以下、メンテナンス装置の一実施形態について説明する。
図1、及び図2に示すように、スロットマシン11を設置するための島設備10には、複数のスロットマシン11が水平方向に沿って並ぶように配設されている。スロットマシン11は、遊技媒体として遊技メダルを使用可能な遊技機の一例である。以下の説明では、高さ方向(鉛直方向)D1と直交する方向のうち、島設備10においてスロットマシン11が並んでいる方向を幅方向D2と示し、高さ方向D1及び幅方向D2と直交する方向を奥行方向D3と示す。島設備10は、スロットマシン11を支持する支持部13を備える。スロットマシン11は、釘などの固定部材によって支持部13に固定される。一例として、支持部13は、スロットマシン11を載置及び固定可能な板状の部分である。支持部13は、スロットマシン11を保持するための保持手段の一例となる。
スロットマシン11は、複数のリールと、複数のストップボタンと、スタートレバーと、投入口と、ホッパーと、受皿と、排出口と、遊技制御部と、を備える。スロットマシン11では、遊技メダルMdを投入口へ投入することによって、遊技メダルMdをベットできる。遊技メダルMdがベットされた状態にて、スタートレバーが操作されると、複数のリールが回転し、変動ゲームが開始される。複数のリールは、ストップボタンの操作に応じて停止し、全てのリールが停止することによって、変動ゲームが終了される。そして、停止した複数のリールによって表示される図柄の組み合わせが所定の組み合わせである場合には、遊技メダルMdの払出条件が成立する。
スロットマシン11において、投入口から投入された遊技メダルMdは、ホッパーへ流入し、貯留される。遊技メダルMdの払出条件が成立すると、ホッパーが駆動し、ホッパー内に貯留されている遊技メダルMdが受皿へ払い出される。また、貯留上限を超えてホッパーへ流入しようとする遊技メダルMdは、オーバーフローとして排出口から機外へと排出される。遊技制御部は、投入口からの遊技メダルMdの投入、スタートレバーの操作、及びストップボタンの操作を監視し、変動ゲームの実行を制御する。遊技制御部は、払出条件が成立するとホッパーを駆動し、遊技メダルMdを払い出させる。
島設備10には、複数の玉貸機12が配設されている。複数の玉貸機12は、それぞれスロットマシン11の右隣に配設されている。玉貸機12は、遊技メダルMdのタンクと、払出装置と、払い出した遊技メダルMdを誘導するノズル状の払出部と、玉貸制御部と、を備える。玉貸制御部は、玉貸条件が成立すると、規定枚数の遊技メダルMdを払い出すように払出装置を駆動する。玉貸条件は、プリペイドカードが挿入された状態にて機前面側にある操作部が操作されること、及び紙幣や硬貨が投入されることにより成立する。
島設備10は、各スロットマシン11の排出口から排出される遊技メダルMdを受け入れる回収樋15を備える。回収樋15は、複数のスロットマシン11、及び複数の玉貸機12の下方において、幅方向D2に沿って延びる。回収樋15は、無端の回収ベルト16を備える。矢印Yaに示すように、スロットマシン11から排出された遊技メダルMdは、回収樋15へ流入すると、回収ベルト16に載置されるとともに、幅方向D2のうち第1端部E1側から反対の第2端部E2側へ向かって搬送される。
島設備10は、回収樋15によって回収された遊技メダルMdを島設備10の上部へ揚送する揚送装置18を備える。一例として、揚送装置18は、高さ方向D1に沿って延びる無端状の揚送ベルト19を備える。揚送ベルト19は、その外周面において、周方向に沿って所定の間隔で並ぶ複数の揚送かご(不図示)を有する。矢印Ybに示すように、回収樋15によって回収された遊技メダルMdは、揚送かごの内部に載置された状態にて上方へ向かって搬送される。
島設備10は、揚送装置18によって揚送された遊技メダルMdをメンテナンスするメンテナンス装置30を備える。矢印Ycに示すように、揚送装置18によって揚送された遊技メダルMdは、メンテナンス装置30へ流入する。なお、メンテナンス装置30の詳細については後述する。
島設備10は、メンテナンス装置30によるメンテナンスの実施後に排出された遊技メダルMdを複数のスロットマシン11、及び複数の玉貸機12に供給するための供給樋21を備える。矢印Ydに示すように、メンテナンス装置30から排出された遊技メダルMdは、供給樋21へ流入する。供給樋21は、複数のスロットマシン11、及び複数の玉貸機12の上方において、幅方向D2に沿って延びる。供給樋21は、無端の供給ベルト22を備える。矢印Yeに示すように、メンテナンス装置30から排出された遊技メダルMdは、供給樋21へ流入すると、供給ベルト22に載置されるとともに、幅方向D2のうち第2端部E2側から第1端部E1側へ向かって搬送される。
供給樋21は、供給ベルト22にて搬送される遊技メダルMdを取り込む複数の取込部23を備える。複数の取込部23は、スロットマシン11、又は玉貸機12と、遊技メダルMdの供給通路23aによって各別に接続されている。複数の取込部23は、接続されたスロットマシン11、又は玉貸機12に対して、取り込んだ遊技メダルMdを送り出す。一例として、複数の取込部23は、供給ベルト22に載置された遊技メダルMdを係止して供給通路23aへ案内する可動片を備えた構成であってもよいし、供給ベルト22を供給通路23aの入口へ向かって傾斜させる構成であってもよい。
島設備10は、供給樋21の第1端部E1側の部分において、何れのスロットマシン11、及び玉貸機12へも供給されなかった遊技メダルMdを回収樋15へ案内する末端通路25を備える。島設備10は、遊技メダルMdを貯留するメダルタンク26を備える。供給樋21は、末端通路25へ遊技メダルMdを取り込むための取込部23、及びメダルタンク26へ遊技メダルMdを取り込むための取込部23を備える。島設備10は、他の島設備に対して遊技メダルMdを供給したり、他の島設備から遊技メダルMdの供給を受けたりするための島渡通路27を備える。島渡通路27を介して他の島設備から供給された遊技メダルMdは、メンテナンス装置30へ流入する。島設備10は、投入された遊技メダルMdを計数するメダル計数装置(不図示)を備えてもよい。メダル計数装置に投入された遊技メダルは、回収樋15へ流入する。
メンテナンス装置30について説明する。
