JP3017639B2 - 食味値測定装置 - Google Patents
食味値測定装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、所定の幅を持った連続
的な波長域の近赤外線光線束である測定用光線束を、試
料米に照射し、試料米から反射もしくは透過してくる測
定用光線束を分光すると共に、分光された分光光線束を
受光して得られる検出情報より、試料米の吸光度スペク
トルを得る近赤外線分光分析手段と、近赤外線分光分析
手段により得られる吸光度スペクトルから、試料米の食
味値を導出する食味値導出手段を備えた食味値測定装置
に関する。
的な波長域の近赤外線光線束である測定用光線束を、試
料米に照射し、試料米から反射もしくは透過してくる測
定用光線束を分光すると共に、分光された分光光線束を
受光して得られる検出情報より、試料米の吸光度スペク
トルを得る近赤外線分光分析手段と、近赤外線分光分析
手段により得られる吸光度スペクトルから、試料米の食
味値を導出する食味値導出手段を備えた食味値測定装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】このような食味値測定装置は、測定対象
となる試料米を、無粉砕状態で測定することにより、そ
の食味値を得られることから、近来、注目を集めてい
る。この装置においては、試料米を透過してくる(もし
くは反射してくる)測定用光線束から、その分光スペク
トルを得るとともに、吸光度スペクトルが求められる。
そして、この吸光度スペクトルからその波長領域におけ
る二次微分スペクトルを得て、特定の波長のスペクトル
強度を利用して、食味値を求めるのが一般的である。こ
こで、二次微分スペクトルから食味値を導出する過程に
おいては、二次微分スペクトルから、水分、タンパク、
アミロース等の各成分含有率を得て、この成分含有率か
ら食味値を求める手法と、二次微分スペクトルから、新
たな回帰式(特定波長の二次微分値と食味値との回帰関
係式)に基づいて、直接、食味値を求めることも提案さ
れている。そして、これらの手法において食味値を決定
する要因は、あくまでも透過光、もしくは反射光から得
られる光学的情報であった。
となる試料米を、無粉砕状態で測定することにより、そ
の食味値を得られることから、近来、注目を集めてい
る。この装置においては、試料米を透過してくる(もし
くは反射してくる)測定用光線束から、その分光スペク
トルを得るとともに、吸光度スペクトルが求められる。
そして、この吸光度スペクトルからその波長領域におけ
る二次微分スペクトルを得て、特定の波長のスペクトル
強度を利用して、食味値を求めるのが一般的である。こ
こで、二次微分スペクトルから食味値を導出する過程に
おいては、二次微分スペクトルから、水分、タンパク、
アミロース等の各成分含有率を得て、この成分含有率か
ら食味値を求める手法と、二次微分スペクトルから、新
たな回帰式(特定波長の二次微分値と食味値との回帰関
係式)に基づいて、直接、食味値を求めることも提案さ
れている。そして、これらの手法において食味値を決定
する要因は、あくまでも透過光、もしくは反射光から得
られる光学的情報であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば、新米
と古米とでは、その食味値(食味官能検査による食味
値)は異なるが、上記した分析手法により試料米の食味
値を推定する食味値測定装置においては、判断手法に起
因して、水分含有率は影響するものの、概ね古米と新米
との判別は困難であり、両者について食味値に差が生じ
難い。この要因としては、食味値に関係する要因とし
て、光学的に求められる要因の他に、匂い等も米の食味
に影響を及ぼす要因であることが理由と考えられる。そ
こで、本発明の目的は、近赤外光を用いた食味値測定装
置において、例えば、古米と新米との識別をすることが
可能で、その要因を含めて、さらに実際の食味官能検査
から得られる食味値に近い食味値を推定することができ
る食味値測定装置を得ることにある。
と古米とでは、その食味値(食味官能検査による食味
値)は異なるが、上記した分析手法により試料米の食味
値を推定する食味値測定装置においては、判断手法に起
因して、水分含有率は影響するものの、概ね古米と新米
との判別は困難であり、両者について食味値に差が生じ
難い。この要因としては、食味値に関係する要因とし
て、光学的に求められる要因の他に、匂い等も米の食味
に影響を及ぼす要因であることが理由と考えられる。そ
こで、本発明の目的は、近赤外光を用いた食味値測定装
置において、例えば、古米と新米との識別をすることが
可能で、その要因を含めて、さらに実際の食味官能検査
から得られる食味値に近い食味値を推定することができ
る食味値測定装置を得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の、請求項1に係わる本発明による食味値測定装置の特
徴構成は、試料米から発生する匂いを検出する匂い検出
手段を備え、匂い検出手段によって得られる匂い情報に
従って、食味値導出手段により導出される食味値に補正
を加える補正手段を備えたことにある。さらに、本発明
の食味値測定装置において、前記匂い情報としての、匂
い測定開始時点における検出値の立ち上がり量に基づい
て、立ち上がり量が新古米判断基準値より大きい場合に
試料米を古米と判断し、立ち上がり量が新古米判断基準
値より小さい場合に試料米を新米と判断する新古米判別
手段を備えるとともに、前記補正手段が、試料米が新米
と判断された場合に、食味値導出手段により導出される
食味値をそのまま補正済食味値とするものであり、試料
米が古米と判断された場合に、食味値導出手段により導
出される食味値から古米減算値を減算して補正済食味値
とするものとしておくことが好ましい。これが、請求項
2に記載の発明に関するものである。さらに、本発明の
食味値測定装置において、前記補正手段が、匂い情報と
しての、匂い測定開始時点における匂い検出値の立ち上
がり量が大きければ大きい程、食味値を低い値の補正済
食味値とするものであることが好ましい。これが、請求
項3に記載の発明に関するものである。さらに、本発明
の食味値測定装置において、前記補正手段が、前記匂い
検出手段によって検出される匂いの総量、検出される匂
いの成分割合、もしくは特定成分の検出値のいずれかに
よって補正量を決定するものとしておくことが好まし
い。これが、請求項4に記載の発明に関するものであ
る。それらの作用・効果は次の通りである。
の、請求項1に係わる本発明による食味値測定装置の特
徴構成は、試料米から発生する匂いを検出する匂い検出
手段を備え、匂い検出手段によって得られる匂い情報に
