゴム100質量部に対して0.1〜15.0質量部が好ましく、より好ましくは0.3〜5.0質量部である。
加硫剤(a5)としては、硫黄加硫系加硫剤及びパーオキサイド加硫系加硫剤からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、硫黄加硫系加硫剤がより好ましく、その添加量は未加硫ゴム(a1)100質量部に対して0.5〜5.0質量部であることが好ましく、特に好ましくは1.0〜3.0質量部である。
金属塩(a6)は、カルバミン酸金属塩及びチアゾール系金属塩からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記カルバミン酸金属塩としては、例えば、ジメチルジチオカルバメートの亜鉛塩(ZnMDC)、ジエチルジチオカルバメートの亜鉛塩(ZnEDC)、ジブチルジチオカルバメートの亜鉛塩(ZnBDC)、ジメチルジチオカルバメートの鉄塩(FeMDC)、エチルフェニルジチオカルバメートの亜鉛塩(ZnEPDC)、N−ペンタメチレンジチオカルバメートの亜鉛塩、ジベンジルジチオカルバメートの亜鉛塩、ジメチルジチオカルバメートのナトリウム塩(NaMDC)、ジエチルジチオカルバメートのナトリウム塩(NaEDC)、ジブチルジチオカルバメートのナトリウム塩(NaBDC)、ジメチルジチオカルバメートの銅塩(CuMDC)、ジエチルジチオカルバメートのテルリウム塩(TeEDC)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併用して用いられる。これらのなかでも、接着性、ゴム物性の点で、ZnMDC、ZnEDC、又は、ZnBDCが好適に用いられる。
上記チアゾール系金属塩としては、メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩(ZnMBT)が好適に用いられる。
金属塩(a6)の配合量は、未加硫ゴム(a1)100質量部に対して0.01〜3.0質量部が好ましく、0.01〜0.5質量部がより好ましく、特に好ましくは0.05〜0.3質量部である。金属塩(a6)の配合量が少なすぎると加硫ゴム物性が悪くなる傾向がみられ、多すぎると未加硫物性が悪くなる傾向がみられる。
加硫用ゴム組成物は、加硫特性を阻害したりゴムの物性を損なったりするため、アミン化合物を、含有しないことが好ましい。
また本発明においては、目的または必要に応じて、一般の加硫用ゴム組成物に配合する通常の添加物、たとえば充填剤、加工助剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、着色剤、安定剤、接着助剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、粘着付与剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤、紫外線吸収剤、耐油性向上剤、発泡剤、スコーチ防止剤、滑剤、エポキシ樹脂などの各種添加剤を配合することができる。また、上記のものとは異なる常用の加硫剤や加硫促進剤を1種または2種以上配合してもよい。ただし、これらの添加剤は、本発明の目的であるフッ素樹脂層(B)との接着力を損なわない範囲の量で配合する。
充填剤としては、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩;ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウムなどのケイ酸塩;硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩;合成ハイドロタルサイト、二硫化モリブデン、硫化鉄、硫化銅などの金属硫化物;ケイ藻土、アスベスト、リトポン(硫化亜鉛/硫化バリウム)、グラファイト、カーボンブラック、フッ化カーボン、フッ化カルシウム、コークス、石英微粉末、亜鉛華、タルク、雲母粉末、ワラストナイト、炭素繊維、アラミド繊維、各種ウィスカー、ガラス繊維、有機補強剤、有機充填剤などがあげられる。
加工助剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸塩;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの高級脂肪酸アミド;オレイン酸エチルなどの高級脂肪酸エステル、ステアリルアミン、オレイルアミンなどの高級脂肪族アミン;カルナバワックス、セレシンワックスなどの石油系ワックス;エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールなどのポリグリコール;ワセリン、パラフィンなどの脂肪族炭化水素;シリコーン系オイル、シリコーン系ポリマー、低分子量ポリエチレン、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、ロジン、(ハロゲン化)ジアルキルアミン、(ハロゲン化)ジアルキルスルフォン、界面活性剤などがあげられる。
可塑剤としては、たとえばフタル酸誘導体やセバシン酸誘導体、軟化剤としては、たとえば潤滑油、プロセスオイル、コールタール、ヒマシ油、ステアリン酸カルシウム、老化防止剤としては、たとえばフェニレンジアミン類、フォスフェート類、キノリン類、クレゾール類、フェノール類、ジチオカルバメート金属塩などがあげられる。
エポキシ樹脂(7b)としては、たとえばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂などがあげられる。これらのうちビスフェノールA型エポキシ樹脂が耐薬品性、接着性が良好な点から好ましく、さらに式(1):
Figure 2015013432
で表わされるエポキシ樹脂が特に好ましくあげられる。ここで、式(1)において、nは平均値であり、0.1〜3が好ましく、0.1〜0.5がより好ましく、0.1〜0.3がさらに好ましい。nが0.1未満であると、フッ素樹脂層(B)との接着力が低下する傾向がある。一方、nが3をこえると、エポキシ樹脂自体の粘度が高くなり、加硫用ゴム組成物中での均一な分散が困難になる傾向がある。
エポキシ樹脂を配合する場合の含有量は、フッ素樹脂層(B)との接着力をより向上させる点から、未加硫ゴム100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上が特に好ましい。ゴム層が硬くなりすぎないようにする点から、未加硫ゴム100質量部に対して、25質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、10質量部以下が特に好ましい。
加硫用ゴム組成物は、未加硫ゴム(a1)、化合物(a2)、酸化マグネシウム(a3)、及び、シリカ(a4)、さらに要すれば加硫剤(a5)、金属塩(a6)並びにその他の添加剤を混練することにより調製される。
混練は、たとえば100℃以下の温度でオープンロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダーなどを用いて行うことができる。
加硫用ゴム組成物は、最適加硫時間(T90)が18分以下であることが好ましい。より好ましくは15分以下であり、更に好ましくは13分以下であり、特に好ましくは、11分以下である。T90の下限は特に限定されないが、例えば、1分以上である。上記加硫用ゴム組成物は、上記構成であることによって、加硫時間を短くし、生産性を向上させることができる。T90は、160℃にて最大トルク値(M)と最小トルク値(M)を測定することにより得られる値であり、{(M)−(M)}×0.9+Mで求める値である。M及びMは、JIS K 6300−2に準じて測定した値である。
未加硫ゴム(a1)が、エピクロルヒドリンの場合、加硫用ゴム組成物は、必須成分としてエピクロルヒドリンゴム(a1−1)、化合物(a2−1)、酸化マグネシウム(a3−1)、シリカ(a4−1)、並びにエポキシ樹脂(a7−1)を含有し、更に、任意成分として酸化亜鉛(a8)、及び加硫剤(a5−1)の少なくともいずれかを含むことが好ましい。特に、加硫用ゴム組成物がエピクロルヒドリンゴム(a1−1)及び化合物(a2−1)に加えて、加硫剤(a5−1)を含むものであると、層(A)と層(B)とをより大きな接着強度で接着できる。
エピクロルヒドリンゴム(a1−1)は、エピクロルヒドリンに基づく重合単位を有する未加硫ゴムであれば特に限定されず、実質的にエピクロルヒドリンに基づく重合単位のみからなる1元重合体であってもよいし、エピクロルヒドリンに基づく重合単位と、エピクロルヒドリン以外の他の単量体に基づく重合単位と、からなる2元以上の重合体であってもよい。
エピクロルヒドリン以外の他の単量体としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、及びアリルグリシジルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の単量体が好ましい。加硫用ゴム組成物は、エピクロルヒドリンに基づく重合単位と、エチレンオキサイドに基づく重合単位と、を有する重合体であることが好ましく、エピクロルヒドリンに基づく重合単位と、エチレンオキサイドに基づく重合単位と、アリルグリシジルエーテルに基づく重合単位と、を有する重合体であることがより好ましい。
エピクロルヒドリンゴム(a1−1)としては、例えば、エピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド共重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体、及び、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル四元共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の重合体が好ましい。より好ましくは、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合体、及びエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の重合体である。これらを単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
