JP7210754B2

JP7210754B2 - 保冷庫

Info

Publication number: JP7210754B2
Application number: JP2021542750A
Authority: JP
Inventors: 伸幸津久井; 栄市森; 英二土居
Original assignee: PHC Corp
Current assignee: PHC Corp
Priority date: 2019-08-27
Filing date: 2020-08-14
Publication date: 2023-01-23
Anticipated expiration: 2040-08-14
Also published as: US12044460B2; EP4001808A4; JPWO2021039445A1; US20220170688A1; CN114270123B; WO2021039445A1; CN114270123A; EP4001808B1; EP4001808A1

Description

本開示は、引戸を備える保冷庫に関する。

対象物を低温環境で保存する保冷装置として、例えば、特許文献１に冷却貯蔵庫が開示されている。特許文献１に開示されている冷却貯蔵庫は、ローラーを有するスライド扉を有しており、スライド扉がレール上を全閉位置まで移動したときにローラーがレールに形成された凹部に落とし込まれる。このとき、スライド扉のパッキンが、冷却貯蔵庫の口縁部に弾縮しつつ押し付けられることで開口部が密閉される。

特許第５４４８６６４号公報

しかしながら、特許文献１における冷却貯蔵庫のパッキンと口縁部とからなる密閉構造は、機能性の面で十分ではない。そのため、冷却貯蔵庫の密閉構造の機能向上が求められている。

本開示は、機能性が高い密閉構造を備える保冷庫を提供することを目的とする。

本開示に係る保冷庫は、車輪を有する引戸と、前記車輪が落ち込む落込部を有しており、前記引戸の下側を案内する下枠と、前記引戸の上側を案内する上枠と、前記引戸に取り付けられている部位である第１の取付部と、第１の先端部と、を有する第１のシール部材と、を備え、前記引戸の移動方向に垂直な平面による前記第１のシール部材の断面形状は、弓状の形状であって、前記第１の取付部は前記第１のシール部材の中で最も上側に位置し、前記第１の先端部は前記第１のシール部材の中で最も下側に位置しており、前記車輪が前記落込部に落ち込んだときに、前記第１のシール部材の外周面が前記上枠又は前記下枠に密着する。
上述の保冷庫を実施する場合の一態様として、例えば、保冷庫は、上枠に取り付けられている部位である第２の取付部と、第２の先端部と、を有しており、引戸の移動方向に垂直な平面による断面形状が弓状の形状である第２のシール部材をさらに備えもよい。
この場合、第２の取付部は、第２のシール部材の中で最も下側に位置してよい。
又、第２の先端部は、第２のシール部材の中で最も上側に位置してよい。
そして、車輪が落込部に落ち込んだときに、第１のシール部材は、第２のシール部材および上枠に密着するように構成されてよい。
又、上述の保冷庫を実施する場合の一態様として、例えば、上枠は、第１の先端部よりも下側に、引戸に向かって突出しており、かつ、車輪が落込部に落ち込む際に、第１の先端部を下側に誘導する誘導面が形成されている突出部を有してもよい。
この場合、車輪が落込部に落ち込んだときに、第１のシール部材は、外周面が上枠に密着するように構成されてもよい。
又、上述の保冷庫を実施する場合の一態様として、例えば、第１のシール部材は、第１の取付部と第１の先端部とを繋ぐ湾曲部を有してもよい。
又、第１のシール部材の内周面から外周面までの寸法は、湾曲部よりも第１の先端部の方が大きくてもよい。
この場合、車輪が落込部に落ち込んだときに、第１の先端部は、外周面が下枠に密着するように構成されてもよい。

本開示によれば、機能性が高い密閉構造を備える保冷庫を提供することができる。

本開示に係る保冷庫の正面図である。本開示に係る保冷庫の引戸が落とし込まれる動作を説明するための模式図である。本開示に係る保冷庫の断面図であって、引戸が開放位置にあるときの図である。本開示に係る保冷庫の断面図であって、引戸が全閉位置にあるときの図である。

