JP7202839B2 - 原稿搬送装置および画像形成装置 - Google Patents

Description

本発明は、原稿を搬送する原稿搬送装置および画像形成装置に関する。

従来、画像形成装置に設けられている原稿搬送装置では、積載トレイに積載された原稿を引き込み、原稿を読み取った後、排出トレイ上に排出している。原稿搬送装置では、排出トレイの上方に積載トレイが設けられており、排出トレイが暗くなっているため、ユーザが排出された原稿に気づかないことがあった。このような原稿の取り忘れを防止するため、排出トレイを照らす光源を設けることが提案されている（例えば、特許文献１参照）。

特開２０１３－１９７７２５号公報

特許文献１に記載の画像読取装置は、給送原稿を積載する給送原稿積載部と、給送原稿積載部に載置された原稿を搬送する原稿搬送手段と、給送原稿積載部の直下に配置され、原稿搬送手段によって排出された原稿が積載される原稿排出部と、給送原稿積載部の下方に配置され、原稿排出部を照明する照明手段（照明ランプ）とを有し、照明手段は、原稿搬送方向と直交する方向で、最大サイズの原稿搬送経路よりも外側に配置されている。上述した画像読取装置では、原稿を避けて、原稿排出部を照明しており、原稿が光に照らされないので、目立たずに気づかれにくいという課題がある。

本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、原稿を目立たせて、ユーザからの視認性を向上させることができる原稿搬送装置および画像形成装置を提供することを目的とする。

本発明に係る原稿搬送装置は、原稿を載置する載置トレイと、前記載置トレイの下方に設けられ、原稿排出口から排出方向に排出された原稿が積載される排出トレイと、前記載置トレイの下部に取り付けられ、前記排出トレイに向かって光を照らす光源とを備えた原稿搬送装置であって、前記排出トレイは、周囲よりも上方へ突出した凸部が設けられ、前記光源は、前記排出方向と直交する幅方向において、前記凸部の前記原稿搬送装置の手前側の端部から、前記原稿搬送装置の手前側の最大サイズの原稿の端部までの間の領域に設けられていることを特徴とする。

本発明に係る原稿搬送装置では、前記凸部の頂上および前記光源は、前記幅方向において、前記排出トレイの中央よりも前記原稿搬送装置の手前側であって、最大サイズの原稿の端部までの間の領域に設けられている構成としてもよい。

本発明に係る原稿搬送装置では、前記載置トレイは、前記排出方向での下流側端部で、且つ前記原稿搬送装置の前記幅方向での手前側の端部に切欠部が設けられ、前記光源は、前記切欠部に沿った外縁部に設けられている構成としてもよい。

本発明に係る原稿搬送装置では、前記光源は、前記載置トレイのうち、前記排出方向において、前記切欠部の幅内の位置に配置されている構成としてもよい。

本発明に係る原稿搬送装置では、前記切欠部は、前記幅方向において、前記凸部の端部よりも前記原稿搬送装置の奥側まで設けられている構成としてもよい。

本発明に係る原稿搬送装置では、前記切欠部には、透明あるいは半透明の部材が取り付けられている構成としてもよい。

本発明に係る原稿搬送装置は、前記凸部の前記幅方向での端部には、高さ方向に立設した壁部が設けられている構成としてもよい。

本発明に係る原稿搬送装置では、前記排出トレイは、周囲よりも下方へ凹んだ凹部が設けられ、前記凹部は、前記幅方向で前記凸部と隣接して設けられている構成としてもよい。

本発明に係る原稿搬送装置では、前記原稿搬送装置の前記幅方向での手前側であって、該原稿搬送装置の外縁に沿って設けられた立ち壁を有し、前記立ち壁は、前記凸部の頂上よりも低い構成としてもよい。

本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る原稿搬送装置を備えることを特徴とする。

本発明によると、排出トレイ上に積載された原稿に光が照射されるので、原稿を目立たせて、ユーザからの視認性を向上させることができる。また、排出トレイには、凸部が設けられており、原稿の一部を持ち上げて湾曲させることで、原稿による光の照り返しを生じさせ、原稿の存在を際立たせることができる。

