JP7200082B2 - 作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ等の作業機に関する。
従来、作業機において、電動操作装置の処理に関する技術として特許文献1及び2に示すものが開示されている。
特許文献1では、電動操作装置から出力された操作信号に対してローパスフィルタを通すフィルタ処理を行った後に、フィルタ処理を行った信号を用いて電磁弁を作動させている。特許文献2では、電動操作装置から出力された操作信号とスプールの変位との関係を切り換えている。
米国特許公報6854554号公報 米国特許公報6725105号公報
特許文献1では、電動操作装置から出力された操作信号に対してローパスフィルタの処理を必ず行っているため、操作によっては応答性が低下して、油圧機器をオペレータの意図通りに操作を行うことが難しい場合がある。
また、特許文献2では、操作信号に対する油圧機器の動作が急変して、意図通りに操作が行うことが難しい場合がある。
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、簡単にオペレータの意図通りに油圧機器を操作することができる作業機を提供することを目的とする。
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下の通りである。
作業機の油圧システムは、油圧機器と、前記油圧機器を作動させる作動油を出力可能で制御信号によって前記油圧機器に供給する作動油の油圧を変更可能な操作弁と、揺動自在に支持された操作部材を有し且つ、操作部材の操作量に応じて操作信号を出力可能な操作装置と、各変曲点での変曲を繰り返し、一変曲点にて変曲してからその次の変曲点に達して変曲するまでに、前記操作部材の中立位置に対応した中立信号値を通過する前記操作信号の変化に基づいて前記操作部材の揺れの周期に関する評価値を演算する揺れ演算部と、前記評価値及び前記操作信号に基づいて制御信号を生成する制御信号生成部とを備えた制御装置と、を備えている。前記揺れ演算部は、前記操作信号が前記中立信号値を通過した各時点にて前記評価値を増加させ、増加させた前記評価値を、前記各時点から所定時間かけて減少させる。
前記揺れ演算部は、前記各時点で前記評価値を定数分増加し、前記各時点から前記所定時間かけて前記評価値の前記定数分を0まで減少させ、前記所定時間内に前記操作信号が前記中立信号値を通過すると、前記評価値の減少を停止し、当該減少を停止した時点で残存する前記評価値に、前記定数分の前記評価値を加える。
前記制御信号生成部は、前記評価値が増加するにつれて前記操作信号に対する前記制御信号の値を減少させる。
前記制御信号生成部は、前記評価値が減少するにつれて前記操作信号に対する前記制御信号の値を増加させる。
前記油圧機器は、前記操作弁によって設定された作動油の圧力に応じて吐出する作動油の流量を変更可能な走行ポンプと、前記走行ポンプが出力した作動油の流量に応じて作動する走行モータと、を含んでいる。
前記油圧機器は、ブームを作動させるブームシリンダと、ブームの先端に装着された作業具を作動させる作業具シリンダと、前記操作弁によって設定された作動油の圧力に応じて前記ブームシリンダへ供給する作動油を制御するブーム制御弁と、前記操作弁によって設定された作動油の圧力に応じて前記作業具シリンダへ供給する作動油を制御する作業具制御弁と、を含んでいる。
本発明によれば、簡単にオペレータの意図通りに油圧機器を操作することができる。
走行系の作業機の油圧システムの概略図である。 操作量と操作信号との関係の一例を示す図である。 操作信号と評価値との関係を示す図である。 図3Aとは異なる操作信号と評価値との関係を示す図である。 図3A及び図3Bとは異なる操作信号と評価値との関係を示す図である。 評価値W1、操作信号L1、制御信号L3との関係を示す図である。 作業系の作業機の油圧システムの概略図である。 作業機の一例であるトラックローダを示す側面図である。
以下、本発明に係る作業機の好適な実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。
図6は、本発明に係る作業機の側面図を示している。図6では、作業機の一例として、コンパクトトラックローダを示している。但し、本発明に係る作業機はコンパクトトラックローダに限定されず、例えば、スキッドステアローダ等の他の種類のローダ作業機であってもよい。また、ローダ作業機以外の作業機であってもよい。
作業機1は、図6に示すように、作業機1は、機体2と、キャビン3と、作業装置4と、一対の走行装置5L、5Rとを備えている。本発明の実施形態において、作業機1の運転席8に着座した運転者の前側(図6の左側)を前方、運転者の後側(図6の右側)を後方、運転者の左側(図6の手前側)を左方、運転者の右側(図6の奥側)を右方として説明する。また、前後の方向に直交する方向である水平方向を機体幅方向として説明する。機体2の中央部から右部或いは左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって、機体2から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向であって、機体2に近づく方向である。
キャビン3は、機体2に搭載されている。このキャビン3には運転席8が設けられている。作業装置4は機体2に装着されている。一対の走行装置5L、5Rは、機体2の外側に設けられている。機体2内の後部には、原動機32が搭載されている。
作業装置4は、ブーム10と、作業具11と、リフトリンク12と、制御リンク13と、ブームシリンダ14と、作業具シリンダ15とを有している。
ブーム10は、キャビン3の右側及び左側に上下揺動自在に設けられている。作業具11は、例えば、バケットであって、当該バケット11は、ブーム10の先端部(前端部)に上下揺動自在に設けられている。リフトリンク12及び制御リンク13は、ブーム10が上下揺動自在となるように、ブーム10の基部(後部)を支持している。ブームシリンダ14は、伸縮することによりブーム10を昇降させる。作業具シリンダ15は、伸縮することによりバケット11を揺動させる。
