JP7207380B2 - 味覚推定モデルの作成方法、味覚推定システム、及び、味覚推定プログラム - Google Patents

味覚推定モデルの作成方法、味覚推定システム、及び、味覚推定プログラム Download PDF

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本発明は、味覚推定モデルの作成方法、味覚推定システム、及び、味覚推定プログラムに関する。
飲食物に対する味覚を推定する味覚センサが知られている。たとえば、特許文献1は、味覚センサを用いた飲食物の味の分析について開示している。この味覚センサは、複数の味覚の各々が定量的に示す。
特開2017-130142号公報
官能評価による各飲食物の味覚評価は、膨大な労力と時間を要すると共に、評価者の感覚及び評価時の環境に左右される。味覚センサによれば、飲食物の成分から味覚を定性的かつ容易に推定できる。しかし、味覚センサによって検知される成分は限られている。このため、飲食物に含まれている成分のうち、既知の味覚センサでは検出されない成分の影響によって、実際に感じられる味覚と味覚センサの出力結果との間に差異が生じる場合がある。味覚は、単に舌による感覚だけでなく、香り及びのどごしなどによっても変化する。これらを考慮して、飲食物のどの成分がどのように味覚に影響を与えるかは、未だ知られていない。少なくとも既知の味覚センサにおいて検出される成分よりも多くの成分が、味覚に影響を与えている。
本発明の一つの態様は、飲食物に対する味覚の推定の正確度が向上した味覚推定モデルの作成方法を提供することを目的とする。本発明の別の態様は、飲食物に対する味覚の推定の正確度が向上した味覚推定システムを提供することを目的とする。本発明のさらに別の態様は、飲食物に対する味覚の推定の正確度が向上した味覚推定プログラムを提供することを目的とする。
本発明の一つの態様における味覚推定モデルの作成方法は、複数種の飲食物の各々について、複数の成分の各々の含有量に関する情報を含む成分データを取得するステップと、複数種の飲食物の各々について、複数の味覚の各々を定量的に示す仮味覚データを取得するステップと、複数種の飲食物の各々における成分データと仮味覚データとに基づいて、味覚と各成分との相関係数を演算するステップと、成分データと仮味覚データと相関係数とに基づいて、対象の飲食物における成分データの入力に応じて対象の飲食物の味覚に関する情報を出力する味覚推定モデルを作成するステップと、を含んでいる。
この作成方法は、複数種の飲食物の各々における成分データと仮味覚データとに基づいて、複数の味覚の各々について味覚と成分との相関係数を演算する。成分データと仮味覚データと相関係数とに基づいて、上記味覚推定モデルを作成する。この味覚推定モデルによれば、仮味覚データのみに基づいて味覚を推定する場合よりも、飲食物に対する味覚の推定の正確度が向上する。
上記一つの態様では、味覚推定モデルを作成するステップにおいて、各成分の相関係数に基づいて、成分データから、複数の成分のうち一部の成分毎の含有量に関する情報を含む選別データが選別され、選別データと仮味覚データとに基づいて、味覚推定モデルが作成されてもよい。この場合、不要な成分の情報が排除されるため、演算処理負荷が抑制される。関係性の高い成分の情報が用いられるため、味覚の推定の正確度がさらに向上する。
上記一つの態様では、味覚推定モデルを作成するステップにおいて、各成分の相関係数に基づいて、成分データから、第一選別データと、第一選別データと異なる数の成分毎の含有量に関する情報を含む第二選別データとが選別されてもよい。第一選別データと仮味覚データとに基づく第一仮味覚推定モデルと、第二選別データと仮味覚データとに基づく第二仮味覚推定モデルとが作成されてもよい。仮味覚データに基づいて、第一仮味覚推定モデル及び第二仮味覚推定モデルのうち一方が味覚推定モデルとして決定されてもよい。この場合、不要な成分の情報が排除されるため、演算処理負荷が抑制される。関係性の高い成分の情報が用いられるため、味覚の推定の正確度がさらに向上する。
上記一つの態様では、仮味覚データは、脂質膜の電位変化を測定する味覚センサから取得されたデータを含んでいてもよい。
上記一つの態様では、成分データは、各種のクロマトグラフィに基づくデータを含んでいてもよい。この場合、より多くの種類の成分の含有量に関する情報が取得され得る。
上記一つの態様では、飲食物は、アルコール飲料であってもよい。味覚は、甘味を含んでいてもよい。アルコール飲料の場合、味覚として甘みが重要視される。この作成方法によって作成される味覚推定モデルによれば、従来の推定では正確度が低かった甘みの推定も向上され得る。
上記一つの態様では、味覚は、香気及び炭酸度の少なくとも一つを含んでいてもよい。この作成方法によって作成される味覚推定モデルは、従来の推定では考慮されていなかった香気及び炭酸度も推定できる。
上記一つの態様では、成分データは、香気成分に関する情報及び炭酸度に関する情報の少なくとも一方を含んでいてもよい。この場合、味覚推定モデルは香気成分及び炭酸度の少なくとも一方も考慮して作成される。ヒトの味覚には、例えば、香り及びのどごしも関係している。この味覚推定モデルによれば、香気成分及び炭酸度の少なくとも一方も考慮して味覚が推定され得るため、味覚の推定の正確度がさらに向上する。
本発明の別の態様における味覚推定システムは、成分データ取得部と、味覚推定モデル取得部と、推定部と、を備えている。成分データ取得部は、対象の飲食物について、複数の成分の各々の含有量に関する情報を含む成分データを取得する。味覚推定モデル取得部は、複数種の飲食物の各々における成分データと、複数種の飲食物の各々について複数の味覚の各々を定量的に示す仮味覚データと、味覚と各成分との相関係数とに基づく味覚推定モデルを取得する。推定部は、成分データ取得部によって取得された情報と、味覚推定モデル取得部によって取得された味覚推定モデルとに基づいて、対象の飲食物の味覚に関する情報を推定する。
この味覚推定システムにおいて、味覚推定モデル取得部は、成分データと、仮味覚データと、味覚と各成分との相関係数とに基づく味覚推定モデルを取得する。推定部は、味覚成分データ取得部によって取得された情報と、味覚推定モデル取得部によって取得された味覚推定モデルとに基づいて、対象の飲食物の味覚に関する情報を推定する。この場合、仮味覚データのみに基づいて味覚を推定する場合よりも、飲食物に対する味覚の推定の正確度が向上する。
上記別の態様では、味覚推定モデル取得部は、互いに異なる味覚に対応する複数の味覚推定モデルを取得してもよい。推定部は、成分データ取得部によって取得された情報と複数の味覚推定モデルとに基づいて、対象の飲食物について各味覚推定モデルに対応する味覚に関する情報を推定してもよい。この場合、味覚ごとに作成された味覚推定モデルによって、飲食物の味覚が推定される。したがって、1つの味覚推定モデルによって複数の味覚を推定する場合よりも、飲食物に対する味覚の推定の正確度が向上する。
上記別の態様では、飲食物は、アルコール飲料であってもよい。味覚は、甘味を含んでいてもよい。
上記別の態様では、味覚は、香気及び炭酸度の少なくとも一つを含んでいてもよい。
上記別の態様では、成分データは、香気成分に関する情報及び炭酸度に関する情報の少なくとも一方を含んでいてもよい。この場合、香気成分及び炭酸度の少なくとも一方も考慮して味覚が推定され得るため、味覚の推定の正確度がさらに向上する。
