JP2017162658A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】セパレータとガス拡散層とが接触する領域において排水性を高めて、高いガス拡散性を確保することができる燃料電池を提供する。【解決手段】燃料電池は、電解質膜および電解質膜を挟むように配置された一対の電極層を含む膜電極接合体と、膜電極接合体を挟むように配置された第1ガス拡散層および第2ガス拡散層と、第1ガス拡散層および第2ガス拡散層をそれぞれ介して膜電極接合体を挟むように配置された第1セパレータおよび第2セパレータと、を備える単セルを、複数有する。複数の単セルのうちの少なくとも1つの単セルにおいて、第1セパレータは、第1ガス拡散層側に突出する複数の第1凸部を有し、第1凸部の先端部は、曲面形状を有しており、第1凸部は、第1ガス拡散層と当接している。【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池のセパレータの改良に関する。
燃料電池は、電解質膜と、電解質膜を挟む一対の電極(アノードおよびカソード)とを有する膜電極接合体(MEA)を含む。MEAは、さらに一対のガス拡散層で挟まれ、各ガス拡散層の外側には一対のセパレータが配置される。セパレータには、ガスの流路が形成されており、この流路を通って、ガス状の燃料や酸化剤が各電極に供給される。例えば、特許文献1では、燃料電池のセパレータのガス拡散層側の主面に、間隔をあけて複数の円柱状のリブを設け、隣接するリブ間にガスの流路を形成している。
特許文献1では、リブが円柱状であるため、リブの先端とガス拡散層とが接触する面が平坦で、この接触自体も平面接触となる。そのため、リブの先端とガス拡散層とが接触する平坦部領域において、発電中に発生する水が排水され難くなり、リブ下のガス拡散性が低減することがある。
本発明の目的は、セパレータとガス拡散層とが接触する領域において排水性を高めて、高いガス拡散性を確保することができる燃料電池を提供することである。
本発明の一局面は、電解質膜および前記電解質膜を挟むように配置された一対の電極層を含む膜電極接合体と、
前記膜電極接合体を挟むように配置された第1ガス拡散層および第2ガス拡散層と、
前記第1ガス拡散層および前記第2ガス拡散層をそれぞれ介して前記膜電極接合体を挟むように配置された第1セパレータおよび第2セパレータと、
を備える単セルを、複数有する燃料電池であって、
前記複数の単セルのうちの少なくとも1つの単セルにおいて、
前記第1セパレータは、前記第1ガス拡散層側に突出する複数の第1凸部を有し、
前記第1凸部の先端部は、曲面形状を有しており、
前記第1凸部は、前記第1ガス拡散層と当接している、燃料電池に関する。
前記膜電極接合体を挟むように配置された第1ガス拡散層および第2ガス拡散層と、
前記第1ガス拡散層および前記第2ガス拡散層をそれぞれ介して前記膜電極接合体を挟むように配置された第1セパレータおよび第2セパレータと、
を備える単セルを、複数有する燃料電池であって、
前記複数の単セルのうちの少なくとも1つの単セルにおいて、
前記第1セパレータは、前記第1ガス拡散層側に突出する複数の第1凸部を有し、
前記第1凸部の先端部は、曲面形状を有しており、
前記第1凸部は、前記第1ガス拡散層と当接している、燃料電池に関する。
本発明によれば、燃料電池のセパレータとガス拡散層とが接触する領域において排水性を高めることができる。よって、この領域におけるガス拡散性の低下を抑制することができ、高いガス拡散性を確保することができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池は、電解質膜および電解質膜を挟むように配置された一対の電極層を含む膜電極接合体(MEA)と、膜電極接合体を挟むように配置された第1ガス拡散層および第2ガス拡散層と、第1ガス拡散層および第2ガス拡散層をそれぞれ介して膜電極接合体を挟むように配置された第1セパレータおよび第2セパレータと、を備える単セルを、複数有する。ここで、複数の単セルのうちの少なくとも1つの単セルにおいて、第1セパレータは、第1ガス拡散層側に突出する複数の第1凸部を有し、第1凸部の先端部は、曲面形状を有しており、第1凸部は、第1ガス拡散層と当接している。
従来は、セパレータのガス拡散層側の主面に形成された凸部は、円柱状などの柱状であり、凸部の頂面とガス拡散層とが接触することになる。そのため、凸部とガス拡散層との接触は平面同士の接触となる。その結果、凸部の先端部とガス拡散層とが接触する領域において、発電中に発生する水が動きにくいため排水され難くなり、ガス拡散性が低下する。
本実施形態では、第1ガス拡散層側に突出し、かつ第1ガス拡散層と当接する、先端部が曲面形状を有する複数の第1凸部を有する第1セパレータを用いる。第1凸部の先端部を曲面形状とすることで、第1凸部と第1ガス拡散層とを曲面の接触とすることができる。第1凸部と第1ガス拡散層とが接触する領域では、第1凸部の先端部の一部が、第1ガス拡散層にめり込んでいる。その結果、この領域において、水が第1凸部の先端部の中心から見たときに外側に向かって動きやすい。これにより、第1ガス拡散層と第1セパレータの積層方向において、第1ガス拡散層に第1凸部を投影させた領域の排水性を高めることができるため、ガス拡散性の低下を抑制できる。よって、第1凸部と第1ガス拡散層とが接触する領域において、高いガス拡散性を確保することができる。
複数の単セルを有する燃料電池において、少なくとも1つの単セルにつき、第1セパレータに上記のような第1凸部を形成すればよく、2つ以上の単セル(例えば、全ての単セル)において上記のような第1凸部を有する第1セパレータを用いてもよい。必要に応じて、複数の単セルのうち、水が溜まり易い領域(例えば、最も外側に)に位置する一部の単セルにおいて、上記の第1凸部を有する第1セパレータを用いてもよい。