本発明の第１実施形態に係る画像形成装置の概略側面図である。 本発明の第１実施形態に係る原稿搬送装置を示す斜視図である。 図２に示す原稿搬送装置の上面図である。 図２に示す原稿搬送装置の正面図である。 図２に示す原稿搬送装置の側面図である。 光源収納部近傍を示す拡大下面図である。 排出トレイに対する光源の位置を模式的に示す模式側面図である。 本発明の第２実施形態において、排出トレイに対する光源の位置を模式的に示す模式側面図である。 本発明の第３実施形態において、排出トレイに対する光源の位置を模式的に示す模式側面図である。 本発明の第３実施形態の変形例において、排出トレイに対する光源の位置を模式的に示す模式側面図である。

（第１実施形態）
以下、本発明の第１実施形態に係る画像形成装置について、図面を参照して説明する。

図１は、本発明の第１実施形態に係る画像形成装置の概略側面図である。

画像形成装置１００は、スキャナ機能、複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能等を有する複合機であり、画像読取装置９０によって読み取られた原稿の画像を外部に送信し（スキャナ機能に相当する）、読み取られた原稿の画像または外部から受信した画像をカラーもしくは単色で用紙に画像形成する（複写機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能に相当する）。

画像読取装置９０の上側には、画像読取装置９０に対して開閉自在に支持された原稿搬送装置１２０（ＡＤＦ）が設けられている。画像読取装置９０は、光源や画像撮像素子等で構成された画像読取部９３を備えており、原稿の画像を読み取る。原稿搬送装置１２０が開かれると、画像読取装置９０の上方の原稿載置台９２が開放され、原稿（用紙）を手置きで置くことができるようになっている。また、原稿搬送装置１２０は、載置された原稿を画像読取装置９０の上に自動で搬送する。画像読取装置９０は、載置された原稿または原稿搬送装置１２０から搬送された原稿を読み取って画像データを生成する。なお、原稿搬送装置１２０の詳細な構造については、後述する図２ないし図５を参照して説明する。

画像形成装置１００は、露光装置１、現像装置２、感光体ドラム３、クリーナ装置４、帯電器５、中間転写ベルト装置６、定着装置７、給紙トレイ８１、手差しトレイ８２、排紙トレイ９１、および用紙搬送経路Ｓを備える構成とされており、外部から伝達された画像データに応じて、所定の用紙に対して多色および単色の画像を形成する。

画像形成装置１００において扱われる画像データは、ブラック（Ｋ）、シアン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、イエロー（Ｙ）の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像装置２、感光体ドラム３、帯電器５、クリーナ装置４は、各色に応じた４種類の潜像を形成するようにそれぞれ４個ずつ設けられ、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローに設定され、これらによって４つの画像ステーションが構成されている。

感光体ドラム３は、画像形成装置１００の略中央に配置されている。帯電器５は、感光体ドラム３の表面を所定の電位に均一に帯電させる。露光装置１は、感光体ドラム３の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置２は、感光体ドラム３の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム３の表面にトナー像を形成する。上述した一連の動作によって、各感光体ドラム３の表面に各色のトナー像が形成される。クリーナ装置４は、現像および画像転写の後に感光体ドラム３の表面の残留トナーを除去および回収する。

中間転写ベルト装置６は、感光体ドラム３の上側に配置され、中間転写ベルト６１、中間転写ベルト駆動ローラ６２、中間転写ベルト従動ローラ６３、中間転写ローラ６４、および中間転写ベルトクリーニング装置６５を備えている。なお、中間転写ローラ６４は、ＹＭＣＫ用の各色の画像ステーションに対応して４本設けられている。

中間転写ベルト駆動ローラ６２、中間転写ベルト従動ローラ６３、および中間転写ローラ６４は、中間転写ベルト６１を張架して、中間転写ベルト６１の表面を所定方向（図中矢符Ｄ方向）に移動させるように構成されている。

