JP7208800B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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  • Cold Air Circulating Systems And Constructional Details In Refrigerators (AREA)

Description

本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
近年の冷蔵庫においては、その内部を照明する照明装置としてLEDを設けるとともに、このLEDとは別のLEDを、紫外線を照射する除菌装置として設けたものがある。例えば、特許文献1の冷蔵庫では、冷気ダクト内部に、紫外線を照射するLEDと光触媒フィルタを設け、その光触媒フィルタを冷気が通るときに、LEDの光によってさらに除菌が行われるようになっている。
特開2018-115857号公報
上記した従来の構成では、光触媒フィルタを通る冷気の除菌を行うことができるが、冷蔵室(貯蔵室)内あるいは貯蔵食品に対して直接的な除菌を行うものではない。即ち、貯蔵室における各種食品の鮮度保持に恒温高湿雰囲気中での保存が適しているが、貯蔵室内の湿度が高くなると、カビなどの菌が繁殖する虞がある。また、貯蔵室においては、例えば貯蔵食品である生肉からのドリップ等により汚染されやすいが、その汚染物により低温菌は冷蔵庫内でも繁殖するため、食品衛生を保持する上でも課題となっている。
そこで、貯蔵室や貯蔵食品に対して効果的な紫外線の照射を行うことができる冷蔵庫を提供する。
実施形態の冷蔵庫は、貯蔵室と、前記貯蔵室内に紫外線を照射する照射手段と、を備え、前記照射手段は、前記貯蔵室に配置されるチルドケースの背壁側から底壁へ向かって紫外線を照射するように照射方向を傾斜させた構成とされていて、前記チルドケースは、その前壁上方の開口が、回動可能に軸支された前蓋により開閉され構成とし、縦方向の断面において、当該チルドケースの前壁は、その底壁との間の外角が、当該底壁と前記紫外線の照射方向とがなす角度よりも大きい鋭角又は略直角に設定され、当該前壁の高さが、当該チルドケースの背壁よりも低く、且つ前記底壁へ向かって照射され当該底壁で反射された紫外線が当該前壁に当たる寸法に設定されている
一実施形態における冷蔵庫の内部構成を模式的に示す断面図 冷蔵庫の扉を省略して示す正面図 チルド室に対する紫外線の照射方向を示すチルド室近傍部の断面図 基板とともに示す背面ダクトにおける分解斜視図 背面ダクトに配設された基板を拡大して示す断面図 制御基板に実装された光源や電子部品を示すものであり、その実装面に対して垂直な方向から見たときの拡大図 冷蔵庫の電気的構成を示すブロック図
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示す冷蔵庫1は、前面が開口した矩形箱状をなす冷蔵庫本体2内に、冷蔵温度帯の冷蔵室3及び野菜室4と、冷凍温度帯の製氷室、小冷凍室5及び大冷凍室6とを備える。こうした冷蔵室3~大冷凍室6は、何れも食品等の貯蔵物(以下「食品」と称す)を貯蔵するための貯蔵室とされている。なお、製氷室は、小冷凍室5と左右に隣り合うように配置されているため、その扉とともに図示を省略する。また、冷蔵室3~大冷凍室6は、「貯蔵室3~6」とも称する。
冷蔵庫本体2における冷蔵室3の前面開口は、両開き式(観音開き式でもよい)の扉3aによって開閉される。野菜室4、製氷室、小冷凍室5及び大冷凍室6の前面開口部は、引き出し式の扉4a、扉5a、及び扉6aによって夫々開閉される。なお、図1に示す冷蔵庫1の構成は一例であり、貯蔵室の数や配置はこれに限定されない。
冷蔵室3内には、透明性材料(例えばガラス材料やアクリル樹脂等)で形成された複数の棚板Pa、Pb、Pc、Pdが設けられ、その最下段には、チルド室7が設けられている。チルド室7は、冷蔵室3とは異なる温度帯であるチルド温度帯に制御されるようになっている。チルド室7には、上下二段に配置されたチルドケース71,72が設けられている。詳しくは後述するが、チルドケース71,72は夫々、例えば上面側が開口した箱型容器状をなし、チルド室7に収納された状態から前方へ引き出すことにより、開口したその上面側から食品を出し入れするようになっている。
