JP7209379B2 - 弦楽器演奏アシスト具 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばギターなどに代表される弦楽器の演奏を練習するのに好適に利用可能な弦楽器演奏アシスト具に関する。
例えば、初心者が弦楽器の代表的な1つであるギターをうまく演奏できるように長時間に亘って練習したり、実際に演奏する際に、この演奏の練習や実際の演奏を補助したりするための補助具が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2006-308837号公報
このような補助具は、首から紐をぶら下げて演奏者の両手を自由にさせることでギターの演奏の練習や実際の演奏をし易くして上達を助けるためのものである。しかしながら、首から紐をぶら下げることで首自体にギターの重みがかかり、不快感と共に首の痛みや肩こりの原因となる可能性がある。
また、ギターを上手に演奏するためには、弦をつま弾く指先の動きを素早く、繊細かつ正確に行うことが必要とされる。そのため、ギターの演奏の練習や実際の演奏に際してこの指先に神経を集中させる必要がある。
一方、弦楽器の練習中において指先や指先でつまんだピックによって弦をつま弾く時に、弦をつま弾く側の手や手首が弦に触れないようにしながら練習を続けなければならない。これは、ギターなどに代表される弦楽器を購入して曲をうまく弾けるように練習をし始めた初心者に特に重要である。
また、ある程度の年齢になってからギターを始めようとする場合、特に高齢となってから自分の趣味の1つとして余暇の時間を楽しむためにギターの演奏を習得しようとする人達にとっては、所謂四十肩や五十肩のような肩こりの悩みを抱えながらギター演奏の上達のための練習をし始める場合があり、練習中にこれらの要因によって身体的な疲労感や苦痛を感じて練習を断念してしまう場合が考えられる。
更には、そのような高齢になると、指先の器用さが若い時の程度ほど敏感に維持できなくなり、短時間の練習でも疲労がたまってしまい、練習自体が苦痛となってギターの演奏の練習を途中で断念してしまう場合もある。
このような事情によって、せっかくお金を払って買ったギターの演奏の練習を続けることが面倒になり、購入したギター自体も宝の持ち腐れになると共に、ギターを買ったこと自体を後悔してしまう恐れもある。このようなことは、ギターの中で一般的なアコースティックギターだけでなく、いわゆるエレキギターにも言え、ひいてはそれ以外の例えばマンドリン、シタール、三味線などの弦楽器一般について言えることである。
本発明の目的は、以上のような課題を解決することにあり、具体的には、例えばギターに代表される弦楽器の演奏を練習したり実際に演奏したりする際に役立つ弦楽器演奏アシスト具を提供することを本発明の目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明の請求項1に係る弦楽器演奏アシスト具は、
弦楽器を演奏する際に弦をつま弾く方の指の細やか動きを可能にさせるように補助する弦楽器演奏アシスト具であって、
前記弦楽器演奏アシスト具は、第1の細板状部材と第2の細板状部材を有し、
弦楽器演奏アシスト具を弦楽器に取り付けた状態において、前記第1の細板状部材には、一方の端部近傍に弦楽器演奏の際に上側になる弦楽器の側板の所定位置に当接させながら引っ掛ける側板当接部が形成されると共に、他方の端部に第2の細板状部材と取付け状態調整のために回動可能に連結すると共に、この連結状態を前記第1の細板状部材と前記第2の細板状部材のそれぞれが長手方向に向かう角度を一定に固定する連結部材を備えた連結端部が形成され、かつ前記第1の細板状部材の長手方向両端部の間には所定の長さに亘って前記弦楽器演奏アシスト具を弦楽器に取り付けた状態において、弦楽器の弦への干渉を防止すると共に弦楽器をつま弾く方の手根や手首を添え当て続けることが可能な添え当て面を有した演奏時片手添え当て部が形成され、更には前記側板当接部に隣接した位置に前記弦楽器の表板に当接する第1の表板当接部が形成され、
前記第2の細板状部材には、前記弦楽器演奏アシスト具を弦楽器に取り付けた状態において弦楽器のつま弾く側の弦を固定するブリッジを跨ぐ架橋部が形成されると共に、前記架橋部を除いて長手方向においてこれを挟む両側の所定位置に前記第2の細板状部材の裏面が前記弦楽器の表板に当接するようになった第2の表板当接部と第3の表板当接部が形成されていることを特徴としている。
