JP2006028272A - 燃料製造方法および燃料製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ダイオキシン等の有害な物質を発生させず、有害物資を除去できることはもとより、含水率の高い廃棄物であっても短時間で処理して処理コストを低減させられ、しかも発熱量の損失を抑えつつ含水率を低下させ、悪臭も除去し、燃料として使用するのに適した性状に変換処理することができる燃料製造方法および燃料製造装置を提供する。
【解決手段】 廃棄物が投入された処理容器2内に高圧水蒸気を注入することによって、処理容器2内の圧力を1.96MPa以上に保持するとともに昇温し、処理容器2内の下方における材料部温度が処理容器2内の上方における空隙部温度に一致したときに高圧水蒸気の注入を停止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、廃棄物を有効に再利用すべく性状を変化させる技術に係り、特に、生ゴミや汚泥、魚残渣、糞尿等の含水率の高い廃棄物を燃料として適した性状に変換処理するのに好適な燃料製造方法および燃料製造装置に関するものである。
従来より、生ゴミや下水汚泥等の各種廃棄物を再利用可能に処理するための様々な技術が提案されている。例えば、特開2003−47409号には、食品残渣や木、紙等の原料を飼料や肥料に加工するための原料加工方法が開示されている(特許文献1)。この発明は、処理釜と加熱保温釜の間に飽和水蒸気を導入して処理釜内を所定温度以上に保ち、そこへ食品残渣等の原料を投入するとともに飽和水蒸気を導入して所定圧力・温度下で蒸し、その後攪拌しながら加水分解、熱分解、乾燥、炭化をさせ、最終的に飼料や肥料に加工するものである。
特開2003−47409号公報
しかしながら、特開2003−47409号公報に記載された発明においては、食品残渣や木、紙等の原料を有害物質を発生させずに飼料や肥料を作成することを目的としており、その適正な処理条件を求めているに過ぎない。したがって、飼料や肥料以外の目的に利用するための最適条件とは限らない。そもそも処理対象物である廃棄物の性状によっても適正な処理条件は異なるし、特に、高温域での処理や高圧力下での処理は性状を大きく変化させるため、再利用の目的・対象によって個別具体的に処理が施されなければならない。
また、廃棄物を再利用するには単に無害になるだけでは足りず、より高付加価値のある性状に処理することが好ましい。しかも再利用に要するコストを考慮すれば、できる限り利用目的に適した性状に処理することが実施化のために要求される。
一方、近年、バイオマスなどの廃棄物から有効にエネルギーを回収するため、燃料として再利用する技術が提案されている。例えば、廃棄物を熱分解によりガス化し、得られた熱分解ガスを熱源として発電するガス化発電技術もその一つである。このガス化発電技術は、ガス化炉内に投入した廃棄物に、空気等のガス化剤を供給しつつ加熱してガス化させている。しかしながら、燃料として使用する廃棄物が生ゴミや下水道汚泥等のように高湿潤な資材である場合、含水率が80%以上もあるために非常に熱分解させ難く、熱分解ガスを十分に発生させられないという問題がある。このため、高湿潤な廃棄物を予め十分に乾燥させた上で、その後にガス化発電用の燃料として利用する方法も提案されている。しかし、従来の処理では処理時間が大幅にかかってしまうため処理コストが高くなるという問題がある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、ダイオキシン等の有害な物質を発生させず、有害物資を除去できることはもとより、含水率の高い廃棄物であっても短時間で処理して処理コストを低減させられ、しかも発熱量の損失を抑えつつ含水率を低下させ、悪臭も除去し、燃料として使用するのに適した性状に変換処理することができる燃料製造方法および燃料製造装置を提供することを目的としている。
本発明に係る燃料製造方法および燃料製造装置の特徴は、廃棄物が投入された処理容器内に高圧水蒸気を注入することによって、前記処理容器内の圧力を1.96MPa以上に保持するとともに昇温し、前記処理容器内の下方における材料部温度が前記処理容器内の上方における空隙部温度に一致したときに前記高圧水蒸気の注入を停止する点にある。ここで材料部温度とは、処理容器内の下方における処理材料(廃棄物)の温度あるいはこの処理材料(廃棄物)に接する処理容器の内面における温度のことである。また、空隙部温度とは処理容器内の上方における空隙部分の温度のことである。
また、本発明に係る燃料製造方法および燃料製造装置の特徴は、廃棄物が投入された処理容器内に高圧水蒸気を注入することによって、前記処理容器内の圧力を1.96MPa以上3.43MPa以下に保持するとともに、少なくとも前記処理容器内の下方における材料部温度と前記処理容器内の上方における空隙部温度とが一致するまで前記高圧水蒸気を注入する点にある。
また、本発明において、前記廃棄物が生ゴミの場合、前記処理容器内の圧力を2.30MPa以上2.90MPa以下に保持することが好ましい。
さらに、本発明において、前記廃棄物が下水道汚泥の場合、前記処理容器内の圧力を3.05MPa以上3.43以下に保持することが好ましい。
また、本発明において、前記廃棄物が魚残渣の場合、前記処理容器内の圧力を2.65MPa以上2.95MPa以下に保持することが好ましい。
さらに、本発明において、前記廃棄物が泥炭の場合、前記処理容器内の圧力を2.55MPa以上2.77MPa以下に保持することが好ましい。
また、本発明において、前記廃棄物が家畜糞の場合、前記処理容器内の圧力を2.15MPa以上3.43MPa以下に保持することが好ましい。
さらに、本発明において、前記廃棄物がイカの肝臓(イカゴロ)の場合、前記処理容器内の圧力を2.96MPa以上3.22MPa以下に保持することが好ましい。
本発明によれば、ダイオキシン等の有害な物質を発生させず、内在する有害物質を除去することはもとより、含水率の高い廃棄物であっても短時間で処理して処理コストを低減させられるし、しかも発熱量の損失を抑えつつ含水率を低下させ、悪臭も除去し、燃料として使用するのに適した性状に変換処理することができる。
以下、本発明に係る燃料製造装置の好適な一実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態の燃料製造装置1を示す模式図である。本実施形態の燃料製造装置1は、主として、各種の廃棄物を収容して処理するための処理容器2と、この処理容器2に投入された廃棄物を攪拌するための攪拌手段3と、処理容器2内の廃棄物に対して高圧水蒸気を注入するための水蒸気注入手段4と、処理容器2内の圧力を調節するための圧力調節手段5と、前記攪拌手段3、前記水蒸気注入手段4および前記圧力調節手段5を制御するための制御手段6とから構成されている。なお、本実施形態で処理する廃棄物は、各種の廃棄物を対象とするが、特に、生ゴミ、下水汚泥、魚残渣、泥炭、家畜糞、イカの肝臓(イカゴロ)、ホタテ貝の中腸腺(ホタテウロ)等の含水率が高く、通常、燃料として再利用しにくい高湿潤な廃棄物をも好適な処理対象としている。
