JP7209444B2 - 面状ヒータ - Google Patents

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本発明は、例えば、照明カバー、ウィンドシールド等の透明部材や、レーダーのような特定波長の赤外線や電波を放出する機器に装着され、曇りや霜を除去したり、付着した雪や氷を溶融したりするために使用される面状ヒータに係り、光、赤外線、電波を透過する特性や透明部材としての特性に悪影響を及ぼさないものに関する。
従来より、特に自動車用途では、フロントウィンドウ等のウィンドシールドや、ヘッドランプカバー等の照明カバーのように、透明部材が多用されている。また、昨今では、自動運転化に向けて、先行車、道路状況、障害物を検知するためのミリ波レーダーやカメラも多数設置されるようになり、これらにも全部又は一部が透明部材料からなるカバーが装着される。自動車は様々な仕様環境におかれるため、急激な温度変化や湿度状況によって透明部材に曇りが生じることがあるし、寒冷地においては、霜、氷、雪が付着することがある。これらは、光や電波の透過を妨げ機能を損なう原因となることから、速やかに除去する必要があるため、これら透明部材にヒータを設置することが知られている。
透明部材の材料としては、ガラス、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等が挙げられるが、耐衝撃性、耐熱性、耐擦過性、難燃性、重量等のバランスによりポリカーボネート樹脂が選択される場面が増加している。そのため、透明部材に設置される面状ヒータについてもこれに準じ、ポリカーボネート樹脂を基材とするものが用いられている。例えば、特許文献1には、ポリカーボネート樹脂シートの一方の表面にヒータ線が埋設され、このヒータ線が埋設された側の面にシリコン系ハードコート層が形成された面状ヒータが開示されている。また、関連する技術として、例えば、特許文献2~4等が挙げられる。
特許第5048435号公報:レニアス 特許第3650953号公報:村田製作所 特許第3843994号公報:村田製作所 特許第3578730号公報:ダイムラークライスラー
ここで、ポリカーボネート樹脂は、比較的接着しにくい材料である。上記特許文献1で開示された面状ヒータは、埋設されたヒータ線の脱落を防止するためにハードコート層を形成しているが、このハードコート層とポリカーボネート樹脂シートの密着を維持するため、これらの間にアクリル樹脂系塗料のようなプライマー層の形成が必要とされる。このように、ポリカーボネート層、プライマー層、ハードコート層という複数材料の積層構造となると、透明部材としての適用に問題を生じる可能性がある。一つは、レーダーのカバーに適用した場合である。上記特許文献4にも記載があるが、自動車の省スペース化に対応するため、レーダー装置がエンブレムの裏側に配置され、一部透明にして加飾されたエンブレムを透過させることが行われている。自動車用レーダー使用されるミリ波(波長1~10mmの電波、ミリメートル波とも言う)は、波長が短く光としての性質が強くなることから、様々な物質によって吸収され減衰してしまうことになる。ポリカーボネート樹脂自体はミリ波の吸収はしないのだが、上記特許文献1の面状ヒータのような多種材料の積層構造であると、ミリ波の吸収・減衰が起こる可能性が非常に高くなる。また、照明カバーやウィンドシールドに適用した場合にも別の問題が生じる可能性がある。上記特許文献1の面状ヒータのような複数材料の積層構造であると、厚みのバラツキや屈折率差などにより、干渉縞が発生することがある。この場合、光量のバラツキや視認性の低下が生じるとともに、装飾性も低下することになる。
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、特に、光、赤外線、電波を透過する特性や透明部材としての特性に悪影響を及ぼさない面状ヒータを提供することにある。
上記目的を達成するべく、本発明による面状ヒータは、光、赤外線、電波の何れか又は複数を透過する透過性樹脂シートからなる基材と、該基材上に配設されるヒータ線とからなる面状ヒータであって、上記基材と上記ヒータ線とが熱融着部によって接着されており、該熱融着部が実質的に上記ヒータ線の外周のみに形成されていることを特徴とするものである。
また、上記透過性樹脂シートが、ポリカーボネート樹脂からなり、上記熱融着部を構成する材料が、ヒドロキシ基及びカルボキシル基を有する化合物を含むことが考えられる。