中間転写ベルト６１は、矢符Ｄの方向へ周回移動し、中間転写ベルトクリーニング装置６５によって残留トナーを除去および回収され、各感光体ドラム３の表面に形成された各色のトナー像が順次転写して重ね合わされて、中間転写ベルト６１の表面にカラーのトナー像が形成される。

画像形成装置１００は、転写ローラ１０ａを含む２次転写装置１０をさらに備えている。転写ローラ１０ａは、中間転写ベルト６１との間にニップ域が形成されており、用紙搬送経路Ｓを通じて搬送されて来た用紙をニップ域に挟み込んで搬送する。用紙は、ニップ域を通過する際に、中間転写ベルト６１の表面のトナー像が転写される。

給紙トレイ８１は、画像形成に使用する用紙を蓄積しておくためのトレイであり、露光装置１の下側に設けられている。手差しトレイ８２は、画像形成装置１００の側面に開閉自在に設けられ、開放することで画像形成に使用する用紙を載置できるトレイである。また、排紙トレイ９１は、画像形成装置１００の上側に設けられており、画像形成済みの用紙を載置するためのトレイである。

用紙搬送経路Ｓは、Ｓ字状に設けられた主経路Ｓ１と、主経路Ｓ１の途中で分岐して再合流する反転経路Ｓ２とを備え、主経路Ｓ１に沿って、ピックアップローラ１１ａ、手差しピックアップローラ１１ｂ、レジスト前ローラ１２ａ、レジストローラ１３、２次転写装置１０、定着装置７、および排紙ローラ１２ｂが配置されている。反転経路Ｓ２は、定着装置７と排紙ローラ１２ｂとの間から分岐し、反転搬送ローラ１２ｃおよび反転搬送ローラ１２ｄを経由してレジスト前ローラ１２ａとレジストローラ１３との間に再合流する。

ピックアップローラ１１ａは、給紙トレイ８１の端部近傍に備えられ、給紙トレイ８１から用紙を１枚ずつ用紙搬送経路Ｓに供給する呼び込みローラである。レジストローラ１３は、給紙トレイ８１から搬送されている用紙を一旦保持し、感光体ドラム３上のトナー像の先端と用紙の先端とを合わせるタイミングで用紙を転写ローラ１０ａに搬送する。レジスト前ローラ１２ａは、用紙の搬送を促進補助するための小型のローラである。

定着装置７では、定着ローラ７１に加圧ローラ７２が押圧され、定着ローラ７１を加熱する加熱部７３を備えている。定着装置７では、未定着のトナー像が形成された用紙を受け取り、用紙を定着ローラ７１と加圧ローラ７２との間に挟み込んで搬送する。定着後の用紙は、排紙ローラ１２ｂによって排紙トレイ９１上に排出される。

また、用紙の表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、用紙を排紙ローラ１２ｂから反転経路Ｓ２へと逆方向に搬送して、用紙の表裏を反転させ、用紙をレジストローラ１３へと再度導き、表面と同様にして裏面に画像形成を行い、用紙を排紙トレイ９１へと搬出する。

図２は、本発明の第１実施形態に係る原稿搬送装置を示す斜視図であって、図３は、図２に示す原稿搬送装置の上面図であって、図４は、図２に示す原稿搬送装置の正面図であって、図５は、図２に示す原稿搬送装置の側面図である。

本発明の第１実施形態に係る原稿搬送装置１２０は、原稿を載置する載置トレイ１３０と、原稿排出口１５１から排出方向Ｈに沿って排出された原稿が積載される排出トレイ１４０とを備えている。

