JP7196534B2 - 冷凍パン生地の製造方法およびパンの製造方法 - Google Patents

冷凍パン生地の製造方法およびパンの製造方法 Download PDF

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本発明は、冷凍障害の抑制された冷凍パン生地の製造方法、および品質の改善されたパンの製造方法に関する。
パンの歴史は古く、最初にパンが作られたのは紀元前6000年~9000年頃の古代メソポタミアに遡るといわれる。日本には鉄砲とともに1543年に伝来したと記録されている。しかし、日本において本格的にパンが普及するのは学校給食にパンが登場する1950年代の後半以降である。そして、現在ではパンは食生活に欠かせない食品となっている。
さて、パンの製造方法は大きくストレート法と中種法に分類される。ストレート法は伝統的な製造方法で小麦粉、水、砂糖、油脂、食塩、酵母などの全ての原料を一度に混捏して発酵させる方法である。ストレート法は比較的簡単な方法で、作業スペースが少なくすみ、かつ、風味の良好なパンを製造することができる。しかし、ストレート法は大量生産には向かず、現在では仕込み量の少ない製品を扱う街のベーカリー店等で主に使用されている。
一方、中種法は、使用する小麦粉の一部又は全部に酵母、水等を加えて生地を作り、発酵させて得た中種に残りの原料を加えて本捏してパン生地を作り、再度発酵させる方法である。中種法にはパンの製造に使用する全小麦粉の内、70%の小麦粉を使用して中種を調製する方法(70%中種法)や、パンの製造に使用する小麦粉を全て使用して中種を調製する方法(100%中種法)などの方法がある。
中種法は、老化が遅く、日持ちがするパンを製造することができ、また、大量生産に向いているので、主に大手の製パン工場で使用されている。
さらに、中種法の改良技術も研究されており、その1つとして、別途小麦粉に熱水を加えて湯種を作り、これを中種と混捏する技術(特許文献1)が報告されている。
ストレート法、中種法に加えて、1990年代には、パン生地の発酵を途中で止めて冷凍した冷凍パン生地を用いる製造方法、すなわち、パン生地を発酵(一次発酵)させた後に急速冷凍し、翌日以降に解凍し、再発酵(二次発酵)させてパンを製造する方法も発明された(以下、本明細書において「冷凍生地法」と称する場合もある)。
また、上記冷凍生地法の特徴を活かした新たなビジネスも誕生した。すなわち、パン製造会社が冷凍パン生地まで製造し、その後、当該パン生地を各店舗に配送し、店舗で解凍および2次発酵させ、最終的に焼成して顧客に提供するというものである。当該ビジネスは欧州に起源を有するものであるが、日本においても着実に成長している。
冷凍生地法は、冷凍前と冷凍後で作業を分けて行うことができるため、製パン業界の課題である長時間労働や早朝労働の改善に有効な方法である。
しかし、冷凍生地法を用いた場合、冷凍処理によりパン生地が冷凍障害を受けることから、製造されたパンの品質が、ストレート法や中種法で製造されたパンに比べて若干劣るという課題がある。詳細に述べると、冷凍処理により、酵母の多くが失活し、また、小麦やライ麦の胚乳から生成される蛋白質であるグルテンが冷凍変性を受けて損傷し、網目状構造の断裂が生じる。かかる冷凍障害がパンの食感の低下やボリューム感の低下を招き、最終的に品質の低下を生じる。
上述したような品質面での課題が、製パン業界における冷凍生地法の普及を妨げているといわれている。
冷凍生地法が有する上記課題に対して、多くの解決策が提案されている。たとえば、冷凍下でも細胞膜の流動性の高い菌株や、浸透圧に耐性を有する菌株等の冷凍耐性を有する酵母の育種、パン生地に添加する酵母量の増加等により、酵母の失活を防止する方法、グルテンの質の高い小麦粉や、損傷デンプンが少なく、氷結晶生成の抑制された小麦粉の使用、キサンタンガム、アラビアガム、グアーガム等の多糖類の使用による生地中の氷結晶の生成を抑制する方法、アスコルビン酸などの酸化剤の使用、ジアセチル酒石酸モノグリセリド(DATEM)等の乳化剤の使用、トランスグルタミナーゼ等のタンパク質結合酵素によるグルテン結合強化等によるグルテンの損傷の防止、さらには、生地に添加する水分量を減少させ、酵母やグルテンを損傷する氷結晶の生成を抑制する方法等が提案されている(非特許文献1)。
しかし、現時点では、いずれの方法を用いても、十分な品質改善効果が得られるには至っておらず、上記した品質面での課題の解決された冷凍生地法の開発が望まれている。
特開2018-29539号公報
渡邉晃弘;冷凍,2018年,4月号,第93巻,第1086号,第207頁-210頁
