JP7206685B2 - 包装袋 - Google Patents

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Description

本発明は包装袋に関するものである。特にヘアカラー剤等の強塩基性の内容物を収納することに好適な包装袋に関するものである。
包装袋はその利便性や意匠性のほか、内容物や使用環境に対応して多くの種類のものが実用化されている。特に近年ではプラスチックフィルムを基材フィルムとして、シーラント層を有して、必要な機能を付加する事ができるプラスチックフィルムなどを貼りあわせた積層体を製袋して形成した、包装袋がさまざまな分野で実用に供されている。
一般に包装袋などの包装容器は、内容物を様々な外部環境や外力から保護することがその役割であるが、使用する分野によっては、内容物の外部への漏洩を防止することに重きを置いたり、あるいは臭気等の強い内容物などの場合には、臭気の外部への染み出し、漏洩を防止することが重要である場合もある。
たとえば、髪の毛を染めるためのヘアカラー剤は一般に匂いが強く、内容物耐性のほかガスバリア性も要求される。特にヘアカラー1剤と呼ばれる、染料を含む薬液は、アンモニアなど強塩基性物質を含有するために、匂いがきついため、内容物耐性のほか、ガスバリア性が要求される場合が多い。
一方でヘアカラー1剤を例に取れば、強塩基性の内容物であるために、ガスバリア層にアルミ箔などの金属箔を使用する場合には、腐食やまた積層体の接着強度、あるいは層間の剥離強度の低下を防止しなくてはならず、プラスチックフィルムの劣化防止など、包装袋を構成する積層体の構成要素の耐久性向上も必要である。
特に包装袋の積層体に含まれるガスバリア層に、クラックやピンホールが発生した場合には、腐食による変色の恐れがあって、その場合には包装袋の外側から可視となって不都合である。
また、積層体中にポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる場合には、エステルの加水分解によって劣化するために、ガスバリア層より内側の層に用いることは、適当ではないとされている。
あるいは、遮光性のある包装材料として、特許文献1には包装袋を構成する積層体に含まれるアルミニウム層にピンホールが発生した際にも、積層対体中に黒色インク層が設けてあることによって遮光性が損なわれることは無いが、アルミニウム層が腐食あるいは変色した場合には、腐食または変色部分そのものは外側から可視になる点で、商品としての外観を損ねるものであった。
特開2006-231619公報
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、強塩基性の内容物を収納可能な包装袋において、金属箔を用いたガスバリア層にピンホール欠陥が発生して、ガスバリア層自
体が内容物、もしくは侵入した酸素によって腐食や変色した際にも、腐食部分が包装袋外側から不可視である包装袋を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
プラスチックフィルムを基材とした、遮光層、ガスバリア層、およびシーラント層を有する積層体からなる包装袋において、
該ガスバリア層は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の、一方の面に表面改質層を有して、他方の面には支持フィルムを積層して構成され、
該ガスバリア層の表面改質層とシーラント層とは、接着剤層を介して積層されており、
該接着剤層は、2官能のイソシアネートモノマーを3官能化させたイソシアネートモノマーの誘導体を主成分とする接着剤に、水を0.2~2.0%添加して、塗工、形成したものであり、
該ガスバリア層の、表面改質層とは反対側に、ガスバリア層の支持フィルムを介して遮光層が積層されており、
該遮光層はプラスチックフィルムに、金属蒸着被膜、または着色層を設けて構成され、
該遮光層の透過濃度(D)は、D=1.09~5.52であることを特徴とする、包装袋である。
また、請求項2に記載の発明は、
プラスチックフィルムを基材とした、遮光層、ガスバリア層、およびシーラント層を有する積層体からなる包装袋であって、
該ガスバリア層は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の、一方の面に表面改質層を有して、他方の面には支持フィルムを積層して構成され、
該ガスバリア層の表面改質層とシーラント層とは、接着剤層を介して積層されており、
該接着剤層は、変性ポリオレフィンを主成分とした化合物と、2官能以上のイソシアネート化合物からなる2液型の接着剤を塗工、形成したものであり、
該ガスバリア層の、表面改質層とは反対側に、ガスバリア層の支持フィルムを介して遮光層が積層されており、
該遮光層はプラスチックフィルムに、金属蒸着被膜、または着色層を設けて構成され、
該遮光層の透過濃度(D)は、D=1.09~5.52であることを特徴とする、包装袋である。
また、請求項3に記載の発明は、
前記表面改質層は、Zr、Cr、またはその塩を含む無機被膜と、無機被膜を覆う有機高分子膜からなることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の包装袋である。
また、請求項4に記載の発明は、
