JP4944336B2 - プラズマ加速装置 - Google Patents
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Description
長手軸周りにプラズマチャンバを有し、長手軸に平行な加速区間に亘って正に帯電されたイオンに対する電気的な加速フィールドを生成するための電極装置を有しており、プラズマチャンバ内へ収束された電子ビームを導入するための手段とマグネット系による案内部とを備えたプラズマ加速装置に関している。
【0002】
米国特許出願 US 5 329 258 A 明細書には、環状の加速チャンバと、プラズマチャンバによる実質的に放射状の磁界とを有する、いわゆるホールスラスト形のプラズマ加速装置が開示されている。プラズマチャンバのアノードとアノード段部分は、磁気的にシールドされている。長手軸方向に片側が開いたプラズマチャンバ内には、ガスが導入され、このガスが、プラズマチャンバ外に設けられたカソードからプラズマチャンバの脚部に設けられたアノードへ加速される電子によってイオン化されアノードから加速されて放出される。放射状の磁界は、電子を装置長手軸周りの円形の閉路に押し込み、それによってプラズマチャンバ内でのそれらの滞留時間と衝突確率を高めている。
【0003】
特開昭55−102162公報から公知である、環状のアノードが永久磁石を囲み、さらに円筒状のカソードによって取り囲まれているイオン源では、環状の開口部から中空のイオンビームが放出されている。
米国特許出願 US 36 26 305 明細書からは、物理的な実験に対して10GeVのオーダーにある、より高い運動エネルギを持ったイオンを生成するための装置が開示されている。ここでは、リング状の真空チャンバ外で例えば10MeVの低エネルギの電子によって環電流が生成され、圧縮チャンバ内に注入されている。短時間だけパルス状に導入されたガスからは、イオン化によってリング電子の数よりも少ない数の正のイオンが生成され、これが、電子リングによって生成された電位ヘッドにおいて補角される。短時間のパルス制御された強い磁界によってリング内で巡回する電子が高速に例えば50k−amp.の環電流まで加速される。高エネルギー化された電子の環電流に結び付く高い磁界は、リング軸線に平行に入射し、真空チャンバ内で内部コイル/外部コイルによって生成された磁界と相互作用する。そのため、環電流は軸方向で高速に加速される。複雑な電子リングシステムの電位ヘッドに捕らえられたイオンは、環電流と共に軸方向にもたらされ、それによって高い運動エネルギーまで加速される。
【0004】
米国特許出願 US 3 613 370 明細書では、プラズマ加速器が開示されており、この加速器では、環状のプラズマチャンバが実質的に半径方向に配向された磁界によって貫通されている。そしてプラズマチャンバ内壁の側方開口部を通って電子が中央のカソードからプラズマチャンバ内へ案内されている。
英国特許出願 GB 2 295 485 A 明細書では、加速されたプラズマビームを生成する装置が開示されており、ここでは円筒状のプラズマチャンバ内において、中央のカソードから放出される電子が環状アノード方向に加速される。ここでの磁界は、イオン化効率を高めるべく、プラズマチャンバ内の電子の滞在時間の延長のために用いられる。
米国特許出願 US 4 434 130 明細書には、中空円筒状に案内される電子の空間電荷作用による、核融合反応炉の2つの逆方向に配向され加速されるイオンビームの案内が記載されている。螺旋状経路を移動する電子の案内は、半径方向に配向された静電界と遠心力の間のフォース平衡において行われる。両方の側から軸方向に供給されるイオンビームは、核融合領域において高エネルギと衝突する。それに対して片側でコニカルコンプレッションのもとで供給される電子ビームは、他端において再び拡幅され、導出される。
ドイツ連邦共和国特許出願 DE 198 28 704 A1 明細書からは、長手軸周りのプラズマチャンバと電極装置とマグネットシステムとプラズマチャンバ内への電子ビームの導入手段とを備えたプラズマ加速装置が公知である。
【0005】
