JP7207514B2 - 二重構造容器 - Google Patents
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Description
本発明は、二重構造容器に関するものであり、より詳細には、外容器と、該外容器内に挿入されて保持された内袋容器とからなる二重構造容器に関する。
従来、内袋容器と外筒とからなる二重構造を有している二重構造容器は、例えばエアレスボトルとして、醤油等の調味液が収容される容器として実用されている。かかるエアレスボトルは、逆止弁付のキャップと組み合わせで使用されるものであり、外容器であるボトルの胴部壁を外部からスクイズして凹ませることにより、内袋容器に充填されている内容物がキャップに形成されている注出路から排出され、ボトルの胴部壁の押圧を停止することにより内容物の排出を終了させると、逆止弁の作用により、空気は内袋容器には導入されず、キャップの注出路とは異なる流路を通って、内袋容器と外容器との間の空間に導入されることとなる。これにより、内袋容器は、内容物が排出された分だけ収縮することとなり、内容物を排出する毎に、内袋容器が収縮していく。このような方法により内容物が排出されるエアレスボトルでは、内容物を小出しできると共に、内容物が充填されている内袋容器への空気の侵入が有効に防止されるため、内容物の酸化劣化を有効に回避でき、内容物の鮮度を長期間にわたって保持できるという利点がある。
ところで、上記のような二重構造は、内袋容器からの内容物の排出に際して、ボトル(外容器)の胴部をスクイズしたとき、特に容器がポリエステル製である場合、非常に大きな音が発生するという問題があった。かかる音は、騒音と感じるレベル、例えば70dB以上であり、場合によっては80dBを超える場合もあり、その改善が望まれているのであるが、このような騒音を回避するための検討は、殆どなされていないのが実情である。
例えば、特許文献1には、内袋容器成形用の小径プリフォームと外容器成形用の大径プリフォームとを使用し、小径プリフォームを大径プリフォーム内に挿入した状態でブロー成形して二重構造容器を製造するに際して、小径プリフォームの外面と大径プリフォームの内面との間に、酸素吸収剤や脱臭剤等の薬剤などを設けることが提案されている。
また、特許文献2には、特許文献1と同様にして二重構造容器を製造するに際して、小径プリフォームの外面と大径プリフォームの内面との間に、流動パラフィンを含む離型剤層を設けることが提案されている。
また、特許文献2には、特許文献1と同様にして二重構造容器を製造するに際して、小径プリフォームの外面と大径プリフォームの内面との間に、流動パラフィンを含む離型剤層を設けることが提案されている。
特許文献1及び特許文献2には、内袋容器と外容器との間に各種材料を存在させることにより機能性を持たせるというものであり、例えば、異臭の発生や内袋内への酸素透過による内容物劣化が抑制され、さらには、内袋容器(袋)が外容器の内面から速やかに離脱し、両者の間に空気層を形成することができ、外容器をスクイズしての内袋容器内の内容物の排出を速やかに行うことができるなどの利点が達成されるのであるが、本発明者等が実験により確認した限りにおいて、外容器をスクイズしたときの音発生の問題は解決されていない。
従って、本発明の目的は、外容器と、該外容器内に挿入されて保持された内袋容器とからなる二重構造容器において、外容器をスクイズして内容物を排出する際の音の発生が有効に抑制された二重構造容器を提供することにある。
本発明によれば、外容器と、該外容器内に挿入されて保持された内袋容器とからなり、該外容器の胴部外面をスクイズすることにより、該内袋容器内に収容された内容物が排出される二重構造容器において、
前記内袋容器の外面若しくは外容器の内面には、内容物の排出に際して前記外容器の胴部のスクイズによって押圧される領域に100mg/m 2 以上の量で発音防止剤のコーティング層が設けられており、前記外容器をスクイズしたときに発生する音が、60dB以下に設定されていると共に、
前記発音防止剤が、融点が30~100℃の油性固体材料であることを特徴する二重構造容器が提供される。
尚、本発明において、外容器をスクイズしたときに発する音量レベルは、測定器としてサウンドレベルメータを使用し、二重構造容器の胴部外面と測定器との間隔を30cmに設定し、スクイズを1分間繰り返して行ったときの最大音量である。
前記内袋容器の外面若しくは外容器の内面には、内容物の排出に際して前記外容器の胴部のスクイズによって押圧される領域に100mg/m 2 以上の量で発音防止剤のコーティング層が設けられており、前記外容器をスクイズしたときに発生する音が、60dB以下に設定されていると共に、
前記発音防止剤が、融点が30~100℃の油性固体材料であることを特徴する二重構造容器が提供される。
尚、本発明において、外容器をスクイズしたときに発する音量レベルは、測定器としてサウンドレベルメータを使用し、二重構造容器の胴部外面と測定器との間隔を30cmに設定し、スクイズを1分間繰り返して行ったときの最大音量である。
