JP2018148126A - 配線基板、及び配線基板の製造方法 - Google Patents

配線基板、及び配線基板の製造方法 Download PDF

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Toshitake Seki
寿毅 関
堀尾 俊和
Toshikazu Horio
俊和 堀尾
鈴木 慎也
Shinya Suzuki
慎也 鈴木
真宏 井上
Masahiro Inoue
真宏 井上
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Abstract

【課題】ガラス基板をコア基材として用いつつ、ガラス基板の破損を抑制できる配線基板を提供する。【解決手段】本開示は、表面と裏面とを有するガラス基板と、ガラス基板の少なくとも表面に配置された配線部と、表面と裏面とを有する絶縁樹脂層と、絶縁樹脂層の表面に配置されるガラス層とを備える配線基板である。絶縁樹脂層は、裏面が配線部及びガラス基板の表面の一部を被覆するように配置される。ガラス層は、最表層を構成する。また、厚み方向と垂直な方向の端面において、ガラス基板、絶縁樹脂層、及びガラス層は、厚み方向にこの順に配置されると共に、それぞれ露出している。また、端面における最大高さ(Rz)は、0.2μm以上である。【選択図】図1

Description

本開示は、配線基板に関する。
電気機器の小型化に伴い、電気機器に使用される配線基板にも小型化及び高密度化が求められている。配線基板の小型化及び高密度化には、配線を支持するコア基材の寸法精度を高める必要がある。そこで、表面の平坦度の高いガラス基板をコア基材として用いた配線基板が提案されている(特許文献1参照)。
上記公報の配線基板は、一般に複数の配線基板が集合したマザー基板からの切り出しによって個片化される。この切り出しはブレード切断により行われる。
特開2016−92164号公報
上記公報の配線基板では、ガラス基板及び配線部が樹脂層で被覆される。そのため、配線基板の製造時に樹脂層を熱硬化させると、樹脂の硬化収縮に伴い、ガラス基板の内部に応力が残留する。
ここで、上述のブレード切断による個片化の際に、配線基板のガラス基板の端面にはチッピングが生じる。そのため、ガラス基板の内部に応力が残留していると、チッピングを起点としたガラス基板の内割れ(つまりクラック)が発生する。したがって、従来の配線基板では、クラックによるガラス基板の破損が起こりやすいという不都合がある。
本開示の一局面は、ガラス基板をコア基材として用いつつ、ガラス基板の破損を抑制できる配線基板を提供することを目的とする。
本開示の一態様は、表面と裏面とを有するガラス基板と、ガラス基板の少なくとも表面に配置された配線部と、表面と裏面とを有する絶縁樹脂層と、絶縁樹脂層の表面に配置されるガラス層とを備える配線基板である。絶縁樹脂層は、裏面が配線部及びガラス基板の表面の一部を被覆するように配置される。ガラス層は、最表層を構成する。また、厚み方向と垂直な方向の端面において、ガラス基板、絶縁樹脂層、及びガラス層は、厚み方向にこの順に配置されると共に、それぞれ露出している。また、端面における最大高さ(Rz)は、0.2μm以上である。
このような構成によれば、ガラス層が最表層を構成し、かつガラス基板及びガラス層の間に絶縁樹脂層が配置されるので、熱硬化時に絶縁樹脂層がガラス基板及びガラス層で拘束される。そのため、絶縁樹脂層の硬化収縮によるガラス基板における残留応力が低減されている。これにより、ブレード切断によって、厚み方向と垂直な方向の端面における最大高さ(Rz)が一定値以上となっても、ガラス基板の破損が抑制される。
本開示の一態様では、絶縁樹脂層は、ガラス基板及びガラス層よりも厚みが小さくてもよい。このような構成によれば、ガラス基板における残留応力をさらに低減することができる。その結果、ガラス基板の破損抑制を促進できる。
本開示の別の態様は、ガラス基板を備える配線基板の製造方法である。配線基板の製造方法は、表面と裏面とを有するガラス基板の少なくとも表面に配線部を配置する工程と、絶縁樹脂層及びガラス層の積層体を、絶縁樹脂層が配線部及びガラス基板の表面の一部を被覆するように配置する工程と、ガラス基板、絶縁樹脂層、及びガラス層の積層部分を厚み方向にブレードにより切断する工程とを備える。