左側及び右側の各ブーム10の前部同士は、異形の連結パイプで連結されている。各ブーム10の基部(後部)同士は、円形の連結パイプで連結されている。
リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダ14は、左側と右側の各ブーム10に対応して機体2の左側と右側にそれぞれ設けられている。
リフトリンク12は、各ブーム10の基部の後部に、縦向きに設けられている。このリフトリンク12の上部(一端側)は、各ブーム10の基部の後部寄りに枢支軸16を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。また、リフトリンク12の下部(他端側)は、機体2の後部寄りに枢支軸17を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。枢支軸17は、枢支軸16の下方に設けられている。
ブームシリンダ14の上部は、枢支軸18を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。枢支軸18は、各ブーム10の基部であって、当該基部の前部に設けられている。ブームシリンダ14の下部は、枢支軸19を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。枢支軸19は、機体2の後部の下部寄りであって枢支軸18の下方に設けられている。
制御リンク13は、リフトリンク12の前方に設けられている。この制御リンク13の一端は、枢支軸20を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。枢支軸20は、機体2であって、リフトリンク12の前方に対応する位置に設けられている。制御リンク13の他端は、枢支軸21を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。枢支軸21は、ブーム10であって、枢支軸17の前方で且つ枢支軸17の上方に設けられている。
ブームシリンダ14を伸縮することにより、リフトリンク12及び制御リンク13によって各ブーム10の基部が支持されながら、各ブーム10が枢支軸16回りに上下揺動し、各ブーム10の先端部が昇降する。制御リンク13は、各ブーム10の上下揺動に伴って枢支軸20回りに上下揺動する。リフトリンク12は、制御リンク13の上下揺動に伴って枢支軸17回りに前後揺動する。
ブーム10の前部には、バケット11の代わりに別の作業具が装着可能とされている。別の作業具としては、例えば、油圧圧砕機、油圧ブレーカ、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等のアタッチメント(予備アタッチメント)である。
左側のブーム10の前部には、接続部材50が設けられている。接続部材50は、予備アタッチメントに装備された油圧機器と、ブーム10に設けられたパイプ等の第1管材とを接続する装置である。具体的には、接続部材50の一端には、第1管材が接続可能で、他端には、予備アタッチメントの油圧機器に接続された第2管材が接続可能である。これにより、第1管材を流れる作動油は、第2管材を通過して油圧機器に供給される。
作業具シリンダ15は、各ブーム10の前部寄りにそれぞれ配置されている。作業具シリンダ15を伸縮することで、バケット11が揺動される。
一対の走行装置5L、5Rのうち、走行装置5Lは機体2の左側に設けられ、走行装置5Rは機体2の右側に設けられている。一対の走行装置5L、5Rは、本実施形態ではクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置が採用されている。なお、前輪及び後輪を有する車輪型の走行装置を採用してもよい。以下、説明の便宜上、走行装置5Lのことを左走行装置5L、走行装置5Rのことを右走行装置5Rということがある。
原動機32は、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン等の内燃機関、電動モータ等である。この実施形態では、原動機32は、ディーゼルエンジンであるが限定はされない。
次に、作業機の走行系の油圧システムについて説明する。
図1に示すように、作業機の走行系の油圧システムは、第1油圧ポンプP1を備えている。第1油圧ポンプP1は、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第1油圧ポンプP1は、作動油タンク22に貯留された作動油を吐出可能である。特に、第1油圧ポンプP1は、主に制御に用いる作動油を吐出する。また、第1油圧ポンプP1から吐出した作動油のうち、制御用として用いられる作動油のことをパイロット油、パイロット油の圧力のことをパイロット圧ということがある。
第2油圧ポンプP2は、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第2油圧ポンプP2は、作動油タンク22に貯留された作動油を吐出可能であって、例えば、作業系の油路に作動油を供給する。例えば、第2油圧ポンプP2は、ブーム10を作動させるブームシリンダ14、バケットを作動させる作業具シリンダ15、予備油圧アクチュエータを作動させる予備油圧アクチュエータを制御する制御弁(流量制御弁)に作動油を供給する。
また、作業機の走行系の油圧システムは、一対の走行モータ36L、36Rと、一対の走行ポンプ53L、53Rと、を備えている。一対の走行モータ36L、36Rは、一対の走行装置5L、5Rに動力を伝達するモータである。一対の走行モータ36L、36Rのうち、一方の走行モータ36Lは、走行装置(左走行装置)5Lに回転の動力を伝達し、他方の走行モータ36Rは、走行装置(右走行装置)5Rに回転の動力を伝達する。
一対の走行ポンプ53L、53Rは、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、例えば、斜板形可変容量アキシャルポンプである。一対の走行ポンプ53L、53Rは、駆動することによって、一対の走行モータ36L、36Rのそれぞれに作動油を供給する。一対の走行ポンプ53L、53Rのうち、一方の走行ポンプ53Lは、走行ポンプ53Lに作動油を供給し、他方の走行ポンプ53Rは、走行ポンプ53Rに作動油を供給する。