冷蔵庫1は、冷蔵室3よりも下方となる野菜室4の後方に位置して、冷蔵温度帯の冷気を生成する冷蔵用冷却器8が設けられているとともに、概ねチルド室7の後方に位置して冷蔵用冷却器8で生成された冷気を送風する左右一対のファン9,9(図2参照)が設けられている。
また、冷蔵庫1は、冷凍室の後方に位置して、冷凍温度帯の冷気を生成する冷凍用冷却器10と、冷凍用冷却器10で生成された冷気を送風するファン11とを備えている。つまり、冷蔵庫1は、複数の冷却器8,10を備えるとともに、本実施形態では冷蔵用冷却器8に対して2つのファン9,9を備えている。
冷蔵庫1に設けられている各冷却器8,10は、冷蔵庫本体2の底部に設けられた機械室12に配置されている圧縮機13等とともに周知の冷凍サイクルを構成する。詳しい図示は省略するが、冷凍サイクルは、圧縮機13から吐出された高温高圧の冷媒を受けて放熱液化させる凝縮器、この凝縮器の出口側にて冷媒流路を切り換える切替弁、冷却器8,10各々の減圧装置も含み、これらを冷媒配管で接続してなる。なお、圧縮機13や切替弁は、後述する制御装置20(図7参照)により制御される。
図1、図2に示すように、上記した貯蔵室3,4,7の背面側には、上下に延びる背面ダクト15が設けられている。係る背面ダクト15は、貯蔵室3,4,7の奥方にて、冷蔵用冷却器8で生成された冷気を冷蔵室3とチルド室7とに供給する冷気流路15Rを形成するダクトであり、下部ダクト16と上部ダクト17を備えている。このうち、下部ダクト16は、図3、図4に示すように前後に組み合わされる下部前側ダクト16aと下部後側ダクト16bを一体的に有して構成されている(以下「下部ダクト16a,16b」とも称する)。
下部ダクト16a,16bは、冷蔵庫本体2における冷蔵室3の最下段の後方(チルド室7の後方)に位置して冷却器8及びファン9,9を収容し、上部ダクト17は、下部ダクト16a,16bの上方に延び且つ当該下部ダクト16a,16bと連通する。下部ダクト16a,16b内は冷蔵用冷却器室とされており、上部ダクト17よりも前方へ膨出した段付き状をなしている(図3参照)。
図2に示すように、下部ダクト16a,16bには、チルド室7と冷気流路15Rを連通させる左右一対の吹出口21,21が設けられている。一方の吹出口21はファン9の上側に位置し、他方の吹出口21はファン9Rの上側に位置する。これら吹出口21,21は、相互に左右に並び且つ左右に延びて帯状をなす貫通孔であり、下部前側ダクト16aと下部後側ダクト16bを貫通するように形成されている。吹出口21,21は、図4に示すように、下部前側ダクト16aの上部に設けられた吹出口21a,21aと、下部後側ダクト16bの上部に設けられた吹出口21b,21bとを前後に連ねることにより形成されている。冷却器8において熱交換された冷気は、吹出口21,21からチルド室7内へ吹き出される。
図3、図4に示すように、下部後側ダクト16bは、上端面に開口22bを有し、下端が開放された矩形箱状をなしており、例えば発砲スチロールから形成されている。下部前側ダクト16aは、下部後側ダクト16bに対して、前側から覆うように組み合わされるカバー状をなしており、例えば合成樹脂材料(ポリプロピレン)から形成されている。下部前側ダクト16aにおける上端の開口22aは、下部後側ダクト16bの開口22bに合わさるとともに、上部ダクト17の下端に接続される。
図4に示すように、下部後側ダクト16bの前面には、左右の吹出口21b,21b間に位置させて平坦部(前壁部23b)が設けられている。下部前側ダクト16aには、下部後側ダクト16bの前壁部23bに対応する部分23aが前方へ張出している。この下部前側ダクト16aにおける張出し部分23aと、下部後側ダクト16bの前壁部23bとで制御基板30を収容可能な基板収容部25が形成されている。