原稿搬送装置１２０では、正面に沿った横方向Ｘ（図３では、左右方向）での一方の端部側（図３では、左側）に搬送部１５３が設けられ、他方の端部側（図３では、右側）に載置トレイ１３０および排出トレイ１４０が設けられている。載置トレイ１３０と排出トレイ１４０とは、高さ方向Ｚで並べて設けられ、載置トレイ１３０が上段に配置され、排出トレイ１４０が下段に配置されている。つまり、載置トレイ１３０は、搬送部１５３の上部に設けられた原稿挿入口１５４から他方の端部側へ延伸して設けられ、排出トレイ１４０は、搬送部１５３の下部に設けられた原稿排出口１５１から他方の端部側へ延伸して設けられている。従って、載置トレイ１３０から原稿が挿入される方向（図３では、左向き）は、排出トレイ１４０に対する原稿の排出方向Ｈ（図３では、右向き）に対して、向きが逆になっている。

原稿搬送装置１２０では、載置トレイ１３０に載置された原稿を、原稿挿入口１５４を介して搬送部１５３の内部に取り入れる。そして、搬送部１５３の内部において、画像読取装置９０で読み取られた原稿は、原稿排出口１５１に設けられた排出ローラ１５２を介して、搬送部１５３から排出されて排出トレイ１４０に積載される。なお、以下では説明のため、排出方向Ｈと直交する方向を幅方向Ｙ（図３では、上下方向）と呼ぶことがある。

載置トレイ１３０は、原稿挿入口１５４と反対側の端部（載置トレイ延伸端１３０ａ）よりも、原稿挿入口１５４に面する側の端部の方が、低くなるように傾斜している。すなわち、載置トレイ１３０に原稿を載置した際、原稿は、自重によって、原稿挿入口１５４の側へ滑って移動するように傾斜が設けられている。

排出トレイ１４０は、載置トレイ１３０と略同じように、原稿排出口１５１と反対側の端部（排出トレイ延伸端１４０ａ）の方が、高くなるように傾斜している。原稿排出口１５１から原稿を排出する際、原稿は、排出ローラ１５２によって、排出方向Ｈへ少し勢いが付けられる。この勢いによって原稿が排出トレイ１４０から落下しないように、原稿排出口１５１の側へ滑って移動させることで、排出トレイ１４０上の原稿が整頓される。なお、載置トレイ１３０と排出トレイ１４０とで傾斜の角度が違っていてもよい。

また、載置トレイ１３０には、排出方向Ｈにおける下流側（図３では、右端）であって、幅方向Ｙで原稿搬送装置１２０の手前側（図３では、下方）の端部に、切欠部１３１が設けられている。載置トレイ１３０と排出トレイ１４０とは、平面視した状態（例えば、図３）で重なるように配置されているが、切欠部１３１に対応する部分では、排出トレイ１４０が露出している。なお、以下では説明のため、幅方向Ｙにおいて、原稿搬送装置１２０（画像形成装置１００）の正面の側を手前側と呼び、原稿搬送装置１２０の背面の側を奥側（図３では、上方）と呼ぶことがある。

図３に示すように、載置トレイ１３０は、平面視において、略矩形状に形成されており、切欠部１３１は、載置トレイ１３０の角に対応する部分に設けられている。切欠部１３１を設けた部分における載置トレイ１３０の外縁部について、比較的、横方向Ｘに沿った側辺を切欠第１側辺１３１ａと呼び、比較的、幅方向Ｙに沿った側辺を切欠第２側辺１３１ｂとを呼ぶ。つまり、切欠第１側辺１３１ａは、載置トレイ１３０自体の横方向Ｘに沿った側辺（図３では、下辺）よりも奥側（図３では、上方）に位置し、切欠第２側辺１３１ｂは、載置トレイ１３０自体の幅方向Ｙに沿った側辺（図３では、右辺）よりも上流側（図３では、左方）に位置している。図３では、切欠第１側辺１３１ａおよび切欠第２側辺１３１ｂに基づいて、排出方向Ｈで切欠部１３１が設けられている範囲（切欠部領域ＫＲ）を示している。

画像形成装置１００では、通常、ユーザが正面の側に立って操作することを想定しており、正面の側に操作パネルなどが設けられている。また、原稿や用紙を回収する際も、正面の側から手を差し入れ易いように設計されている。

