JP6057563B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、扉の庫内側の周縁部にガスケットを備えた冷蔵庫に関する。
従来、冷蔵庫内部の冷気が庫外に漏れることや、庫外から冷蔵庫内部へと熱が侵入することを防止するため、開閉扉の内側周囲に、マグネットガスケットを取り付けた冷蔵庫が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
図7は、特許文献1に開示された冷蔵庫101のガスケット部を示す拡大断面図である。図に示すように、冷蔵庫101では、冷蔵庫本体を構成する断熱箱体102の前面開口部の周縁部114aと、冷蔵庫扉108の内側119aと、の間にガスケット130を設けて、冷蔵庫内への熱侵入を防止している。
ガスケット130には挿入部(取付部)131が形成されており、該挿入部131を扉内板119に形成された取付溝120に挿入することにより、ガスケット131を冷蔵室扉108に取り付けている。また、ガスケット130は、その内部にマグネット138を有し、該マグネット138が鋼板製の外箱114の周縁部114aに吸着することにより、断熱箱体102の外箱周縁部114aと密着する。
図8は、特許文献2に開示された冷蔵庫201のガスケット部を示す拡大断面図である。図に示すように、冷蔵庫201のガスケット230も挿入部231有し、該挿入部231が扉装置208のガスケット取り付け用サッシュ219に形成された取付溝220に嵌め込まれる。また、ガスケット230は、その内部に備えたマグネット(磁石帯)238の磁力によって冷蔵庫本体202の外箱214のフランジ部214aに密着する。
特開2011−237116号公報(第5〜6頁、第3図) 特開2008−106816号公報(第10〜11頁、第1図)
しかしながら、ガスケットを取付溝に取り付けた状態において、図7のように、挿入部131の抜け防止のための凸部132と、取付溝120の挿入口121側の内面120bと、の間に隙間Xが存在すると、ガスケット130が挿入方向若しくは逆方向に動いてしまうという問題点がある。
ガスケットが、挿入した方向とは逆の方向に移動すると、ガスケットと冷蔵庫扉との隙間が大きくなり、その隙間を通じて冷蔵庫内の冷気が外部へと漏れたり、暖かい外気が冷蔵庫内へと侵入したりする原因となる。
空気が庫内側と庫外側との間を完全に流通しないような場合であっても、ガスケットと扉との間に形成された空間の一部に庫内側または庫外側の空気が侵入する状態になると、熱の漏れが発生し、冷蔵庫の効率を低下させるので好ましくない。
また、扉を閉める際には、扉に押されてガスケットが取付溝の奥へと移動し、逆に、扉を開ける際には、マグネットの吸着力によってガスケットが本体周縁部に引かれて取付溝から引き出される。このように、ガスケットが取付溝への挿入方向に繰り返し往復移動することは、ガスケットの挿入部やヒレ部が擦れて損傷する原因となるので、機器の耐久性や信頼性の観点からも好ましくない。
他方、図8のように、挿入部231の凸部232と、取付溝220の挿入口221側の内面220bと、が挿入方向に隙間なく接触するよう構成することにより、上述したガスケットが動いてしまうことによる不具合を解消することができる。しかしながら、このような構成を採用すると、ガスケットの挿入部を取付溝に嵌め込む作業が困難になり、ガスケットを取り付けるための組み立て作業効率が低下してしまうという問題点がある。
また更に、図7のように、挿入部131の先端131aが取付溝120に接触する構成を採用すると、ガスケットと扉との間に隙間を生じる可能性があり、熱損失が増大する原因となる。他方、図8のように、挿入部231の先端231aと取付溝220との間に隙間Yを設けると、当該隙間Yを通じて空気が自由に流通可能であるので、冷気の漏れを抑える観点から好ましくない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、ガスケットの動きを抑えて熱損失を低減すると共にガスケットの劣化を防止でき、且つ、ガスケットの取り付け作業を容易に行うことができる冷蔵庫を提供することを目的とする。
