JP7200639B2 - 光ファイバケーブル、光ファイバケーブルの製造方法、及び、光ファイバケーブルの製造装置 - Google Patents

光ファイバケーブル、光ファイバケーブルの製造方法、及び、光ファイバケーブルの製造装置 Download PDF

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本発明は、光ファイバケーブル、光ファイバケーブルの製造方法、及び、光ファイバケーブルの製造装置に関する。
特許文献1には、スロットロッドの外周に幅広の溝を複数設けた光ファイバケーブルが開示されている。この光ファイバケーブルでは、これらの溝それぞれに、複数の光ファイバ心線からなる光ファイバユニットが収納されている。
特開2016-133611号公報 特開2003-195131号公報 特開2018-017774号公報
特許文献1に記載の光ファイバケーブルでは、光ファイバ心線を含む光ユニットを収納する溝の幅が比較的広いことから、スロットロッドの外周に配置される外被又は押え巻きが溝に落ち込み、光ユニットを収納する空間を狭くしてしまう。収納する空間が狭くなると光ファイバ心線に微少な曲げ(マイクロベンド)が生じやすくなり、光伝送損失が増加する。そこで、多心高密度ケーブルでは、このような落ち込みを予め考慮に入れて、光ファイバ心線の収納密度が適正な範囲になるように設計を行う。このため、光ファイバケーブルの外径が太くなる傾向がある。
本発明は、一側面として、ケーブル外周を細径化することができる光ファイバケーブルを提供することを目的とする。また、本発明は、別側面として、このような光ファイバケーブルを製造する製造方法又は製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る光ファイバケーブルは、軸方向に沿って延びる溝を有するスペーサと、少なくとも1本の光ファイバ心線を有し、溝に収納される光ユニットと、を備える。スペーサの外周には、溝の開口部を塞ぐように開閉可能な蓋が設けられている。
本発明の一態様に係る光ファイバケーブルの製造方法は、軸方向に沿って延びる溝を有し、当該溝の開口部に対して開閉可能な蓋を外周に有するスペーサを送出しドラムから巻取りドラムに巻き替える過程において、スペーサの蓋を開口機器によって開くステップと、蓋を開くステップの後、スペーサの溝に、少なくとも1本の光ファイバ心線を有する光ユニットを収納するステップと、スペーサの蓋を閉じるステップと、を備える。
本発明の一態様に係る光ファイバケーブルの製造装置は、軸方向に沿って延びる溝を有し、当該溝の開口部に対して開閉可能な蓋を外周に有するスペーサを第1の位置から第2の位置へと送るための送出しドラム及び巻取りドラムと、スペーサの蓋を開くための開口機器と、スペーサに対して、少なくとも1本の光ファイバ心線を有する光ユニットを供給するボビンと、蓋が開いた状態のスペーサの溝に、ボビンから供給される光ユニットを収納させる供給機器と、を備える。
本発明の一態様によれば、ケーブル外周を細径化した光ファイバケーブルを提供することができる。
図1は、本実施形態に係る光ファイバケーブルの断面構成を示す図である。 図2は、図1に示す光ファイバケーブルに含まれるスペーサを示す図である。 図3は、図1に示す光ファイバケーブルの製造方法及び製造装置を示す図である。 図4の(a)は、図3に示す製造装置における開口目板を示し、図4の(b)は、図3に示す製造装置における集合目板を示す。 図5は、変形例に係る光ファイバケーブルの断面図を示す図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の一実施形態に係る光ファイバケーブルは、軸方向に沿って延びる溝を有するスペーサと、少なくとも1本の光ファイバ心線を有し、溝に収納される光ユニットと、を備える。スペーサの外周には、溝の開口部を塞ぐように、開閉可能な蓋が設けられている。
この光ファイバケーブルでは、溝の開口部を塞ぐように蓋が設けられている。この構成により、スペーサの外に配置される外被等が溝に落ち込んで光ユニットの収納空間を狭くしてしまうことを防止できる。よって、この光ファイバケーブルによれば、光ファイバ心線にマイクロベンドが生じることによって起こる光伝送損失の増加を抑制しつつ、ケーブルの外周を細径化することができる。また、この光ファイバケーブルでは、蓋が開閉可能な構成であるため、製造の際、溝に光ユニットを収納することを問題なく行える。