また、本発明の請求項に係る弦楽器演奏アシスト具は、
弦楽器を演奏する際に弦をつま弾く方の指の細やか動きを可能にさせるように補助する弦楽器演奏アシスト具であって、
細板状部材と、この所定位置に備わり前記弦楽器演奏アシスト具を前記弦楽器に対して着脱自在に取り付け可能な吸着部材を有し、
弦楽器演奏アシスト具を弦楽器に取り付けた状態において、前記細板状部材には、一方の端部近傍に弦楽器演奏の際に上側になる弦楽器の側板の所定位置に当接させながら引っ掛ける側板当接部が形成されると共に、他方の端部に前記吸着部材を取り付ける吸着部材固定部が備わり、かつ前記細板状部材の長手方向両端部の間には所定の長さに亘って前記弦楽器演奏アシスト具を弦楽器に取り付けた状態において、弦楽器の弦への干渉を防止すると共に弦楽器をつま弾く方の手根や手首を添え当て続けることが可能な添え当て面を有した演奏時片手添え当て部が形成され、更には前記側板当接部に隣接した位置に前記弦楽器の表板に当接する第1の表板当接部が形成され、
記細板状部材には、前記弦楽器演奏アシスト具を弦楽器に取り付けた状態において弦楽器のつま弾く側の弦を跨ぐ架橋部が形成されると共に、前記架橋部を除いて長手方向においてこれを挟む両側の所定位置に前記細板状部材の裏面が前記弦楽器の表板の弦より上側に当接することに加えて、前記吸着部材が弦より下側に着脱自在に取り付けられるようになったことを特徴としている。
本発明によると、上述した課題を解決することができ、より具体的には例えばギターに代表される弦楽器の演奏を練習したり実際に演奏したりするのに役立つ弦楽器演奏アシスト具を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具をギターに取り付けた状態で僅か斜め前方から示す斜視図(図1(a))、上側から見た側面図(図1(b))、ボディー側方の一方の側から見た端面図(図1(c))である。 弦楽器演奏アシスト具を取り付けた状態のギターの斜視図(図2(a))と、これを取り付けていない状態のギターの斜視図(図2(b))を比較して示す図である。 図1に示した弦楽器演奏アシスト具をギターに取り付けた状態の要部を部分的に拡大して示す斜視図である。 第1の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具を左側だけ一部分解して示す斜視図である。 図4に示した弦楽器演奏アシスト具の構成部品を図5(a)から図5(g)に分けて示す説明図である。 第1の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具をギターに取り付けてギターの弦をつま弾きながら演奏している状態を概略的に示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具を本実施形態におけるギター(アコースティックギター)に取り付けた状態の一例を概略的に示す説明図である。 図7に示した弦楽器演奏アシスト具を図8(a)から図8(e)に分けてその全体構成及び各部品の形状を示す説明図である。 図8(a)に示した弦楽器演奏アシスト具の各部品を、図9(a)から図9(d)に分けてその各部品の形状を別の角度から示す説明図である。 図7に示した第2の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具をギターに取り付けてギターの弦をつま弾きながら演奏している状態を概略的に示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具を図10とは異なる簡易的な取り付け方で使用する形態を説明するための斜視図である。 本発明の第2の実施形態の変形例を示す斜視図である。
以下、本発明の各実施形態及びその変形例に係る弦楽器演奏アシスト具について図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態においては、弦楽器のうち最も一般的に親しまれているアコースティックギター(以下「ギター」とする)に本発明に係る弦楽器演奏アシスト具を用いた実例に沿って説明していく。
しかしながら、本発明は、以下の説明のようにギターへの適用に限定されるものでなく、本発明の作用を発揮する範囲内であれば、アコースティックギターの代わりにエレキギターはもちろんのこと、マンドリン、シタール、三味線等の弦楽器に本発明を適宜利用可能である。