本発明の二重構造容器では、
(1)前記発音防止剤がワックスであること、
(2)前記内袋容器及び外容器の何れもがポリエステル製であること、
が好適である。
(1)前記発音防止剤がワックスであること、
(2)前記内袋容器及び外容器の何れもがポリエステル製であること、
が好適である。
上記の二重構造容器は、
外容器成形用の試験管形状の第1のプリフォームと、内袋容器成形用の試験管形状の第2のプリフォームとを用意し、
第1のプリフォームの内面もしくは第2のプリフォームの外面に、発音防止剤のコーティング層を形成し、
前記発音防止剤のコーティング層が形成された状態で、第2のプリフォームが第1のプリフォーム内に収容されたスタックプリフォームを形成し、
前記スタックプリフォーム内の第2のプリフォーム内にブロー流体を供給することによりブロー成形を行うこと、
により製造される。
外容器成形用の試験管形状の第1のプリフォームと、内袋容器成形用の試験管形状の第2のプリフォームとを用意し、
第1のプリフォームの内面もしくは第2のプリフォームの外面に、発音防止剤のコーティング層を形成し、
前記発音防止剤のコーティング層が形成された状態で、第2のプリフォームが第1のプリフォーム内に収容されたスタックプリフォームを形成し、
前記スタックプリフォーム内の第2のプリフォーム内にブロー流体を供給することによりブロー成形を行うこと、
により製造される。
上記の製造方法においては、前記発音防止剤として、融点が30~100℃の固体材料を使用し、該発音防止剤のコーティング層を、第2のプリフォームの外面底部及びその近傍部分或いは第1のプリフォームの内面底部及びその近傍部分に形成し、前記スタックプリフォームを倒立状態に保持して前記ブロー成形を行うことが望ましい。
本発明の二重構造容器は、内袋容器の外面もしくは前記外容器の内面に、発音防止剤が分布している点に重要な特徴を有しており、これにより、外容器をスクイズしたときの発音が効果的に抑制されている。例えば、発音防止剤を存在させていない二重構造容器では、70dB以上の音を発するが、本発明では、後述する実施例に示されているように、この音が60dB以下に抑制されている。一般に、70dBは人が大きな声で会話しているレベルの音量であり、うるさいと感じるレベルであるが、60dBは、普通の声での会話であり、うるさいとは感じないレベルの音量である。
本発明において、発音防止剤として機能する材料は、実験により確認することができるが、基本的には、少なくともスクイズ動作が行われる使用環境下で固体状態にある油性固体が、発音防止剤として機能することが確認されており、特に、コーティング性の観点から、融点が30~100℃の範囲にあるものが使用される。
外容器の胴部をスクイズすることにより発生する音は、主に、スクイズにより凹んだ胴部壁が原形に復帰するときに生じるものであるが、これのみであれば、さほど大きな音は発生しない。例えば、内袋容器を有していない通常の単層ポリエステルボトルでは、このような大きな音は発生しない。しかしながら、二重構造容器では、スクイズにより凹んだ外容器の胴部壁を速やかに原形に復帰させ、外容器と内袋容器との間に空気を速やかに導入し、次の内容物排出操作(スクイズ)が行われるように設計されている。即ち、外容器の胴部壁は、比較的硬く設計されているため、原形復帰に際してより大きな音が発生する。しかも、二重構造容器では、外容器の内部に、内容物が充填されている内袋容器が挿入されている。このため、凹まされた外容器の胴部壁が原形復帰する際に、内容物が充填されている内袋容器との摩擦による摩擦音も加わり、この結果として、非常に大きな音、例えば70dB以上の音が発生するものと本発明者等は考えられている。
本発明では、発音防止剤、例えば、油性固体材料を外容器の内面と内袋容器との間に分布させておくことにより、上記の摩擦音が効果的に軽減され、スクイズに際して生じる音量レベルを60dB以下に抑制することが可能となっている。
本発明では、発音防止剤、例えば、油性固体材料を外容器の内面と内袋容器との間に分布させておくことにより、上記の摩擦音が効果的に軽減され、スクイズに際して生じる音量レベルを60dB以下に抑制することが可能となっている。
図1の概略図を参照して、本発明の二重構造容器は全体として10で示されており、外容器1と、外容器1の内部に収容されている内袋容器3とから構成されており、外容器1の内面と、内袋容器3の外面との間に発音防止剤5が分布している。
図1において、外容器1は、首部1a、首部1aに連なる胴部1b及び胴部1bの下端を閉じている底部1cとから形成されており、胴部1b及び底部1cがブロー延伸されている部分であり、首部1aは、ブロー延伸されていない固定部であり、ブロー延伸による薄肉化はされていない。
上記の首部1aの下方部分には、外容器1の内面と内袋容器3の外面との間に空気を導入するための空気導入口7が、レーザ加工等の後加工により設けられている。さらに、この外容器1の胴部1bの中央部分は、通常、スクイズ操作をし易いように、凹んだ形状を有している。
