JP7203324B2 - 液体処理方法及び液体処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を電気化学的に処理する液体処理方法及び液体処理装置に関する。より詳細には、本発明は、液体中でプラズマを発生させ、液体に含まれる汚濁物質又は菌がプラズマに直接触れることによる分解及び殺菌作用と、プラズマ放電により発生する紫外線及びラジカルなどによる分解及び殺菌作用とを同時に起こして、液体を処理する液体処理方法及び液体処理装置に関する。
図9に、特許文献1に記載されている従来の液体処理装置の例を示す。液体処理装置100は、装置本体110、液体供給部150、配管151、貯留槽190、及び電源160を備えている。装置本体110は、処理槽112、導入部115、排出部117、第1電極130、及び第2電極131を備えている。
図10は、液体処理装置100が動作している状態を示す図である。処理槽112は円筒状になっており、円筒の接線方向に設けられた導入部115から、液体(例えば水)L5を導入することで、旋回流F5を発生させる。旋回流F5によって処理槽112の中心軸X5の近傍の圧力が飽和水蒸気圧以下に低下し、中心軸X5付近において液体L5の一部が気化した水蒸気が発生することで、気相G5が生成される。第1電極130と第2電極131との間に高電圧を印加することで、気相G5にプラズマ放電を発生させる。このとき、プラズマが液体L5に直接触れることで、液体L5中に含まれる汚濁物質等が分解処理される。同時に、例えば、ヒドロキシルラジカル(OHラジカル)及び過酸化水素等の酸化力を持つ成分が生成され、それらの成分が液体中に含まれる汚濁物質等と反応することでも、分解処理が進展する。液体L5中にプラズマが発生することにより生成されるラジカルの中でも、特にOHラジカルは高い酸化力を有することが知られており、液体L5中に溶解している難分解性有機化合物を分解処理することが可能である。さらに、排出部117付近の酸化成分を含んだ気相G5は、貯留槽190内の液体L5の抵抗を受ける事でせん断され、酸化成分を含有した気泡B5を生じる。処理液L6には、OHラジカル及び過酸化水素などの酸化成分だけでなく、気泡Bも含まれるため、液体L5中に含まれる汚濁物質等をより効率的に分解することが可能である。
特開2017-225965号公報
しかしながら、特許文献1に記載の液体処理装置では、気相G5が第1電極130に接しているかを検知できず、液体L5の粘性が高い場合又は液体L5の供給量が不足する場合には、気相G5の生成が不十分となり、気相G5が第1電極130に接する面積が小さくなる。もしくは、気相G5が第1電極130に接しないことがある。この状態で、第1電極130と第2電極131との間に高電圧を印加すると、液体L5に流れる漏れ電流が大きくなってしまう。漏れ電流が大きくなることで、ジュール熱が大きくなり、特に固体と液体の界面である第1電極130の右端部1301近傍において、電圧降下が大きいため、ジュール熱が大量に発生しやすく、第1電極130もしくは処理槽112が損傷する課題が発生する。
本発明は、このような点に鑑み、気相と第1電極とが接触したのちに放電させてプラズマを発生させることにより、第1電極近傍でのジュール熱による装置への損傷を抑制できる液体処理方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の1つの態様にかかる液体処理方法は、
一端側に形状が棒状である第1電極が配置され、他端側に第2電極が配置された断面形状が円形である筒状の処理槽に、前記処理槽の前記円形筒状の接線方向から被処理液体を前記処理槽内に導入することにより前記処理槽内で前記被処理液体を旋回させて前記被処理液体の旋回流中に気相を発生させ、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加して放電することにより前記気相中にプラズマを発生させて前記被処理液体を処理する液体処理方法において、
前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗値を測定し、
前記第1電極と前記第2電極との間の前記測定した電気抵抗値が、前記被処理液体が旋回する前の前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗値よりも大きくなったときに、放電を開始する。