本発明の冷蔵庫は、開口部が形成される断熱箱体と、前記断熱箱体に設けられ前記開口部を開閉自在に塞ぐ断熱扉と、前記断熱扉の内側周縁部に形成される取付溝と、前記取付溝に挿入される挿入部を備えマグネットにより前記断熱箱体に密着するガスケットと、を有する冷蔵庫において、前記取付溝及び前記ガスケットは、前記断熱扉の内側周囲を取り囲むよう形成され、前記取付溝は、挿入口の幅に比して内部の幅が広くなるよう形成され、前記挿入部には、夫々軟質合成樹脂からなるヒレ部と、第1の凸部と、第2の凸部と、が先端側から順番に、前記ガスケットの全長に亘って形成され、前記ヒレ部は、少なくとも該一部分が前記挿入部の先端部よりも前記取付溝の奥側に延在し、前記挿入部を前記取付溝に挿入した状態では、前記ヒレ部が前記挿入口の奥側の前記取付溝の内面に当接して弾性変形し、その復元力によって前記第2の凸部が前記内面に当接して押圧されることを特徴とする。
本発明の冷蔵庫によれば、挿入部を取付溝に挿入した状態で、挿入部の先端側に設けられたヒレ部と、基部側に設けられた第2の凸部と、が挿入口の奥側の取付溝の内面に当接してガスケットを保持する。そのため、ガスケットが挿入方向若しくは逆方向に動くことを防止できる。
更に、本発明の冷蔵庫は、挿入部を取付溝に挿入した状態では、ヒレ部が取付溝の内面に当接して弾性変形し、その復元力によって第2の凸部が前記内面に押圧されるので、より確実にガスケットの動きを抑え、ガスケットを安定して保持することができる。
その結果、ガスケットが断熱扉のシール面から浮き上がって冷気が漏れてしまうことによる熱損失を低減することができる。また、ガスケットが挿入方向に繰返し往復移動することを抑えることにより、ガスケットの挿入部やヒレ部が擦れて劣化することを防止できる。
また、本発明の冷蔵庫によれば、挿入部は、挿入方向の長さが取付溝の深さよりも短く形成されるので、挿入部の先端が取付溝の奥側内面に当接することを防止できる。これにより、ガスケットの基部と断熱扉との間に隙間が発生することを防止でき、ガスケットと扉との密着シール性能を向上させることができる。
また、本発明の冷蔵庫は、第2の凸部の突出幅が第1の凸部の突出幅よりも小さくなるよう形成されるので、挿入部を取付溝に挿入する作業を容易に行うことができる。即ち、第1の凸部は、挿入部を取付溝に挿入する際には、挿入部本体側へと折れ曲がり、また、第2の凸部は、突出幅が小さいので、挿入部を容易に挿入できる。そのため、ガスケットの取付作業効率を向上させることができる。
また、挿入部を取付溝に挿入した後には、第1の凸部が、取付溝の内部で第2の凸部よりも大きな突出幅で広がる。そのため、仮に第2の凸部が挿入口よりも外側へと外れてしまった場合であっても、第1の凸部が挿入口側の取付溝の内面に当接し、ガスケットが取付溝から抜け落ちてしまうことを確実に防止することができる。
また、本発明の冷蔵庫によれば、挿入部を取付溝に挿入した状態において、挿入部に形成されたヒレ部が取付溝の内面に当接するので、取付溝の内部においても庫内側と庫外側とを密封シールすることができ、取付溝を介する冷気の漏れを止めることができる。その結果、ガスケット部の熱損失を低減して、冷蔵庫の効率を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る冷蔵庫の概略構造を示す正面外観図である。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の概略構造を示す左側面断面図である。 本発明の実施形態に係る冷蔵庫の断熱扉の庫内側を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るガスケットの断面図である。 本発明の実施形態に係る取付溝の概略形状を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るガスケットの取り付け状態を示す断面図である。 従来技術の冷蔵庫の例を示す扉ガスケット部付近の断面図である。 他の従来技術の冷蔵庫の例を示す扉ガスケット部付近の断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る冷蔵庫を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る冷蔵庫1の概略構造を示す正面外観図である。図2は、冷蔵庫1の概略構造を示す左側面断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る冷蔵庫1は、本体としての断熱箱体2を備え、該断熱箱体2の内部に食品等を貯蔵する貯蔵室を形成している。貯蔵室の内部は、保存温度や用途に応じて複数の収納室に区分されている。各収納室の配置は、最上段が冷蔵室3、その下段が冷凍室4、更にその下段が冷凍室5、最下段が野菜室6となっている。
