以下、図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。本実施の形態は、タマネギやレタス等の作物の苗を植え付ける移植機の一例である。
まず、図1及び2を参照しながら、本実施の形態の移植機の構成及び動作について具体的に説明する。
図1及び2においては、4条植えの移植機が示されており、植付機構40は機体左右方向に4個の植付ホッパ41を有する。該植付ホッパ41は、機体左右両外側に設けられる左右の外側植付ホッパ41a,41dと、該左右の外側植付ホッパ41a,41dの左右間に設けられる左右の内側植付ホッパ41b,41cで構成される。
本実施の形態の移植機は、歩行作業者のためのハンドル13のみならず、作業者が搭乗する座席14、及び左右一対のフロア15を有する、所謂乗用型の移植機である。
車体10の前部には、エンジン20などが左右一対の従動前輪11とともに配置されている。エンジン20によって発生された駆動力は、左右一対の走行チェーンケース21を介して左右一対の駆動後輪12などへ伝達される。
操作ユニット30は、歩行作業者が車体10の後方を歩きながら車体走行操作を行うためのユニットである。
植付機構40は、昇降されて苗を植え付ける、複数の植付条に各々対応する植付ホッパ41、即ち左右の外側植付ホッパ41a,41dと左右の内側植付ホッパ41b,41cを有する構成である。
本願においては、植付機構40は、機体左側の外側植付ホッパ41a及び内側植付ホッパ41b、及び機体右側の外側植付ホッパ41d及び内側植付ホッパ41cを各々昇降させて苗を植え付ける構成である。
なお、外側植付ホッパ41a,内側植付ホッパ41b,外側植付ホッパ41d及び内側植付ホッパ41cは、各々を区別すべく、機体左右一方の外側に配置される第1植付ホッパ41a、機体左右一方の内側に配置される第2植付ホッパ42b、機体左右他方の内側に配置される第3植付ホッパ41c、及び機体左右他方の外側に配置される第4植付ホッパ41dと呼称してもよい。
苗供給テーブル42は、ループ状に連結されて周回させられる、搭乗作業者により投入された苗を収容する複数の苗収容カップなどを有する。
車体10の後部には、苗供給テーブル42により供給された苗を植え付ける4つの植付ホッパ41、及び植付けられた苗の周辺の土壌に鎮圧荷重を負荷する鎮圧機構50等が、駆動後輪12と共に配置されている。
図3から図5に示すとおり、上記の第1から第4植付ホッパ41a,41b,41c,41dは、上部側を回動支点として下部側が開閉するクチバシ形状の左右一対のホッパ構成体39,39と、苗供給テーブル42から落下供給される苗を該左右のホッパ構成体39,39の内部に案内する苗ガイド38で構成する。
該苗ガイド38は平面視で楕円形状とし、機体左右外側に位置する外側植付ホッパ41a,41dの上部に設ける外側苗ガイド38a,38dは、長手方向が機体左右方向を向く姿勢で装着する。一方、機体左右内側に位置する内側植付ホッパ41b,41cの上部に設ける内側苗ガイド38b,38cは、長手方向が機体前後方向を向く姿勢で装着する。さらに、該左右の内側苗ガイド38b,38cは、苗供給テーブル42の左右方向の搬送経路の下方において、機体前側部分が搬送経路に臨む配置とする。
図1及び図2に示すとおり、前記苗供給テーブル42は、作業者が苗を一株または所定株数投入する、複数の苗搬送カップ42a…を円周状に繋げ、駆動力を受けて周回駆動させ、所定位置、即ち第1から第4の植付ホッパ41a,41b,41c,41dの上方で投入された苗を落下供給する構成としており、苗の植付の前後間隔、即ち株間の変速機構(図示省略)の切替操作に合わせて、この周回駆動による複数の苗搬送カップ42a…の回転ピッチが変化する構成とする。
本件においては、株間を切り替えた際、苗供給テーブル42の直線搬送部分と円弧搬送部分の境目付近に位置する第1及び第4の植付ホッパ41a,41dに苗が落下供給される位置が機体左右方向に大きく変わり、苗供給テーブル42の直線搬送部分に位置する第2及び第3の植付ホッパ41b,41cに苗が落下供給される位置はほとんど変化しない構成である。
左右の外側苗ガイド38a,38dの長手方向を機体左右方向に向けることにより、苗供給テーブル42の回転ピッチを変更して苗の落下供給位置が大きく変動しても、苗は左右の外側苗ガイド38a,38dの左右幅内に落下するので、苗の引継ぎミスにより、苗が植え付けられない箇所の発生が防止される。これにより、苗を手作業で植え直す必要が無くなり、作業者の労力が軽減される。
また、左右の内側苗ガイド38b,38cの長手方向を機体前後方向に向け、左右の内側苗ガイド38b,38cの機体前側部分を苗供給テーブル42の直線搬送部分の下方に配置したことにより、左右の内側苗ガイド38b,38c同士の左右間隔が広くなると共に、左右の内側苗ガイド38b,38cが植付機構40の昇降機構に接触することが防止でき、苗同士の左右間隔(条間)の狭い植付作業に適した移植機を構成できる。