従って、食味値導出手段により導出される食味値に補正
を加える補正手段を備えたことにある。さらに、本発明
の食味値測定装置において、前記匂い情報としての、匂
い測定開始時点における検出値の立ち上がり量に基づい
て、立ち上がり量が新古米判断基準値より大きい場合に
試料米を古米と判断し、立ち上がり量が新古米判断基準
値より小さい場合に試料米を新米と判断する新古米判別
手段を備えるとともに、前記補正手段が、試料米が新米
と判断された場合に、食味値導出手段により導出される
食味値をそのまま補正済食味値とするものであり、試料
米が古米と判断された場合に、食味値導出手段により導
出される食味値から古米減算値を減算して補正済食味値
とするものとしておくことが好ましい。これが、請求項
2に記載の発明に関するものである。さらに、本発明の
食味値測定装置において、前記補正手段が、匂い情報と
しての、匂い測定開始時点における匂い検出値の立ち上
がり量が大きければ大きい程、食味値を低い値の補正済
食味値とするものであることが好ましい。これが、請求
項3に記載の発明に関するものである。さらに、本発明
の食味値測定装置において、前記補正手段が、前記匂い
検出手段によって検出される匂いの総量、検出される匂
いの成分割合、もしくは特定成分の検出値のいずれかに
よって補正量を決定するものとしておくことが好まし
い。これが、請求項4に記載の発明に関するものであ
る。それらの作用・効果は次の通りである。
【0005】
【作用】一般に、米はそれが古くなるに従って、発生す
る匂い成分量が増大する。一方、米が古米化すると、こ
れに従って、その食味値は低下する。従って、本願の食
味値測定装置においては、装置に分光分析に基づいて食
味値を求める食味値導出手段を備えるとともに、この導
出手段によって求まる食味値(食味推定値)を匂い検出
手段によって検出される匂い情報に基づいて補正するの
である。この、匂い情報としては、例えば、検出手段に
よって検出される、検出値の立ち上がり量(検出手段に
よる検出出力の測定開始時点における傾き、増加割合
等)、所定時間内に検出される匂いの総量、検出される
匂いの成分割合、特定成分の検出値等を挙げることがで
きる。さて、この構成においては、匂い情報による補正
を、分光分析処方によって導出される食味値に加えるこ
ととなるため、より実情に即した食味値を得ることが可
能となる。
る匂い成分量が増大する。一方、米が古米化すると、こ
れに従って、その食味値は低下する。従って、本願の食
味値測定装置においては、装置に分光分析に基づいて食
味値を求める食味値導出手段を備えるとともに、この導
出手段によって求まる食味値(食味推定値)を匂い検出
手段によって検出される匂い情報に基づいて補正するの
である。この、匂い情報としては、例えば、検出手段に
よって検出される、検出値の立ち上がり量(検出手段に
よる検出出力の測定開始時点における傾き、増加割合
等)、所定時間内に検出される匂いの総量、検出される
匂いの成分割合、特定成分の検出値等を挙げることがで
きる。さて、この構成においては、匂い情報による補正
を、分光分析処方によって導出される食味値に加えるこ
ととなるため、より実情に即した食味値を得ることが可
能となる。
【0006】ここで、請求項2に係わる食味値測定装置
の構成を採用する場合は、試料米が新米であるか古米で
あるかの判断が、匂い検出手段によって検出される検出
情報の立ち上がり特性(この立ち上がり量が新古米判断
基準値より大きいか小さいか)によっておこなわれる。
そして、試料米が古米と判別されると、前述の食味値導
出手段によって導出されている食味値から所定値(食味
減算値)が引かれて、食味値が低い値とされる。一方、
新米の場合は、食味値導出手段によって導出されて値
が、そのまま補正済の食味値とされる。従って、この構
成においては、従来考慮されてこなかった、新米、古米
の要因を、比較的簡単な構成で判断するとともに、これ
を食味値に反映して、適切な食味値(食味推定値)を得
ることができる。
の構成を採用する場合は、試料米が新米であるか古米で
あるかの判断が、匂い検出手段によって検出される検出
情報の立ち上がり特性(この立ち上がり量が新古米判断
基準値より大きいか小さいか)によっておこなわれる。
そして、試料米が古米と判別されると、前述の食味値導
出手段によって導出されている食味値から所定値(食味
減算値)が引かれて、食味値が低い値とされる。一方、
新米の場合は、食味値導出手段によって導出されて値
が、そのまま補正済の食味値とされる。従って、この構
成においては、従来考慮されてこなかった、新米、古米
の要因を、比較的簡単な構成で判断するとともに、これ
を食味値に反映して、適切な食味値(食味推定値)を得
ることができる。
【0007】さらに、請求項3に係わる食味値測定装置
の構成を採用する場合は、匂い検出手段による検出情報
の立ち上がり特性を、そのまま、試料米の経時的な食味
低下に関係する要因として現し、この立ち上がり値に逆
比例した量を、食味導出手段によって導出された食味値
から減算することにより、試料米の古米化度に対応した
食味値を導出することができる。
の構成を採用する場合は、匂い検出手段による検出情報
の立ち上がり特性を、そのまま、試料米の経時的な食味
低下に関係する要因として現し、この立ち上がり値に逆
比例した量を、食味導出手段によって導出された食味値
から減算することにより、試料米の古米化度に対応した
食味値を導出することができる。
【0008】さらに、請求項4に係わる食味値測定装置
の構成を採用する場合において、検出される匂いの総量
に基づいて古米化を判別して補正を加える場合は、装置
構成が最も簡便となる。さらに、検出される匂い成分の
成分割合に基づいて古米化を判別して補正を加える場合
は、古米化を代表できる匂い成分の寄与割合を考慮にい
れた古米度の判定をおこなって、適切な食味値を導出す
ることができる。さらに、匂いの特定成分(例えば−C
OOH、カルボニル化合物)の検出値に基づいて食味値
の補正を行う場合は、最も高い確立で米の古米化を判定
できる成分要素を捕らえることにより、比較的簡単な検
出手段構成で、適切な食味値を得ることができる。
の構成を採用する場合において、検出される匂いの総量
に基づいて古米化を判別して補正を加える場合は、装置
構成が最も簡便となる。さらに、検出される匂い成分の
成分割合に基づいて古米化を判別して補正を加える場合
は、古米化を代表できる匂い成分の寄与割合を考慮にい
れた古米度の判定をおこなって、適切な食味値を導出す
ることができる。さらに、匂いの特定成分(例えば−C
OOH、カルボニル化合物)の検出値に基づいて食味値
の補正を行う場合は、最も高い確立で米の古米化を判定
