JP6893673B1 - 廃棄物処理システム、廃棄物処理方法およびペレット - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチック類を含む有機性廃棄物から石炭と同等の発熱量を有し、塩素やカリウム等の物質を殆ど含まず、RPFで定められた全塩素分の質量分率における品質区分と同等の品質を有するペレット、かかるペレットを製造可能な廃棄物処理システムおよび廃棄物処理方法を提供すること。【解決手段】本発明の一態様によれば、廃棄物処理システムが提供される。この廃棄物処理システムは、プラスチック類を含む有機性廃棄物を低分子化して処理物を得る亜臨界水処理装置と、亜臨界水処理装置内のガス成分を排出するガス排出機構と、処理物を含むペレット原料を半炭化する半炭化装置と、ペレット原料または半炭化後のペレット原料をペレット化して、ペレットを得るペレット化装置とを有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック類を含む有機性廃棄物から得られた高品質のペレット、上記有機性廃棄物からエネルギー(ペレット)を創造する廃棄物処理システムおよび廃棄物処理方法に関する。特に、本発明は、多岐の分野に渡って利用可能な石炭代替燃料であるペレット、かかるペレットを製造し得る廃棄物処理システムおよび廃棄物処理方法に関する。
今日まで、人類が消費するエネルギーは、そのほとんどが化石燃料を燃焼させるという方法で賄ってきた。これらの方法では、いずれも二酸化炭素や燃焼物を環境中に放出する。
わが国は、国内の温室効果ガスの排出削減および吸収量の確保により、令和12年度に温室効果ガスの排出量を平成25年度におけるそれと比較して26.0%減という削減目標を定めた。その後、COP21においてパリ協定が採択されたことを踏まえ、平成28年5月に地球温暖化対策計画が閣議決定されたところである。
一方、環境省は、廃棄物処理法に基づく「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」を平成28年1月21日に変更した。この方針では、廃棄物エネルギー利用の観点での目標値を設定するとともに、エネルギー源としての廃棄物の有効利用、廃棄物エネルギーの地域における利活用等の取組を進めることとしている。
しかしながら、中小規模な一般廃棄物の処理施設では、ノウハウが蓄積されていないことや、コスト高となること等の観点から、廃棄物エネルギーの利活用が十分に行われていないのが現状である。
廃棄物の固形燃料化の方法としては、廃棄物からRDF(Refuse Derived Fuel)やRPF(Refuse Paper & Plastic Fuel)等の固形燃料を製造する技術がある。
RDFは、可燃性の一般廃棄物を主原料とする固形燃料である。その低位発熱量は、異物の混入が原因で、石炭の概ね2分の1から3分の2程度である。
一方、RPFは、産業廃棄物として分別収集された古紙およびプラスチックを主原料とする固形燃料である。かかるRPFは、その低位発熱量もRDFの低位発熱量より高く、石炭と同等の発熱量を有する。しかしながら、汚れが酷い等により質の低いプラスチックは、RPF化に向いておらず、材料として使用可能なプラスチックは限られている。
RPFの品種および等級は、一般社団法人日本RPF工業会により、RPF−cokeおよびRPFに区分され、さらに、RPF等級は、A、B、Cに区分されている。
RPFの品質は、高位発熱量25MJ/kg以上、全塩素分の質量分率は、A区分:0.3%以下、B区分:0.3%を超え0.6%以下、C区分:0.6%を超え2.0%以下と定められている。
経済産業省、資源エネルギー庁のエネルキ?ー源別標準発熱量・炭素排出係数(2018年度改訂)の解説(2020年1月)において、石炭(輸入無煙炭)の総発熱量(高位発熱量)は、27.80MJ/kgと記されている。
ここで、高位発熱量は、燃料を燃焼した後、温度を燃焼前の温度に戻し、生成する水蒸気が水に変化(凝縮)する分(蒸発熱)のエネルギーも含めた分の発熱量である。一方、高位発熱量から水蒸気の凝縮潜熱を差し引いた発熱量が低位発熱量である。
したがって、プラスチック類を含む有機性廃棄物から石炭と同等の安定した発熱量およびRPFで定められた全塩素分の質量分率における品質区分と同等の品質を有し、かつ、疎水性・耐水性および自然発火防止の安全性に優れ、輸送・貯蔵効率が良好な固形燃料を製造し得る技術開発が必要である。
さらに、「人口減少」および「少子高齢化」の影響は、自治体の廃棄物行政にも大きな影響を投げかけている。すなわち、現在の人口動態に見合った規模の廃棄物の処理施設を将来にわたって維持することは非常に困難である。
また、財政逼迫は、多くの自治体で既に顕在化している。廃棄物の処理施設の必要な更新に関わる初期費用や将来にわたる維持管理費、さらには、解体や撤去に要するコストも非常に高額である。このようなことから、老朽化した処理施設を温存して、問題の先送りを行なっている自治体も少なくない。
また、自治体が現在焼却処理している廃棄物の中には、プラスチック混合物も多く含まれている。かかる廃棄物を単純焼却した場合、その発熱量や有毒ガス等の発生により、炉を傷める要因ともなっている。
一方で、プラスチック系の産業廃棄物は、これまで中国等に輸出されていたが、輸入国自体の環境汚染を引き起こすことから輸入自体が禁止された。しかしながら、日本国内に現存する産業廃棄物の処理施設では、その全量を処理することができないため、大きな社会課題となっている。