上記の首部1aの下方部分には、外容器1の内面と内袋容器3の外面との間に空気を導入するための空気導入口7が、レーザ加工等の後加工により設けられている。さらに、この外容器1の胴部1bの中央部分は、通常、スクイズ操作をし易いように、凹んだ形状を有している。
また、図1の例では、外容器1の首部1aの外面にサポートリング1dが形成されている。
一方、内袋容器3は、非延伸部である首部3aと、ブロー延伸されて袋状に薄肉となっている袋部3bとを有しており(通常、その厚みは200μm以下である)、成形直後の段階では、袋部3bの外面は、外容器1の胴部1b及び底部1cの内面に密着している。
このような内袋容器3において、首部3aは、外容器1の首部1a内に嵌めこまれており、図1の例では、この首部3aの上方部分が外容器1の首部1aから突出しており、この突出した部分に、キャップを螺子固定するための螺子3cが形成されており、さらに、螺子3cの下方部分に、内袋容器3が外容器1内に深く侵入しないように、ストッパーとなる突起3dが形成されている。
勿論、本発明の二重構造容器10の形態は図1に示されている形態に限定されるものではなく、例えば、内袋容器3の首部3aの上端に、ストッパーとなる突起3dのみを設け、外容器1の首部1aの外面(サポートリング1dの上方部)に、キャップを装着するための螺子を設けることもできる。
このような内袋容器3において、首部3aは、外容器1の首部1a内に嵌めこまれており、図1の例では、この首部3aの上方部分が外容器1の首部1aから突出しており、この突出した部分に、キャップを螺子固定するための螺子3cが形成されており、さらに、螺子3cの下方部分に、内袋容器3が外容器1内に深く侵入しないように、ストッパーとなる突起3dが形成されている。
勿論、本発明の二重構造容器10の形態は図1に示されている形態に限定されるものではなく、例えば、内袋容器3の首部3aの上端に、ストッパーとなる突起3dのみを設け、外容器1の首部1aの外面(サポートリング1dの上方部)に、キャップを装着するための螺子を設けることもできる。
本発明において、上述した外容器1は、ブロー成形可能な熱可塑性樹脂により形成されており、このような熱可塑性樹脂としては、例えば、以下のものを例示することができる。
オレフィン系樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン等のα-オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体、環状オレフィン共重合体など;
エチレン・ビニル系共重合体、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等;
スチレン系樹脂、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α-メチルスチレン・スチレン共重合体等;
ビニル系樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等;
ポリアミド樹脂、例えば、ナイロン6、ナイロン6-6、ナイロン6-10、ナイロン11、ナイロン12等;
ポリエステル樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びこれらの共重合ポリエステル等;
ポリカーボネート樹脂;
ポリフエニレンオキサイド樹脂;
生分解性樹脂、例えば、ポリ乳酸など;
勿論、成形性が損なわれない限り、これらの熱可塑性樹脂のブレンド物を使用することもできる。
オレフィン系樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン等のα-オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体、環状オレフィン共重合体など;
エチレン・ビニル系共重合体、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等;
スチレン系樹脂、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α-メチルスチレン・スチレン共重合体等;
ビニル系樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等;
ポリアミド樹脂、例えば、ナイロン6、ナイロン6-6、ナイロン6-10、ナイロン11、ナイロン12等;
ポリエステル樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びこれらの共重合ポリエステル等;
ポリカーボネート樹脂;
ポリフエニレンオキサイド樹脂;
生分解性樹脂、例えば、ポリ乳酸など;
勿論、成形性が損なわれない限り、これらの熱可塑性樹脂のブレンド物を使用することもできる。
