JPH06124793A - 真空チェンバー - Google Patents

真空チェンバー

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JPH06124793A
JPH06124793A JP29917192A JP29917192A JPH06124793A JP H06124793 A JPH06124793 A JP H06124793A JP 29917192 A JP29917192 A JP 29917192A JP 29917192 A JP29917192 A JP 29917192A JP H06124793 A JPH06124793 A JP H06124793A
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JP
Japan
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vacuum chamber
electrode
metal coating
chamber
metal
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Application number
JP29917192A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Nakanishi
哲也 中西
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多くの場所にイオン除去電極を設置可能に
し、かつパルス電磁石の渦電流に対する抵抗を大きくす
る。 【構成】 金属コーティング3,4を、一部を残して周
方向に複数に分割したイオン除去用の電極とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、荷電粒子を高エネル
ギーに加速するシンクロトロンあるいは荷電粒子を蓄積
する蓄積リングなどで利用される真空チェンバーに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図13および図14は例えば昭和57年
12月 分子科学研究所 発行”UVSORストレージ
リングの設計”に示された従来のパルス電磁石用セラミ
ックス真空チェンバーを示す断面図であり、1は絶縁物
チェンバーとしてのセラミックス筒2の両端に設けたフ
ランジ、4はセラミックス筒2内面に形成された金属コ
ーティングである。また、図15は昭和56年3月 分
子科学研究所 発行”入射用のシンクロトロンの設計”
に示された偏向電磁石用真空チェンバーの断面図であ
り、これが両端にフランジ1を有する波状のベローズ8
からなる
【0003】さらに、図16は1987年のアイイーイ
ーイー パーティクル アクセレレータ コンファレン
ス(IEEE PARTICLE ACCELERAT
ORCONFERENCE),ボリューム3の3に発表
された従来のイオン除去電極の断面図であり、9は除去
電極、10はコネクタ、11は真空チェンバーである。
【0004】次に動作について説明する。荷電粒子を加
速するシンクロトロンあるいは荷電粒子を蓄積する蓄積
リングにおいては、ビームは金属でできたドーナツ状の
真空チェンバー内を周回する。
【0005】また、ビームを偏向し円運動させるため
に、2極磁場を発生させる偏向電磁石が使われ、ビーム
を集束させるために4極電磁石が使われる。そして、こ
れらは真空チェンバーの外側に設置される。磁場強度は
ビームエネルギーに関係するが、ビームを加速するシン
クロトロンでは、ビームエネルギーの変化に応じて磁場
強度も時間的に変えられる。
【0006】また、ビームを入射あるいは出射するため
にパルス電磁石が使用される。超高真空が要求されない
ようなシンクロトロンにおいては、パルス電磁石は真空
チェンバー内に設置される。しかし、蓄積リングでは超
高真空が要求されるため、アウトガスの大きいパルス電
磁石は真空外に設置される。つまり、真空チェンバーの
外側から磁場を発生させる。また、超高真空が要求され
る場合のシンクロトロンでも同様である。
【0007】パルス電磁石においては、磁場強度の時間
的変化が大きい。そのため、通常の金属性真空チェンバ
ーを使うと大きな渦電流が流れ、磁場波形(時間的な変
化)が乱れる。渦電流の強度は真空チェンバーの導電率
が大きいため、パルス電磁石の真空チェンバーとして
は、一般に図13に示すようにセラミックスが使われ
る。
【0008】一方、真空チェンバー内を荷重粒子が通過
すると、真空チェンバー内壁には電荷が誘起され、等価
的には荷重粒子と同じ電流が真空チェンバー内壁を反対
方向に流れることになる。この電流に対して、真空チェ