自治体は、産業廃棄物の処理に関しては一義的な責任を負っていないものの、その処理に関して協力を求められているという側面も併せ持っている。加えて、プラスチック類を含む可燃性の廃棄物の処理は、二酸化炭素の排出量の増加を助長するため、全世界規模での大きな社会問題となっている。
上記のような産業廃棄物の処理方法は、可燃性の廃棄物を焼却する方法であるが、この焼却に変えて、プラスチック類を含む有機性廃棄物を低分子化および減容化する亜臨界水処理を用いた方法が知られている。
亜臨界水処理は、水の臨界温度以下の高温であり、飽和水蒸気圧以上の高圧である高温かつ高圧下で気体状の亜臨界水に接触させ、これにより、有機性廃棄物を可溶化する方法である。亜臨界水処理では、従来の低分子化処理では分解できなかったパッケージやプラスチック容器をも分解することができる。このため、パッケージされた食品廃棄物やプラスチック容器に収容された食品廃棄物を低分子化する場合であっても、パッケージやプラスチック容器を除去することなく、食品廃棄物とともに可溶化させることができる。
特許第6640268号
しかしながら、このような亜臨界水処理により有機性廃棄物を単に可溶化するだけでは、有機性廃棄物からのエネルギーの生成効率はそれほど高くはなく、実用性を考慮すると未だ問題が残る。
有機性廃棄物を亜臨界水処理した後、得られた処理物をメタン発酵する処理システムが知られている。この処理システムは、装置、貯蔵設備等が大型である。また、生成物(アウトプット)が可燃性ガスであるため、建築基準法、都市計画法、消防法等の現行法規の下では、都市部での社会実装は困難である。
また、有機性廃棄物を亜臨界水処理した後、固液分離装置、乾燥装置、分級装置、成形装置を経て燃料ペレットを製造する処理システムも知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載の処理システムで得られた燃料ペレットは、石炭と同等の安定した発熱量を有さず、塩素やカリウム等の物質も多く含有し、RPFで定められた全塩素分の質量分率における品質区分と同等の品質を有していない。
また、有機性廃棄物は、収集地域、時期により組成(紙・布類、ビニール・合成樹脂・ゴム・皮革類、木・竹・ワラ類、厨芥類、不燃物類、その他)が異なり、亜臨界水処理された処理物の発熱量は変動し易いという問題もある。
本発明では上記事情に鑑み、プラスチック類を含む有機性廃棄物から石炭と同等の発熱量を有し、塩素やカリウム等の物質を殆ど含まず、RPFで定められた全塩素分の質量分率における品質区分と同等の品質を有するペレット、かかるペレットを製造可能な廃棄物処理システムおよび廃棄物処理方法を提供することとした。
本発明の一態様によれば、廃棄物処理システムが提供される。この廃棄物処理システムは、プラスチック類を含む有機性廃棄物を低分子化して処理物を得る亜臨界水処理装置と、亜臨界水処理装置内のガス成分を排出するガス排出機構と、処理物を含むペレット原料を半炭化する半炭化装置と、ペレット原料または半炭化後のペレット原料をペレット化して、ペレットを得るペレット化装置とを有することを特徴とする。
次に記載の各態様で提供されてもよい。
さらに、前記処理物と木質バイオマスとを混合して、これらの混合物を前記ペレット原料として得る混合装置を有する前記廃棄物処理システム。
前記ガス排出機構は、前記亜臨界水処理装置内の前記ガス成分を吸引する吸引装置と、該吸引装置と前記亜臨界水処理装置との間に配置され、前記ガス成分中の微粒子を除去する微粒子除去装置とを備える前記廃棄物処理システム。
さらに、前記ガス排出機構を通過した前記ガス成分を水処理する水処理装置を有する前記廃棄物処理システム。
前記水処理装置は、加圧浮上処理する装置である前記廃棄物処理システム。
さらに、前記亜臨界水処理装置から排出された前記処理物から、固体の異物を除去する異物除去装置を有する前記廃棄物処理システム。
前記半炭化装置は、前記亜臨界水処理装置内の前記処理物に過熱蒸気を供給する過熱蒸気発生装置である前記廃棄物処理システム。
さらに、開放状態の前記亜臨界水処理装置内を減圧する減圧装置と、該減圧装置から排出されたガスを滅菌処理する滅菌処理装置とを有する前記廃棄物処理システム。
さらに、前記ペレットを燃料に用いて発電するペレット発電機を有する前記廃棄物処理システム。
さらに、前記ペレット発電機で発生した電気を用いて、空気から水を作る製水機を有する前記廃棄物処理システム。
当該廃棄物処理システムを構成する要素のうちの少なくとも1つは、移動自在なユニットとして構成されている前記廃棄物処理システム。
前記ユニットは、コンテナ内に収容されている前記廃棄物処理システム。
プラスチック類を含む有機性廃棄物を亜臨界水処理することにより、低分子化して処理物を得る工程と、前記処理物とガス成分とを固気分離する工程と、前記処理物を含むペレット原料を半炭化するとともに、ペレット化して、ペレットを得る工程とを有することを特徴とする廃棄物処理方法。
さらに、前記ペレットを得る工程に先立って、前記処理物と木質バイオマスとを混合して、これらの混合物を前記ペレット原料として得る工程を有する前記廃棄物処理方法。
プラスチック類を含む有機性廃棄物の亜臨界水処理による処理物を含むペレット原料を半炭化かつペレット化してなり、高位発熱量が30MJ/kg以上であることを特徴とするペレット。
