JP7209923B1 - Co2の排出量を抑えつつ繊維廃棄物を低分子化して減量化する方法 - Google Patents

Co2の排出量を抑えつつ繊維廃棄物を低分子化して減量化する方法 Download PDF

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Abstract

Figure 0007209923000001
【課題】 CO2の排出を抑えつつ繊維廃棄物を減量化する方法を提供する。
【解決手段】 本発明の繊維廃棄物の減量化方法は、繊維廃棄物を密閉可能な容器に投入する工程と、前記密閉可能な容器内で前記繊維廃棄物を撹拌する工程と、前記密閉可能な容器を密閉した状態でその内圧を40~80Torrまで減圧する工程と、前記工程で減圧した後に、180℃以上235℃以下の温度の蒸気を前記繊維廃棄物に噴射し、前記容器内の圧力を10kgf/cm2以上30kgf/cm2以下を維持することにより前記繊維廃棄物を加水分解し、CO2排出を抑えつつ低分子化した分解固形物を得る工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、CO2の排出量を抑えつつ繊維廃棄物を低分子化して減量化する方法に関し、より具体的には、不要になった繊維製品や繊維くず等の繊維廃棄物を亜臨界加水分解処理によって減量化する方法の発明である。
最近、いわゆるファストファッションの台頭により、流行を意識した装いを手軽にできるようになっており、気軽に購入できる衣料品は、また気軽に廃棄されるようになっている。このため、衣類の廃棄量は年々増え続けている。ここで、繊維廃棄物は、大きく2つに分けられる。1つ目は、衣料品を作る過程で発生する産業廃棄物である。この繊維廃棄物は、汚れも少なく、大量に同一素材が発生するのでリサイクルしやすいという利点がある。もう1つは、繊維が衣料品となり店頭に並び、消費者に届けられてから捨てられて廃棄物になる一般廃棄物(家庭ごみ)である。家庭ごみとなる衣料廃棄物は、汚れが付着したり、様々な繊維が混じり合ったりしているためにリサイクルしにくい。
環境省の「令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務」で発表された衣料廃棄量は、年間81.9万トンであり、そのうちの64.8%の51万トンが破棄され、15.6%の12.3万トンがリサイクルで使用され、残る19.6%の15.4万トンがリユースされている。衣料廃棄物をSDGsの観点で見ると、まず衣料品の製造全体を通じてのCO2をはじめとする環境への影響がある。化学繊維は石油や水など天然資源を利用することによる資源問題、製造過程・廃棄過程でのCO2の発生、廃棄物からマイクロプラスチックが発生し海洋プラスチック問題となることもある。
近年、環境への配慮を重視する企業が増えていることから、環境への負荷が少ない形で衣料廃棄物を含む繊維廃棄物を廃棄するためにはどのようにすればよいか各社検討しているところにある。例えば、特開2019-122942号公報(特許文献1)には、特殊衣服を安定的かつ容易に破砕し、有価金属の回収も容易に行うことができる衣服のリサイクル装置が開示されている。特許文献1に開示のリサイクル装置は、特殊衣服を脆化させるために300℃以上600℃以下で加熱する加熱工程と、脆化した特殊衣服を破砕する破砕工程とを含む。
このような2段階の処理を施すことにより、破砕時の繊維の絡まりや破砕された特殊衣服の膨張を防止し、特殊衣服を容易に破砕することが可能となる。また、繊維が脆化するため、繊維と留め具や装飾部品との分離を容易に行うことが可能となる。さらに、300℃以上600℃以下で加熱することで、燃料となる繊維の熱量を十分に残しながら衣服を脆化することが可能となる。
特開2019-122942号公報