以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は一例であり、本開示はこの実施形態により限定されるものではない。

まず、保冷庫１の構成について、図１、図２および図３を用いて説明する。図１は、本開示に係る保冷庫１の正面図である。図１は、後述する外側引戸４が開放位置にあり、内側引戸５が全閉位置にある状態を示している。図２は、本開示に係る保冷庫１の外側引戸４が落とし込まれる動作を説明するための模式図である。図３は、本開示に係る保冷庫１の断面図であって、外側引戸４が開放位置にあるときの図である。ここでいう、断面は、外側引戸４の移動方向に垂直な平面（以下、縦平面と称す。）による断面のことである。なお、本実施形態における保冷庫１は、例えば、薬剤を保管しておく薬剤保冷庫である。また、本明細書において、使用時にユーザが正対する側（外側引戸４および内側引戸５がある側）を保冷庫１の前側、その反対側を保冷庫１の後側とする。また、前側から視て左側及び右側を保冷庫１の左側及び右側とする。

保冷庫１は、筐体２、枠体３、外側引戸４、および内側引戸５を備える。

筐体２の前面には開口Ｈが形成されている。筐体２の外周面と内周面との間には断熱材が充填されている。筐体２の内周面に囲まれた空間は、保冷室Ｒであり、対象物が収容される空間である（図１参照）。また、筐体２における保冷室Ｒよりも下側の内部空間は、機械室である。保冷室Ｒと機械室とは区切られている。機械室内には、保冷室Ｒを冷却する冷凍回路を構成する圧縮機や凝縮器などが配置されている。

枠体３は、開口Ｈを取り囲むように筐体２に設けられている。枠体３は、上枠３１および下枠３２を有する。

上枠３１は、外側引戸４および内側引戸５の上側を左右方向、つまり、開閉方向に案内する。上枠３１は、垂下部３１１ａ、３１１ｂおよび突出部３１２を有する。垂下部３１１ａは、外側引戸４よりも前方に位置し、垂下部３１１ｂは、外側引戸４よりも保冷室Ｒ側であって、内側引戸５よりも前方に位置する。図示されていないが、上枠３１は、内側引戸５より保冷室Ｒ側にも垂下部（以下、最内垂下部と称す。）を有する。なお、垂下部３１１ｂおよび最内垂下部には、後述する補助シール部材Ｓ２が取り付けられている。

垂下部３１１ａおよび垂下部３１１ｂは、それぞれ外側引戸４および内側引戸５に向かって突出する突出部３１２を有する。突出部３１２には、誘導面３１３が形成されている。

下枠３２は、引戸案内部３２１を有する。引戸案内部３２１は、前後方向において、垂下部３１１ａと垂下部３１１ｂとの間、および、垂下部３１１ｂと最内垂下部との間に形成されている。下枠３２は、引戸案内部３２１に配置された外側引戸４、内側引戸５の下側を左右方向、つまり、開閉方向に案内する。

また、下枠３２には、落込部３２ａおよび誘導口３２ｂが形成されている。落込部３２ａについては、後に詳細に説明する。誘導口３２ｂは、引戸案内部３２１と、下枠３２における後述する下方シール部材Ｓ４が密着する部分との間に位置しており、枠体３又は外側引戸４にて発生した結露水を機械室内に誘導する。

内側引戸５は、全開時において外側引戸４と保冷室Ｒとの間に位置する。外側引戸４および内側引戸５は、互いに同様の構成を有するため、以下、外側引戸４の構成について説明し、内側引戸５の説明を省略する。なお、外側引戸４の開方向および閉方向は、それぞれ左方向および右方向に対応し、内側引戸５の開方向および閉方向は、それぞれ右方向および左方向に対応する。