図3、及び図4に示すように、メンテナンス装置30は、筐体34と、遊技メダルMdを受け入れる受入部31と、遊技メダルMdを搬送する搬送部35と、搬送部35によって搬送された遊技メダルMdをメンテナンスするメンテナンス部40と、を備える。以下、詳細に説明する。
受入部31は、揚送装置18によって揚送された遊技メダルMd、及び島渡通路27を介して供給された遊技メダルMdを受け入れる。受入部31は、奥行方向D3に向かい合う第1側壁31a及び第2側壁31bと、幅方向D2に向かい合う第3側壁31c及び第4側壁31dと、を有する四角筒状である。つまり、受入部31は、遊技メダルMdの投入口としての上側開口S1と、反対側の下側開口S2と、を有する。第1側壁31aは、メンテナンス部40とは反対側にある壁であり、第2側壁31bは、メンテナンス部40側にある壁である。側壁31a~31dは、筐体34の一部を構成する。受入部31は、第1側壁31aの下端部から、第2側壁31b側へ向かって延びるとともに、下方へ向かって傾斜する底板31eを有する。受入部31は、遊技メダルMdを貯留する貯留手段としても機能する。受入部31は、遊技メダルMdを検知するメダルセンサSEを備える。一例として、メダルセンサSEは、底板31eに配設されている。
搬送部35は、第1回転軸36と、第2回転軸37と、回転軸36,37に懸架された無端の搬送ベルト38と、を有する。回転軸36,37は、それぞれ幅方向D2に沿って延びるとともに、奥行方向D3に沿って離間する。搬送ベルト38は、奥行方向D3に沿って延びるとともに、メンテナンス部40側へ向かうほど上るように傾斜する。底板31eの下端部は、搬送ベルト38の上面に接する、又は近接する。第2側壁31bの下端部は、搬送ベルト38の上面に近接する。第3側壁31cの下端部、及び第4側壁31dの下端部は、搬送ベルト38の上面に接する、又は近接する。つまり、搬送ベルト38は、下側開口S2を下側から覆っており、底板31eと共に受入部31の底面を形成する。
搬送部35は、幅方向D2に沿って延びる整列ローラー39を有する。整列ローラー39は、搬送ベルト38に積み重なった遊技メダルMdを崩すことによって、遊技メダルMdが積み重なっていない状態に整列させる。一例として、整列ローラー39は、幅方向D2に沿って所定の間隔を開けて並ぶ複数の円盤状の部分を有する。整列ローラー39は、第2側壁31bの下端部と、搬送ベルト38の上面と、の間に配設されている。
図5、及び図6に示すように、メンテナンス部40は、遊技メダルMdに対して、メンテナンスの一例である洗浄を施す第1メンテナンス部41と、遊技メダルMdに対してメンテナンスの一例である拭取り(研磨)を施す第2メンテナンス部45と、を備える。
第1メンテナンス部41は、遊技メダルMdを間に挟み込む2つのローラーとして、ローラー42と、ローラー43と、を有する。ローラー43は、ローラー42の下側に配設されている。本実施形態におけるローラー42,43は、同一構成である。
各ローラー42,43は、幅方向D2に沿って延びる円柱状の軸部P1と、当該軸部P1の外周面を被覆する被覆部P2と、を有する。各ローラー42,43は、何れも幅方向D2に沿って延びるとともに、軸線が互いに平行である。各ローラー42,43の被覆部P2は、ローラー42,43の外周面を構成する。図5において二点鎖線で示すように、ローラー42,43は、外力が加えられていないとき、軸線と直交する平面で切断したと仮定したときの断面形状が円形、又は略円形である。
各ローラー42,43の被覆部P2は、多孔質体である。一例として、多孔質体は、ポリウレタンなど、親水性が高く、柔軟で、且つ弾性を有する多孔質材料である。各ローラー42,43は、被覆部P2において液体を保持可能である。以下の説明では、各ローラー42,43が保持可能な液体の容量を保持容量Vcと示す。本実施形態の一例では、ローラー42の保持容量Vcと、ローラー43の保持容量Vcとは、同じ容量である。以下、ローラー42の保持容量Vcと、ローラー43の保持容量Vcと、の和を保持容量Vと示す。
ローラー42,43は、連結部材42aによって互いに連結されている(図5参照)。連結部材42aは、各ローラー42,43(軸部P1)を各ローラー42,43の直径方向に沿って変位可能となるように支持する。即ち、ローラー42,43は、ユニットU1として一体化されている。ユニットU1は、メンテナンス装置30の筐体34に設けられた取付部32に対して着脱自在に組み付けられる。
ユニットU1において、各ローラー42,43の軸線同士の離間距離は、各ローラー42,43(被覆部P2)の直径の和よりも小さい。つまり、図5において二点鎖線で示すように、各ローラー42,43の被覆部P2がないと仮定したとき、各ローラー42,43の軸線方向から見ると、各ローラー42,43の被覆部P2がある場合に各被覆部P2が占有する空間同士が重なり合う。そして、ローラー42,43は、付勢機構(不図示)によって互いに近接する方向へ付勢されている。一例として、付勢機構は、バネであってもよく、モーターなどのアクチュエータであってもよい。このため、図中において実線で示すように、ローラー42,43は、遊技メダルMdを挟み込んでいないときには、それぞれ変形しつつ外周面が互いに接する。ローラー42,43は、遊技メダルMdを挟み込んでいるときには、それぞれの外周面が遊技メダルMdに密着する。そして、ローラー42,43は、互いに接する部分(図中においてハッチングで示す)において、多孔質体である被覆部P2が押し潰されるようにして変形する。
ローラー42は、遊技メダルと接触して当該遊技メダルを搬送する搬送部材、及び搬送ローラーの一例を構成する。ローラー43は、遊技メダルと接触して当該遊技メダルを搬送する搬送部材として兼用されている。第1メンテナンス部41は、搬送部材を有する搬送手段の一例である。また、詳しくは後述するが、ローラー43は、ローラー42と接触した状態で回転可能な除去ローラーの一例であり、ローラー42にある余剰の液体を除去する除去部材の一例でもある。つまり、ローラー43は、除去手段の一例を構成する。