従って、本発明は、従来の冷凍生地法では得られない良好な食感とボリューム感を有するパンを製造するための冷凍パン生地の製造方法、および良好な食感とボリューム感を有するパンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、穀物粉に温水を加えて混捏して調製した生地と、穀物粉に水と酵母またはパン種を加えて混捏して調製した生地を-1℃~7℃の低温で12時間~36時間保存したものとを混捏することで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成に至らしめた。
すなわち、本発明は以下の技術的事項から構成される。
[1](A)穀物粉に温水を加えて混捏し、生地を調製する工程、(B)穀物粉に水と酵母もしくはパン種、または酵母およびパン種を加えて混捏し、生地を調製する工程、(C)前記(B)の工程で調製した生地を-1℃~7℃で12時間~36時間保存する工程、および、(D)前記(A)の工程で調製した生地と、前記(C)の工程で保存した生地とを混捏する工程を含む、冷凍パン生地の製造方法。
[2](A)および(B)の工程で用いる穀物粉が小麦粉である、[1]に記載の製造方法。
[3](B)の工程における水の添加量が、穀物粉100重量部に対し60重量部~75重量部である、[1]または[2]に記載の製造方法。
[4](B)の工程において、さらにキシラナーゼもしくはアミラーゼ、またはキシラナーゼおよびアミラーゼを添加して混捏する、[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5](B)の工程において、食塩を添加せず、油脂を添加して混捏する、[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6](C)の工程において、0℃~4℃で20時間~30時間保存する、[1]~[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7](A)の工程で調製した生地と、(C)の工程で保存した生地との混合比[(A)の工程で調製した生地:(C)の工程で保存した生地]が、重量比にして2:8~4:6である、[1]~[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8](D)の工程において食塩を添加する、[1]~[7]のいずれかに記載の製造方法。
[9](D)の工程の後に発酵させて冷凍する、[1]~[8]のいずれかに記載の製造方法。
[10][1]~[9]のいずれかに記載の製造方法により製造された冷凍パン生地を解凍し、2次発酵させた後に加熱することを含む、パンの製造方法。
[11]加熱する手段として焼成する、[10]に記載の製造方法。
本発明により、従来の冷凍生地法において問題となっていた冷凍障害を抑制し、品質の改善されたパンを製造するための冷凍パン生地を提供することができる。
また、本発明により、従来の冷凍生地法では達成することができなかった優れた食感と豊かなボリューム感を有するパンを提供することができる。
さらに、本発明は、従来の中種法を冷凍生地法に応用できるように改良したものであるので、大量生産にも適する。
本発明は、冷凍パン生地の製造方法を提供する。
本発明の冷凍パン生地の製造方法は、(A)穀物粉に温水を加えて混捏し、生地を調製する工程、(B)穀物粉に水と酵母もしくはパン種、または酵母およびパン種を加えて混捏し、生地を調製する工程、(C)前記(B)の工程で調製した生地を-1℃~7℃で12時間~36時間保存する工程、および、(D)前記(A)の工程で調製した生地と、前記(C)の工程で保存した生地とを混捏する工程を含む。
本発明における「冷凍パン生地」は、パンを調製するために用いられる生地であり、小麦粉やライ麦粉といった穀物粉に水、酵母またはパン種、塩などを加えて調製され、発酵させた後に冷凍されたものをいう。
本発明における冷凍パン生地は、生地を発酵させて膨らませ、さらに加熱して製造されるパンにおいて、特に限定されることなく利用することができ、食パン、フランスパン、菓子パン、蒸しパン、デニッシュペーストリー、イーストドーナツ等、パンの種類を問うことなく用いられる。
本発明の冷凍パン生地の製造方法において、(A)の工程では、パン生地の製造に用いる穀物粉の一部に、温水を加えて混捏し、生地(一般的に「湯種」と称される)を調製する。
本工程の主な目的は、穀物粉に含まれる澱粉を、温水で部分的にα化することである。澱粉をα化することで、後述する発酵工程で酵母等による澱粉の利用を容易にし、本発明により製造される冷凍パン生地を用いて調製されるパンに、自然な甘味や風味を付与することができる。
また、澱粉をα化しておくことで、後述する発酵工程において酵母等が澱粉を資化しやすくなり、酵母等の生育が進み、最終的に、生地中に存在する酵母等が増加する。その結果、発酵させた後にパン生地を冷凍しても、酵母等の生存率が高くなり、最終的に製造されるパンにボリューム感を付与できるという効果が得られる。