本発明の別の態様にかかる液体処理装置は、
断面形状が円形である筒状の処理槽と、
前記処理槽の一端側に配置されて形状が棒状の第1電極と、
前記処理槽の他端側に配置される第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加する電源とを備えるとともに、
前記処理槽は、前記処理槽の前記円形筒状の接線方向から被処理液体を前記処理槽内に導入することにより前記処理槽内で前記被処理液体を旋回させて前記被処理液体の旋回流中に気相を発生させる液体導入口を有する液体処理装置において、
前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗値を測定する電気抵抗値測定部と、
前記電気抵抗値測定部で測定した前記電気抵抗値に基づいて放電を開始する制御部とを備える。
本発明の前記態様にかかる液体処理方法及び装置によれば、前記第1電極と前記第2電極との間の前記測定した電気抵抗値が、前記被処理液体が旋回する前の前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗値よりも大きくなったときに、放電を開始することにより、漏れ電流が少ないために、第1電極近傍で発生するジュール熱を抑制でき、ジュール熱による装置への損傷を低減できる。
本発明の実施形態1にかかる液体処理装置の構成を示す側面断面図 本発明の実施形態1にかかる装置本体の側面断面図 図2のIII―III線における断面図 処理槽の内部に旋回流が発生しており、電圧を印加していない状態を示す側面断面図 処理槽の内部に旋回流が発生しており、電圧を印加した状態を示す側面断面図 液体供給量を変化させた際の電極間の電気抵抗値を示す図 本発明の実施形態2にかかる装置本体の側面断面図 本発明の実施形態2での液体供給量を変化させた際の電極間の電気抵抗値を示す図 従来の液体処理装置の側面断面図 従来の液体処理装置の処理槽の内部に旋回流が発生しており、電圧を印加した状態を示す側面断面図
[実施形態1]
以下、図面を参照し、本発明の実施形態に係る液体処理装置1を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
[全体構成]
まず、液体処理装置1の全体構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態1にかかる液体処理装置1の構成を示す側面断面図である。以下の図では、矢印Fは液体処理装置1の前方向を示し、矢印Bは後方向を示す。矢印Uは上方向を示し、矢印Dは下方向を示す。矢印Rは後方向から見て右方向、矢印Lは後方向から見て左方向を示す。
液体処理装置1は、少なくとも、処理槽12と、第1電極30と、第2電極31と、電源60とを備えるとともに、さらに、電気抵抗値測定部70と、制御部80とを備えている。より具体的には、図1に示す液体処理装置1は、貯留槽90に接続されている状態を示している。液体処理装置1は、液体中で放電することによって液体を処理する。本実施形態1では、液体の例として、汚濁物質が溶解した水溶液を処理する場合について説明する。貯留槽90には、液体処理装置1で処理された処理液が貯溜される。
液体処理装置1は、装置本体10、液体供給部50、電源60、電気抵抗値測定部70、制御部80、貯留槽90を備えている。装置本体10は、処理槽12、液体導入口の一例として機能する導入部15、排出部17、絶縁体53で被覆された第1電極30、及び第2電極31を備えている。
処理槽12は、内部に導入された液体(例えば、水)L1を処理している部分である。処理槽12の正面断面形状は円形である(図3参照)。
導入部15は、処理槽12に液体を導入する。
処理槽12は、処理槽12の液体L1の旋回軸X1(図2参照)沿いの一端側が断面形状が円形である円柱状の処理室を有している。処理槽12の一端には導入部15が配置され、処理槽12の他端には排出部17が配置されている。導入部15は、処理槽12に液体L1を処理槽12の中心軸X1と直交する円形の断面形状の接線方向から液体を導入する。導入部15は、第1配管51を介して液体供給部50に連通している。排出部17は、処理槽12で処理された処理液L2を処理槽12から排出させる。排出部17は、貯留槽90の取り入れ口91に接続されている。排出部17から排出された処理液L2は、貯留槽90に貯溜される。処理槽12の材質は絶縁体でもよいし、導体でもよい。導体の場合には、各電極30,31との間に絶縁体を介在する必要がある。排出部17の開口の内径は、後述する開口部311の円の径寸法と同じか、それ以上とする。