外側引戸４は、サッシ４１および車輪４２を有する。サッシ４１は、ガラス層を保持する。また、サッシ４１には、後述する上方内側シール部材Ｓ１、上方外側シール部材Ｓ３および下方シール部材Ｓ４が取り付けられている。図３中の４１ａおよび４１ｂは、外側引戸４の内面および外面である。外面４１ｂは、保冷室Ｒの外部側（前方側）の面であり、内面４１ａは、保冷室Ｒ側（後方側）の面である。

車輪４２は、外側引戸４の下方に取り付けられている。外側引戸４の移動とともに、車輪４２が回転することで、外側引戸４が円滑に引戸案内部３２１に沿って移動する。

車輪４２は、外側引戸４が全閉位置まで移動したときに落込部３２ａに落ち込む。落込部３２ａは、車輪４２がはまる凹みである。落込部３２ａは、外側引戸４の開方向側に斜面３２ａａを有している。車輪４２が落ち込む際に、斜面３２ａａは、車輪４２を斜め下方向に誘導する。これにより、全閉位置に近い開放位置まで外側引戸４が移動した場合、該開放位置からはユーザが外側引戸４を開方向に移動しなくても、外側引戸４が全閉位置に移動する。

本実施形態の保冷庫１は、上方内側シール部材Ｓ１、補助シール部材Ｓ２、上方外側シール部材Ｓ３、及び、２つの下方シール部材Ｓ４を備えている。図３に示されているように、縦平面による上方内側シール部材Ｓ１、補助シール部材Ｓ２、上方外側シール部材Ｓ３、及び、下方シール部材Ｓ４の断面形状は、いずれも弓状の形状である。また、上方内側シール部材Ｓ１、上方外側シール部材Ｓ３、及び下方シール部材Ｓ４は、外側引戸４に取り付けられており、外側引戸４の右側端から左側端にかけて延在している。補助シール部材Ｓ２は、垂下部３１１ｂに取り付けられており、上枠３１の右側端から左側端にかけて延在している。

上方内側シール部材Ｓ１（第１のシール部材の一例）は、取付部ＳＮ１、先端部ＳＳ１、および湾曲部ＳＣ１を有する。取付部ＳＮ１は、縦平面における上方内側シール部材Ｓ１の一方側の端部であり、外側引戸４の内面４１ａに取付けられている。先端部ＳＳ１は、縦平面における取付部ＳＮ１とは反対側の端部である。湾曲部ＳＣ１は、取付部ＳＮ１および先端部ＳＳ１を繋いでいる。

上方内側シール部材Ｓ１は、取付部ＳＮ１が上方内側シール部材Ｓ１の中で最も上側に位置し、先端部ＳＳ１が上方内側シール部材Ｓ１の中で最も下側に位置するように、外側引戸Ｓ１と垂下部３１１ｂとの間に位置している。

補助シール部材Ｓ２（第２のシール部材の一例）は、取付部ＳＮ２、先端部ＳＳ２、および湾曲部ＳＣ２を有する。取付部ＳＮ２は、縦平面における補助シール部材Ｓ２の一方側の端部であり、垂下部３１１ｂに取付けられている。先端部ＳＳ２は、縦平面における取付部ＳＮ２とは反対側の端部である。湾曲部ＳＣ２は、取付部ＳＮ２および先端部ＳＳ２を繋いでいる。

補助シール部材Ｓ２は、取付部ＳＮ２が補助シール部材Ｓ２の中で最も下側に位置し、先端部ＳＳ２が補助シール部材Ｓ２の中で最も上側に位置するように、外側引戸Ｓ２と垂下部３１１ｂとの間に位置している。また、先端部ＳＮ２は、先端部ＳＮ１よりも外側引戸４の近くに位置する。

上方外側シール部材Ｓ３（第１のシール部材の一例）は、取付部ＳＮ３、先端部ＳＳ３、および湾曲部ＳＣ３を有する。取付部ＳＮ３は、縦平面における上方外側シール部材Ｓ３の一方側の端部であり、外側引戸４の外面４１ｂに取付けられている。先端部ＳＳ３は、縦平面における取付部ＳＮ３とは反対側の端部である。湾曲部ＳＣ３は、取付部ＳＮ３および先端部ＳＳ３を繋いでいる。