載置トレイ１３０の下面であって、切欠部１３１の近傍には、光源１６０を収納する光源収納部１３２が設けられている。光源収納部１３２は、切欠部１３１に沿った載置トレイ１３０の外縁部であって、切欠部１３１よりも少し奥側に設けられている。光源収納部１３２近傍の構造については、図６を参照して説明する。

排出トレイ１４０は、排出トレイ延伸端１４０ａの側が高くなるように傾斜しており、この傾斜に基づいて傾斜面が設定されている。そして、排出トレイ１４０では、傾斜面に対して、部分的に高さ方向Ｚでの位置が異なるように、凸部１４１および凹部１４２が設けられている。なお、凸部１４１および凹部１４２の形状については、後述する図７を参照して、詳細に説明する。

また、排出トレイ１４０は、外縁に沿って設けられた立ち壁１４３を有する。立ち壁１４３は、頂面の高さが一致しており、横方向Ｘおよび幅方向Ｙに平行な面となっている。つまり、排出トレイ１４０のうち、立ち壁１４３の部分では、傾斜しておらず、水平になっている。

図６は、光源収納部近傍を示す拡大下面図である。

図６は、図２等に示す載置トレイ１３０を下方から見た状態であって、切欠第１側辺１３１ａに沿う位置に設けられた光源収納部１３２近傍を拡大して示している。載置トレイ１３０の内部であって、光源収納部１３２に面する部分には、光源１６０が設けられている。また、光源収納部１３２には、載置トレイ１３０の下面側の筐体を開口する開口部１３３が設けられており、光源１６０の一部が開口部１３３を介して露出している。光源１６０は、例えば、ＬＥＤなどの発光素子を備えており、光源１６０から照射された光が開口部１３３から出射する。載置トレイ１３０の切欠部１３１は、ユーザが、載置トレイ１３０と排出トレイ１４０との間に手を差し入れやすくするために設けられており、原稿を取り出す際に注目されやすい。そこで、その近傍に光源１６０を配置することで、ユーザの視界に入りやすくなり、光の照射が容易にわかる。

図７は、排出トレイに対する光源の位置を模式的に示す模式側面図である。

図７は、原稿搬送装置１２０について、排出トレイ延伸端１４０ａが設けられている側の側面から見た状態を模式的に示している。なお、排出トレイ１４０だけは、凹凸を強調するため、光源１６０に面する部分での断面を示し、ハッチングしている。また、図７では、図面の見易さを考慮して、排出トレイ１４０上に積載された１枚の原稿Ｇを示しているが、これに限定されず、排出トレイ１４０上には、複数の原稿Ｇが積載されてもよい。さらに、図７に示す原稿Ｇは、原稿搬送装置１２０で搬送される原稿Ｇのうち、幅方向Ｙの長さが最大サイズの原稿Ｇを示している。

排出トレイ１４０の幅方向Ｙでの略中央には、周囲よりも上方へ突出した凸部１４１が設けられており、凸部１４１の手前側（図７では、左方）に隣接して凹部１４２が設けられている。そして、原稿搬送装置１２０の外縁であって、手前側の端部には、立ち壁１４３が設けられている。つまり、立ち壁１４３と凸部１４１との間の部分に、凹部１４２が存在している。図７に示す断面では、高さ方向Ｚにおいて、凸部１４１が最も高く、立ち壁１４３が二番目に高く、凹部１４２が最も低くなっている。

本実施の形態において、凸部１４１は、排出トレイ１４０のうち、幅方向Ｙで広い部分に設けられており、側面視では、台形状に隆起している。図７に示す断面において、凸部１４１は、頂上の高さが略揃っており、幅方向Ｙの端部に急峻な段差が設けられている。互いに隣接する凸部１４１と凹部１４２との境界では、両者の高低差が合わさって、さらに大きな段差となっており、高さ方向Ｚに立設した壁部１４４が設けられている。なお、壁部１４４は、凸部１４１の頂面に対して、境界を明確にする傾斜となっていればよく、完全な垂直でなくてもよい。また、上端や下端においては、原稿Ｇの引っ掛かりを防ぐために、丸みを帯びた形状となっていてもよい。