以下、説明の便宜上、走行ポンプ53Lのことを左走行ポンプ53L、走行ポンプ53Rのことを右走行ポンプ53R、走行モータ36Lのことを左走行モータ36L、走行モータ36Rのことを右走行モータ36Rということがある。
左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rには、第1油圧ポンプP1からの作動油(パイロット油)の圧力(パイロット圧)が作用する前進用受圧部53aと後進用受圧部53bとを有している、受圧部53a、53bに作用するパイロット圧によって斜板の角度が変更される。斜版の角度を変更することによって、左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rの出力(作動油の吐出量)や作動油の吐出方向を変えることができる。
左走行ポンプ53Lと、左走行モータ36Lとは、接続油路57hによって接続され、左走行ポンプ53Lが吐出した作動油が左走行モータ36Lに供給される。右走行ポンプ53Rと、右走行モータ36Rとは、接続油路57iによって接続され、右走行ポンプ53Rが吐出した作動油が右走行モータ36Rに供給される。
左走行モータ36Lは、左走行ポンプ53Lから吐出した作動油により回転が可能であり、作動油の流量によって、回転速度(回転数)を変更することができる。左走行モータ36Lには、斜板切換シリンダ37Lが接続され、当該斜板切換シリンダ37Lを一方側或いは他方側に伸縮させることによっても左走行モータ36Lの回転速度(回転数)を変更することができる。即ち、斜板切換シリンダ37Lを収縮した場合には、左走行モータ36Lの回転数は低速(第1速度)に設定され、斜板切換シリンダ37Lを伸長した場合には、左走行モータ36Lの回転数は高速(第2速度)に設定される。つまり、左走行モータ36Lの回転数は、低速側である第1速度と、高速側である第2速度とに変更が可能である。
右走行モータ36Rは、右走行ポンプ53Rから吐出した作動油により回転が可能であり、作動油の流量によって、回転速度(回転数)を変更することができる。右走行モータ36Rには、斜板切換シリンダ37Rが接続され、当該斜板切換シリンダ37Rを一方側或いは他方側に伸縮させることによっても右走行モータ36Rの回転速度(回転数)を変更することができる。即ち、斜板切換シリンダ37Rを収縮した場合には、右走行モータ36Rの回転数は低速(第1速度)に設定され、斜板切換シリンダ37Rを伸長した場合には、右走行モータ36Rの回転数は高速(第2速度)に設定される。つまり、右走行モータ36Rの回転数は、低速側である第1速度と、高速側である第2速度とに変更が可能である。
図1に示すように、作業機の走行系の油圧システムは、走行切換弁34を備えている。走行切換弁34は、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)の回転速度(回転数)を第1速度にする第1状態と、第2速度にする第2状態とに切換可能である。走行切換弁34は、第1切換弁71L、71Rと、第2切換弁72と、を有している。
第1切換弁71Lは、左走行モータ36Lの斜板切換シリンダ37Lに油路を介して接続されていて、第1位置71L1及び第2位置71L2に切り換わる二位置切換弁である。第1切換弁71Lは、第1位置71L1である場合、斜板切換シリンダ37Lを収縮し、第2位置71L2である場合、斜板切換シリンダ37Lを伸長する。
第1切換弁71Rは、右走行モータ36Rの斜板切換シリンダ37Rに油路を介して接続されていて、第1位置71R1及び第2位置71R2に切り換わる二位置切換弁である。第1切換弁71Rは、第1位置71R1である場合、斜板切換シリンダ37Rを収縮し、第2位置71R2である場合、斜板切換シリンダ37Rを伸長する。
第2切換弁72は、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを切り換える電磁弁であって、励磁により第1位置72aと第2位置72bとに切り換え可能な二位置切換弁である。第2切換弁72、第1切換弁71L及び第1切換弁71Rは、吐出油路41により接続されている。第2切換弁72は、第1位置72aである場合に第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを第1位置71L1、71R1に切り換え、第2位置72bである場合に第1切換弁71L及び第1切換弁71Rを第2位置71L2、71R2に切り換える。
つまり、第2切換弁72が第1位置72a、第1切換弁71Lが第1位置71L1、第1切換弁71Rが第1位置71R1である場合に、走行切換弁34は第1状態になり、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)の回転速度を第1速度にする。第2切換弁72が第2位置72b、第1切換弁71Lが第2位置71L2、第1切換弁71Rが第2位置71R2である場合に、走行切換弁34は第2状態になり、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)の回転速度を第2速度にする。
したがって、走行切換弁34によって、走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)を低速側である第1速度と、高速側である第2速度とに切り換えることができる。
図1に示すように、作業機1は、操作装置(走行操作装置)54と、制御装置88とを備えている。操作装置54は、走行ポンプ(左走行ポンプ53L、右走行ポンプ53R)を操作する装置であり、走行ポンプの斜板の角度(斜板角度)を変更可能である。操作装置54は、走行操作部材51と、走行操作部材51の操作量を検出可能な検出センサ52とを含んでいる。