しかしながら、特許文献1に開示のように、300℃以上600℃以下で加熱する加熱工程を含むことで、大量のCO2を排出することになるため、環境への負荷が重かった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、CO2の排出を抑えつつ繊維廃棄物を低分子化して減量化する方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、繊維廃棄物を分解するときの加熱温度を高くすることがCO2排出量を増大させてしまうことに着目し、どのようにすれば低温で効率的に繊維廃棄物を分解できるか検討を重ねた。その結果、気相と液相とが共存する亜臨界状態の水を繊維廃棄物に噴射することで、CO2排出量を抑えながら繊維廃棄物を効率的に分解できるという着想を得た。従前から廃棄物を亜臨界加水分解によって分解すること自体は公知であったが、従来処理されていた廃棄物は、籾殻、わら、い草、木屑、大鋸屑、家畜糞尿、死魚、アラ、貝殻、紙屑、野菜屑、食品廃棄物、廃水等から出る有機性汚泥等のような一般廃棄物であった。本発明者らは、上記着想に基づいて、近年増加を続けている繊維廃棄物の処理に亜臨界加水分解の技術を転用し、さらにその最適処理条件について鋭意検討を重ねることにより、以下に示す本発明を完成させた。
すなわち、本発明の繊維廃棄物の低分子化して減量化する方法は、繊維廃棄物を密閉可能な容器に投入する投入工程と、前記投入工程の後に、前記密閉可能な容器を密閉した状態でその内圧を40~80Torrまで減圧する工程と、前記密閉可能な容器内で前記繊維廃棄物を撹拌する撹拌工程と、前記工程で撹拌をした後の前記繊維廃棄物に、180℃以上235℃以下の温度の蒸気を噴射し、前記容器内の圧力を10kgf/cm2以上30kgf/cm2以下を維持することにより前記繊維廃棄物を加水分解して、CO2排出量を抑えつつ低分子化した分解固形物を得る工程と、を含むことを特徴とする。
このように密閉可能な容器に繊維廃棄物を投入することにより容器内の圧力を変動させることができ、亜臨界加水分解の処理に適した圧力に調整することができる。そして、圧力調整を行ったうえで高温高圧加熱蒸気を繊維廃棄物に噴射することにより繊維廃棄物を効率的に分解し、低分子化した分解固形物を回収することができる。このようにして繊維廃棄物を分解することで、繊維廃棄物の処理時間を大幅に短縮することが可能となる。
上記構成において、前記投入する工程の前に、前記繊維廃棄物を破砕する工程をさらに含むことが好ましい。
上記構成において、前記低分子化した分解固形物を温度150~200℃、時間30~50分で、乾燥させる工程をさらに含むことが好ましい。
上記構成において、前記繊維廃棄物は、金属、鉱物及びガラスからなる群より選択される1種以上の加水分解できない異物を含み、前記繊維廃棄物のうちから前記加水分解できない異物のみを選択的に分離して回収する工程をさらに含むことが好ましい。
本発明の繊維廃棄物を減量化する方法によれば、CO2の排出を抑えつつ繊維廃棄物の廃棄量を減らすことができる。
本発明の繊維廃棄物を減量化する方法のフローチャートである。 本発明の繊維廃棄物を減量化する装置の一実施形態を示す全体構成図である。 本発明の繊維廃棄物を減量化する方法を実行する処理装置の一例を示す模式図である。
以下に図面を参照し、本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更することができる。
<繊維廃棄物の減量化方法>
図1は、本実施形態の繊維廃棄物の減量化方法の手順を示すフローチャートである。本実施形態の繊維廃棄物の減量化方法は、図1に示すように、繊維廃棄物を破砕する工程S1と、繊維廃棄物を密閉可能な容器に投入する工程S2と、前記密閉可能な容器内で前記繊維廃棄物を撹拌する工程S3と、前記密閉可能な容器を密閉した状態でその内圧を40~80Torrまで減圧する工程S4と、前記工程で減圧した後に、180℃以上235℃以下の高温高圧加熱蒸気を前記繊維廃棄物に噴射し、前記容器内の圧力を10kgf/cm2以上30kgf/cm2以下を維持することにより前記繊維廃棄物を加水分解して低分子化した分解固形物を得る工程S5と、前記低分子化した分解固形物を乾燥させる工程S6と、繊維廃棄物のうちから加水分解できない異物のみを選択的に分離して回収する工程S7とを含むことを特徴とする。上記の各工程は、図2に示す処理機械を用いて行われる。図2は、本実施形態の繊維廃棄物の減量化方法を実行するための処理機械の模式図である。以下に図1及び図2を参照しつつ処理機械を用いた具体的な処理手順を説明する。
(繊維廃棄物を破砕する工程S1)
