JP7207867B2 - 配線基板 - Google Patents

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Description

本開示は、配線基板に関する。
近年、携帯電話などの携帯電子機器の小型化および高性能化に伴い、これに用いる配線基板のさらなる薄型化が要求されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
特開2014-168007号公報 特開2016-208036号公報
本開示の配線基板は、金属板およびセラミック板のうちの少なくとも1種の基材部と、該基材部の少なくとも一方の面に積層された導体回路部と、を備えており、前記導体回路部は有機樹脂を主体とする樹脂基体と、該樹脂基体の表面および内部のうちの少なくとも一方に設けられている導体部とを有しており、前記基材部は、前記導体回路部が積層されている前記面に複数の凹部を有しており、前記基材部を断面視したときに、前記凹部は、前記面に沿っている底面と、該底面と前記面とをつないでいる側面とを有しており、複数の前記凹部の中に、前記側面の一部が前記底面よりも内側に入り込んでいる凹部を含んでおり、前記樹脂基体の一部が前記凹部に充填されている。
本開示の配線基板の断面模式図である。 図1におけるP1部の拡大断面図である。 図2におけるP2部の拡大断面図である。 図2におけるP3部の拡大断面図である。 図2におけるP4部の拡大断面図である。 実施形態の配線基板の他の態様を示すもので、基材部の両面に導体回路部を備えた配線基板を示す断面模式図である。
実施形態の配線基板Aは、基材部1と導体回路部3とを有する。基材部1と導体回路部3とは積層体を成している。図1に示した配線基板Aは、基材部1の一方の面1aに導体回路部3が積層された構成である。基材部1はヤング率の高い材料が好適である。導体回路部3は樹脂基体5と導体部7とで構成されている。樹脂基体5は有機樹脂を主成分とする材料によって形成されている。
ここで、実施形態の配線基板Aを構成する基体部1は、導体回路部3が積層されている面1aに複数の凹部9を有する。
凹部9は、図2、図3および図4に示すように、基材部1を断面視したときに、面1aに沿っている底面9aと、底面9aと面1aとをつないでいる側面9bとで構成される。つまり、凹部9は略凹状を成す形状である。
この配線基板Aでは、基材部1に形成されている複数の凹部9の中に、側面9bの一部が内側に入り込んでいる凹部9が含まれている。
基材部1の導体回路部3(樹脂基体5)が積層されている面1aに、前述した凹部9が形成されている場合に、この凹部9に樹脂基体5の一部が充填されていると、凹部9に入り込んだ樹脂基体5の一部が開口部9dから抜けにくくなる。これにより基材部1と樹脂基体5との間の接着性を高めることができる。この場合、基材部1と樹脂基体5が互いに成分の異なる材料であっても耐久性の高い配線基板Aを得ることができる。
なお、側面9bの一部が内側に入り込んでいる凹部9については、側面9bの一部が底面9aよりも内側に入り込んでいる凹部9あるいは凹部9の側面9bが当該凹部9の内側の方に傾斜した部分を有する形状の凹部9が含まれる。
なお、複数の凹部9の中に、凹部9の側面9bが当該凹部9の内側の方に傾斜した部分を有する形状の凹部9としては、例えば、側面9bの一部が傾斜した形状のほか、側面9bの傾斜した部分が底面9aとつながっている形状(言い換えれば、底面9aと連続して傾斜している形状)が例示できる。この場合、底面9aと側面9bとの成す角度θが鋭角であるのが良い。底面9aと側面9bとの成す角度θが鋭角であると、凹部9の底面9a側まで入り込んだ樹脂基体5の一部が開口部9dからより抜けにくくなる。これにより基材部1と樹脂基体5との間の接着性をより高めることができる。そのような凹部9の鋭角な角部である鋭角部9cの角度θとしては40°以上85°以下を目安とする。以下、凹部9の側面9bが当該凹部9の内側の方に傾斜した部分を有する形状の凹部9のことをオーバーハング型の凹部9と言う場合がある。このオーバーハング型の凹部9の形状は、基材部1の面1aの位置である開口部9dの径D2が底面9bの径D1よりも大きいいわゆるすり鉢型を成す凹部とは異なる形状である。