凸部１４１は、幅方向Ｙにおいて、排出トレイ１４０の略中央よりも少し奥側に位置しており、幅方向Ｙでの長さが、最大原稿サイズよりも短い。排出トレイ１４０上の原稿Ｇは、幅方向Ｙにおいて、大凡の部分が凸部１４１と重なっており、凸部１４１の外側に端部が少しはみ出している。原稿Ｇのうち、凸部１４１より手前側にはみ出した部分は、壁部１４４および凹部１４２の上方に位置しており、凸部１４１との高低差によって、下方へ垂れ下がり、原稿Ｇが山状に湾曲している。

切欠部１３１において、切欠第１側辺１３１ａは、幅方向Ｙで壁部１４４と略同じ位置に設けられている。光源１６０は、切欠第１側辺１３１ａの近傍に設けられ、排出トレイ１４０（下方）に向かって光を照らす。図７の一点鎖線は、光源１６０からの光が照射される範囲（照射範囲ＳＲ）を示しており、幅方向Ｙにおいて、凸部１４１と凹部１４２との境界付近が、照射範囲ＳＲに含まれている。なお、排出方向Ｈに対する照射範囲ＳＲは、適宜設定すればよく、積載された原稿Ｇと排出トレイ１４０との両方を含むように設定されていることが好ましい。

排出トレイ１４０は、照射範囲ＳＲに含まれる部分が光に照らされるが、光源１６０との位置関係に応じて、明るさ（照り返し）が異なっている。具体的に、凸部１４１は、光源１６０に対して、高さ方向Ｚでの距離が近いので、比較的明るく見える。これに対し、凹部１４２は、凸部１４１よりも下方に位置しているので、凸部１４１よりも少し暗く見える。さらに、壁部１４４は、光源１６０からの光の照射方向に対して、平行に近い傾斜となっているので、照り返しが弱くなり、凹部１４２よりも暗く見える。また、原稿Ｇにおいては、凸部１４１によって、一部が持ち上げられて湾曲し、光の照り返しが生じて、存在が際立って見える。このように、光源１６０を設けて排出トレイ１４０を光で照らすだけでなく、凹凸を設けた排出トレイ１４０とすることで、照射範囲ＳＲ内で明暗差を生じさせ、光が照射されていることを強調することができ、ユーザの視認性を向上させることができる。

図７に示すように、凸部１４１の頂上および光源１６０は、幅方向Ｙにおいて、排出トレイ１４０の中央よりも手前側であって、最大サイズの原稿Ｇの端部までの間の領域に設けられている。このように、原稿搬送装置１２０の手前側に対して、原稿Ｇを目立たせるように光源１６０等を配置することで、さらに視認性を向上させることができる。

図７に示す構成では、切欠部１３１と凸部１４１の端部（壁部１４４）とが、幅方向Ｙで略同じ位置に設けられていたが、切欠部１３１は、幅方向Ｙにおいて、凸部１４１の端部よりも奥側まで設けられていてもよい。それによって、原稿搬送装置１２０よりも高い位置からでも凸部１４１を視認できるので、光の照射が容易にわかる。

本実施の形態では、立ち壁１４３を設けることで、原稿Ｇの落下を防ぎつつ、排出トレイ１４０に対する光の照射を視認できる形状としている。立ち壁１４３については、凸部１４１の頂上より低く形成されていればよく、隣接する部分よりも上方へ突出していればよい。

排出トレイ１４０では、排出トレイ延伸端１４０ａから下流側に引き出すことで、原稿が積載される部分を広げる補助トレイを設けてもよいが、補助トレイに対して光を照らすことは考慮しなくてもよく、補助トレイを含む照射範囲ＳＲとする必要はない。