第1メンテナンス部41は、ローラー42に液体を供給するためのノズル44aを備える。本実施形態における液体は、好ましくは電解水であり、より好ましくはpH9~10の電解水である。これに限らず、ノズル44aから供給する液体は、アルカリ性洗剤でもよく、酸性洗剤でもよく、中性洗剤であってもよい。ノズル44aは、取付部32に固定されている。ノズル44aには、液体が流通する液体流路44bが形成されている。液体流路44bは、ノズル44aの先端部へ向かうほど断面積が小さくなるとともに、ノズル44aの先端において、液体の吐出口44cとして開口する(図5参照)。ノズル44aは、液体を貯留するタンク50、及びタンク50から液体を送り出すポンプ51と、チューブなどの配管部材(不図示)によって接続されている(図4参照)。タンク50、及びポンプ51は、筐体34の内部に配設されている。本実施形態において、ノズル44a、タンク50、ポンプ51、及び配管部材(不図示)は、搬送部材に液体を供給する供給手段の一例を構成する。
液体の吐出口44cは、ローラー42の上方において、ローラー42の外周面と対向する位置に開口する。つまり、吐出口44cは、ローラー42,43が互いに対向(接触)する部分とは反対側において、ローラー42の外周面に向かって開口する。また、平面視において、吐出口44cは、ローラー42の長さ方向(幅方向D2)における中央、又は略中央に開口する。つまり、吐出口44cにおいて、液体は、ローラー42の上側部分のうち、長さ方向における中央、又は略中央に向かって吐出される。ローラー42の長さ方向(幅方向D2)は、遊技メダルMdの搬送方向、及び鉛直方向と交差(その一例として直交)する方向である。
第2メンテナンス部45は、遊技メダルMdを間に挟み込む2つのローラーとして、ローラー46と、ローラー47と、を有する。ローラー46は、ローラー47の下側に配設されている。ローラー46,47は、ローラー42,43と同一構成である。各ローラー46,47は、ローラー42,43と同様に、軸部P1と、被覆部P2と、を有する。つまり、ローラー46のうち少なくとも遊技メダルMdと接触する部分は、液体を保持可能な多孔質体である。同様に、ローラー47のうち少なくとも遊技メダルMdと接触する部分は、液体を保持可能な多孔質体である。各ローラー46,47の保持容量Vcは、各ローラー42,43の保持容量Vcと同じ容量である。各ローラー46,47は、何れも幅方向D2に沿って延びるとともに、軸線が互いに平行である。ローラー46,47は、連結部材46aによって、各ローラー46,47の直径方向へ沿って変位可能となるように連結されている(図5参照)。即ち、ローラー46,47は、ユニットU2として一体化されている。ユニットU2は、取付部32に対して着脱自在に組み付けられる。本実施形態におけるユニットU2は、ユニットU1と同一構成である。
各ローラー46,47は、付勢機構(不図示)によって互いに近接する方向へ付勢されている。ローラー46,47は、遊技メダルMdを挟み込んでいないときには、それぞれの外周面が互いに接するとともに、遊技メダルMdを挟み込んでいるときには、それぞれの外周面が遊技メダルMdに密着する。ローラー46,47は、第1メンテナンス部41から受け渡される遊技メダルMdと接触して当該遊技メダルMdを搬送することから、搬送部材(搬送ローラー)としても兼用されていると言える。
本実施形態において、遊技メダルMdを間に挟み込む2つのローラー46,47は、搬送手段の一例である第1メンテナンス部41から受け入れた遊技メダルMdと接触して拭き取りを行う拭取部材、及び拭取ローラーの一例である。また、第2メンテナンス部45は、拭取手段の一例となる。本実施形態では、ローラー46とローラー47とによって挟み込まれた状態にて遊技メダルMdが搬送される。ローラー47は、拭取ローラーとして兼用される。また、詳しくは後述するが、ローラー47は、ローラー46と接触した状態で回転可能な除去ローラーの一例であり、ローラー46にある余剰の液体を除去する除去部材の一例でもある。つまり、ローラー47は、除去手段の一例を構成する。
メンテナンス装置30の筐体34は、第2メンテナンス部45(ローラー46,47)から送り出される遊技メダルMdを、メンテナンス装置30の外部へ案内する案内部33を備える。案内部33は、第2メンテナンス部45から送り出された遊技メダルMdをメダルタンク26へ案内する。
図4に示すように、メンテナンス装置30は、第2回転軸37を回転させる手段の一例として第1モーターMT1を備える。第1モーターMT1が駆動すると、第2回転軸37が回転し、それに伴って、搬送ベルト38が回転する。メンテナンス装置30は、ローラー42,43,46,47を回転させる手段の一例として第2モーターMT2を備える。第2モーターMT2が駆動すると、ローラー42,43,46,47が回転する。ローラー42の回転方向(矢印Y1)は、ローラー43の回転方向(矢印Y2)と逆方向である。ローラー46の回転方向(矢印Y3)は、ローラー47の回転方向(矢印Y4)と逆方向である(図5参照)。
メンテナンス装置30は、メンテナンス制御部60を備える。メンテナンス制御部60は、CPU、及びメモリを有する。メンテナンス制御部60は、CPUが各種のプログラムを実行することにより、メンテナンス装置30の動作を制御可能に構成されている。メンテナンス装置30は、受入部31に流入した遊技メダルMdを検知するメダルセンサSEを有する。メンテナンス制御部60は、メダルセンサSEと接続されており、メダルセンサSEが遊技メダルMdを検知したときに出力する検知信号を入力可能である。メンテナンス制御部60は、モーターMT1,MT2と接続されており、所定の駆動信号を出力することにより、各モーターMT1,MT2を駆動させることができる。メンテナンス制御部60は、ポンプ51と接続されており、所定の駆動信号を出力することにより、ポンプ51を駆動させることができる。本実施形態において、メンテナンス制御部60は、制御手段の一例を構成する。
以下、メンテナンス制御部60が行う制御動作について説明する。
第1モーターMT1、及び第2モーターMT2を駆動して遊技メダルMdを搬送する搬送制御について説明する。