以下、配線基板Aを構成する基材部1および導体回路部3についてさらに説明する。基材部1の面積は導体回路部3の面積を100%としたときに80%以上を占める割合であるのが良い。基材部1の面積が導体回路部3の面積を100%としたときに80%以上を占める割合である場合には、配線基板Aを平面視したときの中央領域を占めるように基材部1を配置させることができる。基材部1の面積が導体回路部3の面積を100%としたときに80%以上を占める割合であると、導体回路部3が広い領域にわたって基材部1によって支えられる。その結果、配線基板Aが折れ曲がったり、変形したりするのを抑えることができる。基材部1は配線基板Aを平面視したときに、配線基板Aの中央領域を中心に配置されているのが良い。
基材部1はヤング率の高い材料を用いるのが良い。基材部1としては、金属板およびセラミック板のうちの少なくとも1種が適用される。この場合、ヤング率は基材部1の厚みにも因るが、例えば、60GPa以上、特には、100GPa以上が良い。金属板の材料としては、鉄、銅、ニッケル、アルミニウム、チタンおよび亜鉛、ならびにこれらのうちの複数の金属を組み合わせた合金または金属間化合物が良い。
セラミック板の材料としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素および窒化アルミニウムの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とするセラミックス、あるいは、ムライト、ジルコン、ステアタイト、エンスタタイト、ガラスセラミックスおよびガラスなどの複合酸化物を主成分とするセラミックスを用いることができる。
導体回路部3は樹脂基体5と導体部7とで構成されている。樹脂基体5は、後述する配線部7aを多層に組む場合には、配線部7aを介して厚み方向に複数の樹脂絶縁層5aが複数層積層された構造としても良い。樹脂基体5は有機樹脂を主体とする部位である。ここで、主体とは体積割合で60%以上を占める状態のことを言う。また、有機樹脂として
、熱硬化型樹脂を主成分とするものを用いると、樹脂基体5の耐熱性を高めることができる。なお、樹脂基体5は熱可塑性樹脂を含んでいても良い。この場合、熱可塑性樹脂としてはアクリル樹脂を用いることができる。樹脂基体5中に含まれる熱可塑性樹脂の割合は1質量%以上10質量%以下であるのが良い。樹脂基体5中に含まれる熱可塑性樹脂の割合が1質量%以上であると接着性を高めることができる。樹脂基体5中に含まれる熱可塑性樹脂の割合が10質量%以下であると変形を抑えることができる。また、樹脂基体5は有機樹脂の他に無機フィラーを含んでいても良い。樹脂基体5に無機フィラーを含ませると樹脂基体5の機械的強度を高めることができる。また、樹脂基体5に無機フィラーを含ませると樹脂基体5の熱膨張率を小さくすることができる。樹脂基体5の熱膨張率が小さくなると、導体回路部3と基材部1との間の熱膨張率の差を小さくすることが可能になる。熱膨張率およびヤング率の変化に起因して基材部1と導体回路部3との間の界面およびその付近に発生する応力を小さくすることができる。これにより配線基板Aの耐久性を向上させることができる。
有機樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、熱硬化性のポリイミド樹脂などの群から選ばれる1種が良い。
導体部7は、樹脂絶縁層5aの主面に沿うように設けられた配線部7aと、樹脂絶縁層5aあるいは樹脂基体5を厚み方向に貫通するように設けられた貫通導体7bとで構成されている。
導体部7の材料としては、金、銀、白金、パラジウム、銅、ニッケルおよびアルミニウムなどから選ばれる少なくとも1種を用いることができる。これらの中で、導電率が高く、貴金属の中でも比較的安価という点から銀が良い。また、銅を用いた場合、銅の粒子の表面に銀を被覆した複合粒子でも良い。
配線基板Aでは、導体回路部3の厚みt1に対して、基材部1の厚みt2が厚く、基材部1が高い剛性を有し、曲がり難い場合でも導体回路部3が基材部1から剥がれにくい。一方、配線基板Aは、樹脂基体5を主体とする導体回路部3の厚みt1に対して、基材部1の厚みt2が比較的薄い場合に、基材部1の変形しやすさから配線基板Aが変形しても導体回路部3を基材部1の面1aから剥がれ難くすることができる。この場合、導体回路部3の厚みt1および基材部1の厚みt2は、それぞれ0.1mm以上5mm以下を目安にすることができる。