また、以下の実施形態の内容を特定する文章やその構造を視覚的に特定する図面は、あくまで本発明の一例を示したものに過ぎず、本発明の作用を発揮し得る範囲内で、その各部品の寸法(長さや幅、板材の厚み)、材質、形状、固定方法などを適宜変更可能である。
最初に、第1の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具をギターに取り付けた状態で僅か斜め前方から示す斜視図(図1(a))、上側から見た側面図(図1(b))、ボディー側方の一方の側から見た端面図(図1(c))である。また、図2は、弦楽器演奏アシスト具を取り付けた状態のギター(図2(a))と、これを取り付けていない状態のギター(図2(b))を比較して示す図である。また、図3は、図1に示した弦楽器演奏アシスト具をギターに取り付けた状態の要部を部分的に拡大して示す斜視図である。
第1の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具10は、弦楽器のうち代表的な1つであるギター90(アコースティックギター90)を演奏する際に弦95をつま弾く方の指の細やか動きを可能にさせるように補助するためのものである。そして、第1の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具10は、これをギター90に取り付けた状態において、ギター90の表板91において指で弦95をつま弾く側の位置に着脱可能に取り付けられるようなった所定形状の板材本体100と、板材本体100をギター90の表板91の所定位置に着脱可能に取り付けるための着脱部材200を有している。
板材本体100は、その両端部において取り付け部110を有し、各取り付け部に吸盤140を備えてこの2つの吸盤140によって板状本体100を表板91に固定すると共に、各取り付け部110の弦側にそれぞれ起立部120を備え、かつこれらの起立部120を長手方向両端部において連結する演奏時片手添え当て部130を備えている。
演奏時片手添え当て部130は、その下面が弦楽器90の弦95から所定距離だけ離れた状態を保つと共に、その上面が演奏者の弦95をつま弾く側の手の手根部(手の平の手首側の部分)や手首を添え当てながら指先で弦楽器90の弦95をつま弾くことができるように形成されている。また、着脱部材200は、それぞれ弦楽器90の表板91を傷つけることなく着脱可能な吸盤210から形成されている。
以下、この第1の実施形態の具体的形状について、図面に基づいてより詳細に説明する。図4は、第1の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具を左側だけ一部分解して示す斜視図である。また、図5は、図4に示した弦楽器演奏アシスト具の構成部品を図5(a)から図5(g)に分けて示す説明図である。
図4から分かるように、板状本体100の演奏時片手添え当て部130には添え当てパット131が備わっている。添え当てパット131は、スポンジや柔らかい樹脂材、ゴム等の弾性部材でできており、ギター90の弦95をつま弾く側の手の手根や手首を軽く添い当ててギター90の弦をつま弾く指先のみに神経を集中させる役目を果たしている。
また、図4の左側には、公知のスポンジゴム、柔らかい樹脂材でできた吸盤140を取り付け部110に固定する前の状態、即ち右側において取り付けた後の状態を示している。吸盤140の板状本体100への取り付け方法は、各取り付け部110に形成された取り付け穴111に吸盤140の吸着面を下側に向け吸盤140の上側突出部142を上側に向けた状態で、上側突出部142に形成されたピン挿入穴143に固定ピン145を差し込んで吸盤140を取り付け部110にそれぞれしっかりと取り付けるようになっている(図4の右側の吸盤140参照)。
これらの構成図から明らかなように、第1の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具10は非常に簡単な構造を有している。また、板状本体100は、軽量で強度のあるアルミの板材でできており、これを所定の場所で折り曲げることで、取り付け部110、起立部120、演奏時片手添え当て部130を簡単に形成するようになっている。更には、吸盤140及び添え当てパット131は、市場に広く流通されている製品を利用することができるので、この弦楽器演奏アシスト具のコストを下げながら大量に生産することができ、販売価格も廉価な価格で販売することが可能となる。
