JP7203234B2 - 電磁場制御用部材 - Google Patents

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Description

本開示は、電子、重粒子等の荷電粒子を加速させるための加速器等に用いられる電磁場制御用部材に関する。
従来、電子、重粒子等の荷電粒子を加速させるための加速器に用いられる電磁場制御用部材は、高速性、高磁場出力性および高繰り返し性が求められている。これらの性能の向上に関して、高エネルギー加速器研究機構の満田史織らによって、セラミックチャンバー一体型パルスマグネット(Ceramics Chamber with integrated Pulsed-Magnet, 以下、CCiPMという。) が提案されている(非特許文献1)。
CCiPMは、セラミックスからなる円筒状の絶縁部材を備え、この絶縁部材の軸方向に沿って形成され絶縁部材の厚み方向を貫通する貫通孔に基板状の導通部材が埋設されてなるものである。そして、導通部材は絶縁部材の内部と外部とを分ける隔壁の一部として働き、絶縁部材の内部における気密性を確保するものである。
本出願人は、先に、絶縁部材の内部に位置する空間の気密性を長期間に亘って維持するために、筒状のセラミックスからなり、軸方向に沿った複数の貫通孔を有する絶縁部材と、金属からなり、絶縁部材の外周に開口する開口部を有するように、貫通孔を閉塞する導通部材と、導通部材に接続される給電端子と、を備え、給電端子は、貫通孔を形成する前記絶縁部材の内壁から離れており、軸方向に第1端と第2端とを有し、第1端および第2端の少なくとも一方は、給電端子の中央部分よりも内壁から離れている、電磁場制御用部材を提案している(特許文献1)。特許文献1には、絶縁部材の内周から外周に向かって、内壁間の幅が漸増していることが記載されている。
国際公開第2018/174298号
満田史織他12名、「KEK-PFリングビーム輸送路ダンプラインにおけるセラミックスチェンバー一体型 パルスマグネットビーム性能試験」
本開示の電磁場制御用部材は、筒状のセラミックスからなり、軸方向に沿って延びる複数の貫通孔を有する絶縁部材と;金属からなり、絶縁部材の外周に開口する開口部を有するように貫通孔を閉塞する導通部材と;該導通部材に接続される給電端子と;を備え、貫通孔の内壁面は、筒状の絶縁部材の内周から外周に向かって互いに対向する内壁間の幅が漸増する傾斜面と、絶縁部材の内周側に位置し互いに対向する内壁間の幅が一定である垂直面とを備える。
本開示の一実施形態に係る電磁場制御用部材を示す正面図である。 図1AにおけるA-A´線断面図である。 図1AにおけるB-B´線断面図である。 図1BにおけるC-C´線断面図である。 図2AのT部の拡大図である。 図1BにおけるQ部の拡大図である。 図2におけるS部の拡大図である。 図4におけるブレードおよびブレード連結部材を示す分解斜視図である。 図1に示すフランジの正面図である。
以下、本開示の一実施形態に係る電磁場制御用部材を、図面を参照して説明する。本例では、電磁場制御用部材の一実施形態として、CCiPM(セラミックチャンバー一体型パルスマグネット)の一例について説明している。
図1Aは、CCiPMである、本開示の一実施形態に係る電磁場制御用部材100を示している。図1に示す電磁場制御用部材100は、絶縁部材1と、この絶縁部材1の両端にそれぞれ取り付けられたフランジ2、2とを備える。
