JP2005267868A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却面の金属露出部の面積を、電極反応面に対応する面積に近似させることができ、前記電極反応面内の温度分布を低減して良好な発電性能を確保することを可能にする。
【解決手段】第1金属プレート14の面14a、14bには、第1シール部材65が一体化される。第1シール部材65は、冷却面である面14bにおいて、電極反応面66に対面する部分及び入口バッファ部34a、44と出口バッファ部34b、50を除いて一体化される。第1シール部材65の膨出部65bは、冷却媒体流路42を構成する最外周の溝部62aaに略接しており、電極反応面66の外周に沿って冷却媒体が流れることを阻止する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電解質を一対の電極で挟んだ電解質・電極構造体を有し、前記電解質・電極構造体を一対の金属セパレータで挟持して積層するとともに、積層方向に貫通して反応ガス供給連通孔、反応ガス排出連通孔、冷却媒体供給連通孔及び冷却媒体排出連通孔が形成され、さらに前記金属セパレータと前記電解質・電極構造体との間には、電極反応面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成される一方、積層される金属セパレータ間には、冷却媒体を供給する冷却媒体流路が形成される燃料電池に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池は、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒と多孔質カーボンからなるアノード側電極及びカソード側電極を対設して構成される電解質膜・電極構造体を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持する単セルにより構成されている。通常、燃料電池では、この単セルを所定の数だけ積層したスタックが使用されている。
この種の燃料電池において、アノード側電極には、燃料ガス(反応ガス)、例えば、主に水素を含有するガス(以下、水素含有ガスともいう)が供給される一方、カソード側電極には、酸化剤ガス(反応ガス)、例えば、主に酸素を含有するガスあるいは空気(以下、酸素含有ガスともいう)が供給されている。アノード側電極に供給された燃料ガスは、電極触媒上で水素がイオン化され、電解質膜を介してカソード側電極側へと移動する。その間に生じた電子は外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。
上記の燃料電池では、例えば、カーボン製セパレータよりも強度に優れ且つ薄肉化が容易な金属薄板製のセパレータ(以下、金属セパレータともいう)を用い、この金属セパレータにプレス加工を施して所望の反応ガス流路を成形することにより、該金属セパレータの厚さの減少を図って燃料電池全体を小型化且つ軽量化する工夫がなされている。
この種の金属セパレータでは、シール部材が一体成形されるとともに、冷却面で金属が露出されることにより、前記金属セパレータに対面する電解質膜・電極構造体の電極反応面の温度制御が容易に行われるように構成している。例えば、特許文献1では、図7に示すように、金属製のセパレータ本体1に射出成形法によりシール材2が一体成形されて燃料電池セパレータ3が製造されている。
この燃料電池セパレータ3の中央部4には、セパレータ本体1の金属部分が露出しており、前記中央部4には、凹凸状のパターン5を介して冷媒流路6が設けられている。この冷媒流路6は、対角位置に設けられた通路7a、7bを介して連通孔8a、8bに連通している。
特開平11−129396号公報(図8)
ところで、上記の特許文献1では、燃料電池セパレータ3の冷却面とは反対側の反応面側には、図示しない電極の電極反応面9が対面している。その際、セパレータ本体1の金属露出部である中央部4は、電極反応面9の面積に比べて大きな面積に設定されており、前記電極反応面9の面内温度分布が大きくなってしまう。これにより、燃料電池スタックを構成する単位セル(燃料電池)の発電性能にばらつきが生じるという問題が指摘されている。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、冷却面の金属露出部の面積を電極反応面に対応する面積に近似させることができ、前記電極反応面内の温度分布を低減して良好な発電性能を確保することが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、電解質を一対の電極で挟んだ電解質・電極構造体を有し、前記電解質・電極構造体を一対の金属セパレータで挟持して積層するとともに、積層方向に貫通して反応ガス連通孔及び冷却媒体連通孔が形成され、さらに前記金属セパレータと前記電解質・電極構造体との間には、前記電極に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成される一方、積層される金属セパレータ間には、冷却媒体を供給する冷却媒体流路が形成される燃料電池である。