前記ガスバリア層は、厚さが6μm~20μmのアルミニウム箔、またはアルミニウム合金箔を用いて構成されることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれかに記載の包装袋である。
請求項1に記載の発明によれば、強塩基性の内容物を収納可能な包装袋において、金属箔を用いたガスバリア層にピンホール欠陥が発生して、ガスバリア層自体が内容物、もしくは侵入した酸素によって腐食や変色した際にも、腐食部分が包装袋外側から不可視である包装袋を提供することが可能である。
すなわち、積層体中にガスバリア層を有しているために、たとえばヘアカラー1剤などのように強塩基性の内容物に対して、内容物の影響を包装袋の内部にとどめる一方、外部
環境、例えば酸素の影響を遮断して、内容物の変質等を防止することが可能である。またアルミニウム箔、またはアルミニウム合金箔などからなるガスバリア層の場合には、表面改質層を設けることによって、内容物による腐食やピンホールの発生を防止することができる。
またガスバリア層の表面改質層とシーラント層とを積層する接着剤層に、2官能のイソシアネートモノマーを3官能化させたイソシアネートモノマーの誘導体を主成分とする接着剤に、水を0.2~2.0%添加して用いることによって、内容物によるラミネート強度への影響を低く抑えることが可能である。
さらに、ガスバリア層の、表面改質層とは反対側に遮光層が設けられていることによって、どうしても避けられないレベルのピンホール、およびそれによるバリア層腐食や斑点状の変色が発生する場合においても、プラスチックフィルムに、金属蒸着被膜、または着色層を設けた遮光層によって隠蔽し外部から不可視とすることが可能である。このとき、遮光層の透過濃度(D)は、D=1.09~5.52であることによって、隠蔽をより完全なものとすることができる。
また、遮光層は支持フィルムを介してガスバリア層と積層されているために、ガスバリア層の腐食や斑点状の変色などが発生する場合においても、その隠蔽、不可視化を阻害することをより少なくする効果を有する。
請求項2に記載の発明によれば、強塩基性の内容物を収納可能な包装袋において、金属箔を用いたガスバリア層にピンホール欠陥が発生して、ガスバリア層自体が内容物、もしくは侵入した酸素によって腐食や変色した際にも、腐食部分が包装袋外側から不可視である包装袋を提供することが可能である。
すなわち、積層体中にガスバリア層を有しているために、たとえばヘアカラー1剤などのように強塩基性の内容物に対して、内容物の影響を包装袋の内部にとどめ、外部環境例えば酸素の影響を遮断して、内容物の変質等を防止することが可能である。またアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔などからなるガスバリア層の場合には、表面改質層によって内容物による腐食やピンホールの発生を防止することができる。
さらに、ガスバリア層の、表面改質層とは反対側に遮光層が設けられていることによって、どうしても避けられないレベルのピンホール、およびそれによるバリア層腐食や斑点状の変色が発生する場合においても、プラスチックフィルムに、金属蒸着被膜、または着色層を設けた遮光層によって隠蔽し外部から不可視とすることが可能である。このとき、遮光層の透過濃度(D)は、D=1.09~5.52であることによって、隠蔽をより完全なものとすることができる。
また、遮光層は支持フィルムを介してガスバリア層と積層されているために、ガスバリア層の腐食や斑点状の変色などが発生する場合においても、その隠蔽、不可視化を阻害することをより少なくする効果を有する。
特に請求項3に記載の発明によれば、表面改質層は、Zr、Cr、またはその塩を含む無機被膜と、無機被膜を覆う有機高分子膜から構成されることによって、アルミニウム箔やアルミニウム合金箔の内容物、あるいは酸素による腐食やピンホール、それによる変色をより小さくすることができる。また、アルミニウム箔やアルミニウム合金箔の腐食によるシーラント層とのラミネート強度の低下も防止することができる。
特に請求項4に記載の発明によれば、ガスバリア層は、厚さが6μm~20μmのアル
ミニウム箔、またはアルミニウム合金箔からなることによって、十分なガスバリア性を確保しつつ、同時に可撓性など包装袋として要求される品質を満たすことが可能であり、さらに加工工程において、ロールツーロールの加工が可能であるなど、生産性においても優れたものとすることができる。
図1は本発明に係る包装袋を構成する積層体の、一実施態様を説明するための部分断面模式図である。 図2は本発明に係る包装袋を構成する積層体の、遮光層に金属蒸着被膜を用いた例を説明するための部分断面模式図である。
以下、本発明を図1を参照しながら、更に詳しい説明を加える。但し本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
図1は本発明に係る包装袋を構成する積層体の、一実施態様を説明するための部分断面模式図である。
図1に示す例においては、包装袋を構成する積層体(10)は包装袋外側になる面から、
プラスチックフィルム(4)/着色層(3)/支持フィルム(1)/アルミニウム箔層(5)/表面改質層(6)/接着剤層(7)/シーラント層(2)
の順に積層されている。
また、図1に示す例において、接着剤層(7)に変性ポリオレフィン系接着剤を用いる場合には、たとえば後述の実施例1の層構成を表す、積層体(10)の部分断面模式図である。