化合物(a2−1)は、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のp−トルエンスルホン酸塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のフェノール塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のフェノール樹脂塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のオルトフタル酸塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のギ酸塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のオクチル酸塩、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−ノネン−5のp−トルエンスルホン酸塩、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−ノネン−5のフェノール塩、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−ノネン−5のフェノール樹脂塩、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−ノネン−5のオルトフタル酸塩、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−ノネン−5のギ酸塩、及び、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−ノネン−5のオクチル酸塩、からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。化合物(a2−1)を含むことによって、加硫用ゴム組成物の加硫特性を改善でき、接着性を向上させることができる。
化合物(a2−1)は、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のp−トルエンスルホン酸塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のフェノール塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のフェノール樹脂塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のオルトフタル酸塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のギ酸塩、及び、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のオクチル酸塩、からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
接着性を向上させる観点からは、化合物(a2−1)は、1,8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセニウムクロライド、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のギ酸塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のフェノール塩、及び、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のオルトフタル酸塩、からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることがより好ましい。
また、加硫用ゴム組成物は、更に、ホスホニウム塩を含有することも好ましい形態の一つである。化合物(a2−1)に加えて、更に、ホスホニウム塩を併用することによって、より接着性を向上させることができる。
具体的には、例えば、化合物(a2−1)は、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のフェノール塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のオルトフタル酸塩、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のギ酸塩、及び、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7のオクチル酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物であり、加硫用ゴム組成物は、更に、ホスホニウム塩を含有することが好ましい。
化合物(a2−1)は、接着性が良好な観点から、エピクロルヒドリンゴム(a1−1)100質量部に対して0.5質量部以上、3.0質量部以下であることが好ましい。より好ましくは1.0質量部以上、2.0質量部以下である。また、接着性が良好であるとともに、加硫特性が良好な点から、化合物(a2−1)は、エピクロルヒドリンゴム(a1−1)100質量部に対して、1.0質量部以上、1.5質量部以下であることが好ましい。
加硫用ゴム組成物は、酸化マグネシウム(a3−1)を含むことが好ましい。酸化マグネシウム(a3−1)の配合量は、接着性、ゴム物性の点から、エピクロルヒドリンゴム(a1−1)100質量部に対して3〜20質量部が好ましく、特に好ましくは5〜15質量部である。本発明の特定の構造を有する積層体は、酸化マグネシウム(a3−1)を必須とすることによって優れた接着性を有するものとなる。
加硫用ゴム組成物は、シリカ(a4−1)を含むことが好ましい。シリカ(a4−1)としては、塩基性シリカ、酸性シリカを用いることができ、接着性の観点から、塩基性シリカを用いることが好ましい。塩基性シリカとしては、カープレックス1120(DSLジャパン(株)製)が挙げられる。また、接着性、ゴム物性の観点から、エピクロルヒドリンゴム(a1−1)100質量部に対して5〜40質量部が好ましく、特に好ましくは10〜25質量部である。本発明の特定の構造を有する積層体は、シリカ(a4−1)を必須とすることによって優れた接着性を有するものとなる。
加硫用ゴム組成物は、エポキシ樹脂(a7−1)を含むことが好ましい。エポキシ樹脂(a7−1)としては、上述したエポキシ樹脂(a7)と同様のものが挙げられる。
エポキシ樹脂(a7−1)は、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)との接着力をより向上させる点から、エピクロルヒドリンゴム(a1−1)100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.3〜3質量部がより好ましい。また、加硫用ゴム組成物に添加される、化合物(a2−1)、酸化マグネシウム(a3−1)、シリカ(a4−1)等の添加量にもよるが、接着力を向上させる観点からは、エポキシ樹脂(a7−1)は、エピクロルヒドリンゴム(a1−1)100質量部に対して、0.5質量部を超えることが好ましい。1.0質量部を超えることも好ましい形態の一つである。
また、加硫用ゴム組成物は、化合物(a2−1)とエポキシ樹脂(a7−1)との合計が、エピクロルヒドリンゴム(a1−1)100質量部に対して、2.0質量部を超えることも好ましい形態の一つである。
加硫用ゴム組成物は、更に、酸化亜鉛(a8)を含むことが好ましい。酸化亜鉛(a8)の配合量は、接着性、ゴム物性の点から、エピクロルヒドリンゴム(a1−1)100質量部に対して3〜20質量部が好ましく、特に好ましくは5〜15質量部である。本発明の特定の構造を有する積層体は、酸化亜鉛(a8)を含むことによって、より優れた接着性を有するものとなる。
加硫用ゴム組成物は、加硫剤(a5−1)を含むことが好ましい。加硫剤は、加硫用ゴム組成物の加硫系に合わせて、従来公知のものが使用できる。エピクロルヒドリンゴム(a1−1)を加硫することにより、得られる加硫ゴム層の引張強度などの機械的強度が向上し、良好な弾性も獲得できる。
加硫剤(a5−1)としては、塩素原子の反応性を利用する公知の加硫剤、例えば、ポリアミン系加硫剤、チオウレア系加硫剤、チアジアゾール系加硫剤、メルカプトトリアジン系加硫剤、ピラジン系加硫剤、キノキサリン系加硫剤、ビスフェノール系加硫剤等を挙げることができる。
塩素原子の反応性を利用する公知の加硫剤を例示すれば、ポリアミン系加硫剤としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンテトラミン、p−フェニレンジアミン、クメンジアミン、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、エチレンジアミンカーバメート、ヘキサメチレンジアミンカーバメート等があげられる。
チオウレア系加硫剤としては、エチレンチオウレア、1,3−ジエチルチオウレア、1,3−ジブチルチオウレア、トリメチルチオウレア等があげられる。
チアジアゾール系加硫剤としては、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−5−チオベンゾエート等があげられる。