本発明のさらに別の態様における味覚推定プログラムは、対象の飲食物について、複数の成分の各々の含有量に関する情報を含む成分データを取得するステップと、複数種の飲食物の各々における成分データと、複数種の飲食物の各々について複数の味覚の各々を定量的に示す仮味覚データと、味覚と各成分との相関係数とに基づく味覚推定モデルを取得するステップと、対象の飲食物における成分データと味覚推定モデルとに基づいて、対象の飲食物の味覚に関する情報を推定するステップと、をコンピュータに実行させる。
この味覚推定プログラムにおいて、成分データと、仮味覚データと、味覚と各成分との相関係数とに基づく味覚推定モデルが取得される。対象の飲食物における成分データと味覚推定モデルとに基づいて、対象の飲食物の味覚に関する情報が推定される。この場合、仮味覚データのみに基づいて味覚を推定する場合よりも、飲食物に対する味覚の推定の正確度が向上する。
上記さらに別の態様では、味覚推定モデルを取得するステップにおいて、互いに異なる味覚に対応する複数の味覚推定モデルが取得されてもよい。対象の飲食物の味覚に関する情報を推定するステップにおいて、対象の飲食物における成分データと複数の味覚推定モデルとに基づいて、対象の飲食物について各味覚推定モデルに対応する味覚に関する情報が推定されてもよい。この場合、味覚ごとに作成された味覚推定モデルによって、飲食物の味覚が推定される。したがって、1つの味覚推定モデルによって複数の味覚を推定する場合よりも、飲食物に対する味覚の推定の正確度が向上する。
上記さらに別の態様では、飲食物は、アルコール飲料であってもよい。味覚は、甘味を含んでいてもよい。
上記さらに別の態様では、味覚は、香気及び炭酸度の少なくとも一つを含んでいてもよい。
上記さらに別の態様では、成分データは、香気成分に関する情報及び炭酸度に関する情報の少なくとも一方を含んでいてもよい。香気成分及び炭酸度の少なくとも一方も考慮して味覚が推定され得るため、味覚の推定の正確度がさらに向上する。
本発明の一つの態様は、飲食物に対する味覚の推定の正確度が向上した味覚推定モデルの作成方法を提供する。本発明の別の態様は、飲食物に対する味覚の推定の正確度が向上した味覚推定システムを提供する。本発明のさらに別の態様は、飲食物に対する味覚の推定の正確度が向上した味覚推定プログラムを提供する。
本実施形態における味覚推定システムのブロック図である。 味覚推定モデル作成システムのブロック図である。 味覚推定モデルの決定方法を説明するための図である。 味覚推定システム及び味覚推定モデル作成システムのハードウェア構成の一例を示す図である。 味覚推定モデルの作成方法を示すフローチャートである。 味覚推定モデルを用いた推定方法を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
まず、図1を参照して、本実施形態における味覚推定システムの機能及び構成を説明する。図1は、味覚推定システムのブロック図である。味覚推定システム1は、対象の飲食物の成分データを取得し、取得した成分データに基づいて対象の飲食物の味を推定する。成分データは、飲食物に含まれる複数の成分の各々の含有量を含んでいる。味覚推定システム1は、取得した成分データに基づいて、ヒトが対象の飲食物を飲食した場合に感じる味覚を推定する。対象の飲食物は、たとえば、飲料である。飲料としては、たとえば、アルコール飲料が挙げられる。アルコール飲料としては、たとえば、ワイン及び日本酒などの醸造酒、並びに、ウィスキー及び焼酎などの蒸留酒が挙げられる。本実施形態における味覚の推定によって、アルコール飲料と食品との相性を判断することができる。本実施形態における味覚の推定において、対象の飲食物は、食事中に飲むことの多い醸造酒がより好ましい。
味覚推定システム1は、成分データ取得部11と、格納部12と、味覚推定モデル取得部13と、味覚値推定部14と、グラフ作成部15と、出力部16とを備えている。味覚推定システム1は、これらに基づいて、対象の飲食物における複数の味覚を推定する。味覚推定システム1によって推定される複数の味覚は、たとえば、塩味、酸味、甘味、旨味、及び、苦味を含んでいる。本実施形態の変形例において、味覚推定システム1によって推定される複数の味覚は、香気及び炭酸度の少なくとも一つをさらに含んでいてもよい。
成分データ取得部11は、対象の飲食物について、成分データを取得する。成分データは、飲食物に含まれる複数の成分の各々の含有量に関する情報を含んでいる。成分データ取得部11は、味覚推定システム1の外部から成分データを取得してもよいし、成分データ取得部11における測定結果を成分データとして取得してもよい。成分データ取得部11によって取得される成分データにおいて、この成分データに含まれる複数の成分は、たとえば、全ての飲食物に含まれると考えられる全ての成分である。成分データ取得部11は、たとえば、全ての飲食物に含まれていると考えられる全ての成分から、対象の飲食物における味覚に関係しない又は関係性が低いと考えられる成分を除いた成分に関する成分データを取得してもよい。成分データ取得部11によって取得される成分データは、測定可能な成分の成分データであり、たとえば、各種のクロマトグラフィに基づいて測定され得る成分データである。
各種のクロマトグラフィは、たとえば、イオンクロマトグラフィ、液体クロマトグラフィ、誘導体化を用いたガスクロマトグラフィ質量分析法、及び、ヘッドスペースガスクロマトグラフィ質量分析法の少なくとも1つを含んでいる。イオンクロマトグラフィによれば、主として有機酸の含有量が測定され得る。液体クロマトグラフィによれば、主としてアミノ酸及び糖成分の含有量が測定され得る。誘導体化を用いたガスクロマトグラフィ質量分析法によれば、主として有機酸、アミノ酸、及び糖成分の含有量が測定され得る。成分データは、香気成分に関する情報を含んでいてもよい。ヘッドスペースガスクロマトグラフィ質量分析法によれば、主として香気成分の含有量が測定され得る。たとえば、イオンクロマトグラフィであれば、イオンの価数、イオン半径、疎水性などの性質の違いにより、イオン成分を分離して、各イオン成分量を検出できる。この結果、複数種の有機酸の各々について成分量が測定される。
成分データ取得部11によって取得される成分データは、対象の飲食物の炭酸度に関する情報を含んでいてもよい。炭酸度は、たとえば、COの含有量である。本実施形態の変形例として、炭酸度は、CO以外も含むガスの含有量であってもよいし、泡の大きさであってもよいし、ガスの含有量と泡の大きさとの双方に関する指標値であってもよい。
炭酸度の取得には、たとえば、CO測定機が用いられる。たとえば、CO測定機は、ヴァイサラ株式会社のVAISALA GMT222である。炭酸度は、たとえば、飲食物が入ったカップにCO測定機を配置した状態で測定される。たとえば、CO測定機は、飲食物に触れないようにカップの内部に配置される。たとえば、CO測定機がカップの内部に配置された状態において、カップはラップなどの蓋によって覆われる。この状態において所定時間待機した後に、CO測定機から出力されるCO量を炭酸度として取得する。待機する所定時間は、たとえば、180秒である。
格納部12は、種々の情報を予め格納しており、各種の機能部からの情報を格納する。格納部12は、たとえば、成分データ取得部11によって取得された成分データを格納する。格納部12は、互いに異なる複数の味覚にそれぞれ対応する複数の味覚推定モデルを格納している。味覚推定モデルは、複数種の飲食物の各々における成分データと、複数種の飲食物の各々について複数の味覚の各々を定量的に示す仮味覚データと、味覚と各成分との相関係数とに基づいて作成されている。