JISZ7311:2010で規定される全塩素分の質量分率が0.3%以下である前記ペレット。
前記ペレット原料は、前記処理物と木質バイオマスとを含む前記ペレット。
もちろん、この限りではない。
本発明によれば、プラスチック類を含む有機性廃棄物から石炭と同等の発熱量を有し、塩素やカリウム等の物質を殆ど含まず、RPFで定められた全塩素分の質量分率における品質区分と同等の品質を有するペレットを製造可能である。
本発明の廃棄物処理システムの第1実施形態の全体構成を示す概念図である。 本発明の廃棄物処理システムの第2実施形態の全体構成を示す概念図である。 本発明の廃棄物処理システムの第3実施形態の全体構成を示す概念図である。 本発明の廃棄物処理システムの第4実施形態の全体構成を示す概念図である。 本発明の廃棄物処理システムの第5実施形態の全体構成を示す概念図である。 本発明の廃棄物処理システムにおける亜臨界水処理装置をユニット化した状態を示す概念図である。 本発明の廃棄物処理システムにおける水処理装置の構成を示す概念図である。 本発明の廃棄物処理システムにおけるペレット発電機の構成を示す概念図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。
<第1実施形態>
まず、本発明の廃棄物処理システムの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の廃棄物処理システムの第1実施形態の全体構成を示す概念図である。
図1に示す廃棄物処理システム(プラスチック類を含む有機性廃棄物処理システム)100は、プラスチック類を含む有機性廃棄物1を亜臨界水処理する亜臨界水処理装置2と、高圧ボイラー3とを有している。
高圧ボイラー3は、燃料を燃焼させる燃焼室と、燃焼室内に配置された熱交換器とを備えている。
高圧ボイラー3は、燃焼室内での燃焼で生じた熱を、熱交換器を通過する水に伝えて、高温かつ高圧の水蒸気を発生させる。そして、高圧ボイラー3は、この水蒸気を亜臨界水処理装置2に供給する。
高圧ボイラー3への給水は、水道水を使用するのみならず、消化液を再利用することも可能である。
亜臨界水処理装置2は、圧力容器と、圧力容器内に回転可能に配置され、攪拌翼が取り付けられたシャフトとを備えている。
圧力容器内の有機性廃棄物1は、シャフトが回転に伴って攪拌翼が回転することにより、圧力容器の取出口に向かって搬送されつつ攪拌される。このとき、有機性廃棄物1は、高圧ボイラー3から供給される水蒸気により亜臨界水処理される。
亜臨界水処理とは、水の臨界温度以下の高温であり、かつ、飽和水蒸気圧以上の高圧である高温かつ高圧下で、気体状の亜臨界水を有機性廃棄物1に接触させて低分子化する方法である。この低分子化により、有機性廃棄物1が分解されて処理物が得られる。
気体状の亜臨界水の温度は、180〜230℃程度であることが好ましく、190〜220℃程度であることがより好ましい。また、その圧力は、15〜25気圧程度であることが好ましく、18〜22気圧程度であることがより好ましい。
気体状の亜臨界水の具体的な温度および圧力は、200℃程度、20気圧程度であることが好ましい。
亜臨界水処理における時間は、有機性廃棄物1の種類等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、0.1〜10時間程度であることが好ましく、0.5〜5時間程度であることがより好ましい。
この亜臨界水は、誘電率が15〜45であり、低極性溶媒の誘電率と同等である。このため、多くの有機物を溶解することができる。さらに、亜臨界水は、イオン積が1×10−12〜1×10−11mol/kgであり、水素イオンと水酸化物イオンとに分離する割合が大きく、よって、強い加水分解作用を示す。
なお、室温かつ大気圧下での水の誘電率は、約80であり、温度約25℃かつ大気圧下での水のイオン積は、1×10−14mol/kgである。
また、亜臨界水は、上記のような強い加水分解作用によって、ポリプロピレンやポリエチレン等のプラスチックも分解することができる。このため、通常、嫌気性細菌や好気性細菌では加水分解できない、紙類、ビニール、プラスチック、発泡スチロール、感染性医療廃棄物、化学繊維を含む衣類、パッケージされたままの廃棄食品等も分解して、低分子化することができる。
本発明において低分子化された有機性廃棄物1(処理物)は、その可溶化率が50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。
ここで、可溶化率とは、ペレット加工前の全有機物に対する可溶性有機物の比率であり、数値が高いほど有機物の低分子化が進んでいることを意味する。
有機性廃棄物1の低分子化の具体例としては、炭水化物、タンパク質、脂肪等それぞれの糖類、アミノ酸、高級脂肪酸等への分解が挙げられる。
また、亜臨界水処理装置2での亜臨界水処理は、その性質上バッチ処理となるが、本発明では、数バッチ/日の割合で実施することができる。
亜臨界水処理装置2には、亜臨界水処理装置2内のガス成分を排出するガス排出機構が接続されている。このガス排出機構は、亜臨界水処理装置2側から順に配置された、遠心分離装置(微粒子除去装置)9と真空引き装置(吸引装置)10とで構成されている。
真空引き装置10は、亜臨界水処理装置2内のガス成分を吸引する。このガス成分には、水蒸気等の気体、水蒸気に伴われる水溶性物質等が含まれる。
