JP7201445B2 - 燃料電池用セパレータ材 - Google Patents

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Description

本開示は、燃料電池用セパレータ材及びその製造方法に関する。
燃料電池は、固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで挟んだ構造体を単セルとして備える。また、燃料電池は、ガス(水素、酸素等)の流路となる溝が形成されたセパレータ(バイポーラプレートとも呼ばれる)を介して前記単セルを複数個重ね合わせたスタックとして構成される。燃料電池は、スタックあたりのセル数を増やすことで、出力を高くすることができる。
燃料電池用のセパレータは、発生した電流を冷却水(FCC)が流れる面を介して隣のセルに流す役割も担っている。そのため、セパレータを構成するセパレータ材には、高い導電性及びその高い導電性が燃料電池のセル内の雰囲気中においても長期間維持されることが要求される。ここで、高い導電性とは、接触抵抗が低いことを意味する。また、接触抵抗とは、電極とセパレータ表面との間で、界面現象のために電圧降下が生じることをいう。
このような要求を満たすべく、例えば、特許文献1には、純チタン又はチタン合金からなる基材上に、酸化チタンとカーボンブラックが混合した混合層が形成されており、前記酸化チタンが結晶性のルチルを含み、前記混合層中のカーボンの結合状態をX線光電子分光分析により分析した際に検出されたカーボンのうちの70%以上がC-C結合を有するカーボンブラック単体として存在していることを特徴とする燃料電池用セパレータ材が開示されている。特許文献1には、カーボンブラックは導電性に優れており、また、酸化チタンは耐食性に優れているため、特許文献1に記載の燃料電池用セパレータ材は高い導電性及び導電耐久性を有することが記載されている。
特開2016-122642号公報
特許文献1に記載の技術において、図1に示すように、チタン基材の表面に酸化チタンとカーボンブラックとを含む混合層が形成され、該混合層の表面から該混合層とチタン基材との界面までカーボンブラックが繋がることにより、導電性が確保される。しかしながら、このように混合層の表面からチタン基材までカーボンブラックが繋がっている箇所は、例えば、全体の20%程度となってしまう場合がある。また、積層型の燃料電池の場合、2対のセパレータを接続するため、図2に示すように、発電面同士で電気的に接続する領域は、前記20%よりもさらに減少してしまい、その結果、抵抗が高くなる場合がある。
そこで、本開示は、セパレータ間における電気的導通を良好にとることが可能な燃料電池用セパレータ材を提供することを目的とする。
そこで、本実施形態の態様例は以下の通りである。
(1) 表面に凹部を有するチタン基材と、前記チタン基材の表面上に形成された表面層と、を備える燃料電池用セパレータ材であって、
前記表面層は、酸化チタン層と、該酸化チタン層中に分散した炭素粒子と、を含み、
前記炭素粒子は、前記凹部内の前記表面層の上にも充填されている、燃料電池用セパレータ材。
(2) 前記凹部がオイルピットである、(1)に記載の燃料電池用セパレータ材。
(3) 前記表面層の表面のうち前記凹部に充填された炭素粒子が占める割合が5~30%である、(1)又は(2)に記載の燃料電池用セパレータ材。
(4) 前記炭素粒子がカーボンブラックである、(1)~(3)のいずれか1つに記載の燃料電池用セパレータ材。
(5) (1)~(4)のいずれか1つに記載の燃料電池用セパレータ材の製造方法であって、
前記凹部を有するチタン基材を用意する工程と、
前記チタン基材の表面に前記炭素粒子を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程の後に、前記チタン基材を酸化雰囲気下で熱処理し、酸化チタン層を形成する酸化処理工程と、を含む、燃料電池用セパレータ材の製造方法。
(6) 前記酸化処理工程の後に、ブラシを用いて、前記表面層上に存在する余剰な前記炭素粒子を除去する洗浄工程を含む、(5)に記載の燃料電池用セパレータ材の製造方法。
(7) 前記ブラシの繊維径が、前記凹部内に入り込まない程度の大きさを有する、(6)に記載の燃料電池用セパレータ材の製造方法。
(8) 前記ブラシの繊維径が、前記凹部の径よりも大きい、(7)に記載の燃料電池用セパレータ材の製造方法。