本工程において、生地の調製に用いられる穀物粉としては、小麦粉、ライ麦粉、大麦粉、麦芽粉、トウモロコシ粉、エンバク粉、米粉、片栗粉、くず粉、タピオカ粉、緑豆粉等が挙げられるが、グルテニンとグリアジンを含有し、グルテンを形成し得る小麦粉、グリアジンを含有するライ麦粉、グルテンフリーのパンの原料として注目される米粉が好ましく用いられ、小麦粉がより好ましく用いられる。
本工程において、生地の調製に用いられる穀物粉の量は特に限定されないが、通常は、パンの製造に用いられる全穀物粉量の5重量%~45重量%、好ましくは10重量%~35重量%である。
本工程において、穀物粉に添加する温水の温度も特に限定されないが、澱粉をα化するという観点から通常は70℃以上であり、80℃~100℃の温水が好ましい。
温水の添加量も特に限定されないが、本工程における生地の調製に用いる穀物粉100重量部に対して、通常は30重量部~200重量部であり、好ましくは50重量部~150重量部であり、より好ましくは70重量部~130重量部である。
また、本工程においては、温水の添加と同時に、または温水の添加の前後に、果糖、ブドウ糖等の単糖類、砂糖、麦芽糖等の少糖類、脱脂粉乳、ヨーグルト等の乳製品、食塩、他の穀物粉(たとえば、本工程における生地の調製に主として小麦粉を用いる場合、米粉等)、および各種澱粉(化学的、物理的に処理した澱粉も含む)等を穀物粉に添加してもかまわない。
本工程における混捏は、通常の方法に従って行えばよく、パンの製造に通常用いられるパン捏ね機(ニーダー)等を用いて行うことができる。また、本工程において生地を調製する際の生地の温度(捏上温度)は、通常50℃~90℃、好ましくは53℃~65℃に調整する。
本発明の冷凍パン生地の製造方法において、(B)の工程では、穀物粉に水と酵母もしくはパン種、または酵母およびパン種を加え、混捏して生地(一般的に「中種」と称される)を調製する。
本工程において、生地の調製に用いられる穀物粉としては、小麦粉、ライ麦粉、大麦粉、麦芽粉、トウモロコシ粉、エンバク粉、米粉等が挙げられるが、グルテニンとグリアジンを含有し、グルテンを形成し得る小麦粉、グリアジンを含有するライ麦粉が好ましく用いられ、小麦粉がより好ましく用いられる。
本工程における生地の調製に用いられる穀物粉量は、(A)の工程に用いる穀粉と同じ穀粉を用いる場合は、パンの製造に用いられる全穀物粉から(A)の工程における生地の調製に用いられる穀物粉を除いた量の通常70重量%~100重量%であり、全穀物粉から(A)の工程における生地の調製に用いられる穀物粉を除いた量の全量を用いるのが好ましい。
本工程において、水は、中種に用いる穀物粉100重量部に対して通常60重量部~75重量部、好ましくは62重量部~72重量部、より好ましくは63重量部~71.5重量部添加される。本発明では、通常の中種を用いる冷凍生地法に比較して、穀物粉に対する水の添加量がやや多い点も特徴である。
本工程において、穀物粉に添加される酵母としては、通常パン酵母として用いられる出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)が挙げられる。酵母は、生菌の状態でも、乾燥した状態でも用いることができる。すなわち、予備発酵過程が不要で、直接穀物粉に混合できる乾燥酵母も用いることができる。かかる形態の酵母としては、市販の製品を用いることができる。
また、本工程において、穀物粉に添加されるパン種は、穀物や果実等に付着している酵母や、複数の微生物を利用して調製された液状~生地状のものであり、酵母以外に乳酸菌や麹を含む。
本工程において、酵母は、穀物粉100重量部に対し、通常0.3重量部~3重量部用いられ、好ましくは0.4重量部~2重量部用いられ、より好ましくは0.5重量部~1.2重量部用いられる。
パン種は、酵母の代替として使用してもよく、または酵母と併用してもよい。
本工程において、酵母もしくはパン種、または酵母およびパン種も穀物粉に添加されるが、水と同時に添加してもよく、水を添加する前または後に添加してもよい。
最終的に製造されるパンの食感を向上させるという観点からは、本工程において、水と酵母もしくはパン種、または酵母およびパン種に加えて、キシラナーゼやアミラーゼを添加することが好ましい。キシラナーゼおよびアミラーゼは、それぞれ単独で添加してもよく、両者を組み合わせて添加してもよいが、両者を組み合わせて添加するのがより好ましい。
キシラナーゼは、キシランをキシロースに分解する酵素であり、種々の微生物から単離、精製される。
また、アミラーゼは、グリコシド結合を加水分解して、デンプン中のアミロースやアミロペクチンを、ブドウ糖やマルトースおよびオリゴ糖に変換する酵素群であり、膵臓や唾液腺から分泌され、またダイコン、カブ、ヤマイモ等の植物にも多く含まれ、あるいはニホンコウジカビ(Aspergillus oryzae)や枯草菌(Bacillus subtilis)等の微生物により生産される。アミラーゼとしては、α-アミラーゼ(1,4-α-D-グルカングルカノヒドロラーゼ)、β-アミラーゼ(1,4-α-D-グルカングルカノマルトヒドロラーゼ)、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼといった異性体のいずれも用いることができる。前記異性体の2種以上を組み合わせて用いてもよいが、α-アミラーゼを単独で、またはα-アミラーゼと他のアミラーゼ異性体とを組み合わせて用いることが好ましい。