味覚推定モデル取得部13は、対象の飲食物に対する味覚の判定に用いられる味覚推定モデルを取得する。味覚推定モデル取得部13は、互いに異なる複数の味覚にそれぞれ対応する複数の味覚推定モデルを取得する。味覚推定モデルは、対象の飲食物における複数の成分の各々の含有量に関する情報の入力に応じて、対象物の味覚に関する情報を出力する。味覚推定モデル取得部13は、味覚推定システム1の外部から味覚推定モデルを取得してもよいし、格納部12に予め格納されている味覚推定モデルを取得してもよい。本実施形態では、味覚推定モデル取得部13は、味覚推定システム1によって推定される複数の味覚の各々に対応する味覚推定モデルを取得する。換言すれば、味覚推定モデル取得部13によって取得される味覚推定モデルと、味覚推定システム1によって推定される複数の味覚とは、一対一の関係にある。味覚推定モデル取得部13は、たとえば、味覚推定システム1によって推定される味覚の数と同一の数の味覚推定モデルを取得する。
味覚値推定部14は、成分データ取得部11によって取得された成分データと、味覚推定モデル取得部13によって取得された味覚推定モデルとに基づいて、対象の飲食物の味覚に関する情報を推定する。味覚値推定部14は、成分データ取得部11によって取得された成分データと、互いに異なる味覚に対応する複数の味覚推定モデルとに基づいて、対象の飲食物について各味覚推定モデルに対応する味覚に関する情報を推定する。味覚値推定部14は、たとえば、味覚推定モデルによって、対象物の飲食物における各味覚の味覚値を推定する。味覚推定モデルによって推定される味覚値は、たとえば、対象の味覚の度合いを示す数値である。本実施形態において、味覚値推定部14は、複数種の味覚の各々に対応する味覚推定モデルから、対象の飲食物における各味覚の味覚値を出力する。味覚値推定部14は、たとえば、塩味、酸味、甘味、旨味、及び、苦味の各々の度合いを5段階で示した値を出力する。味覚値推定部14は、格納部12、グラフ作成部15、及び、出力部16の少なくとも1つに、味覚推定モデルによって推定された味覚値を出力する。以下、味覚値推定部14によって推定される味覚値を、推定味覚値という。
グラフ作成部15は、推定味覚値に基づいて、対象の飲食物の味を示すグラフを作成する。グラフ作成部15は、たとえば、対象の飲食物について各味覚の度合いを示すレーダチャートを作成する。たとえば、味覚推定システム1によって推定される複数の味覚が塩味、酸味、甘味、旨味、及び、苦味である場合には、グラフ作成部15は、各味覚の度合いを五角形で示すレーダチャートを作成する。グラフ作成部15は、格納部12及び出力部16の少なくとも1つに、作成されたグラフを出力する。
出力部16は、対象の飲食物に対して味覚値推定部14において推定された情報を出力する。出力部16は、たとえば、推定味覚値及びグラフ作成部15において作成されたグラフの少なくとも一方を含む味覚推定データを出力する。出力部16は、たとえば、表示部を含み、グラフ作成部15において作成されたグラフを表示する。
次に、図2を参照して、味覚推定モデル作成システムの機能及び構成を説明する。図2は、味覚推定モデル作成システムのブロック図である。味覚推定モデル作成システム20は、対象の飲食物における味覚を推定する味覚推定モデルを作成する。味覚推定システム1と味覚推定モデル作成システム20とは、一体であってもよい。
味覚推定モデル作成システム20は、成分データ取得部21と、仮味覚データ取得部22と、格納部23と、第一成分データ選別部24と、相関係数演算部25とを備えている。味覚推定モデル作成システム20は、さらに、第二成分データ選別部26と、仮味覚推定モデル作成部27と、仮味覚値演算部28と、味覚推定モデル決定部29と、出力部30とを備えている。
成分データ取得部21は、複数種の飲食物の各々における成分データを取得する。上述したように、成分データは、飲食物に含まれる複数の成分の各々の含有量に関する情報を含んでいる。成分データ取得部21は、味覚推定モデル作成システム20の外部から成分データを取得してもよいし、成分データ取得部21における測定結果を成分データとして取得してもよい。
成分データ取得部21によって成分データを取得する複数種の飲食物は、作成される味覚推定モデルが対象とする種別の飲食物であり、味覚推定対象の飲食物と同種の飲食物である。たとえば、味覚推定モデルによって味覚を推定する飲食物がアルコール飲料に分類される場合には、成分データ取得部21は、複数種のアルコール飲料をサンプルとして、各サンプルにおける成分データを取得する。以下、成分データ取得部21によって成分データを取得する飲食物を「サンプル」と呼ぶ。
成分データ取得部21によって取得される成分データにおいて、この成分データに含まれる複数の成分は、たとえば、全ての飲食物に含まれると考えられる全ての成分である。成分データ取得部21によって取得される成分データにおいて、この成分データに含まれる複数の成分は、サンプル又は味覚推定対象の飲食物と同種の飲食物に含まれると考えられる全ての成分であってもよい。味覚推定対象の飲食物は、作成される味覚推定モデルの対象の飲食物である。成分データ取得部21によって取得される成分データは、測定可能な成分の成分データであり、各種のクロマトグラフィに基づいて測定され得る成分データである。成分データ取得部21によって取得される成分データは、複数種のサンプルの炭酸度に関する情報を含んでいてもよい。成分データ取得部21によって取得される成分データは、香気成分に関する情報を含んでいてもよい。
たとえば、成分データ取得部21によって取得される成分データは、153種の成分毎の含有量に関する情報を含んでいる。味覚推定モデル作成システム20がアルコール飲料について味覚の推定を行う味覚推定モデルを作成する場合、成分データ取得部21によって取得される成分データは、アルコール飲料に含まれる測定可能な成分毎の含有量に関する情報を含んでいる。アルコール飲料に含まれる測定可能な成分は、たとえば、85種の成分である。成分データ取得部21は、たとえば、50種以上の成分毎の含有量に関する情報を成分データとして取得する。
仮味覚データ取得部22は、複数種のサンプルの各々について仮味覚データを取得する。仮味覚データ取得部22は、味覚推定モデル作成システム20の外部から仮味覚データを取得してもよいし、仮味覚データ取得部22における測定結果を仮味覚データとして取得してもよい。仮味覚データは、複数の味覚の各々を定量的に示すデータである。仮味覚データは、既知の味覚センサによって取得される。本実施形態の変形例として、仮味覚データは、官能試験に基づいて取得されたデータであってもよい。味覚センサは、たとえば、塩味、酸味、甘味、旨味、及び、苦味を含む複数の味覚について、各味覚の度合いを示す味覚値を検出する。味覚センサは、たとえば、脂質膜の電位変化を測定する。味覚センサは、各味覚に対応する成分が脂質膜に付着することによって生じる電位変化に基づいて味覚値を検出する。以下、味覚センサによって検出される味覚値を、検出味覚値という。
塩味に対応する成分は、たとえば、NaCl、KCl、及び、LiClなどを含んでいる。酸味に対応する成分は、たとえば、塩酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、及びコハク酸などを含んでいる。甘味に対応する成分は、たとえば、グルコース、スクロース、フルクトース、マルトース、グリシン、及び、アスパルテームなどを含んでいる。旨味に対応する成分は、グルタメート、イノシン酸、及び、グアニル酸などを含んでいる。苦味に対応する成分は、カフェイン、キニーネ、タンニン、フェニルアラニン、及び、Mg2+などを含んでいる。
