JP3191755B2 - 積層体及びそれからなるホース - Google Patents
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Description
に係り、特に、フッ素ゴム若しくはフッ素樹脂からなる
第一層とエピクロルヒドリン系ゴムからなる第二層との
接着性に優れた積層体、並びにそのような積層体から構
成されるホース、中でもフューエル・ホースに関するも
のである。
積層体が種々の用途において用いられてきており、フッ
素ゴム若しくはフッ素樹脂からなる第一層と、かかる第
一層に接して積層された、エピクロルヒドリン系ゴムか
らなる第二層とを、少なくとも含んで構成される積層体
においても、同様である。そして、そのような積層体
は、積層一体化せしめられる層を構成する材料の特性を
利用して、特にホースとして、中でも前記第一層を構成
するフッ素ゴム若しくはフッ素樹脂の優れた燃料バリヤ
ー性(燃料不透過性)を利用して、かかる第一層を最内
層としたフューエル・ホースとして、用いられてきてい
る。
素ゴム若しくはフッ素樹脂からなる第一層とエピクロル
ヒドリン系ゴムからなる第二層とを積層一体化する必要
があり、そしてそのために、それら層間の接着技術が必
要とされているのであるが、それらフッ素ゴムやフッ素
樹脂は、他の材料との接着性が悪いところから、それを
改善すべく、種々なる検討が今日においても続けられて
いるのが、現状である。しかしながら、現在までに提案
されている接着技術は、何れも、フッ素ゴムやフッ素樹
脂との接着性を重視する余りに、接着させるエピクロル
ヒドリン系ゴムの圧縮永久歪み、耐サワーガソリン性、
未加硫ゴムの貯蔵安定性等の、何れかの特性を犠牲にす
るものであった。
エピクロルヒドリン系ゴムとを加硫接着させる場合に
は、一般的に、エピクロルヒドリン系ゴムの加硫系とし
て、加硫剤たるエチレンチオウレアと受酸剤たる鉛丹の
如き鉛化合物との併用系が採用されており、これに、水
酸化カルシウム、1,8−ジアザビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7塩、オニウム塩等を添加して、フッ
素ゴムやフッ素樹脂との接着を図っているのであるが、
そこで用いられる鉛化合物にも、近年における世界的な
安全性の高まりの中で、その廃棄を規制し、更には、そ
れを使用しないことが望ましいと考えられており、その
ため、代替加硫系の早急な開発が望まれているのであ
る。
れている加硫系に代わる、鉛化合物を用いない代替加硫
系について種々検討を行なった結果、特定の加硫系を採
用することによって、フッ素ゴム若しくはフッ素樹脂と
エピクロルヒドリン系ゴムとの間の接着性を著しく高
め、また圧縮永久歪みや耐サワーガソリン性等の特性に
も優れた結果が得られる事実を見出し、本発明を完成す
るに至ったのである。
は、加硫系に鉛化合物を用いることなく、フッ素ゴム若
しくはフッ素樹脂とエピクロルヒドリン系ゴムとの接着
性を高めて、より一層有効な一体化構造とした積層体を
提供することにあり、また他の課題とするところは、そ
のような積層体からなるホース、特に燃料配管用として
有用なフューエル・ホースを提供することにある。
うちの積層体に係る課題を解決するために、フッ素ゴム
若しくはフッ素樹脂からなる第一層と、該第一層に接し
て積層された、エピクロルヒドリン系ゴムからなる第二
層とを少なくとも含んで構成される積層体において、か
かる第二層を、そのベースゴム成分としてエピクロルヒ
ドリン系ゴム材料を用い、その100重量部に対して、
2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体からなる加硫
剤の0.1〜5重量部と、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7塩の0.1〜5重量部
と、ハイドロタルサイト類の1〜20重量部とを配合し
てなるゴム組成物にて、形成したことを、その特徴とす
るものである。
ルヒドリン系ゴム材料の新たな加硫系として、2,3−
ジメルカプトキノキサリン誘導体と、1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)ウンデセン−7塩と、ハイドロタ
ルサイト類とを組み合わせて用いるものであって、これ
により、従来の鉛丹の如き鉛化合物を用いる必要がなく
なったことは勿論、フッ素ゴム若しくはフッ素樹脂とエ