本実施形態の各構成部についてより詳細に説明すると、処理容器2は、耐圧性を備えた第一種圧力容器により構成されており、その内部で廃棄物を処理するようになっている。また、処理容器2の上部には廃棄物の投入口21が設けられるとともに、下部には排出口22が設けられている。これら投入口21および排出口22は、廃棄物を処理する際に処理容器2内の高温高圧に耐えられるパッキンが使用された密閉構造を備えている。投入口21および排出口22は、安全性を考慮して、処理容器2内の圧力が0.015MPa以下にまで減圧されない限り、開閉操作が反応しない制御システムを備えている。
また、処理容器2内の上方には上部温度センサ23aが設けられ、下方には下部温度センサ23bが設けられている。上部温度センサ23aは、処理容器2内の上方における温度を測定するセンサであり、特に、廃棄物投入当初は廃棄物内に埋もれる場合もあるが、減容した際に処理容器2内の空隙部分の温度を検出することになる。一方、下部温度センサ23bは、処理容器2内の下方における廃棄物自体あるいはこれに接する処理容器2の内面の温度を測定するセンサであり、投入された廃棄物のうちでも下方に溜まる高湿潤の廃棄物温度を検出することになる。本実施形態では、上部温度センサ23aおよび下部温度センサ23bは処理容器2の鉛直方向から約30°傾斜された処理容器2の内面に配置されている。また、処理容器2内の上方には、圧力を検出する圧力センサ24が備えられている。
つぎに、攪拌手段3は、投入された廃棄物を一様に加圧および加温するためのものである。この撹拌手段3は、処理容器2内の長手方向に水平回動軸31を軸支しており、この水平回動軸31の垂直面に対して前方に傾斜された撹拌羽根32を取り付けている。水平回動軸31には、これを正逆回動可能な駆動モータ33が連結されている。撹拌手段3は、投入された廃棄物を攪拌しつつ徐々に移送するようになっており、投入口21から排出口22まで延在している。一方、駆動モータ33はインバータ制御により回転数および回転方向が制御自在なモータであり、廃棄物が燃料に適した性状に変換処理されるまで必要に応じて処理容器2内で往復動させる。
つぎに、水蒸気注入手段4は、高圧の水蒸気を発生させるボイラー41と、このボイラー41から発生した水蒸気を処理容器2内に供給するための送気管42とを有している。ボイラー41で発生する水蒸気の圧力は一定値に保持されており、処理容器2内の圧力は、高圧水蒸気の注入量で調節するようになっている。この高圧水蒸気の圧力に付随して温度が定まるので、処理容器2内は高温に保持される。本実施形態では、ボイラー41で発生させ得る水蒸気の最大圧力が3.43MPaに設定されており、この高圧水蒸気の注入量を適宜調節して処理容器2内の圧力を1.96MPa以上に保持するようになっている。
このように圧力を1.96MPa以上に保持するのは、水蒸気の特性を考慮したものである。すなわち、圧力が約1.96MPaの水蒸気には約8〜11%の水分が含まれているのに対し、圧力が約3.43MPaの水蒸気は水分含有量が約1%未満となりガス状の気体である。このような含水率の少ない水蒸気の方が高湿潤な廃棄物に対してコンデンス水になる割合が少ないというメリットがある。また、後述するように約1.96MPa以上の圧力下による処理は、それ以下の圧力下による処理の場合と比べると次元の異なる処理速度となる。
また、送気管42は、処理容器2に対して水平回動軸31よりも上方位置であって略水平方向に連結されている。これは、処理容器2内の廃棄物が堆積して圧力を受けていない状態のときに高圧水蒸気を当てたい、つまり、廃棄物が撹拌されて中空に浮き、他の廃棄物に覆い被さる直前に高圧水蒸気を当てるのが最適であり、高い処理効率が得られるからである。
つぎに、圧力調節手段5は、開閉自在に電気制御される圧力調整バルブ51と、この圧力調整バルブ51を介して処理容器2内の水蒸気を排気するための排気管52とから構成されている。そして、処理容器2内の圧力が所定値を越えると圧力調整バルブ51を開放し、処理容器2内の圧力を抜いて所定の圧力に保持するようになっている。また、排気管52にはサイレンサー7を経由して冷却装置8が連結されており、処理容器2からの水蒸気を冷却して液化し、排水処理設備9に供給するようになっている。さらに、サイレンサー7により、騒音防止条例の規制値をクリアして市街地などに設置できるよう設計されている。
つぎに、制御手段6は、上部温度センサ23a、下部温度センサ23bおよび圧力センサ24に接続されており、これらセンサからの検出信号や所定の制御プログラムに基づいて、攪拌手段3、水蒸気注入手段4および圧力調節手段5を制御するものである。制御手段6は、駆動モータ33の回転方向や回転速度を制御して、処理容器2内における廃棄物の撹拌移送時間を制御する。また、制御手段6には、予め各種の廃棄物を処理するのに最適な処理圧力範囲が設定されており、この処理圧力範囲を保持するように水蒸気注入手段4および圧力調節手段5をフィードバック制御している。すなわち、制御手段6は、圧力センサ24の検出結果に基づき、処理容器2内の圧力が処理圧力範囲に満たない場合には、水蒸気注入手段4を制御して高圧水蒸気を注入するし、逆に処理圧力範囲を越えそうな場合には、圧力調節手段5を制御して高圧水蒸気を排気し、圧力を低下させるようになっている。
また、本実施形態の制御手段6は、下部温度センサ23bで検出される材料部温度が、上部温度センサ23aで検出される空隙部温度に一致したとき、水蒸気注入手段4を制御して高圧水蒸気の注入を停止するように設定されている。この制御は温度状況を確認しながらユーザが操作してもよい。前述のように導入する高圧水蒸気の停止制御を行うのは、送気管42を処理容器2の上方位置に配設していることと、高湿潤の廃棄物は下方に水分が溜まりやすいので廃棄物間でも上下の温度差が大きいことによるものである。そこで、処理容器2内の下部における材料部温度が上部における空隙部温度に一致し、廃棄物全体に均一な圧力と温度が付与された時点でムラなく燃料に適した性状へと変換できる。もし、材料部温度が空隙部温度に一致する前に高圧水蒸気の注入を停止すると、廃棄物の性状が完全に変換されない未処理部分が混在してしまうおそれがある。逆に、材料部温度が空隙部温度に一致した後も高圧水蒸気を注入し続けた場合、保有熱量が減少するおそれがあるし、処理コストや時間が無駄になる。また、炭化が進むため窒素に対する炭素量が多くなり、肥料にも転用したい場合には好ましくない。
つぎに、本実施形態の燃料製造装置1による燃料製造方法について説明する。