すなわち、本発明は包装袋に関するものであって、図1に示す例において包装袋はプラスチックフィルムを基材とした、遮光層(9)、ガスバリア層(8)、およびシーラント層(2)を有する積層体(10)からなる。
本発明の課題とするところの、強塩基性の内容物を収納可能な包装袋の提供を目的とする故に、本発明による包装袋にはガスバリア層(8)が不可欠であって、ガスバリア層(8)はアルミニウム箔(5)またはアルミニウム合金箔の、一方の面に表面改質層(6)を有して、他方の面には支持フィルム(1)を積層して構成される。
ガスバリア層(8)は、厚さが6μm~20μmのアルミニウム箔(5)、またはアルミニウム合金箔に、表面改質層(6)を設けたものとすることができる。これによって、十分なガスバリア性を確保しつつ、同時に包装袋として要求される品質を満たすことが可能である。
同時にアルミニウム箔(5)、またはアルミニウム合金箔がこの厚さの範囲であることによって、可撓性など包装袋に必要な性質を得ることが可能であり、さらに加工工程において、ロールツーロールの加工が可能であるなど、生産性においても優れたものとすることができる。
一般にガスバリア層として、各種金属箔を用いることはガスバリア性能においては可能であるが、アルミニウム箔(5)、もしくはアルミニウム合金箔が、価格や加工性におい
て、また入手が比較的容易である点においてより好ましい。またアルミニウム箔(5)の内容物側表面には、シーラント層との接着をより強固にし、腐食に対して効果的な、表面改質層(6)を設けて用いる。
表面改質層(6)は、例えばZr、Cr、またはその塩を含む無機被膜と、無機被膜を覆う有機高分子膜から構成することができる。表面改質層(6)を設けることによって、ガスバリア層(8)の、アルミニウム箔(5)、あるいはアルミニウム合金箔の、例えば内容物のヘアカラー1材に含まれる、強塩基性物質などによる腐食を防止することに効果的である。
表面改質層(6)を設けない場合には、内容物の強塩基性物質などによる、アルミニウム箔、もしくはアルミニウム合金箔の腐食によって、シーラント層とのラミネート強度の低下のおそれがある。
支持フィルム(1)はプラスチックフィルムから構成され、ガスバリア層(8)の支持フィルムである。
プラスチックフィルムは、高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。
特にポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートをプラスチックフィルムとする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。そのほか延伸ポリアミドフィルムを用いる場合には、積層体に突き刺しに対する強靭性や、衝撃に対する強靭性を付与することができる。
またプラスチックフィルムは、接着剤層あるいは溶融樹脂層を介して、他の層と積層して積層体とすることができる。積層体の層構成やその材料、厚さなどは、包装袋に対する要求品質に応じて適宜設計することができる。
ガスバリア層(8)の表面改質層(6)と、シーラント層(2)とは、接着剤層(7)を介して積層されている。シーラント層(2)は、包装袋の最内層、すなわち内容物の液体に接触する液面側に配置される。
また、積層体(10)のシーラント層(2)同士を対向させて、ヒートシールするなどして、包装袋を製袋することができる。例えば矩形の包装袋の場合には、内容物の充填口を残して周縁部をシールして製袋し、充填後に充填口をシールして包装袋を密封することができる。
シーラント層(2)の材質としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
シーラント層(2)の形成には、押出機などを用いて溶融した樹脂を製膜して、積層体上に層形成することができる。あるいは、あらかじめフィルムの状態に製膜してある材料を、ドライラミネート等の手法を用いて貼り合せることによって、積層体の表面にシーラント層を形成することも可能である。
本発明は、接着剤層(7)について、2種類の接着剤から選択して用いることとしている。すなわち一種類目の接着剤は、2官能のイソシアネートモノマーを3官能化させたイソシアネートモノマーの誘導体を主成分とする接着剤に、水を0.2~2.0%添加したものである。また、二種類目の接着剤は変性ポリオレフィンを主成分とした化合物と、2官能以上のイソシアネート化合物からなる2液型の接着剤である。
これらのうち、いずれかの接着剤を接着剤層(7)に用いることによって、たとえば、ガスバリア層(8)や接着剤層(7)自体が、強塩基性物質を含む内容物による腐食等の影響を受けて、積層体(10)のラミネート強度が低下するなどの影響を少なくすることができる。
ガスバリア層(8)の、表面改質層(6)とは反対側に、ガスバリア層(8)の支持フィルム(1)が設けてあり、この支持フィルム(1)を介して遮光層(9)が積層されている。
遮光層(9)はプラスチックフィルム(4)に、金属蒸着被膜、または着色層(3)を設けて構成されており、遮光層(9)の透過濃度(D)は、D=1.09~5.52である。
本発明が課題とするところの、強塩基性の内容物を収納可能な包装袋において、金属箔を用いたガスバリア層にピンホール欠陥が発生して、ガスバリア層自体が内容物、もしくは侵入した酸素によって腐食や変色した際にも、腐食部分が包装袋外側から不可視である包装袋の提供において、内容物による腐食や、あるいは屈曲等による物理的な外力によって、どうしても避けられないレベルのピンホールが発生して、それによるガスバリア層(8)の斑点状の変色等の欠陥が発生することがある。