ピクロルヒドリン系ゴムとの間の接着性が著しく高めら
れ、以て第一層と第二層との積層一体化がより有利に為
されてなる積層体を効果的に実現し得たのであり、ま
た、そのような加硫系を用いて形成されたエピクロルヒ
ドリン系ゴムからなる第二層は、圧縮永久歪みに優れ、
また伸張永久歪みにも優れていると共に、耐サワーガソ
リン性に優れたものとなるのである。
るホースをも、その要旨とするものであって、その特徴
とするところは、フッ素ゴム若しくはフッ素樹脂からな
る第一層と、該第一層に接して積層された、エピクロル
ヒドリン系ゴムからなる第二層とを少なくとも含む積層
構造のホースにおいて、かかる第二層を、そのベースゴ
ム成分としてエピクロルヒドリン系ゴム材料を用い、そ
の100重量部に対して、2,3−ジメルカプトキノキ
サリン誘導体からなる加硫剤の0.1〜5重量部と、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7
塩の0.1〜5重量部と、ハイドロタルサイト類の1〜
20重量部とを配合してなるゴム組成物にて、形成した
ことにある。
されるエピクロルヒドリン系ゴムからなる第二層が、圧
縮永久歪みや伸張永久歪みにおいて優れているところか
ら、パイプやニップル等に対する連結構造において、シ
ール性を有効に確保することが出来る等という利点を有
するものである。
中でも、フッ素ゴム若しくはフッ素樹脂からなる第一層
と、該第一層に接して積層された、エピクロルヒドリン
系ゴムからなる第二層とを少なくとも含み、且つ該第一
層が、該第二層よりもホース内側に位置し、ホース内を
流れるフューエルに接する最内層とされたフューエル・
ホースにして、かかる第二層を、そのベースゴム成分と
してエピクロルヒドリン系ゴム材料を用い、その100
重量部に対して、2,3−ジメルカプトキノキサリン誘
導体からなる加硫剤の0.1〜5重量部と、1,8−ジ
アザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7塩の0.1
〜5重量部と、ハイドロタルサイト類の1〜20重量部
とを配合してなるゴム組成物にて、形成したことを特徴
とするフューエル・ホースをも、その要旨とするもので
ある。
は、エピクロルヒドリン系ゴムからなる第二層が、前記
した本発明に従う加硫系を用いたゴム組成物から形成さ
れることによって、その耐サワーガソリン性が向上せし
められているところから、最内層を構成する第一層(フ
ッ素ゴム若しくはフッ素樹脂)と共に、有効な燃料バリ
ヤー性(燃料不透過性)を発揮し、以て燃料配管用とし
て優れた機能を奏するのである。
ース、フューエル・ホースの有利な態様の一つによれ
ば、前記ゴム組成物は、金属酸化物及び金属水酸化物の
うちの少なくとも1種を、エピクロルヒドリン系ゴム材
料の100重量部当たり0.1〜3重量部、望ましくは
0.3〜1.5重量部の割合において、含んでいる。こ
のような金属酸化物又は金属水酸化物の含有にて、エピ
クロルヒドリン系ゴムの耐熱性の向上が有利に図られ得
ることとなるのである。
ホース乃至はフューエル・ホースは、フッ素ゴム若しく
はフッ素樹脂からなる第一層と、該第一層に接して積層
された、エピクロルヒドリン系ゴムからなる第二層と
を、少なくとも含んで構成されてなるものであって、そ
れら二つの層のみから構成されるばかりでなく、更に適
当なゴムや樹脂等からなる第三層、第四層等の複数の層
を、それら第一層と第二層からなる積層構造の片側或い
は両側に積層一体化せしめてなる構成も採用することが
可能である。
1や図2に示される如く、ホースの最内層2がフッ素ゴ
ム若しくはフッ素樹脂にて構成されて、第一層とされて
いると共に、かかる最内層2の外側に、外層4が、エピ
クロルヒドリン系ゴムにて構成されて、第二層とされて
いるのである。なお、図2に示される例においては、更
に、かかる外層4の外側に、エピクロルヒドリン系ゴム
等からなる外管層6が一体的に積層形成され、且つそれ
ら外層4と外管層6との間に、従来と同様な繊維補強層
8が一体的に介在せしめられた構造とされている。
フューエル・ホースを構成する第一層(2)を与えるフ
ッ素ゴム若しくはフッ素樹脂としては、特に限定される
ものではなく、公知の何れのものをも使用可能である
が、フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデンと六フッ化
プロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンと六フッ化