本実施の形態において、最大サイズの原稿がＡ３サイズ（幅２９７ｍｍ×長さ４２０ｍｍ）とされており、幅方向Ｙの長さは２９７ｍｍである。なお、画像形成装置１００では、最大サイズの原稿がＡ４サイズ（幅２９７ｍｍ×長さ２１０ｍｍ）とされていてもよく、この場合は、幅方向Ｙの長さは２９７ｍｍである。つまり、画像形成装置１００で搬送する最大サイズの原稿は、画像形成装置１００（原稿搬送装置１２０）の仕様によって決定されている。

また、切欠部１３１については、切り欠いた部分を補填する部材を取り付けてもよい。この際、取り付ける部材は、透明あるいは半透明とすることで、切欠部１３１の下方に位置する原稿を視認できるようにしてもよい。

（第２実施形態）
次に、本発明の第２実施形態に係る画像形成装置（原稿搬送装置）について、図面を参照して説明する。なお、第２実施形態に係る画像形成装置の構造については、第１実施形態と略同様であるので、同様の符号を付して説明および図面を省略する。

図８は、本発明の第２実施形態において、排出トレイに対する光源の位置を模式的に示す模式側面図である。

図８は、図７と同様に、原稿搬送装置１２０について、排出トレイ延伸端１４０ａが設けられている側の側面から見た状態を模式的に示しており、排出トレイ１４０だけは、凹凸を強調するため、光源１６０に面する部分での断面を示し、ハッチングしている。

第２実施形態は、第１実施形態に対して、排出トレイ１４０の凹凸が異なっている。具体的に、第２実施形態において、排出トレイ１４０には、凸部１４１が設けられており、凹部１４２は設けられていない。また、凸部１４１のうち、手前側の端部には、上端から下端に向かうに従って、傾きが大きくなるように湾曲した曲面部１４５が設けられている。つまり、第１実施形態では、凸部１４１の端に壁部１４４を設けて、急峻な段差としていたが、第２実施形態では、凸部１４１の端が滑らかになるように、曲面部１４５を設けている。曲面部１４５によって、高さが徐々に変化する部分が幅方向Ｙで長くなり、原稿Ｇのサイズが異なっていても、凸部１４１からはみ出す部分を設けるように積載することができる。この構成では、凸部１４１のうち、曲面部１４５との境界までの上面が頂上に相当する。図示しないが、本実施の形態でも、立ち壁１４３および凹部１４２を適宜設けてもよい。

（第３実施形態）
次に、本発明の第３実施形態に係る画像形成装置（原稿搬送装置）について、図面を参照して説明する。なお、第３実施形態に係る画像形成装置の構造については、第１実施形態および第２実施形態と略同様であるので、同様の符号を付して説明および図面を省略する。

図９は、本発明の第３実施形態において、排出トレイに対する光源の位置を模式的に示す模式側面図である。

図９は、図７と同様に、原稿搬送装置１２０について、排出トレイ延伸端１４０ａが設けられている側の側面から見た状態を模式的に示しており、排出トレイ１４０だけは、凹凸を強調するため、光源１６０に面する部分での断面を示し、ハッチングしている。

第３実施形態は、第２実施形態に対して、凸部１４１の形状が異なっている。具体的に、第３実施形態において、凸部１４１には、頂上（凸部頂上１４７）よりも下方へ凹んだ突出低部１４６が設けられている。つまり、凸部１４１は、高さが一様とされていなくてもよく、凸部１４１の中で凹凸が設けられていてもよく、高さ方向Ｚで最も突出した部分が凸部頂上１４７となる。本実施の形態では、突出低部１４６として斜面を設けたが、これに限定されず、溝や曲面であってもよい。図９では、下方へ凹んだ部分を設けた構造を示したが、図１０に示す変形例のように、上方へ突出した部分を設けてもよい。

図１０は、本発明の第３実施形態の変形例において、排出トレイに対する光源の位置を模式的に示す模式側面図である。

変形例では、凸部１４１の中に、さらに上方へ突出したリブ１４８を設けている。この構成では、リブ１４８が凸部１４１の頂上に相当する。リブ１４８は、排出方向Ｈに沿って延伸され、凸部１４１の上面に形成されており、変形例では、幅方向Ｙで離間して３箇所に設けられている。複数のリブ１４８を設けた場合、少なくとも１つが、排出トレイ１４０の中央よりも手前側であって、最大サイズの原稿の端部までの間の領域に設けられていることが望ましい。