金属セパレータは、冷却媒体流路が形成される冷却面側に冷却媒体連通孔と冷却媒体流路とを連結するバッファ部を設けるとともに、少なくとも前記冷却面側には、電極の電極反応面に対面する部分及び前記バッファ部を除いてシール部材が一体化されている。
また、バッファ部は、金属セパレータの四隅に設けられることが好ましい。このため、四隅のバッファ部により反応ガスを供給及び排出することができ、前記反応ガスを電極反応面に均一に供給することが可能になる。
さらに、バッファ部は、略三角形状に形成されることが好ましい。従って、バッファ部に傾斜部が設けられ、連通孔を相関的な形状に設定することにより、前記バッファ部と前記連通孔とが専有する面積を小さくすることができる。
さらにまた、反応ガス連通孔は、燃料ガス供給連通孔、酸化剤ガス供給連通孔、燃料ガス排出連通孔及び酸化剤ガス排出連通孔を備えるとともに、冷却媒体連通孔は、冷却媒体供給連通孔及び冷却媒体排出連通孔を備え、前記燃料ガス供給連通孔、前記酸化剤ガス供給連通孔、前記冷却媒体供給連通孔、前記燃料ガス排出連通孔、前記酸化剤ガス排出連通孔及び前記冷却媒体排出連通孔の6つの連通孔は、金属セパレータの両側に3つずつ分配して設けられることが好ましい。
これにより、金属セパレータの両側のみに連通孔を設ければよく、前記金属セパレータの高さ方向の寸法が有効に短尺化される。このため、燃料電池を車両に搭載する際に、床下の狭小なスペースに良好に配置することが可能になる。
また、反応ガス流路は、サーペンタイン流路を構成しており、前記サーペンタイン流路の折り返し部分と連通孔外周部分のシール部材とは、金属セパレータを挟んで端部同士が互いに略同一位置に配置されることが好ましい。
本発明によれば、金属セパレータの冷却面、すなわち、シール部材から外部に露呈する金属露呈面は、電極反応面及びバッファ部に対応する部分以外の面積が可及的に削減される。このため、発熱反応が起こる電極反応面に対応する部分のみに冷却媒体が流れて前記電極反応面の外周に冷却媒体が流れることを阻止することができ、該電極反応面内の温度分布を有効に縮小させることが可能になる。これにより、簡単な構成で、燃料電池の発電性能のばらつきを抑制することができ、効率的且つ良好な発電が遂行可能になる。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池10の要部分解斜視図である。
燃料電池10は、電解質膜・電極構造体(MEA)12とセパレータ13とを交互に水平方向(矢印A方向)に積層して構成されるとともに、このセパレータ13は、互いに積層される第1及び第2金属プレート14、16を備える。
燃料電池10の矢印B方向の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔(反応ガス連通孔)20a、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔22a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔(反応ガス連通孔)24bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
燃料電池10の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔(反応ガス連通孔)24a、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔22b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔(反応ガス連通孔)20bが、矢印C方向に配列して設けられる。
電解質膜・電極構造体12は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜26と、該固体高分子電解質膜26を挟持するアノード側電極28及びカソード側電極30とを備える。アノード側電極28及びカソード側電極30は、冷却媒体入口連通孔22a及び冷却媒体出口連通孔22bを避けるように、矢印B方向両端部中央を内方に切り欠いて構成される。
アノード側電極28及びカソード側電極30は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子を前記ガス拡散層の表面に一様に塗布した電極触媒層とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜26の両面に接合されている。
図1及び図2に示すように、第1金属プレート14のカソード側電極30と対面する面(MEA面)14aには、酸化剤ガス流路(反応ガス流路)32が設けられるとともに、この酸化剤ガス流路32は、酸化剤ガス入口連通孔20aと酸化剤ガス出口連通孔20bとに連通する。酸化剤ガス流路32は、酸化剤ガス入口連通孔20a及び酸化剤ガス出口連通孔20bに近接して設けられる略三角形状の入口バッファ部34a及び略逆三角形状の出口バッファ部34bに連通する。
