以下、メンテナンス装置の一実施形態について説明する。
図1、及び図2に示すように、スロットマシン11を設置するための島設備10には、複数のスロットマシン11が水平方向に沿って並ぶように配設されている。スロットマシン11は、遊技媒体として遊技メダルを使用可能な遊技機の一例である。以下の説明では、高さ方向(鉛直方向)D1と直交する方向のうち、島設備10においてスロットマシン11が並んでいる方向を幅方向(左右方向)D2と示し、高さ方向D1及び幅方向D2と直交する方向を奥行方向(前後方向)D3と示す。島設備10は、スロットマシン11を支持する支持部13を備える。スロットマシン11は、釘等の固定部材によって支持部13に固定される。一例として、支持部13は、スロットマシン11を載置及び固定可能な板状の部分である。支持部13は、スロットマシン11を保持する手段の一例となる。
スロットマシン11は、複数のリールと、複数のストップボタンと、スタートレバーと、投入口と、ホッパーと、受皿と、排出口と、遊技制御部と、を備える。スロットマシン11では、遊技メダルMdを投入口へ投入することによって、遊技メダルMdをベットできる。遊技メダルMdがベットされた状態にて、スタートレバーが操作されると、複数のリールが回転し、変動ゲームが開始される。複数のリールは、ストップボタンの操作に応じて停止し、全てのリールが停止することによって、変動ゲームが終了される。そして、停止した複数のリールによって表示される図柄の組み合わせが所定の組み合わせである場合には、遊技メダルMdの払出条件が成立する。
スロットマシン11において、投入口から投入された遊技メダルMdは、ホッパーへ流入し、貯留される。遊技メダルMdの払出条件が成立すると、ホッパーが駆動し、ホッパー内に貯留されている遊技メダルMdが受皿へ払い出される。また、貯留上限を超えてホッパーへ流入しようとする遊技メダルMdは、オーバーフローとして排出口から機外へと排出される。遊技制御部は、投入口からの遊技メダルMdの投入、スタートレバーの操作、及びストップボタンの操作を監視し、変動ゲームの実行を制御する。遊技制御部は、払出条件が成立するとホッパーを駆動し、遊技メダルMdを払い出させる。
島設備10には、複数の玉貸機12が配設されている。複数の玉貸機12は、それぞれスロットマシン11の右隣に配設されている。玉貸機12は、遊技メダルMdのタンクと、払出装置と、払い出した遊技メダルMdを誘導するノズル状の払出部と、玉貸制御部と、を備える。玉貸制御部は、玉貸条件が成立すると、規定枚数の遊技メダルMdを払い出すように払出装置を駆動する。玉貸条件は、プリペイドカードが挿入された状態にて機前面側にある操作部が操作されること、及び紙幣や硬貨が投入されることにより成立する。
島設備10は、各スロットマシン11の排出口から排出される遊技メダルMdを受け入れる回収樋15を備える。回収樋15は、複数のスロットマシン11、及び複数の玉貸機12の下方において、幅方向D2に沿って延びる。回収樋15は、無端の回収ベルト16を備える。矢印Yaに示すように、スロットマシン11から排出された遊技メダルMdは、回収樋15へ流入すると、回収ベルト16に載置されるとともに、幅方向D2のうち第1端部E1側から反対の第2端部E2側へ向かって搬送される。
島設備10は、回収樋15によって回収された遊技メダルMdを島設備10の上部へ揚送する揚送装置18を備える。一例として、揚送装置18は、高さ方向D1に沿って延びる無端の揚送ベルト19を備える。揚送ベルト19は、その外周面において、周方向に沿って所定の間隔で並ぶ複数の揚送かご(不図示)を有する。矢印Ybに示すように、回収樋15によって回収された遊技メダルMdは、揚送かごの内部に載置された状態にて上方へ向かって搬送される。
島設備10は、揚送装置18によって揚送された遊技メダルMdをメンテナンスするメンテナンス装置30を備える。矢印Ycに示すように、揚送装置18によって揚送された遊技メダルMdは、メンテナンス装置30へ流入する。なお、メンテナンス装置30の詳細については後述する。本実施形態において、遊技メダルMdのメンテナンス装置30は、島設備10に組み込まれたメンテナンス機構として把握することもできる。
島設備10は、遊技メダルMdを貯留するメダルタンク26を備える。矢印Ydに示すように、メンテナンス装置30において所定のメンテナンスが実施された遊技メダルMdは、メンテナンス装置30から排出されるとともに、メダルタンク26へ流入する。メダルタンク26は、貯留している遊技メダルMdを流出させる供給口(不図示)が形成されている。
島設備10は、メダルタンク26から供給される遊技メダルMdを複数のスロットマシン11、及び複数の玉貸機12に供給するための供給樋21を備える。矢印Yeに示すように、メダルタンク26に貯留されている遊技メダルMdは、当該メダルタンク26に形成された供給口から供給樋21へ流入する。供給樋21は、複数のスロットマシン11、及び複数の玉貸機12の上方において、幅方向D2に沿って延びる。供給樋21は、無端の供給ベルト22を備える。矢印Yfに示すように、メダルタンク26から供給された遊技メダルMdは、供給樋21へ流入すると、供給ベルト22に載置されるとともに、幅方向D2のうち第2端部E2側から第1端部E1側へ向かって搬送される。
供給樋21は、供給ベルト22にて搬送される遊技メダルMdを取り込む複数の取込部23を備える。複数の取込部23は、スロットマシン11、又は玉貸機12と、遊技メダルMdの供給通路23aによって各別に接続されている。複数の取込部23は、接続されたスロットマシン11、又は玉貸機12に対して、取り込んだ遊技メダルMdを送り出す。一例として、複数の取込部23は、供給ベルト22に載置された遊技メダルMdを係止して供給通路23aへ案内する可動片を備えた構成であってもよいし、供給ベルト22を供給通路23aの入口へ向かって傾斜させる構成であってもよい。
島設備10は、供給樋21の第1端部E1側の部分において、何れのスロットマシン11、及び玉貸機12へも供給されなかった遊技メダルMdを回収樋15へ案内する末端通路25を備える。供給樋21は、末端通路25へ遊技メダルMdを取り込むための取込部23を備える。また、島設備10は、他の島設備に対して遊技メダルMdを供給したり、他の島設備から遊技メダルMdの供給を受けたりするための島渡通路27を備える。島渡通路27を介して他の島設備から供給された遊技メダルMdは、メンテナンス装置30へ流入する。島設備10は、投入された遊技メダルMdを計数するメダル計数装置(不図示)を備えてもよい。メダル計数装置に投入された遊技メダルは、回収樋15へ流入する。
メンテナンス装置30について説明する。
図3~図7に示すように、メンテナンス装置30は、筐体34と、遊技メダルMdを受け入れる受入部31と、遊技メダルMdを搬送する搬送部35と、搬送部35によって搬送された遊技メダルMdをメンテナンスするメンテナンス部40と、メンテナンスに用いる液体の供給及び循環を行う液体供給部50と、を備える。以下、詳細に説明する。本実施形態の一例において、メンテナンス装置30に使用する液体は、電解水であり、好ましくはpH9~10の電解水である。これに限らず、液体は、アルカリ性洗剤でもよく、酸性洗剤でもよく、中性洗剤であってもよい。
受入部31は、揚送装置18によって揚送された遊技メダルMd、及び島渡通路27を介して供給された遊技メダルMdを受け入れる。受入部31は、奥行方向D3に向かい合う第1側壁31a及び第2側壁31bと、幅方向D2に向かい合う第3側壁31c及び第4側壁31dと、を有する四角筒状である。つまり、受入部31は、遊技メダルMdの投入口としての上側開口S1と、反対側の下側開口S2と、を有する。第1側壁31aは、メンテナンス部40とは反対側にある壁であり、第2側壁31bは、メンテナンス部40側にある壁である。側壁31a~31dは、筐体34の一部を構成する。受入部31は、第1側壁31aの下端部から、第2側壁31b側へ向かって延びるとともに、下方へ向かって傾斜する底板31eを有する。受入部31は、遊技メダルMdを貯留する手段としても機能する。受入部31は、遊技メダルMdを検知するメダルセンサSEを備える。一例として、メダルセンサSEは、底板31eに配設されている。