また、二重構造容器10においては、外容器1と内袋容器3との間に空気が流入する構造となっているため、上記の外容器1には水分及びガスバリア性は必ずしも必要ではなく、水分及びガスバリア性の低いポリ乳酸も外容器1の形成に好適に使用することができる。さらに、高いバリア性が要求されていないため、エチレン・ビニルアルコール樹脂等のガスバリア樹脂による中間層を敢えて形成する必要もない。
しかるに、本発明において、好適に使用される熱可塑性樹脂は、外容器1の胴部1bの凹んだ形状の部分をスクイズしてさらに凹ませたとき、速やかに原形に復帰し得るような強度を確保できるという点で、ポリエステル樹脂、特にPETである。
しかるに、本発明において、好適に使用される熱可塑性樹脂は、外容器1の胴部1bの凹んだ形状の部分をスクイズしてさらに凹ませたとき、速やかに原形に復帰し得るような強度を確保できるという点で、ポリエステル樹脂、特にPETである。
さらに、内袋容器3は、外容器1と同様、ブロー成形可能な熱可塑性樹脂により形成される。
二重構造容器10では、内容物の排出に際して、内袋容器3の袋部3bと外容器1の胴部1bとの間に空気層を形成することが必要であるため、通常、内袋容器3形成用の熱可塑性樹脂としては、外容器1に対して速やかに剥離し得るようなものが好適に使用されるのであるが、本発明においては、外容器1と内袋容器3との間に発音防止剤5が存在しているため、内袋容器3を形成する熱可塑性樹脂が、外容器1を形成している熱可塑性樹脂と同種であっても何ら差し支えなく、特に、発音防止剤5を存在させるためのブロー延伸条件の設定が容易であることから、内袋容器3形成用の熱可塑性樹脂と外容器1を形成している熱可塑性樹脂とが同種であることが好ましい。
従って、外容器1をポリエステル樹脂で形成することが好ましいと前述したが、これに伴い、内袋容器3もポリエステル樹脂で形成されていることが好適である。
二重構造容器10では、内容物の排出に際して、内袋容器3の袋部3bと外容器1の胴部1bとの間に空気層を形成することが必要であるため、通常、内袋容器3形成用の熱可塑性樹脂としては、外容器1に対して速やかに剥離し得るようなものが好適に使用されるのであるが、本発明においては、外容器1と内袋容器3との間に発音防止剤5が存在しているため、内袋容器3を形成する熱可塑性樹脂が、外容器1を形成している熱可塑性樹脂と同種であっても何ら差し支えなく、特に、発音防止剤5を存在させるためのブロー延伸条件の設定が容易であることから、内袋容器3形成用の熱可塑性樹脂と外容器1を形成している熱可塑性樹脂とが同種であることが好ましい。
従って、外容器1をポリエステル樹脂で形成することが好ましいと前述したが、これに伴い、内袋容器3もポリエステル樹脂で形成されていることが好適である。
本発明の二重構造容器10では、図1に示されているように、外容器1の内面と内袋容器3の外面との間に発音防止剤5が存在している。
この発音防止剤5は、後述する実施例に示されているように、この二重構造容器10の外容器1の胴部1b(特に凹んだ部分)をスクイズしたときに発する音量が60dB以下に抑制し得るような剤であり、どのような材料が発音防止剤5として機能するかは、厳密には、実際にラボ試験を行って確認する必要がある。
発音防止剤として用いる油性材料は発音防止効果や取り扱いの観点から室温で固体であることが好ましい。一般に、プリフォームからボトルにブロー成形する際、容器の表面積は大幅に増大する。特にエアレスボトルの場合では内層容器を薄くつぶれやすくするために延伸倍率が大きく設計される。従ってスタックプリフォームに保持された発音防止層は薄く引き延ばされるため、十分な発音防止機能を付与するには発音防止層を厚くする必要がある。例えば、流動パラフィンのような室温で液体である材料を用いると、自重により流動し外容器形成用プリフォームに設けた空気導入孔7から漏れ出るなどの懸念がある。
しかるに、滑剤などとして知られる油性材料が、二重構造容器10の使用環境下で固体状である場合には、例えば、適当な溶剤などを用いての吹き付け或いは融解した状態でのディッピングなどにより、スクイズされる部分の外容器1の胴部1bの内面或いは内袋容器3の袋部3bの外面に、十分な量で存在させることができる。さらにこれらは、ボトル成形後も使用環境下では固体の状態で落下せずに安定にスクイズされる部分に保持されるため、スクイズに際しての外容器1の内面と内袋容器3の外面との間の摩擦が有効に低減され、結果として、スクイズに際して発生する音の音量を60dB以下に設定することが可能となる。
この発音防止剤5は、後述する実施例に示されているように、この二重構造容器10の外容器1の胴部1b(特に凹んだ部分)をスクイズしたときに発する音量が60dB以下に抑制し得るような剤であり、どのような材料が発音防止剤5として機能するかは、厳密には、実際にラボ試験を行って確認する必要がある。