入口バッファ部34a及び出口バッファ部34bは、例えば、複数のエンボス又はディンプルによって形成されており、酸化剤ガス入口連通孔20a及び酸化剤ガス出口連通孔20bに連通する。入口バッファ部34aと出口バッファ部34bとは、酸化剤ガス流路32を構成する複数の酸化剤ガス流路溝32aに連結路36a、36bを介して連通している。酸化剤ガス流路溝32aは、矢印B方向に蛇行しながら矢印C方向に延在しており、具体的には、矢印B方向に一往復半だけ屈曲するサーペンタイン流路を構成している。
第1金属プレート14と第2金属プレート16との互いに対向する面14b、16aには、冷却媒体流路42が一体的に形成される。図3に示すように、冷却媒体流路42は、冷却媒体入口連通孔22aの矢印C方向両端近傍に設けられる、例えば、2つの入口バッファ部44、46と、冷却媒体出口連通孔22bの矢印C方向両端近傍に設けられる、例えば、2つの出口バッファ部48、50とを備える。
冷却媒体入口連通孔22aと入口バッファ部44、46とは、それぞれ複数の入口流路溝52、54を介して連通する一方、冷却媒体出口連通孔22bと出口バッファ部48、50とは、それぞれ複数の出口流路溝56、58を介して連通する。
冷却媒体流路42は、矢印C方向に所定間隔ずつ離間し且つ矢印B方向に延在する複数の直線状流路溝60と、前記直線状流路溝60の矢印B方向両端縁部に配置され、矢印B方向に所定間隔ずつ離間し且つ矢印C方向に延在する直線状流路溝62とを有する。冷却媒体流路42は、第1金属プレート14と第2金属プレート16とに振り分けられており、前記第1及び第2金属プレート14、16を互いに重ね合わせることによって、前記冷却媒体流路42が形成される。
図4に示すように、第1金属プレート14の面(冷却面)14bには、冷却媒体流路42の一部が形成される。なお、面14bには、面14aに形成された酸化剤ガス流路32が凸状に突出しているが、冷却媒体流路42を分かり易くするために、該凸状の部分は図示を省略する。また、図5に示す第2金属プレート16の面16aでも同様に、面16bに形成された燃料ガス流路68が前記面16aに凸状に突出する部分は図示を省略する。
面14bには、冷却媒体入口連通孔22aに連通する入口バッファ部44と、冷却媒体出口連通孔22bに連通する出口バッファ部50とが設けられる。面14bには、それぞれ直線状流路溝60、62の一部を構成する溝部60a、62aが、矢印B方向及び矢印C方向に所定の長さにわたって設けられる。
第1金属プレート14の面14a、14bには、この第1金属プレート14の外周縁部を周回して第1シール部材65が射出成形等により一体的に設けられる。第1シール部材65は、平坦シールを構成するとともに、面14aには、図2に示すように、酸化剤ガス入口連通孔20a、酸化剤ガス出口連通孔20b及び酸化剤ガス流路32を覆って酸化剤ガスの洩れ止めを行う線状シール65aを有する。線状シール65aの一部は、連結路36a、36bを形成する仕切り壁を構成している。
図4に示すように、面14bに設けられる第1シール部材65は、面14aでカソード側電極30の電極反応面66に対面する部分及び入口バッファ部34a、44と出口バッファ部34b、50を除いて、前記面14bに一体化される。
具体的には、面14aにサーペンタイン流路である酸化剤ガス流路32が形成されることにより、面14bには、サーペンタイン流路である冷却媒体流路42の一部が形成されている。サーペンタイン流路を構成し且つ電極反応面66の矢印B方向両端位置に対応する外方溝部62aa、62aaと、第1シール部材65の膨出部65b、65bとは、互いに略接する位置に形成される。
膨出部65b、65bは、面14a側の酸化剤ガス流路32の折り返し部に対応しており、この折り返し部と前記膨出部65b、65bとは、第1金属プレート14の両面14a、14bで、すなわち、前記第1金属プレート14を挟んで端部同士が互いに隙間のない状態(略同一位置)に配置されている。
図5に示すように、第2金属プレート16の面(冷却面)16aには、入口バッファ部46と出口バッファ部48とが設けられる。面16aには、それぞれ直線状流路溝60、62の一部を構成する溝部60b、62bが、矢印B方向及び矢印C方向に所定の長さにわたって設けられる。冷却媒体流路42には、矢印B方向に延在する直線状流路溝60の一部がそれぞれの溝部60a、60bを互いに対向させることにより、流路断面積を他の部分の2倍に拡大して主流路が構成されている(図3参照)。
図6に示すように、第2金属プレート16の電解質膜・電極構造体12に向かう面(MEA面)16bには、燃料ガス流路68が設けられる。燃料ガス流路68は、燃料ガス入口連通孔24aに近接して設けられる略三角形状の入口バッファ部70aと、燃料ガス出口連通孔24bに近接して設けられる略逆三角形状の出口バッファ部70bとに連通する。
入口バッファ部70a及び出口バッファ部70bは、複数の連結路72a、72bを介して燃料ガス入口連通孔24a及び燃料ガス出口連通孔24bに連通する。燃料ガス流路68を構成する複数の燃料ガス流路溝68aは、矢印B方向に蛇行しながら矢印C方向に延在しており、具体的には、矢印B方向に一往復半だけ屈曲するサーペンタイン流路を構成している。