この公知装置では、円筒状のプラズマチャンバが設けられており、該チャンバ内ではビーム発生装置によって生成され強く収束された電子ビームが円筒部軸線に沿って導入されている。電子ビームは、円筒軸線に沿ってマグネットシステムによって案内される。このマグネットシステムは、特に順次連続する区分の交番分極によって特徴付けられる。プラズマチャンバ内へ高速で案内される電子ビームの電子は、プラズマチャンバの長手軸に沿って通過し、電子ビームの電子に制動作用を与える電気的な電位差を生じさせる。プラズマチャンバには、イオン化可能なガス、特に不活性ガスが供給される。これは導入される電子ビームの電子並びに二次電子によってイオン化される。その際に生じる正のイオンは、プラズマチャンバの長手軸に沿って電位差により加速され、導入された電子ビームとお案じ方向に移動する。これらのイオンは、同じ様にマグネット装置並びに空間電荷作用によって長手軸に沿って収束されて案内されプラズマチャンバ終端部において電子ビームの電子の一部と一緒にニュートラルなプラズマビームの形態で出射される。
【0006】
本発明の課題は、この種のプラズマ加速装置において、効率を向上させるべく改善を行うことである。
【0007】
本発明によれば、電子ビームは強く集束されて円筒状のプラズマチャンバ内に案内されるのではなく、例えば環状のカソード面を介して円筒状の中空ビームが形成される。これは環状のプラズマチャンバ内へ案内される。プラズマチャンバは、外側のチャンバ壁部と内側のチャンバ壁部によって半径方向で仕切られており、中空円筒部の半径よりもわずかな壁厚を有する中空ビームがこれらの壁部の間に給電されマグネットシステムによって案内される。装置全体は、有利には当該装置の長手軸を中心として少なくともほぼ回転対称である。マグネットシステムも有利には、二重の環状構造を有しているプラズマチャンバに関して半径方向で外側にある第1のマグネット装置と内側にある第2のマグネット装置を有している。
【0008】
公知の装置と同じように本発明による装置も有利には、長手軸方向でプラズマチャンバの経路上に少なくとも1つの中間電極を含んでおり、この場合は、プラズマチャンバの長手軸に沿って中間電極が電位差の中間電位におかれている。多数の中間電位への細分割は、効率の明らかな向上を可能にする。すなわち1つの電子の現下の電位よりも低い電位差でもって中間電極において低い運動エネルギの電子が捕らえられるからである。効率は、中間電位段の数と共に単調に増加する。
【0009】
マグネットシステムは、第1実施例においては、外側と内側のマグネットシステム毎に、長手軸方向に離間されて対向的に配置されている磁極によってそれぞれ一度だけ極性変化の生じるシングル段として構成され得る。2つの磁極の少なくともそれぞれ1つの磁極は長手軸方向でプラズマチャンバの領域に存在している。有利にはシングル段のマグネットシステムの長手軸方向で離間されている2つの磁極は、プラズマチャンバの長手軸方向延在部に位置する。特に有利には、長手軸方向で相互に順次連続する複数の部分システムを備えた多段のマグネットシステムが実施される。それらのうちの各々はそれぞれ1つの外部マグネット装置と内部マグネット装置を有しており、長手軸方向で順次連続する部分システムは、交互に対向方向に配向されている。
【0010】
特に本発明によるプラズマ加速装置は有利には、プラズマチャンバの長手側経路においてプラズマチャンバの側壁領域にまだ少なくとも1つの中間電極装置が存在しており、これが正のイオンの加速のために、もしくは導入された電子ビームの制動のために電位差の中間電位におかれる。そのような中間電極上には僅かな運動エネルギしか持っていない多数の電子が捕獲される。それによってカソードとアノードの間の電位差は,2つまたはそれ以上の加速電位に細分割される。加速された電子に対する導入された電子ビームによる損失は、それによって著しく低減される。特に電気的な効率は、電位段の数と共に単調に増加する。有利には長手軸方向で電極はそれぞれマグネットシステムないしマグネットサブシステムの磁極端部の間におかれる。これによって特に良好な電磁界の経過が得られる。
【0011】
本発明の実施例は、以下の明細書で図面に基づき詳細に説明する。この場合、図1は、側方断面図が示されたものであり、
図2は、長手軸方向で見た図面であり、
図3は、マグネット装置の1つの段を示した図であり、
図4は、多段の配置構成におけるプラズマ分布を示した図である。
【0012】
実施例
プラズマ物理学では、通常の正に帯電されたイオンよりも僅かなその質量に起因した電子の高い運動能力の結果として、プラズマが金属導体に類似して一定の電位を帯びることは周知である。
【0013】