ンバーの抵抗が大きいと、強い電界が発生するため、荷
重粒子に対して悪影響を与える。
【0009】このため、特に蓄積リングでは、リング一
周に渡ってビームから見て金属面が滑らかに続くように
製作される。そして、その金属面はアースに短絡され
る。但し、電気的ノイズの低周波成分あるいは直流分に
対してはループを形成しないように、どこか1,2箇所
で切り離され、各々がアースに落される。
【0010】また、セラミックス筒2の内周面は、図1
3,図14に示すように金属コーティング4で一面コー
ティングされ、その厚みは、厚くすると渦電流に対する
抵抗が小さくなるため数ミクロンあるいは数十ミクロン
と非常に薄い。
【0011】従って、加工も難しいが、これでも高速パ
ルス電磁石に対しては渦電流が磁場に影響を与える。ま
た、コーティング面はフランジ1と導通するように製作
され、他の真空チェンバーと電気的に接続される。
【0012】上記偏向電磁石や4極電磁石の真空チェン
バーは、それらが交流運転される場合は上記渦電流が問
題となる。しかし、パルス電磁石ほどは磁場の時間的変
化が大きくないため、金属面の厚みを数μmという厚さ
にする必要はなく、一般には図15に示すようなベロー
ズ8を持ったベローズチェンバーが使われる。
【0013】これは0.2mm程度の厚みの金属ででき
たチェンバーである。この厚みで通常の平坦な真空チェ
ンバーを作ると、強度的に弱いため、ベローズ型として
ある。また、ベローズ型とすることにより、ビーム起動
に沿った単位長当りの抵抗が大きくなるため、渦電流対
策を兼ねられる。しかし、ベローズチェンバーも製造コ
ストが高いため、パルス電磁石用真空チェンバーのよう
にセラミックスで作ることも検討されている。
【0014】次にイオン除去電極について説明する。蓄
積リングあるいはシンクロトロン中を例えば電子ビーム
が周回すると、電子が残留ガスと衝突し、残留ガスは正
の電荷を持つイオンとなる。そのイオンはクーロン力で
電子ビームに引き寄せられ、電子ビームの周辺に集まる
ことになる。
【0015】このイオンは周回ビームに様々な悪影響を
与えるために、それを取り除く対策が一般に施される。
図16はその一例である。これによれば、真空チェンバ
ー11に除去電極9が取り付けられ、その電極に電圧を
かけてイオンを除去することができ、この除去電極9は
リング全体に取り付けられる。
【0016】しかし、偏向電磁石では、イオン除去電極
を取り付けると上下方向のギャップを広げなければなら
ないため、そのコスト増を考慮して一般には用いられて
いない。横方向に付けると、磁場の影響でイオンを取り
除くことができない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来の真空チェンバー
は以上のように構成されているので、イオン除去電極に
ついて設置場所が限られ、さらにリング周長の多くを占
める偏向電磁石中には設置できないばかりか、高速のパ
ルス電磁石に対しては、渦電流に対する抵抗を小さくで
きないなどの問題点があった。
【0018】請求項1の発明は上記のような問題点を解
消するためになされたもので、より多くの場所にイオン
除去電極を取り付けられ、また、パルス電磁石の渦電流
に対する抵抗を大きくすることができる真空チェンバー
を得ることを目的とする。
【0019】請求項2の発明は渦電流に対する抵抗を十
分に大きくすることができる真空チェンバーを得ること
を目的とする。
【0020】請求項3の発明はビーム軸付近で任意かつ
効率的に電界を発生させることができる真空チェンバー
を得ることを目的とする。
【0021】請求項4の発明は周回ビームにより生じる
壁電流が電源側に流れるのを防止できる真空チェンバー
を得ることを目的とする。
【0022】請求項5の発明は金属コーティング作業を
容易化できる真空チェンバーを得ることを目的とする。
【0023】請求項6の発明は金属コーティングや金属
板が外部部材と接触するのを防止できる真空チェンバー
を得ることを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る真
空チェンバーは、金属コーティングを、一部を残して周
方向に複数に分割したイオン除去用の電極としたもので
ある。
【0025】請求項2の発明に係る真空チェンバーは、
金属コーティングを、一部を残して周方向に櫛状または
格子状に複数に分割したイオン除去用の電極としたもの
である。
【0026】請求項3の発明に係る真空チェンバーは、
金属コーティングを、周方向に複数に分離したイオン除
去用の電極を設けて、これらの電極に独立した電源から
電圧を各別に印加するようにしたものである。
【0027】請求項4の発明に係る真空チェンバーは、
金属コーティングを、一部残して周方向に複数に分割し