このような構成によれば、絶縁樹脂層の硬化に起因するガラス基板の残留応力が低減できる。そのため、ブレード切断により個片化を行っても、ガラス基板の破損が生じにくい品質の高い配線基板を得ることができる。
実施形態の配線基板を示す模式的な断面図である。 図1の配線基板の製造方法を示すフローチャートである。 図3Aは、図1の配線基板の製造方法の工程を示す模式的な断面図であり、図3Bは、図3Aの次の工程を示す模式的な断面図であり、図3Cは、図3Bの次の工程を示す模式的な断面図であり、図3Dは、図3Cの次の工程を示す模式的な断面図であり、図3Eは、図3Dの次の工程を示す模式的な断面図である。 図4Aは、図3Eの次の工程を示す模式的な断面図であり、図4Bは、図4Aの次の工程を示す模式的な断面図であり、図4Cは、図4Bの次の工程を示す模式的な断面図である。 図5は、図1とは異なる実施形態の配線基板を示す模式的な断面図である。 図6Aは、実施例1における応力の観察結果を示す写真であり、図6Bは、比較例1における応力の観察結果を示す写真である。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
図1に示す配線基板1は、1つのガラス基板2と、表裏1対の配線部3A,3Bと、表裏1対の絶縁樹脂層4A,4Bと、表裏1対のガラス層5A,5Bとを備える。
<ガラス基板>
ガラス基板2は、表面と裏面とを有する。また、ガラス基板2は、ガラスを主成分とする。ここで、「主成分」とは、90質量%以上含有する成分を意味する。ガラス基板2を構成するガラスとしては、例えば石英ガラス、無アルカリガラス、アルカリガラス、結晶化ガラス、ホウケイ酸ガラス、ガラスセラミックス等が挙げられる。
ガラス基板2の平均厚みの下限としては、30μmが好ましく、100μmがより好ましい。一方、ガラス基板2の平均厚みの上限としては、1100μmが好ましく、700μmがより好ましい。ガラス基板2の平均厚みが上記下限より小さいと、強度が不十分となるおそれがある。逆に、ガラス基板2の平均厚みが上記上限を超えると、配線基板1の厚みが不要に大きくなるおそれがある。
ガラス基板2には、図1に示すように1以上のスルーホール13が設けられている。スルーホール13は、ガラス基板2を厚み方向に貫通している。スルーホール13の内周面には、貫通導体が配置され、この貫通導体により表側配線部3Aと裏側配線部3Bとが電気的に接続されている。
スルーホール13の直径の下限としては、30μmが好ましく、50μmがより好ましい。一方、スルーホール13の直径の上限としては、1000μmが好ましく、500μmがより好ましい。
<配線部>
1対の配線部3A,3Bのうち、表側配線部3Aは、ガラス基板2の表面に配置され、裏側配線部3Bは、ガラス基板2の裏面に配置されている。
1対の配線部3A,3Bは、それぞれ、1以上の接続用端子12と、ビア導体14と、配線パターン部15とを有する。接続用端子12は、外部の端子等を半田により接続するための電極パッド(つまりランド部)である。
表側配線部3Aの接続用端子12は、図1に示すように、表側絶縁樹脂層4Aの表面に配置されている。また、接続用端子12は、表側ガラス層5Aに設けた開口11によって表面が外部に露出している。接続用端子12は、表側絶縁樹脂層4Aを厚み方向に貫通するビア導体14により、表側配線部3Aの配線パターン部15と接続されている。なお、裏側配線部3Bの構成は、表側配線部3Aと同様である。
接続用端子12の平面形状は特に限定されず、円や多角形状とすることができる。
接続用端子12及びビア導体14を含めた1対の配線部3A,3Bは、導電性を有し、主成分として金属を含む。この金属としては、例えば、銅、銀、金、白金、ニッケル、チタン、アルミニウム、クロム、これらの合金等が挙げられる。これらの中でも、コストと導電性との観点から、銅が好ましい。
<絶縁樹脂層>