絶縁体53で被覆された第1電極30は、棒状であり、処理槽12の内部に配置されている。
第2電極31は、排出部17の近傍に配置されている。第1電極30は電源60が接続されており、第2電極31は接地されている。一例として、図1では、第2電極31は、処理槽12の排出部17が形成された壁面の外側、具体的には、貯留槽90と処理槽12との間に固定されている。第2電極31は、中心に貫通した円形の開口部311が形成されている。
第1電極30は、電源60が接続されており、第2電極31は接地されている。第1電極30及び第2電極31には、電源60により高電圧のパルス電圧が印加される。
液体供給部50は、一例として、処理槽12内に液体(例えば、水)を供給するポンプである。液体供給部50は、配管51に接続されている。配管51の一端は導入部15に接続されており、配管51の他端は、液体供給源(例えば、水タンク88又は水道)又は貯留槽90の処理液を含んだ貯留水を循環できる形に接続されている(図1の一点鎖線の循環用配管87などを参照)。
電源60は、第1電極30と第2電極31との間に数kVの正もしくは負の高電圧のパルス電圧を印加する。電源60は、正のパルス電圧と負のパルス電圧とを交互に印加する、いわゆるバイポーラパルス電圧を印加することもできる。
電気抵抗値測定部70は、第1電極30と第2電極31とに配線でそれぞれ接続されており、第1電極30と第2電極との間の電気抵抗値を、例えば所定時間毎(一例として5秒毎)に測定する。電気抵抗値測定部70は、測定した電気抵抗値を電気抵抗値測定部70から制御部80に出力する。電気抵抗値測定部70は、少なくとも、液体L1が旋回する前の第1電極30と第2電極31との間の電気抵抗値を基準電気抵抗値として測定する。一例として、第1電極30と第2電極31との間が液体L1で満たされているときの第1電極30と第2電極31との間の電気抵抗値が、電気抵抗値測定部70で基準電気抵抗値として測定されて、制御部80に出力されている。ここで、第1電極30と第2電極31との間が液体L1で満たされているときの検出例としては、ポンプ又は水道で液体供給する場合、第1電極30と第2電極31との間が液体L1で満たされているときの時間を予め測定しておき、その時間以上になれば、第1電極30と第2電極31との間が液体L1で満たされているときである、として検出すればよい。後述するように、制御部80での制御の下に、電源60から高電圧のパルス電圧が第1電極30と第2電極31との間に印加されている際には、電気抵抗値測定部70は、第1電極30と第2電極31との接続を解除し、第1電極30と第2電極31と電気的につながっていない状態となるように動作する。
制御部80は、液体供給部50と電源60と電気抵抗値測定部70と配線でそれぞれ接続されて、それぞれの装置を動作制御している。制御部80の内部には、情報記録部81と流量調整部82と電圧印加指示部83とを備えている。
電気抵抗値測定部70から第1電極30と第2電極31との間の電気抵抗値が制御部80に出力され、情報記録部81に記憶されている。情報記録部81には、少なくとも、液体L1が旋回する前の第1電極30と第2電極31との間の電気抵抗値を基準電気抵抗値として記憶し、具体的には例えば、第1電極30と第2電極31との間が液体L1で満たされているときの第1電極30と第2電極31との間の電気抵抗値が、基準電気抵抗値として記憶されている。
流量調整部82では、情報記録部81に記録されている基準電気抵抗値を基に、記録された基準電気抵抗値と電気抵抗値測定部70で測定した電気抵抗値とを比較した結果により、制御部80で液体供給部50の印加電圧もしくは電流を変化させ、液体供給部50の流量を増加又は減少させて流量調整する。