上方外側シール部材Ｓ３は、取付部ＳＮ３が上方外側シール部材Ｓ３の中で最も上側に位置し、先端部ＳＳ３が上方外側シール部材Ｓ３の中で最も下側に位置するように、外側引戸Ｓ３と垂下部３１１ａとの間に位置している。なお、突出部３１２は、垂下部３１１ａにおいて、上方外側シール部材Ｓ３の先端部ＳＳ３よりも下側に位置する。

下方シール部材Ｓ４（第１のシール部材の一例）は、外側引戸４の下面であって、引戸案内部３２１よりも後側および前側の２か所に取り付けられている。下方シール部材Ｓ４は、取付部ＳＮ４、先端部ＳＳ４、および湾曲部ＳＣ４を有する。取付部ＳＮ４は、縦平面における下方シール部材Ｓ４の一方側の端部であり、外側引戸４に取付けられている。先端部ＳＳ４は、縦平面における取付部ＳＮ４とは反対側の端部である。湾曲部ＳＣ４は、取付部ＳＮ４および先端部ＳＳ４を繋いでいる。ここで、先端部ＳＳ４は、ふくらんだ形状を有しており、縦平面による断面において、下方シール部材Ｓ４の内周面から下方シール部材Ｓ４の外周面までの寸法は、湾曲部ＳＣ４よりも先端部ＳＳ４の方が大きい。

下方シール部材Ｓ４は、取付部ＳＮ４が下方シール部材Ｓ４の中で最も上側に位置し、先端部ＳＳ４が下方シール部材Ｓ４の中で最も下側に位置するように、外側引戸Ｓ４と下枠３２との間に位置している。

次に、各シール部材Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３、Ｓ４の作用について、図２、図３、および図４を用いて説明する。図４は、本開示に係る保冷庫１の断面図であって、外側引戸４が全閉位置にあるときの図である。なお、図３に示されているように、外側引戸４が開放位置にあるとき、上方内側シール部材Ｓ１及び上方外側シール部材Ｓ３は、上枠３１に接していない。また、補助シール部材Ｓ２は、外側引戸４に接していない。さらに、下方シール部材Ｓ４は、下枠３２に接していない。

図２に示されているように、開放位置にある外側引戸４が閉方向に移動すると、車輪４２が落込部３２ａの斜面３２ａａさしかかり、斜面３２ａａに沿って落込部３２ａに落ち込む。その結果、図４に示されているように、外側引戸４が下側に落ち込むとともに、全閉位置に位置するようになり、かつ、各シール部材Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３、Ｓ４によって保冷室Ｒが密閉される。

＜上方内側シール部材Ｓ１及び補助シール部材Ｓ２の作用＞
車輪４２が落込部３２ａの斜面３２ａａによって下方向に誘導されているとき、まず、上方内側シール部材Ｓ１の先端部ＳＳ１が、補助シール部材Ｓ２の内周面に接触する。

さらに、外側引戸４が下方向に移動すると、上方内側シール部材Ｓ１の先端部ＳＳ１が、補助シール部材Ｓ２の内周面からの力を受ける。つまり、上方内側シール部材Ｓ１に上下方向に圧縮する力が加わる。すると、上方内側シール部材Ｓ１は、上方内側シール部材Ｓ１の外周面側、つまり、後側に膨出するように変形する。その結果、上方内側シール部材Ｓ１の外周面が上枠３１の垂下部３１１ｂに密着する。

また、補助シール部材Ｓ２の内周面が上方内側シール部材Ｓ１の先端部ＳＳ１からの力を受け、補助シール部材Ｓ２の湾曲部ＳＣ２が下方向に押される。すると、補助シール部材Ｓ２は、接続部ＳＮ２を中心として回転するように変形する。その結果、補助シール部材Ｓ２の外周面が外側引戸４の内面４１ａに密着する。