まず、投入する廃棄物の種類ごとに、処理容器2内における処理時の圧力を予め制御手段6に対して設定しておく。この場合、設定される容器内圧力は、各種の廃棄物が保有熱量を大きく損なうことなく十分に含水率が低下した性状に変換される圧力であり、本実施形態では、1.96MPa以上の範囲内に設定される。
つぎに、廃棄物を投入口21から処理容器2内に投入する。このとき、本実施形態では、処理時間を短縮するため、処理容器2内の温度を約150℃になるまで予熱している。また、本実施形態では、処理対象の廃棄物に対し籾殻由来の水分調整資材を混入させている。この水分調整資材は、本実施形態の燃料製造装置を使って籾殻を処理したものであり、具体的には、籾殻に消石灰あるいはホタテの貝殻粉砕物を混入して1.45MPa〜1.96MPa、より好ましくは1.65MPa〜1.85MPaで5〜30分保持して処理したものである。このように処理した籾殻は棉のように柔らかい。このような籾殻の水分調整資材を混入することにより、高価なおが屑等を使用しなくても処理物の含水率を安価に調整することができる。
処理容器2内に廃棄物が投入されると、ボイラー41から高圧水蒸気の注入が開始されるとともに、廃棄物は撹拌羽根32によって大きく攪拌されながら徐々に排出口22方向側へ移送される。処理量によっては一方向の移送だけでは処理が完了しない場合があるが、この場合には、駆動モータ33を逆方向に反転させて投入口21側へと移送し、往復移送を行う。これにより小さい処理容器2であっても充分な処理時間が得られる。
この攪拌移動している間、高圧水蒸気は水平回動軸31よりも上方に取り付けられた送気管42から注入される。このため、廃棄物は撹拌手段3の攪拌によって水平回動軸31の上方にばらばらに飛散されたときに、高圧の水蒸気を効果的に吹き付けられる。したがって、水蒸気圧力に付随する加熱および水蒸気による加水分解が効果的に進められる。このとき、本実施形態では1.96MPa以上の高圧水蒸気を使用しており、前述したようにこの高圧水蒸気には極めて含有水分が低い。したがって、処理容器2内では、加水分解作用よりも、むしろ高圧による分子破壊作用が進行し、廃棄物の性状変換処理をより一層早めることになる。
また、処理容器2内に高圧水蒸気が注入されている間、制御手段6は、圧力センサ24の検出結果を常に監視し、処理容器2内の圧力が予め設定した処理圧力範囲内に保持されるように水蒸気注入手段4および圧力調整手段5を制御している。
そして、図2に示すように、処理容器2内の下方における材料部温度が、上方における空隙部温度に一致したとき、すなわち、下部温度センサ23bの検出温度が上部温度センサ23aの検出温度に一致したとき、制御手段6は水蒸気注入手段4を制御して水蒸気の注入を停止する。その後、徐々に温度・圧力が低下するが、この停止状態を所定時間だけ保持した後、圧力調整バルブ51を開放する。これにより、処理容器2内の高圧水蒸気が排気管52を通じて排気され、処理容器2内の圧力と温度が一気に低下するため、廃棄物は爆砕するように分解する。これにより分散しにくい細菌のフロック等であっても崩壊することができ、放出しにくい水分を除去することができる。なお、注入停止後、直ちに水蒸気を排気してもよいが、処理の確実性・安定性を確保するため数分程度保持してもよい。
以上のような処理によって廃棄物は結合分子の分離と分解が起こり、燃焼させずに初期炭化と微細化という性状変化が生じる。この初期炭化の状態では、廃棄物が元来保有する熱量がそれほど消滅することなく残留する。また、廃棄物に含まれていた水分は、減圧に伴って凝縮して排出されるため、含水率が低下する。このとき、高圧水蒸気に含まれていた水分は微量であるため、凝縮する水の割合は少ない。さらに分子レベルで分解されているため、野菜や魚肉等の細胞壁や細胞膜が破壊され、あるいは細菌フロックが崩壊されていることから、水分を一層排出し易いとともに、残存している水分も放置しておくだけで蒸発してしまう状態にある。また、悪臭も除去される。このような処理後の廃棄物は燃料として利用価値が高い。例えば、微粉末状に変化されるため、そのまま使用しても流動性が良く、水と混合したり、あるいは微粉末のまま燃料として吹き付けて使用することが可能である。さらに、微粉末ゆえ、ペレット状に形成することも容易であり、特にガス化発電用の燃料に好適である。もちろん、より塊状に成形することによって通常の固形燃料とすることもできる。一方、高圧の水蒸気により極めて短時間で廃棄物の性状を変換させられるため、ボイラー41の消費燃料を節約できるし、一日あたりの処理能力を増大できる。
なお、処理後の廃棄物は、撹拌手段3により排出口22まで移送されて取り出されるとともに、排出された水は排水処理設備9に供給されて浄化処理される。
つぎに、本実施形態の具体的な実施例について説明する。以下の各実施例では、実用化を想定し、実用に適する短い時間内でコストを抑制して廃棄物を燃料に適した性状、特にガス化発電用の燃料に適した性状へと変換するための処理条件を求める実験を行った。この実験では、処理容器2内の圧力を変化させて処理した廃棄物の性状を観察した。これらの実験条件およびその処理結果を図3に示す。
本実施例の実験では、容積が3000リットルの処理容器2を使用し、この処理容器2に対して充填率が65%〜95%となるように廃棄物を投入した。攪拌速度は、廃棄物を均一に攪拌するため下部温度センサ23bの値が上部温度センサ23aの値と一致するまでは2〜18rpmとし、一致した時点から0.15MPaまで減圧するまでは、5〜15rpmに制御した。また、処理圧力は約1.96MPa〜3.43MPaの範囲内で廃棄物の種類・性質を考慮して適宜選択して設定した。また、比較のために、処理容器内の圧力を1.96MPa以下に保持して処理を行った結果も示す。但し、この場合には、所望の性状変化を十分に期待するには、材料部温度と空隙部温度とが一致しても直ちに停止せず、高圧水蒸気の注入を継続して所定圧力、所定温度下で所定時間保持する必要がある。なお、処理した廃棄物の含水率の測定には、株式会社島津製作所の島津電子式水分計「EB−340MOC」を使用しており、熱量の測定には、株式会社島津製作所のボンベ型熱量計「CA−4PJ」(JISM8814,JISK2279適合装置)を使用した。
『生ゴミの性状変換処理』
実施例1では、図4に示すように、廃棄物として家庭や店舗等から出る肉・魚・野菜等のくずや食べ残し等の水分を多く含んでいる生ゴミを使用した。もちろん生ゴミを包んでいるプラスチックフィルムが混入されていても問題なく処理可能である。処理容器2内の処理圧力は、本処理容器2の安全性が確保されている1.96〜3.43MPaの範囲内に設定し、それぞれ1.96〜2.30MPa、2.30〜2.90MPa、2.90〜3.43MPaの範囲内に保持して処理を行った。また、処理温度に関しては、特に設定せず、高圧水蒸気を注入することによる圧力制御に応じて昇温させ、少なくとも下部温度センサ23bが上部温度センサ23aに一致するまで高圧水蒸気を注入した。一方、比較例の処理圧力は1.96MPa以下の範囲である1.90〜1.96MPaの圧力範囲内に保持し、かつ、温度を210〜215℃に35〜50分間保持して処理を行った。なお、前記生ゴミの処理前の含水率は91.00%であり、保有熱量は12.29kJであった。