または周方向に複数に分離したイオン除去用の電極を設
け、電源からこれらの電極にコイルを介して電圧を印加
するようにしたものである。
【0028】請求項5の発明に係る真空チェンバーは、
絶縁物チェンバーの外側に金属板または金属コーティン
グを設け、上記金属板または金属コーティングを、一部
を残して周方向に複数に分割しまたは周方向に複数に分
離してイオン除去用の電極としたものである。
【0029】請求項6の発明に係る真空チェンバーは、
絶縁物チェンバーの壁内部に金属板または金属コーティ
ングを設け、上記金属板または金属コーティングを、一
部を残して周方向に複数に分割しまたは周方向に複数に
分離してイオン除去用の電極としたものである。
【0030】
【作用】請求項1の発明における真空チェンバーは、金
属コーティングの分割によりイオン除去用の電極を多数
形成し、パルス電磁石の渦電流の流れを分断することに
より、渦電流に対する抵抗を大きくできるようにする。
【0031】請求項2の発明における真空チェンバー
は、金属コーティングを櫛状または格子状に複数に分割
することで、渦電流に対する抵抗をさらに大きくできる
ようにする。
【0032】請求項3の発明における真空チェンバー
は、分散した各電極に、独自レベルの電圧を印加するこ
とで、ビームが存在する付近の電界の強さを任意に選択
できるようにする。
【0033】請求項4の発明における真空チェンバー
は、コイルのインピーダンス特性によって各電極から直
流電源への高周波壁電流の流入を防止し、直流電源の破
壊を未然に防止する。
【0034】請求項5における真空チェンバーは、絶縁
物チェンバーの外側に金属板や金属コーティングを設け
ることで、これらの取り付けやコーティングを容易化
し、さらに保守,管理の作業を容易化する。
【0035】請求項6における真空チェンバーは、絶縁
物チェンバーの内部に金属板や金属コーティングを設け
ることで、これらの外部部材との電気的,機械的干渉を
確実に防止する。
【0036】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1および図2はパルス電磁石または4極電磁石
に用いられるイオン除去電極付の真空チェンバーを示
し、図3および図4は偏向電磁石に用いられるイオン除
去電極付の真空チェンバーを示し、また、図5および図
6はパルス電磁石に用いられるイオン除去電極付の真空
チェンバーの他の実施例を示す。
【0037】図1において、1は絶縁物チェンバーとし
てのセラミックス筒2の両端に設けられたフランジ、3
は金属コーティング面である電極面、4はフランジ1と
電気的に短絡している金属コーティング面であるアース
面、5は電極端子であり、図16に示した従来例のコネ
クタ10に相当するものである。フランジ1の材質は、
一般にSUSまたはアルミである。
【0038】次に動作について説明する。シンクロトロ
ンあるいは蓄積リングでは、ビームを入射あるいは出射
するためにパルス電磁石を使用する。蓄積リングでは超
高真空が要求されるために、パルス電磁石は真空チェン
バーを囲むように外側に設置される。
【0039】また、パルス電磁石は磁場の時間的変化が
大きいため、それによる渦電流を小さくするために真空
チェンバーはセラミックス筒2のような絶縁体で作られ
る。
【0040】一方、ビームにより生じる壁電流をスムー
スに流すために、セラミックス筒2の内面は金属でコー
ティングされる。金属の種類は銅のように導電率のよい
ものであれば何でもよい。
【0041】図1に示す真空チェンバーでは、電極面3
およびアース面4としての金属コーティング面を厚く描
いているが、実際は数μmの厚みであり、フランジ1の
開口面とほぼ面一である。また、コーティングを図1に
示すようにチェンバーの周方向に4分割するように行
う。
【0042】そして、左右コーティング面であるアース
面4はフランジ1と導通するようにし、上下のコーティ
ング面である電極面3はフランジ1とは絶縁するように
コーティングする。ここで、一般にフランジ1は電気的
にはアースに落ちている。これにより、例えば3は電極
として使え、電極面3まで延びた電極端子5に高電極を
かけ、例えば、上側にプラスの電圧をかけるならば下側
にはマイナスの電圧をかける。
【0043】この電圧によりできるチェンバー中心付近
の電位が、ビームの電位よりも高ければ、ビームにより
イオン化された残留ガスはビーム周辺に留まることなく
電極に引き寄せられる。従って、ビームイオンの影響を
受けることなく安定に周回できることになる。4分割さ
れたことによる金属面の不連続性は、全面積からすれば
僅かであり、さらに壁電流の流れる方向には不連続面は
両端部だけであるため、問題ない。
【0044】図1〜図4に示したセラミックスチェンバ
ーは、セラミックス筒2とフランジ1が直接接続された