その場合でも遮光層(9)の透過濃度(D)が、D=1.09~5.52であることによって、欠陥部の隠蔽をより完全なものとすることができる。我々は本発明を鋭意検討する過程で、遮光層(9)の透過濃度(D)がこの範囲であれば、斑点状の変色等の欠陥部を視覚的に覆い隠すことができることを見出した。
すなわち本発明においては、遮光層(9)が、ガスバリア層(8)の包装袋外側の位置に設けてあることによって欠陥部を隠蔽し、外部から不可視とすることが可能である。
図1に示す例においては、遮光層(9)は着色層(3)が含まれて構成される例である。例えばプラスチックフィルム(4)の表面に着色層(3)として、印刷インクを用いた層を形成して構成することができる。
着色層(3)の形成は、既存の印刷手法、あるいはコーティング手法を用いて形成することができ、単層のほか、複数の層を重ねて、遮光層(9)の透過濃度範囲を実現することも可能である。
図2は本発明に係る包装袋を構成する積層体の、遮光層に金属蒸着被膜を用いた例を説明するための部分断面模式図である。
図1で示した遮光層(9)に着色層(3)を用いる場合のほか、プラスチックフィルム(4)表面に金属蒸着被膜(11)を形成して遮光層(9)を構成することも可能である。また、図2に示す例において、接着剤層(7)に変性ポリオレフィン系を用いる場合には、後述の実施例2、または実施例3の層構成を表す、積層体(10)の部分断面模式図である。
本発明においては、いずれの場合も、遮光層(9)の透過濃度(D)は、D=1.09~5.52の範囲である。
また、遮光層(9)は、ガスバリア層(8)とは、ガスバリア層(8)の支持フィルム(1)を介して積層される。これは、遮光層(9)がガスバリア層(8)のアルミニウム箔(5)またはアルミニウム合金箔に直接貼りあわせられて積層される場合に比べて、ガスバリア層(9)のアルミニウム箔(5)の腐食や斑点状の変色の隠蔽、不可視化を阻害することが少ない効果を有する。
必要に応じて、商品としてのイメージアップや、内容物についての必要な情報表示や、意匠性の向上を目的として、プラスチックフィルムを基材とする積層体中(10)の、包装袋外側から見える層に印刷層を設けることができる。印刷層は包装袋の最外層に設けるのでも構わない。
また印刷層は、包装袋の一部に設けるのでもよく、また包装袋の全面に渡って設けるのでもよい。あるいは、印刷層を用いずに表示部を設ける方法としては、たとえば包装袋の表面に、印刷されたシールを貼着することも可能である。
ここで、印刷方法、および印刷インキには、特段の制約を設けるものではないが、既存の印刷方法の中からプラスチックフィルムへの印刷適性、色調などの意匠性、密着性、などを考慮すれば適宜選択してよい。
たとえば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、シルクスクリーン印刷法、インクジェット印刷法などの既存の印刷方法から選択して用いることができる。たとえばグラビア印刷法は、生産性、プラスチックフィルムへの印刷適性、および絵柄の高精細度において好ましく用いることができる。
このようにして、本発明によれば、強塩基性の内容物を収納可能な包装袋において、金属箔を用いたガスバリア層にピンホール欠陥が発生して、ガスバリア層自体が内容物、もしくは侵入した酸素によって腐食や変色した際にも、腐食部分が包装袋外側から不可視である包装袋を提供することが可能である。
以下本発明を、実施例によって更に具体的な説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
評価用の、包装袋サンプルを作成して、本発明による実施例1~実施例9.および比較例1~比較例17として、評価した。
サンプル構成:積層体をシーラント層同士を対向して重ね合わせ、周縁部ヒートシールして製袋した。
屈曲過程:製袋した包装袋を、ゲルボフレックステスターで、常温環境下において100回の屈曲を加えた。
内容物:製袋、屈曲過程を経た包装袋に、pH9~10のヘアカラー1剤を充填後、充
填口を密封した。
<評価項目および評価方法>
(1)遮光層の透過濃度(D):遮光層のフィルムを、エックスライト株式会社製 361T 卓上式透過濃度計で測定した。
(2)ラミネート強度(初期):積層体サンプルを、15mm幅にカットして、アルミニウム箔/シーラント層間の接着強度を、株式会社エー・アンド・デイ製RTF-1250試験機を用いて300mm/分の引っ張り速度で測定した。(N/15mm)。
(3)ラミネート強度(2週間後):50℃環境下で2週間保管後の内容物入りの評価用サンプルを、ラミネート強度(初期)と同様に測定した。(N/15mm)。
(4)外観(変色):50℃環境下で2週間保管後の内容物入りの評価用サンプルの外観を目視にて、斑点や変色の有無を観察した。
評価用サンプルの材料構成は以下のとおりである。
[遮光層(9)]
以下の3種類を用意した。
・着色層タイプ:ポリエチレンテレフタレートフィルム(フタムラ化学製 FE2001
厚さ12μm)+印刷着色層
・着色層タイプ:延伸ポリアミドフィルム(ユニチカ株式会社製 厚さ15μm)+印刷着色層