プロピレンと四フッ化エチレンとの三元共重合体、フッ
化ビニリデンと三フッ化塩化エチレンとの共重合体、フ
ッ化ビニリデンとパーフルオロメチルエーテルと四フッ
化エチレンとの三元共重合体、四フッ化エチレンとプロ
ピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンと四フッ化エチ
レンとプロピレンとの三元共重合体、ポリフッ化ビニリ
デンとアクリルゴムとのブレンド物等が、好適に用いら
れることとなる。また、フッ素樹脂としては、フッ化ビ
ニリデンと六フッ化プロピレンと四フッ化エチレンとの
3元共重合体(THV)、エチレンと四フッ化エチレン
との共重合体、六フッ化プロピレンと四フッ化エチレン
との共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリ四フッ化エ
チレン等が挙げられるが、好ましくはフッ化ビニリデン
と六フッ化プロピレンと四フッ化エチレンとの三元共重
合体(THV)が有利に用いられる。
層一体化せしめられる第二層(4)を与えるベースゴム
成分としてのエピクロルヒドリン系ゴム材料は、エピク
ロルヒドリンの単独重合体の他、エピクロルヒドリン
と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、アリルグ
リシジルエーテル等の他のエポキシドとの共重合体であ
って、例えばエピクロルヒドリン−エチレンオキシド共
重合体、エピクロルヒドリン−プロピレンオキシド共重
合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリル
グリシジルエーテル三元共重合体、エピクロルヒドリン
−プロピレンオキシド−アリルグリシジルエーテル三元
共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−プ
ロピレンオキシド−アリルグリシジルエーテル四元共重
合体等が、適宜に選択使用されることとなる。
ヒドリン系ゴム材料に対する加硫系として、2,3−ジ
メルカプトキノキサリン誘導体と、1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)ウンデセン−7塩と、ハイドロタル
サイト類との組合せを用いるものであるが、その中で、
加硫剤である2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体
は、下記の化1:
原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す)にて表され
るものであり、具体的には、キノキサリン−2,3−ジ
チオカーボネート、6−メチルキノキサリン−2,3−
ジチオカーボネート、6−イソプロピルキノキサリン−
2,3−ジチオカーボネート、5,8−ジメチルキノキ
サリン−2,3−ジチオカーボネート等を挙げることが
出来、その中でも、6−メチルキノキサリン−2,3−
ジチオカーボネートが有利に用いられることとなる。そ
して、このような2,3−ジメルカプトキノキサリン誘
導体は、前記したエピクロルヒドリン系ゴム材料(ベー
スゴム成分)の100重量部に対して、0.1〜5重量
部、好ましくは0.5〜2重量部の割合において用いら
れることとなる。けだし、その使用量が0.1重量部よ
りも少なくなると、加硫が困難となるからであり、また
5重量部を越えるようになると、スコーチしてしまう等
の問題を惹起するようになるからである。
ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DB
U)の塩は、一般に、下記の化2:
る) にて表されるものであって、具体的には、ナフトエ酸、
2−ヒドロキシナフトエ酸、ソルビン酸、2−エチルヘ
キシル酸、没食子酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ケイ皮
酸等のカルボン酸や、フェノール樹脂のDBU塩が挙げ
られ、特に、本発明にあっては、ナフトエ酸やフェノー
ル樹脂のDBU塩が好適に用いられることとなる。な
お、このDBU塩の使用量としては、エピクロルヒドリ
ン系ゴム材料の100重量部に対して0.1〜5重量部
とされ、その使用量が少なくなり過ぎると、加硫が困難
となる一方、その使用量が多過ぎると、スコーチしてし
まう等の問題を惹起することとなる。
するハイドロタルサイト類は、一般に、下記化3:
り選ばれた2価金属の少なくとも1種を示し、M2 はZ
n、Cd、Pb及びSnよりなる群より選ばれた2価金
属の少なくとも1種を示し、MはAl、Fe、Cr、C
o、In等の3価金属を示し、Aはハロゲン、硝酸根、
炭酸根、硫酸根、フェロシアン酸根、酢酸根、修酸根、
サリチル酸根等のn価のアニオンを示し、a及びbはそ
れぞれ0〜10であって、且つa+b=xであり、そし
て、xは1〜10、yは1〜5、wは実数を表す)にて
示されるものであって、例えば、Mg4.5 Al2 (O
H)13CO3 ・3.5H2 O、Mg4.5 Al2 (OH)
13CO3 、Mg4 Al2 (OH)12CO3 ・3.5H2
O、Mg6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2 O、Mg5
Al2 (OH) 14CO3 ・4H2 O、Mg3 Al2 (O
H)10CO3 ・1.7H2 O、Mg3 ZnAl2 (O
H)12CO3 ・wH2 O、Mg3 ZnAl2 (OH)12
CO3 等を挙げることが出来る。これらのハイドロタル
サイト類は、単独で、または2種以上を混合して使用す
ることが出来る。また、このようなハイドロタルサイト
類は、エピクロルヒドリン系ゴム材料の100重量部に
対して、1〜20重量部の範囲で用いられ、この範囲よ
りも少ない使用量においては加硫が甘くなり、一方、か
かる範囲よりも多い使用量においては、破断伸びが小さ
くなる等の問題を惹起する。
ドリン系ゴム組成物には、必要に応じて、当該技術分野
で採用されている各種の老化防止剤、充填剤、補強剤、
可塑剤、加工助剤、顔料、難燃剤等が適宜に配合せしめ
られることとなるが、特に、本発明にあっては、金属酸
化物及び金属水酸化物のうちの少なくとも1種が、エピ
クロルヒドリン系ゴム材料の100重量部当たり0.1
〜3重量部、望ましくは0.3〜1.5重量部の割合に
おいて配合せしめられ、これによって、耐熱性や圧縮永
久歪み、伸張永久歪み等の特性の更なる向上が図られ得
るのである。なお、この金属酸化物や金属水酸化物が、
合計量で3重量部を越えるようになると、耐サワーガソ
リン性、接着性、貯蔵安定性等の物性が低下するように
なるところから、それらの余りにも多量の配合は避ける
ことが望ましい。そして、そのような金属酸化物や金属
水酸化物としては、マグネシウムやカルシウム等のアル
カリ土類金属の酸化物や水酸化物が、有利に用いられる
こととなる。
製造工程においては、未加硫のゴム組成物を用いて、押
出成形等にて得られる未加硫状態のホース成形物を加硫
せしめる一つの手法として、ホース外表面を鉛にて被覆
した状態において、蒸気加硫を行なう被鉛加硫法が知ら
れているが、そのような加硫法を採用して、図1や図2
に示される如き、ホース最外層が実質的に第二層となる
ホースを製造する場合においては、そのような最外層を
与えるゴム組成物には、ステアリン酸が配合され、ゴム
加工の作業性の改善に加えて、ホース外表面への鉛の付
着を阻止して、加硫後における鉛被覆層の除去性を高め
るような対策が採用されることとなるが、そのようなス
テアリン酸の配合量が多くなると、第一層に対する接着
性が低下するようになるところから、かかるステアリン
酸の配合量は、ベースゴム成分たるエピクロルヒドリン
系ゴム材料の100重量部に対して、0.5重量部以下
に止めることが望ましい。
系ゴム組成物には、その加硫速度を調整する目的にて、
公知の加硫促進剤や加硫遅延剤等を配合することも、適
宜に採用され、それらは、何れも、公知のものの中か
ら、目的に応じて選択されることとなる。
にはフューエル・ホースを得るには、よく知られている
通常の積層手法や押出成形手法等に従って、所定のフッ
素ゴム若しくはフッ素樹脂からなる第一層(2)を形成
し、更にかかる第一層上に、直接に、前述の如きエピク
ロルヒドリン系ゴムからなる第二層(4)を、前記した
ゴム組成物を用いて、積層形成することにより、積層体
として、更にはホースとしての成形体において、形成さ
れ、その後、通常の加硫手法に従って加硫せしめられ、
また必要に応じて、それら第一層、第二層の形成に先立
って、或いはその形成と同時に、またはその形成の後
に、更なる他の層が従来と同様にして形成され、以て目
的とする積層構造の積層体乃至はホースとされることと
なる。
例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとす
るが、本発明が、そのような具体例の記載によって、何
等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもない
ところである。また、本発明には、以下の具体例の他に
も、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を
逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々
なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、
理解されるべきである。
成分を、それぞれの表に示される配合量において配合
し、均一に混練せしめて、実験例1〜12及び比較例1
〜9に係る各種のゴム組成物を調製した。なお、それぞ
れの表において、ECOは、エピクロルヒドリン系ゴム
材料としてのエピクロルヒドリン−エチレンオキシド共
重合体(ダイソー株式会社製エピクロマーC)、GEC
Oは、エピクロルヒドリン系ゴム材料としてのエピクロ
ルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエー
テル三元共重合体(ダイソー株式会社製エピクロマーC
G−104)、DBUは、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7、ハイドロタルサイトD
HT−4Aは、Mg4.5 Al2 (OH)13CO3 ・3.
5H2 O、ハイドロタルサイトDHT−4A・2は、M
g4.5 Al2 (OH)13CO3 を、それぞれ、示すもの
である。また、アルカマイザー4及びアルカマイザー4
・2は、それぞれ、Mg3 ZnAl2 (OH)12CO3
・wH2 O(但し、wは実数である)及びMg3 ZnA
l2 (OH)12CO3 を示すものである。
組成物またはそれを加硫してなる試験片について、下記
の評価手法に従って、未加硫物性(スコーチ性)、加硫
物性(常態時物性)、圧縮永久歪み、伸張永久歪み、耐
熱性、及び耐サワーガソリン性の評価を行ない、その結
果を、下記表6〜表10に示した。
あり、JIS−K−6300に記載の方法に準拠して、
各ゴム組成物について評価した。即ち、初期、乾熱後
(40℃×72時間)、及び湿熱後(50℃×95%R
H×24時間)の、それぞれの場合について、ムーニー
粘度:ML121℃(1+3)、及びスコーチタイム
(St.5p)を測定した。
得られた加硫ゴム試験片について、その初期性能を、J
IS−K−6301に記載の方法に準拠して測定した。
なお、表中のTBは引張強度(MPa)、EBは引張破
断伸び(%)、HsはJIS−A硬度を、それぞれ、示
している。
加硫ゴム試験片について、それぞれ、100℃×72時
間又は120℃×72時間の条件を採用して、測定し
た。なお、比較例1〜5においては、一次加硫品(16
0℃×45分間、プレス加硫)と、それを更に二次加硫
(150℃×2時間)して得られる二次加硫品とについ
て、それぞれ測定した。
い、これに40mmの標線を描き、伸張率:50%の伸
びを与えて、135℃の温度で72時間、老化させた
後、かかる試験片を取り外し、そして室温にて30分間
放置した後、下記の計算式により算出された歪み率
(%)にて示した。 歪み率(%)=(L1 −40)×100/40 (但し、L1 :老化後の標線間の長さ,mm)
硫ゴム試験片の120℃×168時間の熱処理後のもの
について、それぞれ、TB、EB、Hsを測定し、前記
加硫物性測定時において得られた初期性能を示す物性値
に対する変化割合で示した。即ち、各表において、ΔT
Bは熱処理後の引張強度の加硫物性における引張強度に
対する変化率、ΔEBは熱処理後の破断伸びの加硫物性
における破断伸びに対する変化率、ΔHsは熱処理後の
硬度の加硫物性における硬度に対する変化量を、それぞ
れ、示している。
して行なった。即ち、各ゴム組成物をシート状に成形し
た後、160℃×45分間の条件で加硫し、引張強度、
伸び、及び硬さ変化を測定する場合にあっては、この得
られたシート状加硫物からダンベル状3号試験片を打ち
抜き、それをラウロイルパーオキサイドが3重量%の割
合で添加されてなるFUEL−B〔イソオクタン/トル
エン=70/30(容量%)〕に浸漬して、40℃で7
2時間放置した。なお、試料3個に対して、液量を15
0mlとした。また、体積変化率を測定する場合には、
幅:20mm、長さ:50mm、厚さ:2.00±0.