キシラナーゼおよびアミラーゼは、これらを生産する微生物等から単離、精製して用いてもよいが、食品添加物として市販されている製品を用いてもよい。
キシラナーゼもしくはアミラーゼ、またはキシラナーゼおよびアミラーゼは、水と同時に添加してもよく、また、水を添加する前または後に添加してもよい。
キシラナーゼおよびアミラーゼの添加量は特に限定されないが、通常は、穀物粉100重量部あたり、キシラナーゼ活性が0.3ユニット(U)~50U、アミラーゼ活性が0.3U~75Uとなる量であり、好ましくは、穀物粉100重量部あたり、キシラナーゼ活性が1U~40U、アミラーゼ活性が1U~60Uとなる量である。
なお、キシラナーゼ活性は、キシランを基質として、キシラナーゼを作用させることで、遊離還元糖を生成させ、生成した遊離還元糖と3,5-ジニトロサリチル酸(3,5-DNS)試薬を混和し、沸騰水中で加熱して発色させ、波長=535nmにおける吸光度を測定して、求められる。1分間に1μmolのキシロースを生成する酵素量を1Uとした。
また、アミラーゼ活性は、可溶性澱粉溶液を基質とし、40℃、pH=4.5で加水分解し、生成される還元糖を、ヨウ素溶液を用いて、波長=660nmにおける吸光度を測定することにより求められる。1分間に1μmolのグルコースに相当する還元糖を生成する酵素量を1Uとした。
本発明者らは、キシラナーゼが優れた食感の創出に寄与していると推定している。キシラナーゼはグルテンのネットワーク構造を強化し、その結果、最終的に製造されるパンに優れた食感を付与すると考察している。
また、アミラーゼについては、澱粉を分解して麦芽糖などの少糖類を生成し、それにより最終的に製造されるパンにほのかな甘みを付与する以外に、酵母等の栄養源となり、酵母等の生育を促し、酵母等の生菌数を増加させる効果を奏する。酵母等の生菌数の増加は、冷凍工程における酵母等の生存率の向上に繋がり、その結果、最終的に製造されるパンにボリューム感を付与することができる。
さらに、アミラーゼにより澱粉から生成される少糖類は、生地中の水分を保持する役割も担うと推測される。生地中の水分の多くが結合水として少糖類に保持されるので、生地を冷凍した際に、生地にダメージを与える氷結晶の生成が少なく、冷凍障害が起こりにくいと考えられる。その結果、最終的に製造されるパンに、優れた食感とボリューム感が付与されると考察される。
本工程においても、生地の調製時に食塩を添加しても構わないが、本工程では、食塩を添加しない方が好ましい。
また、本工程では、生地の調製時に油脂を添加することが好ましい。
油脂としては、特に限定されないが、菜種油、キャノーラ油、大豆油、コーン油、オリーブ油、ひまわり油、紅花油、胡麻油、荏胡麻油、亜麻仁油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、綿実油、グレープシード油、カカオバター、サラダ油等の植物性油脂;牛脂、豚脂バター等の動物性油脂を用いることができる。また、これらの油脂に水素添加して調製された水素添加油脂(硬化油)やこれらの油脂をエステル交換して調製したエステル交換油等も用いられる。さらにはこれらの水素添加油脂やエステル交換油を用いたマーガリン、ショートニングも用いることができる。
油脂の添加量は特に限定されないが、本工程で用いられる穀物粉100重量部あたり、通常は3重量部~7重量部であり、好ましくは4重量部~6重量部である。
本工程において、油脂は水と同時に添加してもよく、また、水を添加する前または後に添加してもよい。
本工程ではさらに、果糖、ブドウ糖等の単糖類;砂糖、麦芽糖等の少糖類;キサンタンガム、アラビアガム、グアーガム等の多糖類;脱脂粉乳、ヨーグルト等の乳製品;グルテン;アスコルビン酸等の酸化剤;ジアセチル酒石酸モノグリセリド、レシチン、ステアロイル乳酸ナトリウム(SSL)、ステアロイル乳酸カルシウム(CSL)等の乳化剤等の添加物も、必要により添加することができる。
これらの添加物も、水と同時に添加してもよく、また、水を添加する前または後に添加してもよい。
本工程における混捏は、通常通り行えばよく、パンの製造に通常用いられるパン捏ね機(ニーダー)等を用いて行うことができる。
生地の捏上温度は、通常10℃~20℃、好ましくは12℃~16℃に調整される。
次に、本発明の冷凍パン生地の製造方法において、(C)の工程では、上記(B)の工程で混捏して調製した生地を低温で保存して熟成する。
生地の保存温度は通常-1℃~7℃であり、好ましくは-1℃~5℃であり、より好ましくは0℃~4℃である。