搬送部35は、第1回転軸36と、第2回転軸37と、回転軸36,37に懸架された無端の搬送ベルト38と、を有する。回転軸36,37は、それぞれ幅方向D2に沿って延びるとともに、奥行方向D3に沿って離間する。搬送ベルト38は、奥行方向D3に沿って延びるとともに、メンテナンス部40側へ向かうほど上るように傾斜する。底板31eの下端部は、搬送ベルト38の上面に接する、又は近接する。第2側壁31bの下端部は、搬送ベルト38の上面に近接する。第3側壁31cの下端部、及び第4側壁31dの下端部は、搬送ベルト38の上面に接する、又は近接する。つまり、搬送ベルト38は、下側開口S2を下側から覆っており、底板31eと共に受入部31の底面を形成する。
搬送部35は、幅方向D2に沿って延びる整列ローラー39を有する。整列ローラー39は、搬送ベルト38に積み重なった遊技メダルMdを崩すことによって、遊技メダルMdが積み重なっていない状態に整列させる。一例として、整列ローラー39は、幅方向D2に沿って所定の間隔を開けて並ぶ複数の円盤状の部分を有する。整列ローラー39は、第2側壁31bの下端部と、搬送ベルト38の上面と、の間に配設されている。
図5、及び図6に示すように、メンテナンス部40は、遊技メダルMdに対して、メンテナンスの一例である洗浄を施す第1メンテナンス部41と、遊技メダルMdに対してメンテナンスの一例である拭取り(研磨)を施す第2メンテナンス部45と、を備える。本実施形態において、メンテナンス部40は、液体を用いて遊技媒体の汚れを除去する除去部の一例を構成する。
第1メンテナンス部41は、遊技メダルMdを間に挟み込む2つのローラーとして、ローラー42と、ローラー43と、を有する。ローラー43は、ローラー42の下側に配設されている。本実施形態におけるローラー42,43は、同一構成である。
各ローラー42,43は、幅方向D2に沿って延びる円柱状の軸部P1と、当該軸部P1の外周面を被覆する被覆部P2と、を有する。各ローラー42,43は、何れも幅方向D2に沿って延びるとともに、軸線が互いに平行である。各ローラー42,43の被覆部P2は、ローラー42,43の外周面を構成する。図5において二点鎖線で示すように、ローラー42,43は、外力が加えられていないとき、軸線と直交する平面で切断したと仮定したときの断面形状が円形、又は略円形である。
各ローラー42,43の被覆部P2は、多孔質体である。一例として、多孔質体は、ポリウレタン等、親水性が高く、柔軟で、且つ弾性を有する多孔質材料である。各ローラー42,43は、被覆部P2において液体を保持可能である。以下の説明では、各ローラー42,43が保持可能な液体の容量を保持容量Vcと示す。本実施形態の一例では、ローラー42の保持容量Vcと、ローラー43の保持容量Vcとは、同じ容量である。以下、ローラー42の保持容量Vcと、ローラー43の保持容量Vcと、の和を保持容量Vと示す。
ローラー42,43は、連結部材42aによって互いに連結されている(図5参照)。連結部材42aは、各ローラー42,43(軸部P1)を各ローラー42,43の直径方向に沿って変位可能となるように支持する。即ち、ローラー42,43は、ユニットU1として一体化されている。ユニットU1は、メンテナンス装置30の筐体34に設けられた取付部32に対して着脱自在に組み付けられる。
ユニットU1において、各ローラー42,43の軸線同士の離間距離は、各ローラー42,43(被覆部P2)の直径の和よりも小さい。つまり、図5において二点鎖線で示すように、各ローラー42,43の被覆部P2がないと仮定したとき、各ローラー42,43の軸線方向から見ると、各ローラー42,43の被覆部P2がある場合に各被覆部P2が占有する空間同士が重なり合う。そして、ローラー42,43は、付勢機構(不図示)によって互いに近接する方向へ付勢されている。一例として、付勢機構は、バネであってもよく、モーター等のアクチュエータであってもよい。このため、図中において実線で示すように、ローラー42,43は、遊技メダルMdを挟み込んでいないときには、それぞれ変形しつつ外周面が互いに接する。ローラー42,43は、遊技メダルMdを挟み込んでいるときには、それぞれの外周面が遊技メダルMdに密着する。そして、ローラー42,43は、互いに接する部分(図中においてハッチングで示す)において、多孔質体である被覆部P2が押し潰されるようにして変形する。
ローラー42は、遊技メダルMdと接触して当該遊技メダルMdを搬送する搬送部材、及び搬送ローラーの一例を構成する。ローラー43は、遊技メダルMdと接触して当該遊技メダルMdを搬送する搬送部材及び搬送ローラーとして兼用される。第1メンテナンス部41は、搬送部材を有する搬送手段の一例である。また、詳しくは後述するが、ローラー43は、ローラー42と接触した状態で回転可能な除去ローラーの一例であり、ローラー42にある余剰の液体を除去する除去部材の一例でもある。つまり、ローラー43は、除去手段の一例を構成する。そして、搬送部材の一例となるローラー42,43のうち少なくとも遊技メダルMdと接触する部分は、液体を保持可能な多孔質体である。除去部材の一例となるローラー43のうち少なくとも遊技メダルMdと接触する部分は、液体を保持可能な多孔質体である。
第2メンテナンス部45は、遊技メダルMdを間に挟み込む2つのローラーとして、ローラー46と、ローラー47と、を有する。ローラー46は、ローラー47の下側に配設されている。ローラー46,47は、ローラー42,43と同一構成である。各ローラー46,47は、ローラー42,43と同様に、軸部P1と、被覆部P2と、を有する。つまり、ローラー46のうち少なくとも遊技メダルMdと接触する部分は、液体を保持可能な多孔質体である。同様に、ローラー47のうち少なくとも遊技メダルMdと接触する部分は、液体を保持可能な多孔質体である。各ローラー46,47の保持容量Vcは、各ローラー42,43の保持容量Vcと同じ容量である。各ローラー46,47は、何れも幅方向D2に沿って延びるとともに、軸線が互いに平行である。ローラー46,47は、連結部材46aによって、各ローラー46,47の直径方向へ沿って変位可能となるように連結されている(図5参照)。即ち、ローラー46,47は、ユニットU2として一体化されている。ユニットU2は、取付部32に対して着脱自在に組み付けられる。本実施形態におけるユニットU2は、ユニットU1と同一構成である。ユニットU2の下端(ローラー47の下端)は、ユニットU1の下端(ローラー43の下端)よりも下方に位置する。
各ローラー46,47は、付勢機構(不図示)によって互いに近接する方向へ付勢されている。ローラー46,47は、遊技メダルMdを挟み込んでいないときには、それぞれの外周面が互いに接するとともに、遊技メダルMdを挟み込んでいるときには、それぞれの外周面が遊技メダルMdに密着する。ローラー46,47は、第1メンテナンス部41から受け渡される遊技メダルMdと接触して当該遊技メダルMdを搬送することから、搬送部材(搬送ローラー)としても兼用されていると言える。
本実施形態において、遊技メダルMdを間に挟み込む2つのローラー46,47は、搬送手段の一例である第1メンテナンス部41から受け入れた遊技メダルMdと接触して拭き取りを行う拭取部材、及び拭取ローラーの一例である。また、第2メンテナンス部45は、拭取手段の一例となる。本実施形態では、ローラー46とローラー47とによって挟み込まれた状態にて遊技メダルMdが搬送される。ローラー47は、拭取ローラーとして兼用される。また、詳しくは後述するが、ローラー47は、ローラー46と接触した状態で回転可能な除去ローラーの一例であり、ローラー46にある余剰の液体を除去する除去部材の一例でもある。つまり、ローラー47は、除去手段の一例を構成する。
メンテナンス装置30の筐体34は、第2メンテナンス部45(ローラー46,47)から送り出される遊技メダルMdを、メンテナンス装置30の外部へ案内する案内部33を備える。案内部33は、第2メンテナンス部45から送り出された遊技メダルMdをメダルタンク26へ案内する。
図4に示すように、メンテナンス装置30は、第2回転軸37を回転させる手段の一例として第1モーターMT1を備える。第1モーターMT1が駆動すると、第2回転軸37が回転し、それに伴って、搬送ベルト38が回転する。メンテナンス装置30は、ローラー42,43,46,47を回転させる手段の一例として第2モーターMT2を備える。第2モーターMT2が駆動すると、ローラー42,43,46,47が回転する。ローラー42の回転方向(矢印Y1)は、ローラー43の回転方向(矢印Y2)と逆方向である。ローラー46の回転方向(矢印Y3)は、ローラー47の回転方向(矢印Y4)と逆方向である(図5参照)。