15mmの試験片3個を、液量:100mlの上記と同
様なFUEL−Bに浸漬した。そして、かかる浸漬して
得られた、それぞれの試験片について、引張強度、伸
び、硬さ変化、体積変化を調べた。なお、表において、
ΔTBは浸漬後の引張強度の加硫物性における引張強度
に対する変化率、ΔEBは浸漬後の破断伸びの加硫物性
における破断伸びに対する変化率、ΔHsは浸漬後の硬
度の加硫物性における硬度に対する変化量、ΔVは浸漬
後の体積変化率を、それぞれ、示している。また、外観
についても、その状態を調べ、併せて表に示した。
如く、実験例1〜12に係るゴム組成物は、貯蔵安定性
に優れ、また加硫物性と共に、圧縮永久歪み、伸張永久
歪み、耐熱性、及び耐サワーガソリン性において、全体
的に優れた加硫ゴム特性を有していることが認められる
が、特に、本発明の実施例たる実験例6〜8及び10〜
12に従う酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム或い
は水酸化カルシウムの所定量を配合してなるゴム組成物
から得られる加硫ゴムにおいては、圧縮永久歪み、伸張
永久歪み、又は耐熱性において、優れた特性を有するも
のであった。
ム組成物と、フッ素ゴム(FKM)又はフッ素樹脂(F
CP)との接着性について評価を行ない、その結果を、
下記の表11〜表15に示した。なお、FKMについて
は、下記の如き及びの2種類を用い、またFCPに
ついては、下記の1種類を用いた。
合体(バイトンE430、米国:デュポン社製):10
0重量部、SRFカーボン:13重量部、MgO:3重
量部、及びCa(OH)2 :6重量部なる組成のものを
用いた。
レン三元共重合体(ダイエルG555、ダイキン株式会
社製):100重量部、SRFカーボン:13重量部、
MgO:3重量部、及びCa(OH)2 :6重量部なる
組成のものを用いた。
フッ化ビニリデン三元共重合体(THV500G、米
国:3M社製)を用いた。
と、前記各種ゴム組成物に基づくところのエピクロルヒ
ドリン系ゴムとの接着性は、初期、熱老化後(120℃
×72時間)、及び浸漬後〔FUEL−D(イソオクタ
ン/トルエン=40vol%/60vol%)、40℃
×48時間〕のそれぞれの場合について、以下の如き剥
離力及び界面状態について評価し、その得られた結果
を、下記表11〜表15に示した。
み:2.2mmの未加硫エピクロルヒドリンゴム板(実
験例1〜12又は比較例1〜9のゴム組成物からなる)
とを張り合わせたものを、厚み:3mmの金型に挟み、
面圧:20kgf/cm2 、160℃×45分の条件で
プレス加硫を行なった後、得られた加硫シートを1イン
チ幅で短冊状に切断した。次いで、この短冊状の加硫シ
ートをストログラフを用いて、剥離速度:50mm/分
で引き離した際の、上記FKM板(又はFCP板)と、
加硫エピクロルヒドリンゴム板との剥離力(kgf/i
nch)を測定した。
FKM板(又はFCP板)と加硫エピクロルヒドリンゴ
ム板との剥離状態を肉眼で観察することにより、示し
た。なお、FKM板(又はFCP板)とエピクロルヒド
リンゴム板の剥離面において、全面がゴム破壊の状態を
「R破壊」、或る部分がゴム破壊で残りの部分が界面剥
離の状態を「部分R」、全面が界面剥離の状態を「界
面」として、表に示した。
なように、実験例1〜12のゴム組成物を用いた場合に
おいては、FKM、やFCPとの間における接着性
が良好であるのに対して、比較例1〜9のゴム組成物を
用いた場合にあっては、剥離力が小さく、従って接着性
に劣るものであることが認められる。
にあっては、エピクロルヒドリン系ゴム材料に対する新
たな加硫系として、2,3−ジメルカプトキノキサリン
誘導体と、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウン
デセン−7塩と、ハイドロタルサイト類との組合せを用
いるものであって、これにより、加硫系に鉛化合物を何