また、第2セパレータについても第1セパレータと類似の形状を有するものを用いてもよい。具体的には、第2セパレータは、第2ガス拡散層側に突出し、第2ガス拡散層と当接する複数の第2凸部を有していてもよい。ここで、第2凸部の先端部は、曲面形状を有していることが好ましい。
以下、図面を参照しながら、本実施形態についてより詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る燃料電池(高分子電解質型燃料電池)の一部を概略的に示す縦断面図である。図1には、燃料電池が有する複数の単セルを含むスタックのうち、単セルの積層方向における中心付近の単セルを示す。図示例では、燃料電池は、第1単セル1と、第1単セル1と隣接する第2単セル2とを、少なくとも有している。各単セル1,2は、それぞれ、MEA5と、MEA5の両側に形成された第1ガス拡散層6aおよび第2ガス拡散層6bと、第1ガス拡散層6aおよび第2ガス拡散層6bのそれぞれの外側に配置された第1セパレータ7aおよび第2セパレータ7bと、を備えている。つまり、MEA5と、第1セパレータ7aとの間には、第1ガス拡散層6aが介在し、MEA5と、第2セパレータ7bとの間には、第2ガス拡散層6bが介在している。そして、MEA5は、一対の電極層4a,4bと、これらの電極層4aおよび4bの間に配置された電解質膜(高分子電解質膜)3と、を備える。
図1は、本実施形態に係る燃料電池(高分子電解質型燃料電池)の一部を概略的に示す縦断面図である。図1には、燃料電池が有する複数の単セルを含むスタックのうち、単セルの積層方向における中心付近の単セルを示す。図示例では、燃料電池は、第1単セル1と、第1単セル1と隣接する第2単セル2とを、少なくとも有している。各単セル1,2は、それぞれ、MEA5と、MEA5の両側に形成された第1ガス拡散層6aおよび第2ガス拡散層6bと、第1ガス拡散層6aおよび第2ガス拡散層6bのそれぞれの外側に配置された第1セパレータ7aおよび第2セパレータ7bと、を備えている。つまり、MEA5と、第1セパレータ7aとの間には、第1ガス拡散層6aが介在し、MEA5と、第2セパレータ7bとの間には、第2ガス拡散層6bが介在している。そして、MEA5は、一対の電極層4a,4bと、これらの電極層4aおよび4bの間に配置された電解質膜(高分子電解質膜)3と、を備える。
MEA5は、一対の電極層4a,4b(具体的には、アノードおよびカソード)と、これらの間に介在する電解質膜3とを含む。電極層4a,4bは触媒層とも呼ばれ、電解質膜3とこれを挟持する電極層4a,4bを、触媒層膜接合体(CCM)とも言う。MEA5において、電極層4aは、第1ガス拡散層6aで覆われており、電極層4bは、第2ガス拡散層6bで覆われている。
第1セパレータ7aおよび第2セパレータ7bのそれぞれは、面方向における中央部に位置し、かつ少なくとも電極層4a,4bに対向する矩形の中央領域Cと、この中央領域Cの周縁に位置し、かつ中央領域Cをループ状に取り囲む周縁領域Pと、を備えている。
第1単セル1について、第1セパレータ7aは、中央領域Cにおいて、複数の第1凸部8を有しており、第1凸部8は、第1ガス拡散層6a側に突出しており、第1ガス拡散層6aと当接している。図示例では、第2セパレータ7bは、中央領域Cにおいて、複数の第2凸部9を有している。第2凸部9は、第2ガス拡散層6b側に突出し、第2ガス拡散層6bと当接している。図示例では、第2単セル2も、第1単セル1と同様の構造を有している。
第1セパレータ7aと第1ガス拡散層6aとの間において、隣接する第1凸部8間には隙間が形成されており、この隙間がガスの流路Fgを構成している。同様に、第2セパレータ7bと第2ガス拡散層6bとの間にも、ガスの流路Fgが形成されている。
隣接する第1単セル1および第2単セル2では、第1単セル1の第1セパレータ7aと、第2単セル2の第2セパレータ7bとが対向している。そして、これらのセパレータ7a,7b間には、隙間が形成されており、この隙間は冷却媒体の流路FLを構成している。第1単セル1の第1セパレータ7aと第2単セル2の第2セパレータ7bとの間において、周縁領域Pには、冷却媒体をシールするためのシール層S1が配設されている。また、第1単セル1および第2単セル2のそれぞれにおいて、中央領域Cの端部および周縁領域Pには、電解質膜3を挟むように、第1セパレータ7aと第2セパレータ7bとの間に一対のシール部S2が配設されており、セル外へのガスのリークを規制している。
より具体的に説明すると、第1単セル1の第1セパレータ7aは、複数の第1凸部8と表裏一体の複数の第1凹部18を備えており、第1凹部18は、第2単セルの第2セパレータ7bと対向している。同様に、第2単セル2の第2セパレータ7bは、複数の第2凸部9と表裏一体の複数の第2凹部19を備えており、第2凹部19は、第1単セル1の第1セパレータ7aと対向している。ここで、「表裏一体」とは第1凸部8(または第2凸部9)の反対側が第1凹部18(または第2凹部19)を構成していることを言い、この状態と類似する状態のことも合わせて本明細書では「表裏一体」と言う。この状態には、例えば、第1凸部(または第2凸部)が形成されることで、同時に第1凹部(または第2凹部)が形成される場合も含まれる。
図2に、図1の第1凸部8(または第2凸部9)を概略的に示す拡大断面図を示す。図1では、第2凸部9は、第1凸部8とは反対向きに突出した形状となっているが、図2では、便宜上第1凸部8と同じ向きに突出した状態(つまり、図1の第2セパレータ7bを上下反転させた状態)で示している。