図7に示すように、液体供給部50は、液体を貯留する液体タンク51と、液体を貯留する緩衝タンク52と、液体を送出するポンプ53と、ローラー42に液体を供給するためのノズル55と、第1メンテナンス部41(ローラー42,43)から液体を回収する回収トレー56と、液体の流路を形成する配管部材60と、を備える。配管部材60は、流路部の一例である。
液体タンク51は、液体を投入可能な投入口51cを有するタンク本体51aと、当該タンク本体51aの投入口を覆うタンク蓋51bと、を有する。一例として、投入口51cは、タンク本体51aの上面に形成されている。液体タンク51は、タンク蓋51bを取り外すことによって、投入口51cから液体を投入(補充)することができる。タンク蓋51bは、所定の気密性を保った状態で投入口51cを封止する。つまり、液体タンク51は、タンク蓋51bを用いて投入口51cが適正に封止されている場合、投入口51cから空気が流入しない。このように、液体タンク51は、所定の気密性を維持可能に構成されている。また、液体タンク51は、配管部材60を接続するための接続部として、供給接続部51dを備える。一例として、供給接続部51dは、タンク本体51aの下面に形成されている。供給接続部51dは、液体タンク51の内部と外部とを連通する。供給接続部51dは、筒状であり、液体の流路の一部を形成する。つまり、供給接続部51dが形成する液体の流路は、液体タンク51の底面に開口する。
液体タンク51は、全体として所定の強度を有することによって、気圧及び水圧によって変形しない、又は変形し難い。一例として、液体タンク51(タンク本体51a及びタンク蓋51b)は、ステンレス等の金属製である。なお、液体タンク51は、所定の強度を有するのであれば、その一部又は全部がポリエチレン、又はポリプロピレン等の樹脂製であってもよい。本実施形態の液体タンク51は、全体として直方体状の容器であるが、これに限らず、円柱状であってもよく、球状であってもよい。
緩衝タンク52は、全体として所定の強度を有することによって、気圧及び水圧によって変形しない、又は変形し難い。一例として、緩衝タンク52は、透明な材料製であり、外部から内部を視認可能に構成されている。例えば、緩衝タンク52は、アクリル及びポリカーボネート等の樹脂製、又はガラス製である。これに限らず、緩衝タンク52は、内部を視認し難い、又は視認できない材料製であってもよい。緩衝タンク52は、配管部材60を接続するための接続部として、入口接続部52a、及び出口接続部52bを有する。また、緩衝タンク52は、緩衝タンク52の内部を2つの空間に区画するフィルター52cを有する。入口接続部52aは、フィルター52cによって形成された2つの空間のうち一方の空間である入口側空間と外部とを連通する一方、出口接続部52bは、他方の空間である出口側空間と外部とを連通する。各接続部52a,52bは、筒状であり、液体の流路の一部を形成する。つまり、各接続部52a,52bが形成する液体の流路は、緩衝タンク52の内壁面に開口する。
ポンプ53は、遠心ポンプであるが、これに限らず、プロペラポンプであってもよく、往復動ポンプであってもよく、回転ポンプであってもよい。ポンプ53は、配管部材60を接続するための接続部として、入口接続部53a、及び出口接続部53bを有する。ポンプ53は、入口接続部53aから液体を取り込むとともに、出口接続部53bから吐出する。
図5、及び図6に示すように、ノズル55は、取付部32に固定されている。ノズル55は、筒状の部分である。ノズル55は、当該ノズル55の一方の端部(基端部)に、配管部材60を接続するための接続部として、ノズル接続部55aを有する。ノズル55は、ノズル接続部55aの反対側の端部(先端部)において開口する供給口55cを有する。ノズル55の内部空間は、ノズル55の先端部へ向かうほど断面積が小さくなる。供給口55cは、液体を吐出する。
液体の供給口55cは、ローラー42の上方において、ローラー42の外周面と対向する位置に開口する。つまり、供給口55cは、ローラー42,43が互いに対向(接触)する部分とは反対側において、ローラー42の外周面に向かって開口する。また、平面視において、供給口55cは、ローラー42の長さ方向(幅方向D2)における中央、又は略中央に開口する。つまり、供給口55cにおいて、液体は、ローラー42の上側部分のうち、長さ方向における中央、又は略中央に向かって吐出される。ローラー42の長さ方向(幅方向D2)は、遊技メダルMdの搬送方向、及び鉛直方向と交差(その一例として直交)する方向である。
回収トレー56は、ローラー42,43の下方にある。回収トレー56は、平面視において幅方向D2に沿って延びる四角形である底板56aと、当該底板56aの縁部から上方に向かって延びる4つの側壁56bと、を有する。つまり、回収トレー56は、上方に向かって開口する有底四角箱状の部分である。一例として、回収トレー56は、ステンレス等の金属製であるが、これに限らず、ポリプロピレン及びポリエチレン等の樹脂製であってもよい。
回収トレー56は、奥行方向D3において対向する2つの側壁56bのうち、ユニットU1(ローラー42,43)側にある側壁56bにおいて、ユニットU2側にある側壁56bの上端よりも上方へ向かって延びる板状の部分である遮蔽部56sを有する。遮蔽部56sは、幅方向D2における両端部からユニットU2側へ向けて延びる板状の部分を有する。つまり、平面視において、遮蔽部56sは、ローラー43の側方を囲うC字型の形状である。ここで、本実施形態では、ローラー43の下端がローラー47の下端よりも上方にあるため、回収トレー56とローラー43との間に隙間Saが生じ得る。遮蔽部56sは、隙間Saを側方から囲うように設けられている。
回収トレー56は、配管部材60を接続するための接続部として、回収接続部56cを有する。回収接続部56cは、底板56aの下面から下方に向かって延びるように設けられている。回収接続部56cは、回収トレー56の内部と外部とを連通する。回収接続部56cは、筒状であり、液体の流路の一部を形成する。つまり、回収接続部56cが形成する液体の流路は、回収トレー56の底面(底板56aの上面)に回収口56dとして開口する。回収トレー56の底面(底板56aの上面)は、底板56aの縁部から回収口56dに向かって下るように傾斜している。
回収トレー56のうち、底板56a及び4つの側壁56bによって囲われる範囲(以下、回収範囲Sと示す)は、平面視において、メンテナンス装置30の構成要素のうち、少なくともローラー42,43と重なる位置及び大きさである。回収トレー56は、平面視において、ローラー42,43の全体が回収範囲Sと重なり、且つ、ローラー46,47及び搬送ベルト38との重なりが小さくなるように構成されている。一例として、回収トレー56は、平面視において、回収範囲Sと、ローラー42,43の全体、ローラー46,47の一部、及び搬送ベルト38の一部と、が重なるように設けられている。なお、平面視において、ローラー47の全体、より好ましくはローラー47の軸線(中心線)と、回収範囲Sとは、重なっている。つまり、ローラー47の少なくとも下端となる部分は、回収範囲Sの上方にある。これに限らず、回収トレー56は、平面視において、回収範囲Sとローラー46,47とが重ならないように設けられていてもよく、回収範囲Sと搬送ベルト38とが重ならないように設けられていてもよい。また、回収トレー56は、底板56aと、ローラー42,43との離間距離が小さくなる位置に設けられている。このように、回収トレー56は、ローラー42,43から落ちる液体を受け止めることができるように構成されている。
図7に示すように、配管部材60には、回収トレー56の回収接続部56cと、緩衝タンク52の入口接続部52aと、を接続する第1配管部材61がある。配管部材60には、緩衝タンク52の出口接続部52bと、ポンプ53の入口接続部53aと、を接続する第2配管部材62がある。第1配管部材61、第2配管部材62、及び緩衝タンク52は、メンテナンス部40から回収した液体をポンプ53へ流通させるための第1流路F1を形成する。緩衝タンク52は、第1流路F1の一部を形成する。