断熱箱体2の前面は開口しており、前記各収納室3、4、5、6に対応した前記開口部には、各々断熱扉8、9、10、11が開閉自在に設けられている。冷蔵室扉8は、右側上下部が断熱箱体2に回転自在に支持されている。また、冷凍室扉9、冷凍室扉10及び野菜室扉11は、各々図示しない収納容器と一体的に組み合わされ、冷蔵庫1の前方に引出自在に、断熱箱体2に支持されている。
図2に示すように、冷蔵庫1の本体である断熱箱体2は、前面に開口部を有する鋼板製の外箱14と、該外箱14の内側に間隙を持たせて配設され、前面に開口部を有する合成樹脂製の内箱16と、前記外箱14と内箱16との間隙に充填発泡された発泡ポリウレタン製の断熱材15と、から構成されている。
各断熱扉8〜11も、断熱箱体2と同様の断熱構造を採用している。冷蔵室扉8を例として説明すれば、冷蔵室扉8は、前面に鋼板製の外板17を、庫内側に合成樹脂製の扉内板19を各々設け、外板17と扉内板19との間隙に発泡ポリウレタン製の断熱材18を充填発泡することにより形成されている。
前述の通り、貯蔵室は複数の収納室3〜6に区分けされており、冷蔵室3と、その下段に位置する冷凍室4との間は、断熱仕切壁23によって仕切られている。また、冷凍室4と、その下段に位置する冷凍室5との間は、冷気が流通自在な通気口が形成された仕切壁24によって仕切られている。そして、冷凍室5と野菜室6との間は、断熱仕切壁25によって区分けされている。
各仕切壁23〜25は、合成樹脂の成形品であり、必要によりその内部に断熱材が充填される。尚、少なくとも各仕切壁23、24、25の前面部には、各々、後述するガスケット30のマグネット38(図4参照)が吸着できるように、例えば鋼板等、磁性体の材料で構成されたシール面としての前面板23a、24a、25aを備えている。
また、各収納室3〜6の内部や断熱扉の庫内側には、図示を省略するが、食品等を収納するための収納容器、棚、収納ポケット等が配設されている。
また、内箱16の内部の貯蔵室の奥側は、合成樹脂製の仕切部材26で区分けされ、冷却風路27や冷却室28が設けられている。そして、冷蔵庫1の下部背面側には、機械室29が設けられており、そこに冷凍サイクルを構成する機器(図示省略)が配置される。
ここで、断熱箱体2の前面開口部を塞ぐ各断熱扉8〜11には、ガスケット30が取り付けられており、ガスケット30によって、各断熱扉8〜11と、断熱箱体2の周縁部若しくは各仕切壁23〜25の前面部と、の間を密封シールしている。これにより、外部から冷蔵庫1の庫内へ熱が侵入することを抑えることができる。
図3は、冷蔵室扉8を開いて庫内側から見た状態を示す概略説明図である。
図3に示す冷蔵室扉8を例として説明すると、ガスケット30は、各断熱扉8〜11の庫内側周囲を取り囲むように取り付けられている。即ち、ガスケット30は、全体としては、略矩形状に成形されており、その矩形状を構成する各辺は、後述する略帯状の形態を成している。
そして、その略帯状の形態を成すガスケット30の各辺を、各々両端部30aが略45度の角度になるように切断し、該切断面30aと各々連続する辺の切断面30aとを溶着することにより、全体として矩形状のガスケット30を形成している。
次に、図4を参照して、ガスケット30の構成について詳細に説明する。
図4は、図3のA−A断面に相当するガスケット30の断面図である。即ち、全体として矩形状に形成されたガスケット30の一辺を構成する帯状体の横断面図である。図4において、紙面上方が冷蔵庫1の前面側に対応する方向、即ち、断熱扉8〜11に取り付けられる方向である。また、ガスケット30に対して、紙面右側が庫外側、紙面左側が庫内側である。
ガスケット30は、軟質合成樹脂を押し出し成形することによって成形され、図4に示す断面形状で、紙面垂直方向に延在する長尺の略帯状の形態を成している。
押し出し成形されるガスケット30の内部には、複数の中空部58、41及びマグネット挿入部37が形成されている。マグネット挿入部37は、マグネット38を収納するための空間である。