既知の味覚センサでは、複数の成分が同時に脂質膜に付着するため、成分ごとの含有量を測定することは困難である。既知の味覚センサにおける検出結果に影響を及ぼす成分の種類は、各種のクロマトグラフィに基づいて測定され得る成分の種類よりも圧倒的に少ない。
格納部23は、種々の情報を予め格納しており、各種の機能部からの情報を格納する。格納部23は、たとえば、成分データ取得部21によって取得された成分データを格納する。格納部23は、仮味覚データ取得部22によって取得された仮味覚データを格納する。
第一成分データ選別部24は、成分データ取得部21において取得された成分データから、味覚推定対象の飲食物と同種の飲食物における味覚に関係しない又は関係性が低いと考えられる成分の成分データを除いた第一成分データを選別する。換言すれば、第一成分データ選別部24は、成分データ取得部21において取得された成分データから不要データを削除する。第一成分データ選別部24は、成分データ取得部21において取得された成分データから、味覚推定対象の飲食物と同種の飲食物において測定値がゼロである又はゼロに近い成分に関する成分データを除去する。第一成分データにおける成分の種類は、既知の味覚センサにおける検出結果に影響を及ぼす成分の種類よりも多い。第一成分データは、たとえば、50種以上の成分毎の含有量に関する情報を含んでいる。
相関係数演算部25は、複数種のサンプルの各々における成分データと仮味覚データとに基づいて、複数の味覚の各々について各成分と味覚との相関係数を演算する。この相関係数は、各味覚に対する各成分の影響の度合いを示す。相関係数演算部25は、第一成分データ選別部24において選別された第一成分データと、仮味覚データ取得部22において取得された仮味覚データとに基づいて、各成分と各味覚との相関係数を演算する。換言すれば、相関係数演算部25は、第一成分データ選別部24において選別された第一成分データにおける各成分と各味覚との相関係数を、第一成分データと味覚センサから出力された検出味覚値とに基づいて演算する。
一例として、19種のアルコール飲料について、複数の味覚のうち酸味に対する相関係数を演算する場合について説明する。たとえば、相関係数演算部25は、19種のアルコール飲料の各々における第一成分データと、19種のアルコール飲料の各々における酸味に関する検出味覚値とに基づいて、各成分の含有量と酸味との相関係数を演算する。相関係数の算出は、既知の手法によって行われる。相関係数は、-1から1までの値をとる。相関係数が-1である場合は、負の方向で影響が大きい。相関係数が1である場合は、正の方向で影響が大きい。相関係数がゼロである場合は、相関がない。
たとえば、19種のアルコール飲料をそれぞれi(i=1,・・・,19)とし、酒種ごとの酸味に関する検出味覚値をxiとし、酒種ごとのグルタミン酸の含有量をyiをとする。この場合、相関係数演算部25は、酸味に関するグルタミン酸の相関係数として、酒種ごとの酸味に関する検出味覚値xiと、酒種ごとのグルタミン酸の含有量yiとの相関係数を演算する。相関係数演算部25は、同様に、第一成分データにおけるグルタミン酸以外の各成分の含有量と酸味との相関係数を演算する。以上の処理を繰り返し、相関係数演算部25は、酸味を含む全ての味覚に対して各成分との相関係数を演算する。
第二成分データ選別部26は、第一成分データにおける各成分の相関係数に基づいて、第一成分データから成分データを選別する。第二成分データ選別部26によって選別された選別データは、第一成分データにおける成分のうち一部の成分毎の含有量に関する情報を含む。第二成分データ選別部26は、味覚ごとに、上記相関係数が所定の条件を満たす成分の成分データを選別データとして選別する。
第二成分データ選別部26は、味覚ごとに、上記相関係数に関する条件に応じて、複数のパターンの選別データを選別する。換言すれば、第二成分データ選別部26は、第一成分データにおける各成分の相関係数に基づいて、成分データから、互いに異なる数の成分毎の含有量に関する情報を含む複数種の選別データを選別する。これら複数種の選別データは、互いに異なる条件を上記相関係数が満たしている成分データである。
たとえば、第二成分データ選別部26は、第一成分データにおける成分のうち、上記相関係数の絶対値が一番目に高い成分から五番目に高い成分の成分データを第一パターンの選別データとして選別する。たとえば、第二成分データ選別部26は、上記相関係数の絶対値が0.6以上の成分の成分データを第二パターンの選別データとして選別する。たとえば、第二成分データ選別部26は、上記相関係数の絶対値が0.4以上の成分の成分データを第三パターンの選別データとして選別する。第二成分データ選別部26は、さらに、第一成分データの全てを第四パターンの選別データとして取得してもよい。第二成分データ選別部26が選別する選別データのパターンの数は、4つに限定されない。これらパターンの数、及び、相関係数の条件は、サンプルの数に応じて適宜決定されてもよい。パターンの数が多いほど、味覚推定の正確度は高い。しかし、パターンの数が多すぎれば、味覚推定モデルの作成における計算負荷は大きい。
仮味覚推定モデル作成部27は、成分データと仮味覚データと相関係数とに基づいて、仮味覚推定モデルを作成する。仮味覚推定モデル作成部27は、味覚ごとに仮味覚推定モデルを作成する。仮味覚推定モデル作成部27は、互いに異なる条件を相関係数が満たしている成分データによって、複数の仮味覚推定モデルを作成する。換言すれば、仮味覚推定モデル作成部27は、第二成分データ選別部26において選別された複数のパターンの各々の選別データに基づいて、それぞれの選別データに対応する仮味覚推定モデルを作成する。
仮味覚推定モデル作成部27は、たとえば、回帰分析によって仮味覚推定モデルを作成する。回帰分析には、既知の手法が用いられる。仮味覚推定モデル作成部27は、味覚ごとに回帰分析を行い、味覚ごとに仮味覚推定モデルを作成する。仮味覚推定モデル作成部27は、たとえば、第二成分データ選別部26において選別された選択データを説明変数とし、仮味覚データを目的関数とした回帰分析を行う。仮味覚推定モデル作成部27は、複数種のサンプルにおける対象の味覚の選択データと仮味覚データとに基づいて、回帰分析を行う。
仮味覚推定モデル作成部27は、たとえば、線形回帰とランダムフォレスト回帰とのそれぞれを用いて、仮味覚推定モデルを作成する。たとえば、仮味覚推定モデル作成部27は、4つのパターンの各々の選別データに基づいて、線形回帰によって4つのパターンの仮味覚推定モデルを作成し、さらに、ランダムフォレスト回帰によって4つのパターンの仮味覚推定モデルを作成する。この場合、仮味覚推定モデル作成部27は、各味覚ごとに、8つのパターンの仮味覚推定モデルを作成する。
仮味覚値演算部28は、第二成分データ選別部26において選択された選択データと、仮味覚推定モデル作成部27において作成された仮味覚推定モデルとに基づいて、仮味覚値を演算する。仮味覚値演算部28は、味覚ごとに仮味覚値を演算する。本実施形態において、仮味覚値演算部28は、仮味覚推定モデル作成部27において作成された複数の仮味覚推定モデルに基づいて、各味覚推定モデルに対応する複数の仮味覚値を演算する。
味覚推定モデル決定部29は、複数のパターンの仮味覚推定モデルを用いて演算される複数の仮味覚値に基づいて、味覚推定モデルを決定する。味覚推定モデル決定部29は、味覚ごとに、味覚推定モデルを決定する。味覚推定モデル決定部29は、味覚ごとに、複数のパターンの仮味覚推定モデルのうち最も味覚推定の正確度が高いと判断される仮味覚推定モデルを、最終的な味覚推定モデルとして決定する。たとえば、味覚推定モデル決定部29は、仮味覚データと仮味覚値に基づいて、上述した8つのパターンの仮味覚推定モデルから味覚推定モデルを決定する。