メルカプトトリアジン系加硫剤としては、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、1−メトキシ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−ヘキシルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−ジエチルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−シクロヘキサンアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、1−ジブチルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプトトリアジン、1−フェニルアミノ−3,5−ジメルカプトトリアジン等があげられる。
ピラジン系加硫剤としては、2,3−ジメルカプトピラジン誘導体等があげられ、2,3−ジメルカプトピラジン誘導体を例示すると、ピラジン−2,3−ジチオカーボネート、5−メチル−2,3−ジメルカプトピラジン、5−エチルピラジン−2,3−ジチオカーボネート、5,6−ジメチル−2,3−ジメルカプトピラジン、5,6−ジメチルピラジン−2,3−ジチオカーボネート等があげられる。
キノキサリン系加硫剤としては、2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体等があげられ、2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体を例示すると、キノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、6−エチル−2,3−ジメルカプトキノキサリン、6−イソプロピルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート、5,8−ジメチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート等があげられる。
ビスフェノール系加硫剤としては、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)、1,1−シクロヘキシリデン−ビス(4−ヒドロキシベンゼン)、2−クロロ−1,4−シクロヘキシレン−ビス (4−ヒドロキシベンゼン)、2,2−イソプロピリデン−ビス(4−ヒドロキシベンゼン)(ビスフェノールA)、ヘキサフルオロイソプロピリデン−ビス(4−ヒドロキシベンゼン)(ビスフェノールAF)および2−フルオロ−1,4−フェニレン−ビス(4−ヒドロキシベンゼン)等があげられる。
加硫用ゴム組成物は、加硫剤と共に公知の加硫促進剤、遅延剤を本発明においてそのまま用いることができる。塩素原子の反応性を利用する公知の加硫剤に併用される加硫促進剤としては、1級、2級、3級アミン、該アミンの有機酸塩もしくはその付加物、グアニジン系促進剤、チウラム系促進剤、ジチオカルバミン酸系促進剤等を挙げることができる。また、遅延剤としてはN−シクロヘキサンチオフタルイミド、ジチオカルバミン酸類の亜鉛塩等を挙げることができる。
加硫促進剤を例示すれば、1級、2級、3級アミンとしては、特に炭素数5〜20の脂肪族又は環式脂肪酸の第1、第2もしくは第3アミンが好ましく、このようなアミンの代表例は、n−ヘキシルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、ヘキサメチレンジアミン等である。
アミンと塩を形成する有機酸としては、カルボン酸、カルバミン酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジチオリン酸等が例示される。また上記アミンと付加物を形成する物質としては、アルコール類、オキシム類等が例示される。アミンの有機酸塩もしくは付加物の具体例としては、n−ブチルアミン・酢酸塩、ヘキサメチレンジアミン・カルバミン酸塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのジシクロヘキシルアミン塩等が挙げられる。
グアニジン系促進剤の例としては、ジフェニルグアニジン、ジトリルグアニジン等が挙げられる。
チウラム系加硫促進剤の具体例としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。
ジチオカルバミン酸系促進剤の例としては、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩等が挙げられる。
塩素原子の反応性を利用する公知の加硫剤に併用される加硫促進剤又は遅延剤の配合量は、ゴム成分100重量部に対して0〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。
また、エピクロルヒドリンゴム(a1−1)がエピクロルヒドリン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル三元共重合体などの二重結合を有する重合体である場合には、ニトリル系ゴムの加硫に通常用いられている公知の加硫剤、加硫促進剤、加硫遅延剤、加硫促進助剤、架橋助剤等を用いることができる。加硫剤としては、硫黄、モルホリンジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、ジペンタンメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド等の硫黄系加硫剤、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキサイド系加硫剤、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂等の樹脂系加硫剤、p−キノンジオキシム、p−p’−ジベンゾイルキノンジオキシム等のキノンジオキシム系加硫剤等を挙げることができる。これらの加硫剤は単独で又は2種以上を混合して使用することができる。また、加硫促進剤、加硫遅延剤、加硫促進助剤、架橋助剤としては、例えば、アルデヒドアンモニア系促進剤、アルデヒドアミン系促進剤、チオウレア系促進剤、グアニジン系促進剤、チアゾール系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、チウラム系促進剤、ジチオカルバミン酸塩系促進剤、キサントゲンサン塩系促進剤等の各種加硫促進剤、N−ニトロソジフェニルアミン、無水フタル酸、N−シクロヘキシルチオフタルイミド等の加硫遅延剤、亜鉛華、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛等の加硫促進助剤、キノンジオキシム系架橋助剤、メタクリレート系架橋助剤、アリル系架橋助剤、マレイミド系架橋助剤等の各種架橋助剤等を挙げることができる。
エピクロルヒドリンゴム(a1−1)の耐熱性や、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)との接着性の観点から、加硫剤としては、チオウレア系加硫剤、キノキサリン系加硫剤、硫黄系加硫剤、パーオキサイド系加硫剤、及びビスフェノール系加硫剤からなる群より選択される少なくとも1種の加硫剤(a5−1)が好ましく、チオウレア系加硫剤、キノキサリン系加硫剤、及びビスフェノール系加硫剤からなる群より選択される少なくとも1種の加硫剤がより好ましく、特に好ましくはキノキサリン系加硫剤である。これらの加硫剤は単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
加硫用ゴム組成物は、エピクロルヒドリンゴム(a1−1)100重量部に対して、0.1〜10重量部の加硫剤(a5−1)を含むことが好ましい。より好ましくは、0.5〜5重量部である。加硫剤が0.1重量部未満であると、架橋効果が不十分となるおそれがあり、10重量部を越えると、本発明の積層体を成形して得られる成形体が剛直になりすぎて、実用的なゴム物性が得られないおそれがある。
加硫用ゴム組成物は、チオウレア系加硫剤、キノキサリン系加硫剤、及びビスフェノール系加硫剤からなる群より選択される少なくとも1種の加硫剤に加えて、更に、パーオキサイド系加硫剤を含有することも好ましい形態の一つである。パーオキサイド系加硫剤としては、ジクミルパーオキサイドが好ましい。パーオキサイド系加硫剤は、エピクロルヒドリンゴム(a1−1)100質量部に対して1.0質量部以上であることが好ましく、2.0質量部以上であることがより好ましい。また、5.0質量部以下であることが好ましい。例えば、加硫用ゴム組成物において、化合物(a2−1)やエポキシ樹脂(a7)の含有量が少ない場合、良好な接着性が得られないおそれがあるが、パーオキサイド系加硫剤を含有することによって、化合物(a2−1)やエポキシ樹脂(a7)の含有量が少ない場合であっても、フッ素樹脂層(B)との接着性を良好なものとすることができる。
加硫用ゴム組成物は、更に受酸剤を含んでもよい。受酸剤の例としては、周期表第(II)族金属の酸化物(但し、酸化マグネシウムを除く)、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜リン酸塩、周期表第(IV)族金属の酸化物、塩基性炭酸塩、塩基性カルボン酸塩、塩基性亜リン酸塩、塩基性亜硫酸塩等、及び下記一般式(2):
MgZnAl(OH)2(x+y)+3z−2CO・wHO (2)
(xとyは0〜10の実数、ただしx+y=1〜10、zは1〜5の実数、wは0〜10の実数を表す。)で示される合成ハイドロタルサイト類、及び一般式(3):
〔AlLi(OH)X・mHO (3)
(式中Xは、無機又は有機のアニオンであり、nはアニオンXの価数であり、mは3以下の数である。)で示されるLi−Al系包接化合物が挙げられる。
受酸剤の具体的な例としては、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、生石灰、消石灰、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フタル酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、酸化錫、塩基性亜リン酸錫をあげることができる。
さらに、一般式(2)で示される合成ハイドロタルサイト類については、例えば、MgZnAl2 (OH)12CO・wHO等を挙げることができる。また、一般式(2)に含まれる下記一般式(4):