マグネット38は、ガスケット30を断熱箱体2(図1等参照)や各仕切壁23〜25(図2参照)の前面部に密着させるためのものであり、磁性粉末が混合された合成ゴム製の磁石、いわゆるゴム磁石、である。マグネット38は、可撓性があり、断面略矩形状の略帯状の形態を成しており、前述したマグネット挿入部37に挿入される。
マグネット38を収納するマグネット挿入部37と、基部35とは、薄肉で可撓性を有する緩衝部39及び緩衝部40によって連結されており、それらに取り囲まれて中空部41が形成されている。中空部41を設けることにより、庫外側から庫内側への熱伝達を低減することができる。
また、緩衝部39、緩衝部40及び中空部41により、ガスケット30が弾性変形可能となるので、ガスケット30の密着シール性能が向上すると共に、断熱扉8〜11(図1等参照)を閉じる際の衝撃を吸収することもできる。
挿入部31は、ガスケット30を断熱扉8〜11に取り付ける際、取付溝20(図5参照)に挿入される部分であり、基部35に立設されている。挿入部31の先端側は、先端側ほど幅が狭くなる略くさび状の形態を成している。これにより、取付溝20への挿入を容易に行うことができる。
また、挿入部31の高さH、即ち挿入方向の長さHは、取付溝20の深さD(図5参照)よりも短くなるよう形成されている。そのため、挿入部31を取付溝20に挿入した際、挿入部31の先端部31aは、取付溝20の内面20a(図5参照)に接触しない。
挿入部31の先端部31a付近には、ヒレ部34が、先端部31aよりも高く形成されている。即ち、挿入部31を取付溝20に挿入した際、ヒレ部34は、少なくともその一部が挿入部31の先端部31aよりも取付溝20の奥側に延在する。そして、その際、ヒレ部34は、取付溝20の奥側の内面20aに当接するように形成されている。
また、前述の通り、略くさび状に形成された挿入部31の先端側の傾斜面の下部には、該傾斜面に連続するように、斜め下方(基部35側)に向けて突出する、第1の凸部32が形成されている。第1の凸部32は、ガスケット30が取付溝20から外れ落ちることを防止するものである。
また、第1の凸部32の下方には、第1の凸部32よりも突き出し幅の小さい第2の凸部33が設けられている。第2の凸部33は、ガスケット30を取付溝20に挿入した状態で、取付溝20の挿入口21(図5参照)側の内面20b(図5参照)に当接する位置に形成されている。より好ましくは、基部35から第2の凸部33の下端までの距離L1は、取付溝20の挿入口21の深さ方向寸法L2(図5参照)と略同等の長さに形成される。
また、挿入部31の内部には、中空部58が形成されている。中空部58を形成しているので、挿入部31を取付溝20に挿入する際、挿入部31の幅が小さくなる方向に中空部58がつぶれるように変形し、ガスケット30の挿入作業を容易に行うことができる。また、中空部58を設けることによって、挿入部31部分の熱伝達を低減することができる。
また、ガスケット30は、密封シール性能を高め、熱損失を低減させる目的で、ヒレ47を備えている。尚、ヒレは1つに限らず、複数設けることも可能である。
また、中空部41の内部には、ヒレ状の支持部44、45、46を形成している。これにより、断熱扉8〜11を閉めた際に、中空部41がつぶれ過ぎることを防止すると共に、中空部41を複数の空気室に区画することができるので、ガスケット30の密着シール性能及び断熱性能を更に向上させることができる。
次に、図5を参照して、取付溝20の形状について詳細に説明する。
図5は、図3のA−A断面に相当し、冷蔵室扉8の取付溝20付近の構造を示している。図5において、紙面上方が冷蔵庫1の前面側であり、紙面下方が庫内側である。
図5に示すように、扉内板19の周縁部19aは、ガスケット30(図4参照)の基部35(図4参照)が当接するシール面となり、ここにガスケット30の挿入部31(図4参照)を挿入するための取付溝20が形成される。取付溝20も、ガスケット30と同じように、全体として略矩形状を成し、断熱扉8〜11(図1参照)の内側周囲を取り囲むように形成される(図3参照)。
取付溝20の挿入口21は、所定の幅W1及び深さL2で形成された領域であり、取付溝20への差し込み口となる開口部分である。取付溝20は、挿入口21の幅W1よりも、内部、即ち奥側、の幅W2の方が大きくなるように形成されている。尚、取付溝20の断面形状は、挿入口21の奥側が略楕円形状を成しているが、これに限定されるものではなく、内部に挿入口21よりも幅の広い部分が形成されていれば良く、例えば、断面形状が略矩形状や略三角形状であっても構わない。