第2金属プレート16の面16a、16bには、この第2金属プレート16の外周縁部を周回して第2シール部材76が射出成形等により一体的に設けられる。第2シール部材76は、平坦シールを構成するとともに、面16aには、図5に示すように、冷却媒体入口連通孔22a、冷却媒体出口連通孔22b及び冷却媒体流路42を覆って冷却媒体の漏れ止めを行う線状シール76aが設けられる。
第2シール部材76は、アノード側電極28の電極反応面78に対面する部分及び入口バッファ部46、70aと出口バッファ部48、70bを除いて、面16aに一体化される。第2シール部材76は、面16aに燃料ガス流路68の折り返し部に対応して膨出部76b、76bが設けられるとともに、前記折り返し部と前記膨出部76b、76bとは、第2金属プレート16の両面16b、16aで、すなわち、前記第2金属プレート16を挟んで端部同士が互いに略同一位置に配置される。電極反応面78の矢印B方向両端位置に対応する外方溝部62bb、62bbと、膨出部76b、76bとは、互いに略接する位置に形成される。
面16bには、図6に示すように、燃料ガス入口連通孔24a、燃料ガス出口連通孔24b及び燃料ガス流路68を覆って燃料ガスの洩れ止めを行う線状シール76cが設けられる。線状シール76aの一部は、入口流路溝52、54及び出口流路溝56、58を形成する仕切り壁を構成している(図5参照)。線状シール76cの一部は、連結路74a、74bを形成する仕切り壁を構成している(図6参照)。
第1及び第2金属プレート14、16が積層されると、前記第1金属プレート14の入口バッファ部44及び出口バッファ部50は、前記第2金属プレート16の出口バッファ部70b及び入口バッファ部70aと積層方向に重なるとともに、前記第1金属プレート14の入口バッファ部34a及び出口バッファ部34bは、前記第2金属プレート16の入口バッファ部46及び出口バッファ部48と積層方向に重なる。
このように構成される燃料電池10の動作について、以下に説明する。
図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔20aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔24aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔22aに純水やエチレングリコール等の冷却媒体が供給される。
酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔20aから第1金属プレート14の酸化剤ガス流路32に導入される。酸化剤ガス流路32では、図2に示すように、酸化剤ガスが一旦入口バッファ部34aに導入された後、複数の酸化剤ガス流路溝32aに分散される。このため、酸化剤ガスは、各酸化剤ガス流路溝32aを介して蛇行しながら、電解質膜・電極構造体12のカソード側電極30に沿って移動する。
一方、燃料ガスは、燃料ガス入口連通孔24aから第2金属プレート16の燃料ガス流路68に導入される。この燃料ガス流路68では、図6に示すように、燃料ガスが一旦入口バッファ部70aに導入された後、複数の燃料ガス流路溝68aに分散される。さらに、燃料ガスは、各燃料ガス流路溝68aを介して蛇行し、電解質膜・電極構造体12のアノード側電極28に沿って移動する。
従って、電解質膜・電極構造体12では、カソード側電極30に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極28に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
次いで、カソード側電極30に供給されて消費された酸化剤ガスは、出口バッファ部34bから酸化剤ガス出口連通孔20bに排出される(図2参照)。同様に、アノード側電極28に供給されて消費された燃料ガスは、出口バッファ部70bから燃料ガス出口連通孔24bに排出される(図6参照)。
一方、冷却媒体入口連通孔22aに供給された冷却媒体は、第1及び第2金属プレート14、16間に形成された冷却媒体流路42に導入される。この冷却媒体流路42では、図3に示すように、冷却媒体流路42が冷却媒体入口連通孔22aから矢印C方向に延在する入口流路溝52、54を介して入口バッファ部44、46に一旦導入される。
入口バッファ部44、46に導入された冷却媒体は、直線状流路溝60、62に分散されて水平方向(矢印B方向)及び鉛直方向(矢印C方向)に移動する。従って、冷却媒体は、電解質膜・電極構造体12の発電面全面にわたって供給された後、出口バッファ部48、50に一旦導入され、さらに出口流路溝56、58を介して冷却媒体出口連通孔22bに排出される。
この場合、本実施形態では、図4に示すように、第1金属プレート14の面14bには、カソード側電極30の電極反応面66に対面する部分及び入口バッファ部34a、44と出口バッファ部34b、50を除いて、第1シール部材65が一体化されている。従って、入口バッファ部46、44から冷却媒体流路42に冷却媒体を供給するとともに、前記冷却媒体流路42から出口バッファ部48、50に前記冷却媒体を排出することができる。