MgAl(OH)2x+3y-2CO・wHO (4)
(但しxは1〜10、yは1〜10、wは正の整数を表す)で表される化合物であってもよい。更に具体的に例示すれば、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO、Mg4.5Al(OH)13CO、MgAl(OH)12CO・3.5HO、MgAl(OH)16CO・4HO、MgAl(OH)10CO・1.7HO等を挙げることができる。
さらに、一般式(3)で示されるLi−Al系包接化合物については、〔AlLi(OH)CO・HO等が挙げられる。
また、Li−Al系包接化合物のアニオン種としては、炭酸、硫酸、過塩素酸、リン酸のオキシ酸、酢酸、プロピオン酸、アジピン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、p−オキシ安息香酸、サリチル酸、ピクリン酸等が挙げられる。また、これらの受酸剤は単独又は2種以上を混合して用いることができる。
受酸剤のうちエピハロヒドリン系ゴムの耐熱性の観点から、好ましく用いられる受酸剤は金属酸化物、金属水酸化物、無機マイクロポーラスクリスタルである。これらの受酸剤は、ゴム層(A)又はフッ素樹脂層(B)との接着力を損なわない範囲の量で配合する。
加硫用ゴム組成物は、加硫特性を阻害したりゴムの物性を損なったりするおそれがあるため、アミン化合物を、含有しないことが好ましい。
加硫用ゴム組成物は、ゴム層(A)にエピクロルヒドリンゴム(a1−1)とは別の特性を付与するために、更に、エポキシ樹脂以外の他の樹脂を含有してもよい。樹脂としては、たとえばポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリウレタン(PUR)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、エチレン−酢酸ビニル(EVA)樹脂、スチレン−アクリロニトリル(AS)樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、塩素化ポリスチレン、クロロスルホン化ポリスチレンエチレ等が挙げられる。この場合、樹脂の配合量は、エピクロルヒドリンゴム(a1−1)100質量部に対し1〜50質量部が好ましい。
また本発明においては、目的または必要に応じて、一般の加硫用ゴム組成物に配合する通常の添加物、たとえば充填剤、加工助剤、可塑剤、軟化剤、老化防止剤、着色剤、安定剤、接着助剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、粘着付与剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤、紫外線吸収剤、耐油性向上剤、発泡剤、スコーチ防止剤、滑剤などの各種添加剤を配合することができる。また、上記のものとは異なる常用の加硫剤や加硫促進剤を1種または2種以上配合してもよい。ただし、これらの添加剤は、ゴム層(A)及びフッ素樹脂層(B)との接着力を損なわない範囲の量で配合する。
充填剤、加工助剤、可塑剤としては、上述したものと同様のものが挙げられる。
加硫用ゴム組成物は、エピクロルヒドリンゴム(a1−1)、化合物(a2−1)、酸化マグネシウム(a3−1)、シリカ(a4−1)、並びにエポキシ樹脂(a7−1)、さらに要すれば酸化亜鉛(a8)、加硫剤(a5−1)並びにその他の添加剤を混練することにより調製される。
混練は、たとえば100℃以下の温度でオープンロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダーなどを用いて行うことができる。
(B)フッ素樹脂層
フッ素樹脂層(B)は、フッ素ポリマー組成物から形成される層である。
フッ素ポリマー組成物は、少なくともクロロトリフルオロエチレンに由来する共重合単位を有するフッ素ポリマー(b1)、ならびに、エチレン及びテトラフルオロエチレン(TFE)に由来する重合単位を有するフッ素ポリマー(b2)からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
フッ素ポリマー(b1)としては、フッ素樹脂であることが好ましく、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)及びCTFE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
CTFE共重合体としては、CTFEに由来する共重合単位(CTFE単位)と、テトラフルオロエチレン(TFE)、へキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、フッ化ビニリデン(VdF)、フッ化ビニル、へキサフルオロイソブテン、式:
CH=CX(CF
(式中、XはHまたはF、XはH、FまたはCl、nは1〜10の整数である)
で示される単量体、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、塩化ビニル、及び、塩化ビニリデンからなる群より選択される少なくとも1種の単量体に由来する共重合単位と、を含むことが好ましい。
CTFE共重合体としては、CTFE単位と、TFE、HFP及びPAVEからなる群より選択される少なくとも1種の単量体に由来する共重合単位と、を含むことがより好ましく、実質的にこれらの共重合単位のみからなることが更に好ましい。また、耐薬品性の観点から、エチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル等のCH結合を有するモノマーを含まないことが好ましい。パーハロポリマーはゴムとの接着が通常困難であるが、本発明の構成によれば、フッ素樹脂層がパーハロポリマーからなる層であっても、フッ素樹脂層とゴム層との層間の接着は強固である。
CTFE共重合体は、全単量体単位の10〜90モル%のCTFE単位を有することが好ましい。
CTFE共重合体としては、CTFE単位、TFE単位およびこれらと共重合可能な単量体(α)に由来する単量体(α)単位を含むものが特に好ましい。
上記「CTFE単位」および「TFE単位」は、CTFE共重合体の分子構造上、それぞれ、CTFEに由来する部分(−CFCl−CF−)、TFEに由来する部分(−CF−CF−)であり、上記「単量体(α)単位」は、同様に、CTFE系共重合体の分子構造上、単量体(α)が付加してなる部分である。
上記単量体(α)としては、CTFEおよびTFEと共重合可能な単量体であれば特に限定されず、エチレン(Et)、ビニリデンフルオライド(VdF)、CF=CF−ORf(式中、Rfは、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、CX=CX(CF(式中、X、XおよびXは同一もしくは異なって、水素原子またはフッ素原子;Xは、水素原子、フッ素原子または塩素原子;nは、1〜10の整数)で表されるビニル単量体、CF=CF−OCH−Rf(式中、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体などがあげられ、なかでも、PAVE、上記ビニル単量体、及び、アルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、PAVE及びHFPからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
上記アルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体としては、Rfが炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であるものが好ましく、CF=CF−OCH−CFCFがより好ましい。
CTFE共重合体における、CTFE単位とTFE単位との比率は、CTFE単位が15〜90モル%に対し、TFE単位が85〜10モル%であり、より好ましくは、CTFE単位が20〜90モル%であり、TFE単位が80〜10モル%である。また、CTFE単位15〜25モル%と、TFE単位85〜75モル%とから構成されるものがより好ましい。
CTFE共重合体は、CTFE単位とTFE単位との合計が90〜99.9モル%であり、単量体(α)単位が0.1〜10モル%であるものが好ましい。単量体(α)単位が0.1モル%未満であると、成形性、耐環境応力割れ性および耐薬品クラック性に劣りやすく、10モル%を超えると、耐薬品性、耐熱性、機械特性に劣る傾向にある。
フッ素ポリマー(b1)は、PCTFE又はCTFE−TFE−PAVE共重合体であることが最も好ましい。上記CTFE−TFE−PAVE共重合体とは、実質的にCTFE、TFE及びPAVEのみからなる共重合体である。PCTFE及びCTFE−TFE−PAVE共重合体は、主鎖を構成する炭素原子に直接結合した水素原子が存在せず、脱フッ化水素化反応が進行しない。従って、脱弗化水素化反応によってフッ素ポリマー中に形成される不飽和結合を利用した従来の接着性改善方法は適用できない。本発明では、ゴム層(A)が上述した好ましい加硫用フッ素ゴム組成物から形成される層であると、フッ素樹脂層(B)がCTFE−TFE−PAVE共重合体であっても、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)との接着は強固である。
上記PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)などがあげられ、なかでもPMVE、PEVE及びPPVEからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
PAVE単位は、全単量体単位の0.5モル%以上であることが好ましく、5モル%以下であることが好ましい。
CTFE単位などの構成単位は、19F−NMR分析を行うことにより得られる値である。