また、前述の通り、取付溝20の深さ寸法Dは、ガスケット30の高さH(図4参照)よりも長い。
次に、図6を参照して、ガスケット30を断熱扉8へ取り付ける作業及び取り付けた後の状態について詳細に説明する。
図6は、ガスケット30を冷蔵室扉8に取り付けた状態を示す断面図であり、図3のA−A断面に相当する。尚、ガスケット30は、前述の通り、各断熱扉8〜11について適用可能であるが、ここでは、代表として、ガスケット30を冷蔵室扉8に取り付けた例を図示している。図6において、紙面上方が冷蔵庫1の前面側であり、ガスケット30に対して、紙面右側が庫外側、紙面左側が庫内側である。
ガスケット30を断熱扉8〜11に取り付けるには、ガスケット30の挿入部31を断熱扉8〜11の周囲に設けられた取付溝20に挿入する。前述の通り、挿入の際に、挿入部31の内部の中空部58は、挿入口21の幅方向につぶれるように変形する。また、略くさび状に形成された挿入部31の先端側の傾斜面から連続するように斜め下方に向けて設けられた第1の凸部32は、挿入の際、挿入部31の側面に沿うように変形する。これにより、挿入部31を取付溝20に容易に挿入することができる。
ガスケット30を断熱扉8〜11の取り付けた状態では、ガスケット30の基部35が扉内板19の周縁部19aに当接し、挿入部31に形成されたヒレ部34及び第2の凸部32が取付溝20の内面20a、20bに当接する。更に詳しくは、ヒレ部34は、挿入部31の先端部31aよりも取付溝20の奥側に延在するので、取付溝20の奥側の内面20aに当接する。他方、第2の凸部33は、取付溝20の挿入口21側の内面20bに当接する。
このとき、ヒレ部34は、取付溝20の内面20aに当接して弾性変形し、その復元力によって第2の凸部33が内面20bに押圧される。これにより、ガスケット30の動きを抑え、ガスケット30を安定して保持することができる。
また、ヒレ部34が取付溝20の内面20aに当接するので、取付溝20の内部において庫内側と庫外側とを区画してシールすることができる。これにより、取付溝20の内部を通じて冷気が漏れることを防止できると共に、取付溝20の内部に区画された空気室50、51を形成することができるので、ガスケット30の密封シール性能と断熱性能を向上させることができる。
また、前述の通り、挿入時には折れ曲がる第1の凸部32は、挿入部31が取付溝20に挿入された状態では、挿入口21よりも幅広く形成された取付溝20の内部で元の形状に戻り、挿入部31の側面から斜め下方に突き出した形状となる。これにより、仮に第2の凸部33が取付溝20の内面20bから外れてしまったとしても、第1の凸部32が取付溝20の挿入口21側の内面20bに当接して抜け止めになるので、ガスケット30が取付溝20から外れてしまうことを確実に防止することができる。
また、前述の通り、挿入部31の高さH(図4参照)は、取付溝20の深さD(図5参照)よりも短くなるよう形成されているので、挿入部31を取付溝20に挿入した状態で、挿入部31の先端部31aは、取付溝20の内面20a接触していない。そのため、挿入部31の先端部31aが取付溝20の奥側の内面20aに当接して、基部35が扉内板19のシール面19aから浮き上がってしまうとうい問題点を回避できる。これにより、ガスケット30の基部35と扉内板19の周縁部19aとの密着性を高め、ガスケット30のシール性能を高めることができる。
また、前述の通り、ガスケット30は、ヒレ47を備えており、このヒレ47が扉内板19と当接して、ガスケット30と断熱扉8〜11との間に複数の区画された空気室、例えば空気室52等、を形成する。これにより、ガスケット30と断熱扉8〜11との隙間から漏れる冷気を遮断することができると共に、熱伝達による損失を更に低減することができる。
また、図6においては、説明のために断熱扉8〜11を少し開いた状態を示しているが、ガスケット30が取り付けられた断熱扉8〜11を閉じると、ガスケット30の密着部36は、マグネット38の磁力によって外箱14のシール面14aに密着する。尚、ガスケット30と密着するシール面14aとしては、外箱14のシール面14aの他にも仕切壁23〜25(図2参照)の各前面板23a、24a、25a(図2参照)がある。ここでは、代表として、ガスケット30が外箱14の周縁部のシール面14aに密着する場合ついて説明する。