1対の絶縁樹脂層4A,4Bのうち、表側絶縁樹脂層4Aは、表側配線部3Aの配線パターン部15のガラス基板2とは反対側の表面に配置され、裏側絶縁樹脂層4Bは、裏側配線部3Bの配線パターン部15のガラス基板2とは反対側の表面に配置されている。
表側絶縁樹脂層4Aは、表面及び裏面を有する。表側絶縁樹脂層4Aは、裏面が表側配線部3Aの配線パターン部15と、ガラス基板2の表面のうち、表側配線部3Aが配置されていない部分とを被覆するように配置されている。裏側絶縁樹脂層4Bは、表側絶縁樹脂層4Aをガラス基板2に対し略対称に配置したものであり、表側絶縁樹脂層4Aと同様の構成である。
1対の絶縁樹脂層4A,4Bは、絶縁性の樹脂と、無機フィラーとを主成分とする。絶縁性の樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂等を用いることができる。また、これらの樹脂と、ガラス繊維等の無機繊維、又はポリアミド繊維等の有機繊維(例えば織布、不織布等)との複合材料も使用できる。さらに、連続多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の三次元網目状フッ素系樹脂基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた複合材料も使用できる。
無機フィラーとしては、シリカ、硫酸バリウム、酸化ケイ素、焼成タルク、Mo酸亜鉛処理タルク、チタン酸バリウム、酸化チタン、クレー、アルミナ、マイカ、ベーマイト、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、その他の金属酸化物又は金属水和物、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ガラス繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、炭酸ケイ素ウィスカ等を用いることができる。これらの無機フィラーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの無機フィラーの中でもシリカを主成分とするものが好ましい。
無機フィラーの形状やサイズは特に制限されず、異なるサイズの無機フィラーを併用することも可能である。さらに、無機フィラーはカップリング剤等により表面処理が施されてもよい。
1対の絶縁樹脂層4A,4Bそれぞれにおいて、樹脂に対する無機フィラーの含有割合は、樹脂100質量部に対し、40質量部以上80質量部以下が好ましい。無機フィラーの含有量が上記下限より小さいと、熱膨張率低減効果が不十分となるおそれがある。逆に、無機フィラーの含有量が上記上限を超えると、絶縁樹脂層の成形性が低下するおそれがある。
1対の絶縁樹脂層4A,4Bは、それぞれ、ガラス基板2及び1対のガラス層5A,5Bよりも厚みが小さいとよい。このようにすることで、ガラス基板2における残留応力の低減を促進することができる。なお、1対の絶縁樹脂層4A,4Bの厚みとは、ガラス基板2の表面又は裏面から、1対のガラス層5A,5Bの裏面までの距離を意味する。
1対の絶縁樹脂層4A,4Bのそれぞれの平均厚みの下限としては、10μmが好ましく、15μmがより好ましい。一方、1対の絶縁樹脂層4A,4Bのそれぞれの平均厚みの上限としては、500μmが好ましく、100μmがより好ましい。1対の絶縁樹脂層4A,4Bの平均厚みが上記下限より小さいと、1対のガラス層5A,5Bとガラス基板2との接着強度が不十分となるおそれがある。逆に、1対の絶縁樹脂層4A,4Bの平均厚みが上記上限を超えると、ガラス基板2における残留応力の低減が不十分となるおそれがある。
<ガラス層>
1対のガラス層5A,5Bのうち、表側ガラス層5Aは、表側絶縁樹脂層4Aの表面に配置され、裏側ガラス層5Bは、裏側絶縁樹脂層4Bの表面に配置されている。また、1対のガラス層5A,5Bの材質は、ガラス基板2と同様とすることができる。
表側ガラス層5Aは、表面及び裏面を有する。表側ガラス層5Aは、配線基板1の一方側の最表層を構成しており、その表面が配線基板1の一方の最外面となる。また、表側ガラス層5Aは、厚み方向に貫通する1以上の開口11を有する。この開口11内において、接続用端子12が露出している。裏側ガラス層5Bは、表側ガラス層5Aをガラス基板2に対し略対称に配置したものであり、表側ガラス層5Aと同様の構成である。