以上の各構成部品をより詳細に説明すると、図5(a)は、アルミ板からなる細板を折り曲げることで取り付け部110と起立部120と演奏時片手添え当て部130を所定の角度と長さで形成させた状態を示す側面図であり、演奏時片手添え当て部130の上に点線で示す添え当てパット131が公知の接着剤など等でしっかりと貼り付けられている。そして、図5(b)は、図5(a)の平面図であり、この図からは取り付け部110の両端に取付け穴111が形成されていることが分かる。また、図5(c)は、図5(a)において点線で示した添え当てパット131の平面図であり、この上に本実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具10をギター90に取り付けた状態で演奏者の弦95をつま弾く側の手の手根部や手首を添え当てると共に、演奏時片手添え当て部130の上面において演奏中に手のこの部分がずれないような役目を果たしている。
なお、図5(d)は、図5(b)の左側の取り付け部110に取り付けられる吸盤140の平面図であり、図5(e)は、図5(d)に示した吸盤140の側面図に加えて、吸盤140の上側突出部142に形成されたピン挿入孔143に取り付けられる固定ピン145と共に示した図である。
また、図5(f)及び図5(g)は図5(b)に示す取り付け部110の右側に取り付けられる吸盤140であって、図5(d)及び図5(e)に示した吸盤140と同一形状の吸盤140を示す構成図である。
以下、この第1の実施形態の作用について説明する。図6は、第1の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具10をギター90に取り付けてギター90の弦95をつま弾きながら演奏している状態を概略的に示す説明図である。
この説明図からも分かるように、本発明の第1の実施形態係る弦楽器演奏アシスト具10を利用することによって、上述した実施形態のようなアコースティックギターに限定されず、エレキギターやその他の弦楽器の練習などで、弦95をつま弾く時に、手根や手首を軽く添えることで安定感を生じさせる。これによって、ギター90の演奏の練習中や演奏中に指先の動きに意識を集中させることができ、弦95をつま弾く動きを滑らかかつ繊細な動きとすることに加えて、指先の細やかな動きに起因する指や、手、腕、肩の疲れを軽減させる。その結果、年齢にかかわらず初心者から上級者までギターの演奏の練習を長い時間続けることができ、様々な曲にチャレンジし易くなり、楽器を楽しむ幅を広げることを可能にする。
このような本発明特有の効果により、新たに弦楽器を始めようと思う人たちの、弦95をつま弾く時の手の不安定さを取り除くことで安心感を与え、弦楽器の練習や演奏の難しさを無くす重要な役割を担うことができる。そのため、子供や女性及び高齢者の非力な人や、指先の繊細な動きや正確な動きを行うことが苦手なことに起因して弦楽器の演奏が難しく感じることを補うことで、弦のつま弾きを容易に行うことができるようになる。その結果、弦楽器の魅力を充分味わいながら余暇を楽しく過ごすし、弦楽器をその人の人生の一つの喜びを知る特別な存在とすることが可能となり、年齢にかかわらずクオリティー・オブ・ライフの向上に役立てることが可能となる。
また、本実施形態によると、単純な形状から構成されるが故に、製造コストを抑えて製造することができ、ギターを練習し始めた人達に廉価な価格で提供することを可能とする。また、ギター本体に対する脱着が容易で弦楽器には一切加工することなく、弦楽器本来の性能を損なわずに済む。
続いて、第2の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具20について図面に基づいて説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具を本実施形態におけるギター(アコースティックギター)に取り付けた状態の一例を概略的に示す説明図である。
第2の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具20は、第1の実施形態と同様に、弦楽器を演奏する際に弦をつま弾く方の指の細やか動きを可能にさせるように補助するためのものである。そして、第2の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具20は、第1の細板状部材500と、第2の細板状部材600と、第1の細板状部材500と第2の細板状部材600を連結する連結部材700を有している。なお、第1の細板状部材500と、第2の細板状部材600は、それぞれ1本の細長いアルミ板を所定形状に折曲して形成されている。