また、電圧印加指示部83は、電気抵抗値測定部70で測定した電気抵抗値が、第1電極30と第2電極31との間が液体L1で満たされているときに測定されかつ情報記録部81に記録された基準電気抵抗値よりも所定割合だけ大きくなったか否かを判定する。もし、測定した電気抵抗値が、情報記録部81に記録された基準電気抵抗値よりも所定割合だけ大きくなったと電圧印加指示部83で判定したとき、流量調整部82からの指示により、液体供給部50の電流もしくは電圧を保つことで、液体L1の流量を一定に保たせる。その状態で、さらに、電圧印加指示部83から電源60へ電圧印加を制御部80で指示することで、放電が開始される。測定した電気抵抗値が、情報記録部81に記録された基準電気抵抗値よりも所定割合だけ大きくなっていないと電圧印加指示部83で判定したとき、所定割合だけ大きくなるまで待機する。待機するときは、所定時間の間、待機し、所定時間後でも所定割合だけ大きくならないと判定したときは、放電開始処理を停止する。
[装置本体]
次に、装置本体10について詳細に説明する。図2は、装置本体10の側面断面図である。
処理槽12は、第1内壁21、第2内壁22、及び第3内壁23を有している。第1内壁21は、筒状の壁部である。第2内壁22は、第1内壁21の第1端部例えば図2の左端部に設けられている。第3内壁23は、第1内壁21の第2端部例えば図2の右端部に設けられている。第2内壁22及び第3内壁23は、側面視では略円形である。第1内壁21、第2内壁22、及び第3内壁23により、処理槽12の内部には、略円柱状の収容空間89が構成されている。第1内壁21の中心軸、つまり、処理槽12の内部に構成される略円柱状の収容空間89の仮想の中心軸を中心軸X1とする。
第2内壁22には、電極支持筒24が設けられている。電極支持筒24は、筒状であり図2の右方(第3内壁側)に延びている。電極支持筒24は、その中心軸が中心軸X1と一致するように配置されている。電極支持筒24の内側には、絶縁体53を介して第1電極30が支持されている。
第1電極30の形状は棒状であり、絶縁体53は第1電極30の周囲に配置されている。第1電極30は、長手方向の軸が中心軸X1と一致するように配置されている。
導入部15は、装置本体10を貫通しており、一方の開口端16が第1内壁21に形成されている。導入部15は、側面視では、第2内壁22に隣接した位置に配置されている。また、図3は、図2のIII―III線における断面図である。導入部15は、第1内壁21の壁面に配置されている。
排出部17は、第3内壁23の例えば中央部を貫通している。排出部17は、その中心軸が中心軸X1と一致するように形成されている。
第2電極31は、板状の金属部材であり、中央部に開口部311が貫通して形成されている。開口部311は円形であり、その中心が第1内壁21の中心軸X1と一致するように形成されている。
[動作]
次に、液体処理装置1の動作について説明する。以下では、説明の便宜上、処理槽12の内部に気相Gを発生させる状態(図4)と、電源60から気相Gにパルス電圧を印加してプラズマPを発生させる状態(図5)を別図に分けて説明する。図4は、処理槽12の内部に旋回流F1が発生しており、パルス電圧を印加していない状態を示す側面断面図である。
まず、制御部80での制御の下に、図4に示すように、水道水からポンプ50などを介するか、又は、ポンプ50で貯留槽90の液体L1を吸い込んで、導入部15から処理槽12に液体(例えば、水)L1が所定の圧力で導入されると、液体L1は、第1内壁21に沿って旋回流F1を発生させながら導入部15から図4の右方に向けて移動する。旋回しながら図4の右方に移動した旋回流F1は、排出部17に向けて移動する。
旋回流F1により、処理槽12の中心軸X1付近の圧力が飽和水蒸気圧以下に低下し、液体L1の一部が気化して気相Gが、第1電極30と第2電極31の開口部311との間の空間の第1内壁21の中心軸X1付近に生成される。気相Gは、旋回中心付近、具体的には、第1電極30の内端すなわち図4の右端部301から中心軸X1に沿って、第2電極31の開口部311を通って排出部17まで発生する。すなわち、気相Gは、第2電極31の中央の開口部311内に入るように、右端部301から延在している。
気相Gは、接している旋回流F1により、旋回流F1と同方向に旋回している。旋回している気相Gは、排出部17の近傍で貯留槽90内の液体の抵抗を受ける事で、マイクロバブル又はウルトラファインバブル(ナノバブル)にせん断され、排出部17から、排出部17に接続された取り入れ口91を介して貯留槽90に拡散される。