1対のガラス層5A,5Bの厚みは、ガラス基板2の厚みと同じか、ガラス基板2の厚みよりも小さいとよい。また、1対のガラス層5A,5Bのそれぞれの平均厚みの下限としては、30μmが好ましく、50μmがより好ましい。一方、1対のガラス層5A,5Bのそれぞれの平均厚みの上限としては、700μmが好ましく、300μmがより好ましい。1対のガラス層5A,5Bの平均厚みが上記下限より小さいと、強度が不十分となるおそれがある。逆に、1対のガラス層5A,5Bの平均厚みが上記上限を超えると、配線基板1の厚みが不要に大きくなるおそれがある。
また、開口11の直径の下限としては、30μmが好ましく、50μmがより好ましい。一方、開口11の直径の上限としては、1000μmが好ましく、500μmがより好ましい。
なお、本実施形態では図1に示すように、開口11及び接続用端子12を表側ガラス層5A又は裏側ガラス層5Bの厚み方向と垂直な仮想平面へ投影したとき、開口11の投影面積は、接続用端子12の投影面積よりも大きい。
また、本実施形態では、接続用端子12は、表側ガラス層5A又は裏側ガラス層5Bの開口11の内壁と当接しない。つまり、接続用端子12と開口11とは平面視で離間している。さらに、本実施形態では、開口11内において、表側絶縁樹脂層4A及び裏側絶縁樹脂層4Bの一部が露出している。
<端面>
配線基板1は、厚み方向と垂直な方向の端面10において、図1の上側から、表側ガラス層5A、表側絶縁樹脂層4A、ガラス基板2、裏側絶縁樹脂層4B、及び裏側ガラス層5Bが、厚み方向にこの順に配置されている。また、これらの部材は端面10において露出している。つまり、端面10は、表側ガラス層5A、表側絶縁樹脂層4A、ガラス基板2、裏側絶縁樹脂層4B、及び裏側ガラス層5Bの端面から構成される。また、端面10においては、ガラスと樹脂とが交互に積層されている。
端面10における最大高さ(Rz)の下限としては、0.2μmであり、好ましくは0.4μmである。また、Rzの上限としては、例えば10μmであり、好ましくは3μmである。また、端面10における算術平均粗さ(Ra)の下限としては、例えば0.01μmである。また、Raの上限としては、例えば5μmである。
ブレード切断によって個片化された配線基板1の端面10は、Rz又はRaが上記下限以上となる。一方、それ以外の方法で個片化された配線基板1では、Rz又はRaが上記下限よりも小さい。なお、Rzが上記上限を超えると、クラックが入りやすくなるおそれがある。
上記最大高さ(Rz)及び算術平均粗さ(Ra)は、JIS B0601:2001に準拠して測定されるものである。また、測定は例えば、触針式の表面粗さ計やレーザー顕微鏡を用いて行うことができる。
[1−2.製造方法]
次に、配線基板1の製造方法について説明する。
配線基板1の製造方法は、図2に示すように、配線パターン部配置工程S1と、積層体配置工程S2と、接続用端子配置工程S3と、ブレード切断工程S4と、を備える。なお、配線パターン部配置工程S1と接続用端子配置工程S3とが、「ガラス基板の表面及び裏面に配線部を配置する工程」を構成する。
<配線パターン部設置工程S1>
本工程では、まず、図3Aに示すように、貫通孔を設けたガラス基板2を用意する。次に、図3Bに示すように、ガラス基板2の表面及び裏面に表側配線部3A及び裏側配線部3Bの配線パターン部15をそれぞれ配置する。
配線パターン部15の配置は、サブトラクティブ法、セミアディティブ法、フルアディティブ法などといった公知の手法で実施できる。具体的には、例えば銅箔のエッチング、又は導電性ペーストの印刷により配線パターン部15を形成する。なお、銅箔はスパッタリング、化学蒸着(CVD)、無電解銅メッキ、電解銅メッキ等により形成できる。
<積層体配置工程S2>
本工程では、まず、図3Cに示すように、配線パターン部15を配置したガラス基板2の表裏両側に配線パターン部15を被覆するように1対の絶縁樹脂層4A,4Bを配置する。また、図3Dに示すように、開口11を設けた1対のガラス層5A,5Bを1対の絶縁樹脂層4A,4Bの外側に配置する。