また、ガス成分には微粒子も含まれており、この微粒子は、真空引き装置10と亜臨界水処理装置2との間に配置された遠心分離装置(微粒子除去装置)9を通過する際に気体と固体とに分離されて除去される。
微粒子除去装置は、気体と固体とに分離可能できればよく、遠心分離装置9に代えて、例えば、フィルター装置、カラム装置、スクラバー装置、吸着装置等で構成することもできる。
亜臨界水処理装置2内のガス成分を吸引することにより、処理物(ペレット原料)の含水率の低減、水溶性物質(塩素やカリウム等)の低減が可能である。これにより、RPFで定められた全塩素分の質量分率における品質区分と同等の品質を有するペレットを得ることができる。
なお、放射性物質により汚染された汚染廃棄物、汚染土壌、汚染された森林資源等を亜臨界水処理した場合には、亜臨界水処理装置2内から排出された比較的半減期の長いセシウム等の放射性物質も除去することができるという利点もある。
真空引き装置10には、水処理装置14が接続されている。この水処理装置14は、真空引き装置10から排出されたガス成分を水処理する装置である。つまり、水処理装置14は、ガス排出機構を通過したガス成分を水処理するものである。
水処理方法は、物理学化学的処理や生物化学的処理に大別され、水質処理の目的や基準に応じて処理方式を選定することができる。
水処理装置14には、加圧浮上処理を行う装置を使用することが好ましい。
図7は、本発明の廃棄物処理システムにおける水処理装置の構成を示す概念図である。
図7に示す水処理装置14は、凝集反応槽60と、浮上槽61と、循環ポンプ62と、加圧水タンク63とを備えている。
真空引き装置10の吸引により、亜臨界水処理装置2内から排出されたガス成分は、凝集反応槽60において凝集剤を添加することにより凝集処理が行われる。
次いで、浮上槽61において、加圧水タンク63からの加圧水を大気圧に戻すことにより生じた空気による大量の微細な気泡を発生させる。微細な気泡を含む水(以下、「微細気泡水」とも記載する。)と浮遊物質を含む水とを混合し、微細な気泡に浮遊物質を捕捉させる。その後、気泡の浮力を利用して浮上させ、浮上した微細な気泡と浮遊物質とを、機械的な掻き取り等により取り除き、その下の部分から清浄な処理水を排出する。
なお、処理水の一部は、循環水として、循環ポンプ62により循環利用が可能である。
また、加圧浮上処理において、微細気泡水は、ファインバブル水とも呼ばれる。かかるファインバブル水を、空気の代わりにCOを用いたCOファインバブル水とし、ガス成分を処理することで、除染効果を高めることができる。
水処理装置14には、減圧装置から排出されたガスを滅菌処理する滅菌・脱臭装置(滅菌処理装置)22が接続されている。減圧装置は、開放状態の亜臨界水処理装置2内を減圧するものである。この滅菌・脱臭装置22は、亜臨界水処理装置2内から排出されたガス成分を水処理後に脱臭し、大気に放出することができる。
滅菌・脱臭装置22は、例えば、吸着フィルター装置等で構成することができる。
なお、水溶性物質等が溶解した処理水は、必要に応じて、希釈した後、排水される。
また、亜臨界水処理装置2には、分級装置(異物除去装置)8が接続されている。この分級装置8は、亜臨界水処理装置2から排出された処理物から、固体の異物を除去する。
分級装置8としては、例えば、トロンメル、篩装置等が挙げられる。中でも、トロンメルを使用することが好ましい。トロンメルを使用すれば、異物の除去のみならず、処理物の均一化を図ることもできる。
本発明において使用する有機性廃棄物1は、一般廃棄物を含むことから、各自治体や企業体における廃棄物の収集状況に応じて、各種の異物が混入することがある。
異物としては、陶器片(セラミックス片)、ビン片(ガラス片)、金属片等が挙げられる。かかる異物を除去することにより、処理物(ペレット原料)の不均一化、発熱量の低下を防ぐことができる。
分級装置8には、固化装置・半炭化装置4が接続されている。また、図示しないが、固化装置・半炭化装置4は、処理物と木質バイオマス5とを混合して、これらの混合物をペレット原料として得る混合装置を備えている。
処理物を含む混合物(ペレット原料)は、処理物を含むペレット原料を半炭化する半炭化装置により半炭化した後、これを固化装置(ペレット化装置)によりペレット化してもよく、この逆であってもよい。ここで、ペレット化装置は、ペレット原料または半炭化後のペレット原料をペレット化して、ペレットを得るものである。
廃棄物は、収集地域、時期により組成が異なり、亜臨界水処理により得られた処理物の発熱量は変動する。この発熱量の変動を補完(調整)すること等を目的として、木質バイオマス5を処理物と混合する。これにより、石炭と同等の安定した発熱量を有し、RPFで定められた全塩素分の質量分率における品質区分と同等の品質を有するペレット(図中、「固形燃料」と記載する。)を極めて短時間で良好に製造することができる。
なお、廃棄物の種類等によっては、処理物のみを使用して、上記品質を有するペレットを製造し得る場合、木質バイオマス5の混合を省略することができる。
本発明に使用可能な木質バイオマス5としては、山から伐採した原木(丸太)を木材(板材、柱材等)に加工する際に発生する端の部分(いわゆる「端材(はざい)」)や丸太の樹皮等の粉砕物および木材を原料とする廃棄紙が挙げられる。
得られるペレットは、燃焼させればCOを発生するが、木質バイオマス5であれば、森林の木々が吸収したCOを大気中に戻すだけでなので、カーボンニュートラルである。したがって、本発明で得られるペレットのような「バイオマスエネルギー燃料」は、エコロジーな燃料と言える。