できる成分要素を捕らえることにより、比較的簡単な検
出手段構成で、適切な食味値を得ることができる。
【0009】
【発明の効果】結果、従来の食味値測定装置では、近赤
外光による情報のみでの食味値の導出を行っていたが、
これに匂い成分を判定要素に付加することにより、古米
度も食味要素の一つとして採り入れることができるた
め、より正確な食味値(食味推定値)を求めることがで
きるようになった。
外光による情報のみでの食味値の導出を行っていたが、
これに匂い成分を判定要素に付加することにより、古米
度も食味要素の一つとして採り入れることができるた
め、より正確な食味値(食味推定値)を求めることがで
きるようになった。
【0010】
【実施例】本発明における米の食味値測定装置1の構成
を図1に基づいて説明する。同図には、本願の食味値測
定装置1に備えられる分光分析装置2の構成と、この装
置2からの出力を処理するコンピュータからなる情報処
理装置Aが示されている。
を図1に基づいて説明する。同図には、本願の食味値測
定装置1に備えられる分光分析装置2の構成と、この装
置2からの出力を処理するコンピュータからなる情報処
理装置Aが示されている。
【0011】先ず、分光分析装置2の構成について説明
する。装置2は、所定の光軸Pに沿って、光源3と、試
料米測定状態において測定用光線束が照射される測定部
30と、その測定部30を透過した測定用光線束が入光
して、分光される分光分析部5とを備えて構成されてい
る。前記光源3は、タングステン−ハロゲン電球によっ
て構成してある。この光源3の後方側には、後方側に照
射される光を前方側に反射、集光する反射板4が設けら
れるとともに、前記光源3と前記測定部30との間に、
2500nm以上の波長をカットする熱カットフィルタ
6、さらに、測定用光線束を成形する第1光学系7が備
えられている。この第一光学系7は、前記測定部30に
向かう光線束を平行光線束に成形するレンズから構成さ
れている。前記測定部30に対して、試料米Sが収納さ
れる石英硝子製の容器8が、測定用光線束の光軸Pを横
切る状態と光軸Pから離間する状態とに出退手段9を備
えて出退自在に構成されている。図2に示すように、こ
の容器8は、外装容器8aと、この外装容器8a内を上
下動可能な内装容器8bを備えて構成されており、容器
8が、前記測定部30に対して引退した位置(図1の3
1で示す位置)において、前記内装容器8bが上部側に
移動した状態で、試料米投入ホッパ32より試料米Sを
受け入れ可能な構成が取られている。当然、これら外装
容器8aと内装容器8aにおける測定用光線束の透過部
8cは透明な材料であるガラス等で構成されている。そ
して、この試料米投入ホッパ32には開閉蓋33が備え
られており、この開閉蓋33の内部壁に本願の匂い検出
手段としての匂いセンサ34(具体的には酸化錫半導体
ガスセンサ)が配置されている。そして、試料米Sが前
記試料米投入ホッパ32に投入されて、開閉蓋33が閉
じられると、この匂いセンサ34が働き、匂い情報が検
出される。この検出情報が、後述するように、食味値を
適切に補正するための情報として使用される。
する。装置2は、所定の光軸Pに沿って、光源3と、試
料米測定状態において測定用光線束が照射される測定部
30と、その測定部30を透過した測定用光線束が入光
して、分光される分光分析部5とを備えて構成されてい
る。前記光源3は、タングステン−ハロゲン電球によっ
て構成してある。この光源3の後方側には、後方側に照
射される光を前方側に反射、集光する反射板4が設けら
れるとともに、前記光源3と前記測定部30との間に、
2500nm以上の波長をカットする熱カットフィルタ
6、さらに、測定用光線束を成形する第1光学系7が備
えられている。この第一光学系7は、前記測定部30に
向かう光線束を平行光線束に成形するレンズから構成さ
れている。前記測定部30に対して、試料米Sが収納さ
れる石英硝子製の容器8が、測定用光線束の光軸Pを横
切る状態と光軸Pから離間する状態とに出退手段9を備
えて出退自在に構成されている。図2に示すように、こ
の容器8は、外装容器8aと、この外装容器8a内を上
下動可能な内装容器8bを備えて構成されており、容器
8が、前記測定部30に対して引退した位置(図1の3
1で示す位置)において、前記内装容器8bが上部側に
移動した状態で、試料米投入ホッパ32より試料米Sを
受け入れ可能な構成が取られている。当然、これら外装
容器8aと内装容器8aにおける測定用光線束の透過部
8cは透明な材料であるガラス等で構成されている。そ
して、この試料米投入ホッパ32には開閉蓋33が備え
られており、この開閉蓋33の内部壁に本願の匂い検出
手段としての匂いセンサ34(具体的には酸化錫半導体
ガスセンサ)が配置されている。そして、試料米Sが前
記試料米投入ホッパ32に投入されて、開閉蓋33が閉
じられると、この匂いセンサ34が働き、匂い情報が検
出される。この検出情報が、後述するように、食味値を
適切に補正するための情報として使用される。
【0012】さらに図1に基づいて説明すると、前記測
定部30と前記分光分析部5との間には、透過光をさら
に成形する第2光学系10と、500nm以下の波長を
カットする可視光カットフィルタ11が備えられてい
る。この第二光学系10は、測定部30を経た光線束を
前記分光分析部5の入射孔5a位置で集光させる集光レ
ンズで構成されている。
定部30と前記分光分析部5との間には、透過光をさら
に成形する第2光学系10と、500nm以下の波長を
カットする可視光カットフィルタ11が備えられてい
る。この第二光学系10は、測定部30を経た光線束を
前記分光分析部5の入射孔5a位置で集光させる集光レ
ンズで構成されている。
【0013】さらに、本願の米の食味値測定装置1は、
前記測定用光線束の光軸P上で光源3と前記分光分析部
5との間(実施例においては測定部30の分光分析部5
側)に、この光線束を所定の状態に切換える切換え手段
200を備えている。この切換え手段200は、軸芯周
りに回転する回転円板20を備えており、図3に示すよ
うに、測定用光線束を透過させて校正光線束とする校正
フィルタを備えた波長校正部20aと、測定用光線束を
透過させてリファレンス光線束とするリファレンス部2
0bと、測定用光線束を遮断する暗電流測定用遮蔽部2
0cと測定用光線束をそのまま通過させる切欠き部20
dとを周方向に備えている。そして、回転円板20が回
転軸21周りに回転することにより、それぞれの状態に
透過光の状態が切換えられる。この切換え操作は、図1
に示すコンピュータAに備えられた連携手段1000に
よっておこなわれるのであるが、この切換えとコンピュ
ータ側での処理手段2000による情報処理を連携させ