しかしながらプラズマが、異なる電位の2つの電極間に存在するならば、このプラズマはほぼ、正のイオンよりも高い電位を有する電極(アノード)の電位を帯びる。なぜなら電子は、プラズマの電位がアノードのほぼ一定の電位になるまでは非常に迅速にアノードの方向に移動するからであり、それによってプラズマはフィールドフリーとなる。カソードにおける比較的薄い境界層においてのみ電位はいわゆる陰極降下で急峻に低下する。
【0014】
プラズマにおいては、プラズマの伝導性が等方性でない限りは異なる電位には保持されない。本発明による装置のもとでは、伝導性の有利な強い異方性が有利な形態で生成される。電子はローレンツ力の結果として磁力線を横切る移動の際にこの磁力線と移動方向に対して垂直方向の応力を受けるので、電子は磁力線の方向で容易にずらすことが可能である。すなわち磁力線の方向で高い導電性が生じ、この方向の電位差は容易に補償することができる。しかしながら電界成分による磁力線の垂直方向の電子の加速には、前記ローレンツ力は反作用する。そのため電子は、らせん状に磁力線の周りを移動する。その結果磁力線に対して垂直方向で電子流による即座の補償なしで電界が生じ得る。そのような電界の安定性に対しては、所属の等電位面が磁力線に対してほぼ平行に延在し、それに伴って電界と磁界が実質的に交差していると特に有利である。
【0015】
図1には、本発明による多段型の装置が示されている。この装置では実質的に長手軸LAを対称軸線として環状のプラズマチャンバ(この形態は個々の変化例において利用し易いものである)に、中空円筒状の電子ビームESが供給されており、その円筒軸線長手軸LAと一致し、そのビーム壁厚DS(図2)は、中空円筒状のビーム形状部の半径RSよりも薄い。そのような中空ビームは、例えば環状のカソードと適応するビームシステムを用いて生成可能である。電子ビームの電子は、プラズマチャンバ内への入射の際に典型的には1keV以上の運動エネルギを有する。環状のプラズマチャンバは、側方で内壁WIと外壁WAによって仕切られている。
【0016】
実質的に図1による装置のもとでは、マグネットシステムはもはや個々のリングを長手軸LAの周りに有するのではなく、プラズマチャンバの外側にマグネット装置RMAが設けられており、これは長手軸方向で離間された2つの対向する磁極を有している。同じような形態で、プラズマチャンバに関する半径方向でみて内側にはさらに別のマグネット装置RMIが設けられており、これも長手軸方向LRで離間されている2つの磁極を有している。
【0017】
これらの2つのマグネット装置RMAとRMIは、半径方向で向かい合って長手軸方向LRで実質的に同じように延在している。この2つのマグネット装置は、同じ配向を有している。すなわち長手軸方向LRで同じ磁極配列で配向されている。それにより同じ磁極同士(N−NないしS-S)が半径方向で向き合い、これらの磁界は、2つのマグネット装置の各々毎に閉成する。それにより半径方向で向き合っているこれらのマグネット装置RMAおよびRMIの磁界の経路は、実質的にプラズマチャンバの中心に存在する中心面によって分離されるものとみなされる。磁力線Bは、前記中心面(これは必ずしもフラットである必要はない)を貫通することなく、それぞれの装置の磁極間をカーブしながら経過している。そのような中心面の各半径方向側では実質的に2つのマグネット装置RMAないしRMIのうちの1つの磁界のみが作用している。
【0018】
前記実施例は、単に1つの内部マグネット装置と外部マグネット装置を有したマグネットシステムに対しても有効である。そのようなマグネット装置は、例えば実質的に対称軸LAに平行して離間された磁極を備える2つの同心に配置された環状型永久磁石によっても形成し得る。そのような装置は図3に示されている。
【0019】
本発明の特に有利な実施形態によれば、長手軸方向LRに2つまたはそれ以上のマグネット装置が相前後して配設される。この場合順次連続したマグネット装置の磁極の配向は、冒頭に述べたような公知装置のように逆方向である。そのため長手軸方向で向かい合った順次連続するマグネット装置の磁極は同種のものであり、それによって磁界の短絡が生じることはなく、シングル段での実施例で説明した磁界経路は実質的に全ての順次連続する段に対して維持され続ける。
【0020】
順次連続するこれらの磁界は、一方では収束されてプラズマチャンバ内へ導入された一次電子ビームに作用し、また他方ではプラズマチャンバ内で生成される二次電子の1つの段から次の段への流出を阻止する。イオンバリアIBは、カソードKAへのイオンの遷移を防止する。