また、配線基板Aでは、基材部1を断面視したときに、複数の凹部9の中に、オーバーハング型の凹部9であっても底面9aにおける径D1が面1aにおける開口部9dの位置における径D2よりも大きい凹部9(オーバーハング型の凹部9)を含んでいるのが良い。 この場合の凹部9は、図3に示すように、基材部1を断面視したときに、左右両側の
側面9bが凹部9の内側に向けて傾斜した部分を有する構造となる。凹部9がこのような形状であると、基材部1を断面視したときに、側面9bの一方だけが凹部9の内側に向けて傾斜した構造の凹部9に比べて、凹部9に入り込んだ樹脂基体5の一部がより抜けにくくなる。これにより耐久性のより高い配線基板Aを得ることができる。底面9aにおける径D1と開口部9dの位置における径D2との関係は、D2を100としたときに、D1は30以上80以下であるのが良い。
また、実施形態の配線基板Aでは、基材部1を断面視したときに、複数の凹部9の中に、側面9bが凹凸状を成す凹凸側面9bbを有する凹部9を含んでいても良い。特に図4に示すように、樹脂基体5の一部が底面9aまで達しておらず、底面9aから所定の高さの位置までの領域が空間9eになっている場合においては、凹部9の中にこのような形状
の凹部9が含まれている方が凹部9に入り込んだ樹脂基体5の一部を凹部9からより抜けにくくすることができ、有用である。この場合にも耐久性の高い配線基板Aを得ることができる。凹部9の側面9bが凹凸側面9bbであると判定は、側面9bにおける凹部の底から凸部の頂部までの高さh0の最大値が0.5μm以上である場合とする。
また、実施形態の配線基板Aでは、基材部1を断面視したときに、図4に示すように、複数の凹部9の中に、凹部9の側面9bにおける面1aと底面9aとの間の中腹が凹部9の内側に突き出している突出部9fを有する凹部9を含んでいても良い。突出部9fを有する凹部9が含まれていると、樹脂基体5の一部が凹部9の底面9aまで入り込んでいる場合に、樹脂基体5の一部をさらに凹部9から抜けにくくすることができる。この場合にも耐久性の高い配線基板Aを得ることができる。なお、凹凸側面9bbおよび突出部9fが異なる凹部9にそれぞれ形成されている凹部9の他に、凹凸側面9bbおよび突出部9fが一つの凹部9に形成されている構造でも良い。凹部9に突出部9fが形成されている状態とは、図4において、一点鎖線で示しているように、凹部9の面1aの位置s1と底面9a側の位置s2との間を基準線Lにして、基準線Lから凹部9の内側に突き出た部分が見られる場合とする。ここで、凹部9の面1aの位置s1は、面1aが底面9a側に折れ曲がった部分とする。なお、突出部9fの高さh1としては、開口部9dの径D2を1としたときに0.3以上0.6以下が良い。
また、実施形態の配線基板Aでは、基材部1の面1aに、当該基材部1の一部が突き出た突起部11を有しているのが良い。基材部1の面1aに突起部11を有している場合には、突起部11が樹脂基体5に対してアンカー効果を発揮する。これにより基材部1に対する樹脂基体5の接着性を高めることができる。
この突起部11の形状としては、例として、まず、柱状体を挙げることができる。柱状体の場合には、柱状体の側面が凹凸状を成す形状が良い。
また、突起部11自体の形状として、上記した柱状体の他に球状体または球状体に近い多面体形状などでも良い。なお、突起部11が球状体または多面体形状である場合には、図5に示すように、高さ方向の途中にネック部13が形成されているのがよい。この場合、ネック部13は基材部1の面1aに近い側に形成されているのが良い。
突起部11の高さ方向の途中にネック部11aが設けられている形状の場合には、突起部11の先端部11bの径D3はネック部13の周囲の径D4よりも大きい。突起部11は樹脂基体5によって周囲を取り囲まれている。つまり、ネック部13の径D4に対応する樹脂基体5の穴の径が突起部11の先端部11aの径D3に対応する樹脂基体5の穴の径よりも小さいため、突起部11の先端部11bが樹脂基体5から抜けにくくなる。これにより基材部1に対して樹脂基体5の接着性をより高めることが可能になる。突起部11の先端部11bの径D3とネック部13の径D4との関係は、D3を1としたときに、D4は0.3以上0.8以下の割合であるのが良い。突起部11の高さh2は1μm以上が良い。なお、導体回路部3に設けられる配線部7aとの接触を防止するという点から突起部11の高さh2の最大値としては5μm以下が良い。