上記第1から第4の植付ホッパ41a,41b,41c,41dが植え付けた苗の周囲を鎮圧する鎮圧機構50は、簡潔に言えば、左右の外側植付ホッパ41a,41dに各々対応する外側鎮圧具100a,100dと、左右の内側植付ホッパ41b,41cに各々対応する内側鎮圧具100b,100cで構成される。
図6から図7により、鎮圧機構50について具体的に説明する。
まず、車体10の後部に左右方向に配置する後部円筒フレーム70の左右両側に鎮圧支持プレート71,71を設け、該左右の鎮圧支持プレート71,71の左右間にローリング支持プレート72,72を設け、該左右の鎮圧支持プレート71,71及び左右のローリング支持プレート72,72の機体後側に各々形成する取付孔部(図示省略)を通して左右の鎮圧回動軸73,73を回転可能に設ける。なお、該左右の鎮圧回動軸73,73の機体内側端部同士は連結しないが、土や石等の接触防止や機体内側方向に鎮圧回動軸73,73が寄ることを防止すべく、一つの防護カラー69で左右の鎮圧回動軸73,73の機体内側端部付近の外周を覆う構成とする。
そして、前記左右の鎮圧回動軸73,73の機体外側端部から左右内側に向かう所定範囲に亘って、左右の外側鎮圧具100a,100dを構成する外側取付ボス74,74を連動して回転可能に装着する連動装着部73a,73aを各々形成する。
該連動装着部73a,73aは、四角柱、六角柱等の多角柱形状とし、連動装着部73a,73aに差し込んで装着する外側取付ボス74,74の孔部の形状を同形状とする。
なお、前記左右の外側取付ボス74,74の機体前側位置には、外側取付ボス74,74の左右方向の位置ずれを防止する前側ボルトを設け、左右の外側取付ボス74,74の機体外側端部には、抜け止めワッシャと抜け止めボルトを設けて、作業中に左右の外側鎮圧具100a,100dの鎮圧作用域が変化することを防止する。
上記の外側取付ボス74には、機体後側に向かって突出する左右一対の外側鎮圧フレーム75,75を設け、該左右の外側鎮圧フレーム75,75の後端部を連結する第1外側連結アーム76には、外側鎮圧具100a,100dを下方に付勢して鎮圧作用を強める外側鎮圧スプリング機構77の下端部を連結する。
さらに、該第1外側連結アーム76より機体前側位置で左右の外側鎮圧フレーム75,75を連結する第2外側連結アーム78を設け、該第2外側連結アーム78の機体前側で且つ左右の外側鎮圧フレーム75,75の左右間には、前記左右の外側植付ホッパ41a,41dに接触して土を擦り落とすホッパスクレーパ79,79を機体前側に装着すると共に、植え付けた苗の周囲の圃場面に接触して植付時に盛り上がり軟らかくなった土を踏み均す鎮圧輪80,80を機体後側に装着する鎮圧取付プレート81,81を各々装着する。
該左右の鎮圧取付プレート81,81は、機体後側の鎮圧輪取付部81b,81bの左右幅が、スクレーパ取付部81a,81aの左右幅よりも左右の外側鎮圧フレーム75,75の左右中央部に向かって突出する、平面視で「b」あるいは「d」形状とし、鎮圧輪取付部81b,81bには左右方向の長孔81cを形成する。該長孔81cは、機体前後方向に複数形成してもよい。
また、前記左右の鎮圧輪80,80は、正面(背面)視で上下反転したL字形状の鎮圧取付ステー82,82に回転可能に装着される。具体的には、機体左右方向を向く部分に固定ナット(図示省略)を溶着し、機体上下方向を向く部分に鎮圧輪80,80の鎮圧車軸83,83を各々溶着する。なお、該鎮圧車軸83,83は、左右の外側鎮圧フレーム75,75の左右中央部に向かって突出する配置とする。
さらに、前記鎮圧取付ステー82,82の機体上下方向を向く部分で、且つ鎮圧車軸83,83よりも機体上側には、鎮圧輪80,80の機体後側位置で外周面に臨み、鎮圧輪80,80に付着した土を掻き落とす鎮圧輪スクレーパ84,84を各々設ける。該左右の鎮圧輪スクレーパ84,84が鎮圧輪80,80の外周面に付着した土を掻き落とすことにより、鎮圧輪80,80の径が土により変化し、鎮圧作用が弱まることを防止できる。
上記により、左右の外側植付ホッパ41a,41dが植え付けた苗の周囲の土を均すと共に、圃場の凹凸に合わせて左右の鎮圧回動軸73,73を回転させる左右の外側鎮圧具100a,100dが構成される。
前記左右の外側取付ボス74,74の機体内側端部と左右の鎮圧支持プレート71,71の左右間にはスペーサカラー85,85を各々設け、該左右のスペーサカラー85,85より機体内側には、内側取付ボス86,86を各々回転自在に設ける。なお、該内側取付ボス86,86は中空の円筒とし、左右の鎮圧回動軸73,73を中心として回転する構成とする。
該左右の内側取付ボス86,86の外周面には、左右一対の内側鎮圧プレート87,87の基部を差し込んで溶着等により固定する。そして、該左右の内側鎮圧プレート87,87の機体後側端部には、内側鎮圧フレーム88,88を各々固定する。