走行操作部材51は、操作弁55に支持され、左右方向(機体幅方向)又は前後方向に揺動する操作レバーである。即ち、走行操作部材51は、中立位置を基準とすると、中立位置から右方及び左方に操作可能であると共に、中立位置から前方及び後方に操作可能である。言い換えれば、走行操作部材51は、中立位置を基準に少なくとも4方向に揺動することが可能である。尚、説明の便宜上、前方及び後方の双方向、即ち、前後方向のことを第1方向という。また、右方及び左方の双方向、即ち、左右方向(機体幅方向)のことを第2方向ということがある。
検出センサ52は、走行操作部材51の中立位置からの操作量を検出するセンサである。検出センサ52は、走行操作部材51を中立位置から前方に操作した場合の操作量(前方操作量)、走行操作部材51を中立位置から後方に操作した場合の操作量(後方操作量)、検出センサ52は、走行操作部材51を中立位置から左方に操作した場合の操作量(左方操作量)、走行操作部材51を中立位置から右方に操作した場合の操作量(右方操作量)を検出可能である。
図2に示すように、検出センサ52は、走行操作部材51の操作量(前方操作量、後方操作量、左方操作量、右方操作量)に応じた操作信号を制御装置88に出力する。即ち、検出センサ52は、操作量が大きくなるにしたがって操作信号を徐々に大きくする。言い換えれば、検出センサ52は、操作量に比例する操作信号を出力する。なお、走行操作部材51が中立位置、即ち、操作量が零である場合は、中立位置に対応する操作信号は零、例えば、電圧値は零である。
図1に示すように、作業機の走行系の油圧システムは、複数の操作弁55を含んでいる。複数の操作弁55は、電気によって開度が変化する電磁弁であって、走行操作部材51の揺動、即ち、操作信号に基づいて制御装置88が生成した制御信号に応じて作動する。
複数の操作弁55には、吐出油路40が接続され、当該吐出油路40を介して、第1油圧ポンプP1からの作動油(パイロット油)が供給可能である。複数の操作弁55は、操作弁55A、操作弁55B、操作弁55C及び操作弁55Dである。
操作弁55Aは、前後方向(第1方向)のうち、走行操作部材51を前方(一方)に揺動した場合(前操作した場合)に、出力する作動油の圧力が変化する。操作弁55Bは、前後方向(第1方向)のうち、走行操作部材51を後方(他方)に揺動した場合(後操作した場合)に、作動油の圧力が変化する。左右方向(第2方向)のうち、操作弁55Cは、走行操作部材51を右方(一方)に揺動した場合(右操作した場合)に、出力する作動油の圧力が変化する。操作弁55Dは、左右方向(第2方向)のうち、走行操作部材51を、左方(他方)に揺動した場合(左操作した場合)に、出力する作動油の圧力が変化する。
複数の操作弁55と、走行ポンプ(左走行ポンプ53L,右走行ポンプ53R)とは、走行油路45によって接続されている。
走行油路45は、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dと、第5走行油路45eとを有している。第1走行油路45aは、走行ポンプ53Lの前進用受圧部53aに接続された油路である。第2走行油路45bは、走行ポンプ53Lの後進用受圧部53bに接続された油路である。第3走行油路45cは、走行ポンプ53Rの前進用受圧部53aに接続された油路である。第4走行油路45dは、走行ポンプ53Rの後進用受圧部53bに接続された油路である。第5走行油路45eは、操作弁55、第1走行油路45a、第2走行油路45b、第3走行油路45c、第4走行油路45dを接続する油路である。
走行操作部材51を前方に揺動させると、操作弁55Aが操作されて該操作弁55Aからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、第1走行油路45aを介して左走行ポンプ53Lの受圧部53aに作用すると共に第3走行油路45cを介して右走行ポンプ53Rの受圧部53aに作用する。これにより、左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、左走行モータ36L及び右走行モータ36Rが正転(前進回転)して作業機1が前方に直進する。
また、走行操作部材51を後方に揺動させると、操作弁55Bが操作されて該操作弁55Bからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、第2走行油路45bを介して左走行ポンプ53Lの受圧部53bに作用すると共に第4走行油路45dを介して右走行ポンプ53Rの受圧部53bに作用する。これにより、左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、左走行モータ36L及び右走行モータ36Rが逆転(後進回転)して作業機1が後方に直進する。
また、走行操作部材51を右方に揺動させると、操作弁55Cが操作されて該操作弁55Cからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、第1走行油路45aを介して左走行ポンプ53Lの受圧部53aに作用すると共に第4走行油路45dを介して右走行ポンプ53Rの受圧部53bに作用する。これにより、左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、左走行モータ36Lが正転し且つ右走行モータ36Rが逆転して作業機1が右側にスピンターン(超信地旋回)する。
また、走行操作部材51を左方に揺動させると、操作弁55Dが操作されて該操作弁55Dからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は第3走行油路45cを介して右走行ポンプ53Rの受圧部53aに作用すると共に第2走行油路45bを介して左走行ポンプ53Lの受圧部53bに作用する。これにより、左走行ポンプ53L及び右走行ポンプ53Rの斜板角度が変更され、左走行モータ36Lが逆転し且つ右走行モータ36Rが正転して作業機1が左側にスピンターン(超信地旋回)する。
また、走行操作部材51を斜め方向に揺動させると、受圧部53aと受圧部53bとに作用するパイロット圧の差圧によって、左走行モータ36L及び右走行モータ36Rの回転方向及び回転速度が決定され、作業機1が前進又は後進しながら右へ信地旋回又は左へ信地旋回する。