なお、本発明で得られるペレットは、目的の装置(例えば、後述するペレット発電機6)の燃料として好適に使用できれば、そのサイズ、形状等は、特に限定されるものではない。
また、本発明のように半炭化により得られたペレットは、含水率および揮発性の有機成分の含有率が抑制されるとともに、純度の高い炭化物で構成される。したがって、ペレットは、その発熱量が増大し、自然環境での耐久性および保存安定性に優れる。
半炭化装置による半炭化処理は、酸素濃度が低い雰囲気中で、ペレット原料に対して熱処理することにより行われる。
熱処理の温度は、200〜700℃程度であることが好ましく、200〜300℃程度であることがより好ましい。また、熱処理の時間は、1〜24時間程度であることが好ましく、1〜3時間程度であることがより好ましい。
かかる条件で半炭化処理を行うことにより、ペレット原料を確実に半炭化状態とすることができる。
ここで、半炭化状態とは、ペレット原料の半分程度が炭化物に変換された状態を言う。
固化装置には、例えば、ストランド方式の押出機、ホットカット方式の押出機等を使用することができる。
また、本実施形態では、廃棄物処理システム100を構成する要素のうちの少なくとも1つは、移動自在なユニットとして構成されている。
図6は、本発明の廃棄物処理システムにおける亜臨界水処理装置をユニット化した状態を示す概念図である。
図6では、亜臨界水処理装置2がコンテナ40内に収容され、大型車両41に積載されている。つまり、図6の例では、ユニットは、コンテナ内40に収容されている。なお、図中のMは、モーターを表し、その回転力により亜臨界水処理装置2内で有機性廃棄物1を移送又は攪拌する。
このようにコンテナ40内に収容された亜臨界水処理装置2は、廃棄物処理システム100の他の構成要素から切り離され、コンテナ40ごと容易に移動が可能となる。
また、前述および後述する廃棄物処理システム100の他の構成要素についても、同様にそれぞれコンテナ内に収容され、容易に移動可能な態様とすることができる。
この場合、有機性廃棄物1を処理する地域に応じて、廃棄物処理システム100を搬送し、一時的に組み立ておよび設置することができるため、都市部での社会実装が可能となる。また、処理後には、廃棄物処理システム100を分解および搬出することができる。
さらに、図6に示す亜臨界水処理装置2の運転は、概ね2時間の運転時間でのバッチ処理とすることができる。
このため、車両搭載の亜臨界水処理装置2は、複数の場所に、ほぼ固定的に配置された固化装置・半炭化装置4以降の設備を求めて、巡回することが可能であり、大幅な初期設備投資の削減に寄与する。
廃棄物処理システム100は、AI処理15を実行可能に構成することができる。
AI処理15は、廃棄物処理システム100に使用される装置群に、センサーを設置することにより、各種データ(温度、圧力、流量、バルブ開閉度、電力量、水道量等)を収集および蓄積することができる。
そして、AI処理15は、蓄積されたデータに基づいて、AIを活用した統合アルゴリズムにより、各装置群の運転タイミングおよび時間の最適化かつ効率化が可能である。
次に、以上のような廃棄物処理システム100の使用方法(本発明の廃棄物処理方法)について説明する。
[1] まず、亜臨界水処理装置2内に、被処理物として、プラスチック類を含む有機性廃棄物1を投入する。
[2] 次に、高圧ボイラー3で高温かつ高圧の水蒸気を発生させ、亜臨界水処理装置2内に供給する。
このとき、亜臨界水処理装置2内では、有機性廃棄物1が高温かつ高圧の水蒸気(気体状の亜臨界水)と接触し、その高い加水分解作用により低分子化されて、処理物が生成する。つまり、この工程では、プラスチック類を含む有機性廃棄物を亜臨界水処理される。
[3] このとき、亜臨界水処理装置2内のガス成分は、真空引き装置10により排出(処理物に対して固気分離)されており、ガス成分に含まれる微粒子は、遠心分離装置9を通過する際に除去される。つまり、この工程では、処理物とガス成分とを固気分離する。
[4] 次に、真空引き装置10から排出されたガス成分は、水処理装置14により水処理される。
水処理装置14から排出されたガス成分は、滅菌・脱臭装置22を通過させた後、大気に放出される。また、処理水は、必要に応じて希釈した後、排水される。
[5] 一方、亜臨界水処理装置2内の処理物は、取出口から排出され、分級装置8に供給される。分級装置8では、処理物に混入する固体の異物が除去される。
[6] 次に、処理物は、固化装置・半炭化装置4に供給され、まず、木質バイオマス5と混合され、混合物(処理物を含むペレット原料)が得られる。つまり、この工程では、ペレットを得る工程に先立って、処理物と木質バイオマスとを混合して、これらの混合物をペレット原料として得る。すなわち、ペレット原料は、処理物と木質バイオマスとを含む。
[7] 次に、この混合物は、半炭化装置により半炭化され、固化装置によりペレット化される。以上のような工程を経て、ペレット(「ブラックペレット」とも呼ばれる。)が得られる。つまり、この工程では、処理物を含むペレット原料を半炭化するとともに、ペレット化して、ペレットを得る。
<第2実施形態>
次に、本発明の廃棄物処理システムの第2実施形態について説明する。