特に、第1シール部材65の膨出部65b、65bは、酸化剤ガス流路32の折り返し部に対応して膨出形成されており、第1金属プレート14の両面14a、14aで端面同士が互いに略同一位置に配置されている。このため、第1金属プレート14の冷却面、すなわち、第1シール部材65から外部に露呈する金属露呈面は、電極反応面66及び入口バッファ部34a、44と出口バッファ部34b、50に対応する部分以外の面積が可及的に削減される。
従って、カソード側電極30の電極反応面66の外周を通って冷却媒体が流れることを阻止することができ、前記電極反応面66内の温度分布を有効に縮小させることが可能になる。これにより、簡単且つ経済的な構成で、燃料電池10の発電性能のばらつきを抑制することができ、効率的且つ良好な発電が確実に遂行可能になるという効果が得られる。
なお、第2金属プレート16においても、第2シール部材76の膨出部76b、76bは、燃料ガス流路68の折り返し部に対応して膨出形成されている。このため、アノード側電極28の電極反応面78の外周を通って冷却媒体が流れることがなく、第1金属プレート14と同様の効果が得られる。
本発明の実施形態に係る燃料電池の要部分解斜視図である。 前記燃料電池を構成する第1金属プレートの一方の面の説明図である。 前記燃料電池を構成する冷却媒体流路の正面説明図である。 前記第1金属プレートの他方の面の説明図である。 前記燃料電池を構成する第2金属プレートの一方の面の説明図である。 前記第2金属プレートの他方の面の説明図である。 特許文献1の燃料電池セパレータの説明図である。
符号の説明
10…燃料電池 12…電解質膜・電極構造体
13…セパレータ 14、16…金属プレート
20a…酸化剤ガス入口連通孔 20b…酸化剤ガス出口連通孔
22a…冷却媒体入口連通孔 22b…冷却媒体出口連通孔
24a…燃料ガス入口連通孔 24b…燃料ガス出口連通孔
26…固体高分子電解質膜 28…アノード側電極
30…カソード側電極 32…酸化剤ガス流路
32a…酸化剤ガス流路溝
34a、44、46、70a…入口バッファ部
34b、48、50、70b…出口バッファ部
36a、36b、72a、72b、74a、74b…連結路
42…冷却媒体流路 52、54…入口流路溝
56、58…出口流路溝 60、62…直線状流路溝
65、76…シール部材 65a、76b、76c…線状シール
65b、76b…膨出部 68…燃料ガス流路
68a…燃料ガス流路溝

Claims (5)

  1. 電解質を一対の電極で挟んだ電解質・電極構造体を有し、前記電解質・電極構造体を一対の金属セパレータで挟持して積層するとともに、積層方向に貫通して反応ガス連通孔及び冷却媒体連通孔が形成され、さらに前記金属セパレータと前記電解質・電極構造体との間には、前記電極に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成される一方、積層される金属セパレータ間には、冷却媒体を供給する冷却媒体流路が形成される燃料電池であって、
    前記金属セパレータは、前記冷却媒体流路が形成される冷却面側に前記冷却媒体連通孔と前記冷却媒体流路とを連結するバッファ部を設けるとともに、
    少なくとも前記冷却面側には、前記電極の電極反応面に対面する部分及び前記バッファ部を除いてシール部材が一体化されることを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池において、前記バッファ部は、前記金属セパレータの四隅に設けられることを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項1又は2記載の燃料電池において、前記バッファ部は、略三角形状に形成されることを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1記載の燃料電池において、前記反応ガス連通孔は、燃料ガス供給連通孔、酸化剤ガス供給連通孔、燃料ガス排出連通孔及び酸化剤ガス排出連通孔を備えるとともに、前記冷却媒体連通孔は、冷却媒体供給連通孔及び冷却媒体排出連通孔を備え、
    前記燃料ガス供給連通孔、前記酸化剤ガス供給連通孔、前記冷却媒体供給連通孔、前記燃料ガス排出連通孔、前記酸化剤ガス排出連通孔及び前記冷却媒体排出連通孔の6つの連通孔は、前記金属セパレータの両側に3つずつ分配して設けられることを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記反応ガス流路は、サーペンタイン流路を構成しており、
    前記サーペンタイン流路の折り返し部分と連通孔外周部分の前記シール部材とは、前記金属セパレータを挟んで端部同士が互いに略同一位置に配置されることを特徴とする燃料電池。

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