JP2020183494A - バイオマス固形燃料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バインダーにかかるコストを抑えることができ、かつ優れた圧壊強度を有するバイオマス固形燃料の製造方法を提供すること。【解決手段】植物由来バイオマスからバイオマス固形燃料を製造する方法であって、植物由来バイオマス中に含有されているリグニンが前記バイオマスの表面まで析出するように、前記バイオマスを半炭化処理する工程、および半炭化処理された前記バイオマスを成型加工する工程を含む、バイオマス固形燃料の製造方法。【選択図】図5

Description

本発明は、植物由来バイオマスからバイオマス固形燃料を製造する方法に関する。
バイオマスは、原料、燃料として利用できる生物起源の有機物である。例えば、木材、乾燥草木、農産廃棄物、畜産廃棄物、食品・飲料廃棄物、生物学的廃水処理設備や下水処理場における初沈汚泥、余剰汚泥などの有機性汚泥やその脱水汚泥などがこれに該当する。
近年では、石油や石炭などの代替燃料または一部代替燃料として、上記のようなバイオマスを用いた燃料の利用促進が図られている。このようなバイオマスを燃料化する方法としては、バイオマスを加熱したり加圧したりして炭化させ、造粒・成型して燃料化するなどが知られている。
例えば、バイオマスを高温で分解し、得られた固形炭化物を微粉砕し、バインダーを添加して加圧成型により造粒することによって製造されるバイオマスコークスが知られている(特許文献1)。さらに、繊維質の強いバイオマスの粉粒体をバインダーと混合し、混合物を加熱圧縮成型することによって得ることができる固体燃料も報告されている(特許文献2)。また、石炭火力発電設備で利用可能な代替燃料または一部代替燃料について、植物系バイオマスファイバーを粉砕後、加熱により半炭化処理し、その後加圧成型して製造することができるバイオマス固形燃料もある(特許文献3)。
特開2006−282914号公報 特開2014−24934号公報 特開2015−229751号公報
前述したように、一般的に、バイオマス固形燃料の製造の際に、炭化物の成型後などの強度を確保するために、バインダーなどの添加剤が使用されることが多い(特許文献1および特許文献2)。バインダーを添加することによって炭化物の接合強度が向上し、その結果、成型加工後に製造されるバイオマス固形燃料の成型物は十分な圧壊強度を有することができる。バインダーはバイオマス原料以外の添加剤であるので、バイオマス固形燃料が十分な圧壊強度を有するようにバインダーを適切に存在させるためには、過剰量のバインダーが必要とされる。しかしながら、バインダーは高価であるため、コストが嵩む要因となる。これらの理由から、バインダーを使用しなくてもよいバイオマス固形燃料の製造方法が望まれる。
特許文献3には、半炭化されたバイオマスに含まれるリグニンを加圧成型時のバインダーとして機能させることにより、成型性が良好でかさ密度の高いバイオマス固形燃料を容易に製造することができると報告されている。
しかしながら、特許文献3に記載されている半炭化バイオマスは、バイオマスの水分がほぼ無くなるまで乾燥炭化装置などで加熱され、その後の成型時に必要に応じて水などが添加されている。このような方法で製造されたバイオマス固体燃料の成型物において、リグニンをバインダーの代替として適切に機能させることは実質上困難と考えられる。その理由は、次の通りである。リグニンは一般的にバイオマスの内部においてセルロースに絡まるように存在していることが知られている。前述の方法によって、そのような状態のリグニンが加熱および炭化された場合、リグニンは依然としてバイオマスの炭化物の内部に存在したままの状態にあると想定される。そのような状態のリグニンでは、バイオマス固形燃料の成型時に、バインダーのように十分な接合特性を発揮させることは難しいと考えられる。同様に、そのような炭化物を成型してバイオマス固形燃料を製造した場合でも、リグニンが炭化物の内部に存在しているため、バイオマス固形燃料は十分な圧壊強度を得ることができないと考えられる。
そこで、本発明は、バインダーにかかるコストを抑えることができ、かつ優れた圧壊強度を有するバイオマス固形燃料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ね、下記構成によって上記課題が解決できることを見出した。