配管部材60には、ポンプ53の出口接続部53bと、ノズル55のノズル接続部55aと、を接続する第3配管部材63がある。第3配管部材63は、ポンプ53から吐出される液体をノズル55から第1メンテナンス部41へと供給させるための第2流路F2を形成する。配管部材60には、液体タンク51の供給接続部51dと、第1配管部材61の途中部分にある連結部59と、を接続する第4配管部材64がある。第4配管部材64は、液体タンク51から液体を補充するための第3流路F3を形成する。つまり、液体タンク51は、第1流路F1の回収口56dと、ポンプ53との間において、第1流路F1に接続されている。
一例として、連結部59は、三方接手である。連結部59の内部において、第1流路F1と、第3流路F3とが接続(合流)する部分は、接続部59aである。よって、本実施形態において、緩衝タンク52は、連結部59(接続部59a)と、ポンプ53との間にある。一例として、配管部材61~64は、ステンレス等の金属製であってもよく、ポリ塩化ビニル、シリコン、及びフッ素樹脂等の樹脂製であってもよい。また、配管部材61~64は、内部を視認可能な透明材料製であってもよく、内部を視認不能又は視認困難な不透明材料製であってもよい。
次に、ノズル55の供給口55c、回収トレー56の回収口56d、液体タンク51、緩衝タンク52、ポンプ53、及び連結部59(接続部59a)について、これらの高さ方向における位置関係について説明する。
図7に示すように、本実施形態の一例において、液体タンク51と第1流路F1との連結部59(接続部59a)は、液体タンク51よりも下方にある。さらに、本実施形態の一例において、連結部59(接続部59a)、及び液体タンク51は、第1流路F1の回収口56d、及び第2流路F2の供給口55cよりも下方にある。また、緩衝タンク52は、供給口55c、回収口56d、連結部59(接続部59a)、及び液体タンク51よりも下方にある。なお、本実施形態の一例において、ポンプ53は、緩衝タンク52と同じ高さにあるが、これに限らず、緩衝タンク52の上方又は下方にあってもよい。
図1及び図2に示すように、本実施形態の一例において、液体タンク51は、メダルタンク26の側方に配設されている。また、緩衝タンク52、及びポンプ53は、島設備10の基底部に設けられている。メンテナンス装置30(供給口55c及び回収口56d)は、メダルタンク26の上方に配設されている。液体供給部50のうち、ポンプ53、ノズル55、及び第3配管部材63は、搬送部材としてのローラー42,43に液体を供給する供給部Psを構成する。供給部Psは、供給手段の一例である。また、液体供給部50のうち、緩衝タンク52、回収トレー56、及び配管部材61,62は、除去部材としてのローラー43により除去された液体を供給部Psから供給可能に循環させる循環部Prを構成する。循環部Prは、循環手段の一例を構成する。
メンテナンス装置30は、メンテナンス制御部70を備える。メンテナンス制御部70は、CPU、及びメモリを有する。メンテナンス制御部70は、CPUが各種のプログラムを実行することにより、メンテナンス装置30の動作を制御可能に構成されている。メンテナンス装置30は、受入部31に流入した遊技メダルMdを検知するメダルセンサSEを有する。メンテナンス制御部70は、メダルセンサSEと接続されており、メダルセンサSEが遊技メダルMdを検知したときに出力する検知信号を入力可能である。メンテナンス制御部70は、モーターMT1,MT2と接続されており、所定の駆動信号を出力することにより、各モーターMT1,MT2を駆動させることができる。メンテナンス制御部70は、ポンプ53と接続されており、所定の駆動信号を出力することにより、ポンプ53を駆動させることができる。メンテナンス制御部70は、制御手段の一例となる。
以下、メンテナンス制御部70が行う制御動作について説明する。
第1モーターMT1、及び第2モーターMT2を駆動して遊技メダルMdを搬送する搬送制御について説明する。
搬送制御には、電源投入時に実行する第1搬送制御と、メンテナンスの対象となる遊技メダルMdがあるときに実行する第2搬送制御と、がある。第1搬送制御の実行条件(以下、第1搬送条件と示す)は、メンテナンス装置30への電源投入によって成立する。第1搬送制御の終了条件は、第1搬送条件が成立してからの経過時間が第1搬送時間に達し、且つ遊技メダルMdがメダルセンサSEによって検知されなくなってからの経過時間が第2搬送時間に達することにより成立する。第2搬送制御の実行条件(以下、第2搬送条件と示す)は、第1搬送処理の終了後に、遊技メダルMdがメダルセンサSEによって検知されることにより成立する。第2搬送制御の終了条件は、遊技メダルMdがメダルセンサSEによって検知されなくなってからの経過時間が第2搬送時間に達することにより成立する。ここで、第2搬送時間は、受入部31にて検知された遊技メダルMdが搬送ベルト38によって搬送され、メンテナンス部40を通過して案内部33へ排出されるのに要する時間を超える時間に設定されている。
第1搬送制御、及び第2搬送制御において、メンテナンス制御部70は、実行条件が成立してから終了条件が成立する迄の間(実行条件が成立している間)、第1モーターMT1を制御し、第2回転軸37を回転させる。これにより、回転軸36,37に懸架された搬送ベルト38が矢印Y0に示す方向へ回転し、遊技メダルMdがメンテナンス部40へ向けて搬送される。そして、搬送ベルト38によって搬送された遊技メダルMdは、第1メンテナンス部41によって受け入れられる。
第1搬送制御、及び第2搬送制御において、メンテナンス制御部70は、実行条件が成立してから終了条件が成立する迄の間(実行条件が成立している間)、第2モーターMT2を制御し、ローラー42,43を回転させる。これにより、ローラー42が矢印Y1に示す方向へ回転するとともに、ローラー43が矢印Y2に示す方向へ回転する。したがって、ローラー42,43は、搬送ベルト38によって搬送された遊技メダルMdを挟み込むとともに、第2メンテナンス部45へ向けて搬送する。
第1搬送制御、及び第2搬送制御において、メンテナンス制御部70は、実行条件が成立してから終了条件が成立する迄の間(実行条件が成立している間)、第2モーターMT2を制御し、ローラー46,47を回転させる。これにより、ローラー46が矢印Y3に示す方向へ回転するとともに、ローラー47が矢印Y4に示す方向へ回転する。したがって、ローラー46,47は、ローラー42,43によって搬送された遊技メダルMdを挟み込むとともに、案内部33へ向けて搬送する。つまり、遊技メダルMdがメンテナンス装置30からメダルタンク26へと排出される。
次に、ポンプ53を駆動してノズル55から液体を吐出させる供給制御について説明する。本実施形態において、メンテナンス制御部70は、ノズル55における液体の供給を制御する手段の一例である。本実施形態の一例として、供給制御の実行条件(以下、供給条件と示す)は、第1搬送制御、及び第2搬送制御の実行条件と同じ条件である。また、供給制御の終了条件は、第1搬送制御、及び第2搬送制御の終了条件と同じ条件である。
メンテナンス制御部70は、電源投入後、供給条件が成立すると、供給制御を開始する。メンテナンス制御部70は、供給制御において、ポンプ53を制御し、ノズル55から液体を所定の態様にて吐出させる。より具体的に、メンテナンス制御部70は、ノズル55から液体を途切れさせることなく、連続的に吐出させる。供給制御において、単位時間当りの液体の吐出容量は、第1搬送時間、及び第2搬送時間にて吐出する液体の容量が保持容量Vを超えることができる容量に設定されている。したがって、供給制御が実行される場合、ローラー42,43には、これらローラー42,43では保持し切れない容量の液体が供給される。また、本実施形態の供給制御では、搬送すべき遊技メダルMdが無くなってからも所定の時間にわたって液体を吐出することとなる。本実施形態において、供給部Psは、予め定めた供給条件が成立している間、搬送部材の一例であるローラー42,43に対して連続的に液体を供給する。
次に、メンテナンス装置30の作用について説明する。
メンテナンス装置30の電源投入がされると、第1搬送条件が成立することにより、第1搬送制御が実行される。つまり、搬送ベルト38の回転が開始されるとともに、ローラー42,43、及びローラー46,47の回転が開始される。これにより、受入部31に遊技メダルMdがある場合、当該遊技メダルMdは、搬送ベルト38によってメンテナンス部40へ向けて搬送される。
