JP7200021B2 - 低膨潤シリアル及びその製造方法 - Google Patents

低膨潤シリアル及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7200021B2
JP7200021B2 JP2019057073A JP2019057073A JP7200021B2 JP 7200021 B2 JP7200021 B2 JP 7200021B2 JP 2019057073 A JP2019057073 A JP 2019057073A JP 2019057073 A JP2019057073 A JP 2019057073A JP 7200021 B2 JP7200021 B2 JP 7200021B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cereal
monoglyceride
low
swelling
melting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019057073A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020156350A (ja
Inventor
良美 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Foods Holdings Co Ltd
Original Assignee
Nissin Foods Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Foods Holdings Co Ltd filed Critical Nissin Foods Holdings Co Ltd
Priority to JP2019057073A priority Critical patent/JP7200021B2/ja
Publication of JP2020156350A publication Critical patent/JP2020156350A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7200021B2 publication Critical patent/JP7200021B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Confectionery (AREA)
  • Cereal-Derived Products (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)

Description

本発明は、膨潤しにくいシリアル及びその製造方法に関するものである。
グラノーラやフレークなどのシリアルは、栄養価が高く、長期保存でき、手軽に喫食できるため、近年、軽食としての需要が高まっている。そして、需要の高まりに合わせて、市場のニーズも多様化しており、手軽に食べられるシリアルバー(棒状成形物)やシリアルブロック(塊状成形物)なども人気を集めている。
ところが、シリアルそのものについては改良が進んでおらず、シリアルにホットミルクやヨーグルトなどの液状物を加えると、シリアルがふやけてサクサクとした食感が失われるという長年の課題についてはなんら解決策が提案されてこなかった。
特開2007-130018号公報 特表2011-500094号公報
本発明は、ヨーグルトのような常温~低温の液体だけではなく、ホットミルクのような高温の液体を注いだ場合であっても、サクサクとしたシリアルの食感を持続することを目的とするものである。
シリアルに、炭素数16~24の脂肪酸のモノグリセライドを加えることにより、シリアルに移行しにくくなり、ヨーグルトのような常温~低温の液体だけではなく、ホットミルクのような高温の液体を注いだ場合であっても、サクサクとしたシリアルの食感を持続することができる。
本発明の完成により、ヨーグルトやホットミルクのような液状物を加えた場合であっても、サクサクとしたシリアルの食感を持続させることができる。
本発明の対象は、シリアルとモノグリセライドとからなる低膨潤シリアルである。シリアルを後述するモノグリセライドを加えることで、ヨーグルトやホットミルクのような液状物を加えても、サクサクとしたシリアルの食感を持続できる。
低膨潤シリアルの水分含有量は4重量%以下である。水分含有量が4重量%を超えると、液状物を注ぐ以前から湿気た食感になってしまう。一方、水分含有量の下限値には特に制限はないが、シリアルの水分含有量を1重量%未満にすることは生産上困難である。したがって、生産性の観点から、低膨潤シリアルの水分含有量は1重量%以上が好ましい。