すなわち、本発明の一局面に係るバイオマス固形燃料の製造方法は、植物由来バイオマスからバイオマス固形燃料を製造する方法であって、植物由来バイオマス中に含有されているリグニンが前記バイオマスの表面まで析出するように、前記バイオマスを半炭化処理する工程、および半炭化処理された前記バイオマスを成型加工する工程を含むことを特徴とする。
前記半炭化処理は、水熱半炭化処理および水蒸気半炭化処理のうちの1以上であることが好ましい。
また、前記バイオマスを半炭化処理する工程の前に、植物由来バイオマスを粉砕する工程をさらに含むことが好ましい。
本発明によれば、バインダーにかかるコストを抑えることができ、かつ優れた圧壊強度を有するバイオマス固形燃料の製造方法を提供することができる。さらに、このように製造されたバイオマス固形燃料を石炭、特に火力発電所で使用される石炭の代替燃料または一部代替燃料として既設の発電設備で利用することによって、CO削減、発電効率向上、新規設備のためのコスト削減などに貢献することができる。
図1は、実施例における実施例1の成型前粉体炭化物表面(左)および成型物断面(右)を示すSEM画像である。 図2は、実施例における実施例2の成型前粉体炭化物表面(左)および成型物断面(右)を示すSEM画像である。 図3は、実施例における比較例1の成型前粉砕物表面(左)および成型物断面(右)を示すSEM画像である。 図4は、実施例における比較例2の成型前粉体炭化物表面(左)および成型物断面(右)を示すSEM画像である。 図5は、実施例における実施例1〜2と比較例1〜2のタブレット状サンプル成型物の圧壊強度の評価を示すグラフである。
前述したように、従来の方法で製造されるバイオマス固形燃料は、多量のバインダーが添加されていなければ、接合強度が小さく、かつ十分な圧壊強度を有し得ない。さらに、バイオマス固形燃料の製造の際に、バイオマス中に含有されているリグニンをバインダーの代替としてそのまま機能させることは困難である。
そこで、本発明者らは、植物由来バイオマス中に含有されているリグニンをバイオマスの表面まで析出するように該バイオマスを半炭化処理することが、優れた圧壊強度を有するバイオマス固形燃料の製造に繋がることを見出した。
そして、当該知見に基づいてさらに研究を重ね、本発明に至った。すなわち、本発明では、植物由来バイオマス中に含有されているリグニンが該バイオマスの表面まで析出するような所定の方法を用いて、バイオマスを半炭化処理する工程、および半炭化処理されたバイオマスを成型加工する工程を含むことを特徴とする。
それにより、バインダーを添加しなくてもバイオマスの炭化物の接合強度が向上し、なおかつ優れた圧壊強度を有するバイオマス固形燃料の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態についてより具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
(植物由来バイオマス原料)
本発明の実施形態に用いられる植物由来バイオマスについては、リグニンを含有する植物由来バイオマスであれば特に限定されない。植物由来バイオマスとは、植物由来の有機物資源をいい、木材、乾燥草木、農業系や林業系の廃棄物が含まれる。当該バイオマスは典型的にはセルロース、ヘミセルロースおよびリグニンを主成分とする。
具体的には、例えば、間伐材、剪定枝、廃材、樹皮チップ、その他の木材、竹、草、やし殻、パームオイル残渣(EFB:Empty Fruit Bunch)、過剰生産による廃棄野菜、野菜クズ、カット野菜、果実、おが屑、麦わら、稲わら、籾殻などを挙げることができる。これらの植物由来バイオマスの中でも、資源量が豊富であるという観点から、木質系バイオマス、EFBなどを用いることが好ましい。
(半炭化処理前の粉砕工程)
本発明の実施形態のバイオマス固形燃料の製造方法では、好ましくは、前処理工程として、植物由来バイオマスを半炭化処理する工程の前に、該バイオマスを粉砕する工程を含む。