本開示により、セパレータ間における電気的導通を良好にとることが可能な燃料電池用セパレータ材を提供することができる。
特許文献1における燃料電池用セパレータ材の構造例を説明するための概略断面図である。 図1に示す燃料電池用セパレータ材の2枚を発電面同士で電気的に接続した状態を説明するための概略断面図である。 本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材の構成を説明するための概略断面図である。 本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材を発電面同士で電気的に接続した状態を説明するための概略断面図である。 本実施例で作製したセパレータ材の断面のSEM画像である。
本実施形態は、表面に凹部を有するチタン基材と、前記チタン基材の表面上に形成された表面層と、を備える燃料電池用セパレータ材であって、前記表面層は、酸化チタン層と、該酸化チタン層中に分散した炭素粒子と、を含み、前記炭素粒子は、前記凹部内の前記表面層の上にも充填されている、燃料電池用セパレータ材である。
本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材は、セパレータ間における電気的導通を良好にとることができる。具体的には、本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材は、表面に存在する凹部に炭素粒子が充填されており(図3参照)、この炭素粒子充填部分により、隣接することになるセパレータ表面との電気的接続を良好にとることができる。すなわち、図4に示すように、セパレータ材表面において比較的大きな面積を有する炭素粒子充填部分が、隣接することになるセパレータ表面に存在する炭素粒子又は炭素粒子充填部分と接触することにより、良好な導電性を得ることができる。具体的には、セパレータ間において、表面層中に含まれる炭素粒子同士が接触している形態や、表面層中に含まれる炭素粒子と凹部に充填された炭素粒子とが接触している形態、凹部に充填された炭素粒子と凹部に充填された炭素粒子とが接触している形態が想定される。なお、図4において、表面層3中に含まれる炭素粒子5は省略されている。
以下、適宜図面を参照して、本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材及びその製造方法について詳細に説明する。
<燃料電池用セパレータ材>
図3は、本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材の構成を説明する概略断面図である。図3に示すように、本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材1は、チタン基材2上に、表面層3が形成されている。表面層3は、図1に示すように、酸化チタン層4と、該酸化チタン層4中に分散した炭素粒子5とを含む構成を有する。表面層3の断面を観察した場合、表面層3のマトリックスとしての酸化チタン層4中に炭素粒子5が埋まっている。なお、該断面は、基材の面方向に対して平行な面による断面であってもよく、面方向に対して垂直な面による断面であってもよく、面方向に対して斜めとなる面による断面であってもよい。炭素粒子5は、酸化チタン層4の表面から酸化チタン層4とチタン基材2との界面まで分散しており、電流を流す導電パスとして存在する。また、チタン基材2は、表面に凹部を有し、表面層3は、該凹部を含む基材表面に形成されている。また、基材の凹部には、炭素粒子5が充填されている。この凹部に充填された炭素粒子5も当然に導電パスとして機能する。
チタン基材は、純チタン又はチタン合金から構成される基材である。純チタンとしては、例えば、JIS H 4600に規定されるものを挙げることができる。また、チタン合金としては、例えば、Ti-Al、Ti-Nb、Ti-Ta、Ti-6Al-4V、Ti-Pdを挙げることができる。ただし、いずれの場合もこれらの例示に限定されるものではない。純チタン又はチタン合金製のチタン基材は、軽く、耐食性に優れている。また、チタン基材の表面に表面層に被覆されずに露出している部分があったとしても、燃料電池内の高温酸性雰囲気(例えば、80℃、pH2)でチタン又はチタン合金が溶出せず、固体高分子膜を劣化させる恐れがない。