・金属蒸着被膜タイプ:蒸着(VM)付きポリエチレンテレフタレートフィルム(東レフィルム加工製 BRPET-1312 厚さ12μm)。
[バリア層(8)]
支持フィルム(1)は、以下の2種類を用意した。
・延伸ポリアミドフィルム:(コウジン株式会社製 ボニールw 厚さ15μm)
・ポリエチレンテレフタレートフィルム:(フタムラ化学製 FE2001 厚さ12μm)。
アルミニウム箔(5)は下記のとおりである。
・アルミニウム箔:東洋アルミ株式会社製 8079材 厚さ9μm
支持フィルムとアルミニウム箔の貼り合せは、下記ウレタン系接着剤を用いた。
・接着剤:主剤 三井化学株式会社製 タケラックA626
硬化剤 三井化学株式会社製 タケネートA50。
表面改質層(6)は下記のとおりである。
・Zr系コート材:日本ペイントサーフケミカルズ製サーフコートEC1000A/B
・Cr系コート材:日本ペイントサーフケミカルズ製サーフコートNR-X
表面改質処理を行なう場合には、これらのいずれかを用いて表面改質処理を行ない、表面改質層(6)を形成した。
[接着剤層(7)およびシーラント層(2)]
シーラント層とガスバリア層の積層体は以下の2種類とした。
・変性ポリオレフィフィン系接着剤:ガスバリア層(8)の表面改質層(6)側に、変性ポリオレフィンを主成分とした接着剤を塗工し、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE タマポリ株式会社製 UB106T)をドライラミネートした。
・イソシアネート系接着剤:ガスバリア層(8)の表面改質層(6)側に、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットタイプを主成分とした塗液を酢酸エチルにて希釈した溶液に水を添加した接着剤を塗工し、その後押し出し機によって、低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製 LC600A)を押し出し、シーラント層として直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE 東セロ株式会社製 TUX-XMTN)と貼り合せた。
最後に遮光層(9)と、ガスバリア層(8)とシーラント層(2)の積層体とを、ウレタン系接着剤で貼りあわせて、実施例1~実施例9、比較例1~比較例17を作成して、評価用サンプルとした。
評価用サンプルは、シーラント層(2)同士を対向させて重ね、周縁をヒートシールして製袋し、ゲルボフレックステスターで常温環境下で100回屈曲させ、pH9~10のヘアカラー1剤を充填した後、充填口をシールして密封した。
<実施例1>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/印刷着色層(墨)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
<実施例2>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
蒸着(VM)付きポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1とは、遮光層(9)が異なっており透過濃度はD=1.84であるが、本発明による材料構成の範囲内である。
<実施例3>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
蒸着(VM)付きポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Cr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1とは、表面改質層(6)と遮光層(9)が異なっており透過濃度はD=1.84であるが、本発明による材料構成の範囲内である。
<実施例4>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/印刷着色層(墨)//ポリエチレンテレフタ
レートフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1とは、遮光層(9)のプラスチックフィルム(4)、およびガスバリア層(8)の支持フィルム(5)の種類が異なっているが、本発明による材料構成の範囲内である。
<実施例5>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/印刷着色層(墨×4回)//ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1とは、遮光層(9)のプラスチックフィルム(4)、およびガスバリア層(8)の支持フィルム(5)の種類が異なっており、また着色層(3)が墨インキで4回重ねとなっており、透過濃度はD=5.52であるが、本発明による材料構成の範囲内である。
<実施例6>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/印刷着色層(墨+白)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1とは、着色層(3)が異なっている。この部分は墨インキと白インキの重ねとなっており、透過濃度はD=5.52であるが、本発明による材料構成の範囲内である。