なお、左右の内側鎮圧プレート87,87は、上下幅が左右幅よりも広い直方体の板体であり、この左右幅は内側鎮圧フレーム88,88の直径よりも狭くする。また、左右の内側鎮圧フレーム88,88は、左右の内側鎮圧プレート87,87の機体外側に各々装着する。そして、左右の内側鎮圧フレーム88,88の後端部を連結する内側連結アーム89には、内側鎮圧具100b,100cを下方に付勢して鎮圧作用を強める内側鎮圧スプリング機構90の下端部を連結する。
さらに、該内側連結アーム89の機体前側で且つ左右の内側鎮圧フレーム88,88の左右間には、前記左右の内側植付ホッパ41b,41cに接触して土を擦り落とす前記ホッパスクレーパ79,79を機体前側に装着すると共に、前記鎮圧輪80,80を機体後側に装着する鎮圧取付プレート81,81を各々装着する。
前記左右の鎮圧取付プレート81,81にも前記鎮圧取付ステー82,82を各々設け、前記鎮圧車軸83,83に鎮圧輪80,80を各々設けると共に、左右の鎮圧輪スクレーパ84,84を各々設ける。
上記により、左右の内側植付ホッパ41b,41cが植え付けた苗の周囲の土を均すと共に、圃場の凹凸に合わせて各々上下回動が可能である左右の内側鎮圧具100b,100cが構成される。
なお、左右の内側鎮圧フレーム88,88に装着する鎮圧取付プレート81,81は、左右の外側鎮圧フレーム75,75に装着する鎮圧取付プレート81,81よりも機体内側に配置され、これにより、内側鎮圧具100b,100cの各鎮圧輪80,80の鎮圧作用域は、外側鎮圧具100a,100dの鎮圧作用域よりも機体後側寄りとなる。
さらに、上記左右の内側鎮圧具100b,100cの左右間で、且つローリング支持プレート72,72の機体外側には、後述する傾斜検出部材300を構成する左右のケーブル部材アーム312,312が各々回動自在に装着される。該左右のケーブル部材アーム312,312は、前記左右の内側鎮圧プレート87,87の左右間で、且つ左右の内側鎮圧フレーム88,88の機体前方に形成される空間部91に臨んで配置される構成とする。
以上により、鎮圧装置50が構成される。
前記左右の外側鎮圧フレーム75,75のうち、機体内側に位置する外側鎮圧フレーム75の前後方向の中央部付近で且つ機体下側には、機体内側に向かって突出する連動ロッド92,92を設け、該連動ロッド92,92の機体内側の端部側を、前記左右の内側鎮圧フレーム88,88のうち、機体外側に位置する内側鎮圧フレーム88の下方に臨ませる。
該連動ロッド92,92を左右の内側鎮圧フレーム88,88の下方に各々臨ませて配置したことにより、左右の外側鎮圧具100a,100dの上方回動時には左右の内側鎮圧具100b,100cが連動して上方回動し、下方回動時には、左右の外側鎮圧具100a,100dの下方回動量に合わせて左右の内側鎮圧具100b,100cが下方回動する構成になる。
上記の構成により、左右の外側鎮圧具100a,100dの上下回動に連動して隣接する左右の内側鎮圧具100b,100cを上下回動させることができるので、車体10の左右傾斜を傾斜検出部材300で検知し、圃場面に対する車体10の姿勢を水平に保つことができる。これにより、苗が圃場面に斜めに植え付けられることや、車体10の傾斜により進行方向が乱れることが防止され、苗の植付精度の低下が防止される。
また、車体10の左右傾斜にはあまり関係しない、植付中の畝の中央付近に大きな凹凸や石があるとき、左右の内側鎮圧具100b,100cを各々独立して上下回動させることができるので、左右の内側鎮圧具100b,100cが凹凸や石の影響で走行抵抗になることが防止される。
また、各鎮圧輪80,80の左右間を調節することができるので、植え付ける苗の種類や生育段階に合わせて適切な位置を鎮圧させることができる。これにより、苗の周囲の土が固められず、苗が倒れたり外気の影響を受けて生育不良を起こすことや、鎮圧輪80,80が苗を踏み潰すことが防止され、苗の生育が良好になる。
また、左右の内側取付ボス86,86に左右幅の狭い左右の内側鎮圧プレート87,87を装着したことにより、ケーブル部材アーム312,312が内側鎮圧プレート87,87に干渉することなく上下回動可能となるので、車体10が左右方向に傾斜した際に水平姿勢に速やかに戻すことができ、苗の植付精度の低下が防止される。
上記の鎮圧装置50は、植付作業時には接地させる必要があるが、非作業走行時に圃場面近くにあると走行抵抗になる、あるいは地面付近にある物体と接触して破損するおそれがある。また、旋回時に鎮圧装置50が圃場面近くに位置していると、鎮圧装置50が旋回走行を妨げることや、接地抵抗で破損するおそれがある。