フランジ2、2は、絶縁部材1の内周に囲まれた空間14を真空にするための真空ポンプ(図示しない)に接続する部材である。図6に示すように、フランジ2は、環状基部2aと、環状基部2aの外周面から径方向に伸びる、複数の延出部2bと、を備える。延出部2bは、環状基部2aの外周面にアーク溶接法の1種であるTIG溶接によって接合され、図6に示す例では、円周方向に沿って等間隔に4個設けられている。延出部2bは、厚み方向に沿って雌ねじ部を有する挿入孔2cを有し、雄ねじ部を有するシャフト3が挿入孔2cに挿入され、延出部2bの厚み方向両側からナット(図示しない)で締結されることによって、絶縁部材1の両端にそれぞれ取り付けられたフランジ2、2は互いに連結されている。
環状基部2aは円周方向に沿って等間隔に真空ポンプ側のフランジ(図示しない)と接続するための取付孔2dを備えており、ボルト等の締結部材がこの取付孔2dに挿入されて、互いのフランジが締結される。
フランジ2、シャフト3およびナットは、オーステナイト系ステンレス鋼からなるとよい。オーステナイト系ステンレス鋼は非磁性であるため、電磁場制御用部材100に対して、フランジ2によって生じる磁気による影響を低減させることができる。特に、フランジ2は、SUS304LまたはSUS304Lからなるとよい。SUS304LやSUS304Lは、粒界腐食が発生しにくいステンレス鋼である。このため、環状基部2aの外周面に延出部2bをTIG溶接して、環状基部2aおよび延出部2bが高温になっても粒界腐食が発生しにくく、環状基部2aの気密性が損なわれにくくなる。環状基部2aの外周面に対する延出部2bのTIG溶接は、厚み方向に沿って、断続溶接、連続溶接のいずれであってもよい。
図1(a)に示す左側のフランジ2の内周面と、絶縁部材1の左側の端面とは、スリーブ21aによって結合されている。同様に、右側のフランジ2の内周面と、絶縁部材1の右側の端面とは、スリーブ21bによって結合されている。
スリーブ21a、21bは、フェルニコ系合金、Fe-Ni合金、Fe-Ni-Cr-Ti-Al合金、Fe-Cr-Al合金またはFe-Co-Cr合金からなり、絶縁部材1の中心軸を含む断面がL型形状を示す環状体である。
スリーブ21a、21bのフランジ2に対向する外周面は、ニッケルを主成分とする金属層(図示しない)を備えている。絶縁部材1の両端面は、モリブデンを主成分とし、マンガンを含むメタライズ層(図示しない)を備えている。
スリーブ21a、21bは、絶縁部材1のメタライズ層を備えた端面と、フランジ2の内周面とをそれぞれろう材によって接合することにより、絶縁部材1とフランジ2とを結合している。
図1AにおけるA-A´線断面図である図1BおよびB-B´線断面図である図1Cに示すように、絶縁部材1は、筒状のセラミックスからなる。絶縁部材1は、軸方向に沿って延びる複数の貫通孔4を有する。ここで、軸方向とは、筒状のセラミックスからなる絶縁部材1の中心軸に沿った方向のことである。
絶縁部材1は、両端部にそれぞれ第1の給電端子5および第2の給電端子6が複数設けられる。第1の給電端子5は給電用の端子であり、図1Bに示すように、それぞれライン8を介して外部機器に接続される。また、隣接する2つの第2の給電端子6同士はライン7で電気的に接続されている。
図1BのC-C´線断面図である図2Aおよび 図1BにおけるQ部を拡大した図3にそれぞれ示すように、貫通孔4には導通部材9が配置されている。導通部材9は銅、例えば、無酸素銅(例えば、JIS H 3100:2012に定める合金番号がC1020あるいはJIS H 3510:2012に定める合金番号がC1011等)等の金属からなり、貫通孔4と共に軸方向に延びている。導通部材9は、図3に示されるように、貫通孔4を閉塞して、絶縁部材1の外周に開口する開口部10を形成している。導通部材9が貫通孔4を閉塞していることにより、絶縁部材1の内周に囲まれた空間11の気密性が確保される。
ここで、導通部材9の軸方向の両端面は、平面視して、軸方向に向かって伸びる曲面状であるとよい。導通部材9の軸方向の両端面がこのような形状であると、加熱および冷却を繰り返しても導通部材9の軸方向の両端面付近に残留する熱応力を低減することができる。