なお、今回開示した実施の形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。従って、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。

９０ 画像読取装置
１００ 画像形成装置
１２０ 原稿搬送装置
１３０ 載置トレイ
１３０ａ 載置トレイ延伸端
１３１ 切欠部
１３２ 光源収納部
１３３ 開口部
１４０ 排出トレイ
１４０ａ 排出トレイ延伸端
１４１ 凸部
１４２ 凹部
１４３ 立ち壁
１４４ 壁部
１４５ 曲面部
１４６ 突出低部
１４７ 凸部頂上
１４８ リブ
１５１ 原稿排出口
１５２ 排出ローラ
１５３ 搬送部
１５４ 原稿挿入口
１６０ 光源
Ｈ 排出方向
ＳＲ 照射範囲
Ｘ 横方向
Ｙ 幅方向
Ｚ 高さ方向

Claims (10)

1. 原稿を載置する載置トレイと、
   前記載置トレイの下方に設けられ、原稿排出口から排出方向に排出された原稿が積載される排出トレイと、
   前記載置トレイの下部に取り付けられ、前記排出トレイに向かって光を照らす光源とを備えた原稿搬送装置であって、
   前記排出トレイは、周囲よりも上方へ突出した凸部が設けられ、
   前記光源は、前記排出方向と直交する幅方向において、前記凸部の前記原稿搬送装置の手前側の端部から、前記原稿搬送装置の手前側の最大サイズの原稿の端部までの間の領域に設けられていること
   を特徴とする原稿搬送装置。
2. 請求項１に記載の原稿搬送装置であって、
   前記光源は、前記幅方向において、前記排出トレイの中央よりも前記原稿搬送装置の手前側であって、最大サイズの原稿の端部までの間の領域に設けられていること
   を特徴とする原稿搬送装置。
3. 請求項１または請求項２に記載の原稿搬送装置であって、
   前記載置トレイは、前記排出方向での下流側端部で、且つ前記原稿搬送装置の前記幅方向での手前側の端部に切欠部が設けられ、
   前記光源は、前記切欠部に沿った外縁部に設けられていること
   を特徴とする原稿搬送装置。
4. 請求項３に記載の原稿搬送装置であって、
   前記光源は、前記載置トレイのうち、前記排出方向において、前記切欠部の幅内の位置に配置されていること
   を特徴とする原稿搬送装置。
5. 請求項３または請求項４に記載の原稿搬送装置であって、
   前記切欠部は、前記幅方向において、前記凸部の端部よりも前記原稿搬送装置の奥側まで設けられていること
   を特徴とする原稿搬送装置。
6. 請求項３から請求項５までのいずれか１つに記載の原稿搬送装置であって、
   前記切欠部には、透明あるいは半透明の部材が取り付けられていること
   を特徴とする原稿搬送装置。
7. 請求項１から請求項６までのいずれか１つに記載の原稿搬送装置であって、
   前記凸部の前記幅方向での端部には、高さ方向に立設した壁部が設けられていること
   を特徴とする原稿搬送装置。
8. 請求項１から請求項７までのいずれか１つに記載の原稿搬送装置であって、
   前記排出トレイは、周囲よりも下方へ凹んだ凹部が設けられ、
   前記凹部は、前記幅方向で前記凸部と隣接して設けられていること
   を特徴とする原稿搬送装置。
9. 請求項１から請求項８までのいずれか１つに記載の原稿搬送装置であって、
   前記原稿搬送装置の前記幅方向での手前側であって、該原稿搬送装置の外縁に沿って設けられた立ち壁を有し、
   前記立ち壁は、前記凸部の頂上よりも低いこと
   を特徴とする原稿搬送装置。
10. 請求項１から請求項９までのいずれか１つに記載の原稿搬送装置を備えた画像形成装置。

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