また、上記温度における保存時間は、10時間~40時間内であれば良いが、通常12時間~36時間であり、好ましくは20時間~30時間である。
上記の通り、低温で長時間生地を保存して熟成することにより、水分を生地の隅々まで均一に行きわたらすことができ、その結果、生地中の水分の多くが結合水として保持され、冷凍工程において生成される氷結晶による障害を抑制する効果を生じると思われる。また、この熟成期間中に発酵がゆっくりと進み、酵母等の生菌数も時間の経過とともに増加する。
次に、本発明の冷凍パン生地の製造方法において、(D)の工程では、上記(A)の工程で調製した生地と、上記(C)の工程で低温で保存した生地とを混捏して、パン生地を製造する(本明細書において、本工程を「本捏」ともいう)。
本工程において、上記(A)の工程で調製した生地と、上記(C)の工程で低温で保存した生地との混合比[(A)の工程で調製した生地:(C)の工程で低温で保存した生地]は、重量比にして、通常2:8~4:6であり、好ましくは2.5:7.5~3.5:6.5である。
本工程における混捏は、パンの製造に通常用いられるパン捏ね機(ニーダー)等を用いて、通常の方法で行うことができる。
また、(A)の工程で調製した生地は、調製した直後に本工程の混捏に供してもよく、4℃~20℃で10分~12時間程度保存した後に、本工程の混捏に供してもよい。
本工程における生地の捏上温度は、通常20℃~27℃であり、好ましくは21℃~25℃である。
本発明の効果の観点からは、本工程において食塩を添加することが好ましい。本工程で添加する食塩量は、上記(A)の工程で調製した生地と(C)の工程で保存した生地の合計量100重量部あたり、通常は0.3重量部~2重量部であり、好ましくは0.6重量部~1重量部である。
なお、上記(B)の工程で食塩を添加し、(D)の本捏工程で食塩を添加しなくてもよいし、(B)および(D)の両工程で食塩を添加してもよいが、本発明の効果をより発揮させるためには、上記(B)の工程では食塩を添加せず、(D)の本捏工程で食塩を添加することが好ましい。
また、上記(A)および(B)の工程で生地の調製に用いた穀物粉以外に残存する穀物粉があれば、本工程において添加してもよい。さらに、本工程で、酵母もしくはパン種、または酵母およびパン種を再度添加してもよい。また、必要により、油脂、単糖類、少糖類、多糖類、乳製品、グルテン、酸化剤、乳化剤等の上記した添加物も添加することができる。本工程においても水を添加してもよいが、水を添加しない方が好ましい。
本発明の冷凍パン生地の製造方法には、上記(A)~(D)の工程に加えて、発酵させる工程および冷凍する工程が含まれる。
発酵は通常の条件で行えばよく、通常15℃~25℃で10分間~90分間、好ましくは18℃~22℃で20分間~40分間行う。
発酵させる工程の後、生地を分割して所望の形に成形する。丸め成形は手で丸めてもよいし、丸め成形用カップを用いてもよい。また丸め成形用カップについては、生地を丸める作業スペースに接する縁部分の内側に傾斜や突起をつけた形状のものを用いてもよい。
次に、上記の通り成形した生地を冷凍する工程に付す。冷凍する工程も通常の方法で行うことができ、たとえば、-35℃のフリーザー中で一定時間冷却することにより行う。もちろん、他の方法を用いてもかまわない。
また、本発明においては、発酵させた生地を成形する前または後に、あるいはある程度成形した段階で、18℃~22℃で5分間~30分間静置する(本明細書にて「生地を休ませる」ともいう)工程を含んでもよい。
調製された本発明の冷凍パン生地は、パンの製造に用いるまで、たとえば-20℃のフリーザー中にて保存することができる。
本発明の冷凍パン生地の製造方法により、従来の冷凍生地法において問題となっていた冷凍障害を抑制することができる。
従って、本発明により、品質の改善されたパンを製造し得る冷凍パン生地を提供することができる。
また、本発明は、従来の中種法を、冷凍生地法に適するように改良した発明であり、大量生産にも適する。
さらに、本発明は、パンの製造方法を提供する。
本発明のパンの製造方法は、上記した本発明の冷凍パン生地の製造方法により製造された冷凍パン生地を解凍した後、2次発酵を行い、次いで加熱する工程を含む。
冷凍パン生地の解凍は、通常の方法で行うことができ、自然解凍、恒温恒湿庫(ドゥコンディショナー)による解凍等を行うことができる。
2次発酵の条件は特別なものではなく、通常用いられる条件で発酵させればよい。具体的には、通常28℃~38℃で20分間~120分間、好ましくは30℃~36℃で40分間~70分間行えばよい。また、2次発酵に於いては、湿度は通常60%~80%に調整すればよい。
発酵後に行う加熱の方法としては、焼成(焼く)、蒸す、油ちょう(揚げる)等の手段が挙げられ、通常の方法および条件で行うことができる。
たとえば、焼成の場合、オーブン、コンベクションオーブン、スチームコンベクションオーブン等を用いて、190℃~210℃で8分間~15分間行えばよい。