チタン基材は、表面に凹部を有する。この凹部は、圧延時に形成されるオイルピットであることが好ましい。オイルピットは、圧延の際に圧延油が巻き込まれることにより、形成される凹部である。一般的に、オイルピットは、後の工程で成膜不良等の原因となる場合があることから、エッチング等により除去されるが、本実施形態ではこのようなオイルピットを逆に利用する。凹部の平均径は、5.0~20μmであることが好ましい。凹部の平均径を5.0μm以上とすることにより、隣接することになるセパレータとの導電性をより効率的に向上することができる。凹部の平均径を20μm以下とすることにより、隣接することになるセパレータとの接着性をより効率的に保持することができる。凹部の平均径(円相当径)は、表面のSEM画像においてソフトを用いて算出することができる。また、凹部の深さは、0.5~2.0μmであることが好ましい。
チタン基材は、例えば、冷間圧延材である。
チタン基材の厚さは、例えば、0.05~1mmである。厚さがこの範囲であると、セパレータの軽量化及び薄型化の要求を満足し易く、セパレータ材としての強度及びハンドリング性を備える。そのため、セパレータ材をセパレータの形状にプレス加工することが比較的容易となる。チタン基材の形状は、コイル状に巻かれた長尺帯状であってもよく、所定の寸法に切断された枚葉紙状であってもよい。
炭素粒子は、炭素で構成される粒子であり、例えば、カーボンブラック、黒鉛、Bドーピングダイヤモンド粒子、Nドーピングダイヤモンド粒子等が挙げられる。炭素粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。カーボンブラックは、無定形炭素から成る鎖状構造を持つ炭素粒子である。カーボンブラックは、その製造方法によってファーネスブラック、アセチレンブラック又はサーマルブラック等に分類されるが、いずれも使用可能である。黒鉛としては、人造黒鉛又は天然黒鉛が挙げられる。
炭素粒子の平均粒径は、20~200nmであることが好ましい。炭素粒子の平均粒径が20nm以上である場合、後述の酸化処理工程における酸化による消滅を抑制し易くなる。また、炭素粒子の平均粒径が200nm以下である場合、表面層中に保持し易くなる。なお、この平均粒径(一次粒子径)は、透過型電子顕微鏡画像(TEM画像)において無作為に選択した100個の炭素粒子の直径(円相当径)の平均値である。
表面層中の酸化チタン層は、例えば、TiO(1<x≦2)で表される酸化チタンからなる。酸化チタン層は、導電耐食性の観点から、結晶性のルチル構造のものを含むことが好ましい。
表面層の厚さは、10~500nmであることが好ましい。表面層の厚さがこの範囲であると、高い導電性と導電耐食性を備えることができる。
表面層の表面のうち凹部に充填された炭素粒子が占める割合は、5~30%であることが好ましい。この炭素粒子充填部分の割合を5%以上にすることにより、セパレータ間の導電性をより効果的に向上することができる。また、この炭素粒子充填部分の割合を30%以下にすることにより、隣接することになるセパレータとの接着性を効果的に保持することができる。表面層の表面における凹部に充填された炭素粒子充填部分の割合は、例えば、電子線マイクロアナライザー(EPMA)で表面におけるCのマッピング像を取得し、Cが占める面積割合を算出することにより得ることができる。
表面層はチタン基材の片面のみに形成してもよく、チタン基材の両面に形成してもよい。
<燃料電池用セパレータ材の製造方法>
本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材の製造方法は、塗布工程と、酸化処理工程を含み、これらの工程がこの順で行われる。本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材の製造方法により、本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材を効率的に製造することができる。
(塗布工程)
本実施形態に係る製造方法は、凹部を有するチタン基材の表面に炭素粒子を塗布する塗布工程を含む。
チタン基材は、表面に凹部を有する。このような凹部を有するチタン基材は、オイルピットを故意に形成するように圧延処理することにより容易に作製することができる。この凹部に炭素粒子が留まり、導電性の向上に寄与する。