以上の第1実施形態における作業機1によれば、当該作業機1は走行系の油圧機器として、複数の操作弁55によって設定された作動油の圧力に応じて吐出する作動油の流量を変更可能な走行ポンプ(左走行ポンプ53L、右走行ポンプ53R)と、走行ポンプ(左走行ポンプ53L、右走行ポンプ53R)が出力した作動油の流量に応じて作動する走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)とを含んでいる。また、作業機1は、走行系の油圧機器を作動させる作動油を出力可能で制御信号によって、走行系の油圧機器に供給する作動油を変更可能な複数の操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)を備えている。また、作業機1は、揺動自在に支持された走行操作部材51を有し且つ、走行操作部材51の操作量に応じて操作信号を出力可能な操作装置54を備えている。
したがって、走行操作部材51を操作することによって、電気で作動する複数の操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)により、走行系の油圧機器を操作することができる。
さて、上述した実施形態では、走行操作部材51によって走行系の油圧機器を操作することができる構成に加え、制御装置88の制御によって、作業機1が走行時に揺れた場合であっても安定して、走行操作部材51を操作しながら走行を行うことができる。
以下、制御装置88について詳しく説明する。
制御装置88は、揺れ演算部88Bと、制御信号生成部188Dとを有している。揺れ演算部88B及び制御信号生成部188Dは制御装置88に設けられた電気・電子回路、制御装置88に格納されたプログラム等により構成されている。
揺れ演算部88Bは、操作信号に基づいて走行操作部材51の揺れの度合を示す評価値を演算する。揺れ演算部88Bは、操作信号が中立位置に対応した中立信号値を通過し且つ操作信号が変曲している場合には、評価値を増加させ、中立信号値を通過し且つ操作信号が変曲しなかった場合には、評価値を増加させない。なお、揺れ演算部88Bは、作業機1の走行時の振動、作業時の振動などによる走行操作部材51の揺れを演算するものであり、振動閾値は様々な試験、実験等により定められた値である。
図3Aに示すように、操作信号を「L1」とし、操作信号の変曲点を「C1」とし、評価値を「W1」とし、中立位置に対応する中立信号値を「L2」とした場合、揺れ演算部88Bは、操作信号L1が中立信号値L2を跨いで変曲しているか(操作信号L1が揺らいでいるか)を監視する。
揺れ演算部88Bは、操作信号L1が連続的に変曲している場合であっても、所定時間内T10に変曲点C1が発生しない場合は、期間T1に示すように、評価値W1を増加させない。一方、揺れ演算部88Bは、操作信号L1が連続的に変速し、所定時間T10内に変曲点C1が発生する場合は、期間T2に示すように、評価値W1を徐々に増加させる。例えば、図3Aの期間T2に示すように、所定時間T10内に連続的に操作信号L1が変曲している場合は、評価値W1を予め定められた定数W2ずつ増加させて、当該評価値W1を積算していく。
また、揺れ演算部88Bは、評価値W1を増加後、操作信号L1が連続的に変曲している状況下において、所定時間T10内に変曲点C1が発生しない場合は、評価値W1を減少させる。例えば、図3Aの期間T3に示すように、所定時間T10毎に連続的に操作信号L1において変曲点C1が発生していない場合は、所定時間T10が経過する毎に、積算された評価値W1から定数W2ずつ減少させていく。
なお、図3Bに示すように、揺れ演算部88Bは、操作信号L1が変曲点C1を起点として評価値W1を求めてもよい。例えば、揺れ演算部88Bは、操作信号L1が変曲する毎に、評価値W1を定数W4だけ増加させた後、時点C1から徐々に所定の傾きW6で減少させる(W6=W4/W5)、一方で、時間W5以内に変曲点C1があると、1つ前の評価値W1に定数W4を加えることを繰り返すことで、評価値W1を積算、即ち、カウントアップする。
また、図3Cに示すように、揺れ演算部88Bは、操作信号L1が中立信号値L2を通過する毎に評価値W1を求めてもよい。例えば、揺れ演算部88Bは、操作信号L1が中立信号値L2を通過する毎に評価値W1を定数W4だけ増加させた後、時点C1から徐々に所定の傾きW6で減少させる(W6=W4/W5)、一方で、時間W5以内に操作信号L1が中立信号値L2を通過すると、1つ前の評価値W1に定数W4を加えることを繰り返すことで、評価値W1を積算、即ち、カウントアップする。つまり、揺れ演算部88Bは、操作信号L1が所定時間内に中立信号値L2を通過する場合は、評価値W1を増加させ、所定時間内に通過しない場合は評価値W1を減少させる。
制御信号生成部188Dは、評価値W1及び操作信号L1に基づいて制御信号を生成する。図3Aに示すように、評価値W1が零である期間T1では、操作信号に対して制御信号を低下せずに操作信号L1に応じた制御信号を生成する。例えば、制御信号生成部188Dは、制御信号=操作信号L1×定数×(100%-低下率%)とした場合、評価値W1が零である期間T1では、低下率は零であって、入力された操作信号L1のそのものの値に対応する制御信号を生成する。一方、制御信号生成部188Dは、評価値W1が徐々に増加する期間T2では、低下率を評価値W1により徐々に増加させ、操作信号L1に対応する制御信号を減少させる。また、制御信号生成部188Dは、評価値W1が減少に移行する期間T3では、低下率を評価値W1により徐々に減少させ、操作信号L1に対応する制御信号を増加させる。つまり、図4に示すように、評価値W1が増加する場合には、操作信号L1に対応する制御信号L3は減少し、評価値W1が減少する場合には、操作信号L1に対応する制御信号L3は増加する。
さて、上述した実施形態では、走行系の油圧システムについて説明したが、作業系の油圧システムにおいても適用が可能である。図5は、作業系の油圧システムを示している。