基板収容部25は、チルド室7背部における左右方向中間部の位置にあって、矩形ブロック状をなして前方へ張出す中空部である。図4、図5に示すように、基板収容部25の内部は、下部前側ダクト16aと下部後側ダクト16bとの間において、両ダクト16a,16bを接着する四角枠状のソフトテープSt1を介して気密な空間を形成している。基板収容部25は、当該下部ダクト16の前面16cよりも前側へ突出しており(図3参照)、冷気流路15Rを狭めることがない。また、基板収容部25は、吹出口21,21と対向する方向から見て(つまり図2の紙面と直交する方向から見て)、左右の吹出口21,21に挟まれる左右方向中央部の位置にあって、且つ吹出口21,21と左右に隣り合うように並ぶ位置に配置されており、吹出口21,21から吹き出される冷気の流れを妨げることがない。なお、基板収容部25に収容される制御基板30には、紫外光源31及び可視光源32が実装されているが、これら光源31,32について詳しくは後述する。
上記のファン9,9は、互いに左右方向に隣り合う並列配置とされており、冷蔵用冷却器8の上方において、各々の送風面が上向きとなるように設けられている。そして、冷蔵用冷却器8で生成された冷気は、ファン9,9の運転によって、背面ダクト15内の冷気流路15Rを通じて下部ダクト16の吹出口21,21からチルド室7へ吹出されるとともに、上部ダクト17の複数の吹出口26(図1、図2参照)から冷蔵室3へと吹出され、当該吹出口26から吹出された冷気が冷蔵室3から野菜室4にも供給されるようになっている。以下、説明の簡略化のために、吹出口26から吹出される冷気が供給される冷蔵室3及び野菜室4を便宜的に「冷蔵室3側」とも称する。
なお、下部ダクト16には、上記した冷気吹出口としての吹出口21,21及び26から吹き出された冷気が冷蔵用冷却器8へ戻る冷気戻り口としての第1戻り口18及び第2戻り口19が設けられている(図2、図3参照)。下部ダクト16において、第1戻り口18は、チルドケース72の下側に位置して前方へ突出するように形成されており、チルド室7側の冷気を冷蔵用冷却器8側へ通す戻り口となっている。第2戻り口19は、下部ダクト16の下端に形成された開口で構成されており、冷蔵室3側の冷気を冷蔵用冷却器8側へ通す戻り口となっている。図2、図3に示すように、第1戻り口18及び第2戻り口19は何れも基板収容部25よりも下方の位置に配置されている。
図1に示す冷蔵庫本体2の天井壁の上面後部には、前記制御装置20の制御基板20aを収容する基板収容部20sが設けられている。制御装置20は、例えばマイクロコンピュータを主体として構成されており、ROMやRAM等の記憶部20b(図7参照)を有する。同図7に示すように、制御装置20には、冷蔵用のファン9,9,冷凍用のファン11、圧縮機13、前記切替弁、紫外光源31、可視光源32が接続されるとともに、冷蔵室温度センサ27、赤外線センサ28、扉センサ29等が接続されている。
冷蔵室温度センサ27は、冷蔵室3の温度を検出するものであり、冷蔵室3内の背壁側に設けられている。赤外線センサ28は、チルド室7に収納されている食品が有する熱エネルギーを赤外線の放射量として検出するものであり、チルド室7の天井壁を構成する棚板Pdに設けられている。扉センサ29は、冷蔵室3の扉3aの開閉を検出する自己容量方式の静電センサであり(押込み式のドアスイッチでもよい)、扉3aの周縁側に設けられている。
制御装置20は、記憶部20bに記憶されているプログラムを実行し、冷蔵室温度センサ27や赤外線センサ28で検出した検出結果等に基づいて、ファン9,9,11や、圧縮機13を含む冷凍サイクルを運転することにより、各貯蔵室を冷却する。また、制御装置20は、扉センサ29の検出結果に基づいて、扉3aの開放に伴い可視光源32を点灯させ、扉3aの閉鎖に伴い可視光源32を消灯させる一方、紫外光源31については扉3aの閉鎖に伴い点灯させ、扉3aの開放に伴い消灯させるようになっている。
さて、上記した可視光源32は、チルド室7内に可視光を照射してチルド室7内を照明するものであり、紫外光源31は、チルド室7内に紫外光(紫外線)を照射してチルド室7内での除菌作用を得ようとするものである。本実施形態では、可視光源32と紫外光源31とを同一の制御基板30に実装するとともに、基板収容部25において当該基板30を所定角度傾斜させた配置構成としている。係るチルド室7の構成について、可視光源32及び紫外光源31並びに制御基板30の構成を中心に詳述する。