また、上記熱融着部を構成する材料が、飽和共重合ポリエステル樹脂を含むことが考えられる。
また、上記ヒータ線が、単線のヒータ素線からなることが考えられる。
また、上記ヒータ素線の外径が、0.03~0.10mmであり、上記熱融着部の厚さが、1~10μmであることが考えられる
本発明によれば、ヒータ線と基材を接着するための熱融着層が実質的にヒータ線の外周にしか存在しないため、ミリ波等の電波や赤外線の透過を阻害したり、干渉縞を生じさせたりすることがない。そのため、光、赤外線、電波を透過する特性や透明部材としての特性に悪影響を及ぼすことなく、曇りや霜を除去したり、付着した雪や氷を溶融したりすることができる。
本発明による面状ヒータの構成を示す平面図である。 本発明の実施の形態による面状ヒータの要部を拡大して模式的に示す断面図である。 本発明で使用されるホットプレス式ヒータ製造装置の構成を示す図である。 本発明の面状ヒータにおいて、ヒータ線を所定のパターン形状に配設する様子を示す一部斜視図である。 本発明による面状ヒータの他の例の構成を示す平面図である。 本発明による面状ヒータの他の例の構成を示す平面図である。 本発明による面状ヒータの他の例の要部を拡大して模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず、図1,図2を参照して実施の形態を説明する。この実施の形態1におけるヒータ線1の構成から説明する。まず、ヒータ線1は、素線径0.05mmの5%銀入り銅合金線からなる1本の導体素線である。このヒータ線1の外周には、飽和共重合ポリエステル樹脂からなる熱融着部9が形成される。熱融着部9の形成は、有機溶剤に溶解させた飽和共重合体ポリエステル樹脂の溶液を使用し、この溶液をヒータ線1の外周に塗布した後、有機溶剤を乾燥させることによって行った。熱融着部の厚さは約5μmでヒータ線の全周に形成されている。このように構成されたヒータ線1の外径は、0.06mmとなっている。
次に、上記構成をなすヒータ線1を接着・固定する基材11の構成について説明する。実施の形態1における基材11は、厚さ0.3mmのポリカーボネート樹脂シートからなる。このような基材11は、型抜き等の公知の手法により所望の形状とされる。
次に、上記ヒータ線1を基材11の間に所定のパターン形状で配設して接着・固定する構成について説明する。図3はヒータ線1が配設された基材を加熱加圧するためのホットプレス式ヒータ製造装置13の構成を示す図である。まず、ホットプレス治具15があり、このホットプレス治具15上には複数個の係り止め機構17が設けられている。上記係り止め機構17は、図4に示すように、ピン19を備えていて、このピン19はホットプレス冶具15に穿孔された孔21内に下方より差し込まれている。このピン19の上部には先端が針となった係り止め部材23が軸方向に移動可能に取り付けられていて、コイルスプリング25によって常時上方に付勢されている。そして、図4中仮想線で示すように、これら複数個の係り止め機構17の係り止め部材23にヒータ線1を引っ掛けながら、ヒータ線1を所定のパターン形状にて配設することになる。
図3に戻って、上記複数個の係り止め機構17の上方にはプレス熱板27が昇降可能に配置されている。すなわち、ヒータ線1を複数個の係り止め機構17の係り止め部材23に引っ掛けながら所定のパターン形状にて配設し、その上に基材11を置く。その状態で上記プレス熱板27を降下させてヒータ線1及び基材11に、加熱加圧を施すものである。尚、プレス熱板27の降下による加熱加圧時には複数個の係り止め機構17の係り止め部材23はコイルスプリング25の付勢力に抗して下方に移動するものである。プレス熱板27の降下にあたっては、少なくとも、基材11の圧縮量がヒータ線1の外径よりも大きくなるように設計することが好ましい。それによって、基材11が圧縮されるとともに、ヒータ線1の外周の熱融着部9が融着してヒータ線1及び基材11が接着・固定されることになる。
上記作業を行うことにより、図1及び図2に示すような面状ヒータ31を得ることができる。なお、図2は図1の要部を拡大して示す断面図である。
上記のようにして得られた面状ヒータについて、ヒータ線の両端は、引き出されてリード線に接続され、このリード線により、ヒータ線は、温度制御装置やコネクタに接続されることが考えられる。温度制御装置はヒータ線上に配置され、ヒータ線の発熱によって面状ヒータの温度制御を行うことも考えられる。そして、上記したコネクタを介して自動車の電気系統等に接続されることになる。