非作業走行時や旋回時は、昇降シリンダを伸長させて車体10の車高を植付作業時よりも高くするが、このとき昇降シリンダの伸長に合わせて鎮圧昇降ケーブル(図示省略)の一側端部が機体前側に引っ張られる構成とする。そして、該鎮圧昇降ケーブルの他側端部は、前記左右の外側取付ボス74,74に設ける昇降ケーブルステー93,93に連結する。なお、鎮圧昇降ケーブルは、車体10の車高が植付作業の上限位置を超えた位置で鎮圧装置50を上方に引き上げ始め、植付作業の上限位置よりも車高が低い状態では弛んで鎮圧装置50を上方に引き上げない張り方とする。
これにより、植付作業を行わない車高にすると鎮圧装置50が自動的に上方回動するので、走行中や旋回中に鎮圧装置50が地面に接触することが防止され、破損したり、車体10の走行を妨げることが防止される。
また、左右の外側鎮圧具100a,100dを上方回動させる構成としたことにより、左右の内側鎮圧具100b,100cを連動して上方回動させることができるので、左右の内側鎮圧具100b,100cを車体10の車高調節に合わせて上下回動させる機構が不要となり、構成の簡略化が図られる。
図 に示す第1から第4の鎮圧具100a,100b,100c,100dの各鎮圧輪80,80は、接地面に対して水平乃至略水平な姿勢で配置されている。レタス苗等の左右幅がある程度大きな苗については、苗の左右両側を広く鎮圧できる上記の鎮圧輪80,80の配置が好ましい。
しかしながら、タマネギ苗等の左右幅が小さい苗については、鎮圧輪80,80の左右間隔を最小限にしても、苗の周囲の土を十分に鎮圧できず、苗が倒れたり、土の中に冷たい空気が入り込み、低温の影響を受けたりすることがある。
細い苗の傍の土を鎮圧する第2の鎮圧装置150は、次のとおり構成する。図8から図10に示すとおり、機体左右一側(機体左側)に位置する外側鎮圧フレーム75及び内側鎮圧フレーム88に左側取付プレート180Lを機体下方に向けて取り付け、該左側取付プレート180Lの下端部に、側面視で「へ」の字形状の左側鎮圧ステー181Lを機体前側下方で、且つ左右の外側鎮圧フレーム75,75または左右の内側鎮圧フレーム88,88の左右中央部に向かう姿勢で溶接等によって固定する。
そして、左側鎮圧車軸182Lを左右の外側鎮圧フレーム75,75または左右の内側鎮圧フレーム88,88の左右中央部に向かう姿勢で、且つ機体上方に向けて配置し、該左側鎮圧車軸182Lに左側鎮圧輪183Lを、背面視で機体下側ほど左右の外側鎮圧フレーム75,75または左右の内側鎮圧フレーム88,88の左右中央部に接近する左右傾斜姿勢で回転自在に配置する。
前記左側鎮圧輪183Lは、左側鎮圧車軸182Lの機体左右一側、即ち機体下側からボルトまたはナット等の固定部材184を用いて固定するが、この固定部材184は、左側鎮圧輪183Lの上下中心よりも機体下側に取り付ける構成とする。
また、左側鎮圧輪183Lを装着する左側鎮圧ステー181Lの機体前側端部付近には、上下方向の長孔、あるいは上下方向に複数の取付孔を形成し、左側鎮圧輪183Lの上下位置を調節可能に装着する。
さらに、左側鎮圧ステー181Lの機体前後部分には、機体下側に向かう左側スクレーパステー185Lを設け、該左側スクレーパステー185Lには、左側鎮圧輪183Lの側面を経由して後部側に作用部が臨む、L字形状の左側スクレーパ186Lを設ける。なお、該左側スクレーパステー185Lには、前後方向の長孔を形成し、左側鎮圧輪183Lと左側スクレーパ186Lの前後距離を調節可能に構成する。
そして、機体左右他側(機体右側)に位置する外側鎮圧フレーム75及び内側鎮圧フレーム88に右側取付プレート180Rを機体下方に向けて取り付け、該右側取付プレート180Rの下端部に、側面視で「へ」の字形状の右側鎮圧ステー181Rを機体後側下方で、且つ左右の外側鎮圧フレーム75,75または左右の内側鎮圧フレーム88,88の左右中央部に向かう姿勢で溶着等で固定する。
そして、右側鎮圧車軸182Rを左右の外側鎮圧フレーム75,75または左右の内側鎮圧フレーム88,88の左右中央部に向かう姿勢で、且つ機体上方に向けて配置し、該右側鎮圧車軸182Rに右側鎮圧輪183Rを、背面視で機体下側ほど左右の外側鎮圧フレーム75,75または左右の内側鎮圧フレーム88,88の左右中央部に接近する左右傾斜姿勢で回転自在に配置する。
前記右側鎮圧輪183Rは、右側鎮圧車軸182Rの機体左右他側、即ち機体下側からボルトまたはナット等の固定部材184を用いて固定するが、この固定部材184は、右側鎮圧輪183Rの上下中心よりも機体下側に取り付ける構成とする。
また、右側鎮圧輪183Rを装着する右側鎮圧ステー181Rの機体前側端部付近には、上下方向の長孔、あるいは上下方向に複数の取付孔を形成し、右側鎮圧輪183Rの上下位置を調節可能に装着する。
さらに、右側鎮圧ステー181Rの機体前後部分には、機体下側に向かう右側スクレーパステー185Rを設け、該右側スクレーパステー185Rには、右側鎮圧輪183Rの側面を経由して後部側に作用部が臨む、L字形状の右側スクレーパ186Rを設ける。なお、該右側スクレーパステー185Rには、前後方向の長孔を形成し、右側鎮圧輪183Rと右側スクレーパ186Rの前後距離を調節可能に構成する。