図3を参照して、味覚推定モデル決定部29による味覚推定モデルの決定方法の一例を説明する。図3は、異なる条件によって作成された仮味覚推定モデルを用いて演算された仮味覚値をプロットしたグラフである。縦軸は仮味覚値と基準値との差分であり、横軸は、サンプルの種類である。図3において、19種のサンプルa~sが示されている。図3に示されている例では、基準値として仮味覚データが用いられ、サンプルとしてアルコール飲料が用いられている。図3は、一例として、複数の味覚のうち酸味に関するデータを示している。
図3は、横軸のメモリごとに、メモリが示すサンプルの仮味覚値と、メモリが示すサンプルの検出味覚値との差分を示している。メモリが示すサンプルの仮味覚値は、メモリが示すサンプル以外の18種のサンプルを用いて作成された仮味覚推定モデルによって演算されている。たとえば、横軸の「a」のメモリでは、サンプルa以外の18種のサンプルb~sを用いて作成された仮味覚推定モデルによるサンプルaの仮味覚値と、仮味覚データのうち味覚センサによって検出されたサンプルaの検出味覚値との差分が示されている。横軸の「b」のメモリでは、サンプルb以外の18種のサンプルa,c~sを用いて作成された仮味覚推定モデルの仮味覚値と、仮味覚データのうち味覚センサによって検出されたサンプルbの検出味覚値との差分が示されている。
データD1~D8は、それぞれ、上述した8つのパターンの仮味覚推定モデルのうち対応する仮味覚推定モデルを用いて演算された仮味覚値に関するデータである。データD1は、上述した第四パターンの選別データに基づいてランダムフォレスト回帰を用いて作成された仮味覚推定モデルの仮味覚値に関する。データD2は、第四パターンの選別データに基づいて線形回帰を用いて作成された仮味覚推定モデルの仮味覚値を示している。データD3は、上述した第一パターンの選別データに基づいてランダムフォレスト回帰を用いて作成された仮味覚推定モデルの仮味覚値に関する。データD4は、第一パターンの選別データに基づいて線形回帰を用いて作成された仮味覚推定モデルの仮味覚値に関する。データD5は、上述した第二パターンの選別データに基づいてランダムフォレスト回帰を用いて作成された仮味覚推定モデルの仮味覚値に関する。データD6は、第二パターンの選別データに基づいて線形回帰を用いて作成された仮味覚推定モデルの仮味覚値に関する。データD7は、上述した第三パターンの選別データに基づいてランダムフォレスト回帰を用いて作成された仮味覚推定モデルの仮味覚値に関する。データD8は、第三パターンの選別データに基づいて線形回帰を用いて作成された仮味覚推定モデルの仮味覚値に関する。
味覚推定モデル決定部29は、これらデータD1~D8に基づいて、8つのパターンの仮味覚推定モデルの各々について、決定係数R、差分の絶対値の和、差分の絶対値の最大値、及び、差分の絶対値の平均値の少なくとも一つを演算する。味覚推定モデル決定部29は、決定係数R、差分の絶対値の和、差分の絶対値の最大値、及び、差分の絶対値の平均値の少なくとも一つに基づいて、味覚推定モデルを決定する。味覚推定モデル決定部29は、決定係数Rを用いる場合には、最も決定係数Rが大きいパターンの仮味覚推定モデルを味覚推定モデルとして決定する。味覚推定モデル決定部29は、差分の絶対値の和を用いる場合には、最も差分の絶対値の和が小さいパターンの仮味覚推定モデルを味覚推定モデルとして決定する。味覚推定モデル決定部29は、差分の絶対値の最大値を用いる場合には、最も差分の絶対値の最大値が小さいパターンの仮味覚推定モデルを味覚推定モデルとして決定する。
味覚推定モデル決定部29は、たとえば、決定係数R、差分の絶対値の和、及び、差分の絶対値の最大値に基づいて、味覚推定モデルを決定する。たとえば、味覚推定モデル決定部29は、差分の絶対値の和による条件、差分の絶対値の最大値による条件、決定係数Rによる条件の順で優先順位に重み付けをして味覚推定モデルを決定する。これによって、味覚推定モデル決定部29は、全体的に差分が小さく、突出した差分が少なく、かつ、説明変数が少ないパターンの仮味覚推定モデルを最終的な味覚推定モデルとして決定する。この結果、変数のばらつきによる影響が低減される。
たとえば、第一の選択として、味覚推定モデル決定部29は、差分の絶対値の和が所定の値よりも小さいパターンの仮味覚推定モデルを選択する。第一の選択において選択されたパターンが複数ある場合には、味覚推定モデル決定部29は、第二の選択として、第一の選択において選択されたパターンのうち、差分の絶対値の最大値が所定の値よりも小さいパターンの仮味覚優先モデルを選択する。第二の選択において選択されたパターンが複数ある場合には、味覚推定モデル決定部29は、第三の選択として、第二の選択において選択されたパターンのうち、決定係数Rが大きいが所定の値よりも大きいパターンの仮味覚優先モデルを選択する。第三の選択において選択されたパターンが複数ある場合には、味覚推定モデル決定部29は、第四の選択として、第三の選択において選択されたパターンのうち、最も説明変数が少ないパターンの仮味覚優先モデルを選択する。第四の選択において選択されたパターンが複数ある場合には、味覚推定モデル決定部29は、第五の選択として、第四の選択において選択されたパターンのうち、ランダムフォレスト回帰を用いたパターンの仮味覚優先モデルを選択する。
出力部30は、味覚推定モデル決定部29において決定された味覚推定モデルを味覚推定システム1の格納部12に出力する。格納部12と格納部23とが一体である場合には、出力部30は、味覚推定モデル決定部29において決定された味覚推定モデルを格納部23に格納してもよい。
次に、図4を参照して、味覚推定システム1及び味覚推定モデル作成システム20のハードウェア構成について説明する。図4は、味覚推定システム1及び味覚推定モデル作成システム20のハードウェア構成の一例を示す図である。図4に示されている例において、味覚推定システム1と味覚推定モデル作成システム20とは、一体に構成されている。味覚推定システム1と味覚推定モデル作成システム20とは、互いに分離して構成されていてもよい。
味覚推定システム1と味覚推定モデル作成システム20とは、システム100を含んでいる。システム100は、プロセッサ101と、主記憶装置102と、補助記憶装置103と、通信装置104と、入力装置105と、出力装置106とを備えている。システム100は、これらのハードウェアと、プログラム等のソフトウェアとにより構成された1又は複数のコンピュータを含んでいる。味覚推定システム1と味覚推定モデル作成システム20は、ハードウェアと協働して実現されている。
システム100が、複数のコンピュータによって構成される場合には、これらのコンピュータはローカルで接続されてもよいし、インターネット又はイントラネットなどの通信ネットワークを介して接続されてもよい。この接続によって、論理的に1つの味覚推定システム1と味覚推定モデル作成システム20とが構築される。
プロセッサ101は、オペレーティングシステム及びアプリケーション・プログラムなどを実行する。主記憶装置102は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)により構成される。たとえば、味覚値推定部14、グラフ作成部15、第一成分データ選別部24、相関係数演算部25、第二成分データ選別部26、仮味覚推定モデル作成部27、仮味覚値演算部28、及び、味覚推定モデル決定部29の少なくとも一部は、プロセッサ101及び主記憶装置102によって実現される。