本発明の低膨潤シリアルは、シリアル1000mlに対し、モノグリセライドを25~70ml配合したものである。なお、シリアルの容積にはシリアル間の隙間やシリアル内部に生じている空隙も含まれる。すなわち、比重が軽く、大きいシリアルを用いた場合には、単位重量当たりの容積は大きくなる。より具体的には、コーンフレーク100g当たりの容積は900~1100ml程度であり、コーンフレークよりも嵩比重の重い俵型パフでは100g当たりの容積は500~700ml程度である。
本発明においては、シリアル1000mlに対して、モノグリセライドを25~70ml加えることが好ましく、35~55mlがより好ましい。モノグリセライドが25ml未満の場合には、シリアルをモノグリセライドで斑なく覆うことができず、シリアルが湿気やすい。一方、モノグリセライドが70mlを超える場合には、モノグリセライドの層が厚くなりすぎてシリアル本来の食感が損なわれたり、モノグリセライドの味が強くなりすぎてシリアルの風味が損なわれる。
(シリアル)
次に、本発明に用いるシリアルについて説明する。一般にシリアルとは、トウモロコシ、オーツ麦などの禾穀類を押しつぶして焼成したフレークや、熱や圧力を加えた後、急激に減圧して膨化させたパフをいうが、本発明においては、禾穀類の使用有無は問わない。すなわち、本発明においては、禾穀類に由来する原料を含んでいないとしてもフレーク状又はパフ状に加工した食品についてはシリアルに含める。なお、複数の原料を組み合わせて用いてもよい。
シリアルに用いる原料としては、トウモロコシ、オーツ麦、小麦、大麦、米、アワ、ヒエ、キビ等の禾穀類、大豆、小豆、緑豆、インゲン豆、エンドウ豆等の菽穀類、ソバ、キヌア等の擬似穀類、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、デキストリン等の炭水化物、難消化性デキストリン、セルロース、サイリウム、ポリデキストロース等の食物繊維などが挙げられる。
シリアルには、味の調整等の目的で、その他の原料を加えてもよい。例えば、単糖、二糖、オリゴ糖、マルトデキストリン等の低分子量の甘味料、塩化ナトリウム等の塩味成分、グルタミン酸ナトリウム等の旨味成分、カフェイン等の苦味成分、クエン酸等の酸味成分、香辛料、香料等の香味成分など(以下「その他成分」という)を添加することができる。
シリアルのかさ比重(以下単に「比重」という)は80~400g/Lであることが好ましく、100~200g/Lがより好ましい。比重が80g/L未満の場合には、シリアルが脆く欠損しやすい。また、比重が300g/Lを超える場合には、組織が密なため食感が硬くなりすぎる。
本発明における「かさ比重(比重)」とは、シリアル1リットルあたりの重量を指す。具体的な測定法は以下の通りである。
(1)シリアルを、ビーカー(容量2000ml)の1000mlの目盛りまで投入し、振幅機を用いてシリアルが破損しない程度に30秒振動させる。
(2)投入したシリアルの上面が1000mlの目盛を下回った場合には、1000mlの目盛りまでシリアルを追加して、再度30秒振動させる。振動前後で、1000mlの目盛りとシリアルの上面がずれなくなるまで、この作業を繰り返す。
(3)ビーカーからシリアルを取り出してかさ比重(1000mlあたりのシリアルの重量(g)、単位g/L)を計測する。
なお、シリアルの製造方法には特に制限はなく、サクサクとした食感を有していれば十分である。したがって、製造方法が明らかではない市販のシリアルを用いてもよい。
(モノグリセライド)
本発明のモノグリセライドは、炭素数16~24の脂肪酸のモノグリセライド(以下単に「モノグリセライド」という場合には、炭素数16~24の脂肪酸のモノグリセライドを指すものとする)を含む。モノグリセライドは、常温で固体であり、且つ疎水性である。このため、ヨーグルトやホットミルクのような液状物を加えても水分がシリアルに移行しにくく、サクサクとしたシリアルの食感を持続できる。
本発明で用いる炭素数16~24の脂肪酸のモノグリセライドとは、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の炭素数16~24の脂肪酸とグリセリンとのモノエステルである。モノグリセライドの製造方法には、グリセリンと脂肪酸から製造するエステル化法と、食用油脂とグリセリンを原料とするエステル交換法とがある。また、精製前のモノグリセライド含量は、45~70%程度であり、分子蒸留を行うことでモノグリセリド含量を90%以上に高めることができる。
