特許文献1に記載のようなものでは未だ十分ではない。
従来よりも優れたものを提供することを目的とする。
本願の発明の目的はこれに限定されず,本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり,この課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙字的に把握されるものであっても,本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正または分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。
(1)車両において撮影した映像を,表示可能なシステムであって,上記表示のための映像データを処理する手段を備えたシステムとするとよい。
表示のための映像データを処理することにより,従来よりも優れたものを提供できる。
表示可能なシステムは,例えば,パーソナル・コンピュータ,スマートフォン,ドライブ・レコーダなどとするとよい。表示のための映像データの処理は,たとえば,映像の再生についての処理,映像データの送信についての処理,映像の明るさ調整の処理,映像の再生形態を変更させる処理,映像データ量を減少させる処理などとするとよい。
(2)ユーザからの指示にもとづいて,映像を明るさ調整するように上記表示のための映像データを処理するとよい。
ユーザから指示にもとづいて,映像の明るさ調整を実現できる。
システムにハードウエア的なボタン,ソフトウエア的なボタンのような指示入力手段を設けて,それらのボタンのような指示入力手段を用いてユーザからの指示を受け付けてもよいし,映像を表示する画面にメニューを表示し,そのメニューの中にユーザからの指示を選択できる指示入力手段を設けるようにしてもよい。映像の全体または映像の一部の暗い部分が明るくなるように明るさ調整してもよいし,映像の全体または映像の一部の明るい部分が暗くなるように明るさ調整してもよい。
(3)上記映像には1フレーム内に明るい領域と暗い領域とが含まれており,明るい領域の明るさ調整量よりも暗い領域の明るさ調整量の方が相対的に大きくなるように明るく調整する上記表示のための映像データを処理するとよい。
暗い領域の明るさと明るい領域の明るさとの差が縮まり,映像全体として見やすくなる。
明るい領域は,1フレーム内において,しきい値以上の明るさをもつ領域とし,暗い領域はしきい値未満の明るさをもつ領域とするとよい。しきい値以上の明るい部分を検出する検出手段を設け,検出された部分を明るい部分とし,検出されなかった部分を暗い部分としてもよい。また,しきい値未満の暗い部分を検出する検出手段を設け,検出された部分を暗い部分とし,検出されなかった部分を明るい部分としてもよい。明るさ調整量は映像データのゲインを調整することにより明るく調整するとよい。明るい領域の明るさ調整
量よりも暗い領域の明るさ調整量の方が相対的に大きくなるように,明るい領域と暗い領域とのいずれも明るくなるように明るさ調整をしてもよいし,暗い領域のみが明るくなるように明るさ調整してもよい。このしきい値を調整する手段を設けるとさらによい。しきい値を調整する手段は、ユーザの指示を入力してしきい値を調整する手段とするとよい。
(4)上記映像には1フレーム内に車室内の映像部分と車室外の映像部分とが含まれており,車室内の映像部分を明るさ調整するように上記表示のための映像データを処理するとよい。
車室内の映像部分が明るさ調整された映像データが得られる。
車室内の映像部分を検出する手段を設け,検出された部分を車室内の映像部分とし検出されなかった部分を車室外の映像部分としてもよい。また,車室外の映像部分を検出する手段を設け,検出された部分を車室外の映像部分とし,検出されなかった部分を車室内の映像部分としてもよい。エッジ検出を利用して車室内の映像部分を検出するとよい。映像データのゲインを調整することにより明るく調整するとよい。車室内の映像部分と車室外の映像部分とのいずれも明るくなるように明るさ調整をしてもよいし,車室内の映像部分のみが明るくなるように明るさ調整してもよい。
(5)車室外の映像部分の明るさ調整量よりも車室内の明るさ調整量の方が相対的に大きくなるように,撮影した映像を明るく調整する上記表示のための映像データを処理するとよい。
車室外の映像部分の明るさの方が車室内の映像部分の明るさよりも明るいことが多いと考えられるので,車室外の映像部分の明るさ調整量よりも車室内の明るさ調整量の方が相対的に大きくなるように,撮影した映像を明るく調整することにより,車室内の映像部分の明るさと車室外の映像部分の明るさとの差が縮まり,映像全体として見やすくなる。
車室内の映像部分を検出する手段を設け,検出された部分を車室内の映像部分とし,検出されなかった部分を車室外の映像部分とするとよい。また,車室外の映像部分を検出する手段を設け,検出された部分を車室外の映像部分とし,検出されなかった部分を車室内の映像部分とするとよい。エッジ検出を利用して車室内の映像部分を検出するとよい。明るさ調整量は映像データのゲインを調整することにより明るく調整するとよい。車室外の映像部分の明るさ調整量よりも車室内の明るさ調整量の方が相対的に大きくなるように,車室内の映像部分と車室外の映像部分とのいずれも明るくなるように明るさ調整をしてもよいし,車室内の映像部分のみが明るくなるように明るさ調整してもよい。車室内の映像部分を検出する手段は、例えばユーザから映像中の車室内部分の領域の選択を受け付けて、選択された部分を車室内の映像部分として検出するようにしてもよいし、例えば自動的に車室内の映像部分を検出するようにしてもよい。自動的に検出する処理として、例えば、車両の移動を検出して、その移動に応じて映像に変化がある部分を車室外とし、その移動に応じて映像に変化のない部分を車室内として検出する処理とするとよい。特に映像中に車両の移動の速度に応じた動きがある領域を車室外とし、車両の移動の速度に応じた動きがない領域を車室内として検出する処理とするとよい。
(6)上記車室内の明るさを調整する,ユーザからの指示を与える第1の指示入力手段を備えるとよい。
ユーザからの指示にもとづいて車室内の明るさを調整できる。
システムにハードウエア的なボタン,ソフトウエア的なボタンを設け,それらのボタン
を第1の指示入力手段としてもよいし,映像を表示する画面にメニューを表示し,そのメニューを第1の指示入力手段としてもよい。メニューを第1の指示入力手段とすると,そのメニューの中にユーザからの指示を選択できるようにしてもよい。また,パーソナル・コンピュータのキーボードを第1の指示入力手段としてもよいし,パーソナル・コンピュータの表示画面,スマートフォンの表示画面,ドライブ・レコーダの表示画面等にキーパッドを表示させて,表示されたキーパッドを第1の指示入力手段としてもよい。第1の指示入力手段によって与えられたユーザからの指示に基づいて車室内の明るさを調整するとよい。
(7)上記明るさ調整を行わない,ユーザからの指示を与える第2の指示入力手段を備えるとよい。
ユーザからの指示にもとづいて明るさ調整を行わないようにできる。第1の指示入力手段と第2の指示入力手段とを組み合わせることにより,明るさ調整を行わせる指示と明るさ調整を行わせない指示とを切り替えることができる。
システムにハードウエア的なボタン,ソフトウエア的なボタンを第2の指示入力手段としてもよいし,映像を表示する画面にメニューを表示し,そのメニューを第2の指示入力手段としてもよい。メニューを第2の指示入力手段とすると,そのメニューの中にユーザからの指示を選択できるようにしてもよい。また,パーソナル・コンピュータのキーボードを第2の指示入力手段としてもよいし,パーソナル・コンピュータの表示画面,スマートフォンの表示画面,ドライブ・レコーダの表示画面等にキーパッドを表示させて,表示されたキーパッドを第2の指示入力手段としてもよい。第2の指示入力手段から指示が与えられると第2の指示入力手段からの指示は停止させられ,第2の指示入力手段から指示が与えられると第1の指示入力手段からの指示は停止させられるとよい。
(8)映像を表示する第1のウインドウと,表示される映像を操作する操作系を含む第2のウインドウと,を別とするように上記表示のための映像データを処理するとよい。
映像を表示する第1のウインドウと,表示される映像を操作する操作系を含む第2のウインドウと,を別とすることができる。
たとえば,映像を表示する第1のウインドウを表示画面全体に表示することにより映像が大きく表示され,映像が見やすくなる。映像を表示する第1のウインドウと,表示される映像を操作する操作系を含む第2のウインドウと,を同一画面に表示してもよいし,異なる画面に表示してもよいが,好ましくは異なる画面に表示するとよい。同一画面に第1のウインドウと第2のウインドウとを表示させる指示と,異なる画面に第1のウインドウと第2のウインドウとを表示させる指示と,を切り替える切替指示入力手段を備えてもよい。切替指示入力手段からの指令に応じて,同一画面に第1のウインドウと第2のウインドウとを表示させたり,異なる画面に第1のウインドウと第2のウインドウとを表示させたりできる。たとえば,画面にソフトウエア的な切替ボタンを設けたり,システムにハードウエア的な切替ボタンを設けたりするとよい。切替ボタンからの指示に応じて,表示の切り替えができる。表示される映像を操作する操作系は,たとえば,映像の再生開始,再生の停止,再生の一時停止,早送り,巻き戻しなど,映像の再生を制御する指令を与えるものなどである。
(9)映像を表示するための第1のウインドウが表示される表示画面と,映像を操作する操作系を含む第2のウインドウが表示される表示画面と,を別とするように上記表示のための映像データを処理するとよい。
映像を表示するための第1のウインドウが表示される表示画面と,映像を操作する操作系を含む第2のウインドウが表示される表示画面と,を別とすることができる。
たとえば,映像を表示するための第1のウインドウが表示される表示画面を,映像を閲覧する者が見やすい位置に配置し,映像を操作する操作系を含む第2のウインドウが表示される表示画面を,映像を操作する者が操作しやすい位置に配置するとよい。例えば,管理者によって管理される運転手による運転により映像が得られているときに,管理者が,第2のウインドウが表示される表示画面を見ながら映像を操作し,管理者によって管理される運転手などが,第1のウインドウが表示される表示画面の映像を閲覧することにより,管理者は第2のウインドウが表示される表示画面を,映像を操作しやすいように見やすい位置に動かすことができ,管理者によって管理される運転手などは第1のウインドウが表示される表示画面を,映像を閲覧しやすいように見やすい位置に動かすことができる。映像を表示するための第1のウインドウが表示される表示画面の方が,映像を操作する操作系を含む第2のウインドウが表示される表示画面よりも大きいとよい。
(10)表示される映像を操作する操作系を含む第2のウインドウに映像を表示する領域を生成するように上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすることにより第2のウインドウにも映像が表示され,映像を見ながら操作できるようになる。表示される映像を操作する操作系を含む第2のウインドウが表示されているときに,映像を表示するための第1のウインドウの表示指令をユーザが与えることにより表示画面に第1のウインドウが現われるようにしてもよい。そのときに,第1のウインドウは表示画面全体に表示されるようにしてもよい。
(11)映像を表示するための第1のウインドウに映像の付随情報を表示するように上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすることにより,映像とともに映像の付随情報を見ることができる。
映像の付随情報は,たとえば,車両の速度情報,加速度情報,位置情報などとするとよい。付随情報は,映像上に表示してもよいし,映像を表示するための第1のウインドウにおいて映像が表示される領域以外の領域に表示してもよい。例えば,管理者によって管理される運転手による運転により映像が得られているときに,管理者が,第2のウインドウを見ながら映像を操作し,管理者によって管理される運転手などが,第1のウインドウに表示される映像を閲覧する。管理される運転手が閲覧する映像には,自分の運転時の車両の速度情報,加速度情報などの付随情報が表示されるので,それらの付随情報を見ることにより,自分の運転の様子がより明確に把握できる。
(12)記録指令が与えられた時点から時間が離れているときのデータのデータ量を減少させるように上記表示のための映像データを処理するとよい。
記録指令が与えられた時点近傍のデータ量よりも記録指令が与えられた時点から時間が離れているときのデータ量を減少させることができる。
記録指令は,たとえば,映像を撮影する車両に対して何らかのトリガが与えられたり,その車両に何らかのイベントが加えられたりすることにより発生するとよい。たとえば,車両のブレーキが踏まれたり,車両に衝撃が与えられたりすることによりイベントが発生し,トリガが車両に与えられるとよい。また,システムにソフトウエア的なボタン,ハードウエア的なボタンを設け,それらのボタン操作により記録指令が与えられてもよい。記録指令が与えられた時点から後の時点以降に時間が離れているときのデータ量を減少させ
てもよいし,記録指令が与えられた時点から前の時点以前に時間が離れているときのデータ量を減少させてもよい。記録指令が与えられた時点を含む期間を第1の期間とし,第1の期間の経過後または第1の期間が開始する前の期間の少なくとも一方の期間を第2の期間とし,第1の期間のデータ量よりも第2の期間のデータ量を減少させるとよい。記録指令が与えられてから一定期間経過後に第1の期間が開始し,第1の期間の終了後に第2の期間が開始し,第1の期間のデータ量よりも第2の期間のデータ量を減少させてもよい。
映像データの圧縮率を上げたり,映像データのフレーム・レートを低下させたり,映像の画素数を間引きさせたりすることにより,データ量を減少させるとよい。車両における撮影により映像データが得られる際にデータ量を減少させるとよい。どのような方法によりデータ量が減少させられたかを示すデータ量の減少のルールを記録するようにしてもよい。
(13)データ量が減少させられた映像データを送信するように上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすることにより,減少させられた映像データを送信できるようになる。送信する映像テータのデータ量が少なくなるので送信時間が短縮する。
データ量は単位時間あたりのデータ量とするとよい。LTE(Long Term Evolution),4Gなどの携帯電話の通信規格にもとづいて映像データを送信するとよい。ドライブ・レコーダなどにより車両において映像を撮影する際に,撮影により得られた映像データのデータ量を減少してドライブ・レコーダからサーバなどへ送信するとよい。
(14)記録指令に応じて記録媒体に記録される映像データのデータ量よりも,送信される映像データのデータ量を減少させるように上記表示のための映像データを処理するとよい。
記録される映像データのデータ量よりも送信される映像データのデータ量を減少させることができる。
記録媒体は,記録装置に内蔵されているハード・ディスク,半導体素子メモリとしてもよいし,SDカード,xDピクチャ・カードなどの可搬型記録媒体としてもよい。
(15)車両の速度にもとづいて,撮影した映像の再生速度を変えるように上記表示のための映像データを処理するとよい。
車両の速度にもとづいて,撮影した映像の再生速度を変えることができる。車両の速度は,映像を撮影した車両の速度とするとよい。車両の速度は,車両の速度情報にもとづく情報とするとよく,特に車両の速度情報とするとよい。車両の速度情報は,撮影した映像を表す映像データが記録されている媒体に映像データと関連づけて記録されているものとするとよい。車両の速度情報は,常時記録の映像を表す映像データに関連付けて映像データとともに記録媒体に記録されているGPS(global positioning system)情報,車速パルス情報などにもとづいて得られるものとするとよい。撮影した映像の再生速度を変えるのは,映像の撮影時に要した時間と映像の再生時に要する時間とを変えるものとするとよい。撮影時の映像のフレーム・レートと再生時のフレーム・レートとを変えることにより再生速度を変えるとよい。
(16)車両の速度が速いときの映像の再生速度に比べて車両の速度が遅いときの映像の再生速度を遅くする機能を備えるように上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすると,車両の速度が遅いときの映像を良く視認でき,車両の速度が速いときの映像を視認しづらくなる。車両の速度が遅いときに撮影された映像の再生速度を遅くでき,車両の速度が遅いときに撮影された映像を確認しやすくなる。車両の速度が速いときの映像は再生速度が遅くないので,映像全体の再生時間を短くできる。たとえば,車両の速度が遅いときとしては特に車両が停止中のときとするとよく,このようにすれば車両が停止中の映像を視認できる。しきい値以上の車両の速度が速いときに車両の速度が速いとするとよい。車両の速度が遅いかどうかは,映像に他の車両が撮影されているときには,それらの他の車両と比べて遅いときに遅いとするとよい。特に,(16)の制御ともに,他の車両と比べて遅いときに映像の再生速度を遅くする制御を行ってもよい。映像の撮影時に要した時間よりも映像の再生時に要する時間を長くして撮影した映像の再生速度を遅くするとよい。車両の速度を遅くする機能としては,撮影時の映像の単位時間あたりのフレーム数よりも再生時の映像の単位時間あたりのフレーム数を多くする機能とするとよい。車両は映像を撮影している車両とするとよい。たとえば,停車中の車両の情報が得られるように車両の速度が遅いときには通常速度の再生速度とするとよい。車両の速度が速いときには通常速度のn倍速の再生速度とするとよい。nは1よりも大きな数値とするとよい。
(17)車両の速度が速いときの映像の再生速度に比べて車両の速度が遅いときの映像の再生速度を速くする機能を備えるように上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすると,車両の速度が速いときの映像を良く視認でき,車両の速度が遅いときの映像を視認しづらくなる。車両の速度が速いときの映像をゆっくりと見ることができる。映像を撮影する車両が駐車中のときに撮影された映像については,映像が同じ絵なので飛ばし再生とするとよい。映像を撮影する車両が高速走行中のとき撮影された映像については,車両が速く映像が速く流れるのでゆっくり再生するとよい。信号などにより車両が停止中のときなど車両の速度が遅いときに得られた映像など情報としてあまり必要のないものを早送りするとよい。閲覧を簡略化できる。しきい値以下の車両の速度が遅いときに車両の速度が遅いとするとよい。車両の速度が遅いかどうかは,映像に周辺の車両が撮影されているときには,それらの周辺の車両と比べて遅いときに遅いとするとよい。特に,(17)の制御ともに他の車両と比べて遅いときに映像の再生速度を速くするとよい。映像の再生速度を速くする機能は,映像の撮影時に要した時間よりも映像の再生時に要する時間を短くして撮影した映像の再生速度を速くする機能とするものとするとよい。特に,映像の再生速度を速くする機能は,撮影時の映像の単位時間あたりのフレーム数よりも再生時の映像の単位時間あたりのフレーム数を少なくする機能とするとよい。たとえば,車両の速度が速いときには通常速度または1倍未満の再生速度とするとよい。車両の速度が遅いときには通常速度のn倍速の再生速度とするとよい。nは1よりも大きな数値とするとよい。
(18)車両の前方または車両の後方の映像について再生速度を速くするように上記表示のための映像データを処理するとよい。
再生時間を短くできる。特に,車両の前方または車両の後方の映像は再生速度を速くしても違和感がないことがあるので,比較的違和感なく映像の再生時間を短くできる。ユーザから再生速度を速くする指令を受けることなく,車両の前方または車両の後方の映像について再生速度を速くするとよい。自動的に再生速度が速くなる。車両の前方または車両の後方の映像かどうかは,たとえば,画像解析により判定するとよい。
(19)車両の横方向の映像について再生速度を遅くするように上記表示のための映像データを処理するとよい。
横方向の映像についてゆっくり見ることができる。特に,車両の横方向の映像の再生速度が速いと映像が流れてしまい違和感を生じることがあるが,車両の横方向の映像について再生速度を遅くできるので,たとえば,違和感が生じないようにできる。再生速度を遅くするには,たとえば,撮影に要した時間よりも再生に要する時間を長くするとよい。車両の横方向の映像かどうかは,たとえば,映像を解析することにより判断するとよい。
車両において撮影した映像には,車両の前方の映像または車両の後方の映像の少なくとも一方の映像と車両の横方向の映像とが含まれているものとするとよい。そのような映像を表す映像データが記録媒体に記録されているとものとするよい。車両の前方または後方の映像を撮影する第1のカメラにより車両の前方または後方の映像を撮影したときには,そのような第1のカメラにより得られた映像については再生速度を速くするものとするとよい。車両の横方向の映像を撮影する第2のカメラにより車両の横方向の映像を撮影したときには,そのような第2のカメラにより得られた映像については再生速度を遅くするものとするとよい。車両の前方または後方の少なくとも一方の映像と車両の横方向の映像とを撮影できるカメラによって撮影したときには,そのようなカメラによって撮影された映像の表示領域を変更する指令に応じて表示領域を変更するものとするとよい。車両の前方または後方の映像を表示しているときには再生速度を速くするものとするとよい。また,車両の横方向の映像を表示しているときには再生速度を遅くするものとするとよい。車両の前方または後方の少なくとも一方の映像と車両の横方向の映像とが表示されるときには,車両の前方または後方の少なくとも一方の映像の表示部分と車両の横方向の映像の表示部分との割合にもとづいて映像の再生速度を決定するものとするとよい。たとえば,車両の前方または後方の少なくとも一方の映像の表示部分の方が車両の横方向の映像の表示部分よりも多いときには,映像の再生速度を速くするものとするとよい。逆に,車両の横方向の映像の表示部分の方が車両の前方または後方の少なくとも一方の映像の表示部分よりも多いときには,映像の再生速度を遅くするものとするとよい。