構造となっているが、実際にはそれらの間には接続を容
易にするコバールのような金属が介在する。従って、そ
の場合は電極面3はコバールから切り離される。
【0045】実施例2.次に、図3および図4に示す実
施例について説明する。シンクロトロンではビームを加
速するために、偏向電磁石の磁場強度が時間的に変化す
る。そのため、上記実施例と同様に、渦電流を小さくす
るために、絶縁体チェンバーによるセラミックス筒2の
内面に金属コーティングをしたチェンバーを使い、一般
にはベローズチェンバーを使う。
【0046】偏向電磁石はシンクロトロンの主要機器で
あり、コスト的に全体に占める割合は大きい。偏向電磁
石のコストは磁場が発生するギャップに大きく依存する
ため、一般にはできるだけギャップ長を短くするように
設計する。そのため、通常ギャップ長は真空チェンバー
よりも僅かに大きい程度に設計される。
【0047】従って、従来例の図16に示したようなイ
オン除去電極9を偏向電磁石の真空チェンバーに取り付
けようとすると、ギャップ長を大きく広げねばならず、
コスト増となるため、これまでは偏向電磁石でのイオン
除去はなされていなかった。
【0048】そこで、絶縁体チェンバーとした場合、コ
ーティング面を上記実施例と同じように分割し電極を形
作ることにより、偏向電磁石のギャップ長を広げずして
イオン除去電極付の真空チェンバーとすることができ
る。
【0049】なお、電極端子5の位置はどこでもよい
が、電磁石ギャップの外側にした方が磁極設計に影響を
与えないためよい。また、4極電磁石の真空チェンバー
についても渦電流の問題が同様にあるが、この場合は直
線のチェンバーであるため、図1および図2に示したチ
ェンバーが好適である。
【0050】実施例3.なお、上記実施例では上側と下
側の電極端子5を直接電源に接続する方式としたが、上
側または下側どちらか一方の電極端子5をアースに接続
し、残りの電極端子にマイナスの電圧をかけ、電源側の
プラス側をアースに接続する方式でも同様の効果が得ら
れる。
【0051】実施例4.上記実施例では左右のコーティ
ング面であるアース面4はフランジ1と導通するように
コーティングするとしたが、フランジ1とは離して上下
のコーティング面である電極面3と同様に電極端子を設
け、アースに短絡する構造でも同様の効果が得られる。
フランジ1は一般にアースに短絡されているため、アー
ス面をフランジ1に短絡させただけである。
【0052】実施例5.なお、上記実施例では左右のコ
ーティング面をアース面4とし、上下を電極面3とした
が、これらを逆にしても同様の効果が得られる。但し、
この逆の場合には、より高い電圧が必要となり、偏向電
磁石では効果がない。磁場の向きと垂直方向にはイオン
を除去できないためである。
【0053】パルス電磁石でも磁場が発生している間は
同様にイオンを除去できないが、一般に磁場が発生して
いる時間は、その繰り返し時間に対して非常に短いため
効果がある。
【0054】実施例6.また、コーティング面の分割方
法は上記実施例に限定されず、図5に示すように上側だ
けを電極面3とし、左右下側面はフランジ1に短絡する
アース面4としても同様の効果が得られ、また、フラン
ジ1とは切り離して電極端子5を設け、電源出力を直接
上側電極端子5と下側電極端子5にかけるようにして
も、上記実施例と同様の効果が得られる。また、その逆
でも同様の効果が得られる。
【0055】実施例7.また、図6に示すように、上下
2つに分割する方法でも同様の効果がえられる。この場
合も、どちらか一方をフランジ1に短絡する構造でもよ
い。分割方法を上下ではなく左右にする方法でもよい
が、一般にチェンバーは左右が広いため、左右に分割し
た場合、電圧をより高くしなければならない。
【0056】実施例8.次に、図5に示す実施例につい
て説明する。図7は渦電流に対する抵抗を大きくするた
めの櫛状電極面の平面図である。なお、金属コーティン
グを薄くする目的は渦電流対策であるが、高速パルス電
磁石では数μmという薄さでも問題になる。渦電流は磁
束を取り巻くように流れる。つまり、真空チェンバーを
上から見た場合、渦を巻いているように流れる。従っ
て、金属コーティング面をさらに分割すると渦電流に対
する抵抗を大きくできる。
【0057】図7はビーム進行方向に対して直角方向に
櫛状に4分割しているが、分割数は限定されない。多く
分割すれば渦電流に対する抵抗はより大きくなるが、壁
電流に対する抵抗も大きくなる欠点がある。
【0058】ここで、図7では完全に4分割せずに櫛状
にしているのは、電圧を与える場合、電極が1個でよい
ためである。従って、完全に分割し、各々の電極面に電
極を取り付け、同じ電圧をかけても同様の効果が得られ
る。
【0059】実施例9.また、上記実施例では電極を櫛