炭素粒子は、炭素粒子を分散させた水性や油性の分散液(分散塗料とも称す)の形態でチタン基材上に塗布することができる。また、炭素粒子は、チタン基材上に直接塗布することもできる。炭素粒子は、チタン基材の凹部内に炭素粒子が十分に充填されるように塗布することが好ましい。
炭素粒子を含む分散塗料は、バインダー樹脂及び/又は界面活性剤を含んでもよい。しかし、バインダー樹脂や界面活性剤は、導電性を低下させる傾向があるため、これらの含有量は可能な限り少ない方が好ましい。また、分散塗料は、必要に応じて、他の添加剤を含むことができる。
バインダー樹脂には、酸化処理工程における加熱により残渣なく分解する樹脂を用いることが好ましい。このようなバインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、又はポリビニルアルコール樹脂等が挙げられる。これらのうち、分解する温度が低いほど表面層の形成に影響を及ぼさなくなるという観点から、アクリル樹脂が好ましい。バインダー樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
分散塗料における炭素粒子とバインダー樹脂との配合比率は、固形分の質量比で、(バインダー樹脂固形分量/炭素粒子固形分量)=0.3~2.5であることが好ましい。この質量比が小さくなる程、炭素粒子の量が多くなり、その結果、導電性が向上する。それゆえ、導電性の観点から、この質量比は2.5以下であることが好ましく、2.3以下であることがより好ましい。一方、この質量比が大きくなる程、バインダー樹脂の量が大きくなる。そのため、この質量比が大きい場合、チタン基材2と塗膜との密着性が大きくなる。それゆえ、密着性の観点から、この質量比が0.3以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましい。
水性の媒体としては、例えば、水又はエタノール等を用いることができる。油性の媒体としては、例えば、トルエン又はシクロヘキサノン等を用いることができる。
炭素粒子の平均粒径は20~200nmであることが好ましい。炭素粒子は塗料中で凝集体を作りやすい傾向があるため、凝集体が形成しないように工夫された塗料を用いることが好ましい。例えば、炭素粒子として、カルボキシル基等の官能基を表面に化学結合させて粒子間の反発を強めることにより分散性を高めたカーボンブラックを用いることが好ましい。
チタン基材の表面への炭素粒子の塗布量は、特に制限されるものではなく、導電性及び凹部への充填性を考慮して適宜選択することができる。
炭素粒子を分散させた分散液をチタン基材に塗付する方法としては、例えば、刷毛塗り、バーコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコーター、ディップコーター、又はスプレーコーター等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、粉末の形態で塗布する方法としては、例えば、炭素粒子を用いて作製したトナーを使用し、チタン基材に該トナーを静電塗装する方法が挙げられる。
チタン基材の最表面から深さ10nmの位置での炭素濃度は、10原子%以下であることが好ましい。また、チタン基材の最表面から深さ5~50nmの間の平均炭素濃度も、10原子%以下であることが好ましい。一般的に、最表面から深さ10nmの位置での炭素濃度が10原子%以下である場合、最表面から深さ5~50nmの間の平均炭素濃度も10原子%以下となる。
チタン基材の最表面から深さ10nmの位置での炭素濃度について説明する。チタン基材の最表面から深さ10nmの位置での炭素濃度は、例えば、X線光電子分光分析装置(X-ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)を用いて、深さ方向の組成分析を行うことにより測定することができる。なお、通常、チタン基材の表層からは、雰囲気中に存在する有機物等の吸着に起因する炭素が検出される。本明細書では、有機物等が吸着したチタン基材の表層部分(コンタミ層)を除いた部分が「最表面」に相当する。この最表面から深さ10nmの位置での炭素濃度が10原子%を超えている場合、チタン基材を作製するための圧延等の工程中に、チタン基材の表層に加工油や雰囲気中に存在する有機物等が浸入しているか、又はそれらがチタンと反応してチタンカーバイド等を形成している可能性がある。チタン基材の表層に加工油や有機物等の汚染やチタンカーバイド等が存在すると、後記する酸化処理工程で熱処理を行った際に、チタン基材からチタンが炭素粒子間への外方拡散が起こり難くなる場合があり、炭素粒子がチタン基材の表面に結合し難くなる。その結果、表面層が形成され難くなる場合がある。