る必要があるため、処理手段2000、連携手段100
0、切換え手段200は互いに連携しながら操作され、
最終的に、後述する試料米Sの光の波長基準の(校正済
の)吸光度スペクトルが得られるように構成されてい
る。さらに、この処理手段2000には、後述するよう
に、得られる吸光度スペクトルから、食味値を導出する
処理ソフトが備えられている。
前記測定用光線束の光軸P上で光源3と前記分光分析部
5との間(実施例においては測定部30の分光分析部5
側)に、この光線束を所定の状態に切換える切換え手段
200を備えている。この切換え手段200は、軸芯周
りに回転する回転円板20を備えており、図3に示すよ
うに、測定用光線束を透過させて校正光線束とする校正
フィルタを備えた波長校正部20aと、測定用光線束を
透過させてリファレンス光線束とするリファレンス部2
0bと、測定用光線束を遮断する暗電流測定用遮蔽部2
0cと測定用光線束をそのまま通過させる切欠き部20
dとを周方向に備えている。そして、回転円板20が回
転軸21周りに回転することにより、それぞれの状態に
透過光の状態が切換えられる。この切換え操作は、図1
に示すコンピュータAに備えられた連携手段1000に
よっておこなわれるのであるが、この切換えとコンピュ
ータ側での処理手段2000による情報処理を連携させ
る必要があるため、処理手段2000、連携手段100
0、切換え手段200は互いに連携しながら操作され、
最終的に、後述する試料米Sの光の波長基準の(校正済
の)吸光度スペクトルが得られるように構成されてい
る。さらに、この処理手段2000には、後述するよう
に、得られる吸光度スペクトルから、食味値を導出する
処理ソフトが備えられている。
【0014】前述の校正光線束は図4に示すように、一
対の所定波長(λ1λ2)に透過光量ピーク部W1、W2
を備えた光線束であり、所定の幅を持った連続的な波長
域の近赤外線を透過して、波長が既知な少なくとも一対
の透過光量ピーク部W1、W2を形成する前記校正フィ
ルタによって形成される。従って、前述の分光分析部5
内に備えられるアレイ型受光素子(これは透過光の多波
長成分を同時に受光する)52が、この校正光線束を検
出する場合に、受光量がピークとなる少なくとも一対の
素子番号P1,P2と既知の透過光量ピーク部W1、W
2の光の波長(λ1λ2)との対応をとることにより、波
長校正を行えるのである。ここで、前記一対の所定波長
(λ1λ2)を受光するアレイ型受光素子の一対の素子番
号が(P1, P2)である場合は、その他の素子(素子
番号をPとする)に於ける受光波長λは以下の式で表示
される。
対の所定波長(λ1λ2)に透過光量ピーク部W1、W2
を備えた光線束であり、所定の幅を持った連続的な波長
域の近赤外線を透過して、波長が既知な少なくとも一対
の透過光量ピーク部W1、W2を形成する前記校正フィ
ルタによって形成される。従って、前述の分光分析部5
内に備えられるアレイ型受光素子(これは透過光の多波
長成分を同時に受光する)52が、この校正光線束を検
出する場合に、受光量がピークとなる少なくとも一対の
素子番号P1,P2と既知の透過光量ピーク部W1、W
2の光の波長(λ1λ2)との対応をとることにより、波
長校正を行えるのである。ここで、前記一対の所定波長
(λ1λ2)を受光するアレイ型受光素子の一対の素子番
号が(P1, P2)である場合は、その他の素子(素子
番号をPとする)に於ける受光波長λは以下の式で表示
される。
【0015】
【数1】
【0016】一方、リファレンス光線束はリファレンス
部20bに備えられる減光フィルター等により標準的な
光量減少を起こされた光線束であり、このリファレンス
光線束を形成するリファレンス部20bは標準的な吸光
度を有する構成となっている。
部20bに備えられる減光フィルター等により標準的な
光量減少を起こされた光線束であり、このリファレンス
光線束を形成するリファレンス部20bは標準的な吸光
度を有する構成となっている。
【0017】次に、前記分光分析部5について説明す
る。この部位は、前記第二光学系10を経た光線束が入
光する暗箱50として構成されており、その暗箱50内
で、入射光線束を分光反射する分光手段としての凹面回
折格子51と、分光反射された各波長毎の光線束強度を
検出する多波長同時受光素子としてのアレイ型受光素子
52とを設けて構成してある。また、前記暗箱50内の
測定用光路における前記入射孔5aと前記凹面回折格子
51との間には、前記入射孔5aからの入射光線束を凹
面回折格子51に向けて反射させる反射鏡53を設けて
ある。即ち、前記分光分析部5はポリクロメータ型の分
光計として構成されている。
る。この部位は、前記第二光学系10を経た光線束が入
光する暗箱50として構成されており、その暗箱50内
で、入射光線束を分光反射する分光手段としての凹面回
折格子51と、分光反射された各波長毎の光線束強度を
検出する多波長同時受光素子としてのアレイ型受光素子
52とを設けて構成してある。また、前記暗箱50内の
測定用光路における前記入射孔5aと前記凹面回折格子
51との間には、前記入射孔5aからの入射光線束を凹
面回折格子51に向けて反射させる反射鏡53を設けて
ある。即ち、前記分光分析部5はポリクロメータ型の分
光計として構成されている。
【0018】前記アレイ型受光素子52は、前記凹面回
折格子51による光線束の分散光路上の前記暗箱50に
設けた受光素子固定部5bに固定設置してあり、シリコ
ン(Si)又は硫化鉛(PbS)又はゲルマニウム(G
e)センサで構成してある。従って、この素子52によ
り、試料米に照射された約2500nm以下のあらゆる
波長の広域近赤外線は、回折格子51で分光され、約6
00nmから約1000nmの波長域の全波長の近赤外
線が、波長成分毎に同時に256区分されて受光され
る。
折格子51による光線束の分散光路上の前記暗箱50に
設けた受光素子固定部5bに固定設置してあり、シリコ
ン(Si)又は硫化鉛(PbS)又はゲルマニウム(G
e)センサで構成してある。従って、この素子52によ
り、試料米に照射された約2500nm以下のあらゆる
波長の広域近赤外線は、回折格子51で分光され、約6
00nmから約1000nmの波長域の全波長の近赤外
線が、波長成分毎に同時に256区分されて受光され
る。
【0019】以上が、本願の米の食味値測定装置1が備
える分光分析装置2の構成であるが、試料米Sの測定に
より、その吸光度スペクトルを得る過程を以下に動作順
に説明する。この操作においては、前述の処理手段20
00、連携手段1000、切換え手段200が連携して
働く。
える分光分析装置2の構成であるが、試料米Sの測定に