導通部材9は、空間11内を移動する電子、重粒子等を加速あるいは偏向させるために励起される誘導電流を流すための導電域を確保するものである。導通部材9は、絶縁部材1の内周側が平面状であってもよいが、図3に示すように、絶縁部材1の内周に沿って湾曲していることが好適である。
第1の給電端子5および第2の給電端子6は、軸方向に沿って配置された導通部材9の両端付近において導通部材9に外部機器から電力を供給するために、それぞれ絶縁部材1の貫通孔4内の導通部材9に接続されている。
また、図2、図3に示すように、貫通孔4を挟んで互いに対向する絶縁部材1の内壁にはメタライズ層12が形成されている。メタライズ層12は、軸方向に沿って貫通孔4を形成する一方の端面から他方の端面にかけて形成されている。
メタライズ層12は、例えば、モリブデンを主成分とし、マンガンを含むものが挙げられる。また、メタライズ層12の表面には、ニッケルを主成分とする金属層を備えていてもよい。なお、メタライズ層12に代えて、メッキ層を形成してもよい。
メタライズ層12の厚みは、例えば、15μm以上45μm以下である。金属層の厚みは、例えば、0.1μm以上2μm以下である。
導通部材9は、メタライズ層12や金属層を介して、銀ろう(例えば、BAg-8、BAg-8A、BAg-8B)等のろう材によって絶縁部材1に接合される。
メタライズ層12が形成された貫通孔4の内壁面は、図3に示すように、絶縁部材1の内周から外周に向かって、互いに対向する内壁間の幅(間隔)が漸増する傾斜面13Aと、絶縁部材1の内周側に位置し、互いに対向する内壁間の幅が一定である垂直面13Bとを備える。傾斜面13Aと垂直面13Bは、貫通孔4の全長にわたって設けられるのがよい。
このように、貫通孔4の内壁面が傾斜面13Aを有するので、加熱および冷却を繰り返しても絶縁部材1に残留する応力が上昇し過ぎることなく、長期間に亘って絶縁部材11におけるクラックを抑制することができる。そして、傾斜面13Aにおける、対向する内壁のなす角度θ(図3を参照)は、12°以上20°以下であってもよい。角度θがこの範囲であるときには、絶縁部材1の機械的強度を維持することができるとともに、絶縁部材1へのクラックをさらに抑制することができる。なお、対向する内壁のなす角度θの測定にあたっては、軸方向に直交する断面において測定すればよい。
一方、絶縁部材1の内周側に垂直面13Bが形成されているので、傾斜面13Aの角度のばらつきによって導通部材9の側面と内壁面上に形成したメタライズ層12との間で隙間が生じるのを防止することができ、導通部材9と絶縁部材1間の気密性が高くなり、電磁場制御用部材100全体の気密性が向上する。
電磁場制御用部材100の気密度は、ヘリウムリークディテクターによる測定で、例えば、1.3×10-11Pa・m/s以下である。
貫通孔4を形成する両端面の少なくともいずれかは、図4に示す断面視で、軸方向の両端に向かって広がる第2傾斜面22Bと、中心軸に直交する第2垂直面22Aとを備えていてもよい。第2垂直面22Bに対する第2傾斜面22Aの角度θは、例えば、4°以上12°以下である。
図3に示すように、互いに対向する傾斜面13A間の容積は、互いに対向する垂直面13B間の容積よりも大きいとよい。傾斜面13A間の容積が大きいと、電磁場制御用部材100は気密性を維持しつつ、開口部10全体の容積が大きくなるため、加熱および冷却を繰り返しても、絶縁部材1に残留する熱応力をさらに低減することができる。
なお、傾斜面13A間の容積および垂直面13B間の容積は、いずれも、後述する第1の給電端子5および第2の給電端子6を構成するブレード14,15およびブレード連結部材16の各体積ならびにブレード連結部材16の中央部の穴16aに挿入されるねじの下側の空間部の容積を含めないものとする。