まず、繊維廃棄物を破砕する。ここで、繊維廃棄物としては、繊維くず及び使用済みの衣類に限られず、布団、シーツ、毛布、繊維雑貨・小物、インテリア関連資材、自動車関連資材、スポーツ関連繊維、アウトドア関連繊維、テント、農業用・工業用資材などのあらゆる繊維製品を含む。破砕装置としては、ジョークラッシャー、ロールクラッシャー、ハンマークラッシャー、インパクトクラッシャー、一軸破砕機、二軸破砕機、四軸破砕機等を用いることができ、これらを単独で用いてもよく、あるいは組み合わせて用いてもよい。これらの破砕装置を用いることで、繊維廃棄物に金属、鉱物、ガラス、プラスチック製の装飾部品が存在する場合でも、破砕装置が破損することなく繊維廃棄物を破砕することが可能となる。
上記の破砕工程S1の後に、さらに追加で粉砕工程を設けてもよい。粉砕工程では、破砕工程S1で破砕した繊維廃棄物をさらに細かく粉砕する。粉砕工程で用いる粉砕装置としては、ハンマークラッシャー、インパクトクラッシャー、一軸破砕機、二軸破砕機、四軸破砕機、カッターミル、ローラーミル、ボールミル等を用いることができ、これらを単独で用いてもよく、あるいは組み合わせて用いてもよい。これらの粉砕装置を用いることで、繊維廃棄物をより確実に粉砕することが可能となる。
(繊維廃棄物を密閉可能な容器に投入する工程S2)
次に、上記工程S1で破砕又は粉砕した繊維廃棄物を密閉可能な容器に投入する。本工程S2では、密閉可能な容器への投入方法は特に限定されず、ベルトコンベアなどを用いて繊維廃棄物を連続的に密閉可能な容器に投入してもよいし、一括して密閉可能な容器に投入してもよい。
(繊維廃棄物を撹拌する工程S3)
上記工程S2において、繊維廃棄物を密閉可能な容器に投入している間又は投入後に、投入された繊維廃棄物を撹拌する。ここで、本工程S3における撹拌速度は、繊維廃棄物が密閉可能な容器の外部に飛散しない範囲であれば特に限定されず、例えば、15rpm以上20rpm程度で撹拌されることが好ましい。このように繊維廃棄物を撹拌することにより、密閉可能な容器に繊維廃棄物を隙間なく投入できるようになり、密閉可能な容器への繊維廃棄物の投入量を増加させることができる。
(密閉可能な容器内の圧力を40~80Torrに減圧する工程S4)
次に、繊維廃棄物を密閉可能な容器内に投入した後に、当該密閉可能な容器を密閉し、その容器内を減圧する。容器の内圧は40~80Torr、好ましくは50~70Torr程度の範囲以内の値であり、より好ましくは60Torr程度となるまで継続する。この減圧中においても、必要に応じて繊維廃棄物を撹拌してもよい。このように減圧する工程S4を含むことにより、繊維廃棄物中に含まれる空気を効果的に排出することができ、後の加水分解する工程において、繊維廃棄物を効率的に低分子化することができる。容器内の高温高圧加熱蒸気を噴射する前の工程に、容器内を減圧する工程を行うことは、一見すると矛盾するかのようであるが、繊維廃棄物は空気を含みやすいため容器内を減圧することで繊維廃棄物中の空気を効果的に排出でき、その上で高温高圧加熱蒸気を噴射することで、繊維廃棄物を効率的に加水分解処理できる。
(繊維廃棄物を加水分解して低分子化した分解固形物を得る工程S5)
次に、密閉可能な容器内を減圧した後、高温高圧加熱蒸気を密閉可能な容器内に噴射し、密閉可能な容器内を高温で且つ高圧の状態として、かかる高温高圧加熱蒸気を撹拌している繊維廃棄物に接触させる。このようにして、密閉可能な容器内の繊維廃棄物に対する煮熟処理を行うことにより、繊維廃棄物を加水分解する。
上記高温高圧加熱蒸気の噴射中にも繊維廃棄物を撹拌することが好ましい。これにより密閉可能な容器内で繊維廃棄物が部分的に偏ることがないようにすることができる。この繊維廃棄物の煮熟処理は焼却処理とは異なり、CO2排出量を抑え、有毒ガスや、ダイオキシン等の有害物質が発生することがなく、しかも、高温・高圧条件下での処理であって微生物による分解作用を必要としないことから、腐敗菌による悪臭などが発生することもない。