搬送ベルト38によって搬送される遊技メダルMdは、ローラー42,43の間に挟み込まれるとともに、ローラー42,43の回転によって第2メンテナンス部45へ向けて搬送される。このように、第1メンテナンス部41では、ローラー42とローラー43とによって挟み込まれた状態にて遊技メダルMdが搬送される。
メンテナンス装置30の電源投入がされると、第1搬送条件とともに、供給条件も成立することにより、供給制御が実行される。つまり、ノズル55からローラー42へ向けて、液体の吐出が間断なく行われる。このため、ローラー42が液体により湿潤する。また、ローラー42,43は、遊技メダルMdを挟み込んでいない部分において相互に接する。このため、ローラー43は、ローラー42に保持された液体によって湿潤される。よって、遊技メダルMdがローラー42,43に挟み込まれると、ローラー42,43に保持された液体が遊技メダルMdの両面に塗布される。これにより、遊技メダルMdに付着した汚れを落とし易くできる。本実施形態において、ローラー42は、遊技メダルMdと接触して当該遊技メダルMdに液体を塗布する塗布部材、及び塗布ローラーの一例となる。ローラー43は、塗布部材(塗布ローラー)としても機能する。また、第1メンテナンス部41は、塗布手段の一例を構成する。
第1メンテナンス部41のローラー42,43によって挟み込まれ、液体が塗布された遊技メダルMdは、続けて第2メンテナンス部45のローラー46,47に挟み込まれる。そして、遊技メダルMdは、ローラー46,47に挟み込まれた状態にて搬送され、これにより、遊技メダルMdに付着した液体が拭き取られる。ローラー46,47は、遊技メダルMdを研磨するともいえる。このように、本実施形態において、ローラー46は、第1メンテナンス部41(ローラー42,43)により液体が塗布された遊技メダルMdと接触して当該遊技メダルMdの拭き取りを行う。ローラー47も同様である。その後、第2メンテナンス部45によって搬送された遊技メダルMdは、案内部33を経由してメンテナンス装置30から排出される。
また、メンテナンス装置30では、メダルセンサSEにより遊技メダルMdが検知されると、第2搬送条件が成立し、第2搬送制御が実行される。これにより、受入部31に受け入れられた遊技メダルMdは、搬送ベルト38によってローラー42,43へ向けて搬送される。ローラー42,43によって挟み込まれ、液体が塗布された遊技メダルMdは、続けてローラー46,47に挟み込まれ、液体が拭き取られる。その後、遊技メダルMdは、案内部33を経由してメンテナンス装置30から排出される。
また、直近の搬送制御における終了条件が成立してから所定時間が経過した状態にて第2搬送制御が開始されることにより、供給条件が成立すると、供給制御が実行される。つまり、ノズル55からローラー42へ向けて、液体の吐出が間断なく行われる。このため、第1搬送制御を実行したときと同様に、ローラー42,43が液体により湿潤する。
本実施形態における供給制御では、液体が連続的に吐出される。また、第1搬送制御の実行時間、及び第2搬送制御の実行時間のうち最後の第2搬送時間では、ローラー42,43の保持容量Vを超える容量の液体が供給される。このため、本実施形態では、ローラー42に対し、当該ローラー42では保持し切れない容量の液体が過剰に供給される。つまり、供給制御の実行中、ローラー42には、余剰の液体がある状態となり得る。本明細書において、液体について「余剰」であるとは、ローラーが保持する液体が規定容量Vaを超えた状態である。例えば、規定容量Vaは、ローラーの保持容量Vcに等しい容量であってもよく、ローラーの保持容量Vc未満の容量であってもよい。つまり、規定容量Vaは、ローラーの保持容量Vc以下の容量である。
本実施形態における規定容量Vaは、搬送時においてローラー42から遊技メダルMdへと付着する液体の容量が、ローラー46,47によって拭き取り可能な容量以下となるように設定されている。このような規定容量Vaは、実験、及び各種のシミュレーション等によって求めることができる。ローラー42に余剰の液体がある場合には、遊技メダルMdの両面のうち、ローラー42側の面に対して、過剰に液体が付着され得る。仮に、遊技メダルMdに付着した液体を、ローラー46,47にて拭き取り切れない場合には、液体が島設備10の機構部分へ付着したり、島設備10内部における湿度が上昇したりする原因となる虞がある。
これに対して、ローラー43は、ローラー42に対して押し付けるように付勢されている(図5参照)。これにより、ローラー43が押し付けられた部分において、多孔質体である被覆部P2が圧縮される。このため、仮に、ローラー42に余剰の液体がある状態となった場合、この余剰な液体は、被覆部P2の部分的な圧縮により絞り出されるとともに、ローラー42に接するローラー43に吸収されることとなる。このように、本実施形態の第1メンテナンス部41では、ローラー43との接触によりローラー42の少なくとも一部が圧縮され、ローラー42にある余剰の液体が除去される。本実施形態において、ローラー42の規定容量Vaは、被覆部P2を構成する多孔質体の性状(柔軟性、空隙率、及び親水性度等)と、ローラー42に対するローラー43の付勢力と、によって規定できる。
本実施形態の供給制御では、ローラー42,43の保持容量Vを超える液体が供給される。このため、ローラー42だけではなく、ローラー43でも液体を保持し切れなくなる。ローラー43の保持容量Vcを超える液体は、当該ローラー43から落ちるとともに、回収トレー56に受け止められる。回収トレー56に流入した液体は、回収口56dから第1流路F1へと流入する。そして、第1流路F1へと回収された液体は、再びポンプ53によって取り込まれ、ノズル55へ向けて吐出される。
また、搬送制御及び供給制御が長時間にわたって連続的に実行された場合などには、ローラー46にも液体が保持され、最終的に規定容量Vaを超えてしまうことも考えられる。これに対し、本実施形態において、ユニットU1,U2は、同一構成である。このため、ユニットU2のローラー47は、ユニットU1のローラー43と同様に動作し、ローラー46にある余剰の液体を除去することができる。つまり、仮に、ローラー46に余剰の液体がある状態となった場合、この余剰な液体は、被覆部P2の部分的な圧縮により絞り出されるとともに、ローラー46に接するローラー47に吸収されることとなる。ローラー46における規定容量Vaは、被覆部P2を構成する多孔質体の性状と、ローラー46に対するローラー47の付勢力と、によって規定される。なお、ローラー42,46の規定容量Vaは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
本実施形態において、ローラー47の少なくとも軸線(中心線)と、回収範囲Sとは、平面視において重なっている。したがって、仮に、ローラー46だけでなく、ローラー47でも液体を保持し切れなくなったとしても、ローラー47の保持容量Vcを超える液体は、当該ローラー47から落ちるとともに、回収トレー56に受け止められる。回収トレー56に流入した液体は、回収口56dから第1流路F1へと流入する。そして、第1流路F1へと回収された液体は、再びポンプ53によって取り込まれ、ノズル55へ向けて吐出される。
本実施形態において、液体の供給口55cは、ローラー42の外周面と対向する位置であって、ローラー42の長さ方向における中央、又は略中央に開口している。このため、供給口55cから吐出される液体は、ローラー42の上側部分のうち、長さ方向における中央、又は略中央に供給される。よって、本実施形態のように、供給口55cが1つしか設けられていなくても、液体がローラー42にて不均一に保持されることを抑制できる。
本実施形態のメンテナンス装置30は、第1流路F1内の液体量が所定量未満になると、液体タンク51にある液体を第1流路F1へ導入するように構成されている。以下、詳細に説明する。
図7に示すように、供給制御の非実行中、第1流路F1の水位が連結部59(接続部59a)よりも上方であって、回収口56d側にある水位W1であるとする。このとき、第2流路F2の水位は、第1流路F1の水位W1と同じ高さであるか、又は水位W1よりも高い位置にある。また、第1流路F1の水面(水位W1)から第2流路F2の水面までの範囲において、各流路F1,F2は、液体で満たされている。また、第3流路F3は、液体で満たされている。