傾斜面13Aと垂直面13Bとは連続しているのがよい。傾斜面13Aと垂直面13Bとが連続しているとは、外観上、傾斜面13Aの垂直面13B側辺縁部と垂直面13Bの傾斜面13A側辺縁部が接している状態をいい、両者の境界線上に気孔や微小の欠けが存在していてもよい。
傾斜面13Aと垂直面13Bとが連続していると、形成されるメタライズ層12は、不連続部が生じにくくなり、これらの面から脱離し、不連続部を介して浮遊する粒子の発生のおそれを低減することができる。
第1の給電端子5は、図3に示すように、絶縁部材1の径方向に沿って開口部10内に挿入され、底部が導通部材9に接触している。言い換えると、第1の給電端子5は、導通部材9上に立設されている。第1の給電端子5は、後端部にライン8が接続され、いずれも銅(例えば、無酸素銅(例えば、JIS H 3100:2012に定める合金番号がC1020あるいはJIS H 3510:2012に定める合金番号がC1011等)等からなる。る。
図3および図4(図2AのS部拡大図)に示すように、第1の給電端子5は、2枚のブレード14,15と、ブレード連結部材16とを具備している。具体的には、図5に示すように、上面視がH形のブレード連結部材16の両側の間隙19、19内に2枚のブレード14、15の一部がそれぞれ挿入され、互いのねじ挿通孔17,18を連通させ、図示しないボルトで連結される。
第1の給電端子5は、ライン8の先端が、ブレード連結部材16の中央部の穴16aにネジ止めされることによって、第1の給電端子5とライン8とが電気的に接続されている。一方、図3および図4に示すように、導通部材9の貫通孔4側の表面には、溝20が絶縁部材1の軸方向に沿って所定範囲に形成されている。この溝20にブレード14、15の下端部が嵌入されて、第1の給電端子5を導通部材9上に立設している。
図1、図2に示す第2の給電端子6は、第1の給電端子5と同様であるので、同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
軸方向の左右に位置する各溝20の両端面は、平面視して、軸方向に向かって伸びる曲面状であるとよい。溝20の両端面がこのような形状であると、加熱および冷却を繰り返しても溝20の両端面近傍に残留する導通部材9の熱応力を低減することができる。
絶縁部材1の両端部の外周側は、貫通孔4の軸方向の延長線上に平面1aを備えていてもよい。
この平面1aは、例えば、Dカット面であり、Dカット面とは、貫通孔4の軸方向の延長線上で外周面を削除した面である。
この平面1aを備えると、導通部材9に対する第1の給電端子5および第2の給電端子6の装着作業で絶縁部材1が転がらずに固定することができるので、装着が容易になる。
前記した絶縁部材1は、電気絶縁性および非磁性を有し、例えば、酸化アルミニウムを主成分とするセラミックス、酸化ジルコニウムを主成分とするセラミックス等からなり、特に酸化アルミニウムを主成分とするセラミックスからなるのが好ましい。酸化アルミニウムの結晶の平均粒径は、5μm以上20μm以下であるのが好ましい。
酸化アルミニウムの結晶の平均粒径が上記範囲内であれば、平均粒径が5μm未満である場合に比べて、単位面積当たりの粒界相の面積が減るため、熱伝導性が向上する。一方、平均粒径が20μmを超える場合に比べて、単位面積当たりの粒界相の面積が増えるため、粒界相におけるメタライズ層12のアンカー効果により、メタライズ層12の密着性が高くなるので、信頼性が向上するとともに、機械的特性が高くなる。