図5は、処理槽12の内部に旋回流F1が発生しており、制御部80での制御の下に電源60からパルス電圧を印加した状態を示す側面断面図である。図5に示すように、液体L1が気化した気相Gが第1電極30から排出部17まで発生している状態で、制御部80での制御の下に電源60により、第1電極30と第2電極31との間に高電圧のパルス電圧を印加する。第1電極30と第2電極31とは、高電圧のパルス電圧が印加されると、気相G内にプラズマPが発生し、ラジカル(OHラジカル等)又はイオンを生成する。そのラジカル又はイオンは、気相Gから旋回流F1側へ溶解することで、液体L1中に溶解している汚濁物質を分解処理する。加えて、排出部17付近の気相G内のプラズマPは、貯留槽90内の液体L1の抵抗を受ける事でOHラジカル等を含有した大量の気泡Bを生じる。この様に、プラズマPにより発生したOHラジカル等により処理され、OHラジカル等を含有した気泡Bを含んだ状態の処理液L2が、排出部17から貯留槽90に向けて排出される。
つまり、プラズマPによって生成されたOHラジカル等は、直接もしくは気泡B内から貯留槽90内の処理液L2に溶解する。そして、一定時間が経過すると、比較的安定な過酸化水素に変質する。なお、高電圧のパルス電圧の印加によって生成したプラズマPは、電圧の印加を停止すると消失する。
なお、プラズマ放電が発生する際には、同時に紫外線が発生する。発生した紫外線が汚濁物質又は菌に照射されると、分解及び殺菌作用を発揮することができる。また、処理液中に発生した過酸化水素水に紫外線が照射されることで、前記したようにOHラジカルが発生し、これによっても分解及び殺菌作用が発揮される。
次に、本発明の実施形態1にかかる液体処理装置1における、制御部80による制御方法について説明する。
まず、制御部80では、第1電極30と第2電極31との間が液体L1で満たされている状態での電気抵抗値測定部70から出力される電気抵抗値を、基準電気抵抗値として情報記録部81に記録する。
次に、流量調整部82からの指示により、液体供給部50の電流もしくは電圧を増加させることで、液体L1の流量を増加させていく。液体L1の流量が増加することにより、旋回流F1の旋回速度が大きくなり、気相Gが形成される。第1電極30と第2電極31との間に気相Gが介在することで、液体よりも気体のほうが電気抵抗値は大きくなるため、第1電極30と第2電極31との間の抵抗値は高くなる。この状態での電気抵抗値測定部70から出力される電気抵抗値が、情報記録部81に記録されている基準電気抵抗値よりも所定の割合だけ大きくなったと電圧印加指示部83で判定された際に、流量調整部82からの指示により、液体供給部50の電流もしくは電圧を保つことで、液体L1の流量を一定に保たせる。その状態で、電圧印加指示部83から電源60へ電圧印加を指示することで、放電が開始される。
次に、本発明の実施形態1に係る液体処理装置1におけるジュール熱による液体処理装置1への損傷を抑制する効果について、測定した電気抵抗値を用いながら説明する。
実施形態1では、形成される気相Gの直径は、例えば1mmであり、第1電極30の直径は気相Gの直径に揃えた1mmとしている。例えば、液体L1の供給量を0L/min、1L/min、3L/min、4L/minと変化させたときの気相Gの発生状況と第1電極30と第2電極31との間の電気抵抗値と放電の状態とを図6に示す。
図6において、液体L1の供給量が0L/minと1L/minでは、気相Gは発生せずに、第1電極30と第2電極31とは液体L1を介して電気的につながっている。この状態で、第1電極30と第2電極31との間に高電圧を印加してもプラズマPは発生せずに、投入されたエネルギーはジュール熱に変換され、第1電極30の損傷につながる。
次に、液体供給量が3L/minのときでは、図4に示すような気相Gが発生する。この状態であれば、第1電極30と第2電極31との間に液体より電気抵抗値が高い気相Gが介在しているため、第1電極30と第2電極31との間の電気抵抗値は、気相Gが発生していない状態よりも高くなっている。数値としては、液体供給量が0L/minのときの電気抵抗値38.2kΩよりも、液体供給量が3L/minの電気抵抗値が40.3kΩとなり、(40.3-38.2)/38.2=0.05、すなわち、およそ5%高くなっている。この状態で、第1電極30に高電圧を印加すると図5に示すようなプラズマPが気相G中に発生する。