上述した第2の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具20を構成する各部品の構造について、以下に図面に基づいて詳細に説明する。図8は、図7に示した弦楽器演奏アシスト具を図8(a)から図8(e)に分けてその全体構成及び各部品の形状を示す説明図である。また、図9は、図8(a)に示した弦楽器演奏アシスト具の各部品を、図9(a)から図9(d)に分けてその各部品の形状を別の角度から示す説明図である。
ここで、図8(a)は第2の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具20の斜視図を示しており、図8(b)は、アルミの細板を折り曲げて形成した第1の細板状部材500を示している。また、図8(c)は、アルミの細板を折り曲げて形成した第2の細板状部材600を示している。また、図8(d)は、図8(b)に示した第1の細板状部材500を異なる方向から示した斜視図であり、これに第2の細板状部材600を取り付けるに際して使用する締結具であるボルト710と蝶ナット720を共に示している。また、図8(e)は、第2の細板状部材600を図8(c)とは異なる角度から示している。
また、図9(a)は、第1の細長部材500を締結具であるボルト710と蝶ナット720と共に示した側面図(左側)及び端面図(右側)であり、図9(b)は、図9(a)の締結具を除いた平面図である。また、図9(c)は、第2の細長部材600の側面図(左側)及び端面図であり、図9(d)は、第2の細長部材の平面図である。
なお、図8及び図9における第2の細板状部材600において、締結具である蝶ナット720で締め付けるボルト挿通孔611,612,613が長手方向所定間隔隔てて3箇所形成されているが、これは、この第2の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具20をそれぞれ形状や大きさの異なるギターの最適な位置に取り付けるために選択的にボルト710を挿通するように複数設けたことを理由としている。これによって、上述する図10に示すような最適な取り付け位置で、この第2の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具20をギター90に取り付けることを可能にしている。
本実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具20は、以上のように構成され、これを本実施形態ではギター90の最適な部分に取り付けるようになっている。より詳細には、第1の細板状部材500には、一方の端部近傍にギター90を演奏する際に上方、即ち演奏者の顔に向かう上側の側板92(図7参照)の所定位置に当接させながら引っ掛ける側板当接部510が形成されている。また、第1の細板状部材500の他方の端部には、第2の細板状部材600と取付け状態調整のために回動可能に連結すると共に、この連結状態を第1の細板状部材500と第2の細板状部600のそれぞれが長手方向に向かう角度を一定に固定する連結部材700を備えた連結端部520が形成されている。連結端部520には、ボルト710を第2の細板状部材600のボルト挿通孔611,612,613の何れか1つを適宜選択してこの孔と重ねてボルト710を一度に挿通する固定用挿通孔521が形成されている。
更には、第1の細板状部材500には、この長手方向両端部の間には所定の長さに亘ってこの弦楽器演奏アシスト具20を弦楽器に取り付けた状態において、ギター90の弦95への干渉を防止すると共に、ギター90をつま弾く方の手根や手首を添え当て続けることが可能な添え当て面が形成された演奏時片手添え当て部530が形成されている。そして、側板当接面510の側板92と接する側にはスポンジパットからなる側板当接部511が備わっている。また、側板当接部510に隣接した位置は、ギター90の表板91に当接するスポンジパットからなる第1の表板当接部540が形成されている。
側板当接部511と第1の表板当接部540は、本実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具20をギター90に取り付けた状態でこれがギター90の表板91や側板92に沿ってズレないようにすると共に、ギター90の表板91や側板92を傷つけないようにする役目を果たしており、スポンジや弾力性のある樹脂、ゴムなどの保護シート部材として上述したように第1の細板状部材500の裏面の所定位置にそれぞれ貼り付けられている。