第1セパレータ7a(または第2セパレータ7b)は、板状に延びる第1板部7a1(または第2板部7b1)と、第1板部7a1(または第2板部7b1)から突出する第1凸部8(または第2凸部9)を備えている。第1凸部8(または第2凸部9)は、先端部8a(または先端部9a)と、先端部8a(または先端部9a)の根元よりも拡径された基部8b(または基部9b)とを備えている。先端部8aは、第1ガス拡散層側に向かって凸となる曲面形状を有している。先端部9aは、第2ガス拡散層側に向かって凸となる曲面形状を有している。第1凹部18は第1凸部8の先端部8aとは反対側(基部8b側)に開口部を有しており、第2凹部19も、第2凸部9の先端部9aとは反対側(基部9b側)に開口部を有する。
第1単セル1の第1セパレータ7aの第1板部7a1と、第2単セル2の第2セパレータ7bの第2板部7b1とは当接しているが、隣接する第1凹部18の開口部と第2凹部19の開口部とは対向している。そのため、各第1凹部18が、複数の第2凹部19のうちの少なくとも2つの第2凹部19と重なるように配置すると、第1凹部18と、第1凹部18と重なる少なくとも2つの第2凹部19とが連通した状態となる。このような連通状態(または連通部)は、第1セパレータ7aおよび第2セパレータ7bの面方向の複数箇所において形成されていることが好ましい。第1凹部18と第2凹部19との連通部が第1セパレータ7aと第2セパレータ7bの面方向において広がることで、連通する第1凹部18および第2凹部19において冷媒流路FLが形成される。特に、連通部を第1方向と直交する第2方向に沿って延びるように形成すると、冷却媒体により効率よく冷却することができる。また、第1板部7a1と第2板部7b1とが直接当接することで、第1単セルの第1セパレータ7aと第2単セルの第2セパレータが当接することになり、燃料電池スタックの低背化が可能となる。
図1に示されるように、複数の単セルの積層方向に平行な方向において、第1単セル1(または第2単セル2)における第1凸部8の先端部8aと第2凸部9の先端部9aとは重なるようにすることが好ましい。この場合、複数の単セルを締結する時の圧力による電解質膜3の変形を抑制することができるとともに、接触抵抗を低減することができる。重なり合う第1凸部8と第2凸部9において、先端部8aを単セルの積層方向に投影した面積と、先端部9aを単セルの積層方向に投影した面積との重なりが、先端部8aの投影面積に占める比率は、例えば、50〜100%であり、60〜100%であることが好ましい。
第1凸部8(または第2凸部9)は、全体として曲面形状であることが好ましく、特に先端部8a(または先端部9a)では緩やかな曲面形状の部分を頂部に有することが好ましい。先端部8a(または先端部9a)の頂部の曲率半径は、基部8b(または基部9b)の曲率半径よりも大きい方が好ましい。この場合、高い排水性を確保しながらも、第1セパレータ7a(または第2セパレータ7b)と第1ガス拡散層6a(または第2ガス拡散層6b)との間の接触抵抗を低く抑えることができる。また、第1ガス拡散層6a(または第2ガス拡散層6b)を安定に支持することができるとともに、電解質膜3の変形を抑制することができる。
なお、第1凸部8(または第2凸部9)の先端部8a(または先端部9a)とは、第1凸部8(または第2凸部9)の頂点から、第1凸部8(または第2凸部9)の高さhの半分(h/2)までの領域を言うものとする。また、先端部8a(または先端部9a)の頂部8c(または頂部9c)では、曲率半径が大きくなっている。そして、図1に示すように、この先端部8a(または先端部9a)の頂部8c(または頂部9c)の少なくとも一部において、凸部8(または凸部9)は、第1ガス拡散層6a(または第2ガス拡散層6b)の主面に当接している。
また、第1凸部8(または第2凸部9)の基部8b(または基部9b)とは、先端部8a(または先端部9a)よりも下の領域、つまり、第1凸部8(または第2凸部9)の底部から第1凸部8(または第2凸部9)の高さhの半分よりも下の領域を言うものとする。
先端部8a(または先端部9a)の頂部8c(または頂部9c)の曲率半径R1は、例えば、1.0mm〜10.0mmであり、1.6mm〜6.0mmであることが好ましく、2.0mm〜4.0mmであることがより好ましい。曲率半径R1と基部8b(または基部9b)の曲率半径R2との比(=R2/R1)は、0.2〜0.7であることが好ましく、0.3〜0.6であることがさらに好ましい。曲率半径R1や曲率半径の比がこのような範囲である場合、高い排水性と、低い接触抵抗とのバランスを取り易い。なお、基部8b(または基部9b)が、複数の曲率半径を有する場合には、最小の曲率半径を上記曲率半径R2とする。
第1凸部8(または第2凸部9)の先端部の形状は、球面状や球面に類似の形状であることが好ましい。このような第1凸部8(または第2凸部9)は、上から見たとき、円形または円に類似の形状である。これらの場合、第1凸部8(または第2凸部9)が第1ガス拡散層(または第2ガス拡散層)に食い込み、第1凸部8(または第2凸部9)の先端部8a(または9a)の表面では、外周側が第1板部7a1(または7b1)に向かって傾斜しているので、排水性をさらに高めることができる。
ガスをできるだけ均一に拡散させる観点からは、複数の第1凸部8(または第2凸部9)において、凸部の形状や大きさはできるだけ揃っていることが好ましい。