図４に示されているように、外側引戸４が全閉位置に達したとき、上方内側シール部材Ｓ１と補助シール部材Ｓ２とは互いに組み合うように密着した状態、具体的には、先端部ＳＳ１と、補助シール部材Ｓ２の内周面が密着した状態になる。

なお、外側引戸４が開放位置にあるとき、外気が垂下部３１１ａと上方外側シール部材Ｓ３との隙間から外側引戸４のサッシ４１の上側と上枠３１との間の空間に入り込んでくる可能性がある。入り込んできた空気が、保冷室Ｒ内の冷気によって冷やされる結果、上枠３１および外側引戸４のサッシ４１の上側において、結露が発生することがある。垂下部３１１ｂの外側引戸４側の面に付着した結露水は、補助シール部材Ｓ２と垂下部３１１ｂによって形成される隙間Ｓに落ちていく。また、外側引戸４の内面４１ａに付着した結露水は、上方内側シール部材Ｓ１の外周面を伝って、隙間Ｓに流れ込む。隙間Ｓに流れ込んだ結露水は、枠体３の縦枠に向けて誘導され、縦枠を伝って下枠３２に向かい、下枠３２の誘導口３２ｂに流れ込む。その後、結露水は、配管ＴＢを通じて機械室内に導かれ、機械室内の凝縮器の付近の受け皿に流れ込み、凝縮器の熱により蒸発する。

＜上方外側シール部材Ｓ３の作用＞
車輪４２が落込部３２ａの斜面３２ａａによって下方向に誘導されているとき、上方外側シール部材Ｓ３の先端部ＳＳ３が、突出部３１２の斜面３２ａａに接触する。さらに、外側引戸４が下方向に移動すると、上方外側シール部材Ｓ３の先端部ＳＳ３は、斜面３２ａａよって下側に誘導され、先端部ＳＳ３が突出部３１２と外側引戸４との間に入り込む。すると、上方外側シール部材Ｓ３には、上下方向および前後方向に圧縮する力が加わる。その結果、図４に示されているように、突出部３１２に上方外側シール部材Ｓ３の外周面が密着した状態になる。

＜下方シール部材Ｓ４の作用＞
車輪４２が落込部３２ａの斜面３２ａａによって下方向に誘導されているとき、下方シール部材Ｓ４の先端部ＳＳ４が、下枠３２の上面に接触する。さらに、外側引戸４が下方向に移動すると、下方シール部材Ｓ４の先端部ＳＳ４の外周面が、下枠３２からの力を受ける。つまり、下方シール部材Ｓ４に上下方向に圧縮する力が加わる。すると、湾曲部ＳＣ４の曲率半径が小さくなるように変形する。その結果、図４に示されているように、先端部ＳＣ４の外周面が下枠３２の上面に密着した状態になる。

なお、２つの下方シール部材Ｓ４は、同様に作用する。

上方内側シール部材Ｓ１、上方外側シール部材Ｓ３、及び、下方シール部材Ｓ４は、内側引戸５にも取り付けられている。また、補助シール部材Ｓ２は、最内垂下部に設けられている。これらのシール部材Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３、Ｓ４も、外側引戸４に取り付けられた各シール部材Ｓ１、Ｓ３、Ｓ４および垂下部３１１ｂに取り付けられた補助シール部材Ｓ２と同様に作用する。

本実施形態に係る保冷庫１が備える各シール部材Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３、Ｓ４は、外側引戸４が開放位置にあるときは、外側引戸４と枠体３との間で密着せず、外側引戸４が全閉位置に達したときに、外側引戸４と枠体３との間で密着する。よって、小さい力で外側引戸４を全閉位置まで移動させることができ、全閉位置において、確実に保冷室Ｒを密閉することができる。