図5、及び図7に示すように、搬送制御には、電源投入時に実行する第1搬送制御と、メンテナンスの対象となる遊技メダルMdがあるときに実行する第2搬送制御と、がある。第1搬送制御の実行条件(以下、第1搬送条件と示す)は、メンテナンス装置30への電源投入によって成立する。第1搬送制御の終了条件は、第1搬送条件が成立してからの経過時間が第1搬送時間に達し、且つ遊技メダルMdがメダルセンサSEによって検知されなくなってからの経過時間が第2搬送時間に達することにより成立する。第2搬送制御の実行条件(以下、第2搬送条件と示す)は、第1搬送処理の終了後に、遊技メダルMdがメダルセンサSEによって検知されることにより成立する。第2搬送制御の終了条件は、遊技メダルMdがメダルセンサSEによって検知されなくなってからの経過時間が第2搬送時間に達することにより成立する。ここで、第2搬送時間は、受入部31にて検知された遊技メダルMdが搬送ベルト38によって搬送され、メンテナンス部40を通過して案内部33へ排出されるのに要する時間を超える時間に設定されている。
第1搬送制御、及び第2搬送制御において、メンテナンス制御部60は、実行条件が成立してから終了条件が成立する迄の間、第1モーターMT1を制御し、第2回転軸37を回転させる。これにより、回転軸36,37に懸架された搬送ベルト38が矢印Y0に示す方向へ回転し、遊技メダルMdがメンテナンス部40へ向けて搬送される。そして、搬送ベルト38によって搬送された遊技メダルMdは、第1メンテナンス部41によって受け入れられる。
第1搬送制御、及び第2搬送制御において、メンテナンス制御部60は、実行条件が成立してから終了条件が成立する迄の間、第2モーターMT2を制御し、ローラー42,43を回転させる。これにより、ローラー42が矢印Y1に示す方向へ回転するとともに、ローラー43が矢印Y2に示す方向へ回転する。したがって、ローラー42,43は、搬送ベルト38によって搬送された遊技メダルMdを挟み込むとともに、第2メンテナンス部45へ向けて搬送する。このときのローラー42,43の回転速度は、一例として、60回/分である。つまり、ローラー42が1回転するのに要する時間tは、1秒である。
第1搬送制御、及び第2搬送制御において、メンテナンス制御部60は、実行条件が成立してから終了条件が成立する迄の間、第2モーターMT2を制御し、ローラー46,47を回転させる。これにより、ローラー46が矢印Y3に示す方向へ回転するとともに、ローラー47が矢印Y4に示す方向へ回転する。したがって、ローラー46,47は、ローラー42,43によって搬送された遊技メダルMdを挟み込むとともに、案内部33へ向けて搬送する。つまり、遊技メダルMdがメンテナンス装置30から排出される。このときのローラー46,47の回転速度は、一例として60回/分である。
メンテナンス制御部60は、第1搬送制御、及び第2搬送制御を実行することにより、ローラー42,43を回転させる。そして、第1搬送制御、又は第2搬送制御が開始された時点(つまり各搬送条件が成立した時点)において、ローラー42の外周面のうちノズル44aと対向している部分を部分Aとしたときに、当該部分Aは、時間t(本実施形態では1秒)が経過するごとに、ノズル44aと対向する位置を通過することとなる。
次に、ポンプ51を駆動してノズル44aから液体を吐出させる供給制御について説明する。本実施形態において、メンテナンス制御部60は、ノズル44aにおける液体の供給を制御する手段の一例である。
図7、及び図8に示すように、供給制御には、電源投入時に実行する第1供給制御と、所定時間が経過する毎に実行する第2供給制御と、がある。これらの供給制御は、搬送部材に液体を供給するように供給手段を動作させる制御の一例である。第1供給制御の実行条件(以下、第1供給条件と示す)は、メンテナンス装置30への電源投入によって成立する。第1供給制御の終了条件は、第1供給条件が成立してからの経過時間が第1供給時間に達することにより成立する。本実施形態において、第1供給条件は、予め定めた第1条件の一例である。
第2供給制御の実行条件(以下、第2供給条件と示す)は、前回の供給制御(第1供給制御又は第2供給制御)における供給条件が成立してからの経過時間が所定時間に達することにより成立する。第2供給条件は、前回の供給制御における終了条件が成立してからの経過時間が所定時間に達することにより成立する条件であってもよい。本実施形態の一例において、所定時間は、1時間である。本実施形態の第2供給条件には、第2搬送制御の実行が含まれる。つまり、第2搬送制御の実行中、第2吐出時間が経過すると、その時点で第2供給条件が成立する。一方、第2吐出時間が経過した時点において、第2搬送制御が実行されていないときには第2供給条件が成立せず、第2搬送制御が開始された時点で第2供給条件が成立する。本実施形態において、第2供給条件は、第1条件とは異なる第2条件の一例である。第2供給制御の終了条件は、第2供給条件が成立してからの経過時間が第2供給時間を経過することにより成立する。
メンテナンス制御部60は、電源投入後、第1供給条件が成立すると、第1供給制御を行う。第1供給制御において、メンテナンス制御部60は、ポンプ51を制御し、ノズル44aから液体を所定の態様にて吐出させる。より具体的に、メンテナンス制御部60は、ノズル44aから吐出時間t1にわたって液体を吐出させてから、ノズル44aからの液体の吐出を停止時間t2にわたって停止させる第1単位制御を第1回数(本実施形態の一例では40回)にわたって実行する。一例として、第1単位制御における吐出時間t1は、1秒であり、停止時間t2は、4秒である。つまり、1回の第1単位制御が実行されると、液体がノズル44aから1秒間にわたって、ローラー42の外周面に向けて吐出される。本実施形態の一例において、1回の第1単位制御を実行するときにおけるノズル44aからの吐出量は、0.5mlに設定されている。よって、第1供給制御が実行されると、第1容量V1の一例として、0.5ml/回×40回=20mlの液体が吐出されることとなる。この一例によれば、第1供給時間は、200秒となる。
メンテナンス制御部60は、電源投入後、第1供給条件の成立後、第2供給条件が成立すると、第2供給制御を行う。第2供給制御において、メンテナンス制御部60は、ポンプ51を制御し、ノズル44aから液体を所定の態様にて吐出させる。より具体的に、メンテナンス制御部60は、第1単位制御とは異なる第2単位制御を第2回数(本実施形態の一例では30回)にわたって実行する。一例として、第2単位制御における吐出時間t1は、1秒であり、停止時間t2は、9秒である。つまり、1回の第2単位制御が実行されると、液体がノズル44aから1秒間にわたって、ローラー42の外周面に向けて吐出される。本実施形態の一例において、1回の第2単位制御を実行するときにおけるノズル44aからの吐出量は、0.5mlに設定されている。よって、第2供給制御が実行されると、第2容量V2の一例として、0.5ml/回×30回=15mlの液体が吐出されることとなる。この一例によれば、第2供給時間は、300秒である。