(20)通常再生速度で再生されていないときに与えられる通常再生速度指令にもとづいて,撮影した映像を通常の再生速度で再生するように上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすることにより,通常の再生速度で映像を見ることができる。通常再生速度指令は,ボタンなどを用いたユーザから指令とするとよい。また,車両に対して何等かの衝撃があったときの映像シーンにもとづいて発生するとよい。さらに,映像に関連づけられて記録されている情報(たとえば,加速度情報,速度情報,ブレーキが踏まれた情報,ウインカーが出された情報などのいわゆる履歴情報)にもとづいて発生するとよい。通常の再生速度は,撮影時に要した時間と再生時に要する時間とが同じとするとよい。たとえば,1/30秒に1フレームの割合で撮影しているときには,1/30秒に1フレームの割合で再生するとよい。
(21)車両の運転中に得られる車両に関する情報を表示する領域が大きくなるように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
車両に関する情報を表示する領域が大きくなるので,車両に関する情報が見やすくなる。車両の運転中に得られる車両に関する情報は車両が撮影する映像を表す映像データ以外のデータとするとよい。車両の運転中に得られる車両に関する情報は,たとえば,映像を撮影する車両の運転中に得られる車両に関する情報とするとよい。車両に関する情報は,映像を撮影する車両が得られる情報(たとえば,車両の位置を示す地図情報,車両の加速度情報,速度情報,ブレーキが踏まれた情報,ウインカーが出された情報など)とするとよい。車両に関する情報を表示する領域は,小さい領域と大きい領域との少なくとも二段
階の大きさとするとよく,大きい領域にする機能とするとよい。領域拡大指令などの指令を与えるボタンなどから与えられる指令に応じて,車両に関する情報を表示する領域を小さい領域から大きい領域に切り替えるものとするとよい。車両に関する情報を表示する領域についてデフォルトの大きさが決められており,そのデフォルトの大きさよりも大きい領域とするとよい。ユーザからの指令またはシステムからの指令に応じて,あらかじめ定められた大きさに車両に関する領域を大きくするとよい。ウインドウをドラッグしてウインドウを拡大する機能ではない機能とするとよい。領域拡大指令などのボタンなどからの指令に応じて,車両に関する領域を大きくするとよい。車両において撮影した映像を表示する領域と車両に関する情報を表示する領域とがウインドウの中に規定されているときに,車両に関する情報を表示する領域についてのデフォルトの大きさよりも大きい領域とするとよい。映像を表示する領域の大きさは変えないとよいが,特に変えるとよい。
(22)車両において撮影した映像を表示する領域に比べて車両に関する情報を表示する領域が大きくなるように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
映像を表示する領域よりも車両に関する情報を表示する領域の方が大きくなるので,映像よりも車両に関する情報が見やすくなる。
車両に関する情報は,映像を撮影する車両が得られる情報(たとえば,車両の位置を示す地図情報,車両の加速度情報,速度情報,ブレーキが踏まれた情報,ウインカーが出された情報などのいわゆる履歴情報)とするとよい。通常は車両において撮影した映像を表示する領域よりも車両に関する情報を表示する領域の方を小さくしておき,ユーザからの指令またはシステムからの指令があったことにより車両において撮影した映像を表示する領域よりも車両に関する情報を表示する領域を大きくするとよい。車両において撮影した映像を相対的に大きな領域に表示し,かつ車両に関する情報を相対的に小さな領域に表示し,ユーザからの指令またはシステムからの指令があったことにより,大きな領域に表示されていた車両において撮影した映像を小さな領域に入れ替えて表示し,かつ小さな領域に表示されていた車両に関する情報を大きな領域に入れ替えて表示するとよい。車両において撮影した映像を相対的に大きな領域に表示し,かつ車両に関する情報を相対的に小さな領域に表示し,ユーザからの指令またはシステムからの指令があったことにより,車両において撮影した映像を表示する相対的に大きな領域よりもさらに大きな領域に車両に関する情報を表示するとよい。車両において撮影した映像を相対的に大きな領域に表示し,かつ車両に関する情報を相対的に小さな領域に表示し,ユーザからの指令またはシステムからの指令があったことにより,車両において撮影した映像を相対的に小さな領域よりもさらに小さな領域に表示するとよい。車両に関する情報が車両において撮影された映像よりも相対的に大きな領域に表示されればよい。
(23)時間ごとの車両の加速度を,映像の撮影時における時間に応じて三次元で表示するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすることにより,加速度を見やすくなる。車両の加速度は映像を撮影した車両の加速度とするとよい。幅,奥行きおよび高さの各方向に自由度を持つ三次元空間を平面で表すように表示することにより,車両の加速度を三次元で表示するとよい。加速度を表すデータは,一つの映像を表す映像データに関連づけて記録媒体に記録されているとよい。一つの映像を表す映像データは一つの映像ファイルに含まれているものとするとよい。一つの映像を表す映像情報に関連づけられて記録されている記録媒体に記録されているデータによって表される加速度の全体を三次元で表示するとよい。撮影開始時の車両の加速度を表す原点と撮影終了時の車両の加速度を表す時点とが一致するとよい。撮影開始から終了までの車両の加速度の一部を表示するとよい。
(24)車両の前方の加速度を三次元グラフの第1の軸にもとづいて表示し,車両の横方向の加速度を三次元グラフの第2の軸にもとづいて表示し,車両の上下方向の加速度を三次元グラフの第3の軸にもとづいて表示するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすることにより,加速度を見やすくなる。第1の軸,第2の軸および第3の軸は,互いに直交するとよい。車両の加速度を比較的わかりやすく把握できる。第1の軸を奥から手前方向または手前から奥方向に規定し,第2の軸を幅方向(右方向または左方向)に規定し,第3の軸を上または下方向に規定するとよい。第1の軸をX軸,第2の軸をY軸,第3の軸をZ軸とするとよい。
(25)車両に関する情報を映像に重ねて表示するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
車両に関する情報を見やすくなる。車両に関する情報は,映像を撮影する車両が得られる情報(たとえば,車両の位置を示す地図情報,車両の加速度情報,速度情報,ブレーキが踏まれた情報,ウインカーが出された情報などのいわゆる履歴情報)とするとよい。車両に関する情報を映像に重ねて表示するときには車両に関する情報を表示する領域を消去するとよい。車両に関する情報を映像に重ねて表示するときに,車両に関する情報を映像に重ねて表示しないときと比べて大きな領域に映像を表示するとよい。
(26)枠内に自動車の画像を表示し,自動車の画像が表示されている枠内に車両の加速度の情報を表示するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
自動車の画像が表示されている枠内に車両の加速度の情報が表示されるので,車両の加速度を比較的わかりやすく把握できる。画像が表す自動車の正面側に自動車の進行方向の加速度を表示するとよい。また,画像が表す自動車の横側(左側または右側)に自動車の横方向の加速度を表示するとよい。さらに,画像が表す自動車の上側または下側に自動車の上下方向の加速度を表示するとよい。加速度の正方向に矢印が向くように,自動車の画像が表示されている枠内に車両の加速度の情報を表示するとよい。たとえば,進行方向に加速度が生じているときには進行方向に矢印が向き,後ろ方向に加速度が生じているときには後ろ方向に矢印が向き,左方向に加速度が生じているときには左方向に矢印が向き,右方向に加速度が生じているときには右方向に矢印が向き,上方向に加速度が生じているときには上方向に矢印が向き,下方向に加速度が生じているときには下方向に矢印が向くように表示するとよい。
(27)性能が所定の条件を満たさない上記システムにおいて,上記表示のための映像データを処理する能力がないことを報知するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
表示のための映像データを処理する能力が無いことがわかる。性能が所定の条件を満たさないシステムにおいては,たとえば,映像データの処理能力が無いのであって映像,映像を撮影する装置などには問題が無いということを知らせることができるようになる。システムのコンピュータ,CPU(Central Processing Unit)が所定の条件を満たさないシステムについて,表示のための映像データを処理する能力がないことを報知するとよい。所定の条件は,車両において撮影した映像を表示する処理においてコマ落ちを生じる性能とするとよい。
(28)映像の再生位置の移動指令に応じて,所定の再生位置から再生するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすることにより,たとえば,所定の再生位置までの映像部分を飛ばして再生できるようになる。確認したい映像部分を迅速に再生できる。所定の再生位置は,特定の条件を満たす位置とするとよい。特定の条件を満たす位置は,特定のシーンが含まれている位置またはあらかじめ定められている位置とするとよい。たとえば,特定のシーンが含まれている位置は,車両において撮影された映像を解析して,特定の人物,物体,建物など特定の被写体が含まれているシーンの位置などとするとよい。映像解析による特定のしーンが含まれている位置の決定は,映像再生前にあらかじめ決定するとよい。とくに,決定された位置を映像に対応付けて記憶しておくとよい。あらかじめ定められている位置は,車両に関する情報にもとづいて決定する位置とするとよい。たとえば,急ブレーキ,急発進のように車両に生じた特定の状況が起きたシーンの位置などとするとよい。車両に関する情報は,映像を撮影する車両が得られる情報(たとえば,車両の位置を示す地図情報,車両の加速度情報,速度情報,ブレーキが踏まれた情報,ウインカーが出された情報などのいわゆる履歴情報)とするとよい。
(29)現在の再生位置と所定の再生位置とを表示するように,上記表示のための映像データを処理するようにするとよい。
現在の再生位置と所定の再生位置とがわかる。映像の移動指令に応じて所定の再生指令における映像を再生するときに,映像の全体のどの辺りを再生するかがわかる。たとえば,映像の再生位置を示す再生バー,シーク・バーなどを表示し,そのようなバー上に所定の再生位置を示す線などのマークを表示するとよい。
(30)映像を解析することにもとづいて決定される所定の再生位置の表示態様と映像の撮影時に得られた車両に関する情報にもとづいて決定される所定の再生位置の表示態様とを変えるように上記表示のための映像データを処理するようにするとよい。
再生位置の表示を見ることにより,映像を解析することにもとづいて決定される所定の再生位置か,映像の撮影時に得られた車両に関する情報にもとづいて決定される所定の再生位置かがわかる。映像を解析することにもとづいて決定される所定の再生位置は,たとえば,所定の人物,建物のシーンが含まれている映像のシーンを解析して得られる位置とするとよい。車両に関する情報にもとづいて決定される再生位置は,たとえば,車両の位置を示す地図情報,車両の加速度情報,速度情報,ブレーキが踏まれた情報,ウインカーが出された情報などのいわゆる履歴情報から得られる位置とするとよい。車両に関する情報は映像とは撮影時に取得しておき,映像とは別に得られるようにしてもよい。たとえば,映像を解析することにもとづいて決定される所定の再生位置に表示されるマークの色(たとえば赤色),形状(たとえば三角形)などと,車両に関する情報にもとづいて決定される再生位置に表示されるマークの色(たとえば緑色),形状(たとえば円形)などとの表示態様を変えるとよい。
(31)車両において撮影した映像を表す映像データの送信を制限するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすることにより,映像データを送信する機能を備えたときに比較的映像データの送信量を少なくできることがある。システムが車両に配置され,車両に配置されているシステムから映像データを送信するときに,映像データの送信を制限するとよい。また,車両に配置されているシステムから電話回線を通じて映像データを送信するときに,映像データの送信を制限するとよい。送信回数を制限することにより,映像データの送信を制限するとよい。送信回数にまで達したかどうかを検出するとよい。また,映像データの送信データ量を制限することにより,映像データの送信を制限するとよい。制限されるデ
ータ量まで達したかどうかを検出するとよい。映像データの送信が制限されたときには,送信費用のかからない,もしくは低額な送信方法により映像データを送信するとよい。
(32)車両において撮影した映像を表す映像データの送信量を検出するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
映像データの送信量が検出できる。複数の車両のそれぞれにおいて撮影した映像を表す映像データを,それぞれの車両から送信するときには,それぞれの車両からの映像データの送信量を検出するとよい。検出した送信量を表示する機能を備えるとよい。特に複数のそれぞれの車両の送信量を一覧表示する機能を備えるとよい。一覧表示は送信量の多い順あるいは送信量の少ない順に並べて表示するとよい。たとえば,送信量のランキングが得られ,送信量が多い車両がわかる。複数台の車両を有している会社などにおいて,複数の車両のそれぞれにおいて撮影した映像を表す映像データを,それぞれの車両から送信する映像データの送信量を検出するとよい。その会社が有している車両において,どの車両の映像データの送信量が多いかがわかる。
(33)車両において撮影した映像を表す映像データの記録前に通信速度試験を行い,その通信速度試験にもとづいて得られる条件で映像データを送信するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
通信速度試験にもとづいて得られる条件で映像データを送信できる。たとえば,通信速度試験にもとづいて送信できた速度にもとづいて映像の録画解像度,フレーム・レート,ビット・レートなどを決定して映像データを送信するとよい。通信中に通信エラーなどが発生したときには,再度通信速度試験を行い,条件を変更して映像データを送信するとよい。通信速度試験にもとづいて得られる条件で映像データを送信する処理としては、通信速度が相対的に遅くなればなるほど映像データのレートを落とすように元の映像データを加工する処理とするとよい。
(34)車両において撮影した映像が,人間が視認できる画像と違いがあるときに,人間が視認できる画像と違いがある映像あることを報知または記録の少なくともいずれか一方をするように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすることにより,撮影した映像が,人間が実際に視認できる映像と異なるものであることがわかる。例えば、車両の運転者が視認できた画像と記録されている撮影された画像とが異なるものであることがわかる。したがって、例えば、事故等が発生した映像を再生したときに、その映像は運転者によって視認できていなかった可能性のある映像であることがわかることとなる。これにより、例えば、警察・裁判所・保険会社等において、事故時の運転の過失の有無の判断にこの報知または記録された情報を利用することができる。たとえば,映像を撮影するカメラに偏光フィルタなどを取り付けることができるときには,偏光フィルタを取り付けている状態で撮影された映像か偏光フィルタを取り付けていない状態で撮影された映像かがわかるように記録または報知の少なくともいずれか一方を行うとよい。例えば、偏光フィルタが取り付けられた状態で撮影されたかどうかは映像を撮影するカメラなどにスイッチを設け,そのスイッチの状態を検出するとよい。また,撮影された映像を解析することにより,偏光フィルタが取り付けられた状態で撮影されたかどうかを検出するとよい。たとえば,映像を解析して窓ガラスへのダッシュボードなどの映り込み具合から偏光フィルタが取り付けられた状態で撮影されたかどうかを検出するとよい。
また、例えば、車両において撮影した映像が,人間が視認できる画像ではないときに,人間が視認できる状態において得られる映像ではないことを報知するように,上記表示のための映像データを処理するようにしてもよい。
(35)テレビ電話装置と通信するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
システムをテレビ電話装置として利用できるようになる。システムが車両に配置されているときには,車両に配置されているシステムをテレビ電話装置として利用できるようになる。システムには,テレビ電話と映像データの送受信する機能,テレビ電話と音声データを送受信して通話する機能を備えるとよい。システムに,記録媒体に記録する機能を備え,テレビ電話において通話した内容を示す音声データ,映像データなどを記録媒体に記録するとよい。
(36)特定の人物の動きに関する複数の映像を連続して表示するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすることにより,特定の人物の動きに関する複数の映像を連続して表示できる。たとえば,特定の人物が車両に乗り込んで車両を運転する前の映像,特定の人物が車両を運転中の映像,特定の人物による車両の運転をした後の映像などを,特定の人物の一連の動作を表す映像として連続して表示するとよい。特定の人物が適正な行動を行っているか確認できる。たとえば,運転手の一日の動きを,営業所を出る前の映像,運転中の映像,営業所に戻ってきたときの映像のように連続して表示するとよい。たとえば,複数の映像が複数の映像データによって表されるときには,それらの複数の映像データが特定の人物を識別するIDによって特定され,そのIDによって特定される複数のデータを映像データの記録時間順に連続して表示するとよい。
特定の人物の動きに関する複数の映像を連続して表示する機能は、例えば、撮影した映像中にある人物が予め登録した人物の画像と類似するか等の画像認識によって人物を特定するとよく、当該特定の人物が映った映像の部分を連続して再生するようにするとよく、当該特定の人物が映っている映像の異なるファイルを時系列に連続して再生したり、当該特定の人物が映っている映像の1のファイル中の部分を抽出して再生したり、これらを組み合わせて再生するようにしたりするとよく、特に1日の間で異なる時間帯に撮影された映像ファイルを連続的に再生する処理を行うようにするとよい。
(37)車両において撮影された映像を表す映像データを,第1の記録媒体に記録される映像データと第2の記録媒体に記録される映像データとが異なる映像データとなるように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすることにより,異なる映像が得られるようになる。第1の記録媒体に記録される映像データと第2の記録媒体に記録される映像データとは同じ時間に撮影されるとよい。たとえば,天周映像の加工映像を表す映像データを第1の記録媒体に記録し,加工映像よりも生映像に近い映像を表す映像データを第2の記録媒体に記録するとよい。加工映像は部分切り出し映像,座標変換映像とするとよい。生映像に近い映像はRAW映像,圧縮映像とするとよい。前方用映像を表す映像データを第1の記録媒体に記録し,後方用映像を表す映像データを第2の記録媒体に記録するとよい。第1の記録媒体に記録された映像データと第2の記録媒体に記録された映像データとを撮影時刻を同期させて再生させるとよい。第1の記録媒体に記録された映像データによって表される映像を第1のウィンドウに表示し,第2の記録媒体に記録された映像データによって表される映像を第2のウィンドウに表示するとよい。第1のウィンドウに表示された映像と第2のウィンドウに表示された映像とを同期させて表示するとよい。加工映像にどのような加工をしたのかの情報,たとえば,RAW映像に対して施した抜枠範囲,座標系変換の内容などの処理内容を記録しておきRAW映像内に対応する加工映像の範囲を破線などで表示するとよい。システムが車両に設置されるドライブ・レコーダなどのときにはドライブ・レコーダにおいて
加工映像および加工映像よりも生映像に近い映像を生成するとよい。また,システムが車両に設置されるドライブ・レコーダではなくパーソナル・コンピュータなどのときにはパーソナル・コンピュータにおいて加工映像および加工映像よりも生映像に近い映像を生成するとよい。
(38)システムにサーバにアップロードする指令を与えるボタンを設け,そのボタンからの指令に応じて,車両において撮影した映像を表す映像データをサーバにアップロードするように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
ボタンからの指令に応じて,車両において撮影した映像を表す映像データをサーバにアップロードできる。システムは,車両に設けられているとよい。システムに映像データを記録する機能があるときには,記録前に映像データをサーバに送信するとよい。また,記録しながら映像データをサーバに送信するとよい。さらに,記録した映像データを読み出してサーバに送信するとよい。ボタンからの指令があったときの映像データの位置を記録し,映像データの再生時に,ボタンからの指令があった位置をアイコンなどにより地図とともに表示するとよい。そのようなアイコンなどがクリックされると,アップロードした映像データによって表される映像を表示するとよい。URL(uniform resource locator)によって特定される保存場所に保存されている映像データによって表される映像を表示するとよい。
(39)映像を撮影する車両の外部からの撮影指令にもとづいて車両において撮影するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