密閉可能な容器内に噴射せしめる高温高圧加熱蒸気の温度は180~235℃、好ましくは190~220℃、より好ましくは190~210℃とされ、さらに好ましくは195℃~200℃である。また、この高温高圧加熱蒸気の噴射によって、容器内の圧力が10~30kgf/cm2、好ましくは15~25kgf/cm2、より好ましくは18~22kgf/cm2とされる。密閉可能な容器内の圧力は、圧力センサの検出値に基づいて自動制御されて安全弁から高温高圧加熱蒸気を放出させることにより調節される。なお、安全弁の大気開放側には、消音器や消臭器が装着されていることから、環境問題が回避されると共に作業の安全性も確保される。ここで、圧力を上げるほど容器内の温度が上昇する比例関係にあり、圧力を上げるほど容器内の温度が上昇し、反応速度を速めることができる利点があるが、その一方、蒸気の温度を上げ過ぎると燃料消費量並びに消費電力量が増加し、CO2の排出量低減の目的に反するため好ましくない。つまり、高温高圧加熱蒸気の温度が235℃を超えると、CO2の排出量が増加するため好ましくない。
この煮熟処理は、一般に30~60分程度、多くの場合40~50分程度で終了する。なお、煮熟処理時間は、処理対象物の状態や処理温度,湿度等の各種条件によって適宜に調節されるものであるため特に限定されない。また、連続して継続的に行う他、断続的乃至は間欠的に処理を実施しても良い。
(低分子化した分解固形物を乾燥させる工程S6)
次に、上記煮熟処理が終了したら、低分子化した分解固形物を乾燥させる。ここでの乾燥は、乾燥機を用いて温度150℃~200℃、時間30~50分で行う。これにより低分子化した分解固形物に含まれる水分を蒸発させることができ、低分子化した分解固形物を軽量化することができる。
(繊維廃棄物のうちから加水分解できない異物のみを選択的に分離して回収する工程S7)
上記繊維廃棄物は、金属、鉱物及びガラスからなる群より選択される1種以上の加水分解できない異物を含むが、本工程S7では、繊維廃棄物のうちから加水分解できない異物のみを選択的に分離して回収する。ここでの「加水分解できない異物」とは、金属、鉱物及びガラスからなる群より選択される1種以上の加水分解できないものであり、具体的には、衣服に使用されるファスナー、ホック、ボタン等の金属類、ボタン、ブローチ等の鉱物類、ガラス等が挙げられる。
上記工程S5によって、繊維廃棄物のうちの繊維成分は加水分解されるが、加水分解されない異物は、加水分解された繊維成分に比べて嵩が大きくなっている。よって、上記工程S7の処理によって得られた低分子化した分解固形物をふるいにかけることによって加水分解されない異物のみを選択的に分離することができる。このようにして、加水分解されない異物のみを分離できるので、繊維廃棄物の投入段階で予め繊維廃棄物のうちから異物を排除する作業を行う必要がなく、効率的に繊維廃棄物を減量化できるという利点がある。
このように、本実施形態においては、繊維廃棄物が容器内に収容された状態において、容器内を減圧せしめてから、容器内に高温高圧加熱蒸気を噴射させて、繊維廃棄物の加水分解処理が行われることから、繊維廃棄物の十分な煮熟処理をより短時間に実施することができ、しかも、繊維廃棄物から低分子化した分解固形物を得るまでに排出するCO2の排出量を抑えつつ繊維廃棄物を減量化することができる。
以下に実施例を挙げ、上述の内容を更に詳細に説明する。本発明は以下の実施例から何ら制限を受けない。
<実施例1>
(繊維廃棄物を破砕する工程S1)
図3は、実施例の繊維廃棄物を減量化する方法を実行する処理装置の模式図である。まず、繊維くず、使用済みの衣類、布団、シーツ等の繊維廃棄物100kgを準備し、一軸破砕機を用いて繊維廃棄物が5cm~7cm四方の大きさになるまで30分間破砕した。
(繊維廃棄物を密閉可能な容器に投入する工程S2)
次に、収容体14として、1.2m3の容量の横長の耐熱製の鋼板製のタンクを準備した。そして、図3に示す通り、破砕した繊維廃棄物をホッパ50から投入口45を通じて収容体14内に投入した。なお、収容体14は、「密閉可能な容器」に相当する。
(繊維廃棄物を撹拌する工程S3)
上記の繊維廃棄物の投入の際には、15rpmの回転速度で回転軸82と複数の撹拌羽根98とを一体回転させることにより、繊維廃棄物を撹拌し、繊維廃棄物が収容体14内の投入口45側から排出口46側に向かって徐々に移動するようにした。繊維廃棄物を投入し終えると、投入ダクト48を閉作動して投入口45を閉鎖し、収容体14内を外部から完全に密閉した。
(密閉可能な容器内を減圧する工程S4)