上記の構成では、背面視において、左右の鎮圧輪183L,183Rの下部側同士が近接し合うので、左右の鎮圧輪183L,183Rの鎮圧作用位置を植え付けた苗の際に近付けることができる。これにより、苗の周囲の土が柔らかいままとなり、苗が風等の影響で倒れることや、土中の温度が低下して生育に悪影響が出ることが防止される。
また、左側取付プレート180Lと右側取付プレート180Rの取付位置を機体前後方向で異ならせることにより、左右の鎮圧輪183L,183Rの前後位置にズレが生じにくく、苗の周囲の鎮圧を確実に行えると共に、外側の鎮圧具100a,100dの機体内側と内側の鎮圧具100b,100cの外側の左右間隔を各々狭くしつつ、外側の鎮圧具100a,100dと内側の鎮圧具100b,100cが干渉し合うことが防止される。
さらに、左右の鎮圧輪183L,183Rを固定する固定部材184の取付位置が、左右の鎮圧輪183L,183Rの上下中央部よりも下側であることにより、外側鎮圧具100a,100dの右側鎮圧輪183Rと内側鎮圧具100b,100cの左側鎮圧輪183Lの左右間隔が狭い配置でありながら、左右の鎮圧輪183L,183Rの斜め下に固定部材を着脱する空間部が形成されるので、着脱作業に要する作業時間の軽減が図られる。
次に、図11から図13に示すとおり、左右の外側鎮圧具100a,100dの上下回動量の差に基づき車体10の左右方向の傾斜を検知し、車体10を圃場面に対して水平姿勢にする傾斜検出部材300の配置について説明する。
前記左右の内側鎮圧具100b,100cの左右間には、ケーブル部材320が連結されている傾斜検出部材300を配置するためのスペースが形成されている。傾斜検出部材300は、上述のとおり、左右の外側鎮圧具100a,100dに各々対応する傾斜検出アーム部材310を有する。
左のケーブル部材320は機体左側の鎮圧回動軸73と連動する左の傾斜検出アーム部材310へ連結されており、右のケーブル部材320は機体右側の鎮圧回動軸73と連動する右の傾斜検出アーム部材310へ連結されている。
連携部材としてのローリングワイヤであるケーブル部材320の内の下側のケーブルは、回動可能な鎮圧装置50と干渉することなく、後方から前方へ向かって車体10のメインフレームまたはハンドルフレームの下方に配索される。
傾斜検出アーム部材ストッパー310cは、被当接部材としての車体貼付プレート10aへ下方から当接することにより、畝終端における車体10の下降に伴う鎮圧装置50の過度な上昇などによる昇降リンク装置40aとの干渉を抑制する。
種々の調節操作が行いやすいよう、左右の内側鎮圧プレート87,87及び左右の内側鎮圧フレーム88,88と、側面視においてオーバーラップしない傾斜角度で後方へ向かって突出する傾斜検出部材300には、第1から第4の鎮圧具100a,100b,100c,100dに連動して回動する左及び右の傾斜検出アーム部材310により牽引されるケーブル部材320が連結されている。
車体前後方向調節ボルト310bが車体前後方向調節長孔310aへ挿入されており、位置決めのためのワイヤ支持アームとしての傾斜検出アーム部材後部は車体前後方向に移動可能に傾斜検出アーム部材前部へ取付けられている。このため、傾斜検出部材300の検出結果に基づいて、第1から第4の植付ホッパ41a,41b,41c,41dが圃場面に対して垂直であるように車体10を傾斜させる、植付け水平維持機能としてのローリング機能がより確実に実現される。
調節操作が行いやすいように、ケーブル部材320のケーブルアウター部材受け321は、植付機構40の植付機構支持部40bの前方に位置する。
ケーブル部材320のケーブルインナー部材が通過するケーブル通過孔とともに傾斜検出アーム部材310の水平維持感度調節プレートに形成された傾斜検出アーム部材レギュレーター310dは、感度調節にともなうケーブル動作範囲の変化を招来することなく、ケーブル動作範囲を規制して過度なケーブル牽引にともなう油圧バルブ負荷の増大を抑制する。左の傾斜検出アーム部材310の傾斜検出アーム部材レギュレーター310dは右の傾斜検出アーム部材310へ上方から当接することにより左の傾斜検出アーム部材310のケーブル動作範囲を規制し、右の傾斜検出アーム部材310の傾斜検出アーム部材レギュレーター310dは左の傾斜検出アーム部材310へ下方から当接することにより右の傾斜検出アーム部材310のケーブル動作範囲を規制する。
左または右の傾斜検出アーム部材310が、左右の外側鎮圧具100a,100dと連動する鎮圧具アーム311と、ケーブル部材320が連結されているケーブル部材アーム312とに分割されている。
本実施の形態においては、左の傾斜検出アーム部材310が、左右の外側鎮圧具100a,100dと連動する鎮圧具アーム311と、ケーブル部材320が連結されているケーブル部材アーム312とに分割されている。
ケーブル部材アーム312は、取付け位置が調節可能であるように、鎮圧具アーム311へ取付けられている。