より、その吸光度スペクトルを得る過程を以下に動作順
に説明する。この操作においては、前述の処理手段20
00、連携手段1000、切換え手段200が連携して
働く。
【0020】動作順序を図5に従って箇条書き形式で順
に説明する。データの処理は前述の切換え手段200と
連動して、処理手段2000によって行われる。 1 測定開始(波長校正データ収集過程) この状態は、図5(イ)に示される状態であり、測定部
30に対して容器8は引退した状態に保持されており、
測定部30には何もない。一方、回転円板20はその原
点状態である波長校正部20aが光軸P上に位置される
状態をとる。そして、測定用光線束が照射されると、こ
の波長校正部20aを透過した光線束は、一対の特定波
長(λ1λ2)にピークを有する校正光線束とされ、この
校正光線束がアレイ型受光素子52によって受光され、
前述の数1に従って、各素子と波長との位置対応が取ら
れる。これは、サンプル測定毎におこなわれる。
に説明する。データの処理は前述の切換え手段200と
連動して、処理手段2000によって行われる。 1 測定開始(波長校正データ収集過程) この状態は、図5(イ)に示される状態であり、測定部
30に対して容器8は引退した状態に保持されており、
測定部30には何もない。一方、回転円板20はその原
点状態である波長校正部20aが光軸P上に位置される
状態をとる。そして、測定用光線束が照射されると、こ
の波長校正部20aを透過した光線束は、一対の特定波
長(λ1λ2)にピークを有する校正光線束とされ、この
校正光線束がアレイ型受光素子52によって受光され、
前述の数1に従って、各素子と波長との位置対応が取ら
れる。これは、サンプル測定毎におこなわれる。
【0021】2−1 リファレンス情報収集過程 この状態は、図5(ロ)に示される状態であり、前記過
程と同様に、測定部30に対して容器8は引退した状態
に保持されており、測定部30には何もない。一方、回
転円板20は回転してリファレンス部20bが光軸P上
に位置される状態をとる。そして、測定用光線束が照射
されると、このリファレンス部20bを透過した光線束
は、測定状態(温度)にあるリファレンス(摩りガラス
等)を透過することによりリファレンス光線束とされ、
リファレンス情報Rdが得られる。 2−2 リファレンス情報収集時点での暗情報収集過程 この状態は、図5(ハ)に示される状態であり、回転円
板20は回転して暗電流測定用遮蔽部20cが光軸上に
位置される。従って、この状態においては、アレイ型受
光素子52へ光は入光せず、測定状態におけるリファレ
ンス暗情報Drが得られる。一方、別途、試料米の充填
がおこなわれた容器8が測定部30に移動される。
程と同様に、測定部30に対して容器8は引退した状態
に保持されており、測定部30には何もない。一方、回
転円板20は回転してリファレンス部20bが光軸P上
に位置される状態をとる。そして、測定用光線束が照射
されると、このリファレンス部20bを透過した光線束
は、測定状態(温度)にあるリファレンス(摩りガラス
等)を透過することによりリファレンス光線束とされ、
リファレンス情報Rdが得られる。 2−2 リファレンス情報収集時点での暗情報収集過程 この状態は、図5(ハ)に示される状態であり、回転円
板20は回転して暗電流測定用遮蔽部20cが光軸上に
位置される。従って、この状態においては、アレイ型受
光素子52へ光は入光せず、測定状態におけるリファレ
ンス暗情報Drが得られる。一方、別途、試料米の充填
がおこなわれた容器8が測定部30に移動される。
【0022】3 波長校正処理過程 上記の過程を終了した後、波長校正のソフト上の処理が
おこなわれる。このように、本願においてはアレイ型受
光素子52に分光状態で情報が得られるため、情報は素
子番号基準のスペクトルとなっていが、以下に説明する
吸光度、吸光度スペクトルの波長領域における二次微分
値スペクトルも同様に、この校正をおこなうことによ
り、スペクトルは、全て素子番号基準ではなく、光の波
長基準でのスペクトルとして得ることができる。本願に
おいては、アレイ型受光素子52の構成素子数が多く、
波長分解能も高いため、以後の処理で使用する回帰式に
おいて、採用される特定波長のスペクトル強度を正確に
波長対応で求める必要があるが、このように波長校正を
試料米測定毎におこなうため、正確で信頼性の高い測定
をおこなうことができる。
おこなわれる。このように、本願においてはアレイ型受
光素子52に分光状態で情報が得られるため、情報は素
子番号基準のスペクトルとなっていが、以下に説明する
吸光度、吸光度スペクトルの波長領域における二次微分
値スペクトルも同様に、この校正をおこなうことによ
り、スペクトルは、全て素子番号基準ではなく、光の波
長基準でのスペクトルとして得ることができる。本願に
おいては、アレイ型受光素子52の構成素子数が多く、
波長分解能も高いため、以後の処理で使用する回帰式に
おいて、採用される特定波長のスペクトル強度を正確に
波長対応で求める必要があるが、このように波長校正を
試料米測定毎におこなうため、正確で信頼性の高い測定
をおこなうことができる。
【0023】4−1 試料米情報収集過程 この状態は、図5(ニ)に示される状態であり、測定部
30に容器8は位置されており、測定光線束は試料米S
を透過してくることとなる。一方、回転円板20は回転
して切欠き部20dが光軸P上に位置される状態をと
る。従って、測定用光線束が照射され、試料米を透過し
てきた透過光を受光することにより試料米情報Sdを得
ることができる。 4−2 試料米情報収集時点での暗情報収集過程 この状態は、図5(ハ)に示される状態であり、回転円
板20は回転して暗電流測定用遮蔽部20cが光軸上に
位置される。従って、この状態においては、アレイ型受
光素子52へ光は入光せず、測定状態におけるサンプル
暗情報Dsが得られる。
30に容器8は位置されており、測定光線束は試料米S
を透過してくることとなる。一方、回転円板20は回転
して切欠き部20dが光軸P上に位置される状態をと
る。従って、測定用光線束が照射され、試料米を透過し
てきた透過光を受光することにより試料米情報Sdを得
ることができる。 4−2 試料米情報収集時点での暗情報収集過程 この状態は、図5(ハ)に示される状態であり、回転円
板20は回転して暗電流測定用遮蔽部20cが光軸上に
位置される。従って、この状態においては、アレイ型受
光素子52へ光は入光せず、測定状態におけるサンプル
暗情報Dsが得られる。
【0024】5 吸光度スペクトルデータの算出過程 上記の過程で得られている、試料米情報Sd、リファレ
ンス情報Rd、サンプル暗情報Ds、リファレンス暗情