更に、液体供給量を4L/minに増やすと、第1電極30と第2電極31との間の電気抵抗値は高くなった。数値としては、液体供給量が0L/minのときの電気抵抗値38.2kΩよりも、液体供給量が4L/minの電気抵抗値が51.3kΩとなり、(51.3-38.2)/38.2=0.34、すなわち、およそ34%高くなっている。液体供給量が4L/minのとき、液体供給量が3L/minよりも電気抵抗値が高くなっている理由は、より気相Gの形成がしっかりとなされ、第1電極30と第2電極31との間に介在する気相Gの割合が大きくなったためと考えられる。この状態で、第1電極30に高電圧を印加すると、プラズマPが気相G中に発生する。
以上より、前記実施形態1によれば、第1電極30と第2電極31との間の電気抵抗値が、液体L1の旋回流F1が発生する前、例えば液体供給量0L/minのとき、の基準電気抵抗値よりも電気抵抗値が高くなった液体供給量のときに、第1電極30に高電圧を印加して放電を開始するように構成している。このように構成することで、気相Gが第1電極130に接する面積が小さい状態か、もしくは、気相Gが第1電極130に接しない状態で、第1電極130と第2電極131との間に高電圧を印加することが防止できる。この結果、液体L1に流れる漏れ電流が大きくなることもなく、漏れ電流が大きくなることも防止でき、プラズマPが発生しない状態でのジュール熱の発生を防ぐことができる。ここで、第1電極30に高電圧を印加して放電を開始するタイミングの具体的な数値としては、第1電極30と第2電極31との間の電気抵抗値が、液体供給量0L/minのときの基準電気抵抗値よりも5%以上高くなったときが好ましい。さらに好ましくは、第1電極30と第2電極31との間の電気抵抗値が、液体供給量0L/minのときの電気抵抗値よりも34%以上高くなったときが好ましい。
[実施形態2]
本実施形態1では、第1電極30の直径は、気相Gの直径と一致している。しかし、第1電極30の直径を気相Gの直径よりも小さくすることによって、第1電極30と第2電極31との間の電気抵抗値の変化をより大きくし、変化を検出しやすくすることが可能である。
本実施形態2での装置本体10を図7に示す。発生する気相Gの直径は例えば1mmと本実施形態1と同様であるが、本実施形態2での第1電極30の直径を、発生する気相Gの直径よりも小さく、例えば、発生する気相Gの直径の半分の0.5mmと小さくしている。この装置で、液体の供給量を0L/min、1L/min、4L/minと変化させたときの気相Gの発生状況と第1電極30と第2電極31との間の電気抵抗値と放電の状態を図8に示す。気相Gが発生する。つまりは、液体供給量が4L/minのときに、第1電極と第2電極との間の電気抵抗値が、気相Gが発生していない状態よりも、大きくなっていることが確認できる。数値としては、液体供給量が0L/minのときの第1電極と第2電極との間の電気抵抗値35.1よりも、液体供給量が4L/minのときの第1電極と第2電極との間の電気抵抗値が108.7kΩとなり、(108.7-35.1)/35.1=2.09、すなわち、209%大きくなっている。これは、第1電極30の直径を小さくすることで、液体L1と接する面が減少し、液体L1を介して、第2電極31に到達する経路が減少したためと考えられる。
このように、実施形態2によれば、第1電極30の直径を気相Gの直径よりも小さくすることで、液体L1の旋回流F1が発生する前の第1電極30と第2電極31との間の基準電気抵抗値よりも、第1電極30と第2電極31との間の測定した電気抵抗値が200%以上高くなったときに放電を開始することができる。よって、電気抵抗値の変化量が200%以上大きくなるため、検出しやすくなり、ジュール熱による装置への損傷をより確実に抑制できる。
以上、説明した本実施形態1,2によれば、漏れ電流が少ないために、第1電極近傍で発生するジュール熱を抑制でき、ジュール熱による装置への損傷を低減できる。