従って、チタン基材の最表面から深さ10nmの位置での炭素濃度が10原子%を超える場合、塗布工程を行う前に、後記する炭素濃度低減処理工程を行うことが好ましい。なお、圧延加工プロセスを適宜調整することで、チタン基材の最表面から深さ10nmの位置での炭素濃度を低く抑えることもできる。
(酸化処理工程)
本実施形態に係る製造方法は、上記塗布工程の後に、チタン基材を酸化雰囲気下で熱処理し、酸化チタン層を形成する工程を含む。酸化処理工程において、炭素粒子5が塗布されたチタン基材2が酸化雰囲気下で熱処理されると、チタン基材2中のチタンが炭素粒子5の間に外方拡散し、その外方拡散したチタンの一部又は全部が酸化されて酸化チタン層4を形成する。これにより、酸化チタン層4中に炭素粒子5が分散した表面層3が形成される。
酸化雰囲気は、熱処理によりチタンが酸化して酸化チタンが形成される雰囲気であれば、特に制限されるものではないが、酸素分圧が25Pa以下である低酸素分圧を有することが好ましい。酸化処理工程における酸素分圧が25Paを超えると、炭素粒子が燃焼して二酸化炭素になり、炭素粒子が消失する可能性がある。また、炭素粒子の酸化分解が生じるとともに、チタン基材の表面が露出した部分でチタンの酸化が過剰に起こり、酸化チタン層が厚くなり過ぎる場合がある。そのため、酸素分圧は、25Pa以下であることが好ましく、20Pa以下であることがより好ましく、15Pa以下であることがさらに好ましく、10Pa以下であることが特に好ましい。酸素分圧は、減圧により、又はArガスや窒素ガス等の不活性ガスを用いることにより、適宜調整することができる。また、酸素分圧は、酸化促進の観点から、0.05Pa以上であることが好ましく、0.1Pa以上であることがより好ましく、0.5Pa以上であることがさらに好ましい。熱処理の温度は、例えば、300~800℃の温度範囲であり、500~750℃であることが好ましい。酸素分圧及び熱処理の温度がそれぞれ前記した範囲である場合、チタン基材2から外方拡散したチタン原子の一部又は全部が雰囲気中の微量の酸素と反応して酸化チタンとなり、酸化チタンと炭素粒子が混合した表面層を容易に形成することができる。
熱処理の時間は、熱処理の温度や酸素分圧等の条件を考慮して、適宜選択できる。熱処理の時間は、例えば、熱処理の温度が500℃の場合は10分~60分であり、700℃の場合は1~2分である。
本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材の製造方法は以上の通りであるが、本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材の製造方法は、表面に残存した炭素粒子を除去するために、以下の洗浄工程をさらに含むことが好ましい。すなわち、一実施形態に係る燃料電池用セパレータ材の製造方法は、ブラシを用いて、前記表面層上に存在する余剰な前記炭素粒子を除去する洗浄工程を含む。表面の余剰な炭素粒子を除去することにより、隣接することになるセパレータ材との接着性を確保することができる。また、前記ブラシの繊維径は、前記凹部内に入り込まない程度の大きさを有することが好ましい。具体的には、前記ブラシの繊維径が、前記凹部の径よりも大きいことが好ましい。ブラシの繊維径を凹部に入り込まない程度の大きさに設定することにより、チタン基材の凹部に充填された炭素粒子を除去せずに、表面層の表面に存在する余剰の炭素粒子を除去することができる。
本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材の製造方法は以上の通りであるが、前記したように、チタン基材の最表面から深さ10nmの位置での炭素濃度が10原子%以下であることが好ましい。該位置での炭素濃度が10原子%以下である場合、酸化処理工程における熱処理により、チタン基材から炭素粒子間へのチタン原子の外方拡散を効率的に生じさせることができる。従って、必要に応じて、塗布工程の前に、炭素濃度低減処理工程を行うことが好ましい。以下、炭素濃度低減処理工程について説明する。なお、以下の炭素濃度低減処理は、チタン基材表面に形成された凹部が失われない程度に行われるべきである。