状したが、図8に示すように格子状にしてもよく、上記
実施例と同様の効果が得られる。
【0060】実施例10.次に図9に示す実施例につい
て説明する。図9は分割型電極面の平面図である。図に
おいて、6は電圧を発生する電源である。電極の大きさ
が対向する電極間距離に比べて十分に大きい場合は、電
極間には一様な電界が発生し、電圧を電極間距離で割っ
た大きさになる。しかし、十分に大きくない場合は、ビ
ームが存在する付近の電界は小さくなる。
【0061】このため、電極面3を図9に示すように完
全分離し、各々の電極に電源6を設け、ビームが存在す
る付近に強い電界が発生するように各々異った電圧をか
ける。同図では電源6のプラス側はアースに落ちている
ため、この場合は対向する電極面は分割せずにアース面
としてよい。また、対向する電極面も同様に分割し、電
源6のプラス側を接続するとより効果が大きい。
【0062】実施例11.なお、上記実施例では各々の
電極面3に電源6を接続したものを示したが、電源6は
一台にし、抵抗により分圧する方式でも、上記実施例と
同様の効果が得られる。
【0063】実施例12.次に図10に示す実施例につ
いて説明する。壁電流はビームによるものであるため、
ビームと同様高周波である。ビームは加速するため高周
波空洞によりバンチされており、通常数十MHz の周波
数成分となっている。壁電流も同じ周波数成分を持つ。
従って、その壁電流が流れるイオン除去用の電極面3に
電源6を接続すると、壁電流の一部が電源に流れ込み、
電源を壊す恐れがある。
【0064】その対策として、電極端子5と電源6の間
にコイル7を設ける。コイルのインピーダンスは周波数
に比例するため、小さなコイルでも高周波の壁電流に対
しては大きな抵抗となり、電源6への流入を防ぐ効果が
ある。
【0065】実施例13.なお、図10に示す実施例で
は、コイル電極端子5に直接接続しているが、設置場所
は限定されず、電源6内に設置してもよい。
【0066】実施例14.次に図11に示す実施例につ
いて説明する。図11は金属コーティング面である電極
面3およびアース面4を絶縁物であるセラミックス筒2
の外側に設けた真空チェンバーの断面図である。これま
での実施例では、真空チェンバーの内側に金属コーティ
ングしたものを電極として使った。しかし、図11に示
すように絶縁物チェンバーの外側に金属コーティングし
ても上記同様の効果が得られるほか、上記金属コーティ
ングの作業の容易化を図ることができる。
【0067】実施例15.なお、上記実施例では電極面
3およびアース面4を金属コーティングとしたが、金属
板でもよく、上記実施例と同様の効果を奏する。
【0068】実施例16.また、図11の上記実施例で
は金属コーティングあるいは金属板を絶縁物であるセラ
ミックス筒2の外側に設けたが、図12に示すように、
セラミックス筒2の壁2Pの中に埋め込んだり、挟み込
むようにしてもよく、上記実施例と同様の効果が得られ
る。これにより、電極面3やアース面4が外部と接触す
る問題はなくなる。金属コーティングあるいは金属板の
形状は、これまで述べてきたものが全て適用できる。
【0069】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、金属コーティングを、一部を残して周方向に複数に
分割したイオン除去用の電極とするように構成したの
で、絶縁チェンバーをイオン除去電極として使用でき、
従来イオン除去電極を設置できなかったような場所、例
えば偏向磁石中でも設置できるようになり、低コストで
より多くのイオンが除去できるほか、高速パルス電磁石
による渦電流を少なくできるものが得られる効果があ
る。
【0070】請求項2の発明によれば、金属コーティン
グを、一部を残して周方向に複数に分割したイオン除去
用の電極とするように構成したので、高速パルス電磁石
による渦電流をさらに十分に少なくできるものが得られ
る効果がある。
【0071】請求項3の発明によれば、金属コーティン
グを、周方向に複数に分離したイオン除去用の電極を設
けて、これらの電極に独立の電極から電圧を各別に印加
するように構成したので、ビーム軸付近で任意かつ効率
的に電界を発生させられるものが得られる効果がある。
【0072】請求項4の発明によれば、金属コーティン
グを、一部残して周方向に複数に分割しまたは周方向に
複数に分離したイオン除去用の電極を設け、電源からこ
れらの電極にコイルを介して電圧を印加するように構成
したので、壁電流が電源側に流れ込むのを防止でき、こ
れにより、電源が破壊するのを未然に防止できるものが
得られる効果がある。
【0073】請求項5の発明によれば、絶縁物チェンバ
ーの外側に金属板または金属コーティングを設け、上記
金属または金属コーティングを、一部を残して周方向に
