JP3235186B2 - 光ファイバユニットの製造方法 - Google Patents

光ファイバユニットの製造方法

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佳延 北山
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茂 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スペーサの溝内に高密
度に光ファイバを収納する光ファイバユニットの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信網を構築するための光ケーブルと
して断面円形の線条体にらせん状の溝を設けたスペーサ
の溝内に光ファイバを収納した構造のものがある。当初
は、スペーサの中心軸に対し、その周辺部に溝が設けら
れていたのでケーブル断面当りの光ファイバ心線数が少
ないという問題があり、その対策として、溝の形状を深
くかつ大きくする方法がとられた(特願平2−2676
52)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図2に示す
光ファイバユニットを製造するには、あらかじめらせん
状の溝を有するスペーサを準備し、これを引延ばして集
合機に案内しながら溝の中に光ファイバを収納する方法
がとられていた。この場合、らせん状の溝は図2に示す
如くスペーサの中心軸に対して非対称となるためスペー
サをドラムに巻取ったとき溝の位置と曲げ方向との関係
において、曲がり易い方向と曲げ難い方向が生ずる。そ
の結果、あらかじめドラムに巻かれたらせん状の溝のピ
ッチは局部的に変動し、曲きぐせとなって残存する。こ
の状態で光ファイバが収納されたため、従来は集合後に
伝送損失が増加し、また、光ファイバユニットを曲げた
ときにも伝送損失が変動するので、このユニットをさら
に集合して多心の光ケーブルを構成する場合等に問題が
あった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題を
解消するための光ファイバユニットの製造方法に関し、
その特徴とするところは、線条体の軸方向に設けられた
直線状の溝を有するプラスチックスペーサを引延ばして
案内し、キャプスタンを一定の回転数で固有軸線の周り
に撚回しながら引取って形成されたらせん状の溝内に光
ファイバを挿入し、しかる後、前記溝上に押え巻きを施
こす方法である。
【0005】また、この方法によって製造された光ファ
イバユニットに熱処理を施すことは、より早くスペーサ
の捻りを固定することができるので好ましい。
【0006】
【作用】本発明は、直線状の溝を有するスペーサを撚回
し、らせん状の溝を形成するので、形成されたらせんは
曲きぐせによるピッチ変動はない。また、捻りによって
形成されたらせんは、その上に施された押え巻テープに
よって固定されるために、ドラムに巻取った場合でもス
ペーサのピッチ変動が生じにくくなる。従って、本発明
の方法は、ユニット製造の前後においても伝送損失の変
化が生ずることはない。スペーサに加わる捻り歪が材質
の塑性変形領域であれば、捻りは固定される。また、弾
性領域内の歪であっても、ユニット形成後に歪の緩和が
進行し、一定時間後には安定する。安定は放置する時
間、熱処理の有無および材質によって左右される。
【0007】
【実施例】添付した図面を参照しながら本発明の技術的
手段をより具体的に説明する。図1は、本発明の光ファ
イバユニットの製造方法に係わる一実施例の説明図であ
る。繰出しドラム2から引延し案内された直線状の溝を
有するスペーサ1をガイド3によって溝の方向を固定し
て集合ダイ6に供給する。このとき、キャプスタン10
および巻取ドラム12は一定の回転数で集合機の軸線の
周りに撚回しながら巻取るのでスペーサ1の溝はらせん
状となる。一方、サプライリール4から繰出されたテー
プ心線5は集合ダイス6によってスペーサの溝の中に収
容される。
【0008】さらに、サプライリール7から繰出された
押え巻テープ8をその上に巻回してスペーサに加えられ
た捻りを保持、固定し光ファイバユニットを形成した後
キャプスタン10によって引取られ、ドラム12に巻取
られる。なお、ガイド3は集合ダイ6と一体に構成する
こともできる。
【0009】図2は、上記の方法によって製造した光フ
ァイバユニットの構成図である。スペーサ13は外径5
mmの線条体に巾1.8mm,高さ2.5mmの直線溝
を設けたスペーサ1を撚回してピッチ500mmの捻り
を与え、テープ心線5を収納後、不織布テープ8を張力
3000g,1/2重ね巻きして光ファイバユニットを
製造した。スペーサは高密度ポリエチレン.ナイロン1
2およびポリエチレンブチレンテレフタレートの3種類
を作成した。テープ心線5はシングルモードファイバ4
心を紫外線硬化型樹脂によって巾1.1mm,厚さ0.
4mmとし、溝14の中に5枚導入した。
【0010】得られた光ファイバユニットについて伝送
損失を測定したところ、損失の増加は認められなかっ
た。また、光ファイバユニットのらせん溝のピッチ変動
も50mm以下と安定していた。これに対して、あらか
じめらせん溝を設けたスペーサに上述と同一の条件で光
ファイバユニットを製造したところ、ピッチの変動は最
大300mm,伝送損失も0.8dB/kmの増加が認
められた。
【0011】さらに、高密度ポリエチレンとナイロン1
2をスペーサの材質として用いたユニットについては、
30日放置した後に押え巻テープを除去したが、捻りは
完全に固定されており、緩みは生じなかった。また、ポ
リエチレンブチレンテレフタレートを用いたスペーサの
場合について、60℃,7日間加熱処理したところ、捻
りは完全に固定されていることを確認した。以上は、ス
ペーサに一つの溝を有する光ファイバユニットについて
説明したが、複数のらせん溝を有する構造についても本
方法が適用できる。また、実施例では、テープ心線を用
いているが、1心毎の光ファイバ心線を単心あるいは複
数心用いることもできる。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は直線溝を
有するスペーサを繰出し、これを捻ることによってらせ
ん溝としたスペーサの上に押え巻きを施すので、従来、
らせん溝付スペーサを作り、これを巻取るときに生じて
いたらせん溝のピッチ変動を解消することができる。そ
の結果、伝送特性の安定な光ファイバユニットを得るこ
とができる。さらに、得られた光ファイバユニットに加
熱処理を施すことによって、より早くスペーサの捻りを
固定することができる。また、本発明はらせん溝より簡
単に製造できる直線溝を有するスペーサを準備すればよ
いので、安価でかつ容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバユニットの製造方法に係わ
る実施例の説明図である。
【図2】本発明の方法によって製造された光ファイバユ
ニットの構成図である。
【符号の説明】
1:直線状の溝を有するスペーサ 2:繰出しドラム 3:ガイド 4.7:サプライリール 5:テープ心線 6:集合ダイ 8:押え巻テープ 9:光ファイバユニット 10:キャプスタン 11:巻取装置 12:巻取りドラム 13:らせん状の溝を有するスペーサ 14:溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 茂 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友 電気工業株式会社横浜製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−244006(JP,A) 実開 昭63−4505(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線条体の軸方向に設けられた直線状の溝
    を有するプラスチックスペーサを引延ばして案内し、キ
    ャプスタンを一定の回転数で固有軸線の周りに撚回しな
    がら引取って形成されたらせん状の溝内に光ファイバを
    挿入し、しかる後、前記溝上に押え巻きを施こすことを
    特徴とする光ファイバユニットの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法によって製造された
    光ファイバユニットを熱処理することを特徴とする光フ
    ァイバユニットの製造方法。
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