補助記憶装置103は、ハードディスク及びフラッシュメモリなどにより構成される記憶媒体である。補助記憶装置103は、一般的に主記憶装置102よりも大量のデータを記憶する。たとえば、格納部12,23の少なくとも一部は、補助記憶装置103によって実現される。
通信装置104は、ネットワークカード又は無線通信モジュールにより構成される。たとえば、成分データ取得部11、味覚推定モデル取得部13、出力部16、成分データ取得部21、仮味覚データ取得部22、及び出力部30の少なくとも一部は、通信装置104によって実現される。入力装置105は、キーボード、マウス、及び、タッチパネルなどにより構成される。たとえば、成分データ取得部11、味覚推定モデル取得部13、成分データ取得部21、及び仮味覚データ取得部22の少なくとも一部は、入力装置105によって実現される。出力装置106は、ディスプレイ及びプリンタなどにより構成される。たとえば、出力部16及び出力部30の少なくとも一部は、出力装置106によって実現される。たとえば、出力装置106は、味覚値推定部14において推定された各味覚の推定味覚値、及び、グラフ作成部15において作成された対象の飲食物の味を示すグラフの少なくとも1つを表示する。
補助記憶装置103は、予め、プログラム及び処理に必要なデータを格納している。味覚推定プログラムは、味覚推定システム1又は味覚推定モデル作成システム20の各機能要素をコンピュータに実行させる。プログラムによって、たとえば、後述する処理S1から処理S10又は処理S21から処理S25がコンピュータにおいて実行される。このプログラムは、たとえば、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に記録された上で提供されてもよい。このプログラムは、データ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
次に、図5を参照して、味覚推定モデルの作成方法における処理の一例について説明する。図5は、味覚推定モデルの作成方法を示すフローチャートである。
まず、成分データ取得部21が、複数種のサンプルの各々における成分データを取得する(処理S1)。換言すれば、成分データ取得部21は、複数種の飲食物の各々における複数の成分の各々の含有量に関する情報を含む成分データを取得する。成分データは、香気成分に関する情報及び炭酸度に関する情報の少なくとも一方を含んでいてもよい。
次に、仮味覚データ取得部22が、複数種のサンプルの各々にける仮味覚データを取得する(処理S2)。換言すれば、仮味覚データ取得部22は、複数種の飲食物の各々について複数の味覚の各々を定量的に示す仮味覚データを取得する。
次に、第一成分データ選別部24が、処理S1において取得された成分データから不要データを削除する(処理S3)。第一成分データ選別部24は、成分データ取得部21において取得された成分データから、味覚推定対象の飲食物と同種の飲食物における味覚に関係しない又は関係性が低いと考えられる成分の成分データを除いた第一成分データを選別する。第一成分データにおける成分の種類は、既知の味覚センサにおける検出結果に影響を及ぼす成分の種類よりも多い。
次に、相関係数演算部25が、対象の味覚に対する成分の相関係数を演算する(処理S4)。相関係数演算部25は、複数種の飲食物の各々における第一成分データと仮味覚データとに基づいて、対象の味覚と各成分との相関係数を演算する。
次に、第二成分データ選別部26が、相関係数に基づいて、処理S3の処理後の成分データから選別を行う(処理S5)。第二成分データ選別部26は、各成分の相関係数に基づいて、成分データから選別データを選別する。選別データは、たとえば、複数の成分のうち一部の成分毎の含有量に関する情報を含んでいる。
次に、仮味覚推定モデル作成部27が、仮味覚推定モデルを作成する(処理S6)。仮味覚推定モデル作成部27は、たとえば、処理S5において選別された選別データと仮味覚データとに基づいて、仮味覚推定モデルを作成する。
次に、仮味覚値演算部28が、仮味覚推定モデルを用いて仮味覚値の演算を演算する(処理S7)。仮味覚値演算部28は、直前の処理S5において選択された選択データと、直前の処理S6において作成された仮味覚推定モデルとに基づいて、仮味覚値を演算する。
次に、味覚推定モデル決定部29が、全ての仮味覚推定モデルの仮味覚値が演算されたか判断する(処理S8)。全ての仮味覚推定モデルとは、処理S5における全てのパターンに基づいて作成された仮味覚推定モデルである。処理S8において、全ての仮味覚推定モデルの仮味覚値が演算されていないと判断された場合には、処理は処理S5に戻る。この結果、処理S5が繰り返し実行されることによって、第二成分データ選別部26は、たとえば、各成分の相関係数に基づいて、成分データから、互いに異なる数の成分毎の含有量に関する情報を含む第一及び第二選別データを選別する。処理S5と処理6とが繰り返し実行されることによって、仮味覚推定モデル作成部27は、たとえば、第一選別データと仮味覚データとに基づく第一仮味覚推定モデルと、第二選別データと仮味覚データとに基づく第二仮味覚推定モデルとを作成する。
処理S8において全ての仮味覚推定モデルの仮味覚値が演算されたと判断された場合には、味覚推定モデル決定部29は、対象の味覚に対する味覚推定モデルを決定する(処理S9)。処理S4から処理S9のステップによって、成分データと仮味覚データと相関係数とに基づいて、対象の飲食物における成分データの入力に応じて、対象の飲食物の味覚に関する情報を出力する味覚推定モデルが作成される。換言すれば、選別データと仮味覚データとに基づいて、味覚推定モデルが作成される。たとえば、成分データのうち相関係数が所定の値以上の少なくとも1つの成分の含有量に関する情報を含む選別データと、仮味覚データとに基づいて、味覚推定モデルが作成される。
処理S5及び処理S6とが繰り返し実行されることによって、複数の仮味覚推定モデルが作成される。味覚推定モデル決定部29は、仮味覚データに基づいて、複数の仮味覚推定モデルのうち一つを味覚推定モデルとして決定する。たとえば、味覚推定モデル決定部29は、第一仮味覚推定モデル及び第二仮味覚推定モデルのうち一方を味覚推定モデルとして決定する。
次に、味覚推定モデル決定部29は、全ての味覚について味覚推定モデルが決定されたかを判断する(処理S10)。全ての味覚について味覚推定モデルが決定されたと判断された場合には、処理は処理S4に戻る。全ての味覚について味覚推定モデルが決定されていないと判断された場合には、一連を処理が終了される。処理S4が繰り返し実行されることによって、相関係数演算部25は、複数の味覚の各々について、味覚と各成分との相関係数を演算する。処理S4から処理S9が繰り返し実行されることによって、味覚推定モデルは、味覚ごとに作成される。
以上、味覚推定モデルの作製方法の一例について説明したが、各処理の順序はこれに限定されない。たとえば、処理S2は、処理S1の前に実行されてもよいし、処理S3の後に実行されてもよい。
次に、図6を参照して、味覚推定方法における処理の一例について説明する。本実施形態では、味覚推定モデルを用いて対象の飲食物の味覚を推定する。図6は、味覚推定モデルを用いた推定方法を示すフローチャートである。
まず、成分データ取得部11が、対象の飲食物の成分データを取得する(処理S21)。成分データ取得部11は、対象の飲食物について、複数の成分の各々の含有量に関する情報を含む成分データを取得する。成分データは、香気成分に関する情報及び炭酸度に関する情報の少なくとも一方を含んでいてもよい。