先ず、図3に示す前記チルドケース71,72のうち、上側のチルドケース71は、周壁たる前壁71a、背壁71b、及び左右の側壁71cと、底壁71dとを一体に有し、上面側が開口した比較的浅底な箱型容器状をなす。前壁71aには、同図の断面で逆「L」字状をなす手掛け部71eが設けられている。また、左右の側壁71c(同図では左側壁71cのみ図示)の外側には夫々、前後方向に延びるレール71fが設けられている。レール71fは、図示しないレール受けにより受けられ、ガイドされる。これにより、ユーザは、手掛け部71eに下側から手を掛けて、チルドケース71をレール71fに沿って引き出すことができる。チルドケース71は肉皿として、その底壁71d上に肉や魚等の食品が載置される。なお、チルドケース71の背壁71bにおける左右方向中央部には、基板収容部25に対応させて内側へ窪む窪み部70が設けられている。
下側のチルドケース72は、上側のチルドケース71と同様、前壁72a、背壁72b、及び左右の側壁72cと、底壁72dとを一体に有する箱型容器状の肉皿であり、前壁72aには、同図の断面で「L」字状をなす手掛け部72eが設けられている。左右の側壁72c(図3では左側壁72cのみ図示)の外側には夫々、前後方向に延びるレール72fが設けられ、レール72fは、図示しないレール受けによりガイドされる。これにより、ユーザは、手掛け部72eに上側から手を掛けて、チルドケース72をレール72fに沿って引き出すことができる。
なお、上側のチルドケース71には、底壁71d前端部に位置させて、スリット状の通風孔71gが複数設けられている。また、上側のチルドケース71前縁部と、棚板Pd(天井壁)前縁部との間は、図3の二点鎖線で示す前蓋73により開閉されるものとする。この前蓋73は、棚板Pd前縁部にて回動可能に軸支される。この場合、吹出口21,21から上側のチルドケース71へ吹出される冷気は、通風孔71gを通して下側のチルドケース72にも供給される(同図の矢印A参照)。これにより、両チルドケース71,72の内部、つまりチルド室7内が冷却される。
図3、図4に示すように、上側のチルドケース71に臨む基板収容部25の前面側には、矩形状の開口部34が設けられるとともに、この開口部34を塞ぐ窓部材35が設けられている。窓部材35は、可視光や紫外光を通す光透過部材として、例えば乳白色半透明のアクリル板からなり、矩形板状に形成されている。窓部材35の裏面には、開口部34と対応する部位に拡散部35a(図5参照)が設けられるとともに、窓部材35の周縁部には、平坦な取付面35b(図4参照)が設けられている。拡散部35aは、可視光や紫外光を拡散させる凹凸であって、例えば上下方向に延び左右方向に並ぶ複数条の凹部乃至凹部で形成されている。これにより、窓部材35は、可視光源32が放出した可視光や紫外光源31が放出した紫外光を、拡散部35aにて拡散させてチルド室7内に照射することができる。また、窓部材35の乳白色は、光の拡散に適し、眩しさを抑制する。
窓部材35の取付面35bは、四角枠状のソフトテープSt2を介して開口部34の周縁部に取付け固定されている(図4、図5参照)。このソフトテープSt2及び前記ソフトテープSt2は、基板収容部25において気密な内部空間を形成し、結露を防止する。こうして、窓部材35は、基板収容部25において、内部の制御基板30上の可視光源32及び紫外光源31を、間隙を有して覆うように設置される。
図3、図5に示すように、窓部材35は、基板収容部25の前面となる位置にあり、当該窓部材35の主面たる光透過面35cが垂直となる。また、窓部材35は、チルド室7の背部の内壁である下部ダクト16aの前面16c(以下「内壁16c」とも称す)と平行をなすとともに、当該内壁16cから前側に突出して、チルドケース71の背壁71bよりも内方へ突出した位置にある(図3参照)。