上記実験の結果、図3に示すように、比較例における1.96MPa以下の圧力範囲で処理した場合、処理後の生ゴミの保有熱量は9.99kJであって含水率が20.80%であった。この場合、ガス化発電用燃料として使用可能であるが、約15〜25分間昇温させて処理容器2内が所定の圧力・温度に到達した後に、約35〜50分の保持時間が必要であるため、処理に要するエネルギーに対して熱量損失が大きいといえる。また、生ゴミのうち、図5(a)に示すような蟹の甲羅や、図5(b)に示すような貝殻等は完全に分解できず、図6に示すように高強度の破片として残存してしまった。
これに対し、本実施例1の場合、1.96〜2.30MPaの圧力範囲では、高圧水蒸気を注入開始後、約21分ほどで材料部温度が空隙部温度に一致させることができ、一致するのと同時に高圧水蒸気の注入を切断する。その後、数分間経過後に水蒸気を排気する。したがって、比較例に比べると、温度保持時間はほとんど必要ないといえる。このときの一致した温度を測定したところ、218℃であった。また、保有熱量は11.89kJ、含水率は19.90%であり、処理前の熱量の96%以上を保有しており、その保有熱量の高さおよび含水率の低さ、悪臭が除去されることなどから一般の燃料としてはもとより、ガス化発電用燃料としても好適である。上記含水率の低減状態を観察すると、細菌フロックが破壊されて分散されていることがわかり、水分が抜けやすいことがわかる。
また、2.30〜2.90MPaの圧力範囲で処理した場合には、更に処理時間が短縮され、高圧水蒸気を注入した後、約18分で材料部温度と空隙部温度とが一致して処理を完了することができた。このときの一致した温度は222℃であった。また処理後の保有熱量は11.09kJ、含水率は18.33%であり、処理前の熱量の90%以上を保有し、含水率は5分の1にまで低減させられた。したがって、ガス化発電用燃料として極めて好適である。
さらに、2.90〜3.43MPaの圧力範囲で処理した場合、高圧水蒸気を注入後、約18分で下部の材料部温度と上部の空隙部温度とが一致して処理を完了することができた。このときの一致した温度は231℃であった。また保有熱量は9.01kJ、含水率は18.01%であった。保有熱量は10kJを下回ったが処理前の熱量の約73%を保持しており、含水率は更に減少した。この処理物も燃料はもとよりガス化発電用燃料として使用可能である。ただ、先の条件に比べると圧力を高く保持する分だけ熱損失が大きいといえる。
以上、実施例1の実験結果によれば、生ゴミの保有熱量を損失させることなく、含水率を低下させ、ガス化発電用の燃料に適した性状に変換するための処理条件は、処理容器2内の圧力を1.96MPa以上に保持するとともに、材料部温度と空隙部温度が一致するまで上昇させる条件が好ましく、より好ましくは圧力を2.30MPa〜2.90MPa以下に保持して昇温させ、材料部温度および空隙部温度が一致した瞬間に高圧水蒸気の注入を停止することである。このような処理条件下であれば図7に示すように、貝殻やカニの甲羅等の破片が残存することがなく、完全に微粉末化される。したがって、微粉末状のまま直接燃焼させられることはもちろん、ペレット状や固形状の燃料に形成することも容易である。
本実施例1では、処理容器の耐久性やパッキンの安全性能を考慮して処理圧力を最大3.43MPaまでに止めているが、仮にこれ以上の圧力下で処理する場合には、材料部温度が空隙部温度に一致するまでの時間がより短縮化され、含水率も減少するものと考えられる。このことは以下の他の実施例においても同様である。但し、保有熱量が徐々に減少する傾向にあるため、より厳密な制御が必要と考えられる。
なお、本実施例1で示した処理温度(材料部温度と空隙部温度が一致した温度)は222℃であり、本実験条件下では最適温度であると考えられる。但し、この処理温度は外気温等、処理環境が変われば変動するものであるから、上記した数値に限られるものではなく、以下の他の実施例においても同様である。
『下水汚泥の性状変換処理』
実施例2では、廃棄物として図8に示すような下水汚泥を使用した。処理容器2内の処理圧力は、本処理容器2の安全性が確保されている1.96〜3.43MPaの範囲内に設定し、それぞれ1.96〜2.35MPa、2.35〜3.05MPa、3.05〜3.43MPaの範囲内に保持して処理を行った。また、処理温度に関しては、特に設定せず、高圧水蒸気を注入することによる圧力制御に応じて昇温させ、少なくとも下部温度センサ23bが上部温度センサ23aに一致するまで高圧水蒸気を注入した。一方、比較例の処理圧力は1.96MPa以下の範囲である1.85〜1.90MPaの圧力範囲内に保持し、かつ、温度を205〜210℃に55〜65分間保持して処理を行った。なお、前記下水汚泥の処理前の含水率は80.00%であり、保有熱量は15.51kJであった。
上記実験の結果、図3に示すように、比較例における1.96MPa以下の圧力範囲で処理した場合、処理後の下水汚泥の保有熱量は10.99kJであって含水率が22.05%であった。但し、この比較例の場合、ガス化発電用燃料として使用可能であるが、処理容器2内が所定の圧力・温度に到達するまでに約35〜45分かかり(凍結汚泥ではそれ以上)、その後、約55〜65分の保持時間が必要であるため、処理に要するエネルギーに対して熱量損失が大きいといえる。また、1回の処理に要する燃料消費量は、予熱工程も含めて約22リットルであった。したがって、ガス化発電用の燃料として使用可能であるものの処理時間がかかるし、処理に要するエネルギーに対して熱量損失が多いといえる。
これに対し、本実施例2の場合、1.96〜2.35MPaの圧力範囲では、高圧水蒸気の注入開始後、約41分で材料部温度が空隙部温度に一致させることができ、一致するのと同時に高圧水蒸気の注入を切断してよい。その後、念のため数分間経過した後に水蒸気を排気する。したがって、比較例と比べると、温度保持時間は必要がない。このときの一致した温度を測定したところ、215℃であった。また、保有熱量は11.38kJと高い熱量値を保持していたが、含水率は30.55%であり、やや実用性に欠くものであった。ただ、処理後の下水汚泥は細菌フロックや結合分子が分離・分解されているため、水分が蒸発しやすくなっており、一晩ほど放置すれば含水率は低下する。したがって、ガス化発電用燃料としても好適である。
また、2.35〜3.05MPaの圧力範囲で処理した場合には、高圧水蒸気を注入後、約38分で材料部温度と空隙部温度とが一致して処理を完了することができた。このときの一致した温度は223℃であった。また処理後の保有熱量は11.12kJと高い熱量値を保持し、含水率は26.78%と約3分の1にまで低減することができた。したがって、ガス化発電用燃料として十分に利用可能である。