図5に示すように、作業系の油圧システムは、第2油圧ポンプP2と、複数の制御弁56を備えている。第2油圧ポンプP2は、原動機32の動力によって駆動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第2油圧ポンプP2は、作動油タンク22に貯留された作動油を吐出可能であって、例えば、作業系の油路に作動油を供給する。例えば、第2油圧ポンプP2は、ブーム10を作動させるブームシリンダ14、バケットを作動させる作業具シリンダ15、予備油圧アクチュエータを作動させる予備油圧アクチュエータを制御する制御弁(流量制御弁)に作動油を供給する。
複数の制御弁56のそれぞれは、複数の位置(切換位置)に切り換え可能であって、油圧アクチュエータを制御する制御弁である。複数の制御弁56のそれぞれは、例えば、油圧アクチュエータの1つであるブームシリンダ14、作業具シリンダ15、予備アタッチメントに設けられた予備アクチュエータ26等を制御する。複数の制御弁56は、ブーム制御弁56Aと、作業具制御弁56Bと、予備制御弁56Cとを含んでいる。ブーム制御弁56Aは、ブームシリンダ14を制御する弁であって、作業具制御弁56Bは、作業具シリンダ15を制御する弁である。ブーム制御弁56A、作業具制御弁56Bは、それぞれパイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。ブーム制御弁56Aは、中立位置80c、第1位置80a、第2位置80bに切り換え可能である。作業具制御弁56Bは、パイロット圧によって、中立位置82c、第1位置82a、第2位置82bに切り換わる。ブーム制御弁56Aには、給排油路96を介してブームシリンダ14が接続され、作業具制御弁56Bには、給排油路97を介して作業具シリンダ15が接続されている。
作業機1は、操作装置(作業操作装置)58を備えている。操作装置(作業操作装置)58は、ブームシリンダ14、作業具シリンダ15を操作する装置であり、ブーム制御弁56A及び作業具制御弁56Bの切換を行うことができる装置である。操作装置(作業操作装置)58は、作業操作部材62と、作業操作部材62の操作量を検出可能な検出センサ63とを含んでいる。
検出センサ63は、作業操作部材62の中立位置からの操作量を検出するセンサである。検出センサ63は、作業操作部材62を中立位置から前方に操作した場合の操作量(前方操作量)、作業操作部材62を中立位置から後方に操作した場合の操作量(後方操作量)、検出センサ63は、作業操作部材62を中立位置から左方に操作した場合の操作量(左方操作量)、作業操作部材62を中立位置から右方に操作した場合の操作量(右方操作量)を検出可能である。
検出センサ63は、検出センサ52と同様に、作業操作部材62の操作量(前方操作量、後方操作量、左方操作量、右方操作量)に応じた操作信号を制御装置88に出力する。即ち、検出センサ63は、操作量が大きくなるにしたがって操作信号を徐々に大きくする。言い換えれば、検出センサ63は、操作量に比例する操作信号を出力する。
作業操作部材62は、中立位置から、前後、左右、斜め方向に傾動可能に支持されている。作業操作部材62を傾動操作することにより、作業操作部材62の下部に設けられた各操作弁を操作することができる。作業機1は、複数の操作弁59が備えており、複数の操作弁59は、操作弁59A、59B、59C、59Dを含んでいる。
作業操作部材62を前側に傾動させると、操作弁59Aが操作されて当該操作弁59Aからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、ブーム制御弁56Aの受圧部に作用し、ブーム制御弁56Aが第1位置80aに切り換わり、ブーム10は下降する。
作業操作部材62を後側に傾動させると、操作弁59Bが操作されて当該操作弁59Bからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、ブーム制御弁56Aの受圧部に作用し、ブーム制御弁56Aが第2位置80bに切り換わり、ブーム10は上昇する。
作業操作部材62を右側に傾動させると、バケットダンプ用の操作弁59Cが操作されてバケットダンプ用の操作弁59Cからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、作業具制御弁56Bの受圧部に作用し、作業具制御弁56Bが第1位置82aに切り換わり、バケット11がダンプ動作する。
作業操作部材62を左側に傾動させると、バケットスクイ用の操作弁59Dが操作されて当該バケットスクイ用の操作弁59Dからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、作業具制御弁56Bの受圧部に作用し、作業具制御弁56Bが第2位置82bに切り換わり、バケット11がスクイ動作する。
予備制御弁56Cは、予備アクチュエータ26を制御する弁であって、パイロット方式の直動スプール形4位置切換弁である。予備制御弁56Cは、パイロット圧によって、中立位置83c、第1位置83a、第2位置83b、第3位置83dに切り換わる。即ち、予備制御弁56Cは、第1位置83a、第2位置83b、第3位置83dに切り換わることによって、予備油圧アクチュエータへ向かう作動油の方向、流量及び圧力を制御する。
図5に示すように、予備制御弁56Cには、第1給排油路81aと、第2給排油路81bが接続されている。第1給排油路81aの一端は、予備制御弁56Cの第1給排ポート84に接続され、第1給排油路81aの中途部は、接続部材50に接続され、第1給排油路81aの他端部は、予備アクチュエータ26に接続される。第2給排油路81bの一端は、予備制御弁56Cの第2給排ポート85に接続され、第2給排油路81bの中途部は、接続部材50に接続され、第2給排油路81bの他端部は、予備アクチュエータ26に接続される。
予備制御弁56Cは、複数の比例弁60によって操作される。比例弁60は、励磁によって開度が変更可能な電磁弁である。複数の比例弁60は、第1比例弁60Aと、第2比例弁60Bである。第1比例弁60A及び第2比例弁60Bには、油路100を介して第1油圧ポンプP1が接続されている。比例弁60(第1比例弁60Aと、第2比例弁60B)と、予備制御弁56Cとは、パイロット油路86により接続されている。パイロット油路86は、比例弁60(第1比例弁60Aと、第2比例弁60B)を介してパイロット油を予備制御弁56Cに流す油路である。