前記制御基板30は、電気絶縁材料からなる基材に図示しない配線が形成された矩形板状の基板(プリント基板)である。図6の拡大図で示すように、制御基板30には、可視光源32及び紫外光源31が実装されるとともに、コネクタ36や複数の抵抗素子37等の電子部品38が実装されており、前記配線と電子部品38とで回路(制御回路)が形成されている。制御基板30における実装面(表層)は、窓部材35の色と同じ乳白色の着色層とされている。このため、ユーザが窓部材35を正面から見ても、窓部材35の裏面側にある制御基板30を見えにくいものとすることができ、又、窓部材35を通した可視光源32の発光効果を高める(発光前後での光の変化を大きくする)ことができる。
コネクタ36は、前記制御装置20からの図示しないケーブルが接続されて、当該制御装置20と制御基板30上の回路とを電気的に中継する。コネクタ36は、図6に示すように、制御基板30における左下隅部に設けられている。複数の抵抗素子37は、可視光源32や紫外光源31に接続される回路素子である。複数の抵抗素子37は、制御基板30の周縁寄り(図6で上縁寄り)の位置に、その上縁(制御基板30の一辺)に沿って一列に並ぶように設けられている。そして、可視光源32及び紫外光源31は、複数の抵抗素子37よりも制御基板30の中央部寄りの位置に設けられている。
ここで、図6では、制御基板30の左右方向における中心線をC1、上下方向における中心線をC2、それら中心線C1,C2の交点をC0で表わしており、可視光源32は、制御基板30の中心C0に配置されている。これに対し、紫外光源31は、制御基板30における周縁の抵抗素子37よりも内側にあるが、中心線C1よりも右側にずれ且つ中心線C2よりも若干上側にずれた位置に配置されている。この場合、可視光源32が配置された制御基板30の中心C0部分を中央部として見ても、紫外光源31は、制御基板30の実装面における当該中央部からずれた位置にある。つまり、制御基板30において、可視光源32の中心C0点と紫外光源31の中心点とが上下方向へずれており、且つそれらの光源31,32が左右方向(制御基板30の一辺に沿う方向)に並ぶように配設されている。
このように「ずれ」とは、基準となる対象から離れた位置への移動、つまり中心線C1,C2や中心C0或いは可視光源32等の対象からの変位を意味する。なお、紫外光源31は、その中心と制御基板30の中心C0とがずれていればよく、図6の配置に限定するものではない。また、例えば、図6に示す可視光源32の中心C0点と紫外光源31の中心点との上下方向のずれ量を比較的小さく設定し(例えば10mm未満のずれ量とし)、図5に示すように左右方向から見て、両光源31,32の少なくとも一部が同方向(同図5の紙面に直交する方向)に相互に重なるように当該光源31,32を並べて配置してもよいことは勿論である。
なお、以下で「ずれ」というとき、上記したように基準となる対象から離れた位置への移動を称するものとし、紫外光源31以外の構成要素(構成物品)の「ずれ」についても、本実施形態や図面に記載の配置に限定するものではなく、各々のずれ量について比較的小さく設定し、或いは比較的大きく設定してよいことは勿論である。
可視光源32は、例えば水色光を発する可視光LEDで構成されている。これに対し、紫外光源31は、例えば波長が350nm~400nmの紫外光を発する紫外光LEDで構成されている。この紫外光源31の出力や波長は人体に対する影響が殆ど無いように設定されているが、上記のように紫外光源31を制御基板30の中央部からずらし、ひいてはチルド室7の左右方向中央部(図2の中心線C10参照)からずれた位置となるように当該制御基板30に実装することにより、ユーザに対して正面(中心線C1の位置)から紫外光が直接的に向かう事態を抑制している。つまり、紫外光源31の紫外光は、可視光よりも波長が短く、目にみえないものとしても、又、仮に扉3aの開放時に当該紫外光源31を点灯させるものとしても、その紫外光が照射されることによりユーザが不快に感じないようにする配置構成としている。この配置構成は、制御基板30において紫外光源31を中央部からのずらす配置と、制御基板30そのものを傾斜させる配置とを含む。