供給制御が開始されると、ポンプ53の駆動によって第1流路F1(緩衝タンク52)内の液体が取り込まれるとともに第2流路F2へと送出される。これにより、第1流路F1内の液体が減少し、例えば連結部59よりも上方にある水位W2まで下がる。また、第2流路F2の供給口55cから液体が吐出され、液体がローラー42,43に対して供給される。上述のように、液体は、ローラー42,43の保持容量Vを超えて供給される。このため、ローラー42,43にて保持し切れない液体が回収トレー56に滴り落ちるとともに、回収口56dから第1流路F1へ流入する。つまり、メンテナンス装置30では、洗浄に使用された液体が回収され、再利用される。
供給制御の実行中、第1流路F1からポンプ53に取り込まれる液体の容量と、回収口56dから第1流路F1へと流入する液体の容量と、が略同じとなり、第1流路F1における水位が急激には低下せず、水位W2に保たれる。本実施形態において、液体タンク51は、所定の気密性を維持可能に構成されている。このため、第1流路F1の水位が連結部59(接続部59a)より上方にある限りにおいて、空気が液体タンク51へと流入しない。よって、液体タンク51にある液体は、第3流路F3を流下せずに保持される。
しかしながら、液体は、第1メンテナンス部41にて遊技メダルMdに塗布される以外にも、第1メンテナンス部41にて蒸発する等して減少し得る。このため、供給制御の実行中、及び非実行中において、第1流路F1の水位は、接続部59aに差し掛かる水位W3まで低下し得る。第1流路F1の水位が接続部59aまで低下すると、回収口56dから第1流路F1へと流入した空気が、接続部59aから第3流路F3を通って液体タンク51へと流入する。これにより、液体タンク51にある液体は、流入した空気に対応する容量だけ、第3流路F3を通って第1流路F1へと流入する。つまり、液体タンク51から第1流路F1へと、液体が補充される。
そして、液体タンク51から補充された液体によって、第1流路F1における水位が接続部59aよりも上方へ移動すると、接続部59aから液体タンク51への空気の流入が停止する。これに伴い、液体タンク51から第1流路F1への液体の供給が停止する。このように、液体タンク51、連結部59、及び第4配管部材64は、液体タンク51にある液体を第1流路F1へ導入する導入部Piを構成する。導入部Piは、導入手段の一例である。そして、導入部Piは、第1流路F1内の液体量が所定量未満になると、液体タンク51にある液体を第1流路F1内へ導入する。本実施形態における前記所定量は、第1流路F1における水位が接続部59aまで低下したときの液体量である。
以下、本実施形態の効果を説明する。
(1)本実施形態によれば、搬送部材(搬送ローラー)としてのローラー42を介して液体を遊技メダルMdに付着させることにより、遊技メダルMdの汚れを落とし易くできる。一方、ローラー42における液体に余剰が生じると、過剰な液体が遊技メダルMdに付着し、液体の損失が大きくなったり、液体が下流側における機構部分へ流出したりする虞がある。本実施形態によれば、ローラー42にある余剰の液体を、除去部材(除去ローラー)としてのローラー43によって除去できることから、遊技メダルMdに対する液体の付着量を安定させ、より効率的に汚れを除去し易くできる。
(2)本実施形態によれば、除去部材としてのローラー43は、搬送部材としても兼用される。よって、ローラー42とローラー43とによって遊技メダルMdを挟み込んだ状態にて搬送しつつ、適切な分量の液体を遊技メダルMdに付着させることができる。また、除去部材を専用の部材とした構成に比して、メンテナンス装置30の構造を簡単なものとすることができる。
(3)本実施形態によれば、循環部Prを備えるから、ローラー43により除去された液体を供給部Psから供給可能に循環させることから、余剰に供給された液体が無駄となってしまうことを抑制できる。
(4)本実施形態によれば、搬送部材としてのローラー42のうち少なくとも遊技メダルMdと接触する部分は、多孔質体であり、除去部材としてのローラー43との接触により圧縮されるようにして、余剰の液体が除去される。したがって、ローラー42にある余剰の液体を効率的に除去可能であり、遊技メダルMdに対して過剰に液体が付着してしまうことをより確実に抑制できる。
(5)本実施形態によれば、除去部材としてのローラー43のうち少なくとも遊技メダルMdと接触する部分は、多孔質体であるため、搬送部材としてのローラー42から除去した液体を保持し、遊技メダルMdの両面のうちローラー42側とは反対側の面に対して液体を塗布することができる。このため、遊技メダルMdの汚れをさらに除去し易くできる。
(6)本実施形態によれば、搬送部材としてのローラー42を介して液体が遊技メダルMdに付着され、汚れの除去が促進される。そのうえで、拭取部材としてのローラー46,47によって遊技メダルMdが拭われるから、遊技メダルMdから汚れを除去し易くできる。
(7)本実施形態によれば、液体は、電解水である。よって、遊技メダルMdのほか、メンテナンス装置30に残渣が残ってしまうことを抑制できる。よって、メンテナンス装置30そのもののメンテナンス頻度を低減できる。
(8)本実施形態によれば、拭取部材としてのローラー46,47は、遊技メダルMdを挟み込む2つのローラーであるから、遊技メダルMdに付着した液体を確実に拭き取ることができる。
(9)本実施形態によれば、供給口55cが1つであっても、効率よく液体を搬送部材としてのローラー42へ供給し、遊技メダルMdに付着させることができる。
(10)本実施形態によれば、液体を連続的に供給できることから、搬送部材としてのローラー42において液体が不足することを抑制できる。よって、遊技メダルMdの汚れを除去し易くできる。
(11)本実施形態によれば、除去部としてのメンテナンス部40から液体を回収し、さらにポンプ53によって再供給することができる。このため、メンテナンス部40にて液体が余剰となってしまったとしても、余剰となった液体が無駄となってしまうことを抑制できる。そして、液体の消費によって、循環する液体が減少してしまったとしても、液体タンク51から液体が第1流路F1内へ導入されることから、液体が不足することも抑制できる。
(12)本実施形態によれば、循環する液体が減少し、第1流路F1における水位が接続部59aまで下がると、回収口56dから入った空気がさらに接続部59aを経由して液体タンク51へと流入し、代わりに液体タンク51内の液体が第1流路F1へと導入される。このように、電磁弁や専用のポンプ等を用いる構成に比して、液体タンク51から液体を導入するための構造を簡易なものとすることができる。
(13)本実施形態によれば、第1流路F1の一部として緩衝タンク52があることから、循環する液体量を多くすることができる。よって、余裕を持った液体の循環が可能になる。
(14)本実施形態によれば、供給条件が成立している間、ポンプ53が連続的に動作することから、十分量の液体を除去部としてのメンテナンス部40へと供給し、汚れの除去効果を高めることができる。そして、仮に液体が余剰となっても再利用できることから、液体が無駄となってしまうことも抑制できる。
(15)本実施形態によれば、液体タンク51は、所定の強度を有し、気圧によって変形しない、又は変形し難い。よって、気圧による液体タンク51の変形によって、意図せずに液体が第1流路F1へと導入されてしまうことを抑制できる。よって、第1流路F1内の液体量を適正に保ち易くできる。
(16)本実施形態によれば、ローラー42,43は、ユニットU1として一体となって着脱自在である。ローラー46,47は、ユニットU2として一体に着脱自在である。よって、ローラーを容易に交換できる。
(17)本実施形態において、緩衝タンク52は、内部を視認可能に構成されている、このため、緩衝タンク52が液体で満たされていない状況から、液体タンク51が空になっていることを把握可能である。よって、液体タンク51への液体の補充タイミングを適切に把握させることができる。
(18)本実施形態によれば、ローラー43の下端がローラー47の下端よりも上方にあるため、回収トレー56とローラー43との間に隙間Saが生じ得る。これに対し、回収トレー56は、遮蔽部56sを備えるとともに、当該遮蔽部56sは、隙間Saを囲っている。よって、除去部材としてのローラー43の露出面積を削減し、ローラー43、及び回収トレー56内からの液体の蒸発を抑制できる。
(19)本実施形態によれば、緩衝タンク52にフィルター52cを設けたから、液体に含まれる汚れを除去することができる。