上記した種々の凹部9については、開口部9dから底面9aまでの深さが0.5μm以上であるのが良い。開口部9dから底面9aまでの深さが0.5μm以上であると、基材部1に対する樹脂基体5の接着性を高めることができる。この場合、開口部9dから底面9aまでの深さの最大値としては、基材部1の機械的強度の低下を抑えるという点から5μm以下が目安になる。ここで、凹部9の深さとは、基材部1の面1aの開口部9dの位置から凹部9の底面9aの最深部まで深さのことである。
また、凹部9の径(ここでは、開口部9d側の径D2とする。)は0.5μm以上5μm以下であるのが良い。凹部9の形状は、当該凹部9において、側面9bの一部が底面9aよりも内側に入り込んでいる形状、言い換えると、底面9aと側面9bとの成す角度が鋭角である鋭角部9cの位置の対称性を高められるという点から円形状であるのが良い。ここで、円形状とは真円状だけではなく楕円形状であっても良い。例えば、基材部1を平面視したときの径のアスペクト比が1以上1.5以下であるのが良い。基材部1の面1aに占める凹部の面積割合としては10%以上60%以下であるのが良い。
凹部9および突起部11が基材部1の面1aに形成されていたときの頻度としては、すり鉢型の凹部を含め、オーバーハング型の凹部9および突起部11を合わせた個数の合計を100%としたときに、オーバーハング型の凹部9は30%以上95%であるのが良い。突起部11は5%以上40%以下であるのが良い。
以上、図1に示した配線基板Aを例にして基材部1の一方の面1aに導体回路部3を有する配線基板について説明したが、配線基板Aの他の態様として、図6に示すように、基材部1の両面に導体回路部3を設けた配線基板Bの構造でも同様の効果を得ることができる。配線基板Bの場合には、基材部1の両面に導体回路部3が設けられているために、基材部1の片面に導体回路部3を設けた配線基板Aよりも配線基板Bが反り難い。また、配線基板B上に実装する電子部品の数を大きく増やすことができる。配線基板Bの場合、導体回路部3は、基材部1の両面で同じ構成であっても良いが、基材部1の両面において、樹脂絶縁層5aの積層数、導体回路部3における配線部7aおよび貫通導体7bのサイズや配置が異なっている構造でも良い。
次に、配線基板Aを例にして、その製造方法について説明する。まず、基材部1となる金属板あるいはセラミック板を用意する。これらの部材を基材部1として用いる場合は、予め所定の条件にて面1aに凹部9を設けておくようにする。基材部1の面1aに凹部9を形成する方法としては、サンドブラスト法およびエッチング法を適用するのが良い。この場合、サンドブラスト法またはエッチング法の条件として、凹部9の径D2が5μm以下、凹部9の最大の深さが5μm以下となる特定の範囲に設定することにより、複数の凹部9の中に、側面の一部が底面よりも内側に入り込んでいる凹部9、言い換えると、底面9aと側面9bとの成す角度θが鋭角である凹部9が含まれる基材部1を得ることができる。また、エッチング条件としてアルカリエッチングを適用することにより、基材部1の面1aに凹部とともに突起部を形成することが可能になる。
一方、樹脂基体5に導体部7を形成した導体回路部3の未硬化層を作製する。まず、平板状の樹脂絶縁層5aを複数枚用意する。次に、樹脂絶縁層5aの所定の位置に貫通孔を形成する。貫通孔の形成にはパンチング加工またはレーザー加工を用いる。この後、貫通孔に貫通導体7bを形成する。貫通導体7bは導体ペーストあるいはめっきによって形成する。次に、貫通導体7bを形成した樹脂絶縁層5aの少なくとも一方の主面に配線部7aを形成する。配線部7aも導体ペーストあるいはめっきによって形成する。こうして導体部7(配線部7aおよび貫通導体7b)を有する樹脂絶縁層5aが形成される。
次に、作製した導体部7を有する樹脂絶縁層5aを基材部1の凹部9を形成した面1a上に所定の枚数だけ積層し、仮積層体を形成する。この後、仮積層体を所定の条件にて加圧加熱処理することによって配線基板Aを作製する。配線基板Bを作製する場合には、両方の面1aに凹部9を形成した基材部1を用意し、基材部1の両面に導体部7を有する樹脂絶縁層5aを所定の枚数だけ積層して仮積層体を作製し、この後、配線基板Aの場合と同様の条件にて加圧加熱処理を行うことによって配線基板Bを得る。