次に、回転軸82の回転を停止し、減圧ポンプ78を作動することにより、収容体14内の空気を吸引し、収容体14の内圧が60Torrとなるまで収容体14を減圧した。具体的には、吸気管路80に設けられた開閉弁を開いて減圧ポンプ78の作動により収容体14内の空気が吸気管路80を通じて外部に排出し、収容体14の内圧を60Torrまで減圧した。
(繊維廃棄物を加水分解して分解固形物を得る工程S5)
次に、駆動モータを駆動させて回転軸82と共に一体回転させる各撹拌羽根98を回転させることにより、収容体14内の繊維廃棄物を撹拌した。この撹拌下で、蒸気発生装置70にて発生させた200℃の高温高圧加熱蒸気を、蒸気流通管路71を通じて収容体14側に導入し、蒸気流通管路71から収容体14内に噴射せしめて、収容体14内を高温で且つ16kgf/cm2の高圧の状態とし、高温高圧加熱蒸気を撹拌している繊維廃棄物に接触させた。収容体14内の圧力は、圧力センサの検出値に基づいて自動制御し、安全弁74から加熱蒸気を放出させることにより調節した。このようにして、収容体14内の繊維廃棄物に対して煮熟処理を行うことにより、繊維廃棄物を加水分解し、20kgの低分子化した分解固形物を得た。100kgの繊維廃棄物が20kgの分解固形物になるまでに要した煮熟処理の処理時間は40分だった。なお、この煮熟処理中は収容体14が完全に密閉された状態であるため異臭等が発生することもなかった。
(低分子化した分解固形物を回収する工程)
最後に、収容体14内の低分子化した分解固形物を回収した。収容体14の排出口46が下方となるように傾けて、投入口45側から排出口46側に向かって低分子化した分解固形物が流れ落ちるようにして、撹拌羽根98を回転させたままの状態で排出口46を開けて低分子化した分解固形物を排出口46から外部に排出した。
(低分子化した分解固形物を乾燥させる工程S6)
次に、上記で得られた低分子化した分解固形物を連続的に乾燥機に投入し、温度150℃で30分間、乾燥させることによって、低分子化した分解固形物を乾燥させた。
(繊維廃棄物のうちから加水分解できない異物のみを選択的に分離して回収する工程S7)
次に、収容体14から回収し乾燥させた低分子化した分解固形物に対し、空間が狭い平織り金網でふるいにかけることにより、低分子化した分解固形物中に混在する加水分解できない異物を回収した。加水分解できない異物としては、例えば、金属製の衣服のボタン、ファスナー、布団のチャック、ヘアピン、ガラス製のカフス等が確実に分離され確認された。
<実施例2~11、比較例1~2>
実施例2~11、比較例1~2では、実施例1に対して下記の表1のように条件が異なる他は、実施例1と同様にして繊維廃棄物を減量化した。各実施例及び各比較例において、実施例1と同様に、100kgの繊維廃棄物が20kgの低分子化した分解固形物になるまで煮熟処理を行った。煮熟処理に要した時間を表1の「処理時間」の欄に示す。なお、表1中の「〇」はその処理工程を実行したことを示し、表1中の「×」はその処理工程を除外したことを示す。
実施例2では、実施例1の全ての工程のうち破砕工程S2を行わなかったことが異なる他は、実施例1と同様の手順により繊維廃棄物を減量化した。その結果、実施例2では、実施例1と比べて煮熟処理の処理時間が長くなった。実施例1は、破砕工程S2を行わない実施例2と比べて、破砕工程S2により、繊維廃棄物が細かく細分化され、煮熟処理中に高温高圧蒸気との接触面積が増えることを以って煮熟処理が進行し、煮熟処理の処理時間を短時間化できると考えられる。
実施例3では、実施例1の全ての工程のうち撹拌工程S3を行わなかったことが異なる他は、実施例1と同様の手順により繊維廃棄物を減量化した。その結果、実施例1と比べて煮熟処理の処理時間が長くなった。実施例1は、撹拌工程S3を行わない実施例3と比べて、撹拌工程により繊維廃棄物が均一に高温高圧蒸気と接触しやすくなり、繊維廃棄物が煮熟処理されやすくなって煮熟処理の処理時間を短時間化できると考えられる。
実施例4では、実施例1の全ての工程のうち減圧工程S4を行わなかったことが異なる他は、実施例1と同様の手順により繊維廃棄物を減量化した。その結果、実施例1と比べて煮熟処理の処理時間が長くなった。実施例1は、減圧工程S4を行わない実施例4と比べて、減圧工程S4により繊維廃棄物に含まれる空気が圧縮され、これにより繊維廃棄物中の空隙が抑えられ、煮熟処理において高温高圧蒸気が繊維廃棄物に接触しやすくなって、煮熟処理の処理時間を短時間化できると考えられる。