報Drより、以下の式に従って吸光度dが得られる。 吸光度 d=log((Rd−Dr)/(Sd−D
s))
ンス情報Rd、サンプル暗情報Ds、リファレンス暗情
報Drより、以下の式に従って吸光度dが得られる。 吸光度 d=log((Rd−Dr)/(Sd−D
s))
【0025】以上に説明したように、本願で使用する分
光分析装置2は、アレイ型受光素子52を備え、この素
子が、分光に伴う多波長の波長成分を同時に受光する構
成から、上記の吸光度は、実体上、吸光度スペクトルと
して検出される。
光分析装置2は、アレイ型受光素子52を備え、この素
子が、分光に伴う多波長の波長成分を同時に受光する構
成から、上記の吸光度は、実体上、吸光度スペクトルと
して検出される。
【0026】以上が、分光分析装置1と連携した吸光度
スペクトルの導出であるが、以下にさらに食味値を求め
る処理について説明する。この処理系の構成を図6に示
しており、これは上記の処理手段2000内に格納され
ている処理ソフトである。
スペクトルの導出であるが、以下にさらに食味値を求め
る処理について説明する。この処理系の構成を図6に示
しており、これは上記の処理手段2000内に格納され
ている処理ソフトである。
【0027】以上のようにして得られる吸光度スペクト
ルから、その波長領域における試料米の二次微分スペク
トルが導出される。吸光度スペクトルの例及び二次微分
スペクトルの例を図7に示した。この試料米の二次微分
スペクトルが本願の米の食味値測定装置1においては、
基礎データとなる。従って、上記の分光分析装置2によ
る分光及びデータ拾得をおこなう系及び以上のデータ処
理系を含めて、これを、近赤外線分光分析手段2001
と呼ぶ。さらに、上記の吸光度スペクトルの導出にあた
って、その導出回毎に、上記の校正を行い、前記アレイ
型受光素子52の素子番号を基準にして求められる吸光
度スペクトル(もしくは吸光度二次微分スペクトル)
を、光の波長基準の情報に校正する(変換する)処理系
を、波長校正手段2005と称する。ここで 波長校正
手段2005は、上記の分光分析装置2及び処理手段2
000に包含されるソフトが、これを構成する。ソフト
側のルーチンを図6に示した。
ルから、その波長領域における試料米の二次微分スペク
トルが導出される。吸光度スペクトルの例及び二次微分
スペクトルの例を図7に示した。この試料米の二次微分
スペクトルが本願の米の食味値測定装置1においては、
基礎データとなる。従って、上記の分光分析装置2によ
る分光及びデータ拾得をおこなう系及び以上のデータ処
理系を含めて、これを、近赤外線分光分析手段2001
と呼ぶ。さらに、上記の吸光度スペクトルの導出にあた
って、その導出回毎に、上記の校正を行い、前記アレイ
型受光素子52の素子番号を基準にして求められる吸光
度スペクトル(もしくは吸光度二次微分スペクトル)
を、光の波長基準の情報に校正する(変換する)処理系
を、波長校正手段2005と称する。ここで 波長校正
手段2005は、上記の分光分析装置2及び処理手段2
000に包含されるソフトが、これを構成する。ソフト
側のルーチンを図6に示した。
【0028】さらに、求められた前記試料米の二次微分
スペクトルより特定波長の試料米二次微分値を選択抽出
して、予め記憶手段2002に記憶された回帰式に基づ
いて試料米の食味値が求められる。この食味値の導出に
あたっては、以上の二次微分スペクトルから、その特定
波長の試料米二次微分値が選択手段2004によって選
択抽出され、この選択された前記特定波長の試料米二次
微分値により、前記回帰式に基づいて食味値が、食味値
導出手段2003によって求められる。
スペクトルより特定波長の試料米二次微分値を選択抽出
して、予め記憶手段2002に記憶された回帰式に基づ
いて試料米の食味値が求められる。この食味値の導出に
あたっては、以上の二次微分スペクトルから、その特定
波長の試料米二次微分値が選択手段2004によって選
択抽出され、この選択された前記特定波長の試料米二次
微分値により、前記回帰式に基づいて食味値が、食味値
導出手段2003によって求められる。
【0029】さて、前記の特定波長及び回帰式は、夫
々、図6に示す記憶手段2002に記憶保持されてい
る。ここで、特定波長、回帰式は、以下のようなもので
ある。即ち、これらの特定波長、式の決定にあたって
は、既知の多数(1000個程度)の基準米が使用さ
れ、先ず各基準米の食味官能検査食味値及び基準米吸光
度スペクトルが求められる。ここで、食味官能検査食味
値は、食糧庁の米飯食味試験要領に基づいた官能検査に
よって得られる食味値である。そして、前記特定波長
は、基準米吸光度スペクトルの波長領域における二次微
分値が前記食味官能検査食味値と強い関係を示す少なく
とも1以上の波長であり、前記の回帰式は、前記特定波
長における前記基準米吸光度スペクトルの二次微分値と
前記食味官能検査食味値との関係を、多重回帰分析手法
で求めたものである。
々、図6に示す記憶手段2002に記憶保持されてい
る。ここで、特定波長、回帰式は、以下のようなもので
ある。即ち、これらの特定波長、式の決定にあたって
は、既知の多数(1000個程度)の基準米が使用さ
れ、先ず各基準米の食味官能検査食味値及び基準米吸光
度スペクトルが求められる。ここで、食味官能検査食味
値は、食糧庁の米飯食味試験要領に基づいた官能検査に
よって得られる食味値である。そして、前記特定波長
は、基準米吸光度スペクトルの波長領域における二次微
分値が前記食味官能検査食味値と強い関係を示す少なく
とも1以上の波長であり、前記の回帰式は、前記特定波
長における前記基準米吸光度スペクトルの二次微分値と
前記食味官能検査食味値との関係を、多重回帰分析手法
で求めたものである。
【0030】具体的に説明すると特定波長は以下のよう
な波長である。 評価対象 食味値 特定波長 904、762、622、674nm 食味値回帰式は以下のような式である。 食味値=A1×Pλ904+A2×Pλ762+A3×Pλ622+
A4×Pλ672+B これらの式において、An (n=1〜)は、回帰係数で
ありPλn (nは上記の特定波長)は、夫々対応する波
長のスペクトル強度(吸光度二次スペクトルの特定波長
の二次微分値)、Bは定数である。図7(ロ)に矢印
で、この値の選択・抽出過程を示している。
な波長である。 評価対象 食味値 特定波長 904、762、622、674nm 食味値回帰式は以下のような式である。 食味値=A1×Pλ904+A2×Pλ762+A3×Pλ622+
A4×Pλ672+B これらの式において、An (n=1〜)は、回帰係数で
ありPλn (nは上記の特定波長)は、夫々対応する波
長のスペクトル強度(吸光度二次スペクトルの特定波長
の二次微分値)、Bは定数である。図7(ロ)に矢印