さらに、融点が70℃以上のモノグリセライド(以下「高融点モノグリセライド」という)を用いることがより好ましい。高融点モノグリセライドを用いることで、ホットミルクのような加温された液状物を加えた場合であってもシリアルの膨潤を抑制することができる。なお、高融点モノグリセライドとしては、ベヘン酸モノグリセライド、リグノセリン酸モノグリセライド等が挙げられる。
本発明においては、更に融点が40℃以下の油脂(以下「低融点油脂」という)を加えてもよい。低融点油脂は、モノグリセライドと比べて流動性が高いため、低融点油脂を少量添加することでモノグリセライドの粘度を下げて、シリアルに添加する際の作業効率が向上させることができる。一方、低融点油脂は、ホットミルクのような高温の液体を注いだ場合には、膨潤を促進する傾向がある。したがって、低融点油脂を過剰に添加しないように留意する必要がある。
ここで、作業効率の観点から、低融点油脂の添加量は、シリアル1000mlに対して2ml以上が好ましく、5ml以上がより好ましい。また、高温液体を注いだ際の膨潤を抑制する観点から、低融点油脂の添加量はシリアル1000mlに対して20ml以下が好ましく、15ml以下がより好ましい。
モノグリセライドには、粘度調整、味調整等の目的で、低融点油脂以外のその他の原料を添加してもよい。例えば、融点が70℃未満のモノグリセライド、単糖、二糖、オリゴ糖、マルトデキストリン等の低分子量の甘味料、塩化ナトリウム等の塩味成分、グルタミン酸ナトリウム等の旨味成分、カフェイン等の苦味成分、クエン酸等の酸味成分、香辛料、香料等の香味成分など(以下「その他成分」という)を添加することができる。
シリアルにモノグリセライドを塗布する方法としては、モノグリセライドを溶融させてからシリアルに添加する方法(方法1)や、モノグリセライドを含むエマルション溶液(コーティング剤)をシリアルに添加する方法(方法2)などが挙げられるが、方法2を採用した場合には乾燥工程を設ける必要があるため、方法1が好適である。
本実施例に用いた原料の詳細は以下の通りである。
シリアル(コーンフレーク):日清シスコ社製「シスコーンBIGプレーンタイプ」、かさ比重110g/L(実測値)
ベヘン酸モノグリセライド:太陽化学社製「サンソフトNo.8100」、融点85℃(実測値)
ステアリン酸モノグリセライド;理研ビタミン社製「エマルジ―MH」、融点70℃(実測値)
低融点油脂:精製ヤシ油、融点26℃(実測値)
(実施例1)
ベヘン酸グリセリル(炭素数22の脂肪酸のモノグリセライド)を90℃で10分加熱して完全に溶融させ、次にコーンフレーク1000mlに対し、当該溶融物を40ml斑なく添加し、速やかに冷却して低膨潤シリアル1(実施例1)を製造した。
(実施例2~5、比較例1~4)
表1の通り変更して、低膨潤シリアル2~9(実施例2~5、及び比較例1~4)を製造した。
なお、ベヘン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド及び低融点油脂を溶融させる温度は、いずれも低膨潤シリアル1と同様に90℃である。また、低膨潤シリアル4(実施例4)については、ベヘン酸モノグリセライドの溶融物と低融点油脂の溶融物を混合してからシリアルに添加したものであり、ベヘン酸モノグリセライドを単独で使用した場合と比較して、溶融物の粘度が下がり、作業効率が大幅に改善した。
(評価)
温度の異なる牛乳を用いて低膨潤シリアル1~9の膨潤状態を評価した。
低温評価
100mlビーカーに入った低膨潤シリアル1~9 45mlに、7℃±1℃の牛乳50mlを加えて、完全に膨潤するまでの時間を計測した。計測は1分毎、且つ最大20分まで実施した。
高温評価
100mlビーカーに入った低膨潤シリアル1~9 45mlに、80℃±3℃のホットミルク50mlを加えて、完全に膨潤するまでの時間を計測した。なお、低温評価の際と同様に、計測は1分毎、且つ最大20分まで実施した。
Figure 0007200021000001
ベヘン酸モノグリセライド、またはステアリン酸モノグリセライドを添加することで大幅に膨潤が改善された(実施例1,2、比較例1、2参照)。モノグリセライドの添加量が20mlの場合には、膨潤が充分には改善されなかったが、30mlの場合には明らかに膨潤が改善した(実施例3、比較例3、4参照)。低融点油脂については作業効率は向上するものの高温評価が低下する傾向だった。
表中には示していないが、実施例4(ベヘン酸モノグリセライドを50ml)については、ベヘン酸モノグリセライドの臭いが強くなりすぎてしまいシリアル全体の風味が悪化した。なお、実施例4において、さらにベヘン酸モノグリセライドを追加した場合(ベヘン酸モノグリセライドを80ml)には、風味が悪すぎて喫食に堪えなかった。