炭素濃度低減処理工程は、塗布工程の前に、チタン基材の表面を処理して、基材表面の炭素濃度を低くする工程である。具体的には、炭素濃度低減処理工程は、チタン基材の最表面に存在する有機物等による汚染領域やチタンカーバイドが形成されている領域を除去する工程である。一般的に、これらの領域が除去された後、チタン基材表面には自然酸化皮膜が形成される。炭素濃度低減処理工程では、最表面から深さ10nmの位置での炭素濃度を10原子%以下にすることが好ましい。
炭素濃度低減処理工程は、例えば、フッ酸を含む酸性水溶液でチタン基材を酸洗する工程を含む。フッ酸を含む酸性水溶液は、フッ酸以外に、硝酸、硫酸又は過酸化水素等を含んでもよい。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。例えば、フッ酸と硝酸の混合水溶液の場合、フッ酸の濃度は0.1~5.0質量%であることが好ましく、0.5~2.0質量%であることがより好ましい。硝酸の濃度は、1.0~20質量%であることが好ましく、2.0~10質量%であることがより好ましい。また、例えば、フッ酸と過酸化水素の混合水溶液の場合、フッ酸の濃度は、0.1~5.0質量%であることが好ましく、0.5~2.0質量%であることがより好ましい。過酸化水素の濃度は、1.0~20質量%であることが好ましく、2.0~10質量%であることがより好ましい。なお、酸洗処理に用いる水溶液の組成や濃度の例を挙げたが、これらに限定されるものではない。
炭素濃度低減処理工程を行うことで、チタン基材表面の炭素濃度を低減することができる。具体的には、例えば、前記した位置での炭素濃度が10原子%を超えている場合であっても、当該位置での炭素濃度を10原子%以下とすることができる。
酸洗処理における酸性水溶液の温度は、例えば、室温である。また、酸性水溶液の温度は、処理速度等の観点から、10~90℃の範囲で適宜調整することが好ましい。浸漬時間は、適宜調整することができ、例えば、1~30分であり、5~10分である。これらの条件は、チタン基材の最表面から深さ10nmの位置での炭素濃度に応じて適宜設定することができる。
なお、炭素濃度低減処理工程での処理方法としては、前記した酸洗処理に限定されるものではない。炭素濃度低減処理工程として、例えば、真空中(例えば1.3×10-3Pa未満)で650℃以上の温度で熱処理することにより、炭素をチタン基材中に拡散させる方法や、ショットブラストや研磨等により炭素濃度が高い層を物理的に除去する方法等も適用可能である。
本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材の製造方法は、以上に述べた工程以外の工程を任意に含むことができる。例えば、圧延工程の後に、圧延油を除去する脱脂工程を含んでもよい。塗布工程と酸化処理工程との間に塗布面を乾燥する乾燥工程を含んでもよい。さらに、酸化処理工程の後に、熱処理で生じた長さ方向のチタン基材の反りを矯正して、平坦化させる矯正工程(レベリング工程)を含んでもよい。なお、矯正は、例えば、テンションレベラー、ローラーレベラー又はストレッチャーを用いることにより行うことができる。さらに、酸化処理工程又はその後の洗浄工程の後に、非酸化条件下で加熱処理することによりチタン基材と表面層との密着性を向上させる安定化処理工程を含んでもよい。また、上記工程を終えた燃料電池用セパレータ材を所定の寸法に裁断する裁断工程を含んでいてもよい。これらの工程はいずれも任意の工程であり、必要に応じて行うことができる。
本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材の製造方法は、具体的には、圧延工程、焼鈍工程、塗布工程、酸化処理工程、洗浄工程、及び安定化処理工程を含むことができる。圧延工程により、圧延油を用い、オイルピットが形成される条件でチタン基材を圧延する。次に、焼鈍工程により、圧延時の加工硬化等を取り除く。焼鈍工程は、不活性ガス雰囲気中で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、Arガス、窒素ガス、窒素ガス及び水素ガスの混合ガス等が挙げられる。次に、塗布工程により、例えばカーボンブラック等の炭素粒子をチタン基材上に塗布する。次に、酸化処理工程により、酸化チタン層を炭素粒子間に形成し、表面層を形成する。次に、洗浄工程により、表面層上の余剰な炭素粒子をブラシで除去する。適宜、水洗いを行ってもよい。次に、安定化処理工程において、非酸化条件下で加熱処理することにより、チタン基材と表面層との密着性を向上させる。