で、この値の選択・抽出過程を示している。
【0031】さて、上記のようにして得られる光学情報
基準の食味値に対して、本願の食味値測定装置1におい
ては、これを補正して出力する補正手段2006が備え
られている。この補正手段2006は、前述の匂い検出
手段34からの検出値に基づいて補正をおこなうのであ
る。さて、図8(イ)に示すように、試料米Sから発生
する匂い(ここでは特定の匂い各成分を言うのではな
く、センサ34が検知可能な匂い全体)は、時間の経過
に従って増加するが、出力値V(匂い成分の総量)が、
新米と古米とでは異なる。そして、その出力値Vの原点
(測定開始時)における一次微分値(もしくは一定時間
の増加量)を求めると、この値が図8(ロ)に示すよう
に両者間で異なることとなる。従って、本願の補正手段
2006においては、この立ち上がり量を検出し、これ
に基づいて、試料米の特性を判別し、食味値に補正を掛
けるように構成している。即ち、匂い情報としての、匂
い測定開始時点における検出値の立ち上がり量(時間領
域の一次微分値もしくは所定時間の出力値の変化量)に
基づいて、前記立ち上がり量が予め設定された新古米判
断基準値より大きい場合には、試料米を古米と判断し、
立ち上がり量が新古米判断基準値より小さい場合には、
試料米を新米と判断する新古米判別手段2007を備
え、試料米が新米と判断された場合に、食味値導出手段
2003により導出される食味値をそのまま補正済食味
値とし、前記試料米が古米と判断された場合に、前記食
味値導出手段2003により導出される食味値から古米
減算値Kを減算して補正済食味値とする構成が採用され
ている。
基準の食味値に対して、本願の食味値測定装置1におい
ては、これを補正して出力する補正手段2006が備え
られている。この補正手段2006は、前述の匂い検出
手段34からの検出値に基づいて補正をおこなうのであ
る。さて、図8(イ)に示すように、試料米Sから発生
する匂い(ここでは特定の匂い各成分を言うのではな
く、センサ34が検知可能な匂い全体)は、時間の経過
に従って増加するが、出力値V(匂い成分の総量)が、
新米と古米とでは異なる。そして、その出力値Vの原点
(測定開始時)における一次微分値(もしくは一定時間
の増加量)を求めると、この値が図8(ロ)に示すよう
に両者間で異なることとなる。従って、本願の補正手段
2006においては、この立ち上がり量を検出し、これ
に基づいて、試料米の特性を判別し、食味値に補正を掛
けるように構成している。即ち、匂い情報としての、匂
い測定開始時点における検出値の立ち上がり量(時間領
域の一次微分値もしくは所定時間の出力値の変化量)に
基づいて、前記立ち上がり量が予め設定された新古米判
断基準値より大きい場合には、試料米を古米と判断し、
立ち上がり量が新古米判断基準値より小さい場合には、
試料米を新米と判断する新古米判別手段2007を備
え、試料米が新米と判断された場合に、食味値導出手段
2003により導出される食味値をそのまま補正済食味
値とし、前記試料米が古米と判断された場合に、前記食
味値導出手段2003により導出される食味値から古米
減算値Kを減算して補正済食味値とする構成が採用され
ている。
【0032】数式的に補正済食味値を表すと以下のよう
になる。 補正済食味値=食味値−K×δ ここで、Kは食味減算値であり、δは、試料米が新米と
判別された場合に0、試料米が古米と判別された場合に
1と設定される値。
になる。 補正済食味値=食味値−K×δ ここで、Kは食味減算値であり、δは、試料米が新米と
判別された場合に0、試料米が古米と判別された場合に
1と設定される値。
【0033】以上が、本願の米の食味値測定装置1の動
作を伴った構成であるが、以下に装置の動作に付いて説
明する。装置を使用する場合は、試料米が試料米投入ホ
ッパ32に収納されて準備される。そして、前述の匂い
情報が匂いセンサ34で検出されるとともに、その試料
米Sが容器8に収納されて、分光分析手法による食味値
の導出がおこなわれる。そして、食味値導出手段200
3により求まる食味値に、補正手段2006による補正
がおこなわれて、光学的要因及び匂い要因を共に考慮し
た補正済食味値を得ることができる。
作を伴った構成であるが、以下に装置の動作に付いて説
明する。装置を使用する場合は、試料米が試料米投入ホ
ッパ32に収納されて準備される。そして、前述の匂い
情報が匂いセンサ34で検出されるとともに、その試料
米Sが容器8に収納されて、分光分析手法による食味値
の導出がおこなわれる。そして、食味値導出手段200
3により求まる食味値に、補正手段2006による補正
がおこなわれて、光学的要因及び匂い要因を共に考慮し
た補正済食味値を得ることができる。
【0034】〔別実施例〕 (イ) 上記の実施例においては、補正手段2006に
より補正をおこなう場合に、匂い情報により単純に、試
料米Sが新米か古米かの判別を行い、これにより所定の
値を食味値から減算するかどうかの補正をおこなった
が、匂い情報により試料米の古米化度を判定し、これに
従って、食味値を変化される構成を採用してもよい。即
ち、前記補正手段を、匂い情報としての、匂い測定開始
時点における匂い検出値の立ち上がり量が大きければ大
きい程、食味値を低い値の補正済食味値とするように構
成することにより、さらに詳細な食味値を導出すること
ができる。このような構成に於ける補正済食味値の導出
式は以下のようになる。
より補正をおこなう場合に、匂い情報により単純に、試
料米Sが新米か古米かの判別を行い、これにより所定の
値を食味値から減算するかどうかの補正をおこなった
が、匂い情報により試料米の古米化度を判定し、これに
従って、食味値を変化される構成を採用してもよい。即
ち、前記補正手段を、匂い情報としての、匂い測定開始
時点における匂い検出値の立ち上がり量が大きければ大
きい程、食味値を低い値の補正済食味値とするように構
成することにより、さらに詳細な食味値を導出すること
ができる。このような構成に於ける補正済食味値の導出
式は以下のようになる。
【0035】
【数2】
【0036】(ロ)さらに上記の実施例においては、匂
い情報としてセンサにより検出される検出情報の立ち上
がり量を、補正の判断基準としたが、匂いセンサによっ
て検出される匂いの総量、検出される匂いの成分割合、
もしくは特定成分の検出値のいずれかによって、補正手
段が補正量を決定するものとしてもよく、要するに匂い
情報に応じて、食味値の補正をおこなうことにより、食
味値をさらに、実情に則したものとすることが可能とな
る。 (ハ)先の実施例では、光源3にタングステン−ハロゲ
ン電球を用いているが、これに限定するものではなく、
試料米S及び測定目的に応じて適宜設定可能であり、赤