車両の外部からの撮影指令にもとづいて車両において撮影できるようになる。たとえば,システムおよびシステムと通信可能な携帯電話がいずれも車両内にあるときには,車両の外部のサーバから携帯電話に撮影指令を送信し,撮影指令を受信した携帯電話から車両内に配置されているシステムに撮影指令を送信し,撮影指令を受信したシステムが撮影を開始するとよい。たとえば,車両を有している会社の営業所にスマート・スピーカを設置し,スマート・スピーカを用いて特定の運転手の携帯電話に撮影指令のトリガ・データを送信し,特定の運転手の携帯電話から特定の運転手が運転する車両に設置されているシステムに撮影指令のトリガ・データを送信するとよい。トリガ・データにもとづいて撮影して得られる映像データを記録するときには,トリガ名を設定するとよい。映像の再生時には設定されたトリガ名を表示するとよい。たとえば,「管理者Aから運転手Xへの音声による撮影トリガ」のようにトリガ名を表示するとよい。たとえば,人気のある運転手,危険な運転をするような運転手にはいろいろな管理者から多くのトリガ・データが送信される。
(40)車両において撮影された映像の記録のフレーム・レートと表示のフレーム・レートとを表示するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
映像の記録のフレーム・レートと表示のフレーム・レートとがわかる。フレーム補完機能を設けてもよい。映像のフレーム・レートを表すデータは映像データに関連づけて記録されているとよい。
(41)車両において撮影した映像の再生にもとづいて,ロボットに動作指令を与えるように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
映像の再生にもとづいてロボットが動作するようになる。たとえば,衝撃があったシーンを再生しているときに,コミュニケーション・ロボットのようなロボットに,倒れそうな動作指令を与えるとよい。ロボットが倒れそうな動作をする。ロボットが倒れる動作指
令を与えるとよい。また,倒れたロボットが起き上がる動作指令を与えるとよい。さらに,ロボットが運転の注意,たとえば,「危険な運転はだめだよ」と叱る,動作指令を与えるとよい。教習所などにロボットをおいておき,教習所の教官の代わりにロボットに叱ってもらうとよい。また,バス会社,運送業者にロボットをおいておき,バス会社,運送業者の運行管理者の代わりにロボットに叱ってもらうとよい。運行管理者が叱ると角が立つがロボットに叱られるのであれば人間関係にあまり影響がない。ロボットに動作させたいときにシステムからロボットに,動作させたい内容の動作指令を送信し,ロボットがその動作指令を受信することによりロボットが動作するとよい。
(42)車両において撮影した映像に関するプレゼンテーション・ソフトウエアのためのファイルを出力するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
プレゼンテーション・ソフトウエアのファイルが得られる。プレゼンテーション・ソフトウエアにもとづくファイルがあり,映像にもとづいて車両の運転内容を評価して車両の運転の点数を表示するようなファイルを出力するとよい。
(43)車両において撮影される映像が全天球映像であり,仮想現実空間内において全天球映像を表示するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
仮想現実空間内において全天球映像を見ることができる。全天球映像は,上方向,下方向,左方向,右方向,前方向および後ろ方向の全方位を撮影できるカメラによって撮影するとよい。
仮想現実空間内において,3次元空間上に平面(板)または,緩やかな円筒面(または緩やかな球面)の一部として,映像を再生するアプリ,PCビューワなどの画面を配置するとよい。できる。PCビューアの2画面表示ボタンを押すと,片側をPCビューア操作部,もう片側を再生映像とする表示がなされるとよい。
VR空間内で,人がいる場所を原点として球の内部全体に全天球映像を展開(テクスチャマッピング)する表示用ボタンを設けるとよい。このボタンを押すとまるで車内に自分がいるかのような映像を見ることができる。球はウィンドウの奥側に表示するとよい。また,ウィンドウを,ウィンドウをすべて非表示として完全に車内にいるような表示状態とするとよい。コントローラのボタンで両社を切り替えられるようにするとよい。また,ウィンドウよりも手前に球を表示するとよい。球の外まで自分の位置を変える,前進すると球の外側に出て,操作ウィンドウなどを操作するとよい。例えば球の外側に出た状態で球の外側に映像を展開するとよい。このようにすれば球の外側からも映像を見ることができる。完全な球に展開するのではなく,レンズなど光学系の歪みなどを補正するように設定した曲面にマッピングするようにするとよい。映像を投影する球面を半透過とする機能を備えるとよい。コントローラのボタンを押すと半透過にできるようにするとよい。原点位置と,球の半径は,コントローラの左右のスティックの上下などで可変するとよい。サムネイル表示,地図表示,加速度グラフなどはそれぞれ独立のパネルとして球の内側の3次元空間に配置するとよい。再生・停止・次のイベントなどの再生制御機能はコントローラで行えるように構成するとよい。
(44)車両にシステムが設置されており,車両の外部から送信される音声データにもとづいてシステムを動作するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすることにより,車両に設置されているシステムを,車両の外部から送信される音声データにもとづいて動作させることができる。
車両内においてスマホ等でドラレコのようなシステムを操作するようにするとよい。車両が家の近くでWiFiなど電波が届くなら自宅内のスマホ,スマート・スピーカ,コミュニケーション・ロボット,専用機器等から音声データを送信して操作するとよい。音声認識機器(スマホ,スマート・スピーカ,コミュニケーション・ロボット等)に,「ドラレコの映像流して」と言うと,ドラレコの電源をオンにし,『自分の』ドラレコの映像をWiFi等の無線でストリーミング転送させ,その映像をテレビで再生するとよい。車両のエンジンが切れていればバッテリ駆動するとよい。
「昨日のドラレコの映像を流して」というと,昨日のドライブ・レコーダの映像を,ドラレコやドラレコから転送済みのデータを記憶する記憶装置(スマホやPC)を検索して,あれば流す,なければ「昨日のドライブ・レコーダの映像は見つかりませんでした」というとよい。「代わりに一昨日のドライブ・レコーダの映像を再生します」のように最も近いドライブ・レコーダの映像を代わり再生するとよい。「さっきでかけたときのドラレコの映像流して」と言うと直近のドラレコの映像を再生するとよい。
ドラレコ再生時にはドラレコ映像とともに記録された音声も再生するとよいが,別の音楽等をBGMとして再生する機能を備えるとしてもよい。「BGMは○○にして」というと,ドラレコ音声に変えて,その曲をSpotifyなど音楽ストリーミングサービスで映像とともに再生するとよい。再生は,イベントが発生している箇所を中心にダイジェスト再生をするとよい。「ドラレコの映像を5分くらいで再生して」のように再生時間を指定できるようにするとよい。このとき,例えば,映像を指定された時間にまとめて再生するとよい。映像は未再生の映像を優先して再生するようにするとよい。
ドラレコの映像の「再生中」に「この映像をとっておいて」という音声が認識されると,ドラレコからWiFi等で記憶装置(スマホやPCなど)に,その再生中の映像ファイルを転送する。動画投稿SNSにアップしてシェアするようにしてもよい。
ドラレコの映像の「録画中」に「この映像をとっておいて」という音声が認識されると,ドラレコからWiFi等で記憶装置(スマホやPCなど)に,その時点に至る所定時間前からの録画済みの映像とその時点から所定時間先までの映像データを音声指示トリガとしてドラレコに映像記録するとよい。
ドラレコの映像の「録画中」に「映像を送って」という音声が認識されると,LTE等で,その時点に至る所定時間前からの録画済みの映像とその時点から映像データをサーバ等へ送信するとよい。動画投稿SNSにアップしてシェアするようにするとよい。「映像送信止めて」という音声が認識されると,映像のサーバ等への送信を停止するとよい。ドラレコの映像の「録画中」に「ここまでの映像を送って」という音声が認識されると,LTE等で,その時点に至る所定時間前からの録画済みの映像サーバにアップロードするとよい。動画投稿SNSにアップしてシェアするようにするとよい。ドラレコの前で「ライブ配信開始」というと,ドラレコ映像のライブ配信を開始するとよい。
(45)車両において撮影された映像が複数あり,サムネイル画像の表示態様を映像ごとに変更するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすることにより,複数の映像があったときにサムネイル画像の表示態様を映像ごとに変更できる。
サムネイルの表示方法と表示範囲を「個々のサムネイルごと」に変更する機能を備えるとよい。たとえば,個々のサムネイル上で右クリックすると,クリックされたサムネイルの表示方法を選択するポップアップメニューが表示されるとよい。サムネイルの表示方法
の種類としては,たとえば,魚眼表示,パノラマ表示,拡大フラット表示,リング型表示,ドーム型表示などとするとよい。また,オリジナル,ツインカット,パノラマカット,アングルカットを設けるようにするとよい。個々のサムネイル上で左クリックすると映像の表示範囲を変更するとよい。の右クリックのメニュー内に「180度回転」「90度回転」のメニューを設けるとよい。2カメラの場合には「カメラ切り替え」を設けるとよい。
変更したサムネイルの表示方法と表示範囲を保存しておく機能を備えるとよい加えた変更状態を保つように構成するとよい。サムネイルの表示方法と表示範囲の変更をアンドゥ(取り消し),リドゥ(再実行)する機能を備えるとよい。サムネイルの表示方法と表示範囲をサムネイル間でそろえる機能を備えるとよい。シフトキーを押しながら左クリックされるとサムネイルの周囲に選択枠を描画するとよい。複数の選択枠がある状態で,いずれかのサムネイルを右クリックして表示されるポップアップメニューで選択された表示方法に選択枠のあるサムネイルにつきすべて変更するとよい。また複数の選択枠がある状態で,いずれかのサムネイルを左ドラッグした場合そのサムネイルが表示している範囲にすべての選択枠のあるサムネイルの状態を連動させてリアルタイムに変更するとよい。なお選択枠の解除(選択状態の解除)はサムネイル以外の部分の左クリックが解除されたときとするとよい。同一とみなされる時刻(例えば同一フレーム)のサムネイルであって,サムネイルの表示方法または表示範囲が異なるサムネイルを表示する行を設けるとよい。例えば,360度×2のカメラで前方360度の魚眼表示の第一サムネイルの行と後方360度の魚眼表示の第二サムネイルの行を設け,同一時刻のサムネイルが同一の列となるように描画するとよい。サムネイルの行は任意に増設できる機能を備えるとよい。サムネイルの増設はサムネイル表示部の行間に空間を設け,その空間部分を右クリックして表示されるポップアップメニューから「行の挿入」を選択してするようにするとよい。またこのポップアップメニューには「上の行の削除」「下の行を削除」などの項目も設けるとよい。行または列は画面の表示範囲を超える部分はスクロールバーでスクロール表示できるようにするとよい。たとえば360度×2のカメラで10行のサムネイル行を作り,上から,前魚眼表示,後魚眼表示,前を中心としたパノラマ表示,後ろを中心としたパノラマ表示,下を中心とした拡大フラット表示,上を中止とした拡大フラット表示,前を一番見える箇所としたリング型表示,後ろを一番見える箇所としたリング型表示,前を一番見える箇所としたドーム型表示,後ろを一番見える箇所としたドーム表示のように表示するとよい。同一の列には同一時刻のこれらの種類の表示がなされることになる。また左右方向にスクロールすることで,列が左右に移動でき,全体のサムネイルを見ることができる。
サムネイルを左ダブルクリック等で選択すると,そのサムネイルの映像を再生する機能を設けるとよく,その再生はサムネイルとして設定されている表示方法と表示範囲で再生を開始するようにすると特によい。再生ウインドウで右クリックすると表示されるポップアップメニューに「この状態をサムネイルに設定」の選択項目を設け,これが選択されたとき,そのときの表示方法と表示範囲での映像をその映像のサムネイルとして設定する機能を備えるとよい。サムネイル表示とは右クリックしたサムネイルに対応する元画像を表示する領域を設け,その元画像中で現在のサムネイルでの表示領域を明示する(線で囲む,半透明で塗りつぶすなど)表示をする機能を設けるとよい。このようにすれば,元画像の中でどの部分をサムネイルとして設定しているのかを用意に把握できる。
「画質・繋ぎ精度向上」に関連して,「画像をつないでいる部分」を明示する機能とするとよい。例えばスティッチしている部分に赤色の線を引くとよい。スティッチの精度が上がるとつなぎ目部分がわかりにくくなる。商業写真等ではつなぎ目は使いたくないが,わかりにくくなると,つなぎ目をまたがってトリミングしてしまう可能性がでてくる。商業印刷後などの納品後につなぎ目の破綻部分が発覚すると問題になるかもしれないが,このような問題を未然に防止できる。
「本体映り込み低減」に関連して,「本体の映り込み部分を明示する機能」を備えるとよい。例えば本体部分に相当する箇所に網掛けまたは半透過の塗りつぶしを行うとよい。「自動顔認識&ぼかし撮影」に関連して,ビューア画面に,「ぼかしを入れた画像か否かを表示する領域」を設けるとよい。再生中の映像がぼかしを入れた画像であることを示すアイコンを表示するようにするとよい。また,ファイル名のリストの中にぼかしを入れた画像であることを示すアイコンなどを表示するようにするとよい。「無線ライブストリーミング」に関連して,ライブストリーミングとともに録画する機能を備え,録画映像のうちストリーミングしているものがわかるような情報を記憶しておき,録画映像をビューアで再生する際にライブストリーミングしたものか否かの表示を行う機能を備えるとよい。単純にライブストリーミングしたものとそうでないものとを,ファイルを別として記録しておき,ファイルのプロパティにライブストリーミングしたものであるか否かの情報を記憶するようにするとよい。特に1つのファイルの中で,ライブストリーミングした範囲とライブストリーミングをしていないファイルとを識別可能に記録しておき,タイムライン上で両者の領域が区別できる表示を行うとよい。「タイムラプス撮影」に関連して,タイムラプス撮影した映像であることを識別する情報を付加して記録しておき,ビューアで再生する際にタイムラプス撮影したものか否かを表示する機能を備えるとよい。一連のタイムラプス撮影した映像を一まとめのものとして取り扱う機能を備えるとよい。「SmartDevice」について,どのデバイスからの記録開始・記録終了指示・設定指示が来たものかの情報を映像に付加して記録する機能を備え,ビューアでその情報を表示する機能を備えるとよい。「SmartDevice」について,音声認識でビューアのボタンに相当する箇所を操作する機能,特に表示方法・表示範囲を変更する機能を備えるとよい。また音声認識で記録する方法・記録範囲を変更する機能を備えるとよい。
(46)車両に搭載されている装置を用いて車両において撮影した映像を表す映像データの通信をするときに,通信契約の種類に応じて通信速度を変更する以外に異なる通信方法によって通信するように,上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすることにより,通信契約の種類に応じて異なる通信方法によって通信できるようになる。
たとえば,法人向けドライブ・レコーダにおいて,その法人の車の利用形態により,さまざまな通信料金プランに対応する機能とするとよい。
月額300円~500円の低速定額無制限関連であるとよい機能の一例としては次のものがある。たとえば,高速通信ができず200kbps程度のSIMに対応する機能とするとよい。200kbpsあれば音声の送信+静止画(jpeg)をリアルタイム以上の速度で送ることができる。モノラル64kbpsでも事故の音であるか否かを判定するには十分な音質がある。したがって,過去分については実時間よりも短い時間で伝送できる。また,過去分をまとめて実時間よりも短い時間となるビットレートを現在(直近の履歴など)の通信ビットレートまたはSIMの契約ビットレートから算出してそのビットレートで圧縮して送る機能とするとよい。さらに,過去分を圧縮ファイルで送り,現在分をストリーミングで送る(IP電話でもよい)機能とするとよい。さらに,3日間で366MBなど,一定期間において一定データ量までのデータ制限があるSIMとするとよい。たとえば,残り転送可能容量をドラレコとビューアに表示する機能を備えるとよい。表示例としては,使用量 366MB中10MB (12月26日まで残り356MB)とするとよい。データ制限が近くなったら送信する情報の種類を制限するとよい。例えば写真データは送らず音声データのみを送るように変更するとよい。低速専用SIMでバースト転送(バースト機能:最初の1,2秒は数Mbpsくらい出る)ができるものとしては,イベント発生した送り始めにイベントに関連した異なる時点の写真を数枚(1枚でもよい)送った後で,音声データを送るとよい。写真はバースト転送されるとよい。
夜間特化プランに対応する機能としては次のようなものとするとよい。「夜間特化プラン」の一例としては6時から22時の間は下り上り最大200kbpsと制限されるが,22時から6時までの夜間は下り最大375Mbps,上り最大50Mbpsと高速通信が可能なものがある。高速通信の可能な時間帯あるいは通信制限のかかる時間帯を設定でき,高速通信が可能な時間帯にまとめて,動画はアップする機能を備えるとよい。特に,高速通信の可能な時間帯にエンジンオフで駐車されている車両のドラレコの電源を自動的にオンにして,映像データの送信を開始させる機能を備えるとよい。
上り特化プランに対応する機能としては次のようにするとよい。「上り特化プラン」の一例としては,下り通信のデータ通信速度を最大200kビット/秒と低く抑える代わりに,データを送信するための上り通信のデータ通信速度を最大50Mビット/秒と広く確保したプランがある。下りのIP電話の帯域は確保できると思われるので,サーバからは指示コマンドとIP電話の下りの通信に制限する機能を備えるとよい。つまり例えばドラレコに他のドラレコの映像を受信する機能などがあってもその機能は制限するとよい。
法人シェアプランに対応する機能としては次のようにするとよい。特に法人向けプランでは,例えば50GBを20回線で分け合えるといった,データシェアプランとするとよい。
SIM提供業者等が用意している管理画面の情報をスクレイピングやAPI経由で取得してドラレコでSIMの利用状況をカウントし,センタでそれらを取得し,ビュアーに表示する機能を備えるとよい。情報を対比して表示する機能を備えるとよい。パケットシェアしているドラレコの合計のパケット使用量と残りの使用可能量をビューアに表示する機能を設けるとよい。また,残り容量が少なくなってきたらアラートを出す機能や,予測の容量使用量のグラフなどを表示するとよい。パケットシェアしているドラレコの個別のパケット使用量と残りの使用可能量をビューアにランキングで表示する機能を備えるとよい。例えば上位のドラレコの車両のイベントの状況を見ることで,その運転者の運転が悪いのか,あるいは,ドラレコの設定が悪いのかなどを検証することが容易にできる。シェアするグループを複数設定している企業向けに,シェアしているグループ間で使用状況を対比表示する機能を備えるとよい。このようにすれば各グループへの各ドラレコのSIMの割り当ての最適化の参考とすることができる。AIなど自動解析して特定のSIMを他のグループへ移動するようアドバイスを出すようにしてもよい。ビューアの表示する対象の選択欄に,ファイルの容量の表示を設けるとよい。
SMS対応SIMのときには,次のようにするとよい。トリガが発生したら最大Gなどの程度に関する情報など,トリガの要因の重要度を付加した文字列を生成して,センター電話番号へSMS送信する機能を備えるとよい。センタ(例えばビュアー)ではSMSデータに基づいて送信依頼指示をそのドラレコへ送信するか否かを決定するとよい。センタでは,そのドラレコへ映像等の送信データ種別や送信範囲等の情報を決定して,送信依頼指示をドラレコに送信するとよい。
音声通話対応SIMの場合,次のようにするとよい。ドラレコに音声通話機能を設け,センターにセンター(営業所)にかかってきた外線を転送する機能を備えるとよい。センターではドラレコの運行状況をLTE等で取得し,走行状態にある場合など設定された条件の場合には外線の転送を行わない機能を備えるとよい。また,IP電話と音声電話との料金比較・通話相手・過去の走行履歴等のドラレコの状況に基づいて適する方でセンタへの電話をする機能をドラレコに備えるとよい。強い衝撃が発生した場合には音声で,弱い衝撃の場合はIP電話で通話発信する機能,センタとの通話はVoIPで行い外線との接続は電話で行
う機能などを設けるとよい。
公衆無線LANとLTEの併用のときには,次のようにするとよい。公衆無線LANへの接続機能を備え,LTEでは制限されたデータを送り,公衆無線LANで制限されないまたは制限の緩い映像データを送る。コンビニの無料WiFiや,などからアップする機能を備えるとよい。
(47) ユーザが手で保持する機器の姿勢に関する情報を取得し、当該姿勢に関する情報に基づいて映像データの表示範囲を変更するよう,上記表示のための映像データを処理するとよい。
このようにすれば、ユーザは、手に持つ機器の姿勢を変更することで、撮影された映像データの表示範囲を変更することができる。特に機器はスマホとし、映像は天球カメラの映像とし、天球カメラの視点についてスマホのジャイロやGセンサからの情報に基づきスマホを傾けたり回転させると、その方向に映像の視点が切り替える処理を行うとよい。
(48)上記(1)から(47)のうち,いずれか1つに記載のシステムのコンピュータを制御するコンピュータが読み取り可能なプログラムとするとよい。
表示のための映像データを処理することにより,従来よりも優れたものを提供できる。
表示可能なシステムは,例えば,パーソナル・コンピュータ,スマートフォン,ドライブ・レコーダなどとするとよい。表示のための映像データの処理は,たとえば,映像の再生についての処理,映像データの送信についての処理,映像の明るさ調整の処理,映像の再生形態を変更させる処理,映像データ量を減少させる処理などとするとよい。