発音防止剤として用いる油性材料は発音防止効果や取り扱いの観点から室温で固体であることが好ましい。一般に、プリフォームからボトルにブロー成形する際、容器の表面積は大幅に増大する。特にエアレスボトルの場合では内層容器を薄くつぶれやすくするために延伸倍率が大きく設計される。従ってスタックプリフォームに保持された発音防止層は薄く引き延ばされるため、十分な発音防止機能を付与するには発音防止層を厚くする必要がある。例えば、流動パラフィンのような室温で液体である材料を用いると、自重により流動し外容器形成用プリフォームに設けた空気導入孔7から漏れ出るなどの懸念がある。
しかるに、滑剤などとして知られる油性材料が、二重構造容器10の使用環境下で固体状である場合には、例えば、適当な溶剤などを用いての吹き付け或いは融解した状態でのディッピングなどにより、スクイズされる部分の外容器1の胴部1bの内面或いは内袋容器3の袋部3bの外面に、十分な量で存在させることができる。さらにこれらは、ボトル成形後も使用環境下では固体の状態で落下せずに安定にスクイズされる部分に保持されるため、スクイズに際しての外容器1の内面と内袋容器3の外面との間の摩擦が有効に低減され、結果として、スクイズに際して発生する音の音量を60dB以下に設定することが可能となる。
本発明において、上記のようなスリップ性を示す固体材料としては、二重構造容器10の使用環境下において固体状態で存在し且つブロー成形時には溶融流動するような融点を有する材料、具体的には、融点が30℃~100℃(特に35~70℃)の各種ワックス、例えば、ライスワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木蝋、蜜蝋等が好適である。また、融点が上記範囲内にあるパーム油、ココナッツ油、カカオバター等の油脂類も好適に使用することができ、さらには、高級脂肪族アミドなども使用することができる。
本発明において、上記のような発音防止剤5は、少なくとも外容器1の胴部1bのスクイズされる領域(スクイズ領域)において、その内面と内袋容器3の袋部3bの外面との間に存在していればよいが、かかる領域に存在する発音防止剤の量は、100mg/m2以上、より好ましくは400mg/m2以上とする。即ち、この量が少ないと、スクイズ時に発生する音を抑制する効果が十分に発揮されない。
ところで、上記のスクイズ領域に発音防止剤5を存在させるための手段としては、外容器3の内面を形成する熱可塑性樹脂或いは内袋容器3を形成する熱可塑性樹脂中に発音防止剤を配合しておき、スクイズ領域に発音防止剤をブリーディングさせる内添法が考えられるが、かかる方法では、上記のような十分な量の発音防止剤を存在させることが困難である。従って、本発明では、発音防止剤の層を、外容器1の胴部1bの内面或いは内袋容器3の袋部3bの外面に、コーティングにより設けるという手法が好適に採用される。
ところで、上記のスクイズ領域に発音防止剤5を存在させるための手段としては、外容器3の内面を形成する熱可塑性樹脂或いは内袋容器3を形成する熱可塑性樹脂中に発音防止剤を配合しておき、スクイズ領域に発音防止剤をブリーディングさせる内添法が考えられるが、かかる方法では、上記のような十分な量の発音防止剤を存在させることが困難である。従って、本発明では、発音防止剤の層を、外容器1の胴部1bの内面或いは内袋容器3の袋部3bの外面に、コーティングにより設けるという手法が好適に採用される。
上記のようなコーティングにより発音防止剤5の層を形成するという点で、本発明の二重構造容器は、外容器用の樹脂を用いての射出成形により得られた第1のプリフォーム(外容器成形用プリフォーム)と、内袋容器用の樹脂を用いての射出成形により得られた第2のプリフォーム(内袋容器成形用プリフォーム)を使用し、第2のプリフォームを第1のプリフォーム内に挿入して多重構造のスタックプリフォームを形成し、このスタックプリフォームについて二軸延伸ブロー成形を行うという方法(スタック法)により製造される。
即ち、かかるスタック法によれば、第1のプリフォーム或いは第2のプリフォームの所定部分に、前述した発音防止剤5の層をコーティングにより容易に形成することができる。
即ち、かかるスタック法によれば、第1のプリフォーム或いは第2のプリフォームの所定部分に、前述した発音防止剤5の層をコーティングにより容易に形成することができる。
上記のスタック法を説明するための図2及び図3において、図1の二重構造容器成形用のスタックプリフォームは、図3において全体として20で示されており、図2に示されているように何れも試験管形状を有している第1のプリフォーム11(図2(a)参照)と第2のプリフォーム13(図2(b)参照)とから形成される。
即ち、第1のプリフォーム11が外容器成形用のプリフォーム、第2のプリフォーム13が内袋容器成形用のプリフォームであり、第2のプリフォーム13を第1のプリフォーム内に挿入して嵌合保持することにより、ブロー延伸工程に供されるスタックプリフォーム20が組み合立てられる。
即ち、第1のプリフォーム11が外容器成形用のプリフォーム、第2のプリフォーム13が内袋容器成形用のプリフォームであり、第2のプリフォーム13を第1のプリフォーム内に挿入して嵌合保持することにより、ブロー延伸工程に供されるスタックプリフォーム20が組み合立てられる。