即ち、基板収容部25の内部には、制御基板30を傾斜させた姿勢で取付けるための保持部40が設けられている。図5では、この保持部40を便宜上破線で示している。詳しい図示は省略するが、保持部40は、制御基板30の実装面とチルド室7の内壁16cとのなす角度αが例えば20度となる向きで当該制御基板30に係合する係合片と、当該係合片に係合した制御基板30を係止する係合爪とを有し、制御基板30をその係合片と係止爪とで保持する。これにより、可視光源32及び紫外光源31は、保持部40によって、制御基板30ごと傾けた状態で配設されるとともに、当該制御基板30は、その左右方向中心線C1とチルド室7の左右方向中心線C10とが一致するようにして取り付けられる(図6と図2参照)。
この場合、可視光源32及び紫外光源31は、相互に制御基板30上で左右方向にずれ且つ上下方向に若干ずれて配置されているため、夫々の照射軸B、B´(図3参照)も相互に左右方向にずれ且つ上下方向に若干ずれている。このうち、可視光源32については、当該光源32とチルドケース71の底壁71d中心C100とを結ぶ照射軸Bとし、チルドケース71(チルド室7)を偏りなく照明する。
照射手段たる紫外光源31の照射軸B´は、可視光源32の照射軸Bに対して、例えば上方へ10mmずれており、チルドケース71の底壁71d中心C100よりも10mm高い位置(中心C100近傍の位置)に向けて照射する。また、図3に示す照射軸B、B´は、制御基板30上の光源31,32間のずれに対応する分、相互に左右方向(同図の紙面に直交する方向)へもずれている。この紫外光源31の照射軸B´乃至照射位置は、制御基板30における紫外光源31の中心線C1,C2に対するずれ量の調整により、設定されるものである。こうして、紫外光源31は、チルドケース71の底壁71dの中心C100近傍部分に向けて、或いは中心C100近傍部分の食品に向けて紫外光を照射する。
上記した可視光源32及び紫外光源31の照射方向は、何れもチルドケース71の底壁71d側へ向かって斜め下方へ傾斜しており(図3参照)、前記窓部材35は、当該照射方向に対応させて、可視光源32や紫外光源31よりも下側へずれた位置にある(図5参照)。また、可視光源32及び紫外光源31は、図3に示すように何れもチルドケース71の背壁71bよりも上方の位置に配設されることにより、そのチルドケース71の周壁71a~71cにより可視光や紫外光を遮らない構成としている。
さらに、図3に示すように、チルドケース71の縦方向の断面において前壁71aは、底壁71dとの間の外角βが略90度となる垂直壁であり、その底壁71dと紫外光の照射方向とがなす角度α(前記20度)よりも大きい(β>α)。このため、仮に、図3の二点鎖線で示す前蓋73が無い構成にあったとしても、前壁71aの高さ寸法を適宜設定することにより、ユーザに対して底壁71dで反射された紫外光が直接的に向かう事態を抑制することが可能となる。チルドケース71の前壁71aにおいて、前記の角度α,βの関係が「β>α」にあれば前記外角βは鋭角でもよく、底壁71dの中心C100近傍部分で反射した紫外線の反射光が、前壁71aに当たるように当該前壁71aの高さ寸法を設定することができるのである。
即ち、本実施形態と異なり、仮に、前壁71aが図3における下側のチルドケース7前側の傾斜壁72gの如く傾斜していれば(β≒α)、その前壁71aに反射光が当たらない。これに対し、本実施形態の如く、β=90度、底壁71dの前後方向の長さをL、としたとき、前記反射光が当たる前壁71aの高さHは、次式(1)で表される。よって、図3に示すように比較的紫外光の前記角度αが小さければ、前壁71aの高さ寸法を若干高くするだけで、反射光が当該前壁71aに当たるようになるのである。
H≧(L÷2)tanα …(1)
紫外光の照射方向の角度αつまり制御基板30の傾斜角度αは、好ましくは15度~25度の範囲内に設定し、より好ましくは前記20度に設定する。これは、中型の冷蔵庫1(510L~550L)において、紫外光源31の如く底壁71dの中心C100近傍の位置に向けて、斜め上方から紫外光を好適に照射することができる角度である。なお、紫外光の照射方向の角度αは、冷蔵庫1のサイズ或いはチルド室7(チルドケース71,72)の寸法形状等に応じて変更することができる。また、チルド室7は、二つのチルドケース71,72を配した構成に限らず、一のチルドケースを配した構成にしてもよい。