上記の光ファイバケーブルでは、スペーサの溝は、軸方向に沿って螺旋状に延びていてもよい。この構成によれば、光ファイバケーブルをドラムに巻いた際に全ての溝の軌跡の長さが等しくなり、溝内に収納された光ファイバに過度の圧縮または引張歪みが生じることがない。その結果、光ファイバの微小な曲がりによる光伝送損失の増加を更に抑制することができる。なお、螺旋状に形成される溝は、例えば、S状、Z状であってもよく、SZ状であってもよい。
上記の光ファイバケーブルでは、蓋の断面形状は、スペーサの内から外に向かう方向に凸形状であってもよい。この構成によれば、光ユニットを収納する空間をより一層広く確保することができる。従って、この態様の光ファイバケーブルによれば、光ファイバ心線にマイクロベンドが生じることによって起こる光伝送損失の増加を更に抑制することが可能となる。
上記の光ファイバケーブルでは、蓋は、溝をその間に画定する一対の側壁の一方の先端に連結され、長手方向に連続して形成されていてもよい。この構成によれば、蓋の開閉動作を容易に行うことができる。また、一部が既に固定されていることから、蓋を閉めた際の蓋全体の固定をより確実に行うことができる。また、この構成によれば、蓋と側壁の一方とが連続したスペーサを押し出し成形等により一体に作製することができるので、ケーブルの軸方向の寸法等を安定させると共に製造コストを低減することができる。なお、この構成において、蓋は、一方の側壁との連結部を軸として動作可能であってもよい。
上記の光ファイバケーブルでは、溝は、スペーサの内から外周に向かって幅が広がるように形成されていてもよい。この構成によれば、光ユニットを収納する空間をスペーサ内により広く確保することができる。スペーサの外周断面が例えば円形の場合、スペーサ内により効率的に光ユニットを収納する空間を確保することができる。このような溝は、例えばV字形状を呈することができる。
上記の光ファイバケーブルでは、蓋の厚みは、溝をその間に画定する一対の側壁の厚みよりも薄くてもよい。この構成によれば、光ユニットを収納する空間をより一層広く確保して光伝送損失の増加を抑制すると共に、ケーブル外周の細径化を図ることが可能となる。
上記の光ファイバケーブルでは、光ファイバ心線の外径が125μm以上190μm以下であってもよい。この構成によれば、より多くの光ファイバ心線を光ファイバケーブルに収納することができる。
上記の光ファイバケーブルでは、光ファイバ心線のクラッドの外径が80μm以上120μm以下であってもよい。この構成によれば、より多くの光ファイバ心線を光ファイバケーブルに収納することが可能となる。
上記の光ファイバケーブルでは、光ファイバ心線を、胴径280mmの胴面に#240のサンドペーパーを巻き付けたボビンに、張力8Nで巻き付けた際の波長1550nmでの光伝送損失の増加が5dB/km以下であってもよい。この場合、光伝送損失の増加を抑制した光ファイバケーブルとすることができる。
上記の光ファイバケーブルは、水を吸収するヤーンを更に備えてもよく、ヤーンは、溝に収納されていてもよい。この構成によれば、スペーサの溝に水が浸入した場合に走水してしまうことを抑制できる。特に上記の光ファイバケーブルは、溝を蓋で塞ぐ構成であり、外部から吸水テープ等を使用することが難しい。このため、吸水性のヤーンを溝に設けることで、蓋を有する構成を採用ししつ、溝に浸入した水の走水を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る光ファイバケーブルの製造方法は、軸方向に沿って延びる溝を有し、当該溝の開口部に対して開閉可能な蓋を外周に有するスペーサを送出しドラムから巻取りドラムに巻き替える過程において、スペーサの蓋を開口機器によって開くステップと、蓋を開くステップの後、スペーサの溝に、少なくとも1本の光ファイバ心線を有する光ユニットを収納するステップと、スペーサの蓋を閉じるステップと、を備える。この製造方法によれば、溝を塞ぐ蓋を有するスペーサを備えた光ファイバケーブルを容易に作製することができる。すなわち、一例として、ケーブル外周を細径化した上記の光ファイバケーブルを容易に作製することができる。