(49)車両において撮影した映像を,表示可能なシステムの制御方法であって,上記表示のための映像データを処理する手段を備えたシステムの制御方法としてもよい。
表示のための映像データを処理することにより,従来よりも優れたものを提供できる。
表示可能なシステムは,例えば,パーソナル・コンピュータ,スマートフォン,ドライブ・レコーダなどとするとよい。表示のための映像データの処理は,たとえば,映像の再生についての処理,映像データの送信についての処理,映像の明るさ調整の処理,映像の再生形態を変更させる処理,映像データ量を減少させる処理などとするとよい。
上述した(1)から(47)に示した発明は,任意に組み合わせることができる。例えば,(1)に示した発明の全てまたは一部の構成に,(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成としてもよい。特に,(1),(48)または(49)に示した発明に,(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。
また,(1)から(47)に示した発明から任意の構成を抽出し,抽出された構成を組み合わせてもよい。本願の出願人は,これらの構成を含む発明について権利を取得する意思を有する。
この発明によると,表示のための映像データを処理することにより,従来よりも優れたものを提供できる。
本願の発明の効果はこれに限定されず,本明細書および図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており,当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」と記載し
た箇所などは奏する効果を明示する記載であり,また「~できる」と記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成よって把握される効果が存在する。
[第1実施例]
図1から図6は,第1実施例を示すもので,ドライブ・レコーダについてのものである。
図1は,ドライブ・レコーダ1(システムの一例である)を斜め後方から見た斜視図である。ドライブ・レコーダ1の筐体の1つの側面にSDカード挿入口10が形成されている。ドライブ・レコーダ1の筐体の背面のほぼ全体にディスプレイ11が形成されており,ディスプレイ11を挟んで左右の両側に複数の操作ボタン12が設けられている。ドライブ・レコーダ1の上面にはジョイント・レール13が設けられている。図1には現れていないが,ドライブ・レコーダの前面にカメラのレンズが設けられている。図1に現れていない側面にドライブ・レコーダ1のDCジャックが形成されており,ドライブ・レコーダ1の底面にスピーカおよびHD(high definition)出力端子が形成されている。
レンズを含むカメラは,例えば車両の前方の映像を撮像する。また,好ましくは車室内および車室外(車両の前方)を撮像してもよい。DCジャックは,電源ケーブルを介してDC電源に接続するためのジャックである。SDカード挿入口10はSDカード[メモリ・カードの一例で,xDピクチャ・カードなどその他のメモリ・カードでもよいし,メモリ・カード以外のUSB(Universal Serial Bus)メモリなどのメモリでもよい]を挿入するための挿入口である。スピーカは,音や音声を出力する。HD出力端子は,ケーブルを介して他の情報機器に接続するための端子である。ジョイント・レール13は,ドライブ・レコーダ1を車両に搭載するためのジョイントを取り付けるためのものである。ディスプレイ11は,ドライブ・レコーダ1のカメラによって撮像された映像など種々の映像を表示する。操作ボタン12は,ユーザが操作することによってドライブ・レコーダ1に種々の指令を入力するためのものである。
図2は,ドライブ・レコーダ1が搭載された車両の車室内から前方に向かって見た図を表している。
車両のフロント・ガラス3の上部の中央付近にルーム・ミラー4が設けられている。ルーム・ミラー4に隣接する助手席側(図2では前方に向かって左側)の位置にドライブ・レコーダ1がジョイントによって車両に固定されている。
ドライブ・レコーダ1のDCジャックが電源ケーブル6を介してシガー・ソケット5に接続されている。車両のアクセサリ電源がオンにされると,シガー・ソケット5からドライブ・レコーダ1に電力が供給される。
図3は,ドライブ・レコーダ1の電気的構成を示すブロック図である。
ドライブ・レコーダ1には,コントローラ20が含まれている。このコントローラ20にドライブ・レコーダ1の全体の動作を統括するCPU(Central Processing Unit)20a,ドライブ・レコーダ1の動作プログラムなどが格納されているROM(Read Only Memory)20b,データ等を一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)20cおよびタイマ20dが含まれている。コントローラ20は,後述するようにGPS情報処理プログラム,映像処理プログラム,通信処理プログラムなどの機能を有する。
また,ドライブ・レコーダ1にはGPS(Global Positioning System)受信機16,カメラ17,SDカード・リーダ・ライタ14および加速度センサ18が含まれている。GPS受信機16は,ドライブ・レコーダ1の位置を検出するもので,ドライブ・レコーダ1が搭載されている車両の位置がわかることとなる。カメラ17は,上述のようにドライブ・レコーダ1が搭載された車両の前方などを撮像する。SDカード・リーダ・ライタ14は,上述のようにSDカード挿入口10にSDカード23が挿入されることにより,挿入されたSDカード23に記録されたデータを読み取り,かつデータをSDカード23に書き込む。加速度センサ18は,ドライブ・レコーダ1に与えられた上下,左右および前後の加速度を検出するもので,ドライブ・レコーダ1が搭載されている車両の上下方向,左右方向および前後方向の加速度がわかることとなる。
GPS受信機16から出力されるドライブ・レコーダ1の位置を表すGPSデータ,カメラ17によって撮像された映像を表す映像データ,加速度センサ18によって検出された加速度を表す信号は,それぞれコントローラ20に入力する。コントローラ20はGPS情報処理プログラムを実行することにより,GPS受信機16から出力されたGPSデータを,SDカード挿入口10に挿入されたSDカード23に記録できる。また,コントローラ20は映像処理プログラムを実行することにより,カメラ17から得られた映像データを時刻と関連付けてSDカード23に記録できる。
さらに,ドライブ・レコーダ1には,上述した音声等を出力するスピーカ15,映像等を表示するディスプレイ11,操作ボタン12,通信回路19およびLTEモジュール21が含まれている。
コントローラ20から音声データ等がスピーカ15に出力することにより,スピーカ15から音声等を出力し,コントローラ20から映像データ等がディスプレイ11に出力することにより,ディスプレイ11に映像等を表示する。操作ボタン12からの各種指令はコントローラ20に入力する。
通信回路19は,外部機器,例えばサーバ,パーソナル・コンピュータ,スマートフォン,タブレット端末等と無線通信を行うための通信手段として機能する。コントローラ20は
,通信処理プログラムを実行することにより,通信回路19を介して,外部機器に映像等のデータを送信する機能を有する。通信回路19として,例えばWiFi規格,Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信の規格に準拠したものを用いるとよい。近距離無線通信の規格は,例えば構内で稼働する作業車両(フォークリフト等)と外部機器との通信に適用することができる。移動通信システムの規格は,例えば,より広範囲の領域内で移動する車両と外部機器との通信に適用することができる。
LTE(Long Term Evolution)モジュール21は,携帯電話の通信規格に準じた通信回路である。LTEモジュール21の代わりに4G等の他の移動通信システムの規格等に準拠した通信回路を用いてもよい。LTEモジュール21によってカメラ17が撮影した映像データ等を外部サーバ等に送信できる。
後述するようにドライブ・レコーダ1の動作プログラムはSDカード23にあらかじめ記録されていてもよいし,インターネットなどを介してLTEモジュール21によって受信しSDカード23に記録されてもよいし,SDカード23をパーソナル・コンピュータなどに挿入し,パーソナル・コンピュータを介してインターネットに接続してパーソナル・コンピュータからダウンロードしてSDカード23に記録してもよい。
図4は,ドライブ・レコーダ1が搭載された車両にイベントが発生したときのタイム・チャートの一例である。
この実施例では,常時記録とイベント記録とが可能である。常時記録は,たとえばドライブ・レコーダ1の電源がオンされている間中,SDカード23の常時記録用の記録領域が無くなるまで記録を続けるものである。常時記録の映像データ上書きを許可するように設定されていると,常時記録用の記録領域が無くなると常時記録により得られる映像データが常時記録用の記録領域に上書きされる。イベント記録は,20秒などの一定期間の間ずつ,撮影により得られた映像データを順次RAM20cなどに一時的に記憶しておき,イベントが発生しない限り上書きを繰り返し,イベントが発生するとRAM20cなどに一時的に記憶されている映像データを読み出してSDカード23のイベント記録用の記録領域に記録するものである。ドライブ・レコーダ1が搭載された車両に何等かの変化があったとみなされたとき(たとえば,しきい値以上の加速度の検出,しきい値以上の速度の検出,急ブレーキの検出など),ドライブ・レコーダ1にイベント記録をする旨の指示があったとみなされたとき(たとえば,操作ボタン12からの指示)に,コントローラ20からイベントが発生してイベント記録が行われる。
この実施例では,イベントが発生すると,イベントが発生した前後の期間の間にカメラ17の撮像により得られた映像データをSDカード23(記録媒体,可搬型記録媒体の一例である)に記録するとともに,LTEモジュール21がサーバなどに送信する。とくに,この実施例では,LTEモジュール21がサーバなどに送信する送信用映像データのデータ量(単位時間当たりのデータ量)はイベントが発生した時点から時間が経過すると減少させられる。
時刻t3においてイベント(記録指令の一例である)が発生すると(図5ステップ41でYES),イベントが発生した時刻t3以前の時刻t1(たとえば,時刻t3から10秒前の時点)からRAM20cに一時的に記憶されている映像データが読み取られ,SDカード23のイベント記録領域にイベント記録用映像データとして記録する。また,時刻t3後の時刻t5(たとえば,時刻t3から10秒後の時点)までの期間に撮影により得られた映像データもSDカード23のイベント記録領域にイベント記録用映像データとして記録する。イベントが発生した時刻t3の前後の時刻t1からt5までの期間(たとえば,20秒)に撮影された映像データがイベント記録用映像データとしてSDカード23のイベント記録領域に記
録されることとなる。イベント記録用映像データは,たとえば,フレーム・レートが高く比較的高画質の映像を表すもので,1秒間に30コマ(フレーム)の周期の映像であり,1フレームはHD(high definition)にもとづく記録(たとえば,有効垂直解像度1080本)が行われる。
また,時刻t3においてイベントが発生すると,イベントが発生した時刻t3以前の時刻t1からRAM20cに一時的に記憶されている映像データが読み取られ,時刻t1から,時刻t1より後の時刻t2まではRAM20cに一時的に記憶されている映像データのデータ量よりもデータ量を減少した映像データをコントローラ20が生成する。データ量が減少させられた映像データを送信用映像データとしてLTEモジュール21がサーバ等に送信する。時刻t2からイベントが発生した時刻t3まではイベント記録用映像データと同じ映像データを送信用映像データとしてLTEモジュール21がサーバ等に送信する。時刻t3から時刻t4までの間もカメラ17の撮影によって得られた映像データからイベント記録用映像データと同じ映像データを生成し,生成した映像データを送信用映像データとしてLTEモジュール21がサーバ等に送信する。時刻t4から時刻t5までは,時刻t1から時刻t2までと同様にイベント記録用映像データのデータ量よりもデータ量を減少した映像データをコントローラ20が生成して,データ量が減少させられた映像データを送信用映像データとしてLTEモジュール21がサーバ等に送信する。イベントが発生した時刻t3の前後の時刻t2からt4までの期間の映像の映像データのデータ量が比較的多くなり,時刻t1から時刻t2の期間の映像および時刻t4から時刻t5までの期間の映像[たとえば,1秒間に1コマの映像であり,1フレームはVGA(Video Graphics Array)にもとづく画素数とするとよい]をそれぞれ表す映像データのデータ量は比較的少なくなる。時刻t2から時刻t4までは,時刻t1から時刻t2までの間の送信用映像データまたは時刻t4から時刻t5までの間の送信用映像データとされたデータ量よりも多いデータ量をもつ映像データであれば,必ずしもイベント記録用映像データと同じデータ量(単位時間あたりのデータ量)の映像データを送信用映像データとする必要はない。また,時刻t1から時刻t2までの送信用映像データのデータ量と時刻t4から時刻t5までの送信用映像データのデータ量とは異なってもよい。さらに,時刻t2から時刻t3までの送信用映像データのデータ量と時刻t3から時刻t4までの送信用映像データのデータ量とは異なってもよい。
イベント発生前後の映像は,事故の場面などを表すことがあり,比較的重要と考えられる。イベント発生近辺の前後の期間の映像については映像データのデータ量が多いので重要な場面の映像を送信でき,サーバなどに重要な映像を残すことができる。イベント発生から一定期間経過後の映像データおよび一定期間前の映像データについてはデータ量を減少しているので送信時間を短縮できるし,データ送信に費用が生じる場合には費用を抑えることができる。
図4に示す例では,イベント発生前後のデータを送信用映像データとして生成しているが,イベント発生前のデータまたはイベント発生後のデータを送信用映像データとして生成してもよい。また,イベント発生から一定時間経過後または一定時間前のデータを送信用映像データとして生成してもよい。また,送信用データが表す映像の期間とイベント記録用映像データが表す映像の期間とは同一とされているが同一でなくともよい。いずれにしてもイベント発生などのような記録指令が与えられた時点から時間が経過したデータのデータ量を減少させればよい。
図5は,ドライブ・レコーダ1の送信処理手順を示すフローチャートである。
上述のようにイベントが発生すると(ステップ41),コントローラ20は,RAM20cに一時的に記憶されている映像データを読み出し,コントローラ20は,上述のようにイベン
ト記録用映像データを生成する。コントローラ20は,生成したイベント記録用映像データをSDカード23のイベント記録領域に記録する(ステップ42)
SDカード23に記録されているイベント記録用映像データを読み出し,読み出したイベント記録用映像データから上述のように時刻t1から時刻t2および時刻t4から時刻t5までの期間の映像を表す低データ量映像データと時刻t2から時刻t4までの期間の映像を表す高データ量映像データとを送信用映像データとしてコントローラ20が生成する(ステップ43)(記録媒体に記録される映像データのデータ量よりも,送信される映像データのデータ量を減少させる処理の一例である)。生成された送信用映像データ(データ量が減少させられた映像データの一例である)をLTEモジュール21がサーバ等に送信する(ステップ45)。
図5に示す処理においては,イベント記録用映像データから送信用映像データを生成しているが,上述したイベント記録用データと送信用映像データとを並行して生成してもよい。たとえば,時刻t1からイベントが発生した時刻t3までの期間についてはRAM20cに一時的に記憶されている映像データを用いてイベント記録用映像データと送信用映像データを同時に生成し,イベントが発生した時刻t3以降についてはカメラ17の撮影により得られた映像データを用いてイベント記録用映像データと送信用データを同時に生成してもよい。
図6は,送信用映像データのデータ量の設定などを行う記録設定ウインドウの一例である。
図4,図5などを参照して説明したように,常時記録のほかにイベント記録および映像データの送信が行われる。図6に示す記録設定ウインドウ30を用いて,常時記録,イベント記録,映像データの送信などの設定をユーザが行う。
ドライブ・レコーダ1に挿入するSDカード23が,たとえば,パーソナル・コンピュータ(図示略)のSDカード挿入口に挿入され,SDカード23に記録されている記録設定プログラムが読み出される。すると,パーソナル・コンピュータの表示画面に図6に示す記録設定ウインドウ30が表示される。
記録設定ウインドウ30には,録画方法選択枠30a,録画解像度選択枠30b,常時記録コマ数選択枠30c,イベント記録コマ数選択枠30d,イベント記録時間選択枠30e,送信設定枠30f,第1の送信解像度設定枠30g,第1の送信コマ数設定枠30h,第2の送信解像度設定枠30i,第2の送信コマ数設定枠30j,SDカードへの保存指示ボタン30kなどが含まれている。記録設定ウインドウ30には,その他の枠,ボタンなどが形成されているが説明を省略する。
録画方法選択枠30aは,録画(記録)の種類を設定する枠である。プルダウンすることにより,常時記録のみ,常時記録とイベント記録との両方の記録などの録画の種類を設定できるメニューが現われ,ユーザは所望の録画の種類を選択する。録画解像度選択枠30bは,常時記録の1コマの解像度を設定する枠である。プルダウンすることにより種々の解像度を設定できるメニューが現われ,ユーザは所望の解像度を選択する。イベント記録も設定されているときにはイベント記録の1コマの解像度も常時記録の1コマの解像度と同じに設定される。もちろん,イベント記録の解像度を常時記録の解像度よりも高くするように設定してもよい。常時記録コマ数選択枠30cは,常時記録における1秒間あたりのコマ数(フレーム・レート)を設定する枠である。プルダウンすることにより,種々のコマ数を設定できるメニューが現われ,ユーザは所望の解像度を選択する。イベント記録コマ数選択枠30dは,イベント記録における1秒間あたりのコマ数(フレーム・レート)を設定する
枠である。プルダウンすることにより,種々のコマ数を設定できるメニューが現われ,ユーザは所望の解像度を選択する。
イベント記録時間選択枠30eは,イベントが発生したときに記録する時間を設定する枠である。プルダウンすることにより,イベント発生の前後の種々の時間を設定できるメニューが現われ,ユーザは所望の時間を設定する。イベント発生前または後の時間を記録するように設定できてもよいし,イベント発生から一定時間経過したときから記録する時間,イベント発生から一定時間前から遡って記録する時間などを設定できるようにしてもよい。送信設定枠30fは,上述したように送信用映像データを生成してサーバなどに送信するか否かを設定する枠である。プルダウンすることにより,「有効」または無効のメニューが現われ,送信用映像データを送信するときには「有効」が選択され,送信用映像データの送信を行わないときには「無効」が選択される。第1の送信解像度設定枠30gは,図4を参照して説明したようにイベント発生時点t3を挟むイベント発生近傍のt2からt4までの期間の送信用映像データの解像度を設定する枠である。プルダウンすることにより種々の解像度を表すメニューが現われ,ユーザは所望の解像度を選択する。第1の送信コマ数設定枠30hは,図4を参照して説明したようにイベント発生時点t3を挟むイベント発生近傍のt2からt4までの期間の送信用映像データの1秒間あたりのコマ数(フレーム・レート)を設定する枠である。プルダウンすることにより,種々のコマ数を表すメニューが現われ,ユーザは所望のコマ数を選択する。第2の送信解像度設定枠30iは,イベント発生時点t3から時間が離れている(経過した,遡った時点よりも前)時点以降(たとえば,時刻t4からt5の期間)または以前(たとえば,時刻t1からt2までの期間)の送信用映像データの解像度を設定する枠である。プルダウンすることにより種々の解像度を表すメニューが現われ,ユーザは所望の解像度を選択する。第2の送信コマ数設定枠30jは,イベント発生時点t3から時間が離れている(経過した,遡った時点よりも前)時点以降(たとえば,時刻t4からt5の期間)または以前(たとえば,時刻t1からt2までの期間)の送信用映像データの1秒あたりのコマ数(フレーム・レート)を設定する枠である。プルダウンすることにより,種々のコマ数を表すメニューが現われ,ユーザは所望のコマ数を選択する。SDカードへの保存指示ボタン30kは,上述のようにして設定された内容を,パーソナル・コンピュータのSD挿入口に挿入されているSDカード23に保存するときにクリックされる。
このように記録設定ウインドウ30を用いて設定された内容がSDカード23に保存され,そのSDカード23がドライブ・レコーダ1のSDカード挿入口10に挿入されることにより,上述のようにSDカード23にイベント記録用映像データが記録され,送信用データが生成されて送信される。
通信用のドライブ・レコーダが増えてきて,4K,8Kのような映像データを送りたいというときに,データ量の多い映像データを送ると通信料が高くなるので,上述のようにデータ量を減らして通信料を減らすことができる。ドライブ・レコーダは,事故のシーンとか,危険運転のシーンの映像データを送ればよく,通常のシーンの映像は送らなくてもよい。イベントが起きたところの映像データを送りたいと考えたときに,さらにイベントが起きたところの映像データだけを送ってもデータ量が多くなってしまうので,データ量をさらに減らすことが考えられる。このために,イベントが起きた瞬間の前後はきれいな映像となるようにデータ量の多い映像データを送り,それ以外のときはデータ量の少ない映像データ,粗い映像データを送るとよい。車両の加速度がしきい値を超えたときにイベントが発生し,発生したイベントの前後20秒ずつをSDカードに記録する。その場ですぐに通信で送りたいというときにデータ量が多くなってしまうので,前後の部分だけはきれいな映像,事故があっただろうシーンはVGAにして送る通信量が格段に減る。常時記録はずっと記録し,イベント記録ではイベントが発生した前後20秒などで記録する。常時記録は古い映像データから上書きしていく。常時記録領域とイベント記録領域とが同じSD