こうして得られた配線基板A、Bは、基材部1の面1aに、複数の凹部9の中に、側面
9bの一部が底面9aよりも内側に入り込んでいる凹部9が含まれている。このため凹部9に樹脂基体5の一部が充填される構造を得ることができる。こうして得られた配線基板A、Bは凹部9内に入り込んだ樹脂基体5の一部が開口部9dから抜けにくいものとなる。これにより基材部1と樹脂基体5との間の接着性の高い配線基板A、Bを得ることができる。
まず、基材部となるセラミック板として酸化アルミニウム質のセラミック板を用意した。また、金属板として銅板を用意した。用意したセラミック板および銅板の厚みは0.2mmとした。セラミック板および銅板は以下に記す形成条件によってそれぞれ凹部を形成した。
試料No.1、2は、サンドブラストとエッチングとを併用する条件とした。試料No.1のサンドブラストはアルミナの砥粒を圧力0.3MPaで吹き付ける条件に設定した。エッチングはアルカリエッチングを温度60℃、pH11にて行う条件に設定した。試料No.2もサンドブラストは試料No.1と同じ条件に設定した。エッチングは温度40℃、pH10のアルカリエッチングに続いて、温度45℃、pH4の酸エッチングを行う条件とした。試料No.3は、温度45℃、pH4の酸エッチングのみを行う条件とした。
導体回路部を構成する樹脂絶縁層としてエポキシ樹脂製の未硬化シートを用意した。未硬化シートはバーコータ法により作製した。未硬化シートの厚みは200μmに設定した。未硬化シートには平均粒径が1μmのシリカを添加した。シリカの添加量はエポキシ樹脂100質量部に対して150質量部とした。
作製した未硬化シートに直径200μmの貫通孔を形成した。次いで、貫通孔に銀ペーストを充填し、また、未硬化シートの表面に銀ペーストによって配線部となる導体パターンを形成した。こうして導体パターンを有する未硬化シートを作製した。
次に、作製した導体パターンを有する未硬化シートを基材部の凹部を形成した片方の面に積層して仮積層体を作製した。導体パターンを有する未硬化シートの積層数は4層とした。
次に、仮積層体を温度200℃、圧力0.1MPa、加熱時間5時間の条件で加圧加熱処理を行って配線基板が複数形成された多数個取り基板を得た。次いで、この多数個取り基板を所定のサイズに切断して配線基板を得た。配線基板のサイズはL5mm、W3mm、T1.8mmであった。
次に、作製した配線基板に対して、基材部に形成した凹部の形状と個数の頻度を評価した。この評価には作製した配線基板を断面研磨した試料を用いた。研磨面の観察には走査型電子顕微鏡を用いた。観察する領域は配線基板の断面における基材部と導体回路部との界面の長さ(幅)が100μmほどになる範囲とした。同じ長さの場所を10か所撮影した。撮影した断面写真から凹部および突起部の形状を判定し、形状の異なる凹部および突起部をカウントして個数を求めた。
試料から観察した凹部としては底面までの深さが0.5μm以上のものを抽出した。凹部の中で最も深さの大きい凹部は深さが5μmであった。
凹凸側面が見られた凹部については、凹凸側面における凹部の底から凸部の頂部までの高さ(h0)の最大値が0.5μm以上であるものを抽出した。
突出部が見られた凹部については、突出部の高さh1は開口部の径D2を1としたときの高さが0.3以上ある場合に突出部を有すると判定した。
突起部の判定は、その高さ(h2)が1mm以上であるものを抽出した。突起部の高さの最大値は10μmであった。
基材部の面に占める凹部および突起部を合わせた面積割合は、試料を断面視して撮影した写真の幅を100%としたときの長さの割合から求めたときにいずれの試料も22~24%であった。
また、凹部の平面形状を同じ配線基板から切り出した試料を用いて評価した。この場合、切り出した配線基板から導体回路部を剥がし、露出した基材部の面をデジタルマイクロスコープによって観察し、開口部の最大径とこの最大径の方向に対してほぼ直角な方向の径を測定してアスペクト比を求めた。観察した領域は100μm×80μmとし、隣接した同様の面積の箇所を3か所選んだ。