この光ファイバケーブルの製造方法は、蓋を閉じるステップの後に、蓋を外周から押さえ付けるように、スペーサの外周に糸又はテープを巻き回すステップを更に備えてもよい。この製造方法によれば、光ファイバケーブルの蓋をより確実に閉じることができる。
本発明の一実施形態に係る光ファイバケーブルの製造装置は、軸方向に沿って延びる溝を有し、当該溝の開口部に対して開閉可能な蓋を外周に有するスペーサを第1の位置から第2の位置へと送るための送出しドラム及び巻取りドラムと、スペーサの蓋を開くための開口機器と、少なくとも1本の光ファイバ心線を有する光ユニットをスペーサに対して供給するボビンと、蓋が開いた状態のスペーサの溝に、ボビンから供給される光ユニットを収納させる供給機器と、を備える。この製造装置によれば、溝を塞ぐ蓋を有するスペーサを備えた光ファイバケーブルを容易に作製することができる。すなわち、一例として、ケーブル外周を細径化した上記の光ファイバケーブルを容易に作製することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る光ファイバケーブル、その製造方法、及びその製造装置の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、一実施形態に係る光ファイバケーブルの断面構成を示す図である。図1に示すように、光ファイバケーブル1は、軸Gの方向(図1に直交する方向)に延びるケーブルであり、スペーサ10と、スペーサ10の溝18に収納される多数の光ユニット20と、スペーサ10(蓋14)の外周を覆う粗巻き糸30と、ケーブル外被40と、を備えている。光ユニット20は、詳細は後述するが、複数の光ファイバ心線を含み、それら複数の光ファイバ心線をPETテープ等によりユニット化したものである。光ファイバケーブル1は、例えばその外径が8mm~30mmであるが、これに限定されるものではない。
図2は、光ファイバケーブル1に含まれるスペーサ10を示す図である。図2に示すように、スペーサ10は、全体として軸Gの方向(図2に直交する方向)にこの断面形状のまま螺旋状に延びる構成であり、中央部11と、8個の側壁12と、8個の蓋14と、抗張力体16と、を有している。抗張力体16は、例えば、軸方向に延びる鋼の撚り線又は繊維強化プラスチックから構成され、中央部11の内側に埋設される。抗張力体16は、光ファイバケーブル1の引っ張り強度を向上する。スペーサ10の抗張力体16を除く部分は、例えば、ポリエチレン等のプラスチック樹脂から構成される。
側壁12は、中央部11の外周面からスペーサ10の外周に向かって径方向に延びる壁体である。各側壁12は、例えば、隣接する側壁と為す角度が均等になるように設けられている。各側壁12は、隣接する側壁と一対の側壁を形成し、一対の側壁の間に、光ユニット20を収納する溝18を画定する。溝18は、例えばV字形状であり、スペーサ10の内から外周に向かって幅が広がるようにテーパ状に形成される。溝18は、V字形状でなくてもよいが、スペーサ10の外周形状の断面が円(若しくは楕円)である場合、内から外に広がる形状であることにより、光ユニット20を収納する空間をより広く確保することができる。なお、溝18は、ストレート状や内側に広がる形状の溝であってもよい。また、溝18は、スペーサ10の軸方向に沿って螺旋状に延びるように設けられている。螺旋の方向はS状、Z状の何れでも良く、SZ状であってもよい。図1に示す例では、1つの溝18に3個の光ユニット20が収納されており、合計8個の溝18に24個の光ユニット20が収納されている。
蓋14は、側壁12によって画定される溝18の開口部を塞ぐための構造であり、スペーサ10の内から外に向かう方向に凸形状になっている。蓋14は、スペーサ10の外周面に沿った円弧状でもよいが、それよりも外側に突出する円弧状であってもよい。蓋14は、その基端14aが側壁12の先端12aに連結して、軸方向(長手方向)に連続するように形成されている。スペーサ10が弾性変形可能な樹脂などから構成されているため、蓋14は、側壁12との連結部(先端12a)を軸として上下動可能であり、これにより、蓋14は、溝18の開口部に対して開閉可能となっている。溝18の開口部は、例えば、外周において3mm~10mmの幅を有することができるが、これに限定されない。