本実施形態において、第2容量V2<第1容量V1、第1容量V1<保持容量V、及び第2容量V2<保持容量Vの関係が成り立つ。つまり、電源投入により実行条件が成立する第1供給制御における液体の吐出量(第1容量V1)は、所定時間が経過すると実行条件が成立する第2供給制御における液体の吐出量(第2容量V2)に比して多い。また、供給制御による液体の吐出量(第1容量V1及び第2容量V2)は、少なくとも一部が多孔質体であるローラー42,43に保持可能な液体の容量(保持容量V)未満の容量である。なお、本実施形態の一例では、第1容量V1<保持容量Vc、及び第2容量V2<保持容量Vcの関係も成り立つ。
次に、メンテナンス装置30の作用について説明する。
図7に示すように、時点T1において、メンテナンス装置30の電源投入がされると、第1搬送条件が成立することにより、第1搬送制御が実行される。つまり、搬送ベルト38の回転が開始されるとともに、ローラー42,43、及びローラー46,47の回転が開始される。これにより、受入部31に遊技メダルMdがある場合、当該遊技メダルMdは、搬送ベルト38によってメンテナンス部40へ向けて搬送される。
搬送ベルト38によって搬送される遊技メダルMdは、ローラー42,43の間に挟み込まれるとともに、ローラー42,43の回転によって第2メンテナンス部45へ向けて搬送される。このように、第1メンテナンス部41では、搬送ローラーの一例であるローラー42と、除去ローラーの一例であるローラー43とによって挟み込まれた状態にて遊技メダルMdが搬送される。つまり、本実施形態のローラー43は、搬送ローラー(搬送部材)として兼用される。
メンテナンス装置30の電源投入がされると、上記第1搬送条件とともに、第1供給条件も成立することにより、第1供給制御が実行される。つまり、時点T0~T1のような、ノズル44aからローラー42へ向けた液体の吐出が間欠的に繰り返し行われる。このため、ローラー42が液体により湿潤する。また、ローラー42,43は、遊技メダルMdを挟み込んでいない部分において相互に接する。このため、ローラー43は、ローラー42に保持された液体によって湿潤される。よって、遊技メダルMdがローラー42,43に挟み込まれると、ローラー42,43に保持された液体が遊技メダルMdの両面に塗布される。これにより、遊技メダルMdに付着した汚れを落とし易くできる。本実施形態において、ローラー42は、遊技メダルMdと接触して当該遊技メダルMdに液体を塗布する塗布部材の一例となる。ローラー43は、塗布部材としても機能する。また、第1メンテナンス部41は、塗布手段の一例を構成する。
第1メンテナンス部41のローラー42,43によって挟み込まれ、液体が塗布された遊技メダルMdは、続けて第2メンテナンス部45のローラー46,47に挟み込まれる。そして、遊技メダルMdは、ローラー46,47に挟み込まれた状態にて搬送され、これにより、遊技メダルMdに付着した液体が拭き取られる。ローラー46,47は、遊技メダルMdを研磨するともいえる。本実施形態において、ローラー46は、第1メンテナンス部41(ローラー42,43)により液体が塗布された遊技メダルMdと接触して当該遊技メダルMdの拭き取りを行う。ローラー47も同様である。その後、第2メンテナンス部45によって搬送された遊技メダルMdは、案内部33を経由してメンテナンス装置30から排出される。
また、メンテナンス装置30では、メダルセンサSEにより遊技メダルMdが検知されると、第2搬送条件が成立し、第2搬送制御が実行される。これにより、受入部31に受け入れられた遊技メダルMdは、搬送ベルト38によってローラー42,43へ向けて搬送される。ローラー42,43によって挟み込まれ、液体が塗布された遊技メダルMdは、続けてローラー46,47に挟み込まれ、液体が拭き取られる。その後、遊技メダルMdは、案内部33を経由してメンテナンス装置30から排出される。
ここで、時点T2において、直近の供給制御における供給条件が成立してから所定時間が経過した状態にて第2搬送制御が開始されること、又は第2搬送制御の実行中に上記所定時間が経過することにより、第2供給条件が成立すると、第2供給制御が実行される。つまり、時点T2~T3のような、ノズル44aからローラー42へ向けた液体の間欠的な吐出が繰り返し行われる。このため、第1供給制御を実行したときと同様に、ローラー42,43が液体により湿潤する。このように、本実施形態において、第2供給制御の実行条件は、所定時間が経過する毎に成立し得る。
上述のように、ローラー42,43は、その少なくとも外周側の部分が多孔質体であり、液体を保持可能に構成されている。このため、ノズル44aから供給される液体は、ローラー42に吸収され保持される。第1供給制御によって吐出される液体の第1容量V1は、ローラー42の保持容量Vc未満の容量である。よって、吐出された液体の大半がローラー42に保持され、当該ローラー42から滴り落ち難い。また、ローラー42の下側には、当該ローラー42と接触するようにローラー43が配設されている。このため、ローラー42に供給される液体は、ローラー43へも移行し、保持され得る。
ここで、ローラー42に対し、意図せず液体が過剰に供給され、ローラー42に余剰の液体がある状態となってしまうことも考えられる。本明細書において、液体について「余剰」であるとは、ローラーが保持する液体が規定容量Vaを超えた状態である。例えば、規定容量Vaは、ローラーの保持容量Vcに等しい容量であってもよく、ローラーの保持容量Vc未満の容量であってもよい。つまり、規定容量Vaは、ローラーの保持容量Vc以下の容量である。そして、本実施形態における規定容量Vaは、搬送時においてローラー42から遊技メダルMdへ付着する液体の容量が、ローラー46,47によって拭き取り可能な容量以下となるように設定されている。このような規定容量Vaは、実験、及び各種のシミュレーション等によって求めることができる。