以上、本発明の実施形態1,2を説明したが、上述した実施形態1,2は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施形態1,2に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施形態1,2を適宜変形して実施することが可能である。例えば、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本発明の前記態様にかかる液体処理方法及び液体処理装置は、旋回中でプラズマを発生させることにより、液体に含まれる汚濁物質又は菌がプラズマに直接触れることによる分解、殺菌作用と、プラズマ放電により発生する紫外線、ラジカルなどによる分解、殺菌作用を同時に起こして、液体を処理することが可能であり、殺菌、脱臭、各種の環境改善等に利用することが可能である。
1 液体処理装置
10 装置本体
12 処理槽
15 導入部
16 開口端
17 排出部
21 第1内壁
22 第2内壁
23 第3内壁
24 電極支持筒
30 第1電極
31 第2電極
50 液体供給部
51 配管
53 絶縁体
60 電源
70 電気抵抗値測定部
80 制御部
81 情報記録部
82 流量調整部
83 電圧印加指示部
87 循環用配管
88 水タンク
89 空間
90 貯留槽
311 開口部
L1 液体
L2 処理液
B 気泡
P プラズマ
100 液体処理装置
110 装置本体
112 処理槽
115 導入部
117 排出部
130 第1電極
131 第2電極
150 液体供給部
151 配管
160 電源
190 貯留槽

Claims (6)

  1. 一端側に形状が棒状である第1電極が配置され、他端側に第2電極が配置された断面形状が円形である筒状の処理槽に、前記処理槽の前記円形筒状の接線方向から被処理液体を前記処理槽内に導入することにより前記処理槽内で前記被処理液体を旋回させて前記被処理液体の旋回流中に気相を発生させ、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加して放電することにより前記気相中にプラズマを発生させて前記被処理液体を処理する液体処理方法において、
    前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗値を測定し、
    前記第1電極と前記第2電極との間の前記測定した電気抵抗値が、前記被処理液体が旋回する前の前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗値よりも大きくなったときに、放電を開始する液体処理方法。
  2. 前記被処理液の前記旋回流が発生する前の前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗値よりも、前記第1電極と前記第2電極との間の前記測定した電気抵抗値が5%以上高くなったときに放電を開始する、請求項1に記載の液体処理方法。
  3. 前記被処理液の前記旋回流が発生する前の前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗値よりも、前記第1電極と前記第2電極との間の前記測定した電気抵抗値が34%以上高くなったときに放電を開始する、請求項1に記載の液体処理方法。
  4. 前記被処理液の前記旋回流が発生する前の前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗値よりも、前記第1電極と前記第2電極との間の前記測定した電気抵抗値が200%以上高くなったときに放電を開始する、請求項1に記載の液体処理方法。
  5. 前記第1電極の直径を前記気相の直径よりも小さくする、請求項3に記載の液体処理方法。
  6. 断面形状が円形である筒状の処理槽と、
    前記処理槽の一端側に配置されて形状が棒状の第1電極と、
    前記処理槽の他端側に配置される第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加する電源とを備えるとともに、
    前記処理槽は、前記処理槽の前記円形筒状の接線方向から被処理液体を前記処理槽内に導入することにより前記処理槽内で前記被処理液体を旋回させて前記被処理液体の旋回流中に気相を発生させる液体導入口を有する液体処理装置において、
    前記第1電極と前記第2電極との間の電気抵抗値を測定する電気抵抗値測定部と、
    前記電気抵抗値測定部で測定した前記電気抵抗値に基づいて放電を開始する制御部とを備える液体処理装置。
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