蓋14は、図2に示すように、光ファイバケーブル1に組み込まれる前は、連続している側壁12に対向する側壁12の先端12aの縁からある程度、離れるようになっている。一方、蓋14は、図1に示すように、光ファイバケーブル1に組み込まれた後は、粗巻き糸30により内側に押さえつけられ、蓋14の先端14bが隣の側壁12の先端12aの縁の上に引っかかるようになる。これにより、蓋14は溝18内に落ち込まない。また、蓋14は、その厚みが薄く形成されており、例えば、側壁12の厚みよりも薄くなっている。蓋14の厚みは、例えば、0.1mm~0.5mmであってもよいが、これに限定されない。
ここで、図1に戻る。スペーサ10の溝18に収納される光ユニット20は、多数の光ファイバ心線を含んで構成されるユニットである。光ユニット20は、一例として、12心の光ファイバ心線を含んで構成される間欠テープが12枚集合したものを1つの光ユニットとして構成することができる。光ユニット20は、例えばその外周をPETテープ等により巻かれて1つの光ユニットを構成してもよい。図1に示す例では、光ファイバケーブル1は、3個×8の計24個の光ユニット20を収納しており、これにより、3456心といった多数の光ファイバ心線を含む光ファイバケーブルを構成する。
粗巻き糸30は、蓋14を外周から押さえ付けて固定するための層を構成する。粗巻き糸30により、側壁12の先端12aの縁と離間していた蓋14が側壁12に引っ掛かるように溝18の開口部を塞ぐ。粗巻き糸30は、例えばナイロン糸である。粗巻き糸30に代えて、テープによって蓋14を外周から押さえ付けて固定してもよい。
ケーブル外被40は、粗巻き糸30で外周を押さえ付けられたスペーサ10を更に外周から被覆する樹脂層であり、光ファイバケーブル1の保護層として機能する。ケーブル外被40は、例えばポリエチレン等から構成され、光ファイバケーブル1に対して耐候性、耐熱性、耐水性等を付与する。
次に、光ファイバケーブル1を製造する製造方法及び製造装置について、図3、図4の(a)及び図4の(b)を参照して説明する。図3は、光ファイバケーブル1の製造方法及び製造装置を示す図である。図4の(a)は、図3に示す製造装置における開口目板を示し、図4の(b)は、図3に示す製造装置における集合目板を示す。なお、開口目板は、スペーサの蓋を開くための開口機器の一例であり、集合目板は、蓋が開いた状態のスペーサの溝に光ユニットを収納させるための供給機器の一例である。
図3及び図4に示すように、光ファイバケーブル1を製造する製造装置100は、送出しドラム101と、供給ボビン102と、粗巻き糸供給器103と、巻取りドラム104と、第1搬送ローラ105と、第2搬送ローラ106と、開口目板110と、集合目板120と、を備えている。送出しドラム101は、軸方向に延びるスペーサ10が巻かれたボビンである。送出しドラム101から送り出されたスペーサ10は、第1搬送ローラ105及び第2搬送ローラ106によって搬送され、その後、巻取りドラム104によって巻き取られる。すなわち、送出しドラム101から巻取りドラム104へとスペーサ10が送られる。
供給ボビン102は、複数の光ファイバ心線が含まれて構成される光ユニット20を、搬送されているスペーサ10に対して供給するためのボビンである。供給ボビン102は、光ファイバケーブル1に収納される光ユニット20の数に応じて設けられ、図1に示す光ファイバケーブル1を製造する場合には、例えば24個の供給ボビン102が設けられる。
粗巻き糸供給器103は、スペーサ10の溝18に光ユニット20が収納された後に蓋14を閉じて外周から押さえ付けるための糸を、搬送されているスペーサ10に対して供給する装置である。粗巻き糸供給器103は、供給する糸(例えばナイロン糸)がスペーサ10の外周に螺旋状になるように巻き付ける。
開口目板110は、円環形状の部材であり、図4の(a)に示すように、外周部112から内側に向かって突出する突出部114を備えている。突出部114は、スペーサ10の蓋14を、搬送されている力を利用して開く方向に誘導するための部材である。突出部114は、蓋14を開ける際にその先端が溝18に入り込む。図1に示す光ファイバケーブル1には8個の蓋14が設けられており、図4の(a)に示す例では、開口目板110は、蓋14に対応して、8つの突出部114を備えている。また、8つの突出部114の内側(突出部の先端側)には空間が形成されており、その空間にスペーサ10の中央部11等が配置される。