で分かれている。通信で送るときにデータ量を減らすには,フレーム・レートを減らす方法,解像度を減らす方法,圧縮率を上げる方法がある。
イベント記録と常時記録とが別々に設定できるドライブ・レコーダとできないドライブ・レコーダとがある。一方のデータ量が多い映像データを有効垂直解像度1080本とし,他方のデータ量の少ない映像データをVGAにするとか,二つのカメラで撮影し,一方のカメラで有効垂直解像度を1080本とするデータ量の多い映像データを得,他方のカメラでVGAとするデータ量の少ない映像データを得てもよい。送ったデータもSDデータに記録しておいてもよい。SDカードに記録されている映像データから送信用の映像データを生成してもよい。常時記録データも送信してもよい。基本的には通信で送ればサーバに記録されるので,ドライブ・レコーダ1のSDカード23に記録しなくてもよい。
送信した映像データのバックアップをSDカード23に記録してもよい。また,どのようにして生成した映像データを送信用映像データとして送信したかという情報(ルール)を,送信用映像データの各フレームのヘッダの中に記憶したり,SDカード23のヘッダに記録してもよいし,そのルールで生成されたデータをSDカード23に記録しておいてもよい。ドライブ・レコーダ1のSDカード23に記録している映像データと異なる映像データを送信しているという情報が送信した映像データを格納する映像ファイルのヘッダ,SDカード23のヘッダなどに記憶されていてもよい。SDカード23にきれいな映像を表す映像データ(生データ)が記録されていたり,加工した映像データを送信したりするとよい。ユーザが手で保持する機器の姿勢に関する情報を取得し、当該姿勢に関する情報に基づいて映像データの表示範囲を変更するよう,表示のための映像データを処理するとよい。このようにすれば、ユーザは、手に持つ機器の姿勢を変更することで、撮影された映像データの表示範囲を変更することができる。特に機器はスマホとし、映像は天球カメラの映像とし、天球カメラの視点についてスマホのジャイロやGセンサからの情報に基づきスマホを傾けたり回転させると、その方向に映像の視点が切り替える処理を行うとよい。
[第2実施例]
図7から図21は第2実施例を示すもので,ドライブ・レコーダ1によって撮影された映像の再生についてのものである。この実施例では,ドライブ・レコーダ1によって撮像された映像をユーザからの指示にもとづいて明るさ調整する(たとえば,明るく調整する)もので,たとえば,1フレーム内に暗い領域の映像(たとえば,車室内の映像)と明るい領域の映像(たとえば,車室外の映像)とが撮像されたときに,ユーザからの指示にもとづいて,暗い領域の映像の明るさ調整量の方が明るい領域の映像の明るさ調整量よりも相対的に大きくなるようにする。
図7は,パーソナル・コンピュータ(システムの一例である)50の電気的構成を示すブロック図である。
上述したようにドライブ・レコーダ1によって記録された映像を,パーソナル・コンピュータ50を用いて再生できる。もっとも,パーソナル・コンピュータ50を用いずにドライブ・レコーダ1において再生してもよい。
パーソナル・コンピュータ50の全体の動作は,CPU(Central Processing Unit)58によって統括される。
パーソナル・コンピュータ50には,表示装置52が設けられている。この表示装置52は,CPU58によって制御される表示制御装置51によって制御される。また,パーソナル・コンピュータ50には,CPU58によってアクセスされるSSD(solid state drive)53,SDカード23に記録されているデータ等を読み取り,かつSDカード23にデータ等を書き
込むSDカード・リーダ/ライタ54が含まれている。
さらに,パーソナル・コンピュータ50には,キーボード,マウスなどの入力装置55,RAMなどのメモリ56およびインターネットなどのネットワークと接続する通信回路57が含まれている。
後述する動作プログラムは,インターネットを介してパーソナル・コンピュータ50の通信回路57によって受信され,パーソナル・コンピュータ50にインストールされる。インストールされたプログラムをCPU58が読み出して実行することにより,CPU58が各部を制御する。SDカード23などの記録媒体に動作プログラムが格納されており,そのような記録媒体から動作プログラムが読み取られて,パーソナル・コンピュータ50にインストールされてもよい。
ドライブ・レコーダ1から外されたSDカード23がパーソナル・コンピュータ50のSDカード挿入口に挿入され,SDカード23に記録されている検出プログラムが起動させられると,SDカード23に記録されている映像データ(たとえば,常時記録の映像データ,イベント記録用映像データ)をCPU58が読み出し,車室内の映像部分と車室外の映像部分とを検出する。車室内の映像部分と車室外の映像部分とは,たとえば,フロント・ガラス3とダッシュボードなどとのエッジ検出,画像解析により分かる。CPU58は,検出した車室内の映像部分と車室外の映像部分との境界を示すデータを,たとえば,映像データが格納されている映像ファイルのヘッダに記録する。車室内の映像部分を検出する検出装置(検出する手段の一例である)は、例えばユーザから映像中の車室内部分の領域の選択を受け付けて、選択された部分を車室内の映像部分として検出するようにしてもよいし、例えば自動的に車室内の映像部分を検出するようにしてもよい。自動的に検出する処理として、例えば、車両の移動を検出して、その移動に応じて映像に変化がある部分を車室外とし、その移動に応じて映像に変化のない部分を車室内として検出する処理とするとよい。特に映像中に車両の移動の速度に応じた動きがある領域を車室外とし、車両の移動の速度に応じた動きがない領域を車室内として検出する処理とするとよい。
パーソナル・コンピュータ50にインストールされている再生プログラムがユーザによって起動させられると,表示制御装置51はCPU58の制御のもとにパーソナル・コンピュータ50の表示装置52の表示画面に図12に示す再生ウインドウ100を表示する。
図12を参照して,再生ウインドウ100には,上部にメニュー・バー101が形成されており,このメニュー・バー101の下に映像表示領域111が形成されている。さらに,映像表示領域111の下に地図画像表示領域121,車両情報等表示領域131およびプレイ・リスト表示領域141が形成されている。
メニュー・バー101は,各種項目を表示し,それぞれの項目を選択することによりプルダウン・メニューを表示し,細かな指令を与えることができるものである。メニュー・バー101には,「ファイル」,「表示」,「再生」,「ツール」および「インフォーメーション」の各文字列,フォルダ・アイコン102,カメラ・アイコン103,プリンタ・アイコン104,リール・アイコン105,FD(フレキシブル・ディスク)アイコン106,ログ・アイコン107およびギア・アイコン108が表示されている。「ファイル」,「表示」,「再生」,「ツール」および「インフォーメーション」の各文字列をプルダウンすることにより,それぞれの項目に対応したプルダウン・メニューが現れ,細かな指令を与えることができる。フォルダ・アイコン102をクリックすることによりフォルダが指定され,カメラ・アイコン103をクリックすることにより静止画に変換され,プリンタ・アイコン104をクリックすることにより印刷が行われ,リール・アイコン105がクリックされることにより動画変換が行われ,FD(フレキシブル・ディスク)アイコン106がクリックされることによりデ
ータのバックアップが行われ,ログ・アイコン107がクリックされることによりログ・データに変換され,ギア・アイコン108がクリックされることにより記録設定の変更が行われる。
映像表示領域111は,ドライブ・レコーダ1等により記録された映像を表示する領域である。地図画像表示領域121は,映像表示領域111に表示されている映像の撮影場所近傍の地図の画像を表示する領域である。車両の位置を表すデータをパーソナル・コンピュータ50からインターネット上に存在する地図サーバに送信し,地図サーバから車両の位置近傍の地図を表すデータをパーソナル・コンピュータ50に送信することにより,地図画像表示領域121に地図の画像が表示される。車両情報等表示領域131は,映像の記録時における車両の速度などの情報を表示する領域である。車両情報等表示領域131には,映像表示領域111に表示されている映像を記録したドライブ・レコーダ1が取り付けられている車両の状態などを表示する車両状態表示領域132,映像の再生,停止などの操作指令を与える操作ボタン133,車室内の映像を明るく表示する処理の指示を与える室内強調ボタン(第1の指示入力手段の一例である)134,車室内の映像を明るく表示する処理を停止して通常の表示を行う処理の指示を与える通常表示ボタン(第2の指示入力手段の一例である)135,映像表示領域111に表示されている映像の記録時刻を表示する時刻表示領域136,車両の加速度をグラフ化して表示する加速度グラフ表示領域138などが含まれている。プレイ・リスト表示領域141は,SDカード23に記録されている映像ファイルのファイル名をリストで表示する領域である。室内強調ボタン(第1の指示入力手段)134によって与えられたユーザからの指示に基づいて車室内の明るさを調整するとよい。
フォルダ・アイコン102がクリックされ,映像ファイルが格納されているフォルダが選択されると,そのフォルダに格納されている映像ファイルのファイル名が,図12に示すように,プレイ・リスト表示領域141に,映像ファイルのファイル名がクリック可能に表示される。映像の記録開始時刻がファイル名とされているが,記録開始時刻以外をファイル名としてもよいのは言うまでもない。
図8は,パーソナル・コンピュータ50の処理手順を示すフローチャートである。
上述のように,フォルダ・アイコン102がクリックされ,所望のフォルダが選択されると,プレイ・リスト表示領域141に映像ファイルのファイル名が表示される。プレイ・リスト表示領域141に表示されているファイル名のうち,いずれかのファイル名が入力装置96に含まれているマウスを用いてクリックされるとファイルが選択される(ステップ61)。対応する映像ファイルがSDカード23から読み出される。読み出された映像ファイルに格納されている映像データの再生を開始し,図13に示すように映像表示領域111に映像を表示する(ステップ62)。映像ファイルのヘッダ記録領域には,映像データの記録時刻に対応して各種のヘッダ・データが記録されており,記録時刻の映像が表示される時に記録されたヘッダ・データも読み出され,読み出されたヘッダ・データの内容に応じて映像に種々の重畳処理等が行われる。また,地図画像表示領域121に,映像表示領域111に表示されている映像の撮影場所近傍の地図の画像を表示し,車両状態表示領域132に,映像表示領域111に表示されている映像を記録したドライブ・レコーダ1が取り付けられている車両の速度の数値,加速度(例えば,前後方向の加速度がX値,左右方向の加速度がY値,上下方向の加速度がZ値として表される),位置(たとえば,緯度,経度)を表示し,の数値,状態などを表示する。また,加速度グラフ表示領域138に,車両の加速度をグラフ化して表示する。
図9は,再生処理手順を示すフローチャートである。
再生する映像ファイルが選択されると,図13に示すように選択された映像ファイルによ
って表される映像の最初のフレームが静止画として表示される。その状態で,操作ボタン133の中に含まれる再生ボタン(右向きの三角形のボタン)をユーザが押すと(ステップ63でYES),選択された映像ファイルによって表される映像の動画再生が開始する(ステップ64)。映像表示領域111には,動画が表示される。
図10は,明るさ補正処理手順を示すフローチャートである。
映像表示領域111に映像を動画再生している,あるいは映像表示領域111に映像を静止画で表示しているときに,ユーザによって室内強調ボタン134が押されると(ステップ71でYES),映像表示領域111に表示されている映像を表す映像データに対して位置内の明るさ補正を行い(ステップ72),室内(車室内)の映像部分の明るさの調整量が室外(車室外)の映像部分の明るさの調整量よりも相対的に大きくなるようにCPU58が映像データを処理する。一般的に室内は室外より暗いが,室内の映像部分も室外の映像部分も一律に明るくなるように明るさ調整すると明るい室外の映像部分が白飛びしてしまうことがある。この実施例では,室内(車室内)の映像部分の明るさの調整量が室外(車室外)の映像部分の明るさの調整量よりも相対的に大きくしているので,室外の映像部分のような明るい部分の白飛びを未然に防止しつつ,室内の映像部分が見やすくなるように明るくできる。
明るさ補正は,CPU58において映像データが明るくなるようにディジタル・ゲイン処理をかければよい。そのときに,検出された室内の映像部分の明るさを明るくするゲイン量を,検出された室外の映像部分の明るさを明るくするゲイン量よりも大きくすればよい。
通常表示ボタン135が押されると(ステップ73でYES),後述する図11の処理に移行する。
図14および図15は,映像表示領域111に表示される映像の一例で,いずれもドライブ・レコーダ1によって昼間に撮影された映像の一例である。
図14は,上述した明るさ補正をする前の映像の一例であり,図15は,上述した明るさ補正をした後の映像の一例である。
図14を参照して,映像112の左側の映像部分112aが室外の映像部分であり,映像112の右側の映像部分112bが室内の映像部分である。室外の映像部分112aが比較的明るいのに対して,室内の映像部分112bは比較的暗い。室内と室外との明るさの差があり,映像112は見づらい。
図15を参照して,映像112の左側の映像部分112aが明るさ補正後の室外の映像部分であり,映像112の右側の映像部分112bが明るさ補正後の室内の映像部分である。室外の映像部分112aは,明るさ補正前よりも少し明るくなっており,室内の映像部分112bも明るさ補正前よりも明るくなっている。室内の映像部分112bの明るさの調整量が室外の映像部分112aの明るさの調整量よりも相対的に大きいので,明るさ補正前よりも室外の映像部分112aの明るさと室内の映像部分112bとの明るさの差が小さくなり,見やすくなっている。また,明るさ調整することにより室外の映像部分が明るくなりすぎるのが防止され,明るい部分の白飛びが防止されている。
図16および図17は,映像表示領域111に表示される映像の一例で,いずれもドライブ・レコーダ1によって夜間に撮影された映像の一例である。
図16は,上述した明るさ補正をする前の映像の一例であり,図17は,上述した明るさ補正をした後の映像の一例である。
図16を参照して,映像113の左側の映像部分113aが室外の映像部分であり,映像113の右側の映像部分113bが室内の映像部分である。室外の映像部分113aは少し明るいが夜間であるために暗い。これに対して,室内の映像部分113bはかなり暗い。映像113は全体的にかなり暗く見づらい。
図17を参照して,映像113の左側の映像部分113aが明るさ補正後の室外の映像部分であり,映像112の右側の映像部分113bが明るさ補正後の室内の映像部分である。室外の映像部分113aは,明るさ補正前よりも少し明るくなっており,室内の映像部分113bも明るさ補正前よりも明るくなっており,少しは室内の様子がわかるように改善されている。
図18および図19は,映像表示領域111に表示される映像の一例で,いずれもドライブ・レコーダ1によって夜間に撮影された映像の他の一例である。
図18は,上述した明るさ補正をする前の映像の一例であり,図19は,上述した明るさ補正をした後の映像の一例である。
図18を参照して,映像114の左側の映像部分114aが室外の映像部分であり,映像114の右側の映像部分114bが室内の映像部分である。室外の映像部分114aは少し明るいが夜間であるために暗い。これに対して,室内の映像部分114bはかなり暗い。映像114は全体的にかなり暗く見づらい。
図19を参照して,映像114の左側の映像部分114aが明るさ補正後の室外の映像部分であり,映像114の右側の映像部分114bが明るさ補正後の室内の映像部分である。室外の映像部分114aは,明るさ補正前よりも明るくなっており,室内の映像部分114bも明るさ補正前よりも明るくなっており,室内の様子が比較的わかりやすい。
図11は,明るさ補正停止処理手順を示すフローチャートである。
ユーザによって通常表示ボタン135が押されると(ステップ81でYES),CPU58は上述した明るさ補正(室内の明るさ補正)処理を停止する(ステップ82)。
室内強調ボタン134が押されると図10の処理に移行し,上述した明るさ補正が行われる。
上述の実施例では,室外の明るさ調整が行われているが,室内(車室内)の映像部分の明るさの調整量が室外(車室外)の映像部分の明るさの調整量よりも相対的に大きくすれば,室外の明るさ調整は必ずしもしなくともよい。
また,上述の実施例では,室内(車室内)の映像部分の明るさの調整量を室外(車室外)の映像部分の明るさの調整量よりも相対的に大きくしているが,室内と室外ではなく,映像の1フレーム内に暗い領域と明るい領域とが含まれているときに,明るい領域の明るさ調整量よりも暗い領域の明るさ調整量の方を相対的に大きくして明るく調整してもよい。このようにすると,室内と室外とを必ずしも検出する必要は無い。1フレーム内において,しきい値以上の明るさをもつ領域とし,暗い領域はしきい値未満の明るさをもつ領域とするとよい。しきい値以上の明るい部分を検出する検出装置(検出手段の一例である)を設け,検出された部分を明るい部分とし,検出されなかった部分を暗い部分としてもよい。また,しきい値未満の暗い部分を検出する検出装置(検出手段の一例である)を設け,検
出された部分を暗い部分とし,検出されなかった部分を明るい部分としてもよい。明るさ調整量は映像データのゲインを調整することにより明るく調整するとよい。明るい領域の明るさ調整量よりも暗い領域の明るさ調整量の方が相対的に大きくなるように,明るい領域と暗い領域とのいずれも明るくなるように明るさ調整をしてもよいし,暗い領域のみが明るくなるように明るさ調整してもよい。このしきい値を調整する調整装置(調整する手段の一例である)を設けるとさらによい。しきい値を調整する調整装置(調整する手段の一例である)は、ユーザの指示を入力してしきい値を調整する調整装置とするとよい。
図20および図21は,映像データの明るさ調整のための変換曲線を示している。
図20は,1フレーム内に暗い領域と明るい領域とが含まれているときに,明るい領域の明るさ調整量よりも暗い領域の明るさ調整量の方を相対的に大きくして明るさ調整を行う明るさ変換曲線の一例である。
図20において,横軸は明るさ変換前の明るさのレベル(入力レベル)を示し,左側ほど暗く,右側ほど明るい。縦軸は明るさ変換後の明るさのレベル(出力レベル)を示し,下側ほど暗く,上側ほど明るい。
図20に示す明るさ変換曲線C1にもとづいて明るさ変換が行われることにより,明るさ変換前の明るさが暗い方が,明るさ変換前の明るさが明るい方よりも,明るさ変換後の明るさが明るくなる割合が大きくなる。図20に示す明るさ変換曲線C1にもとづく明るさ変換では,変換前の明るさが極端に暗い場合には明るさ変換後の明るさが明るくなる割合があまり大きくない。このように変換前の明るさが極端に暗い場合には明るさ変換後の明るさが明るくなる割合大きくならないようにしてもよい。たとえば,第1のしきい値と第1のしきい値よりも大きな第2のしきい値とを仮定し,第1のしきい値以上であり,第2のしきい値以下の明るさの調整量が,第1のしきい値未満の明るさおよび第1のしきい値より明るい明るさの調整量よりも明るくなるようにするとよい。
室内強調ボタン134が押されることにより図20に示す明るさ変換曲線C1を用いて明るさ調整が行われるようにしてもよいし,室内強調ボタン134の代わりに暗い領域強調ボタンのようなボタンを設け,そのボタンが押されることにより,図20に示す明るさ変換曲線C1を用いて明るさ調整が行われるようにしてもよい。
図21は,上述した明るさ調整が行われないときに利用される明るさ変換曲線C2の一例である。
図21においても横軸は明るさ変換前の明るさを示し,左側ほど暗く右側ほど明るい。縦軸は明るさ変換後の明るさを示し,下側ほど暗く上側ほど明るい。
図21に示す明るさ変換曲線C2は線形性を有しており,明るさ変換曲線C2を用いることにより明るさ変換前の明るさにかかわらず一定の割合で明るさ補正が行われる
通常表示ボタン135が押されることにより図21に示す明るさ変換曲線C2を用いて明るさ調整が行われるようにするとよい。
上述において,図20に示す明るさ変換曲線C1を用いるのは,室内と室内とを考慮せずに1フレーム内に暗い領域と明るい領域とが含まれているときに,明るい領域の明るさ調整量よりも暗い領域の明るさ調整量の方を相対的に大きくして明るさ調整を行うときであるが,1フレーム内において室内の映像部分と室外の映像部分とを検出し,検出された室内の映像部分については図20に示す明るさ変換曲線C1を用いて明るさ補正を行い,検出
された室外の映像部分については,線形性を持つような明るさ変換曲線,たとえば,図21に示す明るさ変換曲線C2を用いて明るさ補正を行うようにしてもよい。
上述の実施例においてはボタン134,135を用いて明るさ補正の指示,明るさ補正の停止の指示をしているが,これらのボタン134,135などを再生ウインドウ100に設けずに後述するように再生ウインドウ100にメニューを表示し,表示されたメニューの中に明るさ補正の指示,明るさ補正の停止の指示を選択できるようにしてもよい。
ドライブ・レコーダは,前だけでなく前と後ろを撮影したり,240度,前も撮影するし車内も撮影したりするというレンズを使いいつつあるので,昼間でも夕方でも夜でも外の明るさに合わせて映像を補正すると車室内などの室内が暗くなってしまう。夜間の映像だと,街灯があるような場所では昼間に比べて社内の方が見やすくなるが,もっと暗い場所,街灯が少なくなってくると見えにくくなる。輝度を上げると外が白飛びしてしまうし,録画するときに輝度を上げてしまうのももったいない。デジタル画像だと白飛びしてしまうとデータが消えてしまい,黒飛びの方が,データが残るという性質がある。真っ黒な映像でも明るさ補正することにより運転者がいることがわかる。全体的に明るさ補正をして車内を見えるようにしてしまうと,車外が明るくなりすぎてしまうというのがボトルネックになるが,車内または車外を見やすくするためのボタンを追加するので,車内を重視した映像または車外を重視した映像を作ることができる。上述の実施例では,明るさ調整をするかしないかの2種類のみについて説明したが,リニアに明るさ補正することもできる。明るさ補正の程度の中間に変えてもよい。