したがって、第1比例弁60Aを開くと、パイロット油はパイロット油路86を介して予備制御弁56Cの受圧部87aに作用し、当該第1比例弁60Aの開度によって受圧部87aに付与(作用)するパイロット圧が決まる。また、第2比例弁60Bを開くと、パイロット油はパイロット油路86を介して予備制御弁56Cの受圧部87bに作用し、当該第2比例弁60Bの開度によって受圧部87bに付与(作用)するパイロット圧が決まる。
比例弁60(第1比例弁60Aと、第2比例弁60B)の励磁等は、制御装置(第1制御装置)88で行う。制御装置88は、CPU等から構成されている。制御装置88には、スイッチ等の操作部材89が接続され、操作部材89の操作量に基づいて、第1比例弁60A及び第2比例弁60Bの開度が設定され、その結果、予備制御弁56Cの受圧部87a、87bに第1比例弁60A及び第2比例弁60Bのいずれかのパイロット圧が作用し、予備アクチュエータ26を操作することができる。
なお、作業機の油圧システムは、ロードセンシングシステムを備えている。ロードセンシングシステムは、油圧アクチュエータの作動時の最高負荷圧と第2油圧ポンプP2の吐出圧との差圧が一定となるように第2油圧ポンプP2を制御する(第2油圧ポンプP2の吐出量を制御する)システムである。ロードセンシングシステムは、複数の制御弁56に接続された圧力補償弁75が接続されたPLS油路70と、PPS油路71と、レギュレータ76、傾転ピストン73とを有している。
複数の制御弁56のうち、最も負荷圧が高い圧力(PLS信号圧)がPLS油路70に作用する一方、PPS油路71がレギュレータ76に伝達される。第2油圧ポンプP2の作動油の吐出圧であるPPS信号圧とPLS信号圧との差圧(PPS信号圧-PLS信号圧)が一定になるように、レギュレータ76は、傾転ピストン73を作動させる。
制御装置88は、揺れ演算部88Fと、制御信号生成部188Hとを有している。揺れ演算部88F及び制御信号生成部188Hは制御装置88に設けられた電気・電子回路、制御装置88に格納されたプログラム等により構成されている。揺れ演算部88Fと、制御信号生成部188Hは、操作信号が検出センサ63から出力された信号であり、制御信号が複数の操作弁59のそれぞれに出力する信号である点が、揺れ演算部88B及び制御信号生成部188Dと異なるだけでその他の構成は同じである。即ち、上述した揺れ演算部88B及び制御信号生成部188Dの説明において、走行操作部材51、複数の操作弁55(操作弁55A、55B、55C、55D)のそれぞれを、作業操作部材62、複数の操作弁59(操作弁59A、59B、59C、59D)に読み替えることにより、揺れ演算部88F及び制御信号生成部188Hの説明となる。
また、制御信号生成部188Dは、評価値W1が閾値以上である場合に、操作信号(作業操作信号)と制御弁56、例えば、作業具制御弁56Bにおけるスプールの移動量との関係、即ち、作業具制御弁56Bに出力する制御信号との関係(操作信号と制御信号との関係を示すマップ)を予め定められた第1マップとは異なる第2マップにするモードに切り換えるようにしてもよい。
作業機の油圧システムは、油圧機器と、油圧機器を作動させる作動油を出力可能で制御信号によって油圧機器に供給する作動油を変更可能な操作弁55,59と、揺動自在に支持された操作部材(走行操作部材51、作業操作部材62)を有し且つ、操作部材(走行操作部材51、作業操作部材62)の操作量に応じて操作信号を出力可能な操作装置54,58と、操作信号に基づいて操作部材(走行操作部材51、作業操作部材62)の揺れの度合を示す評価値を演算する揺れ演算部88B,88Fと、評価値W1及び操作信号に基づいて制御信号を生成する制御信号生成部188H、188Dと、を備えた制御装置88と、を備えている。
これによれば、走行操作部材51、作業操作部材62の揺れの度合、即ち、評価値W1によって、操作信号に対応した制御信号を出力したり、操作信号に比べて制御信号を小さくすることができるため、簡単にオペレータの意図通りに油圧機器を操作することができる。例えば、オペレータが走行操作部材51、作業操作部材62のそれぞれを瞬間的に操作した場合には、操作量(操作信号)に対応した制御信号を操作弁55,59に出力することによって油圧機器を作動させたり、走行操作部材51、作業操作部材62がオペレータの意図とは関係なく作業機1の走行や作業(地面の状況、作業機の特性等、様々な作業自体)によって揺れている場合には、操作量(操作信号)に対して操作信号を低下させることにより、走行や作業によって揺れに対応してハンチング、ジャーキングを防止することができる。言い換えれば、オペレータが操作部材(走行操作部材51、作業操作部材62)を握った状態で、作業機1の走行、走行によって操作部材が揺れてしまう場合と、オペレータが意図して操作部材を操作した場合とに応じて、制御信号を変更することができる。
揺れ演算部88B,88Fは、操作信号が所定時間内に中立位置に対応した中立信号値を通過している場合には、評価値W1を増加させ、操作信号が所定時間内に中立信号値を通過しなかった場合には、評価値W1を増加させない。これによれば、走行操作部材51、作業操作部材62が、作業機1の振動によって中立位置を跨いで揺れている場合などを評価値W1として求めることができる。
揺れ演算部88B,88Fは、操作信号が所定時間T10内に変曲している場合には、評価値W1を増加させ、操作信号が所定時間T10内に変曲していない場合には、評価値W1を減少させる。これによれば、走行操作部材51、作業操作部材62が、作業機1の振動によって揺れている場合等を評価値W1として求めることができる。
揺れ演算部88B,88Fは、評価値W1が増加するにつれて操作信号に対する制御信号の値を減少させる。これによれば、作業機1の揺れに対応して、制御信号を抑えることができる。