また、上方内側シール部材Ｓ１、補助シール部材Ｓ２、上方外側シール部材Ｓ３、及び、下方シール部材Ｓ４の縦断面による断面形状は弓状の形状であるため、縦平面において上下方向および前後方向のいずれにおいても容易に弾性変形することができる。したがって、外側引戸４が落とし込まれて下方向に移動したとき、縦平面内においてどのような向きの力を受けても、各シール部材Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３、Ｓ４は破損しにくい。また、上方内側シール部材Ｓ１、上方外側シール部材Ｓ３、及び、下方シール部材Ｓ４は、それぞれの先端部が最も下側で、それぞれの取付部が最も上側になるように配置されているので、外側引戸４が落とし込まれたとき、取付部から離れた位置が、密着時の相手に接触する。言い換えると、外側引戸４の車輪４２が落とし込まれたときの衝撃は、取付部から離れた位置が受ける。よって、取付部は、車輪が落とし込まれた際の衝撃を直接受けにくく、上方内側シール部材Ｓ１、上方外側シール部材Ｓ３、及び、下方シール部材Ｓ４は、取付け対象からはがれにくい。したがって、上方内側シール部材Ｓ１、上方外側シール部材Ｓ３、及び、下方シール部材Ｓ４は、外側引戸４の落とし込み時の衝撃に強いと言える。

補助シール部材Ｓ２の縦断面による断面形状は弓状の形状であり、先端部ＳＳ２が最も上側で、取付部ＳＮ２が最も下側になるように配置されている。よって、垂下部３１１ｂとともに隙間Ｓを形成するため、枠体３に付着した結露水を受けることができる。また、補助シール部材Ｓ２は、外側引戸４と垂下部３１１ｂとの間に、垂下部３１１ｂと隙間Ｓを形成するように配置されている。よって、外側引戸４の開放時に、外側引戸４よりも保冷室Ｒ近くまで入り込んだ外気に起因する結露水、特に、垂下部３１１ｂに付着した結露水が隙間Ｓに流れ込む。したがって、保冷室Ｒへの結露水の進入をより確実に防ぐことができる。

補助シール部材Ｓ２の先端部ＳＮ２は、上方内側シール部材Ｓ１の先端部ＳＮ１よりも外側引戸４の近くに位置する。よって、外側引戸４の上部に付着した結露水は、上方内側シール部材Ｓ１の外周面を伝って、隙間Ｓに流れ込む。よって、枠体３だけでなく外側引戸４に付着した結露水の保冷室Ｒへの進入を防ぐことができる。

垂下部３１１ａの突出部３１２には、先端部ＳＳ３を下側に向けて誘導する誘導面３１３が形成されているので、突出部３１２と外側引戸４との間に上方外側シール部材Ｓ３が入り込みやすくなる。その結果、上方外側シール部材Ｓ３が弾性変形した状態から自然状態に戻ろうとするので、上方外側シール部材Ｓ３が垂下部３１１ａに押しつけられて密着する。よって、上方外側シール部材Ｓ３は、上枠３１に対してより強く密着する。

下方シール部材Ｓ４の先端部ＳＳ４は、膨らんだ形状となっている。そのため、先端部ＳＳ４の剛性は高まっている。よって、下方シール部材Ｓ４の延在方向、つまり、左右方向に沿って先端部ＳＳ４は直線形状が維持されやすくなっている。したがって、下方シール部材Ｓ４の左端から右端にわたって、直線状にかつ均等な力で先端部ＳＳ４は下枠３２に密着することができる。また、剛性が高まっているため、使用期間が長くなっても、先端部ＳＳ４は曲がったりうねったりしにくい。よって、長期間にわたり安定して、先端部ＳＳ４は下枠３２に密着することができる。