図3は、図1における第1セパレータ7aの概略上面図である。第1セパレータ7aは、矩形の外形を有しており、矩形の中央領域Cと、中央領域Cを取り囲む周縁領域Pとを備えている。中央領域Cは、第1ガス拡散層全体に対向するように形成される。中央領域Cには、複数の第1凸部8が間隔をあけて形成されており、隣接する第1凸部8間に形成される隙間がガスの流路Fgを構成している。周縁領域Pには、ガス流路Fgにガスを供給するためのガス入口13およびガス流路Fgからガスを排出するガス出口14、ならびにセパレータ7aの裏面に冷却媒体を供給し、もしくは冷却媒体を排出するためのマニホールド15が設けられている。
ガス入口13から供給されたガスは、第1セパレータ7aの長さ方向の両端部に広がるように斜めに形成された複数の流路13aを通って、中央領域Cの幅方向の一端部に設けられたガス供給部11に供給される。そして、ガス供給部11から、中央領域Cの幅方向の他端部に設けられたガス排出部12に向かって、ガス流路Fgをガスが流れる。ガス入口13から供給されたガスは、ガス供給部11からガス排出部12に向かってガス流路Fgを流れ、ガス排出部12を経て流路14aを通ってガス出口14から排出される。
第1セパレータ7a(の中央領域C)におけるガス拡散性が高まるよう、第1セパレータ7aにおいて、複数の第1凸部8は、複数列に並んで配置されていることが好ましい。特に、図3に示すように、複数の第1凸部8を、第1方向と直交する第2方向に沿って複数列に配置すると、第1方向に沿って流れるガスが第1凸部8とぶつかり易くなり、ガスの拡散性を高め易くなる。このとき、隣接する2列間において、第1凸部8の並びが互い違いになるようにすると、ガスの拡散性をさらに高めることができる。
第1凸部8の並びが互い違いになる場合について、隣接する2列の第1凸部8、例えば、第1列21および第2列22の2列に着目して、より具体的に説明する。第1列21と第2列22との間において、隣接する2つの第1凸部21a,22a(の中心同士)を結ぶ直線Lが、第1方向と交差するようにする。このとき、直線Lが、第1方向と鋭角をなすように第1凸部8を配列させると、ガスの進行方向に第1凸部8が存在する確率が高まるため、ガスが第1凸部8にぶつかることで第1凸部8をガスが回り込むこととなり、ガスの拡散性が高まる。また、第1凸部8の先端部8aは、第1ガス拡散層に凸の曲面形状を有するため、第1凸部8にぶつかったガスは、第1ガス拡散層に押し当てられる方向に流れる。よって、MEAにガスを供給し易くなるとともに、第1セパレータ7aと第1ガス拡散層とが接触する領域における排水性を高めることができる。なお、第1凸部(または第2凸部)の中心とは、第1凸部(または第2凸部)の平面図における(つまり、上面から見たときの)第1凸部(または第2凸部)の中心点である。
直線Lが、第1方向となす角度θは、例えば、45°以下であり、30°以下または20°以下であることが好ましい。ただし、θは0°より大きく、5°以上であってもよい。
なお、第1方向とは、第1セパレータ7aにおいて、ガス供給部11からガス排出部12に向かってガスが平均的に流れる方向である。第1方向を、ガス供給部11からガス排出部12を最短距離で結ぶ方向とすることができる。第2方向は、第1方向と直交する方向だけでなく、直行する方向から少しずれていてもよい。第2方向と第1方向とがなす角度は、例えば、90°±10°の範囲であってもよい。また、第1凸部8の隣接する列(例えば、第1列21および第2列22)は、必ずしも第2方向に平行な場合だけでなく、平行な場合から少しずれていてもよい。第1凸部8の隣接する列について、各列の第1凸部8の中心を通る直線は、平行であるか、もしくは交差する場合には、その角度は、0°より大きく10°以下であってもよい。
なお、第1方向とは、第1セパレータ7aにおいて、ガス供給部11からガス排出部12に向かってガスが平均的に流れる方向である。第1方向を、ガス供給部11からガス排出部12を最短距離で結ぶ方向とすることができる。第2方向は、第1方向と直交する方向だけでなく、直行する方向から少しずれていてもよい。第2方向と第1方向とがなす角度は、例えば、90°±10°の範囲であってもよい。また、第1凸部8の隣接する列(例えば、第1列21および第2列22)は、必ずしも第2方向に平行な場合だけでなく、平行な場合から少しずれていてもよい。第1凸部8の隣接する列について、各列の第1凸部8の中心を通る直線は、平行であるか、もしくは交差する場合には、その角度は、0°より大きく10°以下であってもよい。
ガスの拡散性を高める観点からは、流れるガスができるだけ第1凸部8にぶつかるように(ガスができるだけ第1方向に沿って直進しないように)、第1凸部8のサイズと隣接する第1凸部8間の距離も重要である。そのため、第1凸部8の基部の平均最大径よりも、同じ列において隣接する2つの第1凸部8間の幅wが小さいことが好ましい。例えば、第1凸部8の幅wは、第1凸部の基部の平均最大径の、例えば10〜80%であり、20〜70%であることが好ましい。なお、この基部の平均最大径に対する凸部の幅wの比率は、第1凸部の場合について記載したが、第2凸部の場合にも上記のような範囲とすることができる。
第1凸部8の基部8bの平均最大径は、例えば、1.0〜7.0mmであり、1.6〜6.0mmであることが好ましく、2.0〜4.0mmであることがより好ましい。第2凸部9の基部9bの平均最大径も同様の範囲から適宜選択できる。
燃料電池では、アノード側に水素ガスが供給され、カソード側に酸素ガスなどの酸化剤が供給される。水素ガスは、酸化剤に比べて圧力損失が小さいため、ガス流路を通過し易いのに対し、酸化剤はガス流路を通過し難い。また、カソード側では発電により水が発生し易い。そのため、カソード側セパレータにおいて、ガス流路が広くなるように、凸部のサイズを調節してもよい。具体的には、第1セパレータ7aがアノード側セパレータであり、第2セパレータ7bがカソード側セパレータである場合には、第2凸部9の基部9bの平均最大径を、第1凸部8の基部8bの平均最大径よりも小さくしてもよい。この場合、第2凸部9の基部9bの平均最大径は、第1凸部8の基部8bの平均最大径の、例えば、50〜99%とすることが好ましく、60〜95%または70〜90%とすることがさらに好ましい。