また、このような面状ヒータは、例えば、ヘッドランプやテールランプ等の照明カバー、フロントウィンドウやサイドウィンドウ等のウィンドシールドの、エンブレム等、種々の透明部材の表面や、レーダーにおけるレードームのような特定波長の赤外線や電波を放出する機器の表面に貼付することが考えられる。その際には、加熱加圧により基材を構成するポリカーボネート樹脂を融着させる方法が好ましい。また、複数の透明部材で挟み込んで加熱加圧したり、面状ヒータの周囲にポリカーボネート樹脂を射出成形したりして、透明部材に埋め込むことも考えられる。
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。まず、ヒータ線1の構成としては、上記実施の形態のように単線で使用してもよいし、引き揃えるか或いは撚り合わせたものとすることも考えられる。併せて、抗張力を向上させるために、アラミド繊維やPPS繊維などを引き揃えるか或いは撚り合わせることも考えられる。しかし、透明部材へ設置することを考慮すると、ヒータ線の外径が太くなり過ぎては目立ってしまうことになる。そのため、ヒータ線はヒータ素線の単線であることが好ましく、また、ヒータ線の外径は0.10mm以下であることが好ましい。一方、ヒータ線径が細くなりすぎると、ヒータ線配設時の張力や外部からの衝撃、或いは、過熱によって断線しやすくなるため、ヒータ線の外径は0.03mm以上であることが好ましい。また、ヒータ線を構成する材料として、上記実施の形態に記載した銀入り銅合金線の他、錫入り銅合金線、軟銅線、銅-ニッケル合金線、これらに錫メッキや銀メッキ等のメッキを施したもの、ニッケル-クロム合金線、鉄-クロム合金線、ステンレス鋼線、アルミニウム合金線、カーボン線等、種々の導体線が使用できる。ヒータ線1の断面形状についても種々のものが使用でき、通常使用される断面円形のものに限られず、いわゆる平角線と称されるものも使用できる。また、ヒータ線の外周には、種々の絶縁材料による絶縁層が形成されていてもよいが、絶縁層は熱融着部と濡れ性が良い材料を選定することが好ましい。
熱融着部9は、ヒータ線1の全周に形成する必要はなく、最低限、ヒータ線1と基材11の接着に必要な部分のみに形成すればよい。一方で、熱融着部9をヒータ線1の全周に形成すれば、熱融着部9により絶縁を図ることもできるため好ましい。なお、ヒータ線1について、複数のヒータ素線を引き揃えるか或いは撚り合わせたものとした場合、熱融着部9は、各ヒータ素線の外周に形成されていてもよいし、引き揃えるか或いは撚り合わせたものの外周に形成されていてもよい。
熱融着部9を構成する材料としては、各種の熱可塑性樹脂を使用することができ、ホットメルト系接着剤と称されるものが好適に使用できる。これらの中から、基材11の材質に応じて適宜に選定されることになる。特に、基材11がポリカーボネート樹脂からなる場合、ヒドロキシ基(-OH)及びカルボキシル基(-COOH)を有する化合物を含むことが好ましい。これらの官能基がポリカーボネート樹脂中のカーボネート基(-O-(C=O)-O-)と結合することにより、基材11とヒータ線1との強固な接着が図られることになる。このような材料としては、例えば、飽和共重合体ポリエステル樹脂、ビニルアルコール-酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等が挙げられ、また、改質によってヒドロキシ基とカルボキシル基を導入した種々の合成樹脂系接着剤も使用することができる。これらの中でも、熱融着部9が凝集破壊しないような充分な強度を有するものが好ましく、飽和共重合体ポリエステル樹脂が好ましく使用される。
また、熱融着部9は、異なる材料からなる熱融着部を複数層形成しても構わない。更に熱融着部9には、接着性を低下させない程度に他の材料を配合してもよい。例えば、難燃剤、改質剤、老化防止剤、着色剤等を配合することが考えられる。特に、透明部材の配置箇所によっては、熱融着部が着色されていた方がヒータ線が目立たなくなることがある。その観点から、熱融着部を黒色、銀色、白色等に着色することが好ましく考えられる。熱融着部を複数層形成した場合や、上記のようにヒータ線に絶縁層を形成した場合、一番外の層に着色することが考えられるが、一番外の層を透明とし、その内側の層に着色することも考えられる。