保冷庫１は、上枠３１と外側引戸４の外面４１ｂの間に上方外側シール部材Ｓ３を備えている。このため、外側引戸４が全閉位置にあるときに、外気が外側引戸４の上端と上枠３１との間の空間まで進入してこなくなる。よって、外側引戸４の上端と上枠３１との間の空間での結露の発生を抑制できる。保冷庫１は、上枠３１と外側引戸４の内面４１ａとの間に上方内側シール部材Ｓ１及び補助シール部材Ｓ２を備えているので、外側引戸４の上端と上枠３１との間の空間で結露が発生したとしても、結露水の保冷室Ｒへの進入を防止できる。

また、保冷庫１は、下枠３２と外側引戸４の下面との間であって引戸案内部３２１の前方に下方シール部材Ｓ４を備えている。このため、外側引戸４が全閉位置にあるときに、外気が外側引戸４の下端と下枠３２との間の空間まで進入してこなくなる。よって、外側引戸４の下端と下枠３２との間の空間での結露の発生を抑制できる。保冷庫１は、下枠３２と外側引戸４の下面との間であって、引戸案内部３２１の後方に下方シール部材Ｓ４を備えているので、外側引戸４の下端と下枠３２との間の空間で結露が発生したとしても、結露水の保冷室Ｒへの進入を防止できる。

したがって、各シール部材Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３、Ｓ４によって、結露水の保冷室Ｒへの進入を最小限にすることができるので、保冷室Ｒ内を適切な環境に維持することができる。

保冷室Ｒが冷却され、保冷室Ｒ内の圧力が外側引戸４の上端と上枠３１との間の空間の圧力よりも弱まると、外側引戸４の上端と上枠３１との間の空間の圧力により、上方内側シール部材Ｓ１が下方向に押される。上方内側シール部材Ｓ１が下方向に押されると、上方内側シール部材Ｓ１が補助シール部材Ｓ２を押す力が大きくなるので、補助シール部材Ｓ２の外周面は、外側引戸４に対してより強く押しつけられる。

また、外側引戸４の上端と上枠３１との間の空間の空気が冷却されて温度が下がると、外側引戸４の上端と上枠３１との間の空間の圧力は、外気の圧力よりも小さくなりやすい。外側引戸４の上端と上枠３１との間の空間の圧力が外気の圧力よりも小さくなると、上方外側シール部材Ｓ３は、外気の圧力により上方向に押される。上方外側シール部材Ｓ３が上方向に押されると、上方外側シール部材Ｓ３の湾曲部ＳＣ３の外周面が垂下部３１１ａにより強く押しつけられる。

さらに、外側引戸４の下端と下枠３２との間の空間の空気は、外気よりも温度が低くなりやすいので、外側引戸４の下端と下枠３２との間の空間の圧力は、外気の圧力よりも小さくなりやすい。外側引戸４の下端と下枠３２との間の空間の圧力が、外気の圧力よりも小さくなると、車輪４２よりも前方に位置する下方シール部材Ｓ４は、後方に押される。下方シール部材Ｓ４が後方に押されると、下方シール部材Ｓ４の先端部ＳＳ４の外周面が下枠３２により強く押しつけられるようになる。

つまり、全閉状態において、各シール部材Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３、Ｓ４によって、より強い密閉性が実現できる。

２０１９年８月２７日出願の特願２０１９－１５４９１２の日本出願に含まれる明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。

本開示に係る保冷庫は、全閉時に引戸が落とし込まれることで密閉される保冷庫に好適である。よって、その産業上の利用可能性は多大である。

１保冷庫
２筐体
３枠体
３１上枠
３１１ａ，３１１ｂ垂下部
３１２突出部
３１３誘導面
３２下枠
３２１引戸案内部
３２ａ落込部
３２ａａ斜面
３２ｂ誘導口
４外側引戸
５内側引戸
４１サッシ
４１ａ内面
４１ｂ外面
４２車輪
Ｓ１上方内側シール部材
ＳＮ１取付部
ＳＣ１湾曲部
ＳＳ１先端部
Ｓ２補助シール部材
ＳＮ２取付部
ＳＣ２湾曲部
ＳＳ２先端部
Ｓ３上方外側シール部材
ＳＮ３取付部
ＳＣ３湾曲部
ＳＳ３先端部
Ｓ４下方シール部材
ＳＮ４取付部
ＳＣ４湾曲部
ＳＳ４先端部
Ｒ保冷室
Ｈ開口
ＴＢ配管
Ｓ隙間