複数に分割しまたは周方向に複数に分離してイオン除去
用の電極とするように構成したので、金属コーティング
作業や金属板の設置作業が容易になるとともに、これら
の各部材の点検,修理を容易に行えるものが得られる効
果がある。
【0074】請求項6の発明によれば、絶縁物チェンバ
ーの内部に金属板または金属コーティングを設け、上記
金属または金属コーティングを、一部を残して周方向に
複数に分割しまたは周方向に複数に分離してイオン除去
用の電極とするように構成したので、金属コーティング
や金属板が外部部材と接触するのを防止できるものが得
られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の一実施例による真空チェンバ
ーを示す縦断正面図である。
【図2】図1における真空チェンバーを示す縦断側面図
である。
【図3】請求項1の発明の他の実施例による真空チェン
バーを示す正面図である。
【図4】図2における真空チェンバーを示す縦断側面図
である。
【図5】図1における電極の設置構造の一実施例を示す
縦断正面図である。
【図6】図1における電極の設置構造の他の実施例を示
す縦断正面図である。
【図7】請求項2の発明の一実施例による金属コーティ
ングを示す平面図である。
【図8】請求項2の発明の他の実施例による金属コーテ
ィングを示す平面図である。
【図9】請求項3の発明の一実施例による金属コーティ
ングを示す平面図である。
【図10】請求項4の発明の一実施例による真空チェン
バーを示す斜視図である。
【図11】請求項5の発明の一実施例による真空チェン
バーを示す斜視図である。
【図12】請求項6の発明の一実施例による真空チェン
バーを示す斜視図である。
【図13】従来の真空チェンバーを示す縦断正面図であ
る。
【図14】図13における真空チェンバーを示す縦断側
面図である。
【図15】従来の他の真空チェンバーを示す側面図であ
る。
【図16】従来のイオン除去電極装置を示す縦断正面図
である。
【符号の説明】
2 セラミックス筒(絶縁物チェンバー) 2P 壁 3 電極面(金属コーティング) 4 アース面(金属コーティング) 6 電源 7 コイル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁物チェンバーの内面に金属コーティ
    ングを施した真空チェンバーにおいて、上記金属コーテ
    ィングを、一部を残して周方向に複数に分割したイオン
    除去用の電極としたことを特徴とする真空チェンバー。
  2. 【請求項2】 絶縁物チェンバーの内面に金属コーティ
    ングを施した真空チェンバーにおいて、上記金属コーテ
    ィングを、一部を残して周方向に櫛状または格子状に周
    方向に複数に分割したイオン除去用の電極としたことを
    特徴とする真空チェンバー。
  3. 【請求項3】 絶縁物チェンバーの内面に金属コーティ
    ングを施した真空チェンバーにおいて、上記金属コーテ
    ィングを、周方向に複数に分離したイオン除去用の電極
    と、該電極のそれぞれに電圧を印加する各一の電源とを
    設けたことを特徴とする真空チェンバー。
  4. 【請求項4】 絶縁物チェンバーの内面に金属コーティ
    ングを施した真空チェンバーにおいて、上記金属コーテ
    ィングを、一部残して周方向に複数に分割しまたは周方
    向に複数に分離したイオン除去用の電極と、該電極にコ
    イルを介して電圧を印加する電源とを設けたことを特徴
    とする真空チェンバー。
  5. 【請求項5】 絶縁物チェンバーの外側に設けた金属板
    または金属コーティングと、上記金属板または金属コー
    ティングを、一部を残して周方向に複数に分割しまたは
    周方向に複数に分離したイオン除去用の電極とを備えた
    真空チェンバー。
  6. 【請求項6】 絶縁物チェンバーの壁内部に設けた金属
    板または金属コーティングと、上記金属板または金属コ
    ーティングを、一部を残して周方向に複数に分割しまた
    は周方向に複数に分離したイオン除去用の電極とを備え
    た真空チェンバー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021040017A1 (ja) * 2019-08-30 2021-03-04 京セラ株式会社 電磁場制御用部材
EP4025017A4 (en) * 2019-08-29 2023-10-04 Kyocera Corporation ELEMENT FOR CONTROLLING AN ELECTROMAGNETIC FIELD

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