鋼板製の外箱14の前面開口部周縁部には、ガスケット30と密着するシール面14aが形成されている。シール面14aは、外箱を側面から内側へと略90度の角度で折り曲げることにより形成されている。また、シール面14aの裏側には、外箱14を更にシール面14aから略180度の角度で折り返し、更に所定の形状で曲げ加工を行って形成された補強構造を備えている。
尚、ガスケット30が密着するシール面14aの内側近傍の断熱材15が充填される部分には、熱の漏れによる結露や水分の凍結を防止するために、図示しない結露防止手段を設けている。結露防止手段としては、電気ヒータや冷凍サイクルの放熱パイプ等を採用し得る。
断熱扉8〜11を閉じると、ガスケット30は、マグネット38の磁力によって鋼板製のシール面14aに引き付けられ、密着部36とシール面14aとが密着する。これにより、庫内側から庫外側へと冷気が漏れること、若しくは庫外側から庫内側へと外気が侵入することを防止することができる。
冷蔵庫1では、前述の通り、ガスケット30の挿入部31がヒレ部34と第2の凸部33とによって、取付溝20に安定して保持されている。そのため、断熱扉8〜11を開閉する際の断熱扉8〜11によるガスケット30への押圧や、マグネット38による吸引によって、ガスケット30が挿入方向に繰り返し動いてしまうことを抑えることができる。
その結果、ガスケット30の挿入部31やヒレ部34、47が擦れによって劣化破損することを防止でき、ガスケット30の耐久性や信頼性を向上することができる。
以上、本発明の実施形態に係る冷蔵庫1について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
1・・・冷蔵庫
2・・・断熱箱体
3、4、5、6・・・貯蔵室
8、9、10、11・・・断熱扉
14・・・外箱
14a・・・外箱シール面
19・・・扉内板
19a・・・扉内板周縁部
20・・・取付溝
20a・・・取付溝内面(奥側)
20b・・・取付溝内面(挿入口側)
21・・・挿入口
23、24、25・・・仕切壁
23a、24a、25a・・・前面板
30・・・ガスケット
31・・・挿入部
31a・・・挿入部先端
32・・・第1の凸部
33・・・第2の凸部
34・・・ヒレ部
38・・・マグネット
D・・・取付溝の深さ
H・・・挿入部の長さ
W1・・・挿入口の幅
W2・・・取付溝内部の幅

Claims (4)

  1. 開口部が形成される断熱箱体と、
    前記断熱箱体に設けられ前記開口部を開閉自在に塞ぐ断熱扉と、
    前記断熱扉の内側周縁部に形成される取付溝と、
    前記取付溝に挿入される挿入部を備えマグネットにより前記断熱箱体に密着するガスケットと、を有する冷蔵庫において、
    前記取付溝及び前記ガスケットは、前記断熱扉の内側周囲を取り囲むよう形成され、
    前記取付溝は、挿入口の幅に比して内部の幅が広くなるよう形成され、
    前記挿入部には、夫々軟質合成樹脂からなるヒレ部と、第1の凸部と、第2の凸部と、が先端側から順番に、前記ガスケットの全長に亘って形成され、
    前記ヒレ部は、少なくとも該一部分が前記挿入部の先端部よりも前記取付溝の奥側に延在し、
    前記挿入部を前記取付溝に挿入した状態では、前記ヒレ部が前記挿入口の奥側の前記取付溝の内面に当接して弾性変形し、その復元力によって前記第2の凸部が前記内面に当接して押圧されることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記挿入部は、挿入方向の長さが前記取付溝の深さよりも短く形成されることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記第2の凸部は、該突出幅が前記第1の凸部の突出幅よりも小さくなるよう形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記取付溝及び前記ガスケットは、矩形状に形成され、
    前記ガスケットの各辺は、夫々の端部の斜めの切断面が溶着されて連続していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
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