次に、味覚推定モデル取得部13が、味覚推定モデルを取得する(処理S22)。この味覚推定モデルは、複数種の飲食物の各々における成分データと、複数種の飲食物の各々について複数の味覚のうち1つを定量的に示す仮味覚データと、味覚と各成分との相関係数とに基づいて作成されている。
次に、味覚値推定部14が、味覚推定モデルを用いて味覚値を演算する(処理S23)。換言すれば、味覚値推定部14は、対象の飲食物における成分データと直前の処理S22において取得された味覚推定モデルとに基づいて、対象の飲食物の味覚に関する情報を推定する。
次に、味覚値推定部14が、全ての味覚の味覚値が取得されたかを判断する(処理S24)。処理S24において全ての味覚の味覚値が取得されていないと判断された場合には、処理は処理S22に進む。処理S22が繰り返し実行されることによって、互いに異なる味覚に対応する複数の味覚推定モデルが取得される。処理S22と処理S23とが繰り返し実行されることによって、対象の飲食物における成分データと複数の味覚推定モデルとに基づいて、対象の飲食物について各味覚推定モデルに対応する味覚に関する情報が推定される。
処理S24において全ての味覚の味覚値が取得されたと判断された場合には、出力部16が、味覚推定データを出力する(処理S25)。処理S25において、グラフ作成部15は、処理S23において演算された味覚値に基づいて、対象の飲食物の味を示すグラフを作成する。出力部16において出力される味覚推定データは、グラフ作成部15において作成されたグラフ及び味覚値推定部14において演算された味覚値の少なくとも一つを含んでいる。
以上、味覚推定方法の一例について説明したが、各処理の順序はこれに限定されない。たとえば、処理S21は、処理S22の後に実行されてもよい。
次に、本実施形態における味覚推定モデルの作成方法、味覚推定システム1、及び、味覚推定プログラムの作用効果について説明する。
上述したように、味覚推定モデルの作成方法は、成分データと仮味覚データとに基づいて、複数の味覚の各々について味覚と成分との相関係数を演算する。成分データと仮味覚データと相関係数とに基づいて、上記味覚推定モデルを作成する。この味覚推定モデルによれば、仮味覚データのみに基づいて味覚を推定する場合よりも、飲食物に対する味覚の推定の正確度が向上する。
味覚推定システム1において、味覚推定モデル取得部13が複数種の飲食物の各々における成分データと、複数種の飲食物の各々について複数の味覚の各々を定量的に示す仮味覚データと、味覚と各成分との相関係数とに基づく味覚推定モデルを取得する。味覚値推定部14は、成分データ取得部11によって取得された情報と、味覚推定モデル取得部13によって取得された味覚推定モデルとに基づいて、対象の飲食物の味覚に関する情報を推定する。この場合、仮味覚データのみに基づいて味覚を推定する場合よりも、飲食物に対する味覚の推定の正確度が向上する。
味覚推定プログラムにおいて、成分データと、仮味覚データと、味覚と各成分との相関係数とに基づく味覚推定モデルが取得される。対象の飲食物における成分データと味覚推定モデルとに基づいて、対象の飲食物の味覚に関する情報が推定される。この場合、仮味覚データのみに基づいて味覚を推定する場合よりも、飲食物に対する味覚の推定の正確度が向上する。
特に、実際にヒトが感じる甘味は、既知の味覚センサにおいて甘味の推定に利用されている成分以外の成分の含有比率に応じても大きく変化する。このため、既知の味覚センサにおいて甘味の推定に利用されている成分の含有量のみの定量評価では、実際にヒトが感じる甘味と乖離するおそれがある。したがって、既知の味覚センサにおいては、特に、甘味に関する推定の正確度が低い。上記作成方法によって作成された味覚推定モデル、味覚推定システム1、及び、味覚推定プログラムによれば、甘味を含む味覚の推定の正確度が向上する。
味覚推定モデルを作成するステップにおいて、各成分の相関係数に基づいて、成分データから、複数の成分のうち一部の成分毎の含有量に関する情報を含む選別データが選別され、選別データと仮味覚データとに基づいて、味覚推定モデルが作成されてもよい。この場合、不要な成分の情報が排除されるため、演算処理負荷が抑制される。関係性の高い成分の情報が用いられるため、味覚の推定の正確度がさらに向上する。
味覚推定モデルを作成するステップにおいて、複数の成分の各々の相関係数に基づいて、成分データから、第一選別データと、第一選別データと異なる数の成分毎の含有量に関する情報を含む第二選別データとが選別される。第一選別データと仮味覚データとに基づく第一仮味覚推定モデルと、第二選別データと仮味覚データとに基づく第二仮味覚推定モデルとが作成される。仮味覚データに基づいて、第一仮味覚推定モデル及び第二仮味覚推定モデルのうち一方が味覚推定モデルとして決定される。この場合、不要な成分の情報が排除されるため、演算処理負荷が抑制される。関係性の高い成分の情報が用いられるため、味覚の推定の正確度がさらに向上する。
成分データは、各種のクロマトグラフィに基づくデータを含んでいる。この場合、より多くの種類の成分の含有量に関する情報が取得され得る。
飲食物は、アルコール飲料であってもよい。味覚は、甘味を含んでいてもよい。アルコール飲料の場合、味覚として甘みが重要視される。この作成方法によって作成される味覚推定モデル、味覚推定システム1、及び、味覚推定プログラムによれば、従来の推定では正確度が低かった甘みの推定も向上され得る。
味覚は、香気及び炭酸度の少なくとも一つを含んでいてもよい。この作成方法によって作成される味覚推定モデル、味覚推定システム1、及び、味覚推定プログラムは、従来の推定では考慮されていなかった香気及び炭酸度も推定できる。
成分データは、香気成分に関する情報及び炭酸度に関する情報の少なくとも一方を含んでいてもよい。この場合、味覚推定モデルは香気成分及び炭酸度の少なくとも一方も考慮して作成される。ヒトの味覚には、例えば、香り及びのどごしも関係している。この味覚推定モデルによれば、香気成分及び炭酸度の少なくとも一方も考慮して味覚が推定され得るため、味覚の推定の正確度がさらに向上する。たとえば、対象の飲食物の香気成分及び炭酸度の少なくとも一方に関する情報と味覚推定モデルとに基づいて塩味、酸味、甘味、旨味、及び、苦味の少なくとも一つを推定することによって、これらの味覚の推定の正確度も向上し得る。
味覚推定モデル取得部13は、互いに異なる味覚に対応する複数の味覚推定モデルを取得する。味覚値推定部14は、成分データ取得部11によって取得された情報と複数の味覚推定モデルとに基づいて、対象の飲食物について各味覚推定モデルに対応する味覚に関する情報を推定してもよい。この場合、味覚ごとに作成された味覚推定モデルによって、飲食物の味覚が推定される。したがって、1つの味覚推定モデルによって複数の味覚を推定する場合よりも、飲食物に対する味覚の推定の正確度が向上する。
1…味覚推定システム、11,21…成分データ取得部、13…味覚推定モデル取得部、14…味覚値推定部。

Claims (20)

  1. 複数種の飲食物の各々について、複数の成分の各々の含有量に関する情報を含む成分データを取得するステップと、
    前記複数種の飲食物の各々について、複数の味覚の各々を定量的に示す仮味覚データを取得するステップと、
    前記複数種の飲食物の各々における前記成分データと前記仮味覚データとに基づいて、前記味覚と各前記成分との相関係数を演算するステップと、
    前記各成分の前記相関係数に基づいて、前記成分データから、前記複数の成分のうち一部の成分毎の含有量に関する情報を含む選別データを選別するステップと、