【0021】
有利なプラズマ加速装置では、プラズマチャンバの長手軸方向でさらに少なくとも1つのさらなる中間電極が設けられている。これは電位降下の中間電位におかれている。そのような中間電極は有利には、少なくとも1つの側壁、有利には2つのサブ電極の形態で向かい合ったプラズマチャンバの内側側壁と外側側壁に配設されている。特に有利には、これらの電極の位置は、長手軸方向で2つの磁極の間に位置付けされる。図1による装置においては、長手軸方向に複数の段S0,S1,S2がそれぞれ1つのマグネットサブシステムとそれぞれ1つの電極システムを備えている。マグネットサブシステムは、図3に示されているようにそれぞれ内側のマグネットリングRMIと外側のマグネットリングRMAからなっている。サブ電極システムは、順次連続する段S0,S1,S2においてそれぞれ1つの外側電極リングAA0,AA1,AA2と半径方向で向かい合った内側電極リングAI0,AI1,AI2を含んでいる。この場合長手軸方向の電極の延び方は、外側リングと内側リングとでは実質的に同じである。相互に向かい合った各サブシステムの電極リング、すなわちAA0,AA1,AA2とAI0,AI1,AI2は、それぞれ同じ電位におかれる。この場合特に電極AA0とAI0は、装置全体のアース電位におかれてもよい。内側電極及び外側電極AA0、AAI………並びにマグネット装置の磁極は、外壁ないし内壁に集積化されてもよい。
【0022】
電極によって生成される電界は、プラズマの形成に重要な領域内を磁力線に対してほぼ垂直に延在する。順次連続する段の電極間の特に最大の電位勾配領域内では、磁力線と電界ラインが実質的に公差する。そのため、収束された一次電子の経路に沿って生成される二次電子が、完全に制動された一次電子も含めて電極の直接の短絡を引き起こすことはない。二次電子は、実質的に環状で多段のマグネットシステムの磁力線に沿ってしか移動できないので、生成されるプラズマビームは実質的に、集束された一次電子の円筒状の層体積に制限され続ける。プラズマの突出部は、実質的に軸方向の磁界成分の徴候変化の領域(ここでは実質的に半径方向でマグネット装置の磁極方向に磁界が現れる)だけに存在する。プラズマチャンバに供給される作用ガスAG、特にキセノンガスは、一次電子と特に二次電子によってイオン化される。加速されたイオンは、導入された電子ビームの制動された一次電子と一緒に中性のプラズマビームPBとして放出される。
【0023】
図示されている装置のもとでは、順次連続する電極(これらは同時に順次連続するマグネット装置の磁極位置とも一致する)の間の位置において長手軸方向でプラズマの集中が生じている。図1に示されている装置によれば有利には、プラズマが、順次連続した個々の段において順次連続する電極の段毎に異なる電位におかれる。これについては特に電極とマグネット装置が長手軸方向で次のように配置される。すなわち準周期性の磁界の空間位相位置(物理的位相角)が、絶対最小軸磁界と電極の中央の間で測定された同じような準周期性の電界に対して最大で+/-45゜だけ、特に最大で+/-15゜だけシフトされるように配置される。この場合は磁力線とプラズマチャンバの側壁に配置された電極とのコンタクトは達成され、磁力線に沿った電子の容易なシフト性によって、プラズマ電位は、当該段の電極電位にセットされる。それによって、順次連続する異なった段に対するプラズマ集中は、異なった電位となる。
【0024】
軸線方向での最大の電位勾配の箇所は、それによって軸線方向で電気的に絶縁作用する半径方向の磁界経路によって特徴付けられる。この箇所においては実質的に正のイオンの加速が、これのために長手軸方向に加速する電界の方向で行われる。環状構造部内の閉じこめられたドリフト経路上でホール電流として循環する、二次電子は十分に存在するので、実質的に中性のプラズマは、長手軸方向でプラズマチャンバの放出開口部の方向に加速される。その際図1および図2に示されているように、装置の長手軸方向LRの特定の箇所における層面内には、長手軸LA周りに半径の異なる逆方向の環状のホール電流IIないしIAが存在する。
【0025】
前述の良好な準周期的磁界および電界構造の位相シフトは、一方では図2による装置によって、前述の最大で+/-45゜の許容シフト、特に最大で+/-15゜の許容シフトによって達成される。代替的な変化例は図4に示されており、そこでは長手軸方向で離間されている電極段ALi,ALi+1の周期長が、順次連続するマグネットリング装置の周期長の二倍の長さと同じである。そのような装置は、それぞれ2つの対向するマグネットサブシステムと1つの電極システムを含んでいる段へ細分割可能であり、これは図1のものに比べて二倍の長さを有する。