実施例5では、実施例1の全ての工程のうち乾燥工程S6を行わなかったことが異なる他は、実施例1と同様の手順により繊維廃棄物を減量化した。乾燥工程S6を行うことにより、低分子化した分解固形物を軽量化することができ、繊維廃棄物をより軽量化することができた。
実施例7~11及び比較例1~2では、加水分解工程における処理温度及び圧力が表1のように異なる他は、実施例1と同様の手順により繊維廃棄物を減量化した。
なお、本実施例及び比較例で用いた密閉可能な容器は、圧力と処理温度は比例関係にあり、煮熟処理における圧力を上昇させるほど容器内の処理温度が上昇する傾向にあった。
比較例2では、実施例1と比較して、密閉可能な容器内の圧力及び温度を設定するまでに30分過剰に必要となった。これにより燃料消費量並びに消費電力量が増加し、所期の目的であるCO2の削減効果が十分に得られなかった。



Figure 0007209923000002
(CO2排出量)
次に、本発明の繊維廃棄物の減量化方法が、従来のそれと比較して、CO2排出量をどの程度減量できるかについて、従来の繊維廃棄物の処理方法は、焼却炉で繊維廃棄物を焼却することにより行われていたが、その焼却時に多量のCO2を排出していた。例えば100kgの繊維廃棄物を焼却した場合には100kgに対して繊維くず係数2.29を乗じた分量(つまり229kg)のCO2が排出されていた。後掲の表2の「参考例1」に従来の繊維廃棄物の処理方法によって100kgの繊維廃棄物を処理したときのCO2排出量を示す。
一方、本発明の繊維廃棄物の減量化方法では、繊維廃棄物を煮熟処理して低分子化した分解固形物に分解する上ではCO2を発生することはないが、煮熟処理の実行するために重油及び電力を使用する。例えば、上記実施例1では、100kgの繊維廃棄物を低分子化した分解固形物に分解するために、30Lの重油及び51.5kWの電力を使用した。これらの燃料使用量をCO2に換算すると、30Lの重油に重油係数2.71を乗じて81.3kgのCO2が排出され、51.5kWの電力に電力係数0.362を乗じて18.643kgのCO2が排出された。後掲の表2の「実施例1」に実施例1の繊維廃棄物の処理方法で100kgの繊維廃棄物を処理したときのCO2排出量を示す。
Figure 0007209923000003
上記表2に示す結果から、実施例1で繊維廃棄物を減量化した場合、従来のように焼却処理した場合に比べて半分以下のCO2排出量になっていた。この結果から、本発明の繊維廃棄物の減量化方法は、繊維廃棄物を処理する際のCO2排出量を大幅に削減できることが明らかとなり、本発明の効果が確認された。
14 収容体
45 投入口
46 排出口
48 投入ダクト
50 ホッパ
70 蒸気発生装置
78 減圧ポンプ
80 吸気管路
82 回転軸
98 撹拌羽根

Claims (4)

  1. 繊維廃棄物を密閉可能な容器に投入する投入工程と、
    前記投入工程の後に、前記密閉可能な容器を密閉した状態でその内圧を40~80Torrまで減圧する工程と、
    前記密閉可能な容器内で前記繊維廃棄物を撹拌する撹拌工程と、
    前記工程で撹拌をした後の前記繊維廃棄物に、180℃以上235℃以下の温度の蒸気を噴射し、前記容器内の圧力を10kgf/cm2以上30kgf/cm2以下を維持することにより前記繊維廃棄物を加水分解して低分子化した分解固形物を得る工程と、を含む繊維廃棄物の減量化方法。
  2. 前記投入工程の前に、前記繊維廃棄物を破砕する工程をさらに含む請求項1に記載の繊維廃棄物の減量化方法。
  3. 前記低分子化した分解固形物を温度150~200℃、時間30~50分で、乾燥させる工程をさらに含む請求項1又は2に記載の繊維廃棄物の減量化方法。
  4. 前記繊維廃棄物は、金属、鉱物及びガラスからなる群より選択される1種以上の加水分解できない異物を含み、
    前記繊維廃棄物のうちから前記加水分解できない異物のみを選択的に分離して回収する工程をさらに含む請求項1又は2に記載の繊維廃棄物の減量化方法。
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Citations (6)

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