また、第2の細板状部材600には、弦楽器演奏アシスト具20をギター90に取り付けた状態において、ギター90の弦95を固定するブリッジ96を跨ぐ架橋部620が形成されている。また、第2の細板状部材600には、架橋部620を除いて、長手方向においてこれを挟む両側の所定位置に第2の細板状部材600の裏面がギター90の表板91に当接するようになった第2の表板当接部620と第3の表板当接部630が備わっている。
第2のギター表面当接部材620と第3のギターの表面当接部630は、本実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具20をギター90に取り付けた状態でこれがギター90の表板91に沿ってズレないようにする滑り止めの役目を果たすと共に、ギター90の表板91や側板92を傷つけないようにする役目を果たしており、スポンジや弾力性のある樹脂、ゴムなどのシート部材として第1の細板状部材500の裏面の所定位置にそれぞれ貼り付けられている。
また、連結部材700は、本実施形態の場合、ボルト710と、蝶ナット720と、ボルト710の頭部を突き当ててギター97表板91を保護する図面では詳細には示さない円板プレートを有している。なお、円板プレートの周囲は、図示しないスポンジでできた保護パット550で囲まれ、保護パット550を介してギター90の表板91に当接して表板91のこの部分を保護するようにしている。
図10は、図7に示した第2の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具をギターに取り付けてギターの弦をつま弾きながら演奏している状態を概略的に示す説明図である。即ち、本発明の第2の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具を図10とは異なる簡易的な取り付け方で使用する形態を説明するための斜視図である。また、図11は、第2の実施形態に係る弦楽器演奏アシスト具の一部を利用した形態を示しており、具体的には第2の細板状部材を第1の細板状部材から取り外した状態で、第1の細板状部材をギターに取り付けると共に、第1の細板状部材の連結端部をブリッジ96の弦95の延在方向の縁に引っ掛けて止めた状態でギター90の演奏に利用している利用方法を示している。
このような使い方によって、例えばギター90の演奏を一人で練習するに際しては、第2の細板状部材600を取り付けた第2の実施形態の形で演奏の練習を行うと共に、このギターの練習を人前で披露する場合においては、第2の細板状部材600とこの連結部材500を取り外して図11に示すような状態にすることで、弦楽器演奏アシスト具20があまり目立つことなく自分が練習したギターの演奏を披露することができる。
続いて、上述した第2の実施形態の変形例について図面に基づいて説明する。図12は、本発明の第2の実施形態の変形例を示す斜視図である。この変形例に座る弦楽器演奏アシスト具30も、ギター90を演奏する際に弦95をつま弾く方の指の細やか動きを可能にさせるように補助するためのものである。
この変形例に係る弦楽器演奏アシスト具30は、細板状部材310と、この細板状部材310の他方の端部側の所定位置に備わり弦楽器演奏アシスト具30をギター90に対して着脱自在に取り付け可能な吸着部材350を有している。
そして、この変形例に係る弦楽器演奏アシスト具30は、これをギター90に取り付けた状態において、細板状部材310の上側に位置する一方の端部側、即ちギター演奏の際に上側になるギター90の側板の所定位置に当接させながら引っ掛ける側板当接部315が形成されている。そして、他方の端部には上述した吸着部材を取り付ける吸着部材固定部が備わっている。
なお、本実施形態のようにギター90がアコースティックギターの代わりに側板部の厚さの薄いエレキギターやその他の弦楽器の場合、側板当接部の形状は側面視L字状をなす代わりに側面視U字状や角形U字状をなして弦楽器の側板を介して表板と裏板の双方に接するようにして、弦楽器演奏アシスト具の端部が弦楽器の一部を挟み込むようにして弦楽器自体にしっかりと固定固定した状態で取り付けられる構造とすることも考えられる。