Claims

車輪を有する引戸と、
前記車輪が落ち込む落込部を有しており、前記引戸の下側を案内する下枠と、
前記引戸の上側を案内する上枠と、
前記引戸に取り付けられている部位である第１の取付部と、第１の先端部と、を有する第１のシール部材と、
前記上枠に取り付けられている部位である第２の取付部と、第２の先端部と、を有しており、前記引戸の移動方向に垂直な平面による断面形状が弓状の形状である第２のシール部材と、を備え、
前記引戸の移動方向に垂直な平面による前記第１のシール部材の断面形状は、弓状の形状であって、
前記第１の取付部は前記第１のシール部材の中で最も上側に位置し、前記第１の先端部は前記第１のシール部材の中で最も下側に位置しており、
前記第２の取付部は前記第２のシール部材の中で最も下側に位置し、前記第２の先端部は前記第２のシール部材の中で最も上側に位置しており、
前記車輪が前記落込部に落ち込んだときに、前記第１のシール部材は、前記第２のシール部材および前記上枠に密着する、
保冷庫。
前記上枠は、前記引戸よりも保冷室側に位置する垂下部を有し、
前記第２の取付部は、前記垂下部に取り付けられている、
請求項１に記載の保冷庫。
前記第２の先端部は、前記第１の先端部よりも前記引戸の近くに位置し、
前記車輪が前記落込部に落ち込んだときに、前記第１の先端部は、前記第２のシール部材の内周面に密着し、前記第１のシール部材の外周面は、前記上枠に密着する、
請求項２に記載の保冷庫。
車輪を有する引戸と、
前記車輪が落ち込む落込部を有しており、前記引戸の下側を案内する下枠と、
前記引戸の上側を案内する上枠と、
前記引戸に取り付けられている部位である第１の取付部と、第１の先端部と、を有する第１のシール部材と、を備え、
前記引戸の移動方向に垂直な平面による前記第１のシール部材の断面形状は、弓状の形状であって、
前記第１の取付部は前記第１のシール部材の中で最も上側に位置し、前記第１の先端部は前記第１のシール部材の中で最も下側に位置しており、
前記上枠は、前記第１の先端部よりも下側に、前記引戸に向かって突出しており、かつ、前記車輪が前記落込部に落ち込む際に、前記第１の先端部を下側に誘導する誘導面が形成されている突出部を有しており、
前記車輪が前記落込部に落ち込んだときに、前記第１のシール部材の外周面は、前記上枠に密着する、
保冷庫。
車輪を有する引戸と、
前記車輪が落ち込む落込部を有しており、前記引戸の下側を案内する下枠と、
前記引戸の上側を案内する上枠と、
前記引戸に取り付けられている部位である第１の取付部と、第１の先端部と、を有する第１のシール部材と、を備え、
前記引戸の移動方向に垂直な平面による前記第１のシール部材の断面形状は、弓状の形状であって、
前記第１の取付部は前記第１のシール部材の中で最も上側に位置し、前記第１の先端部は前記第１のシール部材の中で最も下側に位置しており、
前記第１のシール部材は、前記第１の取付部と前記第１の先端部とを繋ぐ湾曲部を有しており、
前記第１のシール部材の内周面から前記第１のシール部材の外周面までの寸法は、前記湾曲部よりも前記第１の先端部の方が大きく、
前記車輪が前記落込部に落ち込んだときに、前記第１の先端部の外周面が前記下枠に密着する、
保冷庫。