<実施例7>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/印刷着色層(墨)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Cr)//接着剤層(イソシアネート)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1とは、接着剤層(7)および表面改質層(6)が異なっているが、本発明による材料構成の範囲内である。
<実施例8>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/印刷着色層(墨)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(イソシアネート)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1とは接着剤層(7)のみが異なっているが、本発明による材料構成の範囲内である。
<実施例9>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
蒸着(VM)付きポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(イソシアネート)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち実施例1とは、遮光層(9)、接着剤層(7)が異なっているが、本発明による材料構成の範囲内である。
<比較例1>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ7μm)/接着剤層(エステル)/シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層がなく、表面改質層がなく、接着剤層がエステル系である点で異なっており、本発明による材料構成を逸脱している。
<比較例2>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ7μm)/接着剤層(変性ポリオレフィン)/シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層がなく、表面改質層がない点で異なっており、本発明による材料構成を逸脱している。
<比較例3>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ7μm)/接着剤層(イソシアネート)/シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層がなく、表面改質層がない点で異なっており、本発明による材料構成を逸脱している。
<比較例4>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)
/表面改質層(Cr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層がない点で異なっており、本発明による材料構成を逸脱している。
<比較例5>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層がない点で異なっており、本発明による材料構成を逸脱している。
<比較例6>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Cr)//接着剤層(イソシアネート)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層がない点で異なっており、本発明による材料構成を逸脱している。
<比較例7>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(イソシアネート)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層がない点で異なっており、本発明による材料構成を逸脱している。
<比較例8>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/印刷着色層(白)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層に白インキを用いている点で異なっており、透過濃度(D)が0.15であって、本発明による透過濃度(D)範囲(1.09~
5.52)を逸脱している。
<比較例9>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/印刷着色層(藍)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層に藍インキを用いている点で異なっており、透過濃度(D)が0.41であって、本発明による透過濃度(D)範囲(1.09~5.52)を逸脱している。
<比較例10>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/印刷着色層(赤)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層に赤インキを用いている点で異なっており、透過濃度(D)が0.41であって、本発明による透過濃度(D)範囲(1.09~5.52)を逸脱している。