フッ素ポリマー(b1)は、ポリマーの主鎖末端および/または側鎖に、カルボニル基、ヒドロキシル基、ヘテロ環基、およびアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を導入したものであってもよい。
本明細書において、「カルボニル基」は、炭素−酸素二重結合から構成される炭素2価の基であり、−C(=O)−で表されるものに代表される。上記カルボニル基を含む反応性官能基としては特に限定されず、たとえばカーボネート基、カルボン酸ハライド基(ハロゲノホルミル基)、ホルミル基、カルボキシル基、エステル結合(−C(=O)O−)、酸無水物結合(−C(=O)O−C(=O)−)、イソシアネート基、アミド基、イミド基(−C(=O)−NH−C(=O)−)、ウレタン結合(−NH−C(=O)O−)、カルバモイル基(NH−C(=O)−)、カルバモイルオキシ基(NH−C(=O)O−)、ウレイド基(NH−C(=O)−NH−)、オキサモイル基(NH−C(=O)−C(=O)−)など、化学構造上の一部としてカルボニル基を含むものがあげられる。
アミド基、イミド基、ウレタン結合、カルバモイル基、カルバモイルオキシ基、ウレイド基、オキサモイル基などにおいては、その窒素原子に結合する水素原子は、たとえばアルキル基などの炭化水素基で置換されていてもよい。
上記反応性官能基は、導入が容易である点、フッ素ポリマー(b1)が適度な耐熱性と比較的低温での良好な接着性とを有する点から、アミド基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カーボネート基、カルボン酸ハライド基、酸無水物結合が好ましく、さらにはアミド基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、カーボネート基、カルボン酸ハライド基、酸無水物結合が好ましい。
なかでも、国際公開第99/45044号パンフレットに記載のカーボネート基および/またはカルボン酸ハライド基を有するものが特に好ましい。
フッ素ポリマー(b1)は、ポリマーの主鎖末端または側鎖のいずれかに反応性官能基を有する重合体からなるものであってもよいし、主鎖末端および側鎖の両方に反応性官能基を有する重合体からなるものであってもよい。主鎖末端に反応性官能基を有する場合、主鎖の両方の末端に有していてもよいし、いずれか一方の末端にのみ有していてもよい。上記反応性官能基は、エーテル結合も有する場合、該反応性官能基をさらに主鎖中に有するものであってもよい。
フッ素ポリマー(b1)は、主鎖末端に反応性官能基を有する重合体からなるものが、機械特性、耐薬品性を著しく低下させない理由で、または、生産性、コスト面で有利である理由で好ましい。
上記反応性官能基の数は、積層するゴム層の種類、形状、接着の目的、用途、必要とされる接着力と隣接する層との接着方法などの違いにより適宜選択すればよい。
主鎖末端および/または側鎖末端にある反応性官能基の数としては、主鎖炭素数1×10個あたり3〜800個であることが好ましい。主鎖炭素数1×10個あたり3個未満であると、接着性が低下することがある。より好ましい下限は15個、さらに好ましい下限は30個、特に好ましい下限は120個である。末端の反応性官能基数の上限は、生産性の観点からたとえば200個とすることが好ましい。
上記末端の反応性官能基の数は、フッ素ポリマー(b1)の粉末をその融点より50℃高い成形温度、5MPaの成形圧力にて圧縮成形することにより得られる厚み0.25〜0.30mmのフィルムシートを、赤外分光光度計を用いて赤外吸収スペクトル分析し、既知のフィルムの赤外吸収スペクトルと比較して反応性官能基の特性吸収の種類を決定し、各差スペクトルから次式により算出する個数である。
末端基の個数(上記炭素数1×10個あたり)=(l×K)/t
l:吸光度
K:補正係数
t:フィルム厚(mm)
対象となる末端反応性官能基の補正係数を表1に示す。
Figure 2015013432
表1の補正係数は、主鎖炭素数1×10個あたりの末端基を計算するためにモデル化合物の赤外吸収スペクトルから決定された値である。
上記反応性官能基を主鎖および/または側鎖の末端に導入する方法としては、反応性官能基含有の単量体(β)を共重合して導入する方法、反応性官能基を有するまたは生ずる化合物を重合開始剤として用いる方法、反応性官能基を有するまたは生ずる化合物を連鎖移動剤として用いる方法、フッ素ポリマーに高分子反応で反応性官能基を導入する方法、これらの方法を併用する方法などが例示できる。
共重合で反応性官能基を導入する場合の反応性官能基含有の単量体(β)としては、含フッ素ポリマー(b1)を与える単量体と共重合可能な単量体で上記反応性官能基を有するものであれば、特に制限されない。具体的には、たとえばつぎのものが例示できる。
上記単量体(β)の第1としては、国際公開第2005/100420号パンフレットに記載の脂肪族不飽和カルボン酸類があげられる。不飽和カルボン酸類は、重合性の炭素−炭素不飽和結合を1分子中に少なくとも1個有し、かつ、カルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)を1分子中に少なくとも1個有するものが好ましい。
上記脂肪族不飽和カルボン酸としては、脂肪族不飽和モノカルボン酸であってもよいし、カルボキシル基を2個以上有する脂肪族不飽和ポリカルボン酸であってもよい。脂肪族不飽和モノカルボン酸としては、たとえば(メタ)アクリル酸、クロトン酸などの炭素数3〜6の不飽和脂肪族モノカルボン酸類があげられる。
上記脂肪族不飽和ポリカルボン酸としては、たとえばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、アコニット酸、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物またはシトラコン酸無水物などの炭素数3〜6の不飽和脂肪族ポリカルボン酸類があげられる。
上記単量体(β)の第2としては、式:
CX =CY−(Rf−Z
(式中、Zは、上記反応性官能基;XおよびYは、同一または異なって、水素原子もしくはフッ素原子;Rfは、炭素数1〜40のアルキレン基、炭素数1〜40の含フッ素オキシアルキレン基、エーテル結合を有する炭素数2〜40の含フッ素アルキレン基またはエーテル結合を有する炭素数2〜40の含フッ素オキシアルキレン基;nは、0または1)で表される不飽和化合物があげられる。
共重合により導入される官能基含有単量体(β)単位の含有率は、0.05モル%以上が好ましく、0.1モル%以上がより好ましい。多すぎると、加熱溶融時にゲル化や加硫反応が発生しやすいため、官能基含有モノマーの上限としては5モル%が好ましく、3モル%がさらに好ましい。
フッ素ポリマー(b1)は、ポリマーの主鎖末端または側鎖末端にヘテロ環基またはアミノ基を有するものであってもよい。
ヘテロ環基とは、そのヘテロ環部位の環内にヘテロ原子(例えば、窒素原子、イオウ原子、酸素原子)を持つものであり、飽和環であっても、不飽和環であってもよく、単環であっても縮合環であってもよい。ヘテロ環基の中では、オキサゾリル基が好ましい。
アミノ基とは、アンモニア、第一級または第二級アミンから水素を除去した1価の官能基である。具体的には、例えば、式:
−NR
およびRは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜20の1価の有機基である。アミノ基の具体例としては、−NH、―NH(CH)、−N(CH、―NH(CHCH)、―N(C、―NH(C)などがあげられる。
フッ素ポリマー(b1)は、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合等、従来公知の重合方法により得ることができる。上記重合において、温度、圧力などの各条件、重合開始剤やその他の添加剤は、フッ素ポリマー(b1)の組成や量に応じて適宜設定することができる。
フッ素ポリマー(b1)の融点は特に限定されないが、160〜270℃であることが好ましい。
フッ素ポリマー(b1)の融点は、DSC装置(セイコー社製)を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求める。MFRは、メルトインデクサー(東洋精機製作所(株)製)を用い、各温度、5kg荷重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)に流出するポリマーの重量(g)を測定する。
またフッ素ポリマー(b1)の分子量は、得られる成形体が良好な機械特性を発現できるような範囲であることが好ましい。たとえば、メルトフローレート(MFR)を分子量の指標とする場合、フッ素ポリマー一般の成形温度範囲である約230〜350℃の範囲の任意の温度におけるMFRは、0.5〜100g/10分であることが好ましい。
本発明においてフッ素樹脂層(B)は、これらのフッ素ポリマー(b1)を1種含有するものであってもよいし、2種以上含有するものであってもよい。
本発明において、フッ素ポリマー(b1)が特定の反応性官能基を末端に有するものであると、ゴム層(A)との接着性が向上する。
なお、フッ素ポリマー(b1)がパーハロポリマーである場合、耐薬品性がより優れたものとなる。パーハロポリマーとは、重合体の主鎖を構成する炭素原子の全部にハロゲン原子が結合している重合体である。
上記エチレン及びテトラフルオロエチレン(TFE)に由来する重合単位を有するフッ素ポリマー(b2)は、テトラフルオロエチレンに由来する重合単位(以下「TFE単位」ともいう。)が全重合単位に対して60モル%以上であり、かつ融点が200℃以上であることが好ましい。従来、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)や、融点が200℃以上であるような、耐熱性に優れるエチレン及びテトラフルオロエチレンに由来する重合単位を有するフッ素ポリマーは、ゴムと強固な接着を実現することができなかった。本発明の積層体では、フッ素ポリマー組成物が、60モル%以上のTFE単位を含むフッ素ポリマー(b2)を含有すると、フッ素ポリマー(b2)の融点が200℃以上であっても、フッ素樹脂層(B)とゴム層(A)との強固な接着が実現される。また、フッ素ポリマー(b2)が上記構成を有するため、本発明の積層体は耐薬品性により優れる。