凹部に見られた開口部の形状はいずれもアスペクト比が1.5以下の略円形状であった。抽出した凹部の径は0.5μm以上5μm以下であった。
各基材部に形成された凹部の形状とその個数割合を表1に示した。表1に記した凹形状1は、基材部を断面視したときに、一方の凹部の底面と側面との間の角度が鋭角であり、他方は当該角度がほぼ直角である形状である。凹形状2は、基材部を断面視したときに、一方の凹部の底面と側面との間の角度が鋭角であり、他方は鈍角の形状である。凹形状3は、基材部を断面視したときに、凹部の両側における底面と側面との間の角度が鋭角である形状である。凹形状4は、基材部を断面視したときに、側面が凹凸状になっている形状である。凹形状5は、凹部の側面の中腹に突出部が形成されている形状である。凹形状6は、基材部を断面視したときに、凹部の両側における底面と側面との間の角度が鈍角である形状である。
基材部に対する導体回路部(樹脂基体)の接着性の評価は、温度-55℃に10秒、125℃に10秒、-55~125℃までの温度変化を3分で行う温度サイクル試験を1000回行った後の状態を観察して評価した。試料数は5個とした。
配線基板の反りは、レーザー光測定器を用いて、試料の対角線に沿って測定し、それぞれ5個の平均値を求めた。
Figure 0007207867000001
表1から明らかなように、サンドブラストとエッチングを用いて作製した試料No.1、2は、基材部に形成された凹部の中に、側面の一部が底面よりも内側に入り込んでいる凹部(凹部の底面と側面との間の角度が鋭角である凹部)が含まれていた。一方、エッチングのみの条件を用いた試料No.3は、基材部に形成された凹部は全てすり鉢状の形状であった。試料No.1、2は、基材部と導体回路部との間に剥離が見られず、配線基板の反りが19μm以下であった。試料No.3は、5個の試料の全てにおいて基材部と導体回路部との間に剥離した部分が見られた。また、配線基板の反りが110μmと大きかった。
1・・・基材部
1a・・面
3・・・導体回路部
5・・・樹脂基体
7・・・導体部
9・・・凹部
9bb・凹凸側面
9f・・突出部
11・・突起部
13・・ネック部

Claims (6)

  1. 金属板およびセラミック板のうちの少なくとも1種の基材部と、該基材部の少なくとも一方の面に積層された導体回路部と、を備えており、
    前記導体回路部は有機樹脂を主体とする樹脂基体と、該樹脂基体の表面および内部のうちの少なくとも一方に設けられている導体部とを有しており、
    前記基材部は、前記導体回路部が積層されている前記面に複数の凹部を有しており、
    前記基材部を断面視したときに、前記凹部は、前記面に沿っている底面と、該底面と前記面とをつないでいる側面とを有しており、
    複数の前記凹部の中に、前記側面の一部が内側に入り込んでいる凹部を含んでおり、
    前記樹脂基体の一部が前記凹部に充填されており、
    前記基材部は、該基材部の前記樹脂基体の主面が積層されている前記面から前記基材部の一部が前記樹脂基体側に突き出た突起部を有する、
    配線基板。
  2. 前記凹部は、前記基材部を断面視したときに、前記底面と前記側面との成す角度が鋭角である、請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記基材部を断面視したときに、複数の前記凹部の中に、前記底面における径が前記面における径よりも大きい凹部を含んでいる、請求項1または2に記載の配線基板。
  4. 前記基材部を断面視したときに、複数の前記凹部の中に、前記側面が凹凸状の凹部を含んでいる、請求項1乃至3のうちいずれかに記載の配線基板。
  5. 前記基材部を断面視したときに、複数の前記凹部の中に、前記側面における前記面と前記底面との間の中腹が前記凹部の内側に突出した凹部を含んでいる、請求項1乃至4のうちいずれかに記載の配線基板。
  6. 前記突起部は、高さ方向の途中にネック部を有する、請求項1乃至5のうちいずれかに記載の配線基板。
JP2018103698A 2018-05-30 2018-05-30 配線基板 Active JP7207867B2 (ja)

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