図2から理解されるように、第1のプリフォーム11及び第2のプリフォーム13は、何れも外容器1の首部1a及び内袋容器3の首部3aに相当する部分を有している。即ち、これらの部分は、何れも延伸成形されない部分であり、第1のプリフォーム11は、サポートリング1d及び射出成形後の後加工により形成された空気導入口7を有しており、細2のプリフォーム13は、螺子3c及び突起3dを有している。
また、第1のプリフォーム11の首部1aの下方部分の下端が閉じられた筒状部11bが延伸成形される部分であり、ブロー延伸により、外容器1の胴部1b及び底部1cの形態に賦形される。
さらに、第2のプリフォーム13の首部3aの下方部分の下端が閉じられた筒状部13bが延伸成形される部分であり、ブロー延伸により、内袋容器3の袋部3bの形態に賦形される。
また、第1のプリフォーム11の首部1aの下方部分の下端が閉じられた筒状部11bが延伸成形される部分であり、ブロー延伸により、外容器1の胴部1b及び底部1cの形態に賦形される。
さらに、第2のプリフォーム13の首部3aの下方部分の下端が閉じられた筒状部13bが延伸成形される部分であり、ブロー延伸により、内袋容器3の袋部3bの形態に賦形される。
このような第1のプリフォーム11内に、第2のプリフォーム13を挿入することによって図3に示す形態のスタックプリフォーム20を組み立て、ブロー金型内に配置し、所定の治具で首部1a,3aを含む部分を固定し(図3においてXで示す領域)、高周波加熱等により、このスタックプリフォーム20を延伸成形可能な温度(プリフォーム11,13を形成している樹脂のガラス転移点温度以上、融点未満)に加熱し、このスタックプリフォーム20(第2のプリフォーム13)内に、ストレッチロッド(図示せず)を挿入して一軸方向に延伸し、さらに、エア等のブロー流体を供給し、周方向に膨張させることにより、図1に示す形態の二重構造容器10が得られる。即ち、図3において、スタックプリフォーム20のYで示す領域が延伸成形される部分となる。
本発明においては、上記のようなスタック法により二重構造容器10を成形することにより、発音防止剤5のコーティング層を容易に、外容器1と内袋容器3との間に形成することができる。
例えば、互いに親和性を有しておらず、非粘着性を示すように、外容器1用の樹脂と内袋3用の樹脂とを選択しての共射出成形により、二重構造容器用のプリフォームを成形し、これを延伸ブロー成形により供するという手段では、発音防止剤5を外容器1と内袋容器3との間に分布させるには、どうしても、樹脂中に発音防止剤5を分散させて成形を行い、発音防止剤5のブリーディングにより分布させるという内添法を取らざるを得ない。既に述べたように、このような内添法では、どうしても発音防止に効果的な量で発音防止剤を分布させることができない。
しかるに、上述したスタック法を採用した場合には、例えば、外容器1用のプリフォーム(第1のプリフォーム11)と内袋容器3用のプリフォーム(第2のプリフォーム13)とが別個に成形されるため、これらプリフォーム11,13の所定部分に容易に発音防止剤5のコーティング層を形成しておくことにより、外容器1と内袋容器3との間に発音防止剤5を分布させることができる。
例えば、互いに親和性を有しておらず、非粘着性を示すように、外容器1用の樹脂と内袋3用の樹脂とを選択しての共射出成形により、二重構造容器用のプリフォームを成形し、これを延伸ブロー成形により供するという手段では、発音防止剤5を外容器1と内袋容器3との間に分布させるには、どうしても、樹脂中に発音防止剤5を分散させて成形を行い、発音防止剤5のブリーディングにより分布させるという内添法を取らざるを得ない。既に述べたように、このような内添法では、どうしても発音防止に効果的な量で発音防止剤を分布させることができない。
しかるに、上述したスタック法を採用した場合には、例えば、外容器1用のプリフォーム(第1のプリフォーム11)と内袋容器3用のプリフォーム(第2のプリフォーム13)とが別個に成形されるため、これらプリフォーム11,13の所定部分に容易に発音防止剤5のコーティング層を形成しておくことにより、外容器1と内袋容器3との間に発音防止剤5を分布させることができる。
発音防止剤5のコーティングは、例えば、適当な揮発性溶剤を用いて発音防止剤5の塗布液を調製し、この塗布液を、噴霧或いはディッピング等により、第1のプリフォーム11の延伸成形される部分(筒状部11b)の外面或いは第2のプリフォームの延伸成形される部分(筒状部13b)の外面に施し、次いで乾燥することにより行うことができる。
このようにして外面或いは内面に発音防止剤5のコーティング層が形成されている第1のプリフォーム11もしくは第2のプリフォーム13を用いて図3のスタックプリフォーム20を形成し、前述したブロー延伸成形を行うことにより、図1に示されているように、外容器1と内袋容器3との間に発音防止剤5を分布させることができる。