(20)本実施形態によれば、供給制御において、搬送すべき遊技メダルMdが無くなってからも液体を吐出するから、ローラー42,43に付着した汚れ等を洗い流すことができる。
(21)本実施形態によれば、ローラー47によって、ローラー46にある余剰の液体を除去できる。このため、遊技メダルMdの拭き取りを安定して行うことができる。よって、遊技メダルから汚れを除去し易い。
(22)特に、本実施形態によれば、搬送制御及び供給制御が長時間にわたって連続的に実行された場合など、拭取部材の一例であるローラー46にも液体が保持され、最終的に規定容量Vaを超えてしまうことも考えられる。これに対し、本実施形態において、ユニットU1,U2は、同一構成である。このため、ユニットU2のローラー47は、ユニットU1のローラー43と同様に動作し、ローラー46にある液体を除去することができる。よって、ローラー46が液体で飽和し難く、最低限の拭取りを確保できる。
(23)本実施形態において、ローラー46のうち少なくとも遊技メダルMdと接触する部分は、多孔質体であり、ローラー47との接触により圧縮されるようにして、余剰の液体が除去される。したがって、ローラー46にある余剰の液体を効率的に除去可能であり、遊技メダルMdの拭き取りを確実にできる。
(24)本実施形態によれば、ローラー47のうち少なくとも遊技メダルMdと接触する部分は、多孔質体であるため、ローラー46から除去した液体を保持し、液体が滴り落ちてしまうことを抑制できる。
(25)本実施形態によれば、ローラー47は、拭取部材としても兼用される。よって、ローラー46とローラー47とによって遊技メダルMdを挟み込んだ状態にて搬送しつつ、より確実な拭き取りを実現できる。また、除去部材を専用の部材とした構成に比して、メンテナンス装置30の構造を簡単なものとすることができる。
(26)本実施形態によれば、平面視において、ローラー47の少なくとも軸線(中心線)と、回収範囲Sとが重なっている。したがって、ローラー47にて保持し切れない液体は、回収トレー56へと落ちる。よって、ローラー46,47から余剰の液体を回収し、循環させることができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態において、液体タンク51にある液体残量が不足していることの報知(以下、残量不足報知)を行わない構成であったが、これに限らず、残量不足報知を行う構成であってもよい。例えば、メンテナンス装置30は、第1流路F1のうち、緩衝タンク52にある液体量を検知する検知手段の一例として、水位センサを備えてもよい。メンテナンス装置30は、所定の報知を行う報知手段の一例として、表示装置、スピーカ、及びLED等の報知装置を備えてもよい。そして、メンテナンス制御部70は、水位センサによって、緩衝タンク52にある液体量が所定量未満であることが検知されると、所定の報知として残量不足報知を行わせるように上記報知装置を制御するとよい。緩衝タンク52にある液体量が所定量未満であるとき、液体タンク51の液体が空になっている可能性が高い。本変更例によれば、報知装置では、緩衝タンク52にある液体量が所定量未満となったときに所定の報知を行うことから、管理者等に対し、液体タンク51への液体の補充タイミングを適切に把握させることができる。
・本実施形態において、導入手段として導入部Piを備えたが、これに限らず、異なる構成であってもよい。例えば、メンテナンス装置30は、緩衝タンク52にある液体量を検知する水位センサと、第3流路F3を開閉する電磁弁と、を備える。なお、液体タンク51は、供給接続部51dとは異なる部分から、空気を内部に導入可能に構成されている。メンテナンス制御部70は、水位センサによって、緩衝タンク52にある液体量が所定量未満であることが検知されると、第3流路F3を開くように電磁弁を制御する。また、メンテナンス制御部70は、水位センサによって、緩衝タンク52にある液体量が所定量以上であることが検知されると、第3流路F3を閉じるように電磁弁を制御する。本変更例であっても、液体の消費等によって、循環する液体が減少すると、液体タンク51から液体が第1流路F1内へ導入されることから、液体が不足することを抑制できる。また、本変更例において、電磁弁に代えてポンプを設けてもよい。この場合、ポンプにより所定の圧力にて液体を供給できることから、液体タンク51を連結部59(接続部59a)よりも下方に配置してもよい。
・本実施形態において、液体タンク51と第1流路F1とは、第4配管部材64を用いて接続したが、これに限らず、液体タンク51の供給接続部51dと連結部59とが接続されていてもよい。
・本実施形態において、液体タンク51は、投入口51cを備えたが、これに限らず、投入口51cを備えない構成であってもよい。本変更例において、液体残量が不足した場合、液体が充填された液体タンク51と交換するとよい。
・本実施形態において、第4配管部材64に止水バルブを設けてもよい。本変更例によれば、止水バルブを操作して第3流路F3を閉じることで液体の流出を抑制し、液体タンク51を取り外して交換し易くできる。
・本実施形態において、液体タンク51を1つ備えたが、これに限らず、2つ以上の液体タンクを備えてもよい。この場合、複数の液体タンクと、第1流路F1と、を同じ連結部59(接続部59a)にて接続してもよく、異なる連結部にて接続してもよい。本変更例においても、本実施形態と同様に、高さ方向における各部位の位置関係を維持するとよい。
・本実施形態において、緩衝タンク52は、接続部59aとポンプ53との間に設けたが、これに限らず、回収口56dと接続部59aとの間に設けてもよく、ポンプ53と供給口55cとの間に設けてもよい。緩衝タンク52は、1つであることに限らず、2つ目の緩衝タンクをポンプ53と供給口55cとの間に設けてもよい。ポンプ53の下流側に緩衝タンクを設けると、ポンプ53から吐出された液体が緩衝タンクに滞留される。よって、本変更例によれば、ポンプ53の駆動開始時等に、液体が供給口55cから勢いよく吐出されることを抑制し、液体の飛散を抑制できる。また、メンテナンス装置30は、3つ以上の緩衝タンクを備えていてもよい。
・本実施形態において、回収トレー56は、筐体34とは別に設けられたが、これに限らず、例えば筐体34の底部トレーと兼用されていてもよい。この場合、底部トレーの内側において、本実施形態と同様に側壁56bを設け、回収トレー56を形成するとよい。本変更例によれば、フィルター52cの目詰まり、又は第1流路F1の詰まり等に起因して、回収トレー56から液体が溢れても、一時的に底部トレーに貯めることができる。本変更例では、本実施形態と同様に、遮蔽部56sを備えてもよい。
・本実施形態において、搬送手段は、搬送部材としてローラー42,43を有する構成であったが、これに限らず、搬送部材として3つ以上のローラーを有する構成であってもよく、1つのローラー42と、滑り性を有する板材とで遊技メダルMdを挟み込む構成であってもよい。さらに、搬送手段は、搬送部材として1又は複数のベルトを有する構成であってもよく、ローラー及びベルトの両方を有する構成であってもよい。搬送部材の一部又は全部をベルトとする場合、当該ベルトのうち遊技メダルMdと接触する部分は、本実施形態と同様に多孔質体とすることが好ましい。また、搬送部材を2つのベルトとし、この2つのベルトにて遊技メダルMdを挟み込む構成とした場合には、遊技メダルMdとベルトとが面接触し、より確実に遊技メダルMdの搬送、及び洗浄をすることができる。
・本実施形態において、拭取手段は、拭取部材としてローラー46,47を有する構成であったが、これに限らず、拭取部材として1つのローラーを有する構成であってもよく、3つ以上のローラーを有する構成であってもよい。さらに、拭取手段は、拭取部材として1又は複数のベルトを有する構成であってもよく、ローラー及びベルトの両方を有する構成であってもよい。拭取部材の一部又は全部をベルトとする場合、当該ベルトのうち遊技メダルMdと接触する部分は、本実施形態と同様に多孔質体とすることが好ましい。また、拭取部材を2つのベルトとし、この2つのベルトにて遊技メダルMdを挟み込む構成とした場合には、遊技メダルMdとベルトとが面接触し、より確実に遊技メダルMdの搬送、及び拭き取りをすることができる。