<比較例11>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/印刷着色層(黄)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層に黄インキを用いている点で異なっており、透過濃度(D)が0.05であって、本発明による透過濃度(D)範囲(1.09~5.52)を逸脱している。
<比較例12>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/印刷着色層(藍+白)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層に藍インキ+白インキを用いている点で異なっており、透過濃度(D)が0.85であって、本発明による透過濃度(D)範囲(1.09~5.52)を逸脱している。
<比較例13>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/印刷着色層(赤+白)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層に赤インキ+白インキを用いている点で異なっており、透過濃度(D)が0.62であって、本発明による透過濃度(D)範囲(1.09~5.52)を逸脱している。
<比較例14>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/印刷着色層(黄+白)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層に黄インキ+白インキを用いている点で異なっており、透過濃度(D)が0.16であって、本発明による透過濃度(D)範囲(1.09~5.52)を逸脱している。
<比較例15>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/印刷着色層(セピア+白)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層にセピアインキ+白インキを用いている点で異なっており、透過濃度(D)が0.91であって、本発明による透過濃度(D)範囲(1.09~5.52)を逸脱している。
<比較例16>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/印刷着色層(墨+白)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層に墨インキ+白インキを用いている点で異なっており、透過濃度(D)が1.59であって、本発明による透過濃度(D)範囲(1.09~5.52)の逸脱はないものの、表面改質層は設けておらず、この点が本発明による材料構成を逸脱している。
<比較例17>
積層体の材料構成は下記のとおりである。
包装袋外側から、
ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/印刷着色層(墨+白)//延伸ポリアミドフィルム(厚さ15μm)/アルミニウム箔(厚さ9μm)/表面改質層(Zr)//接着剤層(変性ポリオレフィン)//シーラント層(厚さ40μm)
とした。
すなわち、実施例1との比較において、遮光層に墨インキ+白インキを用いている点で異なっており、透過濃度(D)が1.59であって、本発明による透過濃度(D)範囲(1.09~5.52)の逸脱はないものの、ガスバリア層とシーラント層との接着剤層(7)にエステル系の接着剤を用いており、この点が本発明による材料構成を逸脱している。
評価結果を表1に示す。
Figure 0007206685000001
表1に示す結果から、本発明による実施例1~実施例9は全て、判定は〇判定である。しかしながら、本発明を何らかの点で逸脱する比較例1~比較例17は全て、判定は×判定である。
したがって、本発明によれば、強塩基性の内容物を収納可能な包装袋において、金属箔を用いたガスバリア層にピンホール欠陥が発生して、ガスバリア層自体が内容物、もしくは侵入した酸素によって腐食や変色した際にも、腐食部分が包装袋外側から不可視である包装袋を提供することが可能であることを示すことができた。
以下比較例1~比較例17について、個々に考察を加える。
比較例1においては、遮光層(9)がなく、表面改質層(6)がなく、接着剤層(7)がエステル系である点で本発明とは異なっている。表面改質層、接着剤層の逸脱によって、2週間後のラミネート強度は0.0N/15mmであって、すでに剥離状態となっており、包装袋として実用に供することが困難と思われる。
比較例2においては、遮光層(9)がなく、表面改質層(6)がない点で本発明とは異なっており、表面改質層がないために、比較例と同様に2週間後のラミネート強度は0.0N/15mmであって、すでに剥離状態となっており、包装袋として実用に供することが困難と思われる。
比較例3においては、遮光層(9)がなく、表面改質層(6)がない点で本発明とは異なっており、表面改質層がないために、比較例と同様に2週間後のラミネート強度は0.0N/15mmであって、すでに剥離状態となっており、包装袋として実用に供することが困難と思われる。
比較例4および比較例5においては、遮光層(9)がない点で本発明とは異なっており、ラミネート強度の低下は比較的軽微なものの、遮光層がないためにピンホール等による変色が、当然のことながら可視となっており×判定に繋がったものである。