以下、第2実施形態の廃棄物処理システムについて、第1実施形態の廃棄物処理システムとの相違点について説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図2は、本発明の廃棄物処理システムの第2実施形態の全体構成を示す概念図である。
図2に示す廃棄物処理システム200は、主に、ペレットを燃料に用いて発電するペレット発電機6およびペレット発電機6で発生した電気を用いて、空気から水を作る製水機7が追加されていること以外は、廃棄物処理システム100と同様である。
第2実施形態では、固化装置・半炭化装置4で製造されたペレット(固形燃料)は、ペレット発電機6における発電の燃料として使用される。
ここで、ペレット発電機6における補助的な燃料としてLPガスを用いてもよい。
ペレット発電機6は、ペレットを燃料とする機構を有している。図8は、本発明の廃棄物処理システムにおけるペレット発電機の構成を示す概念図である。
図8に示すペレット発電機6は、燃料供給装置81、ガス化装置82、灰排出装置83、ガス冷却装置84、ガスフィルター85、ガスエンジン86および発電機87から構成されている。
ペレット発電機6では、まず、最上流に配置されている燃料供給装置81により、ペレットをガス化装置82内に搬送する。このガス化装置82は、気化機能を有しており、搬送されたペレットを気化する。この際、気化されなかった成分は、灰排出装置83により外部に排出される。
次いで、ガス化装置82において気化されたガス成分は、ガス冷却装置84に移送され、冷却される。
冷却されたガス成分は、ガスフィルター85を通して不要な成分を除去し、下流側に設置されているガスエンジン86に移送される。このガスエンジン86は、ガス冷却装置84で冷却されたガス成分を燃料として稼働し、この動力により発電機87を作動させる。
このようにして、発電機87において電気が発電される。なお、上述したように、この発電の補助的な燃料としてLPガスを用いてもよい。
なお、電気は、一旦、図示しない蓄電池、蓄電設備、次世代自動車等に充電してもよい。
得られた電気は、製水機(空気から水を作る製水機)7に利用されて水の製造を行うとともに、小規模発電設備として地域の良好なエネルギー源として供給することができる。
この製水機7には、例えば、日本イスラエル総合研究所/商品名「Watergen」の型番;GEN−350(能力:900L/Day)または型番;GENNY(能力:27L/Day)、(株)アクアム社/商品名「エコブルー」の型番;30sME/30JP(能力:10〜15L/Day)等を使用することができる。
また、廃棄物処理システム200によれば、これを導入した自治体、企業体周辺のコミュニティの電力の需給バランスを最適化することができる。
特に、廃棄物処理システム200を、小規模発電設備として地域の良好なエネルギー源として機能させるとともに、AI処理(新たな情報技術)15により、大規模な発電所の代わりに、家庭、ビル、工場等の点在する複数の小規模な発電設備や蓄電設備をまとめて集約し、遠隔制御することで1つの発電所のように機能させることも可能である。
<第3実施形態>
次に、本発明の廃棄物処理システムの第3実施形態について説明する。
以下、第3実施形態の廃棄物処理システムについて、第1実施形態の廃棄物処理システムとの相違点について説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図3は、本発明の廃棄物処理システムの第3実施形態の全体構成を示す概念図である。
図3に示す廃棄物処理システム300は、感染性廃棄物の処理が可能であること以外は、廃棄物処理システム100と同様である。
廃棄物処理システム300では、亜臨界水処理装置2と滅菌・脱臭装置22とを接続するラインの途中に、開放状態の亜臨界水処理装置2内を減圧する減圧装置(図示せず。)が配置されている。
ここで、医療行為に伴い発生する医療廃棄物(廃棄物処理法上、「感染性廃棄物」)は、患者の持つ病原体と接触している可能性があり、生物学的な危険に属するリスクを併せ持つ。
第3実施形態の廃棄物処理システム300によれば、かかる感染性廃棄物を処理する場合でも、これを亜臨界水処理装置2内へ投入する作業時に、減圧装置を稼働させれば、病原体の周囲環境への飛散を防止することができる。
また、亜臨界水処理装置2内で感染性廃棄物に曝露された空気は、減圧装置に排気された後、滅菌・脱臭装置22に供給され、滅菌処理される。
滅菌・脱臭装置22を吸着フィルターで構成する場合、滅菌効果を十分に高めるため、好ましくは150〜250℃程度に加熱される。
以上の構成により、作業者の感染リスクを低減しつつ、感染性廃棄物の亜臨界水処理装置2内への投入作業を円滑に行うことができる。
また、従来の感染性廃棄物等に対する小型の焼却処理装置は、タイオキシン類の規制強化により,その使用が困難になってきている。
また、感染性廃棄物の処理は,医療関係機関等の施設内で実施することが原則であり、感染性廃棄物が発生した場所で、速やかに処理することが理想である。
第3実施形態の廃棄物処理システム300によれば、上記要求を満足することができるため好適である。
<第4実施形態>
次に、本発明の廃棄物処理システムの第4実施形態について説明する。
以下、第4実施形態の廃棄物処理システムについて、第1実施形態の廃棄物処理システムとの相違点について説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図4は、本発明の廃棄物処理システムの第4実施形態の全体構成を示す概念図である。