・本実施形態において、供給条件は、第1搬送条件及び第2搬送条件と同じ条件であったが、これに限らず、第1搬送条件及び第2搬送条件とは異なる条件であってもよい。供給制御の終了条件は、第1搬送条件及び第2搬送条件の終了条件より先に成立する構成であってもよく、後に成立する構成であってもよい。また、例えば、メダルセンサSEにより遊技メダルMdが検知されていなくても、直近の供給制御(搬送制御)の終了から所定時間が経過したことを実行条件とし、供給制御を実行してもよい。この供給制御では、遊技メダルMdの搬送を行わないものの、ローラー42,43を回転させるとよい。そして、本変更例における供給制御の終了条件は、実行条件の成立から所定時間が経過したことを定めるとよい。
・本実施形態において、供給制御では、液体をノズル55から連続的に吐出させたが、これに限らず、間欠的に吐出させてもよい。また、第1搬送制御とともに実行する供給制御と、第2搬送制御とともに実行する供給制御とで、液体の吐出量、吐出時間、及び吐出タイミングの1つ又は全部について異ならせてもよい。
・本実施形態において、ローラー42,43は、ユニットU1として一体化されていなくてもよい。ローラー46,47は、ユニットU2として一体化されていなくてもよい。
・本実施形態において、ノズル55は、ローラー42,43の長さ方向(幅方向D2)における中央、又は略中央とは異なる部分に配設されていてもよい。また、本実施形態において、第1メンテナンス部41は、複数のノズル55を備えてもよい。この場合、複数のノズル55は、ローラー42,43の長さ方向に沿って均等に配置されていることが好ましい。
・本実施形態において、ローラー42,43は、全体が多孔質体であってもよい。なお、ローラー42,43は、全体が多孔質体でなくてもよいが、液体を保持させる観点から、本実施形態のように構成することが好ましい。ローラー46,47についても同様に変更できる。
・本実施形態において、ローラー42に対し、除去部材として1つのローラー43を有する構成であったが、これに限らず、除去部材として複数のローラーを有する構成であってもよく、ローラー42から余剰の液体を掻き取る板状の部材を有する構成であってもよい。除去部材として複数のローラーを設ける場合、複数のローラーは、ローラー42の周方向に沿って並ぶとよい。ローラー46に対して設ける除去部材についても同様に変更できる。ローラー42,46に対し、余剰の液体を吸引する吸引機構を設けてもよい。
・本実施形態において、第1メンテナンス部41(ユニットU1)は、ローラー43にある余剰の液体を除去する手段(部材)として、補助ローラーを備えた構成であってもよい。補助ローラーは、ローラー43の下方において、ローラー43と並行に延びる。補助ローラーは、ローラー43の外周面に接するとともに、ローラー43に向かって付勢されている。なお、本実施形態と同様に、遊技メダルMdは、ローラー42,43の間に挟み込まれて搬送される。一方、遊技メダルMdは、ローラー43と補助ローラーとの間に挟み込まれない。つまり、遊技メダルMdは、補助ローラーと接触しない。本変更例において、補助ローラーの保持容量は、ローラー42,43の保持容量より多いが、これに限らず、少なくてもよく、同じであってもよい。また、本変更例において、ローラー43における規定容量Vaは、ローラー42における規定容量Vaより多くてもよく、少なくてもよく、同じであってもよい。本変更例によれば、ローラー43にある余剰の液体を除去できる。よって、ローラー43から遊技メダルMdへの液体の付着量を安定させることができる。また、ローラー42だけでなく、ローラー43からも余剰の液体を回収し、第1流路F1へと流入させることができる。同様に、第2メンテナンス部45(ユニットU2)について、ローラー47にある余剰の液体を除去する手段(部材)として、補助ローラーを備えた構成であってもよい。第2メンテナンス部45における補助ローラーは、ローラー42,43をそれぞれローラー46,47に読み替えた構成とするとよい。本変更例において、補助ローラーは、ローラー42,43,46,47と同様、軸部P1を多孔質体である被覆部P2にて覆った構成であるとよい。
・本実施形態において、メンテナンス装置30は、島設備10に組み込まれている必要はなく、単体で動作させてもよい。この場合、遊技店等の作業員は、メンテナンスを施す遊技メダルMdを受入部31へ投入するとともに、案内部33から排出されるメンテナンス済みの遊技メダルMdを回収するとよい。
・本実施形態において、メンテナンス装置30は、幅方向D2における島設備10の端部に配設することに限らず、幅方向D2における中央に配設してもよい。また、メンテナンス装置30は、島設備10の上部に配設することに限らず、島設備10の下部に配設してもよい。
・本実施形態において、島設備10は、末端通路25を備えなくてもよい。
・本実施形態において、島設備10は、メダルタンク26を備えなくてもよい。
・本実施形態において、島設備10は、島渡通路27を備えなくてもよい。この場合、島設備10は、いわゆる独立島となる。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(a)遊技メダルのメンテナンス装置において、前記遊技メダルと接触して当該遊技メダルを搬送する搬送部材を有する搬送手段と、前記搬送部材に液体を供給する供給手段と、前記搬送部材にある余剰の液体を除去する除去部材を有する除去手段と、を備えるとよい。
(b)前記搬送部材は、搬送ローラーであり、前記除去部材は、前記搬送ローラーと接触した状態で回転可能な除去ローラーであり、前記搬送ローラーと前記除去ローラーとによって挟み込まれた状態にて遊技メダルが搬送され、前記除去ローラーは、前記搬送部材として兼用されるとよい。
(c)前記除去手段により除去された液体を前記供給手段から供給可能に循環させる循環手段を備えるとよい。
(d)前記液体は、電解水であるとよい。
(e)前記拭取部材は、遊技メダルを間挟み込む2つのローラーであるとよい。
(f)前記供給手段は、前記液体を吐出する供給口を有し、前記液体は、遊技メダルの搬送方向及び鉛直方向と交差する方向における前記搬送部材の中央、又は略中央に向かって吐出されるとよい。
(g)前記供給手段は、予め定めた供給条件が成立している間、前記搬送部材に対して連続的に液体を供給するとよい。
(h)液体を用いて遊技媒体の汚れを除去する除去部と、ポンプと、液体の流路を形成する流路部と、液体を貯留する液体タンクと、前記液体タンクにある液体を前記流路内へ導入する導入手段と、を備え、前記流路は、前記除去部から回収した液体を前記ポンプへ流通させるための第1流路と、前記ポンプから吐出された液体を前記除去部へ流通させるための第2流路と、を含み、前記導入手段は、前記流路内の液体量が所定量未満になると、前記液体タンクにある液体を前記流路内へ導入するとよい。
(i)前記第1流路の一部を形成する緩衝タンクを備えるとよい。
(j)前記第1流路のうち、前記緩衝タンクにある液体量を検知する検知手段と、所定の報知を行う報知手段と、を備え、前記報知手段は、前記検知手段によって、前記緩衝タンクにある液体量が所定量未満であることが検知されると、前記所定の報知を行うとよい。
(k)前記ポンプは、予め定めた供給条件が成立している間、連続的に動作するとよい。
(l)前記液体タンクは、所定の強度を有し、気圧によって変形しない、又は変形し難いとよい。
(m)液体を用いて遊技媒体の汚れを除去する除去部と、ポンプと、液体の流路を形成する流路部と、所定の気密性を維持可能に構成され、液体を貯留する液体タンクと、を備え、前記流路は、前記除去部側に開口している回収口から流入した液体を前記ポンプへ流通させるための第1流路と、前記ポンプから吐出された液体を前記除去部側に開口している供給口へ流通させるための第2流路と、を含み、前記液体タンクは、前記第1流路の前記回収口と、前記ポンプとの間において、前記第1流路に接続されており、前記液体タンクと前記第1流路との接続部は、前記液体タンクよりも下方にあり、前記接続部、及び前記液体タンクは、前記第1流路の前記回収口、及び前記第2流路の前記供給口よりも下方にあるとよい。
(n)前記第1流路の一部を形成する緩衝タンクを備え、前記緩衝タンクは、前記接続部と、前記ポンプとの間にあるとよい。
(o)遊技メダルのメンテナンス装置において、前記遊技メダルと接触して当該遊技メダルに液体を塗布する塗布部材を有する塗布手段と、前記塗布手段により液体が塗布された遊技メダルと接触して当該遊技メダルの拭き取りを行う拭取部材を有する拭取手段と、前記拭取部材にある余剰の液体を除去する除去部材を有する除去手段と、を備えるとよい。