比較例6および比較例7においては、遮光層(9)がない点で本発明とは異なっており、ラミネート強度の低下は比較的軽微なものの、遮光層がないためにピンホール等による変色が、当然のことながら可視となっており×判定に繋がったものである。
比較例8~比較例15においては、遮光層に白インキ単層、あるいは藍インキ、赤インキ、黄インキ、セピアインキの単層、または白インキとそれらの重ねを用いている点で実施例1~実施例9とは異なっており、その結果透過濃度(D)が、本発明の特徴のひとつである、透過濃度(D)範囲(1.09~5.52)を下方に逸脱している。
その結果、ラミネート強度の低下は見られないものの、遮光層がないためにピンホール等による変色が、当然のことながら可視となっており×判定に繋がったものである。
比較例16においては、遮光層に墨インキ+白インキを用いている点で異なっており、透過濃度(D)が1.59であって、本発明による透過濃度(D)範囲(1.09~5.52)の範囲内にあって隠蔽力は十分と思われるが、ガスバリア層のアルミニウム箔に表面改質層は設けておらず、表面改質層がないために、比較例1~比較例3と同様に2週間後のラミネート強度は0.0N/15mmであって、すでに剥離状態となっており、包装袋として実用に供することが困難と思われる。
比較例17においては、遮光層に墨インキ+白インキを用いている点で異なっており、透過濃度(D)が1.59であって、本発明による透過濃度(D)範囲(1.09~5.52)の範囲内にあって隠蔽力は十分と思われるが、ガスバリア層とシーラント層との接着剤層(7)にエステル系の接着剤を用いており、比較例1と同様に2週間後のラミネート強度は0.0N/15mmであって、すでに剥離状態となっており、包装袋として実用に供することが困難と思われる。
総合的に考察すれば、接着剤層(7)の材料選択、また表面改質層(6)を設けること、また遮光層(9)を、着色層(3)、金属蒸着被膜(11)に係らず、透過濃度(D)を1.09以上の範囲で設けることが、本発明の課題解決に効果的であることが明らかとなった。
このように、本発明によれば、強塩基性の内容物を収納可能な包装袋において、金属箔を用いたガスバリア層にピンホール欠陥が発生して、ガスバリア層自体が内容物、もしくは侵入した酸素によって腐食や変色した際にも、腐食部分が包装袋外側から不可視である包装袋を提供することが可能であることを検証することができた。
1・・・支持フィルム
2・・・シーラント層
3・・・着色層
4・・・プラスチックフィルム
5・・・アルミニウム箔層
6・・・表面改質層
7・・・接着剤層
8・・・ガスバリア層
9・・・遮光層
10・・・積層体
11・・・金属蒸着被膜

Claims (4)

  1. プラスチックフィルムを基材とした、遮光層、ガスバリア層、およびシーラント層を有する積層体からなる包装袋において、
    該ガスバリア層は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の、一方の面に表面改質層を有して、他方の面には支持フィルムを積層して構成され、
    該ガスバリア層の表面改質層とシーラント層とは、接着剤層を介して積層されており、
    該接着剤層は、2官能のイソシアネートモノマーを3官能化させたイソシアネートモノマーの誘導体を主成分とする接着剤に、水を0.2~2.0%添加して、塗工、形成したものであり、
    該ガスバリア層の、表面改質層とは反対側に、ガスバリア層の支持フィルムを介して遮光層が積層されており、
    該遮光層はプラスチックフィルムに、金属蒸着被膜、または着色層を設けて構成され、
    該遮光層の透過濃度(D)は、D=1.09~5.52であることを特徴とする、包装袋。
  2. プラスチックフィルムを基材とした、遮光層、ガスバリア層、およびシーラント層を有する積層体からなる包装袋であって、
    該ガスバリア層は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の、一方の面に表面改質層を有して、他方の面には支持フィルムを積層して構成され、
    該ガスバリア層の表面改質層とシーラント層とは、接着剤層を介して積層されており、
    該接着剤層は、変性ポリオレフィンを主成分とした化合物と、2官能以上のイソシアネート化合物からなる2液型の接着剤を塗工、形成したものであり、
    該ガスバリア層の、表面改質層とは反対側に、ガスバリア層の支持フィルムを介して遮光層が積層されており、
    該遮光層はプラスチックフィルムに、金属蒸着被膜、または着色層を設けて構成され、
    該遮光層の透過濃度(D)は、D=1.09~5.52であることを特徴とする、包装袋。
  3. 前記表面改質層は、Zr、Cr、またはその塩を含む無機被膜と、無機被膜を覆う有機高分子膜からなることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の包装袋。
  4. 前記ガスバリア層は、厚さが6μm~20μmのアルミニウム箔、またはアルミニウム合金箔を用いて構成されることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれかに記載の包装袋。
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