さらに、3.05〜3.43MPaの圧力範囲で処理した場合、高圧水蒸気を注入開始後、約32分で下部の材料部温度と上部の空隙部温度とが一致して処理を完了することができた。このときの一致した温度は232℃であった。また保有熱量は11.09kJ、含水率は19.87%であった。先の条件に比べて保有熱量はほとんど低下しておらず、含水率は処理前の約4分の1にまで減少した。また、このときの処理に要した燃料消費量は、予熱工程も含めて約16リットルであり、比較例の22リットルに比べて約30%も節約することができた。したがって、ガス化発電用燃料として極めて好適である。
以上、実施例2の実験結果によれば、下水汚泥の保有熱量を損失させることなく、含水率を低下させ、ガス化発電用の燃料に適した性状に変換するための処理条件は、処理容器2内の圧力を1.96MPa以上に保持するとともに、材料部温度と空隙部温度が一致するまで上昇させる条件が好ましく、より好ましくは圧力を3.05MPa以上3.43MPa以下に保持して昇温させ、材料部温度および空隙部温度が一致した瞬間に高圧水蒸気の注入を停止することである。このような処理条件下であれば図9に示すように、下水汚泥であっても短時間で乾燥した微粉末に性状を変換させることができ、悪臭も除去することができる。
『魚残渣の性状変換処理』
実施例3では、廃棄物として魚残渣を使用した。処理容器2内の処理圧力は、本処理容器2の安全性が確保されている1.96〜2.95MPaの範囲内に設定し、それぞれ1.96〜2.20MPa、2.20〜2.65MPa、2.65〜2.95MPaの範囲内に保持して処理を行った。また、処理温度に関しては、特に設定せず、高圧水蒸気を注入することによる圧力制御に応じて昇温させ、少なくとも下部温度センサ23bが上部温度センサ23aに一致するまで高圧水蒸気を注入した。一方、比較例の処理圧力は1.96MPa以下の範囲である1.80〜1.85MPaの圧力範囲内に保持し、かつ、温度を205〜210℃に60〜90分間保持して処理を行った。なお、前記魚残渣の処理前の含水率は85.00%であり、保有熱量は12.99kJであった。
上記実験の結果、図3に示すように、比較例における1.96MPa以下の圧力範囲で処理した場合、処理後の魚残渣の保有熱量は9.44kJであって含水率が24.00%であった。この場合、ガス化発電用燃料として使用可能であるが、処理容器2内が約15〜25分かけて所定の圧力・温度に到達した後に、約60〜90分の保持時間が必要であるため、処理に要するエネルギーに対して熱量損失が大きい。
これに対し、本実施例3の場合、1.96〜2.20MPaの圧力範囲では、高圧水蒸気の注入開始後、約34分で材料部温度が空隙部温度に一致させることができ、一致するのと同時に高圧水蒸気の注入を切断した。その後、処理の余裕をみて数分間経過後に水蒸気を排気する。したがって、比較例に比べると温度保持時間は必要ないといえる。このときの一致した温度を測定したところ、221℃であった。また、保有熱量は12.33kJと高い熱量値を保持していたが、含水率は68.20%であり、実用性に欠くものであった。ただ、処理後の魚残渣は結合分子が分離・分解されているため、水分が蒸発しやすくなっており、一晩ほど放置すれば含水率は低下する。したがって、ガス化発電用燃料としても使用可能である。
また、2.20〜2.65MPaの圧力範囲で処理した場合には、高圧水蒸気を注入後、約26分で材料部温度と空隙部温度とが一致して処理を完了することができた。このときの一致した温度は229℃であった。また処理後の保有熱量は11.19kJであり、82%以上の高い熱量値を保持していたが、含水率は48.20%とまだ高いので実用性を高めるにはさらに含水率を低下させる必要がある。
そして、2.65〜2.95MPaの圧力範囲で処理した場合、高圧水蒸気を注入開始後、約17分で下部の材料部温度と上部の空隙部温度とが一致して処理を完了することができた。このときの一致した温度は230℃であった。また保有熱量は9.97kJ、含水率は22.00%であった。したがって、保有熱量は約10kJであって処理前の熱量の76%以上を保持しながら、含水率は処理前の約4分の1にまで減少され、ガス化発電用燃料として極めて好適である。
以上、実施例3の実験結果によれば、魚残渣の保有熱量を損失させることなく、含水率を低下させ、ガス化発電用の燃料に適した性状に変換するための処理条件は、処理容器2内の圧力を1.96MPa以上に保持するとともに、材料部温度と空隙部温度が一致するまで上昇させる条件が好ましく、より好ましくは圧力を2.65MPa以上2.95MPa以下に保持して昇温させ、材料部温度および空隙部温度が一致した瞬間に高圧水蒸気の注入を停止することである。このような処理条件下であれば、魚残渣であっても短時間で乾燥した微粉末に性状が変換される。
『泥炭の性状変換処理』
実施例4では、廃棄物として泥炭を使用した。処理容器2内の処理圧力は、本処理容器2の安全性が確保されている1.90〜2.77MPaの範囲内に設定し、それぞれ1.90〜2.20MPa、2.20〜2.55MPa、2.55〜2.77MPaの範囲内に保持して処理を行った。また、処理温度に関しては、特に設定せず、高圧水蒸気を注入することによる圧力制御に応じて昇温させ、少なくとも下部温度センサ23bが上部温度センサ23aに一致するまで高圧水蒸気を注入した。一方、比較例の処理圧力は1.90MPa以下の範囲である1.85〜1.90MPaの圧力範囲内に保持し、かつ、温度を205〜210℃に30〜60分間保持して処理を行った。なお、前記泥炭の処理前の含水率は70.00%であり、保有熱量は16.90kJであった。
上記実験の結果、図3に示すように、比較例における1.90MPa以下の圧力範囲で処理した場合、処理後の泥炭の保有熱量は9.98kJであって含水率が20.05%であった。この場合、ガス化発電用燃料として使用可能であるが、処理容器2内が約15〜25分かけて所定の圧力・温度に到達した後に、約30〜60分の保持時間が必要であるし、保有熱量が処理前の60%以下に減少しているため、処理に要するエネルギーに対して熱量損失が大きい。
これに対し、本実施例4の場合、1.90〜2.20MPaの圧力範囲では、高圧水蒸気を注入後、約30分で材料部温度が空隙部温度に一致させることができ、一致するのと同時に高圧水蒸気の注入を切断する。その後、確実に処理を終える余裕をみて数分間経過後に水蒸気を排気する。したがって、比較例に比べると、温度保持時間はほとんどないといえる。このときの一致した温度を測定したところ、197℃であった。また、保有熱量は15.58kJと処理前の92%以上の高い熱量値を保持しており、含水率はすでに25.40%まで低減できた。しかも処理後の泥炭は細菌フロックや結合分子が分離・分解されているため水分が蒸発しやすくなっており、放置しておくだけで含水率は低下する。したがって、ガス化発電用燃料としても十分に使用可能である。