左の傾斜検出アーム部材310が、車体前側の回動支軸アームとしての鎮圧具アーム311と、車体後側の調節アームとしてのケーブル部材アーム312とに分割されており、車体上下方向調節ボルト311bが車体上下方向調節長孔311aへ挿入されている。これにより、植付け水平維持機能における左右移動量は、ケーブル部材アーム312を上下方向に回動させることにより調節される。
右の傾斜検出アーム部材310近傍には、凹凸を有する圃場面に接触して回動しながら回動量に基づいて車高を調節するためのいわゆる深さセンサー、及び車体ローリング機構において、左右の外側鎮圧具100a,100dの回動量の差を検知する基準部分などが設けられており、植付け水平維持機能における上下高さ基準となる右の傾斜検出アーム部材310は分割されていないので、車体10の左右傾斜は圃場傾斜及び圃場土質などに応じて設定しやすく、植付ホッパ41が圃場面に対してより垂直である植付け姿勢がより確実に実現され、苗植付け精度が向上される。
前記左右の外側鎮圧具100a,100dが上下回動すると、前記左右の鎮圧回動軸73,73が連動して回転し、さらに連動して左右のケーブル部材アーム312,312が前後方向に回動する。このとき、左右の傾斜検出アーム部材310,310の各々の上下位置の変化により、ケーブル部材320,320の各々の引っ張られる量が変動し、ケーブル部材320,320の各一側端部が接続されている油圧バルブ(図示省略)の開度を伸長方向、または収縮方向のいずれかにおいて変更する。油圧バルブの開度が変化すると、接続されているローリングシリンダが伸長し、左右一側の走行伝動ケース21を上下回動させて車体10の左右一側の車高を変更する。
これにより、車体10の左右傾斜を圃場面の傾斜に合わせて変化させることができるので、苗の植付姿勢が圃場面に対して垂直乃至略垂直になり、植付精度が向上する。
また、左右高さの差が生じにくい車体10の左右中央部近くに設けられる左右の外側鎮圧具100b,100cではなく、畝溝の深さ等の影響で左右高さの差が大きくなりやすい左右の外側鎮圧具100a,100dにより車体10の左右傾斜を検出されることにより、苗の植付に影響のある大きな左右傾斜があるときに車体10をローリングさせて水平姿勢とすることができる。
これにより、苗の植付に影響のない僅かな左右傾斜の検出時にローリングシリンダが伸縮作動して車体10が頻繁にローリング動作することを防止できるので、植付姿勢がかえって乱れることが防止される。
左右の外側鎮圧具100a,100dに関する車体上下方向調節のみを行うことができ、いわゆる左右バランス調節、リフト位置調節、及びストッパー位置調節などは不要である。
そして、ケーブル部材320は左右の内側植付ホッパ41b,41c及び左右の外側鎮圧具100a,100dの左右方向のスペースの後方に位置するので、ケーブル部材320の前後移動操作のみならず、ケーブル部材アーム312の上下回動などのような調節操作も行いやすい。
前記第1から第4の植付ホッパ41a,41b,41c,41dは、機体左右一側(機体左側)の第1植付ホッパ41aと第2植付ホッパ41bを左側の昇降リンク装置40aLで昇降させると共に、機体左右他側(機体右側)の第3植付ホッパ41cと第4植付ホッパ41dを右側の昇降リンク装置40aRで昇降させる構成としている。
植え付ける苗同士の左右間隔、所謂条間の設定は、2条植え等、調節範囲を確保しやすい移植機においては、植付ホッパを左右方向に移動させることで行えるが、植付ホッパや昇降リンク装置により調節範囲を確保しにくい4条植え等の多条植えの移植機においては、植付ホッパのホッパ構成体を機体左右方向に傾斜姿勢で配置し、条間を設定していた。
したがって、多条植えの移植機は基本的に装着された植付ホッパによって植付条間が決まっており、異なる条間の作業を行うには異なる条間に対応する植付ホッパに換装する必要がある。しかしながら、換装作業に要する工数が多く、余分な時間と労力を費やさねばならない問題がある。
この問題を解消する、左右の昇降リンク機構40aL,40aRに装着する第1から第4の植付ホッパ41a,41b,41c,41dの構成について説明する。なお、本件においては機体左右一側の昇降リンク機構40aLと、第1と第2の植付ホッパ41a,41bを用いて構成を説明するが、左右他側の昇降リンク機構40aRと第3と第4の植付ホッパ41c,41dは左右対称の構造であるので、説明を省略する。
図3から図5に示すとおり、上下の昇降リンクアーム420,421の後部には、該上下の昇降リンクアーム420,421の昇降により前後回動して第1及び第2の植付ホッパ41a,41bを前後方向に揺動させる揺動アーム422,422を各々設ける。そして、該左右の揺動アーム422,422の上部側には、円柱形状の取付支軸423を左右方向に向けて各々設ける。