更には、この変形例に係る弦楽器演奏アシスト具30は、第1の細板状部材500の長手方向両端部の間に所定の長さに亘って弦楽器演奏アシスト具30をギター90に取り付けた状態において、ギター90の弦95への干渉を防止すると共にギター90をつま弾く方の手根や手首を添え当て続けることが可能な添え当て面を有した演奏時片手添え当て部530が形成されている。
また、第2の細板状部材には、弦楽器演奏アシスト具を弦楽器に取り付けた状態において弦楽器のつま弾く側の弦を跨ぐ架橋部が形成されると共に、架橋部を除いて長手方向においてこれを挟む両側の所定位置に第2の細板状部材の裏面が弦楽器の表板の弦より上側に当接することに加えて、吸着部材が弦より下側に着脱自在に取り付けられるようになっている。
以下、上述した第1及び第2の実施形態並びにその変形例に係る弦楽器演奏アシスト具の作用について説明する。本発明に係る弦楽器演奏アシスト具を利用することによって、上述した実施形態のようなアコースティックギターに限定されず、エレキギターやその他の弦楽器の練習などで、弦をつま弾く時に、手や手首を軽く添えることで安定感を生じさせる。これによって、練習中や演奏中に指先の動きに意識を集中させることができ、弦をつま弾く動きをスムーズにすることや疲れることを軽減させる。その結果、年齢にかかわらず初心者から上級者まで長い時間楽しむことができ色々な曲にチャレンジし易くなり、楽器を楽しむ幅を広げることを可能にする。
このような本発明特有の効果により、新たに弦楽器を始めようと思う人たちの、弦をつま弾く時の手の不安定さを取り除き安心感を与え弦楽器の難しさを取り除く補助的役割を担うことができる。そのため、子供や女性及び高齢者の非力な人や、指先の繊細な動きや正確な動きを行うことが苦手なことに起因して弦楽器の演奏が難しく感じることを補うことで、弦のつま弾きを容易に行うことができるようになる。その結果、弦楽器の魅力を充分味わいながら余暇を楽しく過ごすし、弦楽器をその人の人生の一つの喜びを知る特別な存在とすることが可能となり、年齢にかかわらずクオリティー・オブ・ライフの向上に役立てることが可能となる。
また、上述の第2の実施形態とその変形例によると、本実施形態によると、アルミでできた細板の所定位置を折り曲げ加工で形成することで、指先以外は演奏中に不注意により弦に触れてしまうことを防止しながら弦をつま弾く側の手を補助するようにしている。そして、楽器に触れる部分は滑り止め加工したスポンジやゴムを、弾力性に優れた樹脂材のパットを貼っているので、弦95をつま弾く方の手を弦楽器演奏アシスト具20に直接添え当て続けることで、演奏中に両手の動きにつられてギター本体が斜め横下方向にずれていくのを防止する。
なお、上述した実施形態は、あくまで本発明の一例を示したものに過ぎず、本発明の作用を発揮し得る範囲内で、その各部品の寸法(長さや幅、板材の厚み)、材質、形状、固定方法などを適宜変更可能である。
例えば、上述の実施形態の代わりの場合のようにアルミの細板を折り曲げて各部品を形成する代わりに、その他の金属の細板を折り曲げて各部品を形成しても良い。この場合、金属の材質は軽量でかつ十分な強度の剛性のある材質であることが好ましい。
また、各部品を折り曲げて上述の実施形態のような形状にする代わりに、いくつか板材を適当な接着剤やスポット溶接などの適当な固着手段によって繋げて一体化させて形成しても良い。
また、金属の細板の代わりに、充分な強度や耐久性を有する樹脂材を用いてこれらの部品を作っても良い。また、上述の実施形態においては、締結具として長ネジを用いたが、必ずしもこれに限定されることはなく、第1の細板状部材と第2の細板状部材を互いに回動可能に連結すると共に、互いの最も好ましい結合位置関係を維持するようなネジ機構やスナップロック機構などの固定具を用いても良い。
また、本発明は、その構造上弦楽器を演奏する人が右利きであっても左利きであっても同様な効果を発揮できる。即ち、演奏者は演奏する弦楽器の弦を抑える側の手とつま弾く側の手がそれぞれ左右何れの手であっても本発明の作用を発揮できる。
最後に、以上説明した通り、本発明は上述の実施形態のように順々にアコースティックギターに限らずエレキギターは言うまでもなく、ベース(ウッドベース、エレキベース)やそれ以外の上述の問題点を解決点するのに有用な対象となる様々な弦楽器に適応可能である。
具体例を挙げると、例えば、和楽器の三味線、琵琶や、沖縄の三線、民族楽器としてのインドのシタール、中南米のチャランゴ、ティプレ、トレスや、中近東のウード、リュートなどの様々な弦楽器に適用可能である。