半炭化処理前に原材料の植物由来バイオマスの粉砕工程を含むことによって、後述する半炭化処理を行う容器、時間などに応じた適切なバイオマスの形状および大きさに適宜調整して、効率的に半炭化処理を行うことができる。例えば、大規模な火力発電所の石炭の代替燃料としてバイオマス固形燃料を製造する際、粉砕によりバイオマスの形状および大きさを概ね均等にそろえることによって、大量のバイオマスを効率的に半炭化処理することができるため好ましい。その結果、大幅なコスト低下も見込める。
半炭化処理前の粉砕後のバイオマスの大きさおよび形状などは、半炭化処理に供することが可能であり、かつ半炭化処理によって該バイオマス表面にリグニンが析出可能であれば、特に限定されない。例えば、粉砕後のバイオマスの形状は、略球形状、破砕物形状、扁平形状などが挙げられる。また、例えば、半炭化処理前の粉砕後のバイオマスの大きさ、詳細には粒径(例えばふるい分けによる最大粒径)、長手方向または短手方向の長さ、厚さなどは、後述する半炭化処理の具体的な方法に合わせて適宜調整すればよい。
原材料の植物由来バイオマスからの粉砕は、当業者に公知の粉砕手段や粉砕装置を用いればよく、特に限定されない。例えば、カッターミル、クラッシャー、ブレンダーミルなどを用いて粉砕することができる。
(半炭化処理工程)
本発明の実施形態のバイオマス固形燃料の製造方法では、まず、植物由来バイオマス中に含有されているリグニンが該バイオマスの表面まで析出するように、バイオマスを半炭化処理する。バイオマスは前述の半炭化処理前の粉砕工程で粉砕されたバイオマスでもよく、または最初から適当な大きさおよび形状となっているバイオマス、例えば市販のバイオマスを用いてもよい。
半炭化処理前のバイオマスの大きさおよび形状などは、前述の半炭化処理前の粉砕工程で記載したように、半炭化処理に供することが可能であり、かつ半炭化処理によって該バイオマス表面にリグニンが析出可能であれば、特に限定されない。例えば、半炭化処理前のバイオマスの大きさ、詳細には粒径(例えばふるい分けによる最大粒径)、長手方向または短手方向の長さ、厚さなどは、半炭化処理の具体的な方法に合わせて適宜調整すればよい。また、例えば、前述の半炭化処理前の粉砕工程で記載したように、バイオマスの形状は、略球形状、破砕物形状、扁平形状などである。
半炭化処理としては、植物由来バイオマス中に含有されているリグニンが該バイオマスの表面まで析出する処理であれば、どのような処理でもかまわない。1例として、湿式半炭化処理が利用される。
湿式半炭化処理とは、バイオマスに水分を付与しながら加熱し、該バイオマスが半炭化可能な任意の処理を意味する。バイオマスに水分を付与しながら加熱する方法は、特に限定されることはないが、例えば、水(例えば熱水)、水蒸気などと共に容器中で加熱することにより可能である。半炭化のためのバイオマスの加熱は、例えばオートクレーブなどを用い、適宜半炭化のための温度プログラムを設定して行うことができる。
ここでいう半炭化とは、原料であるバイオマスが完全に炭化して炭となる前に加熱を停止し、炭化物となる反応をいう。
例えば、湿式半炭化処理としては、水熱半炭化処理および水蒸気半炭化処理などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、水熱半炭化処理である。
水熱半炭化処理の場合、例えば、処理容器にバイオマスと水とを1:10〜15程度の割合で投入し(バイオマスは絶乾質量)、不活性雰囲気(窒素ガス、COガスなど)下にて、160℃以上250℃以下の熱水中で行うことが好ましい。より好ましい処理温度は、180℃以上220℃以下である。また、水熱半炭化処理時間は、10分以上60分以下程度の範囲内であることが好ましい。
あるいは、水蒸気半炭化処理の場合、例えば、処理容器にバイオマスと水とを1:2〜5程度の割合で投入し、不活性雰囲気(窒素ガス、COガスなど)下にて、160℃以上250℃以下の飽和水蒸気中で行うことが好ましい。より好ましい処理温度は、180℃以上220℃以下である。また、水蒸気半炭化処理時間は、10分以上60分以下程度の範囲内であることが好ましい。
これらの処理中の処理容器内における圧力は、例えばバイオマスと水との割合、処理温度、処理時間などの条件に応じて、適宜設定するか、または常圧とすることが可能である。
このような水熱半炭化処理および水蒸気半炭化処理などの湿式半炭化処理を利用することによって、比較的簡易な操作で半炭化処理を実施することができ、かつリグニンをバイオマスの表面に適切に析出させることができる。