集合目板120は、円環形状の部材であり、図4の(b)に示すように、外周部122から内側に向かって突出する突出部124を備えている。突出部124は、蓋14が開かれた状態を維持しつつ、供給ボビン102から供給される光ユニット20を溝18に誘導するための部材である。集合目板120では、このような機能を奏するために、突出部124を突出部114よりも短く形成しており、溝18内に入らないようになっている。一方、突出部124は、溝18に収納された光ユニット20が外に飛び出さないようにその内側先端に、押え部126を有している。
このような構成の光ファイバケーブルの製造装置100を用いて、光ファイバケーブル1を製造するには、まず、蓋14と溝18とが設けられたスペーサ10が巻かれた送出しドラム101からスペーサ10を送り出し、巻取りドラム104にてスペーサ10を巻き取るようにする。このとき、送出しドラム101と巻取りドラム104をスペーサの走行する軸を中心に、溝の螺旋を相殺する方向に回転させることで、開口目板110および集合目板120が設置されている箇所において、特定の溝が常に特定の方向を向くようにする。そして、スペーサ10を送出しドラム101から巻取りドラム104に送る途中で、開口目板110にスペーサ10を通し、突出部114によってスペーサ10の蓋14を開口位置に移動する(図4の(a)を参照)。
続いて、蓋14が開口されたスペーサ10は、集合目板120が設置されている箇所まで搬送され、集合目板120を通過する。この際、スペーサ10の溝18には、複数の供給ボビン102から供給される各光ユニット20が集合目板120によって収納される。集合目板120によって光ユニット20が収納されたスペーサ10は、その後、巻取りドラム104に向かって走行し、蓋14が集合目板120の突出部124から外れ、閉じる方向に移動する。なお、この際のスペーサ10の蓋14は、図2に示す半閉じ状態である。即ち、蓋14の先端14bが側壁12の先端12aの縁と離間している。
続いて、溝18に光ユニット20が収納されたスペーサ10が第2搬送ローラ106に送られる途中において、蓋14を外周から押さえつけるように、粗巻き糸供給器103から供給される粗巻き糸をスペーサ10の外周に巻き付ける。これにより、スペーサ10の蓋14は、先端14bが側壁12の先端12aの縁に引っ掛かるように移動し、溝18の開口部が蓋14により塞がれる。粗巻き糸が巻き付けられたスペーサ10は、その後、第2搬送ローラ106付近にて、第1回転方向に再度捻られて半製品ケーブル1aとなり、その後、巻取りドラム104に巻き取られる。なお、巻取りドラム104に巻き取られた半製品ケーブル1aには、その後、別の塗布装置によって、ケーブル外被40が被覆される。これにより、図1に示す光ファイバケーブル1が完成する。
以上、本実施形態に係る光ファイバケーブル1では、溝18の開口部を塞ぐように蓋14が設けられている。この構成により、スペーサ10の外に配置されるケーブル外被40等が溝18に落ち込んで光ユニット20の収納空間を狭くしてしまうことを防止できる。よって、光ファイバケーブル1によれば、光ファイバ心線にマイクロベンドが生じることによる光伝送損失の増加を抑制しつつ、ケーブルの外周を細径化することができる。また、光ファイバケーブル1では、蓋14が開閉可能なため、製造の際に溝18に光ユニット20を収納することを問題なく行うことができる。
光ファイバケーブル1では、スペーサ10の溝18は、軸方向に沿って螺旋状に延びている。この構成によれば、光ファイバケーブル1をドラムに巻いた際に全ての溝18の軌跡の長さが等しくなり、溝18内に収納された光ファイバ心線(光ユニット20)に過度の圧縮または引張歪みが生じることがない。その結果、光ファイバ心線の微小な曲がりによる光伝送損失の増加を抑制することができる。
光ファイバケーブル1では、蓋14の断面形状は、スペーサ10の内から外に向かう方向に凸形状である。この構成によれば、光ユニット20を収納する空間をより一層広く確保することができる。よって、光ファイバケーブル1によれば、光ファイバ心線にマイクロベンドが生じることによる光伝送損失の増加を抑制することができる。