上述のように,表示されている映像上にカーソルを移動させて右クリックするとメニューが現れ,そのメニューを利用して室内優先補正(室内強調補正,車内優先補正,車室内優先補正)してもよい。
図20に示す明るさ変換曲線C1を用いて明るさの暗い方を明るくする程度を大きくし,明るいところは明るくなるようにあまり補正していない。明るい領域と暗い領域とで明るさの調整量を変えている。昼夜兼用で明るさ調整している。
再生時で明るさ補正を行っているが,ドライブ・レコーダ1の本体のディスプレイ11で映像を再生するときにも同じように明るさ補正するとよい。ドライブ・レコーダ1のディスプレイ11にメニューを表示し,そのメニューから明るさ補正の指示およびその停止を切り替えるボタンまたは設定するボタンを選択できるようにしてもよいし,ディスプレイ11にタッチパネルを形成し,ディスプレイに,そのような切替ボタンまたは設定するボタンを設けてもよい。ドライブ・レコーダ1に映像データを記録しながら,再生する場合には,再生する映像データに対して上述の明るさ補正してもよい。
[第3実施例]
図22から図27は,第3実施例を示すもので,再生ウインドウ100のうち映像を再生ウインドウ100とは別に表示するものである。
上述したのと同様に表示制御装置51はパーソナル・コンピュータ50の表示装置52の表示画面に図23に示すような再生ウインドウ100を表示する。ユーザはカーソル162を映像表示領域111に表示されている映像上に動かして右クリックする(ステップ151でYES)。すると,表示制御装置51は映像表示領域111に表示されている映像上にメニュー161を重畳表示する(ステップ152)。
メニュー161には,「画像状態:正転」,「標準に戻す」,「反転」,「拡大・縮小」,「車内優先補正」および「別ウインドウで表示」の文字列が表示されている。
再生ウインドウ100の映像表示領域111には,車両の前方方向を撮影した映像だけでなく,ドライブ・レコーダを中心として上下左右の全方位を撮影したいわゆる全天球の映像を表示することもできる。このような全天球の映像では,画像が正転状態か,反転状態がわかりにくいことがあるので,その画像状態がどのような状態かを示すものが「画像状態」であり,「画像状態:正転」は映像表示領域111に表示されている映像が「正転」の状態であることを示している。全天球の映像ではドライブ・レコーダを中心として上下左右の全方位を撮影しているので,映像表示領域111に表示されている映像を動かすことによりドライブ・レコーダが搭載されている車両の前方の映像だけでなく,後方,左方向,右方向,上方向,下方向などあらゆる方向を見た映像を表示することができる。映像表示領域111に表示されている映像を標準方向(例えば,前方)から見た映像にするときに選択するのが「標準に戻す」である。「反転」が選択されると「上下反転」,「左右反転」,「前後反転」などの文字列が表示される。「上下反転」が選択されると映像が上下に反転させられ,「左右反転」が選択されると映像が左右に反転させられ,「前後反転」が選択されると前方の画像から後方の画像または後方の画像から前方の画像に映像が反転させられる。「拡大・縮小」は,映像を拡大または縮小するときに選択される。「車内優先補正」は,上述したように室内の明るさを明るくする明るさ調整量を,室外の明るさを明るくする明るさ調整量よりも大きくして明るさ調整するときに選択される。「別ウインドウで表示」は,映像表示領域111に表示されている映像を再生ウインドウ100とは別のウインドウで表示するときに選択される。
図22に戻って,「別ウインドウで表示」が選択されると(ステップ153でYES),CPU58は再生ウインドウ100とは別の映像表示用のウインドウを生成する。図24に示すように再生ウインドウ100とは別に映像表示用のウインドウ160が表示装置52の表示画面上に現れる(ステップ154)。
図24を参照して,映像表示用ウインドウ160に,再生ウインドウ100(表示される映像を操作する操作系を含むウインドウの一例である)の映像表示領域111に表示されていた映像が表示される。映像表示用ウインドウ160は再生ウインドウ100を隠すように表示装置52の表示画面全体に表示されるようにしてもよいし,主として表示画面の左半分または右半分に映像表示用ウインドウ160を表示し,逆に主として表示画面の右半分または左半分に再生ウインドウ100を表示するようにしてもよい。また,主として表示画面の上半分または下半分に映像表示用ウインドウ160を表示し,逆に主として表示画面の下半分または右半分に再生ウインドウ100を表示するようにしてもよい。また,映像表示用ウインドウ160の大きさと再生ウインドウ100の大きさとを同じとしてもよいし,異なるようにしてもよい。
さらに,再生ウインドウ100とは別に映像表示用ウインドウ160が表示されるときには再生ウインドウ100の映像表示領域111に映像を表示してもよい。もっとも,そのときに再生ウインドウ100の映像表示領域111に映像を表示しなくともよい。同一の表示画面に再生ウインドウ100と映像表示用ウインドウ160とを表示するときには再生ウインドウ100の映像表示領域111に映像を表示しない方が好ましい。
映像表示用ウインドウ160に表示されている映像上にカーソル162を動かし,右クリックすると,メニュー161が表示される。
映像表示用ウインドウ160に表示されている映像上に表示されるメニュー161は,再生ウインドウ100の映像上に表示されるメニュー161と異なり「別ウインドウで表示」の文字列の代わりに「ウインドウを閉じる」の文字列が含まれる。「ウインドウを閉じる」の文字列が選択されると,映像表示用ウインドウ160が消え,再生ウインドウ100の映像表示領域
111に,映像表示用ウインドウ160に表示されていた映像が表示される。
映像表示用ウインドウ160の映像に車両状態表示領域132に表示されている情報(付随情報の一例である)を表示してもよい。映像表示用ウインドウ160に表示されている映像を見ながら,映像を撮影したドライブ・レコーダを搭載した車両の速度,加速度などを確認できる。同一の表示画面に再生ウインドウ100と映像表示用ウインドウ160とを表示するときには,映像表示用ウインドウ160によって車両状態表示領域132が隠れているときに,車両状態表示領域132に表示されている情報を映像表示用ウインドウ160に表示されている映像上に表示するとよい。
図25から図27は変形例を示している。
図22から図24においては再生ウインドウ100と映像表示用ウインドウ160とは同一の表示画面に表示してもよいし,異なる表示画面に表示してもよいが,図25から図27に示す変形例では異なる表示画面に表示する。この変形例においては,パーソナル・コンピュータ50に表示装置52とは別の外部表示装置が接続される。
図25は別表示画面に再生ウインドウ100と映像表示用ウインドウ160とを表示する処理手順を示すフローチャートである。
図23に示すように,映像表示用ウインドウ160が生成されていない状態で映像表示領域111に表示されている映像を右クリックすると(ステップ171でYES),映像上にメニュー161が表示される(ステップ172)。この変形例においてはメニュー161には「別ウインドウで表示」の代わりに「別表示画面で表示」の文字列が現われる。ユーザがメニュー161に現れた「別表示画面で表示」の文字列を選択すると(ステップ173でYES),CPU58は映像表示用ウインドウ160を形成する。形成した映像表示用ウインドウ160を表すデータ(別表示画面用に映像表示のためのデータ)がパーソナル・コンピュータ50に接続された外部表示装置に出力する(ステップ74)。
図26は,異なる表示画面に再生ウインドウ100と映像表示用ウインドウ160とを表示する様子を示している。
パーソナル・コンピュータ50の表示装置52とは異なる外部表示装置の表示画面190に映像表示用ウインドウ160(第1のウインドウの一例である)を表示し,表示装置52の表示画面180に再生ウインドウ100(第2のウインドウの一例である)を表示している。
再生ウインドウ100の映像表示領域111には映像は表示されていないが,表示するようにするとよい。パーソナル・コンピュータ50の表示装置52の表示画面180と異なる表示画面190に映像表示用ウインドウ160が表示されている状態で映像表示領域111上にカーソル162を動かして右クリックすると映像表示領域111にはメニュー161が現われる。メニュー161には「別表示画面を閉じる」の文字列が含まれている。「別表示画面を閉じる」の文字列が選択されると,外部表示装置へのデータの出力が停止し,外部表示装置の表示画面190に表示されていた映像表示用ウインドウ160が消える。再生ウインドウ100の映像表示領域111に映像が表示されていない状態であれば,映像表示領域111に映像が表示されるようにする。
図27は,再生ウインドウ100と映像表示用ウインドウ160とを別々の表示画面に表示するときの使用方法の一例を示している。
たとえば,運転手211が運転した車両に搭載されていたドライブ・レコーダによって得
られた映像を再生し,上述の再生ウインドウ100を運転手211の管理者201などのパーソナル・コンピュータ200の表示画面に表示する。パーソナル・コンピュータ200と比較的大きな外部表示装置210とを接続し,上述した映像表示用ウインドウ160を表示するためのデータを外部表示装置210に出力する。外部表示装置210の表示画面には,映像表示用ウインドウ160を表示する。
管理者201などは手元にあるパーソナル・コンピュータ200に表示される再生ウインドウ100を操作して,外部表示装置210の表示画面に表示される映像を制御する。運転手211は外部表示装置210の表示画面に表示されている映像を見ながら,管理者201による指導,注意などを受けることができるようになる。
さらに,上述の実施例においては,パーソナル・コンピュータ50の表示画面に再生ウインドウ100を表示しているが,パーソナル・コンピュータ50の表示画面ではなくドライブ・レコーダ1のディスプレイ11などに再生ウインドウ100を表示してもよい。
たとえば,自動車の教習所の教習カーにドライブ・レコーダがついており,教習するときに教習所の生徒の運転映像を見せるとき,全員に見せるときに小さい画面で見せてもなかなか見にくいが,上述のように映像を外部表示装置210の表示画面に表示することにより見やすくなる。管理者(たとえば,教習所の指導員)は,手元のパーソナル・コンピュータ200で操作しながら,受講者の運転映像を外部表示装置210の表示画面に表示させ,教習所の生徒に運転の注意等を教えることができる。同様にしてトラックの運転手を運行管理者が指導してもよい。
映像だけでなく,地図画像表示領域121に表示される地図画像,車両状態表示領域132に表示される情報となどを別ウインドウ,別表示画面に表示してもよい。その他の付随情報も必要に応じて別ウインドウ,別表示画面に表示してもよい。別ウインドウ,別表示画面にするには右クリックしてメニュー表示してメニューの中から選択してもよいし,ボタンを設け,そのボタンを操作して別ウインドウ,別表示画面としてもよい。
操作部のウインドウである再生ウインドウ100を用いて映像を操作し,映像表示用ウインドウ160では映像の操作をしないとよい。映像表示用ウインドウ160には操作系,操作ボタンが含まれないとよい。映像表示用ウインドウ160には,操作部,操作系が含まれていず,操作ができない,そのようなウインドウに映像を表示するとよい。上述のように再生ウインドウ100の操作ボタン133などの操作で映像表示用ウインドウ160の映像が制御されるとよい。
ドライブ・レコーダの画面に操作系の再生ウインドウ100を表示し,別モニタに映像表示用ウインドウ160を表示して映像を表示してもよい。パーソナル・コンピュータ用のプログラム,ソフトウエアなどで行っていることをドライブ・レコーダ1で行ってもよい。
[第4実施例]
図28から図34は,第4実施例を示している。
第4実施例においては,映像の再生速度を調整することができる。映像の再生速度を調整できるシステムには,たとえば,図7に示したパーソナル・コンピュータ50を利用できるが,図3などに示したドライブ・レコーダ1を利用することもできる。
図28は,映像の再生処理手順の一例を示すフローチャートである。
再生する映像ファイルが指定されると,指定された映像ファイルに格納されている映像
データがCPU58によって読み取られ,図13に示すように,表示装置52の表示画面に表示されている再生ウインドウ100の映像表示領域111に映像の一部を表す静止画が表示される(ステップ221)。また,付加情報として映像データに付随している車速パルス・データもCPU58によって読み取られる(ステップ221)。ユーザによって操作ボタン133に含まれている再生ボタン(右向きの三角形のボタン)が押されると(ステップ222でYES),映像の再生が開始する。読み取られた車速パルス・データによって表される車速が,遅いかどうかがCPU58によって判断される(ステップ223)。たとえば,映像を撮影したドライブ・レコーダ1が設置されている車両の速度が速度のしきい値よりも遅ければ車速が遅いと判断され,速度のしきい値以上であれば車速が遅くないと判断される。速度のしきい値は,あらかじめ定められていてもよいし,ユーザによって指定されてもよい。車両が停車中の映像も車速が遅いと判断される。
車両の速度が遅いと判断されると(ステップ223でYES),再生ウインドウ100に表示される映像の再生速度がCPU58によって遅くさせられる(ステップ224)。映像の再生速度が遅くさせられるとは,映像の再生速度が通常の再生速度よりも遅くされればよい。通常の再生速度とは,撮影時における撮影時間と再生時における再生時間とが同じ速度である。たとえば,単位時間あたりの映像のフレーム数が撮影時と再生時とで同じとすることにより,撮影時における撮影時間と再生時における再生時間とが同じ速度となる。たとえば,撮影時が1/30秒に1フレームの割合のときには再生時も駒落ちすることなく1/30秒に1フレームの割合で再生する。車両の速度が遅くないと判断されると(ステップ223でNO,再生ウインドウ100に表示される映像の再生速度がCPU58によって通常の速度とされる(ステップ225)。このようにして映像の再生速度が遅くされて,あるいは通常のものとされて,映像が再生させられる(ステップ226)(車両の速度にもとづいて,撮影した映像の再生速度を変える一例である)。
図29は,車両の速度と映像の再生速度との関係等を示している。
時刻t0から時刻t3の間の映像において,時刻t1から時刻t2の間は車両の速度が遅かったものとする。また,時刻t0から時刻t1の間および時刻t2から時刻t3までの間は車両の速度が遅くなかった(通常の速度または遅い速度)とする。すると,時刻t1から時刻t2までの間の映像の再生速度は遅くさせられる。時刻t0から時刻t1までの間の映像および時刻t2から時刻t3までの間の映像の再生速度は通常の速度とさせられる。速い速度で再生してもよい。また,速度が遅いときの映像は通常の再生速度で再生し,速度が遅くないときの映像は通常速度よりも早い速度(たとえば,通常の再生速度n倍)で再生してもよい。
図30は,映像の再生処理手順の一例を示すフローチャートである。図30において,図28に示す処理と同一の処理については同一符号を付して説明を省略する。
図28に示す処理においては車両の速度が遅いときには(ステップ223でYES),映像の再生速度が遅くさせられているが,図30に示す処理においては車両の速度が遅いときには(ステップ223でYES),映像の再生速度が速く(たとえば,通常の再生速度のn倍速)させられる(ステップ224A)。車両の速度が遅くないときには(ステップ223でNO),映像の再生速度は通常のもの(または1倍未満の再生速度)とさせられる(ステップ225)。停車中のように車両の速度が遅いときには,映像には重要なシーンは写っていないと考え,車両の速度が遅いシーンは早送りでき,映像の再生時間を短縮できる。たとえば,運転手の運転状況を管理する管理者が映像を閲覧するときに信号停止時などのように車両の速度が遅く情報としてあまり必要でないときの映像を早送りし,閲覧を簡略化できる。
上述の実施例においては,車速パルス・データにもとづいて車両が遅いかどうかを判定
しているが,GPS情報などのその他の情報を用いて車両が遅いかどうかを判定してもよい。また,上述の実施例において,車両の履歴情報などにもとづいて得られるイベント発生前後については通常速度で再生するモードとしてもよい。さらに,駐車中の映像は同じ絵なので飛ばし再生してもよいし,高速走行中の映像は映像の流れが速いからゆっくり再生してもよい。特に横方向を撮影するカメラにより得られた映像は映像の流れが速いので映像が速く感じる。このために,ゆっくりの速度で再生してもよい。
図31は,映像解析の処理手順を示すフローチャートである。
この実施例においては,再生ウインドウ100に映像解析ボタン(図示略)が形成される。もっとも映像解析ボタンが形成されずに,たとえば,映像表示領域111上を右クリックすることにより,メニューが現われ,そのメニューにおいて映像解析処理が指定できるようにしてもよい。また,再生ボタンが押されたことに応じて映像を再生する前に図31に示す映像解析が行われるようにしてもよい。
再生する映像が指定され,映像解析ボタンが押されると(ステップ231でYES),指定された映像を表す映像データが読み取られる(ステップ232)。映像データがパーソナル・コンピュータ50の半導体メモリに記憶されているときにはSSD53によって読み取られ,映像データがSDカード23に記憶されているときにはSDカード・リーダ/ライタ54によって読み取られる。
読み取られた映像データによって表される映像がCPU58によって解析される(ステップ233)。他の車両が含まれている映像部分が検出され(ステップ234でYES),他の車両と比べて自車両(映像を撮影している車両)が遅いかどうかが判断される(ステップ235でYES)。遅い場合には,その遅い時間帯を表すデータが映像データに関連づけられて記録される(ステップ236)。たとえば,映像データが格納されている映像ファイルのヘッダに遅い時間帯を表すデータが記録される。他の車両と比べて自車両が遅くないときには(ステップ235でNO),ステップ236の処理はスキップされる。映像解析が終了するまで(ステップ237),ステップ234から236の処理が繰り返される。
このように映像の中で車両の速度が遅い時間帯がわかると,その映像を再生するときに図28または図29に示すように,映像の再生速度を遅くしたり(図28ステップ224),映像の再生速度を速くしたり(図29ステップ224A)できる。
図32は,映像解析処理手順の他の一例を示すフローチャートである。
図31の処理と同様に,再生する映像が指定され,映像解析ボタンが押されると(ステップ241でYES),映像データが読み取られ(ステップ242),映像の解析が行われる(ステップ243)。
映像の解析の結果,車両の前方または後方のみの映像部分を示しているときには(ステップ244でYES),その映像部分が前方または後方の映像であることを示す識別データが記録される(ステップ247)。たとえば,映像データが格納されている映像ファイルのヘッダにその識別データが記録される。映像解析の結果,車両の前方または後方のみの映像部分ではなく(ステップ244でNO),車両の横方向のみの映像部分を示しているときには(ステップ245でYES),その映像部分が横方向の映像であることを示す識別データが記録される(ステップ248)。このときも,たとえば,映像データが格納されている映像ファイルのヘッダにその識別データが記録される。映像解析の結果,車両の横方向のみの映像部分ではないときには(ステップ245でNO),車両の前方または後方の映像の割合(車両の前方および後方の映像の割合)が横方向よりも多いかどうかが判断される(ス
テップ246)。車両の前方または後方の映像の割合が横方向よりも多いと(ステップ246でYES),その映像部分が前方または後方の映像であることを示す識別データが記録される(ステップ247)。車両の横方向の割合が前方または後方の映像の割合(車両の前方および後方の映像の割合)よりも多いと(ステップ246でNO),その映像部分が横方向であることを示す識別データが記録される(ステップ248)。
映像の解析が終了するまで(ステップ248),ステップ244から249までの処理が繰り返される。
図33は,図32の映像解析処理が行われた映像についての再生処理手順の一例を示すフローチャートである。
再生する映像が指定されると映像データおよび映像の識別データが読み取られる(ステップ251)。操作ボタン133に含まれる再生ボタンが押されると(ステップ252でYES),読み取られた映像データによって表される映像が,読み取られた識別データから前方の映像または後方の映像であるか,それとも横方向の映像であるかが判断される(ステップ253)。
前方の映像または後方の映像であると,再生速度を通常よりも速くして映像が再生される(ステップ254)。前方の映像または後方の映像のときには,再生速度を遅くしても違和感が無いことが多い。違和感が無い状態で再生しつつ再生時間を短縮できる。映像が切り替わると(ステップ255でYES),再生が終了していなければ(ステップ258でNO),再びステップ253からの処理が繰り返される。
横方向の映像であると,再生速度を通常よりも遅くして映像が再生される(ステップ256)。横方向の映像のときには,映像の流れが速く感じ違和感を生じることがある。横方向の映像のときには再生速度を遅くするので,違和感が生じないようになることが多い。映像が切り替わると(ステップ257でYES),再生が終了していなければ(ステップ258でNO),再びステップ253からの処理が繰り返される。
図32に示す映像解析処理が行われた映像について図33に示す処理が行われているが,必ずしも図32に示す映像解析処理が行われた映像について図33に示す処理を行うのでなく,図32に示す映像解析処理が行われていない映像について図33に示す処理と同様の処理が行われてもよい。