Claims (4)

  1. 素数16~24の脂肪酸のモノグリセライドが塗布された低膨潤シリアルであって、シリアル1000mlあたり、モノグリセライドを25~70ml含有することを特徴とする低膨潤シリアル。
  2. 更に、融点が40℃以下の低融点油脂を2~20ml含有することを特徴とする請求項1記載の低膨潤シリアル。
  3. シリアルと、炭素数16~24の脂肪酸のモノグリセライドを含んでなる低膨潤シリアルの製造方法であって、
    モノグリセライドを、モノグリセライドの融点よりも高い温度で加熱してモノグリセライド溶融物を調整し、
    且つ
    シリアル1000mlに対して、モノグリセライド溶融物を25~70ml添加する、
    ことを特徴とする低膨潤シリアルの製造方法。
  4. 更に、融点が40℃以下の低融点油脂を加えて、モノグリセライド溶融物の粘度を低下させることを特徴とする請求項3記載の低膨潤シリアルの製造方法。

    以上
JP2019057073A 2019-03-25 2019-03-25 低膨潤シリアル及びその製造方法 Active JP7200021B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019057073A JP7200021B2 (ja) 2019-03-25 2019-03-25 低膨潤シリアル及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019057073A JP7200021B2 (ja) 2019-03-25 2019-03-25 低膨潤シリアル及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020156350A JP2020156350A (ja) 2020-10-01
JP7200021B2 true JP7200021B2 (ja) 2023-01-06

Family

ID=72640290

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019057073A Active JP7200021B2 (ja) 2019-03-25 2019-03-25 低膨潤シリアル及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7200021B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH584013A5 (ja) * 1972-12-15 1977-01-31 Hoffmann La Roche
JPH04141056A (ja) * 1990-09-28 1992-05-14 Terumo Corp 乾燥食品およびその製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
東海公衆衛生雑誌,2018年,Vol.6,No.1,pp.60-69

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020156350A (ja) 2020-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4772160B1 (ja) 即席乾燥麺およびその製造方法
JPWO2006082804A1 (ja) パン粉の吸油性を低下させる方法、パン粉の製造方法およびパン粉
CN107343643A (zh) 生产裹衣坚果仁的工艺、配方及产品
WO2012039495A1 (ja) フライ麺線の製造方法
Pahade et al. Effect of blanching and coating with hydrocolloids on reduction of oil uptake in French fries
WO2018008710A1 (ja) 衣付揚げ物の製造方法
JP2012529288A (ja) 吸油低減化バッターミックス組成物
JP2008092945A (ja) 米飯改質剤およびそれを用いた米飯食品、ならびにそれらの製造方法
JP4281364B2 (ja) 穀類加工食品の品質改良
WO2006028149A1 (ja) 米飯用水中油型乳化組成物及びそれを用いた米飯
JP7200021B2 (ja) 低膨潤シリアル及びその製造方法
JPWO2016136877A1 (ja) 麺類用品質改良剤および麺類の製造法
JP5927988B2 (ja) グミ様食品及びその製造方法
JP6762653B2 (ja) 水産練り製品用粉末油脂組成物
JP2010104244A (ja) 和風スナック用ミックス粉及び和風スナック
JP2007054003A (ja) 調理麺の製造方法
JP5968140B2 (ja) 油揚げ様食品用の衣組成物及び惣菜用材料セット
JP4854631B2 (ja) 焼き菓子
JP4642806B2 (ja) 乾燥澱粉麺様食品及びその製造方法
JP5377255B2 (ja) フライ様食品
JP4153334B2 (ja) 新規ローストオニオン
JP2006055024A (ja) 粥類用乾燥米飯
JP5214089B2 (ja) 植物粉末及びその製造方法
JP2010268720A (ja) 膨化菓子及びその製造方法
JP6305804B2 (ja) ノンフライポテトチップス及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7200021

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150