    前記選別データを説明変数とし前記仮味覚データを目的関数とした回帰分析によって、対象の飲食物における前記成分データの入力に応じて前記対象の飲食物の前記味覚に関する情報を出力する味覚推定モデルを作成するステップと、を含んでいる、味覚推定モデルの作成方法。
  2. 前記選別データを選別するステップにおいて、前記各成分の前記相関係数に基づいて、前記成分データから、第一選別データと、前記第一選別データと異なる数の成分毎の含有量に関する情報を含む第二選別データとが、前記選別データとして選別され、
    前記味覚推定モデルを作成するステップにおいて、前記第一選別データを説明変数とし前記仮味覚データを目的関数とした回帰分析によって第一仮味覚推定モデルが作成され、前記第二選別データを説明変数とし前記仮味覚データを目的関数とした回帰分析によって第二仮味覚推定モデルが作成され
    前記仮味覚データに基づいて、前記第一仮味覚推定モデル及び前記第二仮味覚推定モデルのうち一方が前記味覚推定モデルとして決定される、請求項1に記載の味覚推定モデルの作成方法。
  3. 前記味覚推定モデルを作成するステップにおいて、
    前記第一仮味覚推定モデルを用いて仮味覚値が演算され、
    前記第二仮味覚推定モデルを用いて仮味覚値が演算され、
    前記第一仮味覚推定モデル及び前記第二仮味覚推定モデルのそれぞれを用いて演算された仮味覚値と前記仮味覚データとに基づいて、前記第一仮味覚推定モデル及び前記第二仮味覚推定モデルのうち一方が前記味覚推定モデルとして決定される、請求項2に記載の味覚推定モデルの作成方法。
  4. 前記選別データを選別するステップにおいて、
    前記複数の成分のうち前記相関係数の絶対値が条件を満たす成分の含有量に関する情報を含む成分データが、前記選別データとして選別され、
    前記条件を満たす成分の前記相関係数の絶対値は、前記条件を満たさない成分の前記相関係数の絶対値よりも高い、請求項1から3のいずれか一項に記載の味覚推定モデルの作成方法。
  5. 前記仮味覚データは、脂質膜の電位変化を測定する味覚センサから取得されたデータを含んでいる、請求項1からのいずれか一項に記載の味覚推定モデルの作成方法。
  6. 前記成分データは、各種のクロマトグラフィに基づくデータを含んでいる、請求項1からのいずれか一項に記載の味覚推定モデルの作成方法。
  7. 前記飲食物は、アルコール飲料であり、
    前記味覚は、甘味を含んでいる、請求項1からのいずれか一項に記載の味覚推定モデルの作成方法。
  8. 前記味覚は、香気及び炭酸度の少なくとも一つを含んでいる、請求項1からのいずれか一項に記載の味覚推定モデルの作成方法。
  9. 前記成分データは、香気成分に関する情報及び炭酸度に関する情報の少なくとも一方を含んでいる、請求項1からのいずれか一項に記載の味覚推定モデルの作成方法。
  10. 数の成分の各々の含有量に関する情報を含む成分データを取得する成分データ取得部と、
    複数種の飲食物の各々における複数の成分の各々と味覚との相関係数に基づいて、前記複数種の飲食物の各々における前記成分データから、前記複数の成分のうち一部の成分毎の含有量に関する情報を含む選別データを選別する選別部と、
    前記選別部において選別された選別データを説明変数とし、前記複数種の飲食物の各々における複数の味覚を定量的に示す仮味覚データを目的関数とした回帰分析による味覚推定モデルを作成する味覚推定モデル作成部と、を備え
    前記味覚推定モデルは、対象の飲食物における前記成分データの入力に応じて前記対象の飲食物の前記味覚に関する情報を出力する、味覚推定システム。
  11. 前記成分データ取得部によって取得された情報と、前記味覚推定モデル作成部によって作成された前記味覚推定モデルとに基づいて、前記対象の飲食物の味覚に関する情報を推定する推定部をさらに備える、請求項10に記載の味覚推定システム。
  12. 前記味覚推定モデル作成部は、互いに異なる前記味覚に対応する複数の前記味覚推定モデルを作成し、
    前記推定部は、前記成分データ取得部によって取得された情報と前記複数の味覚推定モデルとに基づいて、前記対象の飲食物について各前記味覚推定モデルに対応する味覚に関する情報を推定する、請求項11に記載の味覚推定システム。
  13. 前記味覚推定モデルを決定する味覚推定モデル決定部をさらに備え、
    前記選別部は、前記各成分の前記相関係数に基づいて、前記成分データから、第一選別データと、前記第一選別データと異なる数の成分毎の含有量に関する情報を含む第二選別データとを、前記選別データとして選別し、
    前記味覚推定モデル作成部は、前記第一選別データと前記仮味覚データとに基づく第一仮味覚推定モデルと、前記第二選別データと前記仮味覚データとに基づく第二仮味覚推定モデルとを作成し、
    前記味覚推定モデル決定部は、前記仮味覚データに基づいて、前記第一仮味覚推定モデル及び前記第二仮味覚推定モデルのうち一方を前記味覚推定モデルとして決定する、請求項10から12のいずれか一項に記載の味覚推定システム。
  14. 前記第一仮味覚推定モデル及び前記第二仮味覚推定モデルのそれぞれを用いて仮味覚値を演算する仮味覚値演算部をさらに備え、
    前記味覚推定モデル決定部は、前記第一仮味覚推定モデル及び前記第二仮味覚推定モデルのそれぞれを用いて演算された仮味覚値と前記仮味覚データとに基づいて、前記第一仮味覚推定モデル及び前記第二仮味覚推定モデルのうち一方が前記味覚推定モデルとして決定される、請求項13に記載の味覚推定システム。
  15. 前記選別部は、前記複数の成分のうち、前記相関係数の絶対値が条件を満たす成分の含有量に関する成分データを前記選別データとして選別し、
    前記条件を満たす成分の前記相関係数の絶対値は、前記条件を満たさない成分の前記相関係数の絶対値よりも高い、請求項10から14のいずれか一項に記載の味覚推定システム。
  16. 前記飲食物は、アルコール飲料であり、
    前記味覚は、甘味を含んでいる、請求項10から15のいずれか一項に記載の味覚推定システム。
  17. 前記味覚は、香気及び炭酸度の少なくとも一つを含んでいる、請求項10から1のいずれか一項に記載の味覚推定システム。
  18. 前記成分データは、香気成分に関する情報及び炭酸度に関する情報の少なくとも一方を含んでいる、請求項10から1のいずれか一項に記載の味覚推定システム。
  19. 複数の成分の各々の含有量に関する情報を含む成分データを取得するステップと、
    複数種の飲食物の各々における複数の成分の各々と味覚との相関係数に基づいて、前記複数種の飲食物の各々における前記成分データから、前記複数の成分のうち一部の成分毎の含有量に関する情報を含む選別データを選別するステップと、
    前記選別データを説明変数とし、前記複数種の飲食物の各々における複数の味覚の各々を定量的に示す仮味覚データを目的関数とした回帰分析による味覚推定モデルを作成するステップと、をコンピュータに実行させ、
    前記味覚推定モデルは、対象の飲食物における前記成分データの入力に応じて前記対象の飲食物の前記味覚に関する情報を出力する、味覚推定プログラム。
  20. 前記対象の飲食物における前記成分データと前記味覚推定モデルとに基づいて、前記対象の飲食物の味覚に関する情報を推定するステップをさらに備える、請求項19に記載の味覚推定プログラム。
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