尚、かかるブロー延伸成形に際しては、発音防止剤5は融解して流動状態にあるため、膜切れ等を生じることなく、第1のプリフォーム11及び第2のプリフォーム13と共に引き延ばされ、所定のスクイズ領域に発音防止剤5を分布させることができる。
このようにして外面或いは内面に発音防止剤5のコーティング層が形成されている第1のプリフォーム11もしくは第2のプリフォーム13を用いて図3のスタックプリフォーム20を形成し、前述したブロー延伸成形を行うことにより、図1に示されているように、外容器1と内袋容器3との間に発音防止剤5を分布させることができる。
尚、かかるブロー延伸成形に際しては、発音防止剤5は融解して流動状態にあるため、膜切れ等を生じることなく、第1のプリフォーム11及び第2のプリフォーム13と共に引き延ばされ、所定のスクイズ領域に発音防止剤5を分布させることができる。
また、しかるに、本発明では、特に、融点が30~100℃の固体材料が発音防止剤5として選択できるため、例えば、発音防止剤5を加熱して溶融させ、この溶融物に第2のプリフォーム13をディッピングすることにより、溶剤を使用することなく、容易に発音防止剤5のコーティング層を形成することができる。このようにして発音防止剤5のコーティング層を形成する場合、例えば、第2のプリフォーム13の延伸成形部(筒状部13b)の外面全体にわたって発音防止剤5をコーティングする必要は無く、筒状部13bの底部及びその近傍のみを発音防止剤5の溶融物に浸漬し、コーティング層を形成すればよい。
即ち、このようにして筒状部13bの底部及びその近傍にのみ発音防止剤5のコーティング層が形成された第2のプリフォーム13を用いて組み立てられたスタックプリフォーム20は、図4に示されているように、倒立状態に保持され、この状態でブロー延伸成形が行われる。図4においては、発音防止剤5のコーティング層は30で示されている。
このような倒立状態でブロー延伸成形を行うことにより、発音防止剤5のコーティング層30は、ブロー延伸と共に溶融流動して下方に拡散し、この結果、スクイズ領域を含むように、内袋容器3の袋部3bの外面全体に広がり、図1に示されるように、外容器1と内袋容器3との間に発音防止剤5が分布した二重構造容器10を得ることができる。
この場合、発音防止剤5のコーティング量は、上記のコーティング層30が袋部3bの全体に広がることを考慮して、少なくともスクイズ領域に所定量の発音防止剤5が分布するように設定すればよい。
この場合、発音防止剤5のコーティング量は、上記のコーティング層30が袋部3bの全体に広がることを考慮して、少なくともスクイズ領域に所定量の発音防止剤5が分布するように設定すればよい。
上記のようにして製造された本発明の二重構造容器10は、内袋容器3の袋部3bに内容物を収容した後、この外容器1の首部1aに、それ自体公知の逆止弁付キャップを装着して使用に供される。
このような本発明の二重構造容器10では、内袋3に充填された内容物は、例えば、外容器1の胴部1bの凹んでいる部分(スクイズ領域)をスクイズ(押圧)することにより、押圧されて凹んだ分ずつ排出されていき、内容物が排出されて内袋容器3の袋部3bが減容するが、その分空気導入口7から袋部3bと外容器1の胴部1bの内面との間に空気が導入されて空気層が形成されるため、その後の内容物の排出も有効に行われる。
このようなスクイズによる内容物の排出作業を行ったとき、本発明では、スクイズに伴う発音が60dB以下に抑制されており、従来公知の二重構造容器には全く認められない効果が得られる。
このようなスクイズによる内容物の排出作業を行ったとき、本発明では、スクイズに伴う発音が60dB以下に抑制されており、従来公知の二重構造容器には全く認められない効果が得られる。
本発明の優れた効果を次の実験例で説明する。
容器のスクイズに伴う発音の測定には、サウンドレベルメーター(B&K Precision製)を用い、環境ノイズが45dB以下の室内にてサウンドレベルメーターと容器との距離を30cmとし、容器を1分間スクイズした際の最大音量で評価した。
除湿乾燥機で十分乾燥させた市販のボトル用PET樹脂(固有粘度:0.84dl/g)を射出成形機のホッパーへ供給し、外容器成形用の試験管形状の第1のプリフォームと、内袋容器成形用の試験管形状の第2のプリフォームを得た。
(比較例1)
上記の第1のプリフォームに第2のプリフォームを挿入し、スタックプリフォームを得た。さらに、スタックプリフォームに対してクオーツヒータおよび加熱用鉄芯により加熱し、ブロー成形し、内容量が約400mlの円筒形状ボトルを得た。延伸倍率は外層用プリフォームに対して縦方向で2.5倍、周方向で2.5倍、内層用プリフォームに対して縦方向で2.7倍、周方向で4.2倍であった。
得られた二重構造容器をスクイズし発音を測定したところ、最大音量は83dBであり不快を感じるレベルの音量であった。
上記の第1のプリフォームに第2のプリフォームを挿入し、スタックプリフォームを得た。さらに、スタックプリフォームに対してクオーツヒータおよび加熱用鉄芯により加熱し、ブロー成形し、内容量が約400mlの円筒形状ボトルを得た。延伸倍率は外層用プリフォームに対して縦方向で2.5倍、周方向で2.5倍、内層用プリフォームに対して縦方向で2.7倍、周方向で4.2倍であった。