なお、第1凸部8の基部の平均最大径とは、任意に選択された複数の第1凸部8について、各第1凸部8の基部の最大径dを計測し、平均化することにより求められる値である。また、同じ列において隣接する2つの第1凸部8間の幅wとは、同じ列において隣接する2つの第1凸部8の外縁間の距離(最短距離)、つまり、同じ列において隣接する2つの第1凸部8間に形成される隙間の幅である。幅wとして、任意に選択された複数箇所(例えば、10箇所)について計測された幅wの平均値を用いてもよい。
第2方向に沿う第1凸部8の隣接する2つの列において、隣接する2つの第1凸部8間の幅pは、例えば、0.2〜5.0mmであり、0.3〜2.0mmであることが好ましい。隣接する2列において、隣接する2つの第1凸部8間の幅pとは、隣接する2列において隣接する2つの第1凸部8の外縁間の距離(最短距離)、すなわち、隣接する2列において隣接する2つの第1凸部8間に形成される隙間の幅である。このような第1凸部8間の幅pとして、任意に選択された複数箇所(例えば、10箇所)について計測された幅の平均値を用いてもよい。
第1凸部8の高さhは、例えば、0.3〜5.0mmであり、0.6〜3.0mmであることが好ましく、0.7〜2.5mmであることがより好ましい。第2凸部9の高さhも同様の範囲から適宜選択できる。第1凸部8の高さ(または第2凸部9)の高さhとは、第1凸部8(または第2凸部9)の底部から頂点までの最短距離である。第1凸部8(または第2凸部9)の高さとして、任意に選択された複数の第1凸部8(または第2凸部9)について、各第1凸部8(または第2凸部9)の高さを計測し、平均化することにより求められる平均値を用いてもよい。
なお、上述の理由から、カソード側セパレータにおいて、ガス流路が広くなるように、凸部の高さを大きくしてもよい。具体的には、第1セパレータ7aがアノード側セパレータであり、第2セパレータ7bがカソード側セパレータである場合には、第2凸部9の高さを、第1凸部8の高さよりも大きくしてもよい。この場合、第2凸部9の高さは、第1凸部8の高さの、例えば、101〜150%とすることが好ましく、110〜140%または110〜130%とすることがさらに好ましい。
ガスをできるだけ均一に拡散させる観点から、複数の第1凸部8は、できるだけ均等な間隔で配置することが好ましい。例えば、図3のAの領域に示すように、中心の1つの第1凸部8と、この1つの第1凸部8を取り囲む6つの第1凸部8とに着目する。このとき、周囲の6つの第1凸部8の中心点がそれぞれ正六角形Hの頂点となり、この正六角形の中心点が、上記の中心の1つの第1凸部8の中心点となるように複数の第1凸部8を配置することが好ましい。
複数の第1凸部8と表裏一体の第1凹部には、導電性材料が充填されていてもよい。同じく、複数の第2凸部と表裏一体の第2凹部に、導電性材料が充填されていてもよい。導電性材料は、第1凹部および第2凹部の少なくとも一方に充填することができる。凹部に充電性材料を充填すると、例えば第1単セル1と隣接する第2単セル2が接する面において、接触抵抗をさらに低下させ易くなる。
導電性材料は、複数の第1凹部のうちの少なくとも一部(および/または複数の第2凹部のうちの少なくとも一部)に充填してもよい。例えば、第2方向に沿う複数の列において1列または複数列(例えば、2〜3列)おきに、1列または複数列(例えば、2〜3列)に導電性材料を充填してもよい。より具体的には、図3において、第2方向に沿う複数の第1凸部8の第1列21と、この第1列21に隣接する複数の第1凸部8の第2列22と、第2列22に隣接し、第1列21とは反対側に位置する複数の第1凸部8の第3列23との連続する3列に着目する。このとき、第2列22の第1凸部8の裏面の第1凹部には導電性材料を充填せずに、第1列21と第3列23の第1凸部8の裏面の第1凹部に導電性材料を充填してもよい。
導電性材料としては、カーボンブラック、黒鉛などの導電性炭素材料など、燃料電池の分野で使用される公知の材料を特に制限なく用いることができる。
導電性材料としては、カーボンブラック、黒鉛などの導電性炭素材料など、燃料電池の分野で使用される公知の材料を特に制限なく用いることができる。
なお、図3には、第1セパレータ7aの場合について説明したが、第2セパレータ7bが第2凸部9を有する場合も同じであり、上記と同様に説明することができる。
図4は、図3のIVの領域を拡大した概略斜視図である。図4には、第1セパレータ7aの長さ方向(図3の第2方向と同じ方向)の一端部とその周辺における第1凸部8の状態を示す。第1セパレータ7aの中央領域Cにおいて、第2方向の両端部(マニホールド15近傍の中央領域Cの両端部)には、第1セパレータ7aの幅方向(図3の第1方向と同じ方向)に沿うように周壁部20が形成されている。周壁部20が形成されていることで、ガスが流れる領域が画定される。つまり、周壁部20により、第1セパレータ7a上を流れるガスが、周壁部20よりも外側に流れ込むことが規制される。この周壁部20付近において、第2方向の端部に位置する第1凸部8は、周壁部20と接触していてもよく、図示するように周壁部20と一体化していてもよい。この場合、第1セパレータ7aの周壁部20に沿って流れるガスが、周壁部20と接触または一体化した第1凸部8にぶつかるため、周壁部20に沿ってガスが直進することが抑制され、第2方向の両端部におけるガス拡散性を高めることができる。