この1対の絶縁樹脂層4A,4B及び1対のガラス層5A,5Bの積層は加熱しながらの真空貼り付けにより行う。また、貼り付け後、これらの積層体をさらに加熱し、1対の絶縁樹脂層4A,4Bを熱硬化させる。なお、1対の絶縁樹脂層4A,4Bにそれぞれ1対のガラス層5A,5Bを積層してから、これらの積層体をガラス基板2に貼り付けてもよい。
<接続用端子配置工程S3>
本工程では、まず、図3Eに示すように、熱硬化した1対の絶縁樹脂層4A,4Bの開口11と重なる部分にビア16を形成する。ビア16は、1対の絶縁樹脂層4A,4Bを厚み方向に貫通しており、例えばレーザードリルにより形成できる。
次に、図4Aに示すように、1対のガラス層5A,5Bの表面にフォトリソグラフィによりレジストパターン6をそれぞれ形成する。このレジストパターン6は、1対のガラス層5A,5Bの開口11の内壁を被覆する。
さらに、図4Bに示すように、メッキ等によりビア16にビア導体14を充填し、その上に接続用端子12を形成する。このとき、接続用端子12は、ビア16内において、レジストパターン6の内側に形成される。その後、レジストパターン6を除去すると、図4Cに示すように、1対のガラス層5A,5Bと離間した接続用端子12が得られる。
なお、接続用端子12には、ニッケル、パラジウム、金などの表層メッキを施すことが好ましい。また、1対のガラス層5A,5Bの表面をプラズマ処理等により祖化してもよい。
<ブレード切断工程S4>
図示されていないが、上記工程S1〜S3により、複数の配線基板1を含む多数個取り基板(いわゆるマザー基板)が形成される。
そこで、本工程では、ガラス基板2、1対の絶縁樹脂層4A,4B、及び1対の絶縁樹脂層4A,4Bの積層部分を厚み方向にブレード(例えばダイサー)により切断する。これにより、個片化された配線基板1が得られる。なお、この切断面は図1の端面10となる。
[1−3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)1対のガラス層5A,5Bが配線基板1の最表層を構成し、かつガラス基板2及び1対のガラス層5A,5Bの間にそれぞれ1対の絶縁樹脂層4A,4Bが配置される。これにより、熱硬化時に1対の絶縁樹脂層4A,4Bが、それぞれガラス基板2及び1対のガラス層5A,5Bで拘束される。そのため、1対の絶縁樹脂層4A,4Bの硬化収縮によるガラス基板2における残留応力が低減される。したがって、ブレード切断によって、厚み方向と垂直な方向の端面10における最大高さ(Rz)が一定値以上となっても、ガラス基板2の破損が抑制される。また、ガラス基板2と同時に、1対のガラス層5A,5Bの破損も抑制される。
(1b)1対のガラス層5A,5Bが最表層として積層されているので、基板全体の反り量が低減される。また、表裏両側に1対のガラス層5A,5Bが存在するため、ガラス基板2の表面側と裏面側とで1対の配線部3A,3Bの存在密度が異なる場合にも反りが抑えられる。
(1c)最表層が1対のガラス層5A,5Bで構成されるため、表面の平滑性に優れる。そのため、実装時のアンダーフィルの充填性が向上する。その結果、配線基板1の実装時における作業性が高められる。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(2a)上記実施形態の配線基板1において、必ずしもガラス基板2の両面に配線部を設けなくてもよい。つまり、配線基板1は、ガラス基板2の表面のみに配線部を配置した片面基板であってもよい。
(2b)逆に、上記実施形態の配線基板1は、3層以上の多層構造を有してもよい。図5に示す配線基板101は、このような多層構造の一例である。配線基板101は、配線基板1の構成に加えて、1対のガラス層5A,5Bのさらに外側にそれぞれ配置される、1対の第2絶縁樹脂層104A,104B、及び1対の第2ガラス層105A,105Bを備える。
配線基板101では、1対の第2ガラス層105A,105Bがそれぞれ最表層を構成する。また、1対の配線部3A,3Bの接続用端子112は、1対の第2ガラス層105A,105Bにそれぞれ設けられた開口111において露出している。