光ファイバケーブル1では、蓋14は、溝18をその間に画定する一対の側壁12の一方の先端12aに連結され、軸方向に連続して形成されている。この構成によれば、蓋14の開閉動作を容易に行うことができ、また、蓋14を閉めた際の蓋14の固定をより確実に行うことができる。また、蓋14と側壁12とが連続したスペーサ10を押し出し成形等により作製することができるので、ケーブルの軸方向の寸法等を安定させると共に製造コストを低減することができる。
光ファイバケーブル1では、溝18は、スペーサ10の内から外周に向かって幅が広がるように形成されている。この構成によれば、光ユニット20を収納する空間をスペーサ10内により広く確保することができる。本実施形態のようにスペーサ10の外周断面が円形の場合、スペーサ10内により効率的に光ユニット20を収納する空間を確保することができる。
光ファイバケーブル1では、蓋14の厚みは、溝18をその間に画定する一対の側壁12の厚みよりも薄くてもよい。この構成によれば、光ユニット20を収納する空間をより一層広く確保して光伝送損失の増加を抑制すると共に、ケーブル外周の細径化を図ることが可能となる。
また、本実施形態に係る光ファイバケーブルの製造方法及び製造装置によれば、溝18を塞ぐ蓋14を有するスペーサ10を備えた光ファイバケーブルを容易に製造することができる。すなわち、ケーブル外周を細径化した光ファイバケーブル1を容易に製造することができる。また、この光ファイバケーブルの製造方法では、蓋14を閉じた後に、蓋14を外周から押さえ付けるように、スペーサ10の外周に糸又はテープを巻き回している。これにより、光ファイバケーブル1の蓋14をより確実に閉じることができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な実施形態に適用することができる。例えば上記の実施形態では、光ユニット20を構成する光ファイバ心線として、一般的な光ファイバ心線を用いたが、光ファイバ心線の外径が125μm以上190μm以下となる極細径の光ファイバ心線を含む光ユニットをスペーサ10の溝18に収納するようにしてもよい。また、光ファイバ心線のクラッドの外径が80μm以上120μm以下となる極細径の光ファイバ心線を含む光ユニットをスペーサ10の溝18に収納するようにしてもよい。これらの構成によれば、より多くの光ファイバ心線を光ファイバケーブルに収納することが可能となる。
極細径の光ファイバを採用する場合において、光ファイバ心線を、胴径280mmの胴面に#240のサンドペーパーを巻き付けたボビンに、張力8Nで巻き付けた際の波長1550nmでの光伝送損失の増加が5dB/km以下となるような光ファイバ心線を用いることが好ましい。極細径の光ファイバ心線は外被等が薄くなることから側圧による光伝送損失の増加が生じやすい。しかし、上述した性能を満たす極細径の光ファイバ心線を用いることにより、側圧等による光伝送損失の増加を抑制することが可能となる。
本実施形態に係る光ファイバケーブルは、図5に示すように、水を吸収するヤーン19を更に備えてもよく、ヤーン19は、溝18に収納されていてもよい。この構成によれば、スペーサ10の溝18に水が浸入した場合に走水してしまうことを抑制することができる。特に光ファイバケーブル1Aは、溝18を蓋14で塞ぐ構成であり、外部から吸水テープ等を使用することが難しい。このため、吸水性のヤーン19を溝18に設けることで、蓋14を有する構成を採用ししつ、溝18に浸入した水の走水を防止することができる。このような吸水性のヤーン19は、例えば、溝18内において、底に設けてもよいし、複数の光ユニット20の真ん中に設けてもよい。
本実施形態に係る光ファイバケーブル1,1Aは、8個の溝18を外側に設ける構成であったが、光ユニットを収納する溝の数はこれに限られない。例えば、光ファイバケーブルは、4個の溝を外側に有する構成でもよいし、6個の溝を外側に有する構成であってもよい。これらの場合には、8個の溝を有する光ファイバケーブルより側壁の数を減らして、光ユニット20を収納する空間(溝)の体積をより一層広くすることができるため、光ファイバ心線にマイクロベンドが生じることによって起こる光伝送損失の増加を抑制しつつ、ケーブルの外周を細径化することができる。また、より多くの光ファイバ心線を光ファイバケーブルに収納することができる。