なお、図4における第1板部7a1は、第2セパレータ7bにおいては第2板部7b1に相当する。
なお、図4における第1板部7a1は、第2セパレータ7bにおいては第2板部7b1に相当する。
また、図1における連通路では、複数の第1凹部のそれぞれが、複数の第2凹部のうちの少なくとも2つの第2凹部と重なるように配置されており、第1凹部と、第1凹部と重なる少なくとも2つの第2凹部とが連通している。ただし、複数の第1凹部のうち少なくとも一部の第1凹部、具体的には、第1セパレータの周壁部と接触または一体化している第1凸部と表裏一体の第1凹部(つまり、マニホールド15近傍の中央領域Cの端部に形成された第1凹部)以外の各第1凹部が、このように少なくとも2つの第2凹部と連通していればよい。上記端部に形成された第1凹部は、この場合に限らず、第1凹部と重なる第2凹部の個数が、他の第1凹部に比べて少なくてもよい。例えば、他の第1凹部が2つの第2凹部と重なる場合には、上記端部に形成された第1凹部は、1つの第2凹部と重なっていてもよい。例えば、他の第1凹部が3つまたは4つの第2凹部と重なる場合には、上記端部に形成された第1凹部は、2つの第2凹部と重なっていてもよい。
図5(a)および図5(b)により具体的に説明する。図5(a)および図5(b)は、それぞれ、単セルのスタックにおいて、第1単セルの第1セパレータ7aと、第2単セルの第2セパレータ7bとが対向する部分を模式的に示す拡大断面図である。
図5(a)に示される断面の位置では、第1単セルの第1セパレータ7aは、列に並んだ複数の第1凹部18を有している。この第1凹部18のうち、マニホールド近傍の中央領域Cの両端部に配置された2つの第1凹部18e1および18e2は、周壁部20とは接触も一体化もしていない。このような第1凹部18e1および18e2は、同じ列のこれらの第1凹部以外の第1凹部18と同じく、2つの第2凹部19と重なって連通している。
図5(b)に示される断面の位置でも、第1単セルの第1セパレータ7aは、列に並んだ複数の第1凹部18を有しているが、この第1凹部18のうち、マニホールド近傍の中央領域Cの両端部に配置された2つの第1凹部18e3および18e4は、周壁部20と一体化している。このような第1凹部18e3および18e4は、それぞれ、1つの第2凹部19とのみ重なって連通している。これに対し、第1凹部18e3および18e4と同じ列のこれら以外の第1凹部18は、2つの第2凹部と重なって連通している。
なお、複数の第1凹部の配列の状態にもよるが、1つの第1セパレータ7aにおいて、図5(a)および図5(b)の状態が混在していてもよく、いずれか一方の状態のみであってもよい。例えば、図3の第1セパレータ7aは、第2列22の第1方向の中心に沿う断面は、図5(b)に示すような形状であり、第1列21の第1方向の中心に沿う断面は、図5(a)に示すような形状である。なお、図5(a)および図5(b)では、マニホールド近傍の中央領域Cの両端部において、第1凹部が同じように第2凹部と重なる状態を示したが、この場合に限らず、それぞれの端部において第1凹部が重なる第2凹部の個数が異なっていてもよい。例えば、一方の端部において、図5(a)の第1凹部18e1のように2つの第2凹部19と重なり、他方の端部において、図5(b)の第1凹部18e4のように1つの第2凹部19と重なっていてもよい。
以下、各構成要素について具体的に説明する。
本発明の特徴は、セパレータの構造にあり、それ以外の構成については公知のものが特に制限なく使用できる。
本発明の特徴は、セパレータの構造にあり、それ以外の構成については公知のものが特に制限なく使用できる。
(MEA)
電極層4a,4bは、それぞれ、例えば、イオン交換樹脂および触媒粒子、場合によって触媒粒子を担持する炭素粒子を含む。イオン交換樹脂は、触媒粒子と電解質膜とを接続し、両者間においてプロトンを伝達する役割を果たす。このイオン交換樹脂としては、例えば、電解質膜(高分子電解質膜)3を構成する高分子材料が使用できる。このような高分子材料としては、パーフルオロスルホン酸系高分子、炭化水素系高分子などが例示される。
電極層4a,4bは、それぞれ、例えば、イオン交換樹脂および触媒粒子、場合によって触媒粒子を担持する炭素粒子を含む。イオン交換樹脂は、触媒粒子と電解質膜とを接続し、両者間においてプロトンを伝達する役割を果たす。このイオン交換樹脂としては、例えば、電解質膜(高分子電解質膜)3を構成する高分子材料が使用できる。このような高分子材料としては、パーフルオロスルホン酸系高分子、炭化水素系高分子などが例示される。
触媒粒子としては、Sc、Y、Ti、Zr、V、Nb、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Os、Ir、ランタノイド系列元素やアクチノイド系列の元素の中から選ばれる合金や単体といった触媒金属が挙げられる。
炭素粒子としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ等を用いることができる。
電極層4a,4bの厚さは、それぞれ、例えば、10μm以上40μm以下である。
炭素粒子としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ等を用いることができる。
電極層4a,4bの厚さは、それぞれ、例えば、10μm以上40μm以下である。