熱融着部9の厚さが薄すぎると、ヒータ線1と基材11とが充分に接着せず剥離してしまうおそれがあるとともに、ヒータ線1の絶縁も不十分となるおそれがある。一方、熱融着部9の厚さが厚すぎると、熱融着部9の厚さが不均一になって逆に剥離の原因となるとともに、熱融着部9の凝集破壊がおきやすくなるおそれがある。また、ヒータ線1の計が太くなりすぎてヒータ線1が目立ってしまうことにもなる。そのため、熱融着部9の厚さは、1~10μmであることが好ましい。ここでの厚さとは、ヒータ線1と基材11とが接着している部分も含めたヒータ線1全体における熱融着部9の平均厚さを示す。また、熱融着部9を複数層とした場合、全ての層を足した厚さとなる。なお、上記したヒータ線1の絶縁層と熱融着部9との違いについて、基材11である透過性樹脂シートの溶融温度以下で熱融着するものは熱融着部9、そうでないものはヒータ線1の絶縁層として区別される。
基材11については、光、赤外線、電波の何れか又は複数を透過する透過性樹脂シートが使用できる。光を透過するものとして、透明であるものが使用できる。透明とは、完全に透明なものだけでなく、半透明のものも含み、不透明部材の前に透過性樹脂シートを配置し、透過性樹脂シートの前面から見たときに、不透明部材がはっきり又はかすんで見える程度に透明である場合を含む。透過性樹脂シートは、無色であっても有色であっても良いが、無色のものが好ましい。また、特定波長の赤外線や電波を使用するレーダーのレードームやそのカバーに使用する場合、当該特定波長に対して透過性の高い材料を選定すればよい。電波に関しては、本発明では、特にマイクロ波(デシメートル波(UHF)、センチメートル波(SHF)、ミリメートル波(EHF)、サブミリ波)のような波長が1m以下の短いものに対して有効である。透過性樹脂シートの材質としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、アクリロニトリル-スチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が使用できる。これらの中でも、透明性、耐衝撃性、耐熱性、耐擦過性、難燃性に優れるポリカーボネート樹脂が好ましく使用できる。また、使用される環境に応じて適宜に各種添加剤が配合されたものであってもよい。
基材11は、1枚のみでの使用だけでなく、複数枚を使用してもよい。例えば、異なる特性の透過性樹脂シートを積層した基材11上にヒータ線1を配設することも考えられる。また、基材11上にヒータ線1を配設した後、ヒータ線1を配設した面側に別の透過性樹脂シートを重ね、2枚の基材11でヒータ線1を挟持する構造とすることも考えられる。これらの場合、透過性樹脂シート同士の接着に接着剤を使用することは好ましくなく、同一材料の透過性樹脂シートを使用し、加熱加圧等によって透過性樹脂シートを溶融させ融着させることが好ましい。
また、面状ヒータを使用すると、面状ヒータには冷熱サイクルが加わることとになり、基材11とヒータ線1との熱膨張係数差に起因して、ヒータ線1に応力がかかることになる。特に寒冷地の使用においては、冷熱の温度差が大きくなり、ヒータ線1にかかる応力も大きくなる。この応力が大きくなりすぎると、ヒータ線1の断線が生じるおそれがあるため、ヒータ線1への応力を緩和する構成とすることが好ましい。具体的には、例えば、図5に示すように、基材11に切れ込み33(スリット)を形成することで、この切れ込みの幅の伸縮により応力を緩和することが考えられる。切れ込み33の位置については、ヒータ線1を蛇行形状のようなパターン形状で基材11上に配設するような場合、図5に示すように、直線部に形成してもよいし、図6に示すように、曲線部に形成してもよい。勿論、直線部と曲線部の両方に切れ込み33形成しても良い。基材11を複数用いる場合は、複数の基材11それぞれに切れ込み33を形成してもよいし、全ての基材11に切れ込み33を形成してもよい。また、ヒータ線1が全長にわたって基材11と接着しているのではなく、部分的にのみヒータ線1と基材11とが接着しているようにし、接着していない部分で応力を逃がすような形態も考えられる。例えば、図1に示すように、ヒータ線1を蛇行形状のようなパターン形状で基材11上に配設するような場合、直線部でヒータ線1と基材11とを接着し、曲線部ではヒータ線1と基材11とを接着しない形態とすることが、応力緩和の観点からは好ましい。