揺れ演算部88B,88Fは、評価値W1が減少するにつれて操作信号に対する制御信号の値を増加させる。これによれば、作業機1の揺れが収まっている場合には、制御信号を元の状態、揺れていない状態に戻すことができる。
油圧機器は、操作弁55,59によって設定された作動油の圧力に応じて吐出する作動油の流量を変更可能な走行ポンプ(左走行ポンプ53L、右走行ポンプ53R)と、走行ポンプ(左走行ポンプ53L、右走行ポンプ53R)が出力した作動油の流量に応じて作動するする走行モータ(左走行モータ36L、右走行モータ36R)と、を含んでいる。これによれば、走行操作部材51を操作して、走行系(走行ポンプ、走行モータ)により走行させる場合に、オペレータの意図した操作を行うことができる。
油圧機器は、ブーム10を作動させるブームシリンダ14と、ブーム10の先端に装着された作業具を作動させる作業具シリンダ15と、操作弁55,59によって設定された作動油の圧力に応じてブームシリンダ14へ供給する作動油を制御するブーム制御弁56Aと、操作弁55,59によって設定された作動油の圧力に応じて作業具シリンダ15へ供給する作動油を制御する作業具制御弁56Bと、を含んでいる。これによれば、作業操作装置62を操作して、ブーム10を昇降させたり、作業具を作動させる場合に、オペレータの意図した操作を行うことができる。
なお、上述した実施形態では、評価値W1に応じて制御信号の出力を変更していたが、操作信号が走行系の信号、即ち、走行操作部材51を操作した時の操作信号(走行操作信号)である場合には、制御信号生成部188D、188Hは、評価値W1に応じて制御信号を減少させ、作業系の信号、例えば、作業操作部材62を操作した時の操作信号(作業操作信号)であって且つ作業操作信号がバケット11を操作する作業操作信号である場合には、評価値W1に応じて制御信号をさせないようにしてもよい。このようにすれば、作業機1を旋回させる場合には、作業機1の振動に応じた操作を行うことができ、バケット11を操作する場合は、オペレータの操作に対応してバケット11を細かく操作することができる。
また、制御信号生成部188Hは、作業操作信号がブーム10を操作する作業操作信号である場合には、評価値W1に応じて制御信号を減少させてもよい。このようにすれば、作業具11を昇降させる場合(ブーム10を昇降させる場合)には、作業機1の振動に応じた操作を行うことができる。
つまり、制御信号生成部188D、188Hは、操作信号が予め定められた操作信号(除去対象信号)である場合に、評価値W1に応じて制御信号を減少(低下)させ、除去対象信号でない場合は、制御信号を減少(低下)させないようにしてもよい。これによれば、作業別に応じて、作業機1の振動に対応した操作を行ったり、オペレータの操作に対応した操作を行うことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 :作業機
10 :ブーム
11 :作業具
14 :ブームシリンダ
15 :作業具シリンダ
36L、36R :走行モータ
53L、53R :走行ポンプ
53L :走行ポンプ
54 :操作装置
55 :操作弁
55A :操作弁
55B :操作弁
55C :操作弁
55D :操作弁
56 :制御弁
56A :ブーム制御弁
56B :作業具制御弁
58 :操作装置
59 :操作弁
59A :操作弁
59B :操作弁
59C :操作弁
59D :操作弁
88 :制御装置
88B :演算部
88F :演算部
89 :操作部材
188D :制御信号生成部
188H :制御信号生成部
L1 :操作信号
L2 :中立信号値
L3 :制御信号
W1 :評価値

Claims (6)

  1. 油圧機器と、
    前記油圧機器を作動させる作動油を出力可能で制御信号によって前記油圧機器に供給する作動油の油圧を変更可能な操作弁と、
    揺動自在に支持された操作部材を有し且つ、操作部材の操作量に応じて操作信号を出力可能な操作装置と、
    各変曲点での変曲を繰り返し、一変曲点にて変曲してからその次の変曲点に達して変曲するまでに、前記操作部材の中立位置に対応した中立信号値を通過する前記操作信号の変化に基づいて前記操作部材の揺れの周期に関する評価値を演算する揺れ演算部と、前記評価値及び前記操作信号に基づいて制御信号を生成する制御信号生成部とを備えた制御装置と、
    を備え
    前記揺れ演算部は、前記操作信号が前記中立信号値を通過した各時点にて前記評価値を増加させ、増加させた前記評価値を、前記各時点から所定時間かけて減少させる作業機。
  2. 前記揺れ演算部は、前記各時点で前記評価値を定数分増加し、前記各時点から前記所定時間かけて前記評価値の前記定数分を0まで減少させ、前記所定時間内に前記操作信号が前記中立信号値を通過すると、前記評価値の減少を停止し、当該減少を停止した時点で残存する前記評価値に、前記定数分の前記評価値を加える請求項1に記載の作業機。
  3. 前記制御信号生成部は、前記評価値が増加するにつれて前記操作信号に対する前記制御信号の値を減少させる請求項1又は2に記載の作業機。
  4. 前記制御信号生成部は、前記評価値が減少するにつれて前記操作信号に対する前記制御信号の値を増加させる請求項1~3のいずれかに記載の作業機。
  5. 前記油圧機器は、
    前記操作弁によって設定された作動油の圧力に応じて吐出する作動油の流量を変更可能な走行ポンプと、
    前記走行ポンプが出力した作動油の流量に応じて作動する走行モータと、
    を含んでいる請求項1~4のいずれかに記載の作業機。
  6. 前記油圧機器は、
    ブームを作動させるブームシリンダと、
    ブームの先端に装着された作業具を作動させる作業具シリンダと、
    前記操作弁によって設定された作動油の圧力に応じて前記ブームシリンダへ供給する作動油を制御するブーム制御弁と、
    前記操作弁によって設定された作動油の圧力に応じて前記作業具シリンダへ供給する作動油を制御する作業具制御弁と、
    を含んでいる請求項1~5のいずれかに記載の作業機。
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