以上説明したように、本実施形態の冷蔵庫1は、貯蔵室たるチルド室7内に紫外光を照射する紫外光源31を備え、紫外光源31は、チルド室7に対して照射する紫外光の照射方向を傾斜させた構成とされている。これによれば、紫外光源31により、チルド室7内の食品あるいはチルド室7に対して斜めの方向から紫外光を照射する。従って例えば、本実施形態の如く、紫外光源31の照射方向を、チルドケース71の底壁71d(或いはチルド室7の底部)側へ向かって斜め下方へ傾斜させることにより、ユーザに対して紫外光が向かう事態を抑制しながらも、底壁71d上の食品に対して効果的な紫外光の照射を行うことができる。
紫外光源31は、これを実装する制御基板30ごと傾けた状態で配設されることにより、傾斜した照射方向へ照射する。これによれば、紫外光の照射角度を、制御基板30を傾けることにより容易に設定し、調整することができる。また、例えば本実施形態の如く一つの制御基板30に他の光源32も実装する場合には、他の光源32の照射角度も合わせて設定・調整することができる。
紫外光を通す材料からなり、紫外光源31を間隙を有して覆うように設置される窓部材35を備え、窓部材35は、その光透過面35cが垂直或いはチルド室7の内壁16cと平行をなすように配設されている。これによれば、紫外光源31を傾ける構成にあっても、チルド室7内の見栄えを損なわないように窓部材35でカバーすることができる。
窓部材35には、紫外光を拡散させる凹凸が拡散部35aとして形成されているため、局所的な紫外光の照射とならないようにすることができる。また、例えば本実施形態の如く可視光源32も設置する場合には、可視光を拡散させて眩しさを抑え、視認性を良好なものとすることができる。なお、拡散部35aは、窓部材35の表面側に形成したり、凹凸の形状を適宜変更してもよい。
窓部材35は、紫外光源31の照射方向に対応させて、紫外光源31よりも下側へずれた位置に設置されている。これによれば、窓部材35を無駄に大きくすることなく、紫外光源31の照射方向に合わせた窓部材35を介して、紫外光をチルド室7内へ通すことができる。
紫外光源31は、チルド室7に配置されるチルドケース71の周壁71a~71cよりも上方の位置に設置され、そのチルドケース71内に紫外光を照射する。これによれば、紫外光源31から照射される紫外光が、チルドケース71の周壁71a~71cで遮られず、紫外光による除菌作用が減殺されないようにすることができる。さらに、窓部材35は、チルドケース71の周囲から内方へ突出した位置に設置され、又、チルド室7の背部の壁16cから突出した位置に設置されているため、より効果的な紫外光の照射を行うことができる。
紫外光源31は、チルドケース71の背壁71b側から底壁71dへ向かって紫外光を照射するように設置されていて、チルドケース71の前壁71aと底壁71dとのなす角度は、当該底壁71dと紫外光の照射方向とがなす角度よりも大きい。これによれば、チルドケース71の前壁71aの高さ寸法を適宜設定することにより、ユーザに対して底壁71dで反射された紫外光が直接的に向かう事態を抑制することが可能となる。
前記吹出口21,21と対向する方向から見て、紫外光源31或いは窓部材35が、吹出口21,21と並ぶ位置に配置されている。これによれば、吹出口21,21から吹き出される冷気の流れを、紫外光源31或いは窓部材35で妨げることがなく、チルド室7内の冷却と除菌に好適なものとすることができる。また、本実施形態の如く、吹出口21,21について、紫外光源31或いは窓部材35を挟む位置に設ければ、チルド室7内の冷却と除菌に関してより効果的な配置構成とすることができる。
冷気戻り口たる第1戻り口18及び第2戻り口19は、紫外光源31或いは窓部材35よりも下方の位置に設けられている。これによれば、紫外光源31或いは窓部材35を、冷気の上流側に位置させることができ、上記した吹出口21,21の配置構成と相俟って、効果的な紫外光の照射とチルド室7内の冷却とを行うことができる
上記した実施形態は一例であり、その要旨を逸脱しない範囲で例えば以下のように変形、拡張あるいは組み合わせることができ、上記した具体数値は、要旨を逸脱しない範囲で適宜設定することができる。