得られた二重構造容器をスクイズし発音を測定したところ、最大音量は83dBであり不快を感じるレベルの音量であった。
(実施例1)
比較例1の第2のプリフォームに、溶融状態のパラフィンワックス(和光純薬製、融点44~46℃)ディップ処理し、第2のプリフォーム外面にパラフィンワックスを付着させた。この内層用プリフォームを外層用プリフォームに挿入し、二重構造プリフォームとし、比較例1と同様の方法でボトル形状にブロー成形した。
パラフィンワックスの付着量とボトルの表面積から計算されるパラフィンワックスの塗布量は1100mg/m2であった。得られた二重構造容器をスクイズし発音を測定したところ、最大音量は51dBであり、スクイズによる発音が効果的に抑制されていることが確認できた。
比較例1の第2のプリフォームに、溶融状態のパラフィンワックス(和光純薬製、融点44~46℃)ディップ処理し、第2のプリフォーム外面にパラフィンワックスを付着させた。この内層用プリフォームを外層用プリフォームに挿入し、二重構造プリフォームとし、比較例1と同様の方法でボトル形状にブロー成形した。
パラフィンワックスの付着量とボトルの表面積から計算されるパラフィンワックスの塗布量は1100mg/m2であった。得られた二重構造容器をスクイズし発音を測定したところ、最大音量は51dBであり、スクイズによる発音が効果的に抑制されていることが確認できた。
(実施例2)
内層用プリフォームにパラフィンワックスを塗布する手法をスプレーコートに変え、プリフォームの口部および底部にマスキングを行い胴部のみにパラフィンワックスを付着させる以外は実施例1と同様にボトル成形を実施した。パラフィンワックスの塗布量は550mg/m2であった。
得られた二重構造容器をスクイズし発音を測定したところ、最大音量は53dBであり、スクイズによる発音が効果的に抑制された。
内層用プリフォームにパラフィンワックスを塗布する手法をスプレーコートに変え、プリフォームの口部および底部にマスキングを行い胴部のみにパラフィンワックスを付着させる以外は実施例1と同様にボトル成形を実施した。パラフィンワックスの塗布量は550mg/m2であった。
得られた二重構造容器をスクイズし発音を測定したところ、最大音量は53dBであり、スクイズによる発音が効果的に抑制された。
(実施例3)
付着させるワックスを、パラフィンワックス(和光純薬製、融点68~70℃)に変えたほかは実施例2と同様にボトル成形した。パラフィンワックスの塗布量は510mg/m2であった。
得られた二重構造容器をスクイズし発音を測定したところ、最大音量は58dBであり、スクイズによる発音が効果的に抑制された。
付着させるワックスを、パラフィンワックス(和光純薬製、融点68~70℃)に変えたほかは実施例2と同様にボトル成形した。パラフィンワックスの塗布量は510mg/m2であった。
得られた二重構造容器をスクイズし発音を測定したところ、最大音量は58dBであり、スクイズによる発音が効果的に抑制された。
(比較例2)
パラフィンワックスの塗布量が80mg/m2となるように調整したほかは実施例2と同様にボトル成形を実施した。
得られた二重構造容器をスクイズし発音を測定したところ、最大音量は67dBであり、十分な発音抑制効果は得られなかった。
パラフィンワックスの塗布量が80mg/m2となるように調整したほかは実施例2と同様にボトル成形を実施した。
得られた二重構造容器をスクイズし発音を測定したところ、最大音量は67dBであり、十分な発音抑制効果は得られなかった。
1:外容器
3:内袋容器
5:発音防止剤
7:空気導入口
10:二重構造容器
11:第1のプリフォーム
13:第2のプリフォーム
30:発音防止剤のコーティング層
3:内袋容器
5:発音防止剤
7:空気導入口
10:二重構造容器
11:第1のプリフォーム
13:第2のプリフォーム
30:発音防止剤のコーティング層
Claims (3)
- 外容器と、該外容器内に挿入されて保持された内袋容器とからなり、該外容器の胴部外面をスクイズすることにより、該内袋容器内に収容された内容物が排出される二重構造容器において、
前記内袋容器の外面若しくは外容器の内面には、内容物の排出に際して前記外容器の胴部のスクイズによって押圧される領域に100mg/m 2 以上の量で発音防止剤のコーティング層が設けられており、前記外容器をスクイズしたときに発生する音が、60dB以下に設定されていると共に、
前記発音防止剤が、融点が30~100℃の油性固体材料であることを特徴する二重構造容器。 - 前記発音防止剤がワックスである請求項1に記載の二重構造容器。
- 前記内袋容器及び外容器の何れもがポリエステル製である請求項1または2に記載の二重構造容器。
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