フッ素ポリマー(b2)のTFE単位は、全重合単位に対して、62モル%以上であることが好ましく、より好ましくは、63モル%以上である。また、67モル%以下であることが好ましく、66モル%以下であることがより好ましい。
フッ素ポリマー(b2)の融点は、200℃以上であることが好ましい。該融点は、210℃以上であることがより好ましい。フッ素ポリマー(b2)の融点は260℃以下であることが好ましく、250℃以下であることがより好ましく、240℃以下であることが更に好ましい。
フッ素ポリマー(b2)の融点は、示差走査熱量測定(DSC)装置を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度として求める。
フッ素ポリマー(b2)は、エチレン及びTFEと共重合可能な単量体に由来する重合単位を有するものであることも好ましい。エチレン及びTFEと共重合可能な単量体としては、例えば、下記式(1):
CH=CXf1 (1)
で表される単量体、下記式(2):
CF=CFRf1 (2)
で表される単量体、下記式(3):
CF=CFORf1 (3)
で表される単量体、及び、下記式(4):
CH=C(Rf1 (4)
で表される単量体からなる群より選択される少なくとも1種の含フッ素ビニルモノマー(d)が好ましい。式(1)〜(4)中、XはH又はF、Rf1はエーテル結合性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基を表す。Rf1としては炭素数1〜8のエーテル結合性酸素原子を含んでいてもよいフルオロアルキル基であることが好ましい。Rf1としては、炭素数1〜6のフルオロアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1〜4のフルオロアルキル基が特に好ましい。
上記式(1)〜(4)で示される含フッ素ビニルモノマー(d)の具体例としては、1,1−ジヒドロパーフルオロプロペン−1、1,1−ジヒドロパーフルオロブテン−1、パーフルオロ(1,1,5−トリヒドロ−1−ペンテン)、1,1,7−トリヒドロパーフルオロへプテン−1、1,1,2−トリヒドロパーフルオロヘキセン−1、1,1,2−トリヒドロパーフルオロオクテン−1、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルビニルエーテル、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロペン、パーフルオロブテン−1、3,3,3−トリフルオロ−2−(トリフルオロメチル)プロペン−1等を挙げることができる。
上記エチレン及びTFEと共重合可能な単量体としては、中でも、下記式(5):
CH=CF−(CF−X (5)
(式中、XはH又はFである。nは、1〜10の整数である。)で表される含フッ素ビニルモノマー(e)が好ましい。上記nは、1〜3の整数であることがより好ましい。上記エチレン及びTFEと共重合可能な単量体としては、パーフルオロ(1,1,5−トリヒドロ−1−ペンテン)、及び、1,1−ジヒドロパーフルオロプロペン−1からなる群より選択される少なくとも1種の含フッ素ビニルモノマーがより好ましい。
フッ素ポリマー(b2)としては、エチレン/TFE共重合体、及び、エチレン/TFE/含フッ素ビニルモノマー(d)共重合体からなる群より選択される少なくとも1種のポリマーが好ましい。
フッ素ポリマー(b2)としては、エチレン/テトラフルオロエチレン/(式(1)で表される含フッ素ビニルモノマー)共重合体であることが好ましく、エチレン/テトラフルオロエチレン/含フッ素ビニルモノマー(e)共重合体であることがより好ましい。なお、本明細書中で、エチレン/テトラフルオロエチレン/含フッ素ビニルモノマー(e)共重合体は、エチレンに由来する重合単位、TFEに由来する重合単位、及び含フッ素ビニルモノマー(e)に由来する重合単位からなる共重合体を意味する。
フッ素ポリマー(b2)において、エチレン及びTFEに由来する重合単位が全重合単位に対して合計で90〜99.9モル%であることが好ましく、95〜99.9モル%であることがより好ましく、96〜99.8モル%であることが更に好ましい。
フッ素ポリマー(b2)において、上記エチレン及びTFEと共重合可能な単量体に由来する重合単位は、全重合単位に対して、0.1〜10モル%が好ましく、0.1〜5モル%がより好ましく、0.2〜4モル%が特に好ましい。
フッ素ポリマー(b2)がエチレン及びTFEと共重合可能な単量体に由来する重合単位を有するものである場合、エチレン単位は、全重合単位に対して、30〜39.9モル%であることが好ましく、より好ましくは、36〜39.8モル%以上である。
フッ素ポリマー(b2)は、ポリマーの主鎖末端および/または側鎖に、カルボニル基、ヒドロキシル基、ヘテロ環基、およびアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を導入したものであってもよい。
本明細書において、「カルボニル基」は、炭素−酸素二重結合から構成される炭素2価の基であり、−C(=O)−で表されるものに代表される。前記カルボニル基を含む反応性官能基としては特に限定されず、たとえばカーボネート基、カルボン酸ハライド基(ハロゲノホルミル基)、ホルミル基、カルボキシル基、エステル結合(−C(=O)O−)、酸無水物結合(−C(=O)O−C(=O)−)、イソシアネート基、アミド基、イミド基(−C(=O)−NH−C(=O)−)、ウレタン結合(−NH−C(=O)O−)、カルバモイル基(NH−C(=O)−)、カルバモイルオキシ基(NH−C(=O)O−)、ウレイド基(NH−C(=O)−NH−)、オキサモイル基(NH−C(=O)−C(=O)−)など、化学構造上の一部としてカルボニル基を含むものがあげられる。
アミド基、イミド基、ウレタン結合、カルバモイル基、カルバモイルオキシ基、ウレイド基、オキサモイル基などにおいては、その窒素原子に結合する水素原子は、たとえばアルキル基などの炭化水素基で置換されていてもよい。
フッ素ポリマー(b2)は、ポリマーの主鎖末端または側鎖のいずれかに反応性官能基を有する重合体からなるものであってもよいし、主鎖末端および側鎖の両方に反応性官能基を有する重合体からなるものであってもよい。主鎖末端に反応性官能基を有する場合、主鎖の両方の末端に有していてもよいし、いずれか一方の末端にのみ有していてもよい。前記反応性官能基がエーテル結合を有するものである場合、該反応性官能基を主鎖中に有するものであってもよい。
フッ素ポリマー(b2)は、主鎖末端に反応性官能基を有する重合体からなるものが、機械特性、耐薬品性を著しく低下させない理由で、または、生産性、コスト面で有利である理由で好ましい。
フッ素ポリマー(b2)は、ポリマーの主鎖末端または側鎖末端に、ヘテロ環基またはアミノ基を有するものであってもよい。
ヘテロ環基とは、そのヘテロ環部位の環内にヘテロ原子(例えば、窒素原子、イオウ原子、酸素原子)を持つものであり、飽和環であっても、不飽和環であってもよく、単環であっても縮合環であってもよい。ヘテロ環基の中では、オキサゾリル基が好ましい。
アミノ基とは、アンモニア、第一級または第二級アミンから水素を除去した1価の官能基である。具体的には、例えば、式:
−NR
およびRは、同じであっても異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜20の1価の有機基である。アミノ基の具体例としては、−NH、―NH(CH)、−N(CH、―NH(CHCH)、―N(C、―NH(C)などがあげられる。
フッ素ポリマー(b2)の分子量は、得られる成形体が良好な耐薬品性、機械特性などを発現できるような範囲であることが好ましい。たとえば、メルトフローレート(MFR)を分子量の指標とする場合、フッ素ポリマーのMFRは、0.5〜100g/10分であることが好ましい。より好ましくは、10〜50g/10分である。
MFRは、メルトインデクサー(東洋精機製作所(株)製)を用い、297℃、5kg荷重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)に流出するポリマーの重量(g)を測定する。
フッ素ポリマー(b2)は、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合等、従来公知の重合方法により得ることができる。前記重合において、温度、圧力などの各条件、重合開始剤やその他の添加剤は、フッ素ポリマー(b2)の組成や量に応じて適宜設定することができる。
本発明においてフッ素樹脂層(B)は、これらのフッ素ポリマー(b2)を1種含有するものであってもよいし、2種以上含有するものであってもよい。フッ素ポリマー(b2)は、フッ素ポリマー組成物に対して、20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることが更に好ましい。
フッ素ポリマー組成物が、フッ素ポリマー(b2)を含む場合、更にフッ素ゴムを含んでいてもよい。
上記フッ素ゴムとしては特に限定されないが、例えば、パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴム、ポリオール架橋可能なフッ素ゴム、ポリアミン架橋可能なフッ素ゴム等を挙げることができる。
上記パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムとしては特に限定されず、パーオキサイド架橋可能な部位を有するフッ素ゴムであればよい。上記パーオキサイド架橋可能な部位としては特に限定されず、例えば、ヨウ素原子、臭素原子等を挙げることができる。
上記ポリオール架橋可能なフッ素ゴムとしては特に限定されず、ポリオール架橋可能な部位を有するフッ素ゴムであればよい。上記ポリオール架橋可能な部位としては特に限定されず、例えば、フッ化ビニリデン(VdF)単位を有する部位等を挙げることができる。