図4に示す廃棄物処理システム400は、半炭化装置の構成が異なること以外は、廃棄物処理システム100と同様である。
本実施形態では、半炭化装置は、亜臨界水処理装置内の処理物に過熱蒸気を供給する過熱蒸気発生装置20で構成されている。具体的には、半炭化装置は、高圧ボイラー3に接続され、比較的低圧で高温の蒸気(過熱蒸気)を発生させる過熱蒸気発生装置20で構成されている。
このため、本実施形態では、固化装置・半炭化装置4に代えて、分級装置8に接続された固化装置21を有している。
高圧ボイラー3からの蒸気を、過熱蒸気発生装置20により過熱蒸気に変換して、亜臨界水処理装置2内へ供給する。これにより、投入した有機性廃棄物1を亜臨界水処理装置2内に封じ込めたまま半炭化することができる。このため、処理工程のプロセスの簡略化、廃棄物処理システム400の小型化が可能となる。
なお、過熱蒸気の温度は、200〜800℃程度であることが好ましく、500〜700℃程度であることがより好ましい。また、過熱蒸気の圧力は、大気圧程度であることがより好ましい。
また、過熱蒸気による処理時間は、1〜24時間程度であることが好ましく、1〜3時間程度であることがより好ましい。
以上の条件で半炭化処理を行うことにより、ペレット原料を確実に半炭化状態とすることができる。
なお、過熱蒸気発生装置20は、亜臨界水処理装置2内に配置しても、亜臨界水処理装置2外に配置してもよい。
<第5実施形態>
次に、本発明の廃棄物処理システムの第5実施形態について説明する。
以下、第5実施形態の廃棄物処理システムについて、第1実施形態の廃棄物処理システムとの相違点について説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図5は、本発明の廃棄物処理システムの第5実施形態の全体構成を示す概念図である。
図5に示す廃棄物処理システム500は、高圧ボイラー3に代えて、低圧ボイラー31および蒸気コンプレッサ30が使用されること以外は、廃棄物処理システム100と同様である。
低圧ボイラー31は、供給された水を水蒸気に変換し、蒸気コンプレッサ30を経由することにより加圧され、この状態で亜臨界水処理装置2内へ供給することができる。
かかる構成によれば、廃棄物処理システム500全体での高圧かつ高温部位の削減が可能となり、廃棄物処理システム500の小型化が可能である。
特に、低圧ボイラー31は、高圧ボイラー3より高さを低く設計することができるため、車載に好適である。
本発明のペレットは、プラスチック類を含む有機性廃棄物の亜臨界水処理による処理物を含むペレット原料を半炭化かつペレット化してなる。なお、ペレット原料は、目的とするペレットの品質に応じて、処理物と木質バイオマスとを含む。
かかるペレットは、その高位発熱量が25MJ/kg以上であり、27MJ/kg以上であることが好ましい。ペレットの高位発熱量の上限値は、通常40MJ/kgである。なお、ペレットの発熱量は、木質バイオマスの添加量を変更することにより調整可能である。
また、ペレットは、JIS Z 7311:2010で規定される全塩素分の質量分率が0.3%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましい。全塩素分の質量分率の下限値は、通常0.01%である。
かかる条件を満たすペレットは、石炭と同等の発熱量を有し、RPFで定められた全塩素分の質量分率における品質区分と同等の高い品質を有すると考えることができる。
以上、本発明の廃棄物処理システム、廃棄物処理方法およびペレットについて説明したが、本発明は、上述した実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、本発明の廃棄物処理システムおよびペレットは、それぞれ、上述した実施形態の構成において、他の任意の構成を追加してもよいし、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてよい。
また、本発明の廃棄物処理方法は、上述した実施形態の構成において、他の任意の工程を追加してもよいし、同様の機能を発揮する任意の工程と置換されていてよい。
さらに、本発明の廃棄物処理システムおよび廃棄物処理方法は、それぞれ上記第1〜第5実施形態の任意の構成を組み合わせるようにしてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.ペレットの製造
(実施例1)
図1に示す廃棄物処理システムを使用して、プラスチック類を含む有機性廃棄物からペレットを製造した。
なお、亜臨界水処理において、亜臨界水の温度を約200℃、圧力を約20気圧に設定し、処理時間を2時間とした。
(実施例2)
図4に示す廃棄物処理システムを使用して、実施例1と同様の組成のプラスチック類を含む有機性廃棄物から、実施例1と同様にしてペレットを製造した。
(実施例3)
図5に示す廃棄物処理システムを使用して、実施例1と同様の組成のプラスチック類を含む有機性廃棄物から、実施例1と同様にしてペレットを製造した。
(実施例4)
木質バイオマスの混合を省略した以外は、実施例1と同様の組成のプラスチック類を含む有機性廃棄物から、実施例1と同様にしてペレットを製造した。
(比較例1)
半炭化装置を省略した図1に示す廃棄物処理システムを使用して、実施例1と同様の組成のプラスチック類を含む有機性廃棄物から、実施例1と同様にしてペレットを製造した。