(燃料電池用セパレータの製造方法)
本実施形態に係る燃料電池用セパレータ材を用いて燃料電池用セパレータを作製するには、燃料電池用セパレータ材に対して、ガスを流通させるガス流路及び当該ガス流路にガスを導入するガス導入口を形成させるプレス成形工程を行うことが好ましい。
プレス成形は、例えば、所望の形状を有する成形用金型(例えば、ガス流路及びガス導入口を形成する成形用金型)を装着したプレス成形装置を用いて行うことができる。なお、必要に応じて、成形時に潤滑剤を使用してもよい。潤滑剤を用いてプレス成形する場合は、潤滑剤を除去するための工程をプレス成形工程後に行うことが好ましい。
以下に、本実施形態について実施例に基づき説明する。
[実施例]
(圧延工程)
純チタンからなる基材を、圧延油を用いて圧延し、オイルピットを有するチタン基材を作製した。
(焼鈍工程)
次に、上記チタン基材を不活性ガス環境下において750℃で焼鈍した。
(塗布工程)
炭素粒子として、市販のカーボンブラック含有塗料(Aqua Black-162、東海カーボン(株)製)を用いた。この塗料を蒸留水とエタノールを用いて希釈した後、アクリル樹脂を添加してカーボンブラック分散塗料を調製した。そして、このカーボンブラック分散塗料を、バーコーターによってチタン基材の両面に塗布した。
(酸化処理工程)
酸化処理は、サンプル室及び加熱室を備える熱処理炉を用いて行った。まず、カーボンブラック分散塗料を塗布したチタン基材を熱処理炉のサンプル室に配置した。次に、炉内を真空ポンプで0.001Pa以下に排気した。次に、加熱室の温度を650℃に昇温させた。次に、炉内に酸素を導入した。次に、チタン基材をサンプル室から加熱室に搬送し、650℃で加熱した。その後、チタン基材をサンプル室に戻して冷却した。
(洗浄工程)
チタン基材が100℃以下に冷えた後、炉内を大気圧に戻し、チタン基材を取り出した。その後、チタン基材の表面に存在する余剰のカーボンブラックを、繊維径がオイルピットの径よりも十分に大きいブラシを用いて除去した。
以上の工程により、試験片を作製した。該試験片のSEM断面画像を図5に示す。
また、上記試験片に加え、オイルピットの形成割合が変わるように圧延工程を実施したこと以外は、上記実施例と同様にして、複数の試験片を作製した。
作製した試験片について、表面層の表面のうち前記凹部に充填された炭素粒子が占める割合を測定した。表面のうち凹部に充填された炭素粒子が占める割合の測定方法は、EPMA分析にて下記条件及び方法にて算出した。
EPMA分析でのC面積率算出条件
・装置:日本電子(JEOL)製X線マイクロアナライザー(EPMX) JXA8800RL
・加速電圧:10kV
・測定元素:C
・測定範囲:0.5mm×0.5mm
方法
Cの存在領域をマッピングして画像を二値化し、視野面積に対するCの存在領域の面積率を算出する。3視野測定してその平均値を算出する。
また、作製した試験片(同じもの)の2枚を貼り合わせ、抵抗及び接着力を測定した。表面層の表面において凹部に炭素粒子が充填された炭素粒子充填部分の割合と、抵抗及び接着力の結果の関係を表1に示す。
Figure 0007201445000001
1 燃料電池用セパレータ材
2 チタン基材
3 表面層
4 チタン層
5 炭素粒子

Claims (1)

  1. 表面に凹部を有するチタン基材と、前記チタン基材の表面上に形成された表面層と、を備える燃料電池用セパレータ材であって、
    前記表面層は、酸化チタン層と、該酸化チタン層中に分散した炭素粒子と、を含み、
    前記炭素粒子は、前記凹部内の前記表面層の上にも充填されており、
    前記凹部が、オイルピットであり、
    前記炭素粒子の平均粒径が、20~200nmであり、
    前記表面層の表面のうち前記凹部に充填された前記炭素粒子が占める割合が、5~30%である、燃料電池用セパレータ材。
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