上述してきたような半炭化処理することによって、半炭化処理後のバイオマスの炭化物の表面においてリグニンが析出した状態、好ましくは表面をコーティングした状態になると考えられる。このような状態になることによって、表面に存在するリグニンの特性のために、半炭化処理後のバイオマスの炭化物の接合強度は向上し、かつ該炭化物そのものの圧壊強度もリグニンが内部に存在する場合と比較してより優れると想定される。
特に、半炭化処理後のバイオマスの炭化物のより広い範囲における表面が析出したリグニンでコーティングされることによって、接合強度および圧壊強度の顕著な向上に繋がると考えられる。炭化物のより広い範囲をリグリンでコーティングするには、例えば、半炭化処理前のバイオマスの大きさおよび形状などに応じて半炭化処理の加熱時間および加熱温度などの具体的な条件を適宜調整することで可能と想定される。
加えて、このような半炭化処理によってリグニンをバイオマスの炭化物の表面まで析出させた後、例えば従来の乾式半炭化処理をさらに行ってもよい。
半炭化処理後の炭化物の接合強度および圧壊強度が向上することによって、後述する成型加工を経て製造されるバイオマス固形燃料の成型物も、接合強度が著しく向上し、それに伴い優れた圧壊強度を有することができる。
(成型加工工程)
本発明の実施形態のバイオマス固形燃料の製造方法では、次いで、前述の工程で半炭化されたバイオマスを成型加工する。
前述したように、成型加工前の半炭化処理後のバイオマスの炭化物はその表面にリグニンが析出している。そのため、半炭化処理後のバイオマスの炭化物を成型加工することにより製造される成型物は、表面におけるリグニンの接合特性のために、強く接合しており、かつ優れた圧壊強度を有する。
成型方法および成型条件などは、成型加工前の半炭化処理後のバイオマスの炭化物の大きさおよび形状ならびに所望する成型物などに応じて、当業者に公知の方法や条件をそのまま、または改変して、適宜選択することができる。例えば、成型加工は、加圧(または圧縮)成型加工などで行うことができる。半炭化処理後のバイオマスの炭化物を加圧成型加工することによって、より優れた圧壊強度を有するバイオマス固形燃料の成型物を製造することができる。
ここで、前述の半炭化処理工程の前後において、半炭化処理前のバイオマスと半炭化処理後のバイオマスの大きさに大きな変化は通常生じない。ただし、必要に応じて成型加工工程の前に、半炭化処理されたバイオマスの炭化物を粉砕する工程をさらに含んでもよい。この工程を含むことによって、半炭化処理後のバイオマスの炭化物を、種々の形状のバイオマス固形燃料の成型物により加工しやすくなる場合がある。
(バイオマス固形燃料)
前述してきた工程で得られる成型物であるバイオマス固形燃料は、優れた圧壊強度を有しているため、様々な場面において用いることができる。特に、火力発電所で石炭の代替燃料または一部代替燃料として既設の発電設備で利用することによって、CO削減、発電効率向上、新規設備のためのコスト削減などに貢献することができる。
以下では、本発明を、実施例を用いてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されない。
(実施例1)
バイオマス原料のアカシアをブレンダーミルで粉砕し、ふるいにかけて、5mmアンダーのアカシアチップのサンプルを準備した。アカシアチップのサンプルを、200℃の熱水中で、最終温度200℃、60分間の温度プログラムにおいて、水熱半炭化処理(水/バイオマスサンプル=8164/500(質量基準))した。得られた炭化物を室温まで冷却後、さらに常温において24時間減圧で乾燥させた。乾燥させた炭化物の成型は、卓上型のタブレット成型機を用いて行った。具体的には、得られた粉体炭化物5gを、内部空間が直径30mmの円柱形状の金型に充填し、2.97t/cmの圧力でパンチを押して、厚さ8mm、直径30mmのタブレット状サンプル成型物を得た。
(実施例2)
実施例1と同様の手順で、水熱半炭化処理後の乾燥させた炭化物を得た。その後、得られた炭化物を、窒素ガス下で、最終温度250℃、60分間の温度プログラムにおいて、乾式半炭化処理した。その後、得られた炭化物を室温まで冷却した。最後に、実施例1と同様の手順で、タブレット状サンプル成型物を得た。
(比較例1)