【0026】
図4に示されている装置では、電極が、順次連続したマグネットサブシステムの磁極ポイントをブリッジした領域内にコンタクトゾーンが生じており、そこにおいては、磁力線に追従する二次電子が電極によって受取られ、それに伴ってプラズマと電極の間にコンタクトゾーンKZが生じる。それに対して磁極ポイント(これは同時に長手軸方向に順次連続する2つの電極の間にも位置する)には、高い勾配電位を有する絶縁ゾーンIZがプラズマ中に生じる。
【0027】
別の1つの実施形態によれば、マグネットシステムないしは1つのマグネットサブシステムの相対向して存在する外側マグネットリングと内側マグネットリングが逆方向の磁極配列で設けられてもよい。そのため図1に相応する断面においてはこの配置構成によって、各段毎に1つの四重極磁場が生じる。長手軸方向に対して垂直な方向の面内にある電流IA、IIは、同方向となる。本発明によって行われるその他の手段は、このような装置でも相応の形態で適用可能である。
【0028】
前述した特徴および請求項に記載される特徴は、個別であってもあるいは様々な組合せにおいても有利に実現可能である。本発明は、前述した実施例に限定されるものではない。それどころか当業者の知識の枠内では、多くの様々な手法が適用可能である。特に対称軸の周りでは必ずしも厳密な軸対称が強いられるものでもない。それどころか対称的な経路へ意図的な非対称性を重畳してもよい。また磁場や電場、電極あるいはマグネット装置の環状の形態は、必ずしも円筒状の形態を厳密に意味するものではなく、回転対称からのずれ、もしくは長手軸方向での円筒状経路に関するずれがあってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 側方断面を示した図である。
【図2】 長手軸方向で見た図面である。
【図3】 マグネット装置の1つの段を示した図である。
【図4】 多段の配置構成におけるプラズマ分布を示した図である。
Claims (4)
- 長手軸周りにプラズマチャンバを有し、該チャンバ内では、供給された作用ガスがイオン化されてプラズマビームが生成されており、
長手軸に平行な加速区間に亘って正に帯電されたイオンに対する加速フィールドとしての電気的な電位差を生成するための電極装置を有しており、
さらにプラズマチャンバ内へ収束された電子ビームを導入するための手段とマグネットシステムによる案内部とを備えたプラズマ加速装置において、
プラズマチャンバが、長手軸周りで環状に形成され、半径方向でみて内側に存在するチャンバ壁部と半径方向でみて外側に存在するチャンバ壁部を有するように構成されており、さらに電子ビームは、円筒状の中空ビームとして供給されており、
マグネットシステムは、プラズマチャンバに関して半径方向で内側に存在する内部マグネット装置と半径方向外側に存在する外部マグネット装置を有し、
前記内部マグネット装置と外部マグネット装置は長手軸方向で離間された2つの逆の磁極をそれぞれ有しており、さらに前記マグネットシステムは、長手軸方向に平行な方向で離間されて順次連続している複数のマグネットサブシステムを含み、該複数のマグネットサブシステムは、長手軸方向で順次逆の磁極配列を有するように構成されており、
さらに前記内部マグネット装置および外部マグネット装置の磁石が上流からN−S,S−N,N−Sとなるように配置されていることを特徴とするプラズマ加速装置。 - 前記マグネットシステムは、環状の構造部を有している、請求項1記載のプラズマ加速装置。
- プラズマチャンバの長手軸方向にさらに少なくとも1つのさらなる中間電極が2つの磁極の間に設けられ、該中間電極は長手軸周りで外側のチャンバ壁部に配置された第1のサブ電極と、対向的に内側のチャンバ壁部に配置された第2のサブ電極を備えており、それらは、カソード電位とアノード電位の間の電位差の中間電位におかれている、請求項1または2記載のプラズマ加速装置。
- 前記少なくとも1つの中間電極は、順次連続するマグネット装置の磁極間の空隙を部分的または完全に覆っている、請求項3記載のプラズマ加速装置。
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