(比較例2)
遠心分離装置および真空引き装置を省略した図1に示す廃棄物処理システムを使用して、実施例1と同様の組成のプラスチック類を含む有機性廃棄物から、実施例1と同様にしてペレットを製造した。
2.測定
各実施例および比較例得られたペレットについて、JIS Z 7311:2010「廃棄物由来の紙,プラスチックなど固形化燃料(RPF)」に規定の方法に従って、高位発熱量および全塩素分の質量分率を測定した。
この結果を、以下の表1に示す。
Figure 0006893673
1 :有機性廃棄物
2 :亜臨界水処理装置
3 :高圧ボイラー
4 :半炭化装置
5 :木質バイオマス
6 :ペレット発電機
7 :製水機
8 :分級装置
9 :遠心分離装置
10 :真空引き装置
14 :水処理装置
15 :AI処理
20 :過熱蒸気発生装置
21 :固化装置
22 :脱臭装置
30 :蒸気コンプレッサ
31 :低圧ボイラー
40 :コンテナ
41 :大型車両
60 :凝集反応槽
61 :浮上槽
62 :循環ポンプ
63 :加圧水タンク
81 :燃料供給装置
82 :ガス化装置
83 :灰排出装置
84 :ガス冷却装置
85 :ガスフィルター
86 :ガスエンジン
87 :発電機
100 :廃棄物処理システム
200 :廃棄物処理システム
300 :廃棄物処理システム
400 :廃棄物処理システム
500 :廃棄物処理システム

Claims (15)

  1. プラスチック類を含む有機性廃棄物を低分子化して処理物を得る亜臨界水処理装置と、
    前記亜臨界水処理装置内のガス成分を排出するガス排出機構と、
    前記処理物と木質バイオマスとを混合して、これらの混合物をペレット原料として得る混合装置と、
    記ペレット原料を半炭化する半炭化装置と、
    前記ペレット原料または半炭化後の前記ペレット原料をペレット化して、ペレットを得るペレット化装置とを有することを特徴とする廃棄物処理システム。
  2. 前記亜臨界水処理装置において、前記有機性廃棄物の低分子化を、温度180〜220℃、圧力15〜25気圧の条件で行う請求項1に記載の廃棄物処理システム。
  3. 前記ガス排出機構は、前記亜臨界水処理装置内の前記ガス成分を吸引する吸引装置と、該吸引装置と前記亜臨界水処理装置との間に配置され、前記ガス成分中の微粒子を除去する微粒子除去装置とを備える請求項1または請求項2に記載の廃棄物処理システム。
  4. さらに、前記ガス排出機構を通過した前記ガス成分を水処理する水処理装置を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の廃棄物処理システム。
  5. 前記水処理装置は、加圧浮上処理する装置である請求項4に記載の廃棄物処理システム。
  6. さらに、前記亜臨界水処理装置から排出された前記処理物から、固体の異物を除去する異物除去装置を有する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の廃棄物処理システム。
  7. さらに、開放状態の前記亜臨界水処理装置内を減圧する減圧装置と、
    該減圧装置から排出されたガスを滅菌処理する滅菌処理装置とを有する請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の廃棄物処理システム。
  8. さらに、前記ペレットを燃料に用いて発電するペレット発電機を有する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の廃棄物処理システム。
  9. さらに、前記ペレット発電機で発生した電気を用いて、空気から水を作る製水機を有する請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の廃棄物処理システム。
  10. 当該廃棄物処理システムを構成する要素のうちの少なくとも1つは、移動自在なユニットとして構成されている請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の廃棄物処理システム。
  11. 前記ユニットは、コンテナ内に収容されている請求項10に記載の廃棄物処理システム。
  12. プラスチック類を含む有機性廃棄物を亜臨界水処理することにより、低分子化して処理物を得る工程と、
    前記処理物とガス成分とを固気分離する工程と、
    前記処理物と木質バイオマスとを混合して、これらの混合物をペレット原料として得る工程と、
    記ペレット原料を半炭化するとともに、ペレット化して、ペレットを得る工程とを有することを特徴とするペレットの製造方法
  13. 前記亜臨界水処理により前記処理物を得る工程において、前記有機性廃棄物の低分子化を、温度180〜220℃、圧力15〜25気圧の条件で行う請求項12に記載のペレットの製造方法
  14. 前記ペレットは、その高位発熱量が25MJ/kg以上である請求項12または請求項13に記載のペレットの製造方法
  15. 前記ペレットは、そのJIS Z 7311:2010で規定される全塩素分の質量分率が0.3%以下である請求項12〜請求項14の何れか1つに記載のペレットの製造方法
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