たとえば,第1のカメラによって車両の前方または後方を撮影し,第2のカメラによって車両の横方向を撮影すると,第1のカメラによって撮影された映像は車両の前方または後方を表しており,第2のカメラによって撮影された映像は車両の横方向を表していることが分かる。そのようなときには,第1のカメラによって撮影された映像については再生速度を速くして再生し,第2のカメラによって撮影された映像については再生速度を遅くして再生するようにしてもよい。第1のカメラによって撮影された映像か,第2のカメラによって撮影された映像かを示すデータは,映像を表す映像データが格納されている映像ファイルのヘッダに記録されていることとなろう。
また,上下左右前後のあらゆる方向を撮影できるカメラによって撮影された映像を再生するときには車両の前方または後方を表示させたり,横方向を表示させたりすることができる。このような映像においては,車両の前方または後方が表示されている割合が多いかどうかを再生時に検出し,車両の前方または後方が表示されている割合が多いときに再生速度を速くし,車両の横方向が表示されている割合が多いときに再生速度を遅くするとよい。
図34は,再生処理手順の一例を示すフローチャートである。
この実施例では,再生ウインドウ100に通常再生指令ボタンが設けられるとよいが,映像表示領域111上をクリックすることによりメニューを表示させ,そのメニューから通常再生指令を与えるというように,通常再生指令ボタンがなくとも通常再生指令をパーソナル・コンピュータ50に与えることができればよい。
映像の再生が行われているときにおいて,通常の再生速度で再生されていないかどうかが判断される(ステップ261)。通常の再生速度よりも早い速度または通常の再生速度よりも遅い速度で再生されているときには通常の再生速度で再生されていないと判断される。通常の再生速度で再生されていないときにおいて(ステップ261でYES),通常再生ボタンなどが押されることにより通常再生指令がパーソナル・コンピュータ50に与えられると(ステップ262でYES),通常再生速度で再生されていない映像が通常再生速度で再生されるようになる(ステップ263)。通常再生速度で再生されていない映像を通常再生速度で再生できるようになる。
走っているときに正面の映像は違和感がないが横の映像を見ると流れると見にくいので,映像の表示速度を落とすことができる。正面から見ると遅く感じるので速く再生して再生時間を短縮できる。停止しているときには普通に再生し,高速で運転しているときの映像が流れてしまうので,速度が速いときにゆっくり再生し,車両が停止しているときは倍速くらいの速さで自動的に再生してもよい。通常の再生は実際の記録時の再生とするとよい。たとえば,信号待ちのときには,ユーザ自身が早送りボタンを押さなければならなかったものが自動的に早くなる。速度は,数字でPCビューワに表示されるとよい。ドライブ・レコーダに入っている速度情報としてはGPS情報と車速パルスとがあるので,それらの情報を利用するとよい。GPS情報および車速パルスは映像データが格納されている映像ファイルのヘッダに入っているので,それらを利用できる。車速パルスは車両のスピード・メータの元情報のことで,タイヤの回転数に応じて出力される信号にもとづいて出力される。
[第5実施例]
図35から図40は,第5実施例を示している。第5実施例は,再生ウインドウの表示形態に関するものである。
図35および図36は,地図画像を大きく表示するものである。
図35はパーソナル・コンピュータ50の処理手順を示すフローチャート,図36は再生ウインドウ100の一例である。
再生ウインドウ100の表示用ソフトウエアがユーザによって起動させられると図35の処理が開始する。すると,図12に示したように映像表示領域111,地図画像表示領域121などが空欄の再生ウインドウ100がパーソナル・コンピュータ50の表示装置52の表示画面に表示される(ステップ271)。リスト表示領域141には,撮影された映像の再生指令のほかに映像を撮影した車両の履歴情報(車両の位置情報,速度情報,加速度情報など)の再生指示を与えることができるタブが表示(図36等においては図示が省略されている)される。そのタブ(拡大指令ボタンの一例である)を選択し,かつ履歴情報ファイルを選択することにより,選択された履歴情報ファイルによって表される履歴記録データの再生指示がパーソナル・コンピュータ50に与えられる。履歴記録データの再生指示がパーソナル・コンピュータ50に与えられると(ステップ272でYES),パーソナル・コンピュータ50の表示制御装置51には,映像表示領域111と地図画像表示領域121との入れ替え指令が与えられ,映像
表示領域111の領域が地図画像表示領域121の領域と入れ替えられる(ステップ273)。図36に示すように,映像表示領域111と地図画像表示領域121とを入れ替えて(大きい領域と小さい領域との二段階の領域の一例である)地図画像と映像とが表示される(ステップ274)。地図画像が大きく表示されるので,撮影場所,撮影時の車両の位置などを比較的簡単に確認できる。
図35および図36に示す例では,地図画像を大きくしているが地図画像に限らず,映像を撮影する車両の運転中に得られる車両に関する情報を表示する領域が大きくすればよい。車両の加速度情報,車両の速度情報,ブレーキ情報,ウインカー情報などの情報を,大きく表示するようにしてもよい。たとえば,速度のグラフ,加速度のグラフを大きく表示するようにしてもよい。領域拡大指令などの指令を与えるボタンなどから与えられる指令に応じて,車両に関する情報を表示する領域を小さい領域から大きい領域に切り替えるものとするとよい。
図35および図36に示す例では,映像表示領域111の領域と地図画像表示領域121の領域とを入れ替えているが必ずしも入れ替える必要は無い。履歴記録データの再生指示が与えられていないときに表示される地図画像の大きさ(デフォルトの大きさの一例である)よりも履歴記録データの再生指示が与えられたときに表示される地図画像の大きさが大きくなればよい。ドラッグなどに応じて大きさを大きくするのではなく,たとえば,再生ウインドウ100に拡大指令ボタンを設け,その拡大指令ボタンからの拡大指令ボタンに応じて,所定の大きさの地図画像などの車両に関する情報を所定の大きさの領域よりも大きな領域に表示するとよい。所定の大きさの地図画像などの車両に関する情報を,映像の大きさよりも大きな領域に表示してもよいし,映像の大きさよりも小さな領域に表示してもよい。映像表示領域111の大きさを変えなくともよいが,図36に示すように映像表示領域111の大きさを変えると特によい。
履歴記録データと映像データとはリンクされており,同一撮影時間における映像と車両に関する情報とが同期して映像表示領域111に映像が表示され,たとえば,地図画像表示領域に地図画像が表示されるのはいうまでもない。
図37および図38は,映像を撮影した車両の加速度を三次元で表示するものである。図37および図38に示す処理は,映像記録の再生指示または履歴記録データの再生指示のいずれにおいて行ってもよい。
図37を参照して,表示される再生ウインドウ100にはプレイ・リスト表示領域141の右側に加速度グラフ表示領域142が形成されている。加速度グラフ表示領域142には映像を撮影した車両の加速度が三次元で表示される。図37および図38においては,奥行き方向にX軸,横方向にY軸,縦方向にZ軸が形成されている。X軸は車両の前方および後方についての加速度を示す軸であり,Y軸は車両の横方向についての加速度を示す軸であり,Z軸は車両の垂直方向についての加速度を示す軸である。車両の前方に対する加速度(正の加速度)については,X軸の上方向のグラフとなり,車両の後方に対する加速度(負の加速度)については,X軸の下方向のグラフとなる。車両に向かって右方向に対する加速度についてはY軸の上方向のグラフとなり,車両に向かって左方向に対する加速度についてはY軸の下方向のグラフとなる。車両の上方向に対する加速度についてはZ軸においては左方向のグラフとなり,車両の下方向に対する加速度についてはZ軸においては右方向のグラフとなる。もちろん,加速度が分かればそのように規定しなくてもよい。
加速度グラフ表示領域142が形成されるときには,加速度グラフ表示領域138に速度グラフを表示するとよい。
図38は,加速度グラフ表示領域142に表示される加速度グラフを図37に比較して拡大して示している。
車両の前後方向の加速度がグラフ281によって表され,車両の横方向の加速度がグラフ282によって表され,車両の垂直方向の加速度がグラフ283によって表されている。加速度グラフ表示領域142には時間ごとの車両(映像を撮影した車両)の加速度が映像の撮影時における時間に応じて三次元で表示される。加速度グラフ表示領域142に表示される車両の加速度は,撮影した映像の一部の車両の加速とするとよく,特に映像表示領域111に表示されている映像の前後の一定時間(たとえば,前後数秒から前後数分程度)の加速度とするとよい。たとえば,映像表示領域111に表示されている現在の映像が時間t12の映像であるとすると,その時間t12よりも前の時間t11から時間t12よりも後の時間t13までの時間の間の車両の加速度を表すグラフが加速度グラフ表示領域142に表示されることが好ましい。加速度を表すデータは映像データによって表される映像の1フレームごとに付随しているヘッダに記録されており,そのデータを読み出すことにより加速度を表すグラフが表示される。また,映像データが格納されている映像ファイルのヘッダ,映像ファイルとは別の車両に関する情報が格納されているファイルなどに記録されているときには,それらのファイルから読み出されて加速度を表すグラフが表示されるとよい。
図37および図38においては,X軸,Y軸およびZ軸からなる座標空間に加速度を表すグラフを示しているが,第1の軸(X軸の一例である)によって車両の前後方向の加速度が表され,第2の軸(Y軸の一例である)によって車両の横方向(幅方向)の加速度が表され,第3の軸(Z軸の一例である)によって車両の垂直方向の加速度が表されれば,必ずしもX軸,Y軸およびZ軸を利用しなくてもよい。第1の軸,第2の軸および第3の軸は互いに直交しなくともよい。また,車両の前後方向の加速度の変化に応じて前後方向に変化し,車両の横方向の加速度の変化に応じて横方向に変化し,車両の垂直方向の加速度の変化に応じて垂直方向に変化するような加速度のグラフを表示するようにしてもよい。
図39は,変形例を示すもので,再生ウインドウ100の一例である。
図37に示す再生ウインドウ100における加速度グラフ表示領域142は,プレイ・リスト表示領域141の右側に形成されているが,図38に示す再生ウインドウ100においては映像表示領域111に表示されている映像上に重ねて表示されている。このようにすることにより,映像を見ながら加速度を確認することが比較的簡単となる。
映像上に重ねて表示する情報は加速度グラフに限らず,車両に関する他の情報でもよい。車両に関する他の情報を,映像を見ながら確認しやすくなる。とくに,図26および図27を参照して説明したように,再生ウインドウ100と映像表示用ウインドウ160とを別の表示画面で表示するときに,映像上に車両に関する情報を表示するとよい。また,再生ウインドウ100と映像表示用ウインドウ160とを別の表示画面で表示するときに,映像上に車両に関する情報を表示するとともに,再生ウインドウ100にも映像上に表示される車両に関する情報を表示するとよい。再生ウインドウ100と映像表示用ウインドウ160とを別の表示画面で表示するときにおいて,図39に示したように加速度グラフ表示領域142が映像上に形成された映像を映像表示用ウインドウ160に表示し,別の表示画面に表示される再生ウインドウ100にも図37に示すように加速度グラフ表示領域142を形成するとよい。
図40は,他の変形例を示すもので,再生ウインドウ100の一例である。
再生ウインドウ100に形成されているプレイ・リスト表示領域141の右側には加速度表示領域143が形成されている。加速度表示領域143には自動車の画像が表示されている。自動車の画像の前に前方に向く矢印とともに「+X」の文字,自動車の画像の横に横方向に向
く矢印とともに「+Y」の文字,および自動車の画像の上に上方向に向く矢印とともに「+Z」の文字が表示されている。自動車の画像の前方に自動車の前方または後方に対する加速度が表示され,自動車の画像の横方向に自動車の横方向に対する加速度が表示され,自動車の画像の上方向に自動車の垂直方向に対する加速度が表示される。自動車の外観とともに自動車の加速度が表示されるので,どの方向の加速度が自動車にかかっているのかが比較的わかりやすくなる。自動車の画像は再生ウインドウ100を表示するプログラムの設定ファイルに格納されることとなろう。
また,加速度に応じて矢印の向きを変えるようにしてもよい。たとえば,自動車の前方に加速度がかかっていると前方に向かって矢印を向け,自動車の後方に加速度がかかっていると後方に向かって矢印を向ける。また,自動車に向かって右側に加速度がかかっていると右側に向かって矢印を向け,自動車に向かって左側に加速度がかかっていと左側に向かって矢印を向ける。さらに,自動車の上側に加速度がかかっていると上側に向かって矢印を向け,自動車の下側に加速度がかかっていると下側に向かって矢印を向ける。
映像を撮影した車両の種類に応じた種類の自動車の画像を加速度表示領域143に表示するようにしてもよい。たとえば,車両がフォークリフトであり,フォークリフトによって映像が撮影されると加速度表示領域143にはフォークリストの画像が表示され,車両がトラックであり,トラックによって映像が撮影されると加速度表示領域143にはトラックの画像が表示されるとよい。このように映像を撮影した種類に対応した車両の画像が加速度表示領域143に表示されるとよい。さらに,撮影した車両に対応したメーカの車両の画像が加速度表示領域143に表示されるようにしてもよい。たとえば,A社の自動車メーカの車両において映像が撮影されたときには,加速度表示領域143には,そのA社の自動車が表示され,B社の自動車メーカの車両において映像が撮影されたときには,加速度表示領域143には,そのB社の自動車が表示されるとよい。
履歴という概念がある。今まで映像記録にスポットライトを当てていたが,GPSの情報に関しては別次元でたくさんの情報を取るようにしている。履歴だけであればテキストの情報なので映像と比べてデータ量が少ない。何時にどこを通過したのかという情報なども履歴情報である。地図が小さく表示されているが,上述のように履歴記録画面の場合には地図を大きく表示するとよい。履歴記録を読み込むと地図が大きく表示される。SDカードの記録領域もイベント記録領域,常時記録領域および履歴記録領域に分かれている。常時記録は1時間程度しか記録できないが,履歴記録は24時間,500時間記録できる。履歴というのは,位置情報,速度情報,加速度情報,ブレーキ情報,ウインカー情報が記録されている。履歴記録はイベント記録,常時記録と別物。履歴記録は単純に映像のデータはない常時記録ということである。設定でマックス500時間記録できる。常時記録,イベント記録などの映像データにも履歴が残っている。映像が残っている履歴情報は,リンクして映像も表示できる。
[第6実施例]
図41は,第6実施例を示すもので,パーソナル・コンピュータ50の処理手順の一例を示すフローチャートである。
再生ウインドウ100を表示する再生ソフトウエアが起動すると図41に示す処理が開始する。すると,パーソナル・コンピュータ50のCPU58のクロック周波数を表すデータが読み取られる(ステップ291)。読み取られたCPU58のクロック周波数にもとづいて,指定された映像の再生に駒落ちが生じるかどうかが判断される(ステップ292)。駒落ちが生じると判断されると(ステップ292でYES),パーソナル・コンピュータ50の処理能力が低いので映像に駒落ちが生じることがある旨が表示装置52の表示画面に表示される(ステップ293)。駒落ちが生じなければ(ステップ292でNO),ステップ293の処理はス
キップされる。
その後再生ウインドウ100が表示装置52の表示画面に表示され(ステップ294),映像表示領域111に映像が表示される(ステップ295)。ユーザは,撮影した映像,映像を撮影する装置などに問題があるのではなく,映像を再生するパーソナル・コンピュータ50の能力により映像に駒落ちが生じることがわかる。駒落ちが生じる旨の表示の後に再生ウインドウ100を表示しているが,再生ウインドウ100とともに駒落ちが生じる旨を表示してもよい。とくに,再生ウインドウ100上に駒落ちが生じる旨を表示するとよい。
図41に示す例ではCPU58のクロック周波数にもとづいて駒落ちが生じるかどうかを判定しているが,クロック周波数に限らず,パーソナル・コンピュータ50に含まれているRAM(random access memory)の容量,VRAM(video random access memory)の容量,映像データがSDカード23に記録されているときにはSDカード・リーダの読み取り速度,映像データがハード・ディスクに記録されているときにはハードディスク・ドライバによる読み取り速度などのようにパーソナル・コンピュータ50のようなシステムの能力,性能などにもとづいて駒落ちが生じる旨を表示してもよい。また,パーソナル・コンピュータ50の能力,性能などが低いとき(たとえば,撮影時の状況と同じ状況での再生ができない能力,性能のとき)に映像を駒落ちさせるのではなく,単位時間当たりのフレーム数を減らす,スロー再生をするようにしてもよい。その場合もパーソナル・コンピュータ50の能力,性能などに起因してスロー再生となる旨を表示(報知の一例である)するとよい。映像を処理する能力が無いことを報知できればよい。
映像を動かす,映像を別ウインドウとするときにかなり,PCのCPUパワーがかかる。別ウインドウの再生ができない,倍速しながらの映像の表示範囲の変更などの映像の表示ができないPCがある。動かせないPCだと一時停止しているときにしか動かせないとかの制約をかけるとよい。別ウインドウ・ボタンを設け,再生ウインドウ100と映像ウインドウとを別ウインドウとするときに,別ウインドウ・ボタンを押せるようにしておいて,グレーではなくて,押したらポップアップで「このパソコンはパワーが足りなくて別ウインドウ再生はできません。これくらいのスペックのパソコンを用意してください。」と表示するとよい。
[第7実施例]
図42から図46は,第7実施例を示すもので,所定の再生位置から再生するものである。
図42は,映像解析の処理手順を示すフローチャートである。解析する映像が指定され,映像解析指令がパーソナル・コンピュータ50に与えられることにより図42に示す処理が開始する。たとえば,映像解析ボタンが形成された再生ウインドウ100を表示し,映像を指定し,映像解析ボタンが押されることにより,図42に示す処理が開始する。
解析する映像を表す映像データが読み取られ(ステップ301),ユーザによって映像の中から見つけ出したいシーンの条件が入力される(ステップ302)。たとえば,再生ウインドウ100の映像表示領域111上を右クリックすることによりメニューを表示させ,そのメニューにおいて所望のシーンを選択してもよいし,そのメニューにおいて所望のシーンを表す言葉を入力するようにしてもよい。シーン条件が入力されると,映像データが解析され,入力されたシーン条件に合致した映像部分が検出される(ステップ303)。シーン条件ごとに検出した映像部分の時間が,解析された映像を表す映像データが格納されている映像ファイルのヘッダに記憶される(ステップ304)。
図43は,パーソナル・コンピュータ50の処理手順を示すフローチャートである。再生ウインドウ100のソフトウエアが起動させられことにより,図43に示す処理が開始する。
パーソナル・コンピュータ50の表示装置52の表示画面に再生ウインドウ100が表示される(ステップ311)。映像解析において見つけられたシーン条件に合致した映像部分の時間を表すデータが映像ファイルのヘッダから読み出される(ステップ312)。また,映像ファイルに関連づけられている履歴情報を表すデータが読み出される(ステップ313)。シーン条件に合致した映像部分の時間を示す位置に第1のマークが付けられ(ステップ314),履歴情報にもとづく映像部分の時間を示す位置に第2のマークが付けられる(ステップ315)。
図44は,再生ウインドウ100の一例である。
図44に示す再生ウインドウ100においては,映像表示領域111の下方に再生バー(シーク・バー)300が形成されている。この再生バー300は,映像全体のうち映像表示領域111に現在表示されている映像の位置等を示すものである。再生バー300には,円形の円マーク351,バツ印の第1のマーク361および四角形の第2のマーク362が表示されている。円マーク351は,映像表示領域111に表示されている現在の映像の位置を示す。第1のマーク361は,シーン条件に合致したシーンの映像位置を示す。たとえば,シーン条件として「子供が写っているシーン」が指定されたとすると,第1のマーク361の位置に対応する映像は子供が写っている映像となる。複数のシーン条件が指定されてもよい。シーン条件の種類に応じてマークを変えなくともよいが,シーン条件の種類に応じてマークを変えるようにするとよい。第2のマーク362は,履歴情報(車両に関する情報)にもとづくシーンの映像位置を示す。たとえば,履歴情報として急ブレーキの情報が指定されたとすると,第2のマーク362の位置に対応する映像は急ブレーキがかけられた映像となる。複数の履歴情報を指定してもよい。履歴情報の種類に応じてマークを変えなくともよいが,履歴情報の種類に応じてマークを変えるようにするとよい。
再生バー350の下には,第1の飛ばし再生ボタン341および第2の飛ばし再生ボタン342が形成されている。第1の飛ばし再生ボタン341には「飛ばし1」の文字列が表示されている。第2の飛ばし再生ボタン342には「飛ばし2」の文字列が表示されている。
図45は,第1の飛ばし再生の処理手順を示すフローチャートである。
第1の飛ばし再生ボタン341が押されると(ステップ321でYES),円マーク351にもっとも近い第1のマーク361の位置に円マーク351が移動させられる(ステップ322)。映像の再生中であれば,円マーク351が移動した第1のマーク361の位置までの映像の再生が飛ばされ,円マーク351が移動した第1のマーク361の位置から再生が行われる。映像の再生中でなければ,円マーク351が移動した第1のマーク361の位置に対応する映像の静止画が映像表示領域111に表示される。再度第1の飛ばし再生ボタン341が押されると,次の第1のマーク361の位置に円マーク351が移動する。
第1の飛ばし再生ボタン341を利用することにより,シーン条件に合致した映像部分を見つけながら比較的短時間で映像を見ることができる。