また、蒸す場合は、蒸し器やスチームオーブン、スチームコンベクションオーブン等を用いて、8分間~15分間蒸すことができる。
油ちょうは、鍋、フライヤー等を用いて、170℃~200℃で4分間~12分間行えばよい。
上記した本発明のパンの製造方法により調製されたパンは、良好な食感と豊かなボリューム感を有する。
さらに本発明について、実施例により詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]冷凍パン生地の製造
本発明の(A)、(B)、(C)および(D)の工程をそれぞれ以下のように行った。
工程(A):
小麦粉(強力粉)(「カメリア」(日清製粉株式会社))300gに98℃のお湯300gを加え、縦型ミキサー(「HPI-30M」、関東混合機工業株式会社)で、低速で2分間、中速で2分間、室温(20℃)にて混捏し、捏上温度が55℃の生地を調製した。調製された生地は、後述の工程(C)で保存された生地とすぐに混合した。なお、本工程において使用した水は精製水である。
工程(B):
小麦粉(強力粉)(「カメリア」(日清製粉株式会社))700g、固形油脂(ショートニング)(「プレシャス」(株式会社J-オイルミルズ))30g、酵母(Saccharomyces cerevisiae)(「カネカイーストGA」(株式会社カネカ))5g、キシラナーゼ(「スミチームX」(新日本化学工業株式会社))35U、α-アミラーゼ(「スミチームAS」(新日本化学工業株式会社))52.5U、水500gを縦型ミキサー(「HPI-30M」、関東混合機工業株式会社)で、低速で5分間、中速で2分間、室温(20℃)にて混捏し、捏上温度が15℃の生地を調製した。なお、本工程において使用した水は精製水である。
工程(C):
工程(B)で調製した生地を4℃で24時間保存した。
工程(D):
工程(A)で調製した生地および工程(C)で保存した生地に、グラニュー糖(「クルルマーク グラニュー糖」(伊藤忠製糖株式会社))40g、食塩(「瀬戸のほんじお」(味の素株式会社))16g、固形油脂(ショートニング)(「プレシャス」(株式会社J-オイルミルズ))50g、酵母(Saccharomyces cerevisiae)(「カネカイーストGA」)(株式会社カネカ))50gを加え、縦型ミキサー(「HPI-30M」、関東混合機工業株式会社)で、低速で5分間、中速で6分間、高速で1.5分間、室温(20℃)にて混捏し、捏上温度が24℃の生地を調製した。
上記(A)~(D)の工程を経て調製したパン生地を、20℃で30分間発酵させた後、1個分ずつに分割して丸め、20℃で10分間静置し、再度丸めて球状に成形して冷凍(-35℃で40分間冷却し、-20℃で保存)した。このように調製したものを実施例1の冷凍パン生地とした。
[実施例2]冷凍パン生地の製造
工程(B)においてキシラナーゼとα-アミラーゼを添加せず、かつ、工程(C)において4℃で12時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(実施例2の冷凍パン生地)。
[実施例3]冷凍パン生地の製造
工程(B)においてキシラナーゼとα-アミラーゼを添加しない以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(実施例3の冷凍パン生地)。
[実施例4]冷凍パン生地の製造
工程(B)においてキシラナーゼとα-アミラーゼを添加せず、かつ、工程(C)において4℃で36時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(実施例4の冷凍パン生地)。
[実施例5]冷凍パン生地の製造
工程(C)において4℃で20時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(実施例5の冷凍パン生地)。
[実施例6]冷凍パン生地の製造
工程(B)においてキシラナーゼとα-アミラーゼを添加せず、かつ、工程(C)において4℃で20時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(実施例6の冷凍パン生地)。
[実施例7]冷凍パン生地の製造
工程(C)において3℃で30時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(実施例7の冷凍パン生地)。
[実施例8]冷凍パン生地の製造
工程(B)においてキシラナーゼとα-アミラーゼを添加せず、かつ、工程(C)において3℃で30時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(実施例8の冷凍パン生地)。
[実施例9]冷凍パン生地の製造
工程(C)において0℃で20時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(実施例9の冷凍パン生地)。