例えば、ローラー42が保持する液体が規定容量Vaを超える状況は、ポンプ51が誤作動してしまった状況、及び、電源断後のごく短時間のうちに電源投入がされた状況などが考えられる。ローラー42に余剰の液体がある場合には、遊技メダルMdの両面のうち、ローラー42側の面に対して、過剰に液体が付着される。仮に、遊技メダルMdに付着した液体をローラー46,47にて拭き取り切れない場合、液体が島設備10の機構部分へ付着したり、島設備10内部における湿度が上昇したりする原因となる虞がある。
これに対して、ローラー43は、ローラー42に押し付けるように付勢されている(図5参照)。これにより、ローラー43が押し付けられた部分において、多孔質体である被覆部P2が圧縮される。このため、仮に、ローラー42に余剰の液体がある状態となった場合、この余剰な液体は、被覆部P2の部分的な圧縮により絞り出されるとともに、ローラー42に接するローラー43に吸収されることとなる。このように、本実施形態の第1メンテナンス部41では、ローラー42にある余剰の液体を除去できる。
また、各搬送制御及び各供給制御が長時間にわたって連続的に実行された場合などには、ローラー46にも液体が保持され、最終的に規定容量Vaを超えてしまうことも考えられる。これに対し、本実施形態において、ユニットU1,U2は、同一構成である。このため、ユニットU2のローラー47は、ユニットU1のローラー43と同様に動作し、ローラー46にある余剰の液体を除去することができる。つまり、仮に、ローラー46に余剰の液体がある状態となった場合、この余剰な液体は、被覆部P2の部分的な圧縮により絞り出されるとともに、ローラー46に接するローラー47に吸収されることとなる。本実施形態において、ローラー42における規定容量Vaは、被覆部P2を構成する多孔質体の性状(柔軟性、空隙率、及び親水性度)と、ローラー42に対するローラー43の付勢力と、によって規定される。ローラー46における規定容量Vaは、被覆部P2を構成する多孔質体の性状と、ローラー46に対するローラー47の付勢力と、によって規定される。なお、ローラー42,46の規定容量Vaは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
本実施形態において、液体の吐出口44cは、ローラー42の外周面と対向する位置であって、ローラー42の長さ方向における中央、又は略中央に開口している。このため、吐出口44cから吐出される液体は、ローラー42の上側部分のうち、長さ方向における中央、又は略中央に供給される。よって、本実施形態のように、吐出口44cが1つしか設けられていなくても、液体がローラー42にて不均一に保持されることを抑制できる。
本実施形態において、各単位制御における吐出時間t1は、ローラー42,43が1回転するのに要する時間tに等しい。また、各単位制御における停止時間t2は、ローラー42,43が1回転するのに要する時間tのn倍に等しい(ただし、nは自然数)。このため、例えば、ローラー42が1回転する時点T0~T1、及び時点T2~T3の間、液体が吐出される一方、ローラー42がn回転する時点T1~T2、及び時点T3~T4の間、液体の吐出が停止されることとなる。つまり、本実施形態では、ローラー42の1周にわたって液体を吐出する動作が、ローラー42がn+1回転するごとに行われることとなる。そして、第1単位制御における停止時間t2は、第2単位制御における停止時間t2に比して短い。つまり、第1供給制御によれば、第2供給制御に比して、単位時間あたりの吐出量が多い。
一般に、電源断は、島設備10が設置された遊技店などの営業時間が終了するときに行われることから、電源投入がされた時点では、殆どの場合、電源断がされてから長時間が経過している。このため、電源投入がされた時点では、ローラー42,43が乾燥してしまっていることが想定される。本実施形態において、第1供給制御では、第2供給制御に比して、多量の液体をローラー42に対して吐出する。さらに、第1供給制御では、第2供給制御に比して、短時間の間に液体を吐出する。このため、乾燥状態にあるローラー42を速やかに湿潤させ、ローラー42,43による洗浄効果を高めることができる。一方、第2供給制御が実行される状況は、電源投入後の営業時間内であり、ある程度はローラー42,43が湿潤していることが想定される。本実施形態において、第2供給制御では、第1供給制御に比して、少量の液体をローラー42に対して吐出する。このため、湿潤状態にあるローラー42に液体を補給しつつも、その補給量が過剰となってしまうことを抑制できる。
第1供給制御では、第1容量V1の液体を、連続的に吐出せず、断続的に吐出する。同様に、第2供給制御では、第2容量V2の液体を、連続的に吐出せず、断続的に吐出する。これにより、ローラー42に付着した液体がローラー42の全体に染み広がる時間、及びローラー43へ移行する時間を確保できる。よって、液体で飽和した部分に対してさらに液体が吐出され、液体がローラー42に吸収されずに滴り落ちることを抑制できる。また、第2供給制御が実行される状況では、既にローラー42,43が湿潤状態であるのが通常といえる。湿潤状態となったローラー42,43では、乾燥状態であるときに比して、液体が染み広がるのに要する時間が長くなり易い。これに対して、第2供給制御では、第1供給制御に比して、長い間隔を開けて液体を吐出する。よって、液体がローラー42から滴り落ちてしまうことを抑制できる。
以下、本実施形態の効果を説明する。
(1)本実施形態によれば、ローラー42を介して液体を遊技メダルMdに付着させることにより、遊技メダルMdの汚れを落とし易くできる。そして、電源投入時には、ローラー42が自然乾燥している可能性が高い。これに対して、電源投入後の第1供給条件が成立したとき、液体がローラー42に供給される。これにより、島設備10の稼働開始時から、遊技メダルMdに対して液体を付着させることができる。また、遊技メダルMdとの接触を繰り返すことにより、ローラー42にある液体が減少することも考えられる。これに対して、第1供給条件の成立後、第2供給条件が成立したときにも、液体がローラー42に供給される。これにより、電源投入後であっても、遊技メダルMdに対して液体を付着させることができる。よって、遊技メダルから汚れを除去し易い。