酸化アルミニウムの結晶の粒径を測定するには、まず、絶縁部材1の表面から深さ方向に、平均粒径D50が3μmのダイヤモンド砥粒を用いて銅盤にて第1の研磨をする。その後、平均粒径D50が0.5μmのダイヤモンド砥粒を用いて錫盤にて第2の研磨をする。研磨の深さは、第1の研磨および第2の研磨合わせて、例えば、0.6mmである。これらの研磨によって得られる研磨面を、結晶粒子と粒界層とが識別可能になるまで1480℃で熱処理に供し、観察面を得る。熱処理は、例えば30分程度行う。
熱処理された面を光学顕微鏡で観察し、例えば400倍の倍率で撮影する。撮影された画像のうち、面積が4.8747×10μmの範囲を計測範囲とする。この計測範囲を、画像解析ソフト(例えば、三谷商事(株)製、Win ROOF)を用いて解析することによって、個々の結晶の粒径を得ることができ、結晶の平均粒径は、個々の結晶の粒径の相加平均である。
このとき、酸化アルミニウム結晶の粒径の尖度は0以上であるのがよい。これにより、結晶の粒径のばらつきが抑制されるので、局部的に機械的強度が低下するおそれが低減される。特に、酸化アルミニウム結晶の粒径の尖度は0.1以上であるとよい。
尖度とは、一般に、分布が正規分布からどれだけ逸脱しているかを表す統計量で、山の尖り度と裾の広がり度を示している。尖度が0未満のときは尖りが緩やかで裾が短い。0より大きいときは尖りが急で裾が長いことを意味する。正規分布では、尖度は0となる。尖度は、結晶の粒径を用いて、Excel(登録商標、Microsoft Corporation)に備えられている関数Kurtにより求めることができる。 尖度を0以上とするには、例えば、原料となる酸化アルミニウム粉末の粒径の尖度が0以上となるようにすればよい。
ここで、酸化アルミニウムを主成分とするセラミックスとは、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、AlをAlに換算した酸化アルミニウムの含有量が90質量%以上であるセラミックスのことである。主成分以外の成分として、例えば、酸化珪素、酸化カルシウムおよび酸化マグネシウムのうち少なくとも1つを含むものであってもよい。 酸化ジルコニウムを主成分とするセラミックスとは、セラミックスを構成する全成分100質量%のうち、ZrをZrOに換算した酸化ジルコニウムの含有量が90質量%以上であるセラミックスのことである。主成分以外の成分として、例えば、酸化イットリウムを含むものであってもよい。
ここで、セラミックスを構成する成分は、CuKα線を用いたX線回折装置による測定結果から同定することができ、各成分の含有量は、例えばICP(Inductively Coupled Plasma)発光分光分析装置または蛍光X線分析装置により求めることができる。
絶縁部材1の大きさとしては、例えば、外径が35mm以上45mm以下、内径が25mm以上35mm以下、軸方向の長さが340mm以上420mm以下に設定される。
主成分が酸化アルミニウムであるセラミックスからなる絶縁部材1を得る場合、まず、主成分である酸化アルミニウム粉末と、水酸化マグネシウム、酸化珪素および炭酸カルシウムの各粉末と、必要に応じてアルミナ粉末を分散させる分散剤と、ボールミル、ビーズミルまたは振動ミルで粉砕、混合してスラリーとし、このスラリーにバインダーを添加、混合した後、噴霧乾燥してアルミナを主成分とする顆粒する。
酸化アルミニウムの結晶の粒径の尖度を0以上とするには、粉末の粒径の尖度が0以上になるように、粉砕、混合する時間を調整する。
ここで、酸化アルミニウム粉末の平均粒径(D50)は1.6μm以上2.0μm以下であり、上記粉末の合計100質量%における水酸化マグネシウム粉末の含有量は0.43~0.53質量%、酸化珪素粉末の含有量は0.039~0.041質量%、炭酸カルシウム粉末の含有量は0.020~0.022質量%である。