そして、前記植付ホッパ41a,41b,41c,41dの機体前側には、平面視でコの字形状のホッパ取付ステー424を各々装着する。図14(a)及び(b)に示すとおり、該ホッパ取付ステー424の左右両側は、機体前側に向かう折り曲げ部425,425を各々形成し、該折り曲げ部425,425には、前記取付支軸423を差し込む受け孔425a,425aを形成する。
また、前記ホッパ取付ステー424の左右の折り曲げ部425,425の左右間に位置するホッパ取付部426には、同径の孔を機体左右方向に連続して、且つ植付ホッパ41a(41b)の機体左右方向の中央部に近付くほど下方に位置する、ボルト等の固定部材を通過させる取付孔426a,426aを左右両側に形成する。また、ホッパ取付ステー424の裏側(機体後側)の面には、固定部材着脱可能に受ける受け部材、例えばナットを設けて、固定部材の着脱を行う構成とする。
なお、該取付孔426aは、同径の孔426a1,426a2,426a3…同士をオーバーラップさせて各々形成し、固定部材の締め込みを緩めると固定部材と受け部材を完全に外さなくとも移動可能とすると、植付ホッパ41a(41b,41c,41d)の姿勢変更作業を容易に行える構成となる。
前記ホッパ取付ステー424は、苗供給テーブル42から落下する苗を案内する苗ガイド38と左右のホッパ構成体39,39を装着する、ホッパフレーム427の機体前側に装着する。該ホッパフレーム427の機体前側部分には、取付孔426aを構成する孔426aL(426aC,426aR…)と同径の孔を左右に各々一つ形成し、この孔にボルト等の固定部材を差し込む構成とする。
上記の取付孔426aが、左右方向に3つの孔426a1,426a2,426a3で構成されるものにおいて、植付ホッパ41a(41b)の角度を変更して苗の植付条間を変更する例を説明する。図15(a)に示す、中央の孔426a2,426a2に各々固定部材を差し込んで固定すると、左右の植付ホッパ41a,41bは各々圃場面に略垂直な姿勢となるので、隣接し合う左右の植付ホッパ41a,41bの条間は基本条間Sに設定される。
次に、図15(b)に示すとおり、右側の植付ホッパ41aは、左右一方の固定部材を孔426a1に設けると共に、左右他方の固定部材を孔426a3に設ける。そして、左側の植付ホッパ41bは、左右一方の固定部材を孔426a3に設けると共に、左右他方の固定部材を孔426a1に設ける。
これにより、左右の植付ホッパ41a,41bは各々下端側ほど互いに接近する姿勢になるので、隣接し合う左右の植付ホッパ41a,41bの条間は幅狭条間Nに設定される。
次に、図15(c)に示すとおり、右側の植付ホッパ41aは、左右一方の固定部材を孔426a3に設けると共に、左右他方の固定部材を孔426a1に設ける。そして、左側の植付ホッパ41bは、左右一方の固定部材を孔426a1に設けると共に、左右他方の固定部材を孔426a3に設ける。
これにより、左右の植付ホッパ41a,41bは各々下端側ほど互いに離間する姿勢になるので、隣接し合う左右の植付ホッパ41a,41bの条間は幅広条間Wに設定される。
上記構成により、左右の植付ホッパ41a,41bを各々左右方向に移動させることなく苗の植付条間を変更することができるので、植付ホッパ41a,41b,41c,41d同士が干渉し合うことがなく、苗を適切な左右間隔で植え付けることが可能になる。
これにより、苗が適切な生育スペースを得て成長することができるので、収穫作物のサイズや収量が確保される。また、生育時の圃場の風通しがよくなるので、害虫やカビ等が発生しにくくなる。
なお、左右の植付ホッパ41a,41bの条間を設定するときは、図15(a)~(c)に示すとおり、左右を同一の姿勢とすることが一般的であるが、左右どちらか一側のみ装着姿勢を変更し、異なる植付条間を設定可能な構成として、さらに作業条件の適応性を向上させてもよい。
移植する苗が、タマネギ等の地下で収穫部が成長する作物であるときは、植付ホッパ41a,41b,41c,41dの植付位置は横並びでなく、第1植付ホッパ41aと第3植付ホッパ41c同士の植付位置と、第2植付ホッパ41bと第4植付ホッパ41d同士の植付位置が前後にずれる、所謂千鳥植えとすることが望ましい。
図16に示すとおり、左右の植付ホッパ41a,41b、及び41c,41dを、側面視において前後の傾斜角度を異ならせて配置することで、千鳥植えに対応する配置となる。前記取付支軸423に装着するホッパ取付ステー424の前後傾斜角度を変更することで、左右の植付ホッパ41a,41b、及び41c,41dの前後傾斜角度を異ならせることができる。
これにより、土中で作物が十分な生育スペースを得ることができるので、収穫作物のサイズや収量が確保される。
上述したとおり、左右両外側の外側鎮圧具100a,100dの左右の回動量の差を用いて圃場面(畝面)の左右傾斜を検知しているが、機体後部側で検知する構成であるので、機体がローリングするよりも前に植え付けられる一部の苗は、植付深さが設定どおりにならなくなることや、植付姿勢が左右方向に傾斜したものになることがある。これにより、苗に生育不良が生じたり、苗が倒れてしまったりする問題が発生することがある。