外線全域で連続スペクトル放射を持つ光源3としての熱
放射体(黒体炉)や、その他水銀灯、Ne放電管等の光
源3や、ラマン散乱を測定するための単色光を発光する
レーザ等を用いることができ、その構成も適宜変更可能
である。 (ニ) さらに、上記の実施例においては、試料米Sを
透過してくる測定用光線束によって分析をおこなった
が、これを反射光としてもよい。反射光とする場合は、
光量を小さくできる等の利点がある。
い情報としてセンサにより検出される検出情報の立ち上
がり量を、補正の判断基準としたが、匂いセンサによっ
て検出される匂いの総量、検出される匂いの成分割合、
もしくは特定成分の検出値のいずれかによって、補正手
段が補正量を決定するものとしてもよく、要するに匂い
情報に応じて、食味値の補正をおこなうことにより、食
味値をさらに、実情に則したものとすることが可能とな
る。 (ハ)先の実施例では、光源3にタングステン−ハロゲ
ン電球を用いているが、これに限定するものではなく、
試料米S及び測定目的に応じて適宜設定可能であり、赤
外線全域で連続スペクトル放射を持つ光源3としての熱
放射体(黒体炉)や、その他水銀灯、Ne放電管等の光
源3や、ラマン散乱を測定するための単色光を発光する
レーザ等を用いることができ、その構成も適宜変更可能
である。 (ニ) さらに、上記の実施例においては、試料米Sを
透過してくる測定用光線束によって分析をおこなった
が、これを反射光としてもよい。反射光とする場合は、
光量を小さくできる等の利点がある。
【0037】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図1】米の食味値測定装置の構成を示す図
【図2】試料米投入ホッパ、容器の構成を示す図
【図3】回転円板の構成を示す図
【図4】校正光線束の状態を示す図
【図5】各測定状態に於ける光源、サンプル容器、回転
円板、分光分析部の位置関係を示す図
円板、分光分析部の位置関係を示す図
【図6】吸光度スペクトルから食味値を得るための処理
構成を示す図
構成を示す図
【図7】吸光度スペクトル及びその二次微分スペクトル
を示す図
を示す図
【図8】新米と古米とにおける匂い検出手段の出力状況
及びその時間微分値の変化を示す図
及びその時間微分値の変化を示す図
34 匂い検出手段 2001 近赤外線分光分析手段 2003 食味値導出手段 2006 補正手段 2007 新古米判別手段 S 試料米
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/10 G01N 33/02
Claims (4)
- 【請求項1】 所定の幅を持った連続的な波長域の近赤
外線光線束である測定用光線束を、試料米(S)に照射
し、前記試料米(S)から反射もしくは透過してくる前
記測定用光線束を分光すると共に、分光された分光光線
束を受光して得られる検出情報より、前記試料米の吸光
度スペクトルを得る近赤外線分光分析手段(2001)
と、前記近赤外線分光分析手段(2001)により得ら
れる前記吸光度スペクトルから、前記試料米(S)の食
味値を導出する食味値導出手段(2003)を備えた食
味値測定装置であって、 前記試料米(S)から発生する匂いを検出する匂い検出
手段(34)を備え、前記匂い検出手段(34)によっ
て得られる匂い情報に従って、前記食味値導出手段(2
003)により導出される食味値に補正を加える補正手
段(2006)を備えた食味値測定装置。 - 【請求項2】 前記匂い情報としての、匂い測定開始時
点における検出値の立ち上がり量に基づいて、前記立ち
上がり量が新古米判断基準値より大きい場合に前記試料
米を古米と判断し、前記立ち上がり量が新古米判断基準
値より小さい場合に前記試料米を新米と判断する新古米
判別手段(2007)を備えるとともに、前記補正手段
(2006)が、前記試料米が新米と判断された場合
に、前記食味値導出手段(2003)により導出される
食味値をそのまま補正済食味値とするものであり、前記
試料米が古米と判断された場合に、前記食味値導出手段
(2003)により導出される食味値から古米減算値
(K)を減算して補正済食味値とするものである請求項
1記載の食味値測定装置。 - 【請求項3】 前記補正手段が、前記匂い情報として
の、匂い測定開始時点における匂い検出値の立ち上がり
量が大きければ大きい程、前記食味値を低い値の補正済
食味値とするものである請求項1記載の食味値測定装
置。 - 【請求項4】 前記補正手段が、前記匂い検出手段によ
って検出される匂いの総量、検出される匂いの成分割
合、もしくは特定成分の検出値のいずれかによって補正
量を決定するものである請求項1記載の食味値測定装
置。
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JP16360294A JP3017639B2 (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 食味値測定装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16360294A JP3017639B2 (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 食味値測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0829412A JPH0829412A (ja) | 1996-02-02 |
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ID=15777050
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP16360294A Expired - Fee Related JP3017639B2 (ja) | 1994-07-15 | 1994-07-15 | 食味値測定装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3017639B2 (ja) |
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-
1994
- 1994-07-15 JP JP16360294A patent/JP3017639B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0829412A (ja) | 1996-02-02 |
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