バイオマス原料のアカシアをブレンダーミルで粉砕し、ふるいにかけて、5mmアンダーのアカシアチップのサンプルを準備した。その後、水熱半炭化処理および乾式半炭化処理のいずれも行わず、実施例1と同様の手順で、タブレット状サンプル成型物を得た。
(比較例2)
バイオマス原料のアカシアをブレンダーミルで粉砕し、ふるいにかけて、0.5mmアンダーのアカシアチップのサンプルを準備した。アカシアチップのサンプルを、窒素ガス下で、最終温度230℃、60分間の温度プログラムにおいて、乾式半炭化処理した。得られた炭化物を室温まで冷却した。最後に、実施例1と同様の手順で、タブレット状サンプル成型物を得た。
<成型前粉体炭化物表面または成型前粉砕物表面および成型物断面の観察>
実施例1〜2および比較例1〜2において、成型前の粉体炭化物の表面(比較例1は成型前の粉砕物の表面)と成型後の成型物の断面とを走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)(日立ハイテクノロジーズ社製、SU−70)を用いて観察した。
図1〜図4は、各々、実施例1、実施例2、比較例1および比較例2の成型前粉体炭化物表面(図3の比較例1は成型前粉砕物表面)(左)および成型物断面(右)を示すSEM画像である。図1および図2の成型前粉体炭化物表面(左)のSEM画像と、図3および図4の成型前粉砕物表面(左)および成型前粉体炭化物表面(左)のSEM画像とを比較すると、実施例1および実施例2の炭化物表面には、画像中において矢印にて示すように、球状の物質が析出していた。さらに、図1および図2の成型物断面(右)のSEM画像と、図3および図4の成型物断面(右)のSEM画像とを比較すると、実施例1および実施例2の成型物断面は、凹凸が少なく略平滑な断面となって接合されていることが分かった。
図1および図2の左の画像中において矢印にて示す球状の物質は、フーリエ変換赤外分光法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy;FT−IR)の解析により、リグニンであることが確認できた。そのため、実施例1および実施例2の成型物断面では、リグニンが接合剤として好適に機能したため、断面が平滑になっていると考えられる。
<成型物の圧壊強度の評価>
実施例1〜2および比較例1〜2で得られたタブレット状サンプル成型物に、圧壊強度計(古河大塚鉄工(株)製、LXA−500)を用いて垂直の荷重をかけ、割れるまで耐えられる最大荷重(Pmax)を測定した。下記の数1の式のPmaxに測定された最大荷重の数値を入れて、圧壊強度fを求めた。なお、d(供試体の直径)はタブレット状サンプル成型物の直径(30mm)であり、l(供試体の長さ)はタブレット状サンプル成型物の厚さ(8mm)である。
Figure 2020183494
図5は、実施例1〜2と比較例1〜2のタブレット状サンプル成型物の圧壊強度の評価を示すグラフである。図5から分かるように、実施例1〜2で得られた成型物は比較例1〜2に比べて圧壊強度が著しく向上しており、水熱半炭化処理を行うことによって、優れた圧壊強度を有するバイオマスの成型物(すなわち、バイオマス固形燃料)を製造できることが分かった。なお、実施例2から、水熱半炭化処理後に乾式半炭化処理を行った場合でも、その効果は同様に発揮されることが分かった。
この結果から、水熱半炭化処理を含む湿式半炭化処理などのバイオマス表面にリグニンを析出させる他の半炭化処理を行うことにより、処理後の炭化物およびその成型物が同様の効果を発揮し得ると当業者であれば想到できる。

Claims (3)

  1. 植物由来バイオマスからバイオマス固形燃料を製造する方法であって、
    植物由来バイオマス中に含有されているリグニンが前記バイオマスの表面まで析出するように、前記バイオマスを半炭化処理する工程、および
    半炭化処理された前記バイオマスを成型加工する工程を含む、バイオマス固形燃料の製造方法。
  2. 前記半炭化処理は、水熱半炭化処理および水蒸気半炭化処理のうちの1以上である、請求項1に記載のバイオマス固形燃料の製造方法。
  3. 前記バイオマスを半炭化処理する工程の前に、植物由来バイオマスを粉砕する工程をさらに含む、請求項1または2に記載のバイオマス固形燃料の製造方法。
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