等用いることなく、フッ素ゴム若しくはフッ素樹脂とエ
ピクロルヒドリン系ゴムとの接着性を著しく高め得て、
より一層有効な一体化構造の積層体、更には、そのよう
な積層体からなるホース、特に燃料配管用として有用な
フューエル・ホースを提供し得たのであり、また圧縮永
久歪みに優れ、更に伸張永久歪みにも優れていると共
に、耐サワーガソリン性にも優れた特性を発揮し、以て
フューエル・ホースとしての有効性を著しく高め得たと
ころに、大きな技術的意義を有するものである。
斜視説明図である。
示す斜視説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 フッ素ゴム若しくはフッ素樹脂からなる
第一層と、該第一層に接して積層された、エピクロルヒ
ドリン系ゴムからなる第二層とを少なくとも含んで構成
される積層体において、 かかる第二層を、そのベースゴム成分としてエピクロル
ヒドリン系ゴム材料を用い、その100重量部に対し
て、2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体からなる
加硫剤の0.1〜5重量部と、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7塩の0.1〜5重量部
と、ハイドロタルサイト類の1〜20重量部と、アルカ
リ土類金属の酸化物及び水酸化物のうちの少なくとも1
種の0.3〜1.5重量部とを配合してなるゴム組成物
にて、形成したことを特徴とする積層体。 - 【請求項2】 フッ素ゴム若しくはフッ素樹脂からなる
第一層と、該第一層に接して積層された、エピクロルヒ
ドリン系ゴムからなる第二層とを少なくとも含む積層構
造のホースにおいて、 かかる第二層を、そのベースゴム成分としてエピクロル
ヒドリン系ゴム材料を用い、その100重量部に対し
て、2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体からなる
加硫剤の0.1〜5重量部と、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7塩の0.1〜5重量部
と、ハイドロタルサイト類の1〜20重量部と、アルカ
リ土類金属の酸化物及び水酸化物のうちの少なくとも1
種の0.3〜1.5重量部とを配合してなるゴム組成物
にて、形成したことを特徴とするホース。 - 【請求項3】 フッ素ゴム若しくはフッ素樹脂からなる
第一層と、該第一層に接して積層された、エピクロルヒ
ドリン系ゴムからなる第二層とを少なくとも含み、且つ
該第一層が、該第二層よりもホース内側に位置し、ホー
ス内を流れるフューエルに接する最内層とされたフュー
エル・ホースにして、 かかる第二層を、そのベースゴム成分としてエピクロル
ヒドリン系ゴム材料を用い、その100重量部に対し
て、2,3−ジメルカプトキノキサリン誘導体からなる
加硫剤の0.1〜5重量部と、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7塩の0.1〜5重量部
と、ハイドロタルサイト類の1〜20重量部と、アルカ
リ土類金属の酸化物及び水酸化物のうちの少なくとも1
種の0.3〜1.5重量部とを配合してなるゴム組成物
にて、形成したことを特徴とするフューエル・ホース。
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WO2023190177A1 (ja) * | 2022-03-31 | 2023-10-05 | 株式会社大阪ソーダ | 加硫接着用組成物、加硫接着積層体用組成物ならびにこれらを用いた積層体 |
-
1998
- 1998-01-21 JP JP00950598A patent/JP3191755B2/ja not_active Expired - Lifetime
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