また、2.20〜2.55MPaの圧力範囲で処理した場合には、高圧水蒸気の注入開始後、約29分で材料部温度と空隙部温度とが一致して処理を完了することができた。このときの一致した温度は205℃であった。また処理後の保有熱量は15.05kJと89%以上の高い熱量値を保持し、含水率は24.03%であり、先の条件と比べて処理時間はほぼ変わらなかった。
さらに、2.55〜2.77MPaの圧力範囲で処理した場合、高圧水蒸気の注入開始後、約21分で下部の材料部温度と上部の空隙部温度とが一致して処理を完了することができた。このときの一致した温度は219℃であった。また保有熱量は14.80kJと処理前保有熱量の87%以上を保有し、含水率は21.98%にまで減少した。したがって、ガス化発電用の燃料として好適な性状を備えている。
以上、実施例4の実験結果によれば、泥炭の保有熱量を損失させることなく、含水率を低下させ、ガス化発電用の燃料に適した性状に変換するための処理条件は、処理容器2内の圧力を1.90MPa以上に保持するとともに、材料部温度と空隙部温度が一致するまで上昇させる条件が好ましく、より好ましくは圧力を2.55MPa以上2.77MPa以下に保持して昇温させ、材料部温度および空隙部温度が一致した瞬間に高圧水蒸気の注入を停止することである。このような処理条件下であれば、泥炭であっても短時間で乾燥した微粉末に性状が変換される。
『家畜糞の性状変換処理』
実施例5では、廃棄物として家畜糞を使用した。処理容器2内の処理圧力は、本処理容器2の安全性が確保されている1.85〜3.43MPaの範囲内に設定し、それぞれ1.85〜2.00MPa、2.00〜2.15MPa、2.15〜3.43MPaの範囲内に保持して処理を行った。また、処理温度に関しては、特に設定せず、高圧水蒸気を注入することによる圧力制御に応じて昇温させ、少なくとも下部温度センサ23bが上部温度センサ23aに一致するまで高圧水蒸気を注入した。一方、比較例の処理圧力は1.85MPa以下の範囲である1.70〜1.75MPaの圧力範囲内に保持し、かつ、温度を205〜210℃に35〜45分間保持して処理を行った。なお、前記家畜糞の処理前の含水率は68.00%であり、保有熱量は13.40kJであった。
上記実験の結果、図3に示すように、比較例における1.85MPa以下の圧力範囲で処理した場合、処理後の家畜糞の保有熱量は11.00kJであって含水率が24.00%であった。この場合、ガス化発電用燃料として使用可能であるが、処理容器2内が約15〜25分かけて所定の圧力・温度に到達した後に、約35〜45分の保持時間が必要であるため、処理に要するエネルギーに対して熱量損失が大きいといえる。
これに対し、本実施例5の場合、1.85〜2.00MPaの圧力範囲では、高圧水蒸気を注入後、約29分で材料部温度が空隙部温度に一致させることができ、一致するのと同時に高圧水蒸気の注入を切断した。その後、数分間経過後に水蒸気を排気した。したがって、比較例に比べると温度保持時間はほとんどないといえる。このときの一致した温度を測定したところ、223℃であった。また、保有熱量は13.15kJと高い熱量値を保持していたが、含水率は24.00%であり、十分低減できていた。しかも処理後の家畜糞は結合分子が分離・分解されているため、水分が蒸発しやすくなっており、放置しておくだけでさらに含水率は低下する。したがって、ガス化発電用燃料としても使用可能である。
また、2.00〜2.15MPaの圧力範囲で処理した場合には、高圧水蒸気を注入後、約25分で材料部温度と空隙部温度とが一致して処理を完了することができた。このときの一致した温度は229℃であった。また処理後の保有熱量は11.01kJと高い熱量値を保持しており、含水率は21.50%であった。
さらに、2.15〜3.43MPaの圧力範囲で処理した場合、高圧水蒸気の注入開始後、約19分程で下部の材料部温度と上部の空隙部温度とが一致して処理を完了することができた。このときの一致した温度は233℃であった。また保有熱量は10.08kJと10kJ以上を保持しており、含水率は18.00%と処理前含水率の約4分の1にまで減少していた。したがって、ガス化発電用燃料として極めて好適な条件である。
以上、実施例5の実験結果によれば、家畜糞の保有熱量を損失させることなく、含水率を低下させ、ガス化発電用の燃料に適した性状に変換するための処理条件は、処理容器2内の圧力を1.85MPa以上に保持するとともに、材料部温度と空隙部温度が一致するまで上昇させる条件が好ましく、より好ましくは圧力を2.15MPa以上3.43MPa以下に保持して昇温させ、材料部温度および空隙部温度が一致した瞬間に高圧水蒸気の注入を停止することである。このような処理条件下であれば、家畜糞であっても短時間で乾燥した微粉末に性状が変換される。また悪臭も除去される。
以上の実施例1乃至5においては、実用性の高い高湿潤廃棄物である生ゴミ、下水汚泥、魚残渣、泥炭、および家畜糞について変換処理を行った。一方、水産廃棄物のなかでも腐敗臭が強く、カドミウム等の重金属が蓄積されていることが問題視されているイカの肝臓(通称:イカゴロ)やホタテ貝の中腸腺(通称:ホタテウロ)は、従来より、肥料や飼料等への再利用が大変難しいものとされてきた。そこで、これらイカの肝臓およびホタテ貝の中腸腺について変換処理を行った。
『イカの肝臓の性状変換処理』
実施例6では、廃棄物としてイカの肝臓を使用した。処理容器2内の処理圧力は、本処理容器2の安全性が確保されている1.90〜3.22MPaの範囲内に設定し、それぞれ1.90〜2.05MPa、2.05〜2.96MPa、2.96〜3.22MPaの範囲内に保持して処理を行った。また、処理温度に関しては、特に設定せず、高圧水蒸気を注入することによる圧力制御に応じて昇温させ、少なくとも下部温度センサ23bが上部温度センサ23aに一致するまで高圧水蒸気を注入した。
一方、比較例の処理圧力は1.90MPa以下の範囲である1.79〜1.90MPaの圧力範囲内に保持し、かつ、温度を185〜210℃に65〜95分間保持して処理を行った。なお、前記イカの肝臓の処理前の含水率は89.00%であり、保有熱量は14.66kJであった。
上記実験の結果、図3に示すように、比較例における1.90MPa以下の圧力範囲で処理した場合、処理後のイカの肝臓の保有熱量は4.99kJであって含水率が29.55%であった。この場合、保有熱量が減少し過ぎているため、ガス化発電用燃料としては効率が悪い。また、処理容器2内が約15〜25分かけて所定の圧力・温度に到達した後に、約65〜95分の保持時間が必要であるため、処理に要するエネルギーに対して熱量損失が大きいといえる。