第1ガス拡散層6aおよび第2ガス拡散層6bは、それぞれ、例えば、導電性撥水層とこれを支持する基材層とを含む。導電性撥水層は、導電剤と撥水剤を含む。導電性撥水層に含まれる導電剤としては、カーボンブラックなど、燃料電池の分野で使用される公知の材料を特に制限なく用いることができる。導電性撥水層に含まれる撥水剤は、ポリテトラフルオロエチレンなど、燃料電池の分野で使用される公知の材料を特に制限なく用いることができる。
基材層としては、導電性の多孔質材料が用いられる。導電性の多孔質材料としては、カーボンペーパーなど、燃料電池の分野で使用される公知の材料を特に制限なく用いることができる。多孔質材料は、撥水剤を含んでいてもよい。撥水剤は、導電性撥水層について記載したものから適宜選択できる。
電解質膜3としては、高分子電解質膜が好ましい。高分子電解質膜としては、例えば、燃料電池で従来から使用されているプロトン伝導性高分子膜を特に制限なく使用できる。具体的には、パーフルオロスルホン酸系高分子膜、炭化水素系高分子膜などを好ましく使用できる。パーフルオロスルホン酸系高分子膜としては、例えば、Nafion(登録商標)などが挙げられる。
電解質膜3の厚みは、例えば、10〜50μmである。
電解質膜3の厚みは、例えば、10〜50μmである。
(セパレータ)
第1セパレータ7aおよび第2セパレータ7bの材質としては、それぞれ、公知のものが特に制限なく使用できる。セパレータの材質は、例えば、炭素材料、金属材料などを用いることができる。ただし、本発明のセパレータ形状を形成するには、プレス成型が適するため、金属材料がより好ましい。金属材料には、カーボンを被覆してもよい。
第1セパレータ7aおよび第2セパレータ7bの材質としては、それぞれ、公知のものが特に制限なく使用できる。セパレータの材質は、例えば、炭素材料、金属材料などを用いることができる。ただし、本発明のセパレータ形状を形成するには、プレス成型が適するため、金属材料がより好ましい。金属材料には、カーボンを被覆してもよい。
各セパレータの複数の凸部が形成される側の主面には、複数の凸部により気体状の燃料または酸化剤を供給するためのガス流路Fgが形成されている。アノード側セパレータには、燃料流路が形成され、カソード側セパレータには、酸化剤流路が形成される。
各セパレータの凸部とは反対側の主面には、冷却媒体(冷却水など)を供給するための流路FLが形成される。凸部と表裏一体となる凹部が形成される場合には、この凹部が流路FLを構成する。しかし、冷却媒体の流路FLの形状はこの場合に限定されない。隣接する2つの単セルにおいて、対向する第1セパレータと第2セパレータとの間の平均距離は、例えば、200〜1000μmであり、300〜500μmであることが好ましい。この平均距離は、例えば、単セルの積層方向における断面の電子顕微鏡写真から、任意の複数の箇所(例えば、10箇所)について、隣接する単セル間の対向する第1セパレータと第2セパレータとの間の距離を計測し、平均化することにより求めることができる。
各セパレータの厚みは、例えば、300〜600μmであることが好ましい。
各セパレータの厚みは、例えば、300〜600μmであることが好ましい。
セパレータは、上記の材質で形成されたシートを、第1凸部8(または第2凸部9)に対応する形状の凹部を備えた金型を用いて成形することにより得ることができる。第1凸部8(または第2凸部9)と第1凹部18(または第2凹部19)とを有するセパレータは、第1凹部18(または第2凹部19)に対応する形状の凸部を備えた金型に、上記の材質で形成されたシートを押し付け、第1凹部18(または第2凹部19)と第1凸部8(または第2凸部9)とを一度に成形することにより得ることができる。
(シール層、シール部)
シール層S1は、隣接する単セル間で対向する第1セパレータ7aと第2セパレータ7bの間において、周縁領域Pに配設される。一対のシール部S2は、各単セルにおいて、第1セパレータ7aと第2セパレータ7bとの間で、中央領域Cの周縁部(端部)および周縁領域Pにおいて、電解質膜3を挟むように形成される。シール層S1およびシール部S2としては、それぞれ、公知の材質および公知の構成が採用できる。
シール層S1は、隣接する単セル間で対向する第1セパレータ7aと第2セパレータ7bの間において、周縁領域Pに配設される。一対のシール部S2は、各単セルにおいて、第1セパレータ7aと第2セパレータ7bとの間で、中央領域Cの周縁部(端部)および周縁領域Pにおいて、電解質膜3を挟むように形成される。シール層S1およびシール部S2としては、それぞれ、公知の材質および公知の構成が採用できる。
シール層S1は、周縁領域Pにおいて、冷却媒体のマニホールド15よりも外側に、隣接する単セルの対向する第1セパレータ7aと第2セパレータ7bとの間に配設される。シール層S1は、熱硬化性樹脂で構成してもよく、熱可塑性樹脂で構成してもよい。また、シール層S1は、繊維などの補強材を含んでもよい。さらにシール層S1としては、Oリングのようなゴム系のシールも使用できる。
シール部S2は、電極層4a,4bおよびガス拡散層6a,6bの周縁をループ状に取り囲むように形成された枠体と、この枠体と電極層4a,4bとガス拡散層6a,6bとの間に配される接着剤層とで構成してもよい。枠体や接着剤層を構成する接着剤としては、公知のものが使用される。例えば、接着剤としては熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。枠体は、熱硬化性樹脂で構成してもよく、熱可塑性樹脂で構成してもよい。また、枠体は、繊維などの補強材を含んでもよい。
本発明に係る燃料電池は、MEAを準備し、MEAを第1ガス拡散層および第2ガス拡散層で挟持し、第1ガス拡散層および第2ガス拡散層を介してMEAを第1セパレータおよび第2セパレータで挟持することにより単セルを組み立て、複数の単セルを積層することにより製造することができる。各工程については、それぞれ公知の手順が採用できる。