(2)本実施形態によれば、電源投入がされた直後の乾燥状態では、相対的に多い第1容量V1の液体を供給し、遊技メダルMdに液体を付着させ易くできる。その後には、相対的に少ない第2容量V2の液体を供給することにより、遊技メダルMdに液体を付着させつつも、液体が過剰となってしまわないようにできる。
(3)本実施形態によれば、ローラー42にて保持可能な容量を超えて液体が供給され難いため、液体がローラー42から滴り落ちてしまうことを抑制できる。よって、過剰な液体を回収するための特別な構造が不要となり、島設備の構造を簡略化できる。
(4)本実施形態によれば、所定時間の経過毎に、第2容量V2の液体が吐出される。これにより、島設備10の稼働時間が長くなっても、遊技メダルMdに液体を付着させ続けることができる。
(5)本実施形態によれば、ローラー43によって、ローラー42にある余剰の液体を除去できる。よって、遊技メダルMdに対して、意図せず過剰に液体が付着してしまうことを抑制できる。
(6)本実施形態によれば、ローラー42とローラー43とによって遊技メダルMdを挟み込んだ状態にて搬送しつつ、適切な分量の液体を遊技メダルMdに付着させることができる。また、除去部材(除去ローラー)としてローラー43を専用の部材にて構成することに比して、島設備10の構造を簡単なものとすることができる。
(7)本実施形態によれば、ローラー42を介して液体が遊技メダルMdに付着され、汚れの除去が促進される。そのうえで、ローラー46,47によって遊技メダルMdが拭われるから、遊技メダルMdから汚れを除去し易くできる。
(8)本実施形態によれば、液体は電解水であるから、遊技メダルMdのほか、ローラー42,43、及びローラー46,47に残渣が残ってしまうことを抑制できる。よって、ローラーを交換する頻度を低減できる。
(9)本実施形態によれば、拭取部材は、遊技メダルMdを挟み込む2つのローラーであるから、遊技メダルMdに付着した液体を確実に拭き取ることができる。
(10)本実施形態によれば、ローラー42,43の長さ方向における中央、又は略中央に向けて液体を吐出する。よって、吐出口44cが1つであっても、効率よく液体をローラー42,43へ供給し、遊技メダルMdに付着させることができる。
(11)本実施形態によれば、2つのローラー42,43が遊技メダルMdを挟み込むことから、ベルトを利用した構成に比して、省スペース化を達成しつつも、遊技メダルMdを搬送することができる。
(12)本実施形態によれば、ローラー42,43は、ユニットU1として一体となって着脱自在である。ローラー46,47は、ユニットU2として一体に着脱自在である。よって、ローラーを容易に交換できる。
(13)本実施形態によれば、液体が吐出されるローラー42だけでなく、ローラー42に接するローラー43も液体を保持可能に構成されている。よって、液体が滴り落ちてしまうことを抑制しつつ、遊技メダルMdの両面に対して液体を塗布できる。
(14)本実施形態によれば、第2搬送制御が実行されるときに、第2供給制御を実行するようになっている。よって、遊技メダルMdのメンテナンスを行っていないときにまで液体を吐出することがなく、液体が無駄になってしまうことを抑制できる。
(15)本実施形態によれば、間隔を開けて液体を吐出する。よって、液体が滴り落ちることを抑制し、ローラー42,43に行き渡り易くできる。
(16)本実施形態によれば、ローラー47によって、ローラー46にある余剰の液体を除去できる。このため、遊技メダルMdの拭き取りを安定して行うことができる。よって、遊技メダルから汚れを除去し易い。
(17)特に、本実施形態によれば、搬送制御及び供給制御が長時間にわたって連続的に実行された場合など、ローラー46にも液体が保持され、最終的に規定容量Vaを超えてしまうことも考えられる。これに対し、本実施形態において、ユニットU1,U2は、同一構成である。このため、ユニットU2のローラー47は、ユニットU1のローラー43と同様に動作し、ローラー46にある液体を除去することができる。よって、ローラー46が液体で飽和し難く、最低限の拭取りを確保できる。
(18)本実施形態において、ローラー46のうち少なくとも遊技メダルMdと接触する部分は、多孔質体であり、ローラー47との接触により圧縮されるようにして、余剰の液体が除去される。したがって、ローラー46にある余剰の液体を効率的に除去可能であり、遊技メダルMdの拭き取りを確実にできる。
(19)本実施形態によれば、ローラー47のうち少なくとも遊技メダルMdと接触する部分は、多孔質体であるため、ローラー46から除去した液体を保持し、液体が滴り落ちてしまうことを抑制できる。
(20)本実施形態によれば、ローラー47は、拭取部材としても兼用される。よって、ローラー46とローラー47とによって遊技メダルMdを挟み込んだ状態にて搬送しつつ、より確実な拭き取りを実現できる。また、除去部材を専用の部材とした構成に比して、メンテナンス装置30の構造を簡単なものとすることができる。
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・本実施形態において、搬送手段は、搬送部材としてローラー42,43を有する構成であったが、これに限らず、搬送部材として3つ以上のローラーを有する構成であってもよく、1つのローラー42と、滑り性を有する板材とで遊技メダルMdを挟み込む構成であってもよい。さらに、搬送手段は、搬送部材として1又は複数のベルトを有する構成であってもよく、ローラー及びベルトの両方を有する構成であってもよい。搬送部材の一部又は全部をベルトとする場合、当該ベルトのうち遊技メダルMdと接触する部分は、本実施形態と同様に多孔質体とすることが好ましい。また、搬送部材を2つのベルトとし、この2つのベルトにて遊技メダルMdを挟み込む構成とした場合には、遊技メダルMdとベルトとが面接触し、より確実に遊技メダルMdの搬送、及び洗浄をすることができる。