これに対し、本実施例6の場合、1.90〜2.05MPaの圧力範囲では、高圧水蒸気の注入開始後、約49分で材料部温度が空隙部温度に一致させることができ、一致するのと同時に高圧水蒸気の注入を切断した。その後、数分間経過後に水蒸気を排気した。水蒸気を注入しながらの温度保持時間は必要ない。このときの一致した温度を測定したところ、218℃であった。また、保有熱量は8.12kJと比較例に比べて1.6倍以上の熱量を保持しており、含水率は59.06%であった。したがって、含水率が多いものの、処理後のイカの肝臓は結合分子が分離・分解されているため、水分が蒸発しやすくなっており、放置しておくだけで含水率は低下する。したがって、ガス化発電用燃料としても使用可能である。
また、2.05〜2.96MPaの圧力範囲で処理した場合には、高圧水蒸気を注入した後、約41分で材料部温度と空隙部温度とが一致して処理を完了することができた。このときの一致した温度は224℃であった。また処理後の保有熱量は8.00kJと高い熱量値を保持しており、含水率は48.83%であった。したがって、先の条件と比べて保有熱量はほとんど減少せずに、含水率が10%以上も減少した。
さらに、2.96〜3.22MPaの圧力範囲で処理した場合、高圧水蒸気の注入開始後、約31分で下部の材料部温度と上部の空隙部温度とが一致して処理を完了することができた。このときの一致した温度は231℃であった。また保有熱量は6.94kJを保持しており、含水率は22.22%であった。イカの内臓は液状化しているため熱損失が大きいが、上記条件下では処理前保有熱量の約50%程度の損失に抑えて、含水率を処理前含水率の約4分の1にまで低下させることができた。これであればガス化発電用の燃料として実用可能な範囲である。
以上、実施例6の実験結果によれば、イカの肝臓の保有熱量を損失させることなく、含水率を低下させ、ガス化発電用の燃料として使用可能な性状に変換するための処理条件は、処理容器2内の圧力を1.90MPa以上に保持するとともに、材料部温度と空隙部温度が一致するまで上昇させる条件が好ましく、より好ましくは圧力を2.96MPa以上3.22MPa以下に保持して昇温させ、材料部温度および空隙部温度が一致した瞬間に高圧水蒸気の注入を停止することである。このような処理条件下であれば、イカの肝臓であっても短時間で無害化でき、乾燥した微粉末に性状が変換される。
『ホタテ貝の中腸腺の性状変換処理』
実施例7では、廃棄物としてホタテ貝の中腸腺を使用した。処理容器2内の処理圧力は、本処理容器2の安全性が確保されている1.90〜2.96MPaの範囲内に設定し、それぞれ1.90〜1.95MPa、1.95〜2.00MPa、2.00〜2.96MPaの範囲内に保持して処理を行った。また、処理温度に関しては、特に設定せず、高圧水蒸気を注入することによる圧力制御に応じて昇温させ、少なくとも下部温度センサ23bが上部温度センサ23aに一致するまで高圧水蒸気を注入した。一方、比較例の処理圧力は1.90MPa以下の範囲である1.78〜1.90MPaの圧力範囲内に保持し、かつ、温度を185〜210℃に65〜95分間保持して処理を行った。なお、前記ホタテ貝中腸腺の処理前の含水率は85.00%であり、保有熱量は11.79kJであった。
上記実験の結果、図3に示すように、比較例における1.90MPa以下の圧力範囲で処理した場合、処理後のホタテ貝中腸腺の保有熱量は2.73kJであって含水率が29.58%であった。この場合、保有熱量が減少し過ぎているため、ガス化発電用燃料としては効率が悪い。また、処理容器2内が約15〜25分かけて所定の圧力・温度に到達した後に、約65〜95分の保持時間が必要であるため、処理に要するエネルギーに対して熱量損失が大きいといえる。
これに対し、本実施例7の場合、1.90〜1.95MPaの圧力範囲では、高圧水蒸気を注入後、約65分で材料部温度が空隙部温度に一致させることができ、一致するのと同時に高圧水蒸気の注入を切断し、数分間経過後に水蒸気を排気した。したがって、比較例に比べると、温度保持時間はほとんどないといえる。このときの一致した温度を測定したところ、212℃であった。また、保有熱量は10.80kJと処理前保有熱量の90%以上の熱量を保持しており、含水率は69.78%であった。したがって、含水率が多いものの、処理後のホタテ貝の中腸腺は結合分子が分離・分解されているため、水分が蒸発しやすくなっており、放置しておくだけで含水率は低下する。よって、ガス化発電用燃料としても使用可能である。
また、1.95〜2.00MPaの圧力範囲で処理した場合には、高圧水蒸気を注入後、約49分で材料部温度と空隙部温度とが一致して処理を完了することができた。このときの一致した温度は220℃であった。また処理後の保有熱量は7.10kJと処理前保有熱量の約60%を保持しており、含水率は50.09%であった。したがって、先の条件と比べて含水率が約20%も減少し、処理時間も15分以上短縮されており、ホタテ貝の中腸腺の性状を考慮すれば、実用に供するものである。
さらに、2.00〜2.96MPaの圧力範囲で処理した場合、高圧水蒸気を注入後、約28分で下部の材料部温度と上部の空隙部温度とが一致して処理を完了することができた。このときの一致した温度は229℃であった。また保有熱量は5.07kJを保持しており、含水率は20.08%であった。すなわち、処理後の保有熱量は比較例に比べて約2倍近く残存しており、含水率は処理前含水率の4分の1以下にまで低下させることができた。ホタテ貝の中腸腺の性状を考慮すれば、ガス化発電用の燃料として十分実用可能な範囲である。
以上、実施例7の実験結果によれば、ホタテ貝の中腸腺の保有熱量を損失させることなく、含水率を低下させ、ガス化発電用の燃料として使用可能な性状に変換するための処理条件は、処理容器2内の圧力を1.90MPa以上に保持するとともに、材料部温度と空隙部温度が一致するまで上昇させる条件が好ましく、より好ましくは圧力を2.00MPa以上2.96MPa以下に保持して昇温させ、材料部温度および空隙部温度が一致した瞬間に高圧水蒸気の注入を停止することである。このような処理条件下であれば、ホタテ貝の中腸腺であっても短時間で無害化することができ、乾燥した微粉末に性状が変換される。
以上のような本実施形態によれば、燃焼させ難い高含水・高湿潤廃棄物であっても保有熱量の損失を抑えつつ含水率を減少させて、燃料に適した性状に変換処理することができる。特に、廃棄物中の細菌フロックを爆砕するように分散できるため、著しい含水率の低下を図ることが可能となる。また、各廃棄物が微粉末化されるため、その流動性を利用して直接的に燃焼させたり、液体と混合させて燃焼させることも可能であるし、ペレット状やより大きな固形燃料に成形することも容易である。特に、ペレット状に成形した燃料はムラなく均一にガス化処理することができるのでガス化発電用の燃料として極めて好適である。
また、通常、自然界で微生物を使って廃棄物を分解処理させると、堆肥の状態まで到達するには6ヶ月から36ヶ月以上の時間を要してしまう。これを本実施形態の燃料製造装置1によれば、大体約20〜30分で、長くても49分程度という極めて短時間で燃料化処理を完了することができ、しかも無菌状態で安全に処理することができる。