本発明に係る燃料電池は、例えば、自動車、携帯電子機器、アウトドアレジャー用電源、非常用バックアップ電源等に適している。
1:第1単セル、2:第2単セル、3:電解質膜、4a,4b:電極層、5:MEA、6a:第1ガス拡散層、6b:第2ガス拡散層、7a:第1セパレータ、7b:第2セパレータ、7a1:第1板部、7b1:第2板部、8:第1凸部、8a:第1凸部の先端部、8b:第1凸部の基部、9:第2凸部、9a:第2凸部の先端部、9b:第2凸部の基部、8c:第1凸部の先端部の頂部、9c:第2凸部の先端部の頂部、11:ガス供給部、12:ガス排出部、13:ガス入口、13a,14a:流路、14:ガス出口、15:冷却媒体のマニホールド、18:第1凹部、19:第2凹部、C:中央領域、P:周縁領域、Fg:ガス流路、FL:冷却媒体流路、S1:シール層、S2:シール部、IV,A:領域、20:周壁部、21:第2方向に沿う複数の第1凸部の第1列、22:第2方向に沿う複数の第1凸部の第2列、23:第2方向に沿う複数の第1凸部の第3列、21a,22a:隣接する2つの第1凸部、L:第1凸部21aの中心と第1凸部22aの中心とを結ぶ直線、θ:直線Lが第1方向となす角度、d:第1凸部の最大径、w:第2方向に沿う同じ列において隣接する2つの第1凸部間の幅、H:6つの第1凸部の中心を結んで形成される正六角形、p:第2方向に沿う隣接する2列において隣接する2つの第1凸部間の幅
Claims (10)
- 電解質膜および前記電解質膜を挟むように配置された一対の電極層を含む膜電極接合体と、
前記膜電極接合体を挟むように配置された第1ガス拡散層および第2ガス拡散層と、
前記第1ガス拡散層および前記第2ガス拡散層をそれぞれ介して前記膜電極接合体を挟むように配置された第1セパレータおよび第2セパレータと、
を備える単セルを、複数有する燃料電池であって、
前記複数の単セルのうちの少なくとも1つの単セルにおいて、
前記第1セパレータは、前記第1ガス拡散層側に突出する複数の第1凸部を有し、
前記第1凸部の先端部は、曲面形状を有しており、
前記第1凸部は、前記第1ガス拡散層と当接している、燃料電池。 - 前記第1凸部は、前記先端部の根元よりも拡径された基部を備え、
前記先端部の頂部の曲率半径は、前記基部の曲率半径より大きい、請求項1に記載の燃料電池。 - 前記第1セパレータは、ガス供給部とガス排出部とを備え、
前記ガス供給部から前記ガス排出部に向かう第1方向と直交する第2方向に沿って、前記複数の第1凸部は、複数列に配置されており、
隣接する2列間において、隣接する2つの前記第1凸部の中心間を結ぶ直線は、前記第1方向と鋭角をなす、請求項1または2に記載の燃料電池。 - 同じ列において隣接する2つの前記第1凸部間の幅は、前記基部の平均最大径よりも小さい、請求項3に記載の燃料電池。
- 前記第1セパレータにおいて、前記第2方向の端部に位置する前記第1凸部は、ガスが流れる領域を画定する周壁部と一体化している、請求項3または4に記載の燃料電池。
- 前記第2セパレータは、前記第2ガス拡散層側に突出する複数の第2凸部を有し、
前記第2凸部の先端部は、曲面形状を有しており、
前記第2凸部は、前記第2ガス拡散層と当接しており、
前記複数の単セルの積層方向に平行な方向において、前記単セルにおける前記第1凸部の先端部と前記第2凸部の先端部とが重なっている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池。 - 前記第1セパレータはアノード側セパレータであり、前記第2セパレータはカソード側セパレータであり、
前記第1凸部は、前記先端部の根元よりも拡径された基部を備え、
前記第2凸部は、先端部と、前記先端部の根元よりも拡径された基部と、を備え、
前記第2凸部の前記基部の平均最大径は、前記第1凸部の前記基部の平均最大径よりも小さい、請求項6に記載の燃料電池。 - 前記第1セパレータはアノード側セパレータであり、前記第2セパレータはカソード側セパレータであり、
前記第2凸部の高さは、前記第1凸部の高さよりも大きい、請求項6または7に記載の燃料電池。 - 隣接する2つの第1単セルおよび第2単セルにおいて、前記第1単セルの前記第1セパレータと、前記第2単セルの前記第2セパレータとは当接しており、
前記第1単セルの前記第1セパレータは、前記複数の第1凸部と表裏一体で、かつ前記第2単セルの前記第2セパレータと対向する複数の第1凹部を備え、
前記第2単セルの前記第2セパレータは、前記第2ガス拡散層側に突出する複数の第2凸部を有すると共に、前記複数の第2凸部と表裏一体で、かつ前記第1単セルの前記第1セパレータと対向する複数の第2凹部を備え、
少なくとも一部の前記第1凹部が、前記複数の第2凹部のうちの少なくとも2つの前記第2凹部と重なるように配置されており、前記第1凹部と、前記第1凹部と重なる少なくとも2つの前記第2凹部とが連通している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料電池。 - 前記複数の第1凹部および前記複数の第2凹部のうち、少なくとも一方の少なくとも一部に、導電性材料が充填されている、請求項9に記載の燃料電池。
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- 2016-03-09 JP JP2016045873A patent/JP2017162658A/ja active Pending
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