特に上述した第2の実施形態によると、弦楽器の表板に本発明に係る弦楽器演奏アシスト具を吸盤で固定できない材質が張られていたり、凹凸があったりした場合に、このような金属の細板2本をそれぞれの弦楽器の形状に適宜最適な場所で折り曲げて、個々の弦楽器の形状に合わせて取り付けられるようにすれば、弦楽器アシスト具その特有の弦楽器専用の弦楽器アシスト具をコスト安く作ることができ、これら弦楽器を練習する人たちに廉価な費用で提供して練習を楽しんでもらうことができるので、メリットが非常に大きい。
10,20,30 弦楽器演奏アシスト具
90 ギター(弦楽器)
91 表板
92 上側の側板
95 弦
96 ブリッジ
100 板材本体
111 取り付け穴
110 取り付け部
120 起立部
130 演奏時片手添え当て部
131 添え当てパット
140 吸盤
142 上側突出部
143 ピン挿入孔
145 固定ピン
200 着脱部材
210 吸盤
310 細板状部材
315 側板当接部
350 吸着部材
500 第1の細板状部材
510 側板当接部
520 連結端部
530 演奏時片手添え当て部
540 第1の表板当接部
600 第2の細板状部材
610 架橋部
620 第2の表板当接部
620 第2のギター表面当接部材
630 第3の表板当接部
630 第3のギターの表面当接部材
700 連結部材
710 ボルト
720 蝶ナット

Claims (2)

  1. 弦楽器を演奏する際に弦をつま弾く方の指の細やか動きを可能にさせるように補助する弦楽器演奏アシスト具であって、
    前記弦楽器演奏アシスト具は、第1の細板状部材と第2の細板状部材を有し、
    弦楽器演奏アシスト具を弦楽器に取り付けた状態において、前記第1の細板状部材には、一方の端部近傍に弦楽器演奏の際に上側になる弦楽器の側板の所定位置に当接させながら引っ掛ける側板当接部が形成されると共に、他方の端部に第2の細板状部材と取付け状態調整のために回動可能に連結すると共に、この連結状態を前記第1の細板状部材と前記第2の細板状部材のそれぞれが長手方向に向かう角度を一定に固定する連結部材を備えた連結端部が形成され、かつ前記第1の細板状部材の長手方向両端部の間には所定の長さに亘って前記弦楽器演奏アシスト具を弦楽器に取り付けた状態において、弦楽器の弦への干渉を防止すると共に弦楽器をつま弾く方の手根や手首を添え当て続けることが可能な添え当て面を有した演奏時片手添え当て部が形成され、更には前記側板当接部に隣接した位置に前記弦楽器の表板に当接する第1の表板当接部が形成され、
    前記第2の細板状部材には、前記弦楽器演奏アシスト具を弦楽器に取り付けた状態において弦楽器のつま弾く側の弦を固定するブリッジを跨ぐ架橋部が形成されると共に、前記架橋部を除いて長手方向においてこれを挟む両側の所定位置に前記第2の細板状部材の裏面が前記弦楽器の表板に当接するようになった第2の表板当接部と第3の表板当接部が形成されていることを特徴とする弦楽器演奏アシスト具。
  2. 弦楽器を演奏する際に弦をつま弾く方の指の細やか動きを可能にさせるように補助する弦楽器演奏アシスト具であって、
    細板状部材と、この所定位置に備わり前記弦楽器演奏アシスト具を前記弦楽器に対して着脱自在に取り付け可能な吸着部材を有し、
    弦楽器演奏アシスト具を弦楽器に取り付けた状態において、前記細板状部材には、一方の端部近傍に弦楽器演奏の際に上側になる弦楽器の側板の所定位置に当接させながら引っ掛ける側板当接部が形成されると共に、他方の端部に前記吸着部材を取り付ける吸着部材固定部が備わり、かつ前記細板状部材の長手方向両端部の間には所定の長さに亘って前記弦楽器演奏アシスト具を弦楽器に取り付けた状態において、弦楽器の弦への干渉を防止すると共に弦楽器をつま弾く方の手根や手首を添え当て続けることが可能な添え当て面を有した演奏時片手添え当て部が形成され、更には前記側板当接部に隣接した位置に前記弦楽器の表板に当接する第1の表板当接部が形成され、
    記細板状部材には、前記弦楽器演奏アシスト具を弦楽器に取り付けた状態において弦楽器のつま弾く側の弦を跨ぐ架橋部が形成されると共に、前記架橋部を除いて長手方向においてこれを挟む両側の所定位置に前記細板状部材の裏面が前記弦楽器の表板の弦より上側に当接することに加えて、前記吸着部材が弦より下側に着脱自在に取り付けられるようになったことを特徴とする弦楽器演奏アシスト具。
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