なお、本実施形態の各構成は前述したものに限るものではなく、適宜変更することができる。
例えば、上述した本実施形態では、排水処理設備9を1つしか設けていないが、図10に示すように、別途、予備排水処理設備10を設けてもよい。この予備排水処理設備10によれば、サイレンサー7や排出口22から排出された排水のpHを調整して、排水の規制値をクリアする。
本発明に係る燃料製造装置の実施形態を示す模式図である。 本実施形態の燃料製造方法における処理容器内温度と時間との関係を示すグラフである。 本実施形態における実施例1から実施例7の処理条件および処理結果を示す表である。 処理する前の生ゴミを示すデジタル写真画像である。 処理する前の蟹の甲羅(a)および貝殻(b)示すデジタル写真画像である。 実施例1の比較例の処理条件により処理した後の生ゴミを示すデジタル写真画像である。 実施例1の処理条件により処理した後の生ゴミを示すデジタル写真画像である。 処理する前の下水汚泥を示すデジタル写真画像である。 実施例2の処理条件により処理した後の下水汚泥を示すデジタル写真画像である。 本発明に係る燃料製造装置の他の実施形態を示す模式図である。
符号の説明
1 燃料製造装置
2 処理容器
3 攪拌手段
4 水蒸気注入手段
5 圧力調節手段
6 制御手段
7 サイレンサー
8 冷却装置
9 排水処理設備
10 予備排水処理設備
21 投入口
22 排出口
23a 上部温度センサ
23b 下部温度センサ
24 圧力センサ
31 水平回動軸
32 攪拌羽根
33 駆動モータ
41 ボイラー
42 送気管
51 圧力調整バルブ
52 排気管

Claims (18)

  1. 廃棄物が投入された処理容器内に高圧水蒸気を注入することによって、前記処理容器内の圧力を1.96MPa以上に保持するとともに昇温し、前記処理容器内の下方における材料部温度が前記処理容器内の上方における空隙部温度に一致したときに前記高圧水蒸気の注入を停止することを特徴とする燃料製造方法。
  2. 廃棄物が投入された処理容器内に高圧水蒸気を注入することによって、前記処理容器内の圧力を1.96MPa以上3.43MPa以下に保持するとともに、少なくとも前記処理容器内の下方における材料部温度と前記処理容器内の上方における空隙部温度とが一致するまで前記高圧水蒸気を注入することを特徴とする燃料製造方法。
  3. 請求項1または請求項2において、前記廃棄物が生ゴミの場合、前記処理容器内の圧力を2.30MPa以上2.90MPa以下に保持することを特徴とする燃料製造方法。
  4. 請求項1または請求項2において、前記廃棄物が下水道汚泥の場合、前記処理容器内の圧力を3.05MPa以上3.43以下に保持することを特徴とする燃料製造方法。
  5. 請求項1または請求項2において、前記廃棄物が魚残渣の場合、前記処理容器内の圧力を2.65MPa以上2.95MPa以下に保持することを特徴とする燃料製造方法。
  6. 請求項1または請求項2において、前記廃棄物が泥炭の場合、前記処理容器内の圧力を2.55MPa以上2.77MPa以下に保持することを特徴とする燃料製造方法。
  7. 請求項1または請求項2において、前記廃棄物が家畜糞の場合、前記処理容器内の圧力を2.15MPa以上3.43MPa以下に保持することを特徴とする燃料製造方法。
  8. 請求項1または請求項2において、前記廃棄物がイカの肝臓(イカゴロ)の場合、前記処理容器内の圧力を2.96MPa以上3.22MPa以下に保持することを特徴とする燃料製造方法。
  9. 請求項1または請求項2において、前記廃棄物がホタテ貝の中腸腺(ホタテウロ)の場合、前記処理容器内の圧力を2.00MPa以上2.96MPa以下に保持することを特徴とする燃料製造方法。
  10. 廃棄物を収容する処理容器と、この処理容器内に高圧水蒸気を注入する水蒸気注入手段と、この水蒸気注入手段を制御することにより前記処理容器内の圧力を1.96MPa以上に保持するとともに、前記処理容器内の下方における材料部温度が上方における空隙部温度に一致したときに前記高圧水蒸気の注入を停止する制御手段とを有することを特徴とする燃料製造装置。
  11. 廃棄物を収容する処理容器と、この処理容器内に高圧水蒸気を注入する水蒸気注入手段と、この水蒸気注入手段を制御することにより前記処理容器内の圧力を1.96MPa以上3.43MPa以下に保持するとともに、少なくとも前記処理容器内の下方における材料部温度と前記処理容器内の上方における空隙部温度とが一致するまで前記高圧水蒸気を注入する制御手段とを有することを特徴とする燃料製造装置。
  12. 請求項10または請求項11において、前記廃棄物が生ゴミの場合、前記制御手段は、前記処理容器内の圧力が2.30MPa以上2.90MPa以下で保持されるように前記水蒸気注入手段による高圧水蒸気の注入量を制御することを特徴とする燃料製造装置。
  13. 請求項10または請求項11において、前記廃棄物が下水汚泥の場合、前記制御手段は、前記処理容器内の圧力が3.05MPa以上3.43以下で保持されるように前記水蒸気注入手段による高圧水蒸気の注入量を制御することを特徴とする燃料製造装置。
  14. 請求項10または請求項11において、前記廃棄物が魚残渣の場合、前記制御手段は、前記処理容器内の圧力が2.65MPa以上2.95MPa以下で保持されるように前記水蒸気注入手段による高圧水蒸気の注入量を制御することを特徴とする燃料製造装置。
  15. 請求項10または請求項11において、前記廃棄物が泥炭の場合、前記制御手段は、前記処理容器内の圧力が2.55MPa以上2.77MPa以下で保持されるように前記水蒸気注入手段による高圧水蒸気の注入量を制御することを特徴とする燃料製造装置。
  16. 請求項10または請求項11において、前記廃棄物が家畜糞の場合、前記制御手段は、前記処理容器内の圧力が2.15MPa以上3.43MPa以下で保持されるように前記水蒸気注入手段による高圧水蒸気の注入量を制御することを特徴とする燃料製造装置。
  17. 請求項10または請求項11において、前記廃棄物がイカの肝臓(イカゴロ)の場合、前記制御手段は、前記処理容器内の圧力が2.96MPa以上3.22MPa以下で保持されるように前記水蒸気注入手段による高圧水蒸気の注入量を制御することを特徴とする燃料製造装置。
  18. 請求項10または請求項11において、前記廃棄物がホタテ貝の中腸腺(ホタテウロ)の場合、前記制御手段は、前記処理容器内の圧力が2.00MPa以上2.96MPa以下で保持されるように前記水蒸気注入手段による高圧水蒸気の注入量を制御することを特徴とする燃料製造装置。
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