[実施例10]冷凍パン生地の製造
工程(B)においてキシラナーゼとα-アミラーゼを添加せず、かつ、工程(C)において0℃で20時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(実施例10の冷凍パン生地)。
[実施例11]冷凍パン生地の製造
工程(C)において0℃で30時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(実施例11の冷凍パン生地)。
[実施例12]冷凍パン生地の製造
工程(B)においてキシラナーゼとα-アミラーゼを添加せず、かつ、工程(C)において0℃で30時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(実施例12の冷凍パン生地)。
[実施例13]冷凍パン生地の製造
工程(C)において4℃で30時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(実施例13の冷凍パン生地)。
[実施例14]冷凍パン生地の製造
工程(B)においてキシラナーゼとα-アミラーゼを添加せず、かつ、工程(C)において4℃で30時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(実施例14の冷凍パン生地)。
[実施例15]冷凍パン生地の製造
工程(B)においてキシラナーゼとα-アミラーゼを添加せず、かつ、工程(C)において0℃で12時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(実施例15の冷凍パン生地)。
[実施例16]冷凍パン生地の製造
工程(B)においてキシラナーゼとα-アミラーゼを添加せず、かつ、工程(C)において0℃で36時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(実施例16の冷凍パン生地)。
なお、実施例1~16の製造方法について、各工程における原料の配合および工程(C)における保存の条件を表1および2に示した。
Figure 0007196534000001
Figure 0007196534000002
[比較例1]冷凍パン生地の製造
工程(B)においてキシラナーゼとα-アミラーゼを添加せず、かつ、工程(C)において20℃で24時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(比較例1の冷凍パン生地)。
[比較例2]冷凍パン生地の製造
実施例1の工程(A)を行わず、工程(B)においてキシラナーゼとα-アミラーゼを添加せず、工程(D)において小麦粉300g、水200g(水の全添加量を700gとした)を添加して、冷凍パン生地を調製した(比較例2の冷凍パン生地)。
[比較例3]冷凍パン生地の製造
実施例1の工程(B)および工程(C)を行わず、工程(D)で小麦粉700g、水500gを添加して、冷凍パン生地を調製した(比較例3の冷凍パン生地)。
[比較例4]冷凍パン生地の製造
実施例1の工程(A)、工程(B)および工程(C)を行わずに、工程(D)で小麦粉1000g、水700g(水の全添加量を700gとした)を添加して冷凍パン生地を調製した(比較例4の冷凍パン生地)。
[比較例5]冷凍パン生地の製造
工程(B)においてキシラナーゼとα-アミラーゼを添加せず、かつ、工程(C)において14℃で12時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(比較例5の冷凍パン生地)。
[比較例6]冷凍パン生地の製造
工程(B)においてキシラナーゼとα-アミラーゼを添加せず、かつ、工程(C)において14℃で30時間保存した以外は、実施例1と同様にして、冷凍パン生地を調製した(比較例6の冷凍パン生地)。
なお、比較例1~6の製造方法について、各工程における原料の配合および工程(C)における保存の条件を表3に示した。
Figure 0007196534000003
上記表1、2および3中の数値は、各原料の配合量(重量部)を示す。酵素(キシラナーゼ、α-アミラーゼ)の配合量は、酵素活性(U)にて示した。また、表中、「-」は、当該原料が配合されないこと、あるいは、当該工程が行われないことを示す。
なお、酵素の添加量は、重量に換算すると極めて微量であるので、表1、2中の「(C)で保存した生地」の合計量には含めていない。
実施例1~16および比較例1~6の冷凍パン生地を2週間後に解凍(20℃、湿度70%、180分間)し、2次発酵(35℃、湿度70%、60分間)させ、焼成(200℃、12分間)して、パンを製造した。
実施例1~16および比較例1~6の各冷凍パン生地を用いて製造したパンについて、以下の通り、官能評価を実施した。