窓部材35を、チルドケース71の周囲から内方へ突出した位置となるように設置したが、紫外光源31や可視光源32をチルドケース71の周囲から内方へ突出するようにし設置してもよい。また、こうした紫外光源31や可視光源32を収容する基板収容部25を、冷蔵室3側に設けるようにしてもよい。さらに、制御基板30の実装面の色は、窓部材35の色と同系色の色にしてもよく、又、上記した乳白色に限定するものではない。例えば、制御基板30の実装面の色を、窓部材35の色と同系色の白色とした場合でも、上記した実施形態と同様の効果を奏する。
制御基板30において、紫外光源31と可視光源32とを左右に並ぶように配置したが、上下に並ぶように配置してもよい。また、制御基板30において、可視光源32を、中心C0からずれた位置に配置してもよい。
吹出口21,21と紫外光源31或いは窓部材35とを左右に並ぶように配置したが、上下に並ぶように配置してもよい。
各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1は冷蔵庫、7はチルド室(貯蔵室)、18は第1戻り口(冷気戻り口)、19は第2戻り口(冷気戻り口)、21,21は吹出口(冷気吹出口)、30は制御基板(基板)、31は紫外光源(照射手段)、35は窓部材(光透過部材)、35aは拡散部(凹凸)、71はチルドケースを示す。

Claims (10)

  1. 貯蔵室と、
    前記貯蔵室内に紫外線を照射する照射手段と、を備え、
    前記照射手段は、前記貯蔵室に配置されるチルドケースの背壁側から底壁へ向かって紫外線を照射するように照射方向を傾斜させた構成とされていて、
    前記チルドケースは、その前壁上方の開口が、回動可能に軸支された前蓋により開閉され構成とし、縦方向の断面において、当該チルドケースの前壁は、その底壁との間の外角が、当該底壁と前記紫外線の照射方向とがなす角度よりも大きい鋭角又は略直角に設定され、当該前壁の高さが、当該チルドケースの背壁よりも低く、且つ前記底壁へ向かって照射され当該底壁で反射された紫外線が当該前壁に当たる寸法に設定された冷蔵庫。
  2. 前記照射手段は、これを実装する基板ごと傾けた状態で配設されることにより、傾斜した前記照射方向へ照射する請求項1記載の冷蔵庫。
  3. 紫外線を通す材料からなり、前記照射手段を間隙を有して覆うように設置される光透過部材を備え、
    前記光透過部材は、その光透過面が垂直或いは前記貯蔵室の内壁と平行をなすように配設されている請求項1又は2記載の冷蔵庫。
  4. 前記光透過部材には、紫外線を拡散させる凹凸が形成されている請求項3記載の冷蔵庫。
  5. 前記照射手段の照射方向は、前記チルドケースの底部側へ向かって斜め下方へ傾斜しており、
    前記光透過部材は、前記照射手段の照射方向に対応させて、当該照射手段よりも下側へずれた位置に設置されている請求項3又は4記載の冷蔵庫。
  6. 前記照射手段あるいは前記光透過部材は、前記チルドケースの周囲から内方へ突出した位置に設置され、又は前記貯蔵室の背部の壁から突出した位置に設置されている請求項3~5の何れか一項記載の冷蔵庫。
  7. 冷却器において熱交換された冷気が前記貯蔵室内へ吹き出される冷気吹出口と、吹き出された冷気が前記冷却器へ戻る冷気戻り口とを有するダクトを備え、
    前記冷気吹出口と対向する方向から見て、前記照射手段あるいは前記光透過部材が、前記冷気吹出口と並ぶ位置に配置されている請求項3~6の何れか一項記載の冷蔵庫。
  8. 冷却器において熱交換された冷気が前記貯蔵室内へ吹き出される冷気吹出口と、吹き出された冷気が前記冷却器へ戻る冷気戻り口とを有するダクトを備え、
    前記冷気吹出口と対向する方向から見て、当該冷気吹出口は、前記照射手段あるいは前記光透過部材を挟む位置に設けられた一対の冷気吹出口で構成されている請求項3~6の何れか一項記載の冷蔵庫。
  9. 前記冷気戻り口は、前記照射手段あるいは前記光透過部材よりも下方の位置に設けられている請求項7又は8記載の冷蔵庫。
  10. 前記照射手段は、前記チルドケースの周壁よりも上方の位置に設置され、そのチルドケース内に紫外線を照射する請求項1~9の何れか一項記載の冷蔵庫。
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