この問題に対応すべく、図17に示すとおり、車体10の下部で、且つ植付ホッパ41a,41b,41c,41dよりも機体前側位置に、畝面に接地して荷重で表面を圧し均すと共に、接地荷重で圧し均せない畝面の凹凸に合わせて上下回動する左右の前側鎮圧装置500,500を各々設ける。なお、該前側鎮圧装置500,500は、畝面を過度に圧すと植付深さが浅くなるので、接地荷重は調節可能ではあるが軽めに設定されるので、圃場の土質や畝の固め方により、畝面を圧し均せないことがあるので、上下回動可能として走行抵抗となることや、土中への潜り込みを防止する構成である。
前記前側鎮圧装置500は、車体10の左右方向の中央部付近に側面視でL字形状のセンサアーム501の上部付近を前後回動可能に設け、該センサアーム501の下部側の屈曲部付近に、後端部付近に前鎮圧ローラ502を回転自在に装着したローラアーム503の基部を上下回動自在に装着する。また、センサアーム501の後端部付近で、且つローラアーム503よりも上側位置には、ローラアーム503の上面に接触して上方回動を規制する規制ピン504を差し込む回動規制孔501aを上下方向に所定間隔毎に複数形成する。なお、センサアーム501の屈曲部には、側面視て機体後側上方に向かう傾斜姿勢で、付勢支持アーム509を、センサアーム501と共に回動可能に設ける。
そして、ローラアーム503の後部側で、且つ前鎮圧ローラ502の取付部分よりも前側には、ローラアーム503を下方に付勢して畝面を圧し均させる、鎮圧スプリング505の下部側を装着すると共に、上端部を付勢支持アーム509の後上部側に装着する。該鎮圧スプリング505は、ロッド505aの外周にバネ体505bを設け、上部側に設ける調圧ナット505cにより付勢力を調節可能に構成するものである。
さらに、前記センサアーム501の回動支点よりも下側で且つ後側には、センサアーム501を前側に付勢して機体の振動等によるセンサアーム501の不要な回動を防止する、補助スプリング506の前部側を装着する。該補助スプリング506の後部側は、車体10に装着するものとする。
また、センサアーム501の上部付近には、センサアーム501の前後回動により引っ張られる、あるいは緩む第2ケーブル部材507の基部側を装着する。左右の該第2ケーブル部材507の端部側は、前記ケーブル部材320,320に替えて油圧バルブに各々
装着されており、この油圧バルブの開度が変化すると、接続されているローリングシリンダが伸長し、左右一側の走行伝動ケース21を上下回動させて車体10の左右一側の車高を変更する構成である。上記により、左右の前側鎮圧装置500,500が各々構成される。
なお、左右の前側鎮圧装置500,500は、前鎮圧ローラ502が接地していないと、自重及び鎮圧スプリング505の付勢力によって下方回動することになる。この状態では、左右の前側鎮圧装置500,500が圃場面に接地、あるいは圃場面に接地する直前の高さに位置し、作業者が車体10の後部側を下方に押し下げて前部側を浮かせ、旋回内側の駆動後輪12を支点として旋回する際、左右の前側鎮圧装置500,500が接地して円滑な旋回走行を妨げることになり得る。
この問題を防止すべく、ローラアーム503の前後方向の中央部付近には、昇降シリンダの伸縮に連動して引っ張られる、あるいは緩むことにより、ローラアーム503を上限まで回動させてセンサアーム501の後部側を機体上方に回動させる、リフトケーブル508を左右各々装着する。これにより、旋回走行時に昇降シリンダを収縮させて左右の走行伝動ケース21,21の後部側を下降させ、車体10を旋回に適した車高とした際、左右の前側鎮圧装置500,500が車体10の下部に接近するまで上方回動するので、旋回走行が円滑に行え、作業能率の低下が防止される。
上記構成により、苗を植え付ける前の圃場面の高さを検知して車体10のローリング制御が行われるので、畝の植付作業開始時から畝面が左右傾斜していても車体10が水平に保たれ、苗の植付姿勢が安定する。
また、規制ピン504でローラアーム503の上方回動位置を規制することにより、圧し均せない場所ではすぐにローラアーム503が上方に回動するので、畝面が左右傾斜している場所で車体10が水平を維持しやすくなる。
また、鎮圧スプリング505でローラアーム503を下方に付勢することにより、畝面の小さな凸を圧し均して平坦にすることができるので、不要なローリング制御による植付深さや植付姿勢の乱れが防止されると共に、苗の植付精度が向上する。
また、補助スプリング506によりセンサアーム501を機体前方に付勢することにより、車体10が振動した際にセンサアーム501が大きく回動し、第2ケーブル部材507を引っ張ってしまうことを防止できるので、畝面が平坦な場所でローリング制御が誤って行われることが防止される。