次に、上述した方法によって得た顆粒を成形型に充填して、静水圧プレス成形法(ラバープレス法)等を用いて、例えば、成形圧を98MPa以上147MPa以上として、成形体を得る。
成形後に、絶縁部材1の軸方向に沿った複数の貫通孔4となる長尺状の下穴と、絶縁部材1の軸方向に沿って両側の端面を開口する下穴とを切削加工によって形成して、いずれも円筒状の成形体とする。
切削加工によって形成された成形体は必要に応じて、窒素雰囲気中、10時間~40時間で昇温し、450℃~650℃で2時間~10時間保持した後、自然冷却することによってバインダーが消失して脱脂体となる。
そして、成形体(脱脂体)を大気雰囲気中で、例えば、焼成温度を1500℃以上1800℃以下とし、この焼成温度で4時間以上6時間以下保持することによって、酸化アルミニウムを主成分とし、酸化アルミニウムの結晶の平均粒径が、5μm以上20μm以下であるセラミックスからなる絶縁部材を得ることができる。
以上、本開示の電磁場制御用部材の一実施形態を説明したが、本開示は当該実施形態のみに限定されるものではなく、種々の変更や改良が可能であり、例えば必要に応じて、メタライズ層を使用せずに、直接ろう付けしてもよい。
1 絶縁部材
2 フランジ
3 シャフト
4 貫通孔
5 第1の給電端子
6 第2の給電端子
7、8 ライン
9 導通部材
10 開口部
11 空間
12 メタライズ層
13A 傾斜面
13B 垂直面
14、15 ブレード
16 ブレード連結部材
17,18 ねじ挿通孔
19 間隙
20 溝
21a、21b スリーブ
22A 第2傾斜面
22B 第2垂直面100 電磁場制御用部材

Claims (9)

  1. 筒状のセラミックスからなり、軸方向に沿って延びる複数の貫通孔を有する絶縁部材と、
    金属からなり、前記絶縁部材の外周に開口する開口部を有するように、前記貫通孔を閉塞する導通部材と、
    該導通部材に接続される給電端子と、を備えてなる電磁場制御用部材であって、
    前記貫通孔の内壁面は、筒状の前記絶縁部材の内周から前記外周に向かって、互いに対向する前記内壁間の幅が漸増する傾斜面と、前記絶縁部材の内周側に位置し、互いに対向する前記内壁間の幅が一定である垂直面とを備える、電磁場制御用部材。
  2. 互いに対向する前記傾斜面間の容積は、互いに対向する前記垂直面間の容積よりも大きい、請求項1に記載の電磁場制御用部材。
  3. 前記傾斜面と前記垂直面とは連続している、請求項1または2に記載の電磁場制御用部材。
  4. 前記導通部材は、前記貫通孔内の前記垂直面が位置する部位に配置され、前記貫通孔を閉塞する、請求項1乃至3のいずれかに記載の電磁場制御用部材。
  5. 貫通孔の内壁面にメタライズ層またはメッキ層が形成されており、このメタライズ層またはメッキ層と前記導通部材の側面とが気密状態に固定されている、請求項1乃至4のいずれかに記載の電磁場制御用部材。
  6. 前記導通部材は、厚み方向に前記給電端子を装着する溝を備え、該溝の両端面は平面視して、軸方向に向かって伸びる曲面状である、請求項1乃至5のいずれかに記載の電磁場制御用部材。
  7. 前記絶縁部材の両端部の外周側は、前記貫通孔の軸方向の延長線上に平面を備える、請求項1乃至6のいずれかに記載の電磁場制御用部材。
  8. 前記絶縁部材は、酸化アルミニウムを主成分とするセラミックスからなり、酸化アルミニウムの結晶の平均粒径は、5μm以上20μm以下である、請求項1乃至7のいずれかに記載の電磁場制御用部材。
  9. 前記酸化アルミニウムの結晶の粒径の尖度は、0以上である、請求項8に記載の電磁場
    制御用部材。

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