1…光ファイバケーブル、10…スペーサ、11…中央部、12…側壁、12a…先端、14…蓋、14a…基端、14b…先端、16…抗張力体、18…溝、20…光ユニット、30…粗巻き糸、40…ケーブル外被、100…製造装置、101…送出しドラム、102…供給ボビン、103…粗巻き糸供給器、104…巻取りドラム、105…第1搬送ローラ、106…第2搬送ローラ、110…開口目板、112…外周部、114…突出部、120…集合目板、122…外周部、124…突出部、126…押え部。

Claims (14)

  1. 軸方向に沿って延びる溝を有するスペーサと、
    少なくとも1本の光ファイバ心線を有し、前記溝に収納される光ユニットと、
    を備え、
    前記スペーサの外周には、前記溝の開口部を塞ぐように開閉可能な蓋が設けられており
    前記蓋は、無負荷状態において前記溝の前記開口部を半閉じ状態とするように形成されている、
    光ファイバケーブル。
  2. 前記スペーサの前記溝は、前記軸方向に沿って螺旋状に延びる、
    請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記蓋の断面形状は、無負荷状態において前記スペーサの内から外に向かう方向に凸形状である、
    請求項1又は請求項2に記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記蓋は、前記溝をその間に画定する一対の側壁の一方の先端に連結され、長手方向に連続して形成されている、
    請求項1~請求項3の何れか一項に記載の光ファイバケーブル。
  5. 前記蓋は、前記一方の側壁との連結部を軸として動作可能である、
    請求項4に記載の光ファイバケーブル。
  6. 前記溝は、前記スペーサの内から外周に向かって幅が広がるように形成されている、
    請求項1~請求項5の何れか一項に記載の光ファイバケーブル。
  7. 前記蓋の厚みは、前記溝を画定する一対の側壁の厚みよりも薄い、
    請求項1~請求項6の何れか一項に記載の光ファイバケーブル。
  8. 前記光ファイバ心線の外径が125μm以上190μm以下である、
    請求項1~請求項7の何れか一項に記載の光ファイバケーブル。
  9. 前記光ファイバ心線のクラッドの外径が80μm以上120μm以下である、
    請求項1~請求項8の何れか一項に記載の光ファイバケーブル。
  10. 前記光ファイバ心線を、胴径280mmの胴面に#240のサンドペーパーを巻き付けたボビンに、張力8Nで巻き付けた際の光伝送損失の増加が5dB/km以下である、
    請求項1~請求項9の何れか一項に記載の光ファイバケーブル。
  11. 水を吸収するヤーンを更に備え、前記ヤーンは、前記溝に収納されている、
    請求項1~請求項10の何れか一項に記載の光ファイバケーブル。
  12. 軸方向に沿って延びる溝を有し、当該溝の開口部に対して開閉可能な蓋を外周に有するスペーサを送出しドラムから巻取りドラムに巻き替える過程において、前記スペーサの前記蓋を開口機器によって開くステップと、
    前記蓋を開くステップの後、前記スペーサの前記溝に、少なくとも1本の光ファイバ心線を有する光ユニットを収納するステップと、
    前記スペーサの前記蓋を閉じるステップと、
    を備える、光ファイバケーブルの製造方法。
  13. 前記蓋を閉じるステップの後に、前記蓋を外周から押さえ付けるように、前記スペーサの外周に糸又はテープを巻き回すステップを更に備える、
    請求項12に記載の光ファイバケーブルの製造方法。
  14. 軸方向に沿って延びる溝を有し、当該溝の開口部に対して開閉可能な蓋を外周に有するスペーサを第1の位置から第2の位置へと送るための送出しドラム及び巻取りドラムと、
    前記スペーサの前記蓋を開くための開口機器と、
    前記スペーサに対して、少なくとも1本の光ファイバ心線を有する光ユニットを供給するボビンと、
    前記蓋が開いた状態の前記スペーサの前記溝に、前記ボビンから供給される前記光ユニットを収納させる供給機器と、
    を備える、光ファイバケーブルの製造装置。
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