官能評価はパンの評価に5年以上携わっている経験豊かな25歳~55歳のパネラー10名により行い、食感の好ましさを5点満点(5点:非常に良好~3点:普通~1点:悪い)で、また、ボリューム感を5点満点(5点:非常にボリューム感がある~3点:普通~1点:ボリューム感が欠ける)で評価した。
官能評価における評価点は、パンの試食後にパネラー全員で協議して決した。また、食感およびボリューム感についてのコメントも、パンの試食後にパネラー全員で協議してまとめた。
結果を表4に示した。
Figure 0007196534000004
表4に示されるように、本発明の実施例1~16の製造方法により調製された冷凍パン生地を用いて製造されたパンは、いずれもボリューム感があり、もちもち感、やわらかさおよび弾力性を有し、好ましい食感を有すると評価された。
特に、(B)の工程でキシラナーゼおよびα-アミラーゼを添加して生地を調製し、かつ(C)の工程における保存を0℃~4℃で20時間~30時間行って得た冷凍パン生地(実施例1、5、7、9、11、13の冷凍パン生地)を用いた場合には、非常にボリュームがあり、かつ非常に好ましい食感を有するパンが得られた。
一方、(C)の工程における保存を、7℃よりも高い温度で行った比較例1、5、6の製造方法で調製された冷凍パン生地を用いて製造したパンは、ボリューム感に欠け、食感もやや好ましくないと評価された。
(A)の工程を含まない比較例2の製造方法で調製された冷凍パン生地を用いて製造したパンは、ボリューム感は普通であるが、食感はやや好ましくないと評価された。
(B)の工程および(C)の工程を含まない比較例3の製造方法で調製された冷凍パン生地を用いて製造したパンは、ボリューム感がなく、食感もやや好ましくないと評価された。
(A)~(C)の工程を含まない比較例4の製造方法で調製された冷凍パン生地を用いて製造したパンは、ボリューム感がなく、もちもち感や弾力性がなく、ボソボソした好ましくない食感であると評価され、冷凍障害が顕著に認められた。
なお、比較評価の結果は示していないが、実施例1~16で調製した冷凍パン生地を用いて製造したパンについては、冷凍処理を行わない通常の中種法で製造したパンと比較して同等のボリューム感を有し、また、食感についても同等またはそれ以上の好ましい食感を有すると評価された。
以上、詳述したように、本発明により、従来の冷凍生地法において問題となっていた冷凍障害を抑制し、品質の改善されたパンを製造するために好適な冷凍パン生地を提供することができる。
また、本発明により、従来の冷凍生地法では達成することができなかった優れた食感と豊かなボリューム感を有するパンを提供することができる。
さらに、本発明により、従来の中種法を冷凍生地法に応用することが可能となり、大量生産にも適する冷凍パン生地の製造方法およびパンの製造方法を提供することができる。

Claims (10)

  1. (A)穀物粉に温水を加えて混捏し、生地を調製する工程、(B)穀物粉に水と酵母もしくはパン種、または酵母およびパン種を加えて混捏し、生地を調製する工程、(C)前記(B)の工程で調製した生地を℃~℃で20時間~30時間保存する工程、および、(D)前記(A)の工程で調製した生地と、前記(C)の工程で保存した生地とを混捏する工程を含む、冷凍パン生地の製造方法。
  2. (A)および(B)の工程で用いる穀物粉が小麦粉である、請求項1に記載の製造方法。
  3. (B)の工程における水の添加量が、穀物粉100重量部に対し60重量部~75重量部である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. (B)の工程において、さらにキシラナーゼもしくはアミラーゼ、またはキシラナーゼおよびアミラーゼを添加して混捏する、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. (B)の工程において、食塩を添加せず、油脂を添加して混捏する、請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. (A)の工程で調製した生地と、(C)の工程で保存した生地との混合比[(A)の工程で調製した生地:(C)の工程で保存した生地]が、重量比にして2:8~4:6である、請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. (D)の工程において食塩を添加する、請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. (D)の工程の後に発酵させて冷凍する、請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 請求項1~のいずれか1項に記載の製造方法により製造された冷凍パン生地を解凍し、2次発酵させた後に加熱することを含む、パンの製造方法。
  10. 加熱する手段として焼成する、請求項に記載の製造方法。
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