上記架橋部位を導入する方法としては、フッ素ゴムの重合時に架橋部位を与える単量体を共重合する方法等が挙げられる。
上記フッ素ゴムとしては、ビニリデンフルオライド(VdF)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系フッ素ゴム、VdF/HFP/テトラフルオロエチレン(TFE)系フッ素ゴム、TFE/プロピレン系フッ素ゴム、TFE/プロピレン/VdF系フッ素ゴム、エチレン/HFP系フッ素ゴム、エチレン/HFP/VdF系フッ素ゴム、エチレン/HFP/TFE系フッ素ゴム、VdF/TFE/パーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)系フッ素ゴム、VdF/CTFE系フッ素ゴム等を挙げることができる。
上記フッ素ゴムは、耐熱性、圧縮永久ひずみ、加工性、コストの点から、VdF単位を含むVdF系フッ素ゴムが好ましく、VdF/HFP系フッ素ゴム、及び、VdF/TFE/HFP系フッ素ゴムからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。更に好ましくは、VdF/TFE/HFP系フッ素ゴムである。上記フッ素ゴムは、以上説明したものを1種に限らず2種以上用いてもよい。
フッ素ゴムは、フッ素含有率64質量%以上のフッ素ゴムであることが好ましく、フッ素含有率66質量%以上のフッ素ゴムであることがより好ましい。フッ素含有率の上限値は特に限定されないが、74質量%以下であることが好ましい。フッ素含有率が、64質量%未満であると耐薬品性が劣る傾向がある。
上記フッ素ゴムは、上記フッ素ポリマー(b2)及び架橋剤の存在下、未架橋のフッ素ゴムを溶融条件下にて動的に架橋処理した架橋フッ素ゴムであってもよい。このように、上記フッ素ゴムを動的に架橋処理することにより、上記フッ素ポリマー組成物から形成されるフッ素樹脂層(B)の柔軟性が向上することから好ましい。
ここで、動的に架橋処理するとは、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、押出機等を使用して、未架橋のフッ素ゴムを溶融混練と同時に動的に架橋させることをいう。これらの中でも、高剪断力を加えることができる点で、二軸押出機等の押出機であることが好ましい。動的に架橋処理することで、フッ素ポリマー(b2)と架橋フッ素ゴムの相構造を制御することができる。
また、溶融条件下とは、フッ素樹脂が溶融する温度以上であることを意味する。好適な温度範囲はフッ素ポリマー(b2)の融点や未架橋のフッ素ゴムのガラス転移温度により異なるが、120〜330℃であることが好ましく、130〜320℃であることがより好ましい。温度が、120℃未満であると、フッ素ポリマー(b2)とフッ素ゴムの間の分散が粗大化する傾向があり、330℃をこえると、フッ素ゴムが熱劣化する傾向がある。
得られたフッ素ポリマー組成物は、フッ素ポリマー(b2)が連続相を形成し、かつ架橋フッ素ゴムが分散相を形成する構造、またはフッ素ポリマー(b2)と架橋フッ素ゴムが共連続を形成する構造を有することができるが、その中でも、フッ素樹脂が連続相を形成し、かつ架橋フッ素ゴムが分散相を形成する構造を有することが好ましい。
未架橋のフッ素ゴムが、分散当初マトリックスを形成していた場合でも、架橋反応の進行に伴い、未架橋のフッ素ゴムが架橋フッ素ゴムとなることで溶融粘度が上昇し、架橋フッ素ゴムが分散相になるか、またはフッ素樹脂との共連続構造を形成する。
また、フッ素ポリマー組成物は、フッ素ポリマー(b2)が連続相を形成し、かつ架橋フッ素ゴムが分散相を形成する構造の一部に、フッ素ポリマー(b2)と架橋フッ素ゴムとの共連続構造を含んでいても良い。
このような構造を形成すると、より優れた耐薬品性、耐熱性及び耐油性を示すフッ素樹脂層(B)を得ることができる。上記架橋フッ素ゴムの平均分散粒子径は、0.01〜30μmであることが好ましく、0.1〜20μmであることがより好ましく、0.1〜10μmであることがさらに好ましい。平均分散粒子径が、0.01μm未満であると、流動性が低下する傾向があり、30μmを超えると、成形品の強度が低下する傾向がある。
上記フッ素ポリマー組成物がフッ素ゴムを含む場合、フッ素ポリマー組成物におけるフッ素ゴムとフッ素樹脂の質量割合は、3/97〜90/10(フッ素ゴム/フッ素樹脂)であることが好ましい。フッ素樹脂の質量割合が90/10(フッ素ゴム/フッ素樹脂)よりも小さくなると、耐薬品性や耐低温脆化性の改善効果が小さくなるおそれがある。耐薬品性と耐低温脆化性とゴム弾性をバランスよく向上させる点から、上記質量割合(フッ素ゴム/フッ素樹脂)は、5/95〜70/30がより好ましく、10/90〜50/50がさらに好ましい。
フッ素樹脂層(B)は、さらに、目的や用途に応じてその性能を損なわない範囲で、無機質粉末、ガラス繊維、炭素粉末、炭素繊維、金属酸化物などの種々の充填剤を配合したものであってもよい。
また、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ノントロナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトなどのスメクタイト系の層状粘度鉱物や、雲母等の高アスペクト比を有する微小層状鉱物を添加してもよい。
また、導電性を付与するために、導電性フィラーを添加してもよい。導電性フィラーとしては特に限定されず、たとえば金属、炭素などの導電性単体粉末または導電性単体繊維;酸化亜鉛などの導電性化合物の粉末;表面導電化処理粉末などがあげられる。導電性フィラーを配合する場合、溶融混練して予めペレットを作製することが好ましい。
上記導電性単体粉末または導電性単体繊維としては特に限定されず、たとえば銅、ニッケルなどの金属粉末;鉄、ステンレススチールなどの金属繊維;カーボンブラック、炭素繊維、特開平3−174018号公報等に記載の炭素フィブリルなどがあげられる。
上記表面導電化処理粉末は、ガラスビーズ、酸化チタンなどの非導電性粉末の表面に導電化処理を施して得られる粉末である。
表面導電化処理の方法としては特に限定されず、たとえば金属スパッタリング、無電解メッキなどがあげられる。
導電性フィラーのなかでもカーボンブラックは、経済性や静電荷蓄積防止の観点で有利であるので好適に用いられる。
導電性フィラーを配合してなるフッ素ポリマー組成物の体積抵抗率は、1×10〜1×10Ω・cmであることが好ましい。より好ましい下限は、1×10Ω・cmであり、より好ましい上限は、1×10Ω・cmである。
また、充填剤以外に、熱安定化剤、補強剤、紫外線吸収剤、顔料、その他任意の添加剤を配合してもよい。
本発明の積層体は、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)を積層することにより製造できる。本発明の積層体は、フッ素樹脂層(B)の両側にゴム層(A)が積層されていてもよいし、ゴム層(A)の両側にフッ素樹脂層(B)が積層されていてもよい。
ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)の積層は、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)を別々に成形した後に圧着などの手段で積層する方法、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)を同時に成形して積層する方法、ゴム層(A)にフッ素樹脂層(B)を塗布する方法のいずれでもよい。
ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)を別々に成形した後に圧着などの手段で積層する方法では、フッ素ポリマーの成形方法と加硫用ゴム組成物のそれぞれ単独での成形方法が採用できる。
ゴム層(A)の成形は、加硫用ゴム組成物を加熱圧縮成形法、トランスファー成形法、押出成形法、射出成形法、カレンダー成形法、塗装法などにより、シート状、チューブ状などの各種形状の成形体とすることができる。
フッ素樹脂層(B)は、加熱圧縮成形、溶融押出成形、射出成形、塗装(粉体塗装を含む)などの方法により成形できる。成形には通常用いられるフッ素ポリマーの成形機、たとえば射出成形機、ブロー成形機、押出成形機、各種塗装装置などが使用でき、シート状、チューブ状など、各種形状の積層体を製造することが可能である。これらのうち、生産性が優れている点から、溶融押出成形法が好ましい。
また、後述するように、フッ素樹脂層(B)に他のポリマー層(C)を積層する場合は、多層押出成形、多層ブロー成形、多層射出成形などの成形方法を適用でき、多層チューブ、多層ホース、多層タンクなどの多層成形品とすることができる。
ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)を同時に成形して積層する方法としては、ゴム層(A)を形成する加硫用ゴム組成物およびフッ素樹脂層(B)を形成するフッ素ポリマー(b1)を用いて、多層圧縮成形法、多層トランスファー成形法、多層押出成形法、多層射出成形法、ダブリング法などの方法により成形と同時に積層する方法があげられる。この方法では、未加硫成形体であるゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)とを同時に積層できるため、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)とを密着させる工程が特に必要ではなく、また、後の加硫工程において強固な接着を得るのに好適である。
本発明の積層体は、未加硫のゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)との積層体であってもよいが、さらにこの未加硫積層体を加硫することにより、強固な層間接着力が得られる。
すなわち本発明は、本発明の未加硫積層体を加硫処理して得られるゴム層(A1)とフッ素樹脂層(B)が加硫接着されている加硫積層体にも関する。