接続用端子112は、1対の第2絶縁樹脂層104A,104Bを貫通する第2ビア導体114により、図1の配線基板1の接続用端子12に相当する連結部113と接続されている。
(2c)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
[3.実施例]
以下、本開示の効果を確認するために行った実施例1と比較例1との比較について説明する。
(実施例1)
図1に示す配線基板1を作製した。ガラス基板2は、300mm四方、平均厚み300μmとした。1対の配線部3A,3Bは、ガラス基板2の上に、無電解銅メッキ及び電解銅メッキをした後、フォトリソグラフィとエッチングとを施すことで形成した。
1対の絶縁樹脂層4A,4Bとしては、平均厚み30μmのABFフィルム(味の素ファインテクノ社製)を用いた。また、1対のガラス層5A,5Bの平均厚みは、それぞれ200μmとした。
配線基板1は、上記部材を積層したマザー基板に対しダイサーを用いて個片化した。個片化した配線基板1の端面10に対し、最大高さ(Rz)について計測したところ、0.7μmであった。
この配線基板1について、熱衝撃試験を行った。具体的には、−65℃から150℃までの温度サイクルを500サイクル繰り返した。試験後、ガラス基板2にクラックは見当たらなかった。また、配線基板1のガラス内部応力を複屈折計にて測定した。その結果を図6Aに示す。図6Aにおけるガラス内部応力の最大値は3MPaであった。
(比較例1)
配線基板1において、1対のガラス層5A,5Bの代わりにソルダーレジストで1対のカバー層を設けた配線基板を作製した。
この配線基板について、実施例1と同様の熱衝撃試験を行った。その結果、ガラス基板2にクラックが見られた。また、実施例1と同様にガラス内部応力を測定した。その結果を図6Bに示す。図6Bにおけるガラス内部応力の最大値は6MPaであった。
(結果)
比較例1では、ガラス基板にクラックが生じた。一方で、実施例1では、ガラス基板にクラックが生じず、内部応力も比較例1に対し、小さくなっていた。つまり、ガラス層によりコア基材であるガラス基板の応力が低減されたと推測される。また、実施例1ではガラス層自体の応力も抑制されている。
1…配線基板、2…ガラス基板、3A…表側配線部、3B…裏側配線部、
4A…表側絶縁樹脂層、4B…裏側絶縁樹脂層、5A…表側ガラス層、
5B…裏側ガラス層、6…レジストパターン、10…端面、11…開口、
12…接続用端子、13…スルーホール、14…ビア導体、15…配線パターン部、
16…ビア、101…配線基板、104A,104B…第2絶縁樹脂層、
105A,105B…第2ガラス層、111…開口、112…接続用端子、
113…連結部、114…第2ビア導体。

Claims (3)

  1. 表面と裏面とを有するガラス基板と、
    前記ガラス基板の少なくとも表面に配置された配線部と、
    表面と裏面とを有し、裏面が前記配線部及び前記ガラス基板の表面の一部を被覆するように配置された絶縁樹脂層と、
    前記絶縁樹脂層の表面に配置され、最表層を構成するガラス層と、
    を備え、
    厚み方向と垂直な方向の端面において、前記ガラス基板、前記絶縁樹脂層、及び前記ガラス層は、厚み方向にこの順に配置されると共に、それぞれ露出しており、
    前記端面における最大高さ(Rz)は、0.2μm以上である、配線基板。
  2. 前記絶縁樹脂層は、前記ガラス基板及び前記ガラス層よりも厚みが小さい、請求項1に記載の配線基板。
  3. ガラス基板を備える配線基板の製造方法であって、
    表面と裏面とを有するガラス基板の少なくとも表面に配線部を配置する工程と、
    絶縁樹脂層及びガラス層の積層体を、前記絶縁樹脂層が前記配線部及び前記ガラス基板の表面の一部を被覆するように配置する工程と、
    前記ガラス基板、前記絶縁樹脂層、及び前記ガラス層の積層部分を厚み方向にブレードにより切断する工程と、
    を備える、配線基板の製造方法。
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