また、ヒータ線1を基材11に配設する際、加熱加圧による融着によって接着・固定する態様でなく、他の態様によりヒータ線1を基材11に固定しても良い。例えば、通常の使用よりも高い温度になるよう、ヒータ線1に通電して加熱させ、その熱で熱融着部9を溶融させて基材11と接着・固定する態様、誘導加熱によってヒータ線1を加熱させ、その熱で熱融着部9を溶融させて基材11と接着・固定する態様、温風により熱融着部9を溶融させて接着・固定する態様、加熱しながら一対の基材11で挟持固定する態様、予め他の粘着シート等にヒータ線1を仮固定した後に基材11を貼り合わせ、加熱加圧を加え、その後に粘着シートの粘着力を解除して粘着シートを剥離する態様、ヒータ線1と基材11の接触箇所に高エネルギーのレーザ光を照射し、熱融着部9を溶融させることによってヒータ線1と基材11を接着・固定する態様、ヒータ線1に微細な超音波振動と圧力を加えて熱融着部9を溶融し、基材11と接着・固定する態様などが考えられる。また、基材11を加熱加圧する際には、プレス熱板27のみでなくホットプレス治具15についても加熱しても良い。
また、ヒータ線1を基材11に接着・固定する際、例えば、基材11の融点又は軟化点付近まで基材11を加熱し、基材11を溶融又は軟化させることで、図7に示すように、基材11にヒータ線1を埋設することもできる。この際、加熱とともに適切な加圧をすることで、ヒータ線1を基材11に完全に埋設させ、基材11によってヒータ線1の外周が略覆われた状態とすることができる。このような基材11によってヒータ線1の外周が略覆われた状態となっていれば、ヒータ線1が基材11からより剥離しにくくなる。また、基材11におけるヒータ線1が配設された面が平坦となるため、この面にコーティングしたり、他の材料を積層したりすることが容易となる。なお、ヒータ線1が基材11に完全に埋設されず、一部のみ埋設された状態であっても、ヒータ線1の外周が熱融着部9で覆われていれば、ヒータ線1は電気絶縁されることになる。
また、本発明においては、熱融着部9が実質的にヒータ線1の外周のみに形成されているが、この「実質的」の範囲について以下例示する。例えば、基材11の外周部など、面状ヒータを設置した透明部材を固定支持等するために他部材で覆われるような部分について、熱融着部9が形成されていたとしても、本発明の趣旨からして、これは「実質的にヒータ線1の外周のみに形成されている」と考える。ヒータ線1を加熱加圧で接着する際、熱融着部9が流動して広がったとしても、これも「実質的にヒータ線1の外周のみに形成されている」と考える。概ね、ヒータ線外径の2倍の幅まで広がったものについては許容されると考える。また、本発明を回避するためだけに、機能特性上意味がない部分に熱融着部9が形成されるようなものは、本発明に含まれるものと考える。
以上詳述したように本発明の面状ヒータによれば、光、赤外線、電波を透過する特性や透明部材としての特性に悪影響を及ぼすことなく、曇りや霜を除去したり、付着した雪や氷を溶融したりすることができる。このような面状ヒータは、例えば、自動車、船舶、各種輸送用車両、各種農耕用車両、各種土木建設用重機などに使用される照明カバー、ウィンドシールド、レーダーカバー、カメラカバー等に適用することができる。また、透明コーティングによる加飾の中に設置することも可能である。その他にも、特に透明部材へ設置されるヒータとして好ましく使用でき、例えば、メガネやゴーグル、ヘルメットのバイザー、観賞用水槽、窓ガラス、ショーケース、モニター画面、時計、レードーム等、種々の用途に使用できる。勿論、透明ではない部材に設置することを除外するものではない。また、レーダーのような特定波長の赤外線や電波を放出する機器に装着することもでき、レードーム、レーダー装置を覆うカバー、赤外線ヒータを覆うカバーなどに使用することもできる。
1 ヒータ線
9 熱融着部
11 基材
31 面状ヒータ

Claims (3)

  1. 光、赤外線、電波の何れか又は複数を透過する透過性樹脂シートからなる基材と、該基材上に配設されるヒータ線とからなる面状ヒータであって、
    上記基材と上記ヒータ線とが熱融着部によって接着されており、該熱融着部が実質的に上記ヒータ線の外周のみに形成されており、
    上記透過性樹脂シートが、ポリカーボネート樹脂からなり、上記熱融着部を構成する材料が、ヒドロキシ基及びカルボキシル基を有する飽和共重合ポリエステル樹脂を含むことを特徴とする面状ヒータ。
  2. 上記ヒータ線が、単線のヒータ素線からなることを特徴とする請求項記載の面状ヒータ。
  3. 上記ヒータ素線の外径が、0.03~0.10mmであり、上記熱融着部の厚さが、1~10μmであることを特徴とする請求項記載の面状ヒータ。
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