加硫処理は、従来公知の加硫用ゴム組成物の加硫方法と条件が採用できる。たとえば、未加硫積層体を長時間加硫する方法、未加硫積層体を比較的単時間で前処理としての熱処理をし(加硫も生じている)、ついで長時間かけて加硫を行う方法がある。これらのうち、未加硫積層体を比較的単時間で前処理としての熱処理をし、ついで長時間かけて加硫を行う方法が、前処理でゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)との密着性が容易に得られ、また、前処理で既にゴム層(A)が加硫しており形状が安定化しているので、その後の加硫における積層体の保持方法をさまざまに選択することができるので好適である。
加硫処理の条件は特に制限されるものではなく、通常の条件で行うことができるが、130〜260℃で、10分〜80時間、スチーム、プレス、オーブン、エアーバス、赤外線、マイクロウェーブ、被鉛加硫などを用いて処理を行うことが好ましい。より好ましくは、160〜230℃で、20分〜80時間かけて行う。
前処理の加熱条件も特に制限されないが、100〜170℃で、30秒〜1時間、スチーム、プレス、オーブン、エアーバス、赤外線、マイクロウェーブ、被鉛加硫などを用いて処理を行うことが好ましい。
得られる加硫積層体では加硫ゴム層(A1)とフッ素樹脂層(B)が加硫接着しており、強固な層間接着力が生じている。
本発明の積層体(未加硫積層体および加硫積層体)は、ゴム層(A、A1。以下、ゴム層(A)を代表とする)とフッ素樹脂層(B)の2層構造でもよいし、(A)−(B)−(A)または(B)−(A)−(B)といった3層構造でもよい。さらに、ゴム層(A)およびフッ素樹脂層(B)以外のポリマー層(C)が接着された3層以上の多層構造であってもよい。
ポリマー層(C)としては、ゴム層(A)以外のゴム層(C1)、フッ素樹脂層(B)以外の樹脂層(C2)、さらには繊維補強層などでもよい。また、ポリマー層(C)を介して、ゴム層(A)および/またはフッ素樹脂層(B)をさらに積層させてもよい。
ゴム層(C1)の材料としては、フッ素樹脂層(B)と直接接着されているゴム層(A)として使用したゴム以外のゴムがあげられ、フッ素ゴムでも非フッ素ゴムでもよい。具体例は、未加硫ゴム(a1)の例としてあげたものが例示できる。
なお、ゴム層(C1)を形成する未加硫ゴム組成物中にも、加硫剤(a5)や、その他の配合剤を配合してもよい。
樹脂層(C2)の材料としては、フッ素樹脂(フッ素樹脂(B)を除く)、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS)、セルロース系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂(PES)、ポリエーテルイミド樹脂などの機械的強度に優れた樹脂や、エチレン/ビニルアルコール共重合体からなる樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフタルアミド(PPA)などの薬品や気体の透過性が低い樹脂(以下、低透過性樹脂ということもある)があげられる。なかでも成形性、接着性が良好な点からポリアミド樹脂が好ましい。積層体として加硫処理に供される場合は、樹脂の融点が熱処理の温度よりも高いことが望ましい。
つぎに本発明の積層体の層構造について説明する。
(1)ゴム層(A)−フッ素樹脂層(B)の2層構造
基本構造であり、上述したとおり、従来、フッ素樹脂層(B)とゴム層(A)を積層させるには、層間(フッ素樹脂層−ゴム層)の接着が不充分なため、樹脂側において表面処理を施したり、別途接着剤を層間に塗布したり、テープ状のフィルムを巻き付けて固定したりなどと工程が複雑になりがちであったが、そのような複雑な工程を組まずに、加硫することにより加硫接着が起こり化学的に強固な接着が得られる。
(2)ゴム層−フッ素樹脂層(B)−ゴム層の3層構造
(A)−(B)−(A)および(A)−(B)−(C1)がある。シール性が要求される場合、たとえば薬品配管などの接合部は、シール性保持のためにゴム層を両側に配置することが望ましい。内外層のゴム層は同じ種類であっても、違う種類であっても良い。
また、薬品配管を(A)−(B)−(C1)型構造とし、ゴム層(A)として非フッ素ゴム層を、ゴム層(C1)としてフッ素ゴム層を設け、フッ素ゴム層(C1)を配管の内層にすることにより、耐薬品性が向上する。
(3)樹脂層−ゴム層(A)−樹脂層の3層構造
(B)−(A)−(B)および(B)−(A)−(C2)がある。
内外層のゴム層は同じ種類であっても、違う種類であっても良い。
樹脂層を両側に配置することで形状が安定する。また、耐薬品性が重視される場合に好適である。さらにそれぞれの側に別の機械特性を要求されるような場合は、(B)−(A)−(C2)型であっても良い。
(4)樹脂層(C2)−フッ素樹脂層(B)−ゴム層(A)の3層構造
(5)フッ素樹脂層(B)−ゴム層(A)−ゴム層(C1)の3層構造
(6)4層構造以上
(2)〜(5)の3層構造に加えて、さらに任意のゴム層(A)または(C1)、樹脂層(B)または(C2)を目的に応じて積層してもよい。また、金属箔などの層を設けてもよいし、ゴム層(A)とフッ素樹脂層(B)との層間以外には接着剤層を介在させてもよい。
またさらに、ポリマー層(C)と積層してライニング体とすることもできる。
なお、各層の厚さ、形状などは、使用目的、使用形態などによって適宜選定すればよい。
本発明の積層体は、上述した構成からなるものである。このため、ゴム層とフッ素樹脂層との接着性に優れる。また、耐薬品性に優れ、溶出性、着香性も低い。このため、本発明の積層体は、耐薬品性が要求されるいずれの用途にも適用できるが、特に医療用途に好適に適用することができる。すなわち、本発明の積層体は、耐薬品性、低溶出性及び低着香性を有する医療用成形品、又は、オフショア用成形品であることが好ましい。
本発明の積層体は、フッ素樹脂層(B)が耐薬品性に優れることから、フッ素樹脂層(B)が薬品と接するように使用することが好ましい。
また、本発明の積層体は、少なくとも薬液等との接液面が、フッ素樹脂層(B)とゴム層(A)とを備えた層構成になっていればよい。
本発明の積層体は、例えば、医療・ケミカル分野における耐油、耐薬品、耐熱、耐スチームあるいは耐候用のシール材、蓋材、ベルト、ロール、ホース、チューブ、フィルム、コーティング、ライニング、ジョイント、容器等に適用できる。
本発明の積層体が適用できる医療用成形品としては、具体的には、例えば、薬栓、ボトルのキャップシール、缶シール、薬用テープ、薬用パッド、注射器シリンジパッキン、経皮吸収薬用基材、ほ乳びん等の吸い口、医療用バッグ、カテーテル、輸液セット、混注管、キャップライナー、真空採血管のキャップ、シリンジ用ガスケット、輸液チューブ、医療機器のガスケット・キャップ、シリンジチップ、グロメット、採血管キャップ、キャップシール、バッキング、O−リング、シースイントロデューサー、ダイレーター、ガイディングシース、血液回路、人工心肺回路、ロ−タブレーター用チューブ、留置針、インフュージョンセット、輸液チューブ、閉鎖式輸液システム、輸液バッグ、血液バッグ、血液成分分離バッグ、血液成分分離バッグ用チューブ、人工血管、動脈カニューレ、ステント、内視鏡処置具保護チューブ、内視鏡スコープチューブ、内視鏡トップオーバーチューブ、咽頭部通過用ガイドチューブ、冠動脈バイパス術用チューブ、イレウスチューブ、経皮経肝胆道ドレナージ術用チューブ、電気メス外装チューブ、超音波メス外装チューブ、剥離鉗子外装チューブ、細胞培養用バッグ等が挙げられる。
本発明の積層体が適用できるオフショア用成形品としては、海底油田用チューブ若しくはホース(インジェクションチューブ、原油移送チューブ含む)等が挙げられる。
ここで、本発明の一例として、本発明の積層体を適用した注射器を得るための具体的方法について説明するが、注射器を得る方法は、下記方法に限られるものではない。
ゴムベースポリマーに充填剤、架橋剤、架橋促進剤、架橋助剤を、特開2012−126015号公報、国際公開公報第2011/001756号、特開2010−89479号公報、特開2012−61644号公報、特開2012−81682号公報、特願2010−254309号、特願2011−45942号、特願2011−229997号、特願2011−275417号、特願2012−22052号、又は、特願2012−199719号に開示される組成でオープンロールにて混合して、架橋性の加硫用ゴム組成物を得る。ゴムに積層させるフッ素樹脂層(B)は、Tダイを取り付けた押出機を用いて、ダイスの温度を300℃に設定し、上述のフッ素ポリマー組成物を、例えば厚さ0.2mmのフィルム形状に成形して得る。その後、上記加硫用ゴム組成物の下にフッ素樹脂フィルムを敷き、成形金型を用いて、ゴム層の1面を除く部分をフッ素樹脂層で覆ったガスケット形状に成形する。そして、160℃、45分、40kg/cmの条件で架橋して、ガスケットを製造する。製造されたガスケットをプランジャーに装着し、シリンジ内に挿入することで、注射器を得ることができる。
本発明によれば、ゴム層とフッ素樹脂層とが強固に接着され、耐薬品性、低溶出性及び低着香性に優れ、医療用途に適用できる積層体を得ることができる。

Claims (3)

  1. ゴム層(A)と、ゴム層(A)上に積層されたフッ素樹脂層(B)とを備えることを特徴とする積層体。
  2. フッ素樹脂層(B)は、フッ素ポリマー組成物から形成される層であり、
    前記フッ素ポリマー組成物は、少なくともクロロトリフルオロエチレンに由来する共重合単位を有するフッ素ポリマー(b1)、ならびに、エチレン及びテトラフルオロエチレン(TFE)に由来する重合単位を有するフッ素ポリマー(b2)からなる群より選択される少なくとも1種を含有する請求項1記載の積層体。
  3. 耐薬品性、低溶出性及び低着香性を有する医療用成形品、又は、オフショア用成形品である請求項1又は2記載の積層体。
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