・本実施形態において、拭取手段は、拭取部材としてローラー46,47を有する構成であったが、これに限らず、拭取部材として1つのローラーを有する構成であってもよく、3つ以上のローラーを有する構成であってもよい。さらに、拭取手段は、拭取部材として1又は複数のベルトを有する構成であってもよく、ローラー及びベルトの両方を有する構成であってもよい。拭取部材の一部又は全部をベルトとする場合、当該ベルトのうち遊技メダルMdと接触する部分は、本実施形態と同様に多孔質体とすることが好ましい。また、拭取部材を2つのベルトとし、この2つのベルトにて遊技メダルMdを挟み込む構成とした場合には、遊技メダルMdとベルトとが面接触し、より確実に遊技メダルMdの搬送、及び拭き取りをすることができる。
・本実施形態において、ローラー42,43は、ユニットU1として一体化されていなくてもよい。ローラー46,47は、ユニットU2として一体化されていなくてもよい。
・本実施形態において、ノズル44aは、ローラー42,43の長さ方向(幅方向D2)における中央、又は略中央とは異なる部分に配設されていてもよい。また、本実施形態において、第1メンテナンス部41は、複数のノズル44aを備えてもよい。この場合、複数のノズル44aは、ローラー42,43の長さ方向に沿って均等に配置されていることが好ましい。
・本実施形態において、ローラー42,43は、全体が多孔質体であってもよい。ローラー42,43は、全体が多孔質体でなくてもよい。この場合、メンテナンス装置30は、ローラー42,43の下方に液体受けを備え、余剰の液体を回収するように構成するとよい。さらに、本変更例では、回収した液体をタンク50へ還流させる構成であってもよい。ローラー46,47についても同様に変更できる。
・本実施形態において、ローラー42に対し、除去部材として1つのローラー43を有する構成であったが、これに限らず、除去部材として複数のローラーを有する構成であってもよく、ローラー42から余剰の液体を掻き取る板状の部材を有する構成であってもよい。除去部材として複数のローラーを設ける場合、複数のローラーは、ローラー42の周方向に沿って並ぶとよい。ローラー46に対して設ける除去部材についても同様に変更できる。ローラー42,46に対し、余剰の液体を吸引する吸引機構を設けてもよい。
・本実施形態において、第1メンテナンス部41(ユニットU1)は、ローラー43にある余剰の液体を除去する手段(部材)として、補助ローラーを備えた構成であってもよい。補助ローラーは、ローラー43の下方において、ローラー43と並行に延びる。補助ローラーは、ローラー43の外周面に接するとともに、ローラー43に向かって付勢されている。なお、本実施形態と同様に、遊技メダルMdは、ローラー42,43の間に挟み込まれて搬送される。一方、遊技メダルMdは、ローラー43と補助ローラーとの間に挟み込まれない。つまり、遊技メダルMdは、補助ローラーと接触しない。本変更例において、補助ローラーの保持容量は、ローラー42,43の保持容量より多いが、これに限らず、少なくてもよく、同じであってもよい。また、本変更例において、ローラー43における規定容量Vaは、ローラー42における規定容量Vaより多くてもよく、少なくてもよく、同じであってもよい。本変更例によれば、ローラー43にある余剰の液体を除去できる。同様に、第2メンテナンス部45(ユニットU2)について、ローラー47にある余剰の液体を除去する手段(部材)として、補助ローラーを備えた構成であってもよい。第2メンテナンス部45における補助ローラーは、ローラー42,43をそれぞれローラー46,47に読み替えた構成とするとよい。本変更例において、補助ローラーは、ローラー42,43,46,47と同様、軸部P1を多孔質体である被覆部P2にて覆った構成であるとよい。
・本実施形態において、第1容量V1及び第2容量V2は、ローラー42,43の保持容量V未満であればよく、ローラー42の保持容量Vc以上でもよく、ローラー43の保持容量Vc以上でもよい。また、第1容量V1及び第2容量V2の少なくとも一方は、保持容量V以上であってもよいが、本実施形態のように構成することが好ましい。
・本実施形態において、メンテナンス装置30は、島設備10に組み込まれている必要はなく、単体で動作させてもよい。この場合、遊技店などの作業員は、メンテナンスを施す遊技メダルMdを受入部31へ投入するとともに、案内部33から排出されるメンテナンス済みの遊技メダルMdを回収するとよい。
・本実施形態において、第1供給制御、及び第2供給制御のうち少なくとも一方は、連続的に液体を吐出するように構成されていてもよい。
・本実施形態において、第1供給制御、及び第2供給制御は、一部が同じ制御内容(単位制御)であってもよい。つまり、第1供給制御、及び第2供給制御は、吐出時間t1、停止時間t2、及び単位制御の実行回数の一部、又は全部が同じであってもよい。
・本実施形態において、経過により第2供給条件が成立することとなる所定時間は、適宜変更してもよい。また、所定時間は、一定である必要はなく、メンテナンス装置30の電源投入がされてからの経過時間が長くなるほど長い時間に設定してもよい。また、第2供給条件は、所定時間の経過のみにより成立する条件であってもよい。この場合、第2供給条件の成立に基づいて、第2搬送制御を実行するとよい。
・本実施形態において、メンテナンス装置30は、幅方向D2における島設備10の端部に配設することに限らず、幅方向D2における中央に配設してもよい。また、メンテナンス装置30は、島設備10の上部に配設することに限らず、島設備10の下部に配設してもよい。
・本実施形態において、島設備10は、末端通路25を備えなくてもよい。
・本実施形態において、島設備10は、メダルタンク26を備えなくてもよい。
・本実施形態において、島設備10は、島渡通路27を備えなくてもよい。この場合、島設備10は、いわゆる独立島となる。
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(a)前記液体は、電解水であるとよい。
(b)前記除去部材は、第1除去部材であり、前記除去手段は、第1除去手段であり、メンテナンス装置は、前記塗布部材にある余剰の液体を除去する第2除去部材を有する第2除去手段を備えるとよい。
(c)前記塗布部材のうち少なくとも前記遊技メダルと接触する部分は、前記液体を保持可能な多孔質体であり、前記第2除去部材との接触により少なくとも一部が圧縮され、余剰の液体が除去されるとよい。
(d)前記第2除去部材のうち少なくとも前記遊技メダルと接触する部分は、前記液体を保持可能な多孔質体であるとよい。