図46は,第2の飛ばし再生の処理手順を示すフローチャートである。
第2の飛ばし再生ボタン342が押されると(ステップ331でYES),円マーク351にもっとも近い第2のマーク362の位置に円マーク351が移動させられる(ステップ332)。映像の再生中であれば,円マーク351が移動した第2のマーク362の位置までの映像の再生が飛ばされ,円マーク351が移動した第2のマーク362の位置から再生が行われる。映像の再生中でなければ,円マーク351が移動した第2のマーク362の位置に対応する映像の静止画
が映像表示領域111に表示される。再度第2の飛ばし再生ボタン342が押されると,次の第2のマーク362の位置に円マーク351が移動する。
第2の飛ばし再生ボタン342を利用することにより,履歴情報に基づくシーンの映像部分を見つけながら比較的短時間で映像を見ることができる。第1のマーク361と第2のマーク362とは表示形態が変わっていればよく,形状が異なってもよいし,色が異なってもよい。
イベントの検索のトリガにおいて,一つ一つ再生して確認するか,時間を覚えていて再生しているが,上述のように,「あの時,人が写っていた。信号が赤だった。どこどこの場所だった。何時くらいだった。」というシーン条件を入力すると,その入力に応じてイベントが見つかる。常時記録とイベント記録とは別に記録されているが,それぞれの関連性はつけていない。常時記録を再生しているときに,イベント記録があるポイントというのはイベント記録ファイルの日付を見ればわかる。常時記録ファイルのスライド・バーの中に,この箇所にイベントあります,という線などを表示する。このような線の位置に直接飛ぶことができる。その線に直接飛ぶボタンがあったら便利となる。ボタンを押して直接飛ぶのがイベントの場所ではなくて,画像解析をして,先程の人が写っていた場所などに直接飛ばすとよい。交差点の場所,人が横切る,かわいいお姉さんが写っているのを次から次に表示していくとよい。イベント記録とは別に,常時記録の映像の画像解析で信号機とか,人が横切るとか,道路標識があるところとかをトリガとして抽出できる。それらの場所から次々に表示できるようになる。それらのトリガを種類別に線の色を変えて種類別に再生を繰り返すとよい。再生指令はボタンでもメニューでもいい。メニューの中に「飛ぶ」というものがあり,その中にいろいろな種類のものが入っているとよい。
[第8実施例]
図47から図49は,第8実施例を示している。
図47は,ドライブ・レコーダ1の送信処理手順を示すフローチャートである。
図47に示す処理手順はドライブ・レコーダ1からの映像データの送信を制限するものである。
上述のようにイベント等が発生し,ドライブ・レコーダ1のCPU20aにより送信コマンドが発生すると,ドライブ・レコーダ1から映像データが送信された回数が制限回数となったかどうかが確認される(ステップ341)。制限回数は,一定期間内の制限回数であり,時間単位,日にち単位,週単位,月単位などの制限回数のいずれでもよい。制限回数に達していないと(ステップ341でNO),送信データ量の総量が制限データ量となったかどうかが確認される(ステップ342)。制限データ量の総量も,一定期間内の送信データ量の総量であり,時間単位,日にち単位,週単位,月単位などの送信データ量の総量のいずれでもよい。送信データ量の総量が制限データ量に達していないと(ステップ342でNO),上述したように送信用映像データがドライブ・レコーダ1のLTEモジュール21を利用して所定のサーバ等に送信される(ステップ343)。
送信が完了すると,送信回数が1つ増加させられる(ステップ344)。送信回数を表すデータはドライブ・レコーダ1のRAM20cに記憶される。また,送信データ量もドライブ・レコーダ1のRAM20cに記憶される(ステップ345)。
送信回数が制限回数となっている(ステップ341でYES),あるいは送信データ量の総量が制限データ量となっている(ステップ342でYES)と,送信制限になっているのでデータ送信できない旨を示すデータがドライブ・レコーダ1のLTEモジュール21を用
いてサーバ等に送信される(ステップ346)。これにより,受信していないデータについては,LTEモジュール21を用いずにWi-Fi等を利用してサーバ等に送信できる。また,メモリ・カードから映像データを読み取るようにしてもよい。
LTEモジュール21を利用した通信は費用がかかるが,送信するデータが制限されるので,その費用を抑えることができる。また,受信していないデータが存在する場合には,その存在が知らされるので,費用のかかるLTEモジュール21を利用した方法以外の方法でデータを受信することができる。
図48は,ランキング表示の処理手順を示すフローチャートである。
サーバにおいて,通信データ量がユーザごとに検出される(ステップ351)。たとえば,ドライブ・レコーダ1のLTEモジュール21にはSIM(Subscriber Identity Module)カードが装填されており,そのSIMカードを利用してLTEに基づく通信が行われている場合,そのSIMカードの契約会社のサーバにアクセスすることにより通信データ量をユーザごとに検出できる。サーバに表示コマンドが与えられると(ステップ352でYES),通信データ量がサーバに接続された表示装置の表示画面にユーザごとに表示される(ステップ353)。
図49は,通信データ量を示すグラフの一例である。
図49には,ユーザ1からユーザ6の通信データ量が示されている。ユーザ1からユーザ6の通信データ量のうち,ユーザ4の通信データ量が他のユーザと比べて多くなっていることが分かる。たとえば,ユーザ4の通信データ量と,サーバに送信されたユーザ4の映像データ量と比較して,一致していないと,ユーザ4は,ドライブ・レコーダ1からの映像データの送信ではなく,たとえば,ドライブ・レコーダ1に装填されている通信用のSIMカードを抜き取り,私的流用している可能性があることが分かる。ユーザ4の通信データ量と,サーバに送信されたユーザ4の映像データ量と比較して,一致していると,運転が荒いと多くのイベントが発生し送信される映像のデータ量が多くなる。このためにユーザ4の運転が荒いことが分かる。また,ドライブ・レコーダ1における映像データの送信設定が悪いために映像データのデータ量が多くなっているかどうかについても確認できる。
[第9実施例]
図50から図52は,第9実施例を示している。
図50は,ドライブ・レコーダ1の処理手順を示すフローチャートである。たとえば,ドライブ・レコーダ1が設置されている車両のエンジンがオンとされ,ドライブ・レコーダ1の電源がオンされることにより開始する。
ドライブ・レコーダ1とサーバとの間で映像データの通信速度の試験が行われる(ステップ361)。通信速度の試験が成功すると(ステップ362でYES),試験結果にもとづいて送信用映像データの解像度,フレーム・レート,ビット・レートなどが,ドライブ・レコーダ1のCPU20aにおいて決定される(ステップ363)。たとえば,通信速度が速ければ,送信用映像データによって表される映像が相対的に高画質となるように解像度,フレーム・レート,ビット・レートなどが決定され,通信速度が遅ければ,送信用映像データによって表される映像が相対的に低画質となるように解像度,フレーム・レート,ビット・レートなどが決定される。
イベントなどが起きたことによりドライブ・レコーダ1のCPU20aにおいて記録コマ
ンドが発生すると(ステップ364でYES),決定された解像度等によって送信用映像データが記録される(ステップ365)。
通信速度の試験が成功しない場合には(ステップ362でNO),試験の失敗回数が所定回数に達したかどうかが確認され(ステップ366),所定回数に達していない場合には(ステップ366でNO),通信速度の試験がリトライされる(ステップ361)。通信速度の試験の失敗回数はドライブ・レコーダ1のコントローラ20において計数されているのはいうまでもない。必要であればドライブ・レコーダ1にカウンタが設けられる。通信速度の試験の失敗が所定回数に達した場合には(ステップ366でYES),記録コマンドが発生すると(ステップ367でYES),所定の解像度等で映像データ記録される(ステップ368)。
図51および図52は,ドライブ・レコーダ1に偏光フィルタが装着されている場合の処理手順を示している。
図51は,ドライブ・レコーダ1の処理手順を示すフローチャートである。
記録コマンドが発生すると図51に示す処理が開始する。ドライブ・レコーダ1のCPU20aによって,ドライブ・レコーダ1のカメラ17に偏光フィルタが装着されているかどうかが確認される(ステップ371)。たとえば,ドライブ・レコーダ1に偏光フィルタが装着されていることを示すスイッチが設けられている場合には,そのスイッチの状態を検出することにより偏光フィルタの装着が検出される。ドライブ・レコーダ1に偏光フィルタが装着されていることを示すセンサが設けられている場合には,そのセンサにより偏光フィルタの装着が検出される。カメラ17により撮影された映像データによって表される映像をCPU20aによって解析(画像認識)(たとえば,窓ガラスへの車内,ダッシュボード等の偏光フィルタの映り込みの有無の解析等)することにより,変更フィルタの装着を検出してもよい。
映像データがSDカード23に記録され(ステップ372),かつ偏光フィルタが装着されている状態で記録された映像データであることを示す識別データも,その映像データが格納されるファイルのヘッダに記録される(ステップ374)。ドライブ・レコーダ1に発光ダイオードなどの表示装置を設け,偏光フィルタが装着されている場合には,その発光ダイオードを点灯させるようにしてもよい。
ドライブ・レコーダ1に偏光フィルタが装着されていない場合には(ステップ371でNO),上述の識別データが記録されることなく映像データがSDカード23に記録される(ステップ374)。もっとも,偏光フィルタが装着されていない状態で記録された映像データであることを示す識別データを,その映像データが格納されるファイルのヘッダに記録されるとよい。
図52は,再生ウインドウ100における再生処理手順を示すフローチャートである。
再生する映像データが格納されているファイルが指定され,再生ボタンなどにより再生コマンドが与えられることにより図52に示す処理が開始する。
映像データが格納されているファイルのヘッダが検索され,ドライブ・レコーダ1に偏光フィルタが装着されている状態で記録された映像データを表す識別データがヘッダに記録されているかどうかが確認される(ステップ381)。
つづいて,映像データが再生され,映像が表示される(ステップ382)。映像データの
再生において,映像データが,偏光フィルタが装着されている状態で撮影されたことがユーザに報知(表示,音声出力等)される(ステップ383)。
識別データが記録されていない場合でも,映像データが再生され,映像が表示されるが(ステップ384)。映像データの再生において,映像データが,偏光フィルタが装着されている状態で撮影されたことはユーザに報知(表示,音声出力等)されない)。もっとも偏光フィルタが装着されていない状態で撮影されたことをユーザに報知するとよい。
ドラレコが高画質となっていき,実際に見えていないものまで記録されていることがある。仮に事故にあった運転者にすると,実際に見ていた状況と違うということが裁判で言いたくなるが裁判で証拠として出されてしまうと運転者にとって不利な,より鮮明な映像が証拠としてでてしまう可能性がある。そのときに偏光フィルタの有無などのような情報がついていることにより,「これは偏光フィルタが装着されていたときに撮影された映像だから自分が見た光景とは違う。」という主張が可能となる。そのような主張の証明となる。
[第10実施例]
図53から図56は,第10実施例を示している。
図53は,ドライブ・レコーダ1の処理手順を示している。
ドライブ・レコーダ1は,ドライブ・レコーダ1が設置されている車両の運転者以外のユーザのスマートフォンと通話(通信)できる機能を有する。もちろん,その車両の運転者のユーザのスマートフォンと通話(通信)することもできる。ドライブ・レコーダ1が車両の外(中でもよい)にいるユーザが持っているスマートフォンなどのような所定の通話装置と接続されると(ステップ391でYES),テレビ電話記録モードがドライブ・レコーダ1に設定されているかどうかが確認される(ステップ392)。ドライブ・レコーダ1にはテレビ電話記録モードを設定できるモード・スイッチなどが設けられるのはいうまでもない。テレビ電話記録モードが設定されていると(ステップ392でYES),通話装置との通話内容を表すデータがSDカード23に記録される。たとえば,SDカード23に通話記録領域が規定され,その通話記録領域に通話内容を表すデータが記録される。ドライブ・レコーダ1にはマイクロフォンが設けられ,そのマイクロフォンを用いてドライブ・レコーダ1に音声が入力される。
通話装置からの着信によりドライブ・レコーダ1と通話装置とが通信(通話)してもよいし,ドライブ・レコーダ1から通話装置に発呼することによりドライブ・レコーダ1と通話装置とが通信してもよい。運転中であってもドライブ・レコーダ1を用いて通話できるようになる。ドライブ・レコーダ1に車内を撮影できるカメラを設けることにより,ドライブ・レコーダ1をテレビ電話として用いることができる。
図53は,再生ウインドウ100による再生処理手順を示すフローチャートである。
再生用のパーソナル・コンピュータ50に映像データが格納されている多数のファイルが記録されているSDカード23が装填される。そのSDカードには,ドライブ・レコーダ1によって撮影された映像データが格納されているファイルだけでなく,ユーザの営業所内外,会社内外等の監視カメラ等により撮影された映像データが格納されている多数のファイルも記録されているものとする。それらのファイルのヘッダには,画像認識等により映像に記録されているユーザを識別するユーザIDおよび撮影日を表すデータも記録されている。したがって,どのファイルに誰が写っているかが撮影日ごとにわかる。
たとえば,再生する映像データが撮影された日にちおよび動向を確認したいユーザのユーザIDが入力され,その日にちに撮影された映像データが格納されている映像ファイルのうち,入力されたユーザIDによって特定されるユーザが写っている映像データが,パーソナル・コンピュータ50のCPU58によって見つけられる(ステップ401)。見つけられた複数の映像データが時間順に連続して再生される(ステップ402)。
ユーザの1日の動きを会社,営業所などを出るときのカメラ映像,ドライブ・レコーダ1でのカメラ映像,会社,営業所などに戻ってきたときのカメラ映像のように,すべて一連のタイムライン上で見ることができるようになる。ユーザ(従業員)が,たとえば1日について適正な勤務状況であったかどうかを容易に把握できる。
ドラレコの映像と事務所の映像とをシームレスに再生できるようになる。ドライブ・レコーダは,今車に乗っている間しかわからないが,車に乗る前の状態,事務所に出てきたときの運転者の顔の状態はどうだったのか,飲んできたのではないのかなど。1日の動きがわかるようになる。ドライブ・レコーダの映像以外に事務所に出勤してきたときの映像,帰りに報告するときの映像というのも取得でき,同じ日にちの同じ運転者のIDがついているものを連続して再生できる。何か所か回って,それぞれの場所でエンジンを切った場合には1日の中でもファイルが分かれるので,それらをつなげて再生できるようになる。事務所の監視カメラで撮影した映像もつなげて1日の流れを再生できる。事務所での映像,1回目の訪問での映像,2回目の訪問での映像,・・・事務所に戻ってきたときの映像というのを連続して再生できる。たとえば,トラック,バス,タクシーの運行管理者は点呼という作業が必要だが,その映像を撮影して,会社側,管理者側では朝,帰り等でチェックしていることを確認できる。
図55は,ドライブ・レコーダ1の処理手順を示すフローチャートである。
図55に示す処理は,ドライブ・レコーダ1のCPU20aにおいて記録コマンドが発生したことにより開始する。図55に示す処理は,第1のSDカードと第2のSDカードとの2つのSDカードが装填できる構成をもつドライブ・レコーダ1において行われる。
カメラ17によって撮影された映像データは,RAM20cに一時的に記憶される。RAM20cから映像データが読み出され,CPU20aにおいて映像データが加工される(ステップ411)。たとえば,映像(特に,天周映像)の一部の切り出し,座標変換などの加工が行われる。加工された映像データが第1のSDカードに記録される(ステップ412)。加工内容を表すデータが,映像データが格納されているファイルのヘッダに記録される(ステップ413)。また,加工されていない映像データがRAM250cから読み出され,第2のSDカードに記録される(ステップ414)。第2のSDカードに記録される映像データは加工されている映像データよりも生映像に近い映像を表す映像データであり,たとえば,RAW映像データ,H246等にもとづいて圧縮された映像データである。
加工されていない映像データを第2のSDカードに記録し,第2の加工されていない映像データを第2のSDカードから読み取って加工し,加工された映像データおよび加工された映像データを示すデータを第1のSDカードに記録する構成とするとよい。
また,カメラのドラレコ(特に全天球ドラレコ)の映像で,前方用映像を表す映像データを第1のSDカード(一方のSDカード)に記録し,後方用映像を表す映像データを第2のSDカード(他方のSDカード)に記録する構成とするとよい。第1のSDカードに記録されている映像データによって表され映像と第2のSDカードに記録されている映像データによって表される映像とは同時刻の映像が少なくとも一部は重複する構成とするとよい。
図56は,図55を用いて説明したように2つのSDカードに記録された映像データの再生処理手順を示すフローチャートである。
第1のSDカードと第2のSDカードとが再生用のパーソナル・コンピュータ50などに装填される。
第1のSDカードから,第1のSDカードに記録されている加工された映像データ(第1の映像データ)およびその加工内容を表すデータがそれぞれ読み取られる(ステップ421)。また,第2のSDカードから,第2のSDカードに記録されている加工されていない映像データ(第2の映像データ)が読み取られる(ステップ422)。
第2の映像データによって表される映像および第1の映像データによって表される映像が表示される。この際に,加工されていない映像中において,加工された部分を示す加工範囲が示される(ステップ423)。加工映像が映像全体のどの部分が加工されているのか,表示しているのかがわかる。とくに,同時刻の2つの映像を同期させて2つのウインドウ(表示領域)においてそれぞれの映像を表示させるとよい。
ドライブ・レコーダ1において映像データを加工せずに,映像を再生する再生装置であるパーソナル・コンピュータなどにおいて映像データを加工して,加工映像と加工していない映像(たとえば,RAW映像)とをともに表示するようにしてもよい。
パーソナル・コンピュータなどの再生装置においては,2つの映像は別々のSDカードに記録されているので,ファイル間の対応関係を把握しなければならないが,時刻で把握できる。
[第11実施例]
図57から図59は,第11実施例を示している。
図57は,ドライブ・レコーダ1の処理手順を示すフローチャートである。
図57に示す処理手順においては,ドライブ・レコーダ1にシェア・ボタンが設けられる。シェア・ボタンが押されたことを示す信号はドライブ・レコーダ1のコントローラ20に入力する。シェア・ボタンは必ずしも物理的に存在するボタンでなくともよく,ディスプレイ11の表示画面上に表示されるソフトウエア・ボタンでもよい。
ユーザによってシェア・ボタンが押されると(ステップ431でYES),常時記録で記録されている映像データのうち,シェア・ボタンが押された前後の一定期間内に撮影された映像を表す映像データが,あらかじめ定められたクラウド・サーバに送信される(ステップ432)。クラウド・サーバに送信された映像データは,あらかじめ定められたURL(Uniform Resource Locator)によって特定される保存場所に保存される。
また,シェア・ボタンが押されたときの車両の位置,シェア・ボタンが押されたときの時間およびクラウド・サーバの保存場所を特定するURLを示すデータが,常時記録の映像データが格納されているファイルのヘッダに記録される(ステップ433)。
シェア・ボタンが押された場合に限らず,上述したようにイベントが発生したときもシェア・ボタンが押された場合と同様にイベント発生の前後の映像データ(この場合,上述のように送信用映像データでもよい)をクラウド・サーバに送信する機能とするとよい。
図58は,パーソナル・コンピュータ50における再生処理手順を示すフローチャートであ
る。
ドライブ・レコーダ1において映像データが記録されたSDカード23がパーソナル・コンピュータ50に装填され,再生ウインドウ100の再生ボタンが押されることにより,図58に示す処理が開始する。
再生している映像の撮影場所近郊を示す地図が再生ウインドウ100の地図画像表示領域121に表示される(ステップ441)。地図画像表示領域121に表示されている地図によって表される場所に,シェア・ボタンが押されたときの場所が含まれているときには,その場所を表すアイコンが地図に表示される(ステップ442)。シェア・ボタンが押された場所を示すデータは,映像データが格納されているファイルのヘッダに記録されているので,そのヘッダから読み取られてアイコンが地図に表示される。また,アイコンはクリッカブルなもので,映像データの保存場所を示すURLがリンク付けされている。このURLについても,映像データが格納されているファイルのヘッダに記録されているので,そのヘッダから読み取られてアイコンにリンク付けされることとなる。
地図に表示されているアイコンがユーザによってクリックされると(ステップ445でYES),そのクリックされたアイコンにリンク付けされているURLのリクエスト・データが送信される。すると,URLによって特定される保存場所に保存されている映像データが地図を再生しているパーソナル・コンピュータ50に送信される。シェア・アイコンが押された場所の近傍の映像をユーザが見ることができる。
たとえば,上述したアイコンが表示されている地図をインターネット上に公開することにより,第三者がその地図を見てアイコンをクリックすることにより,アイコン近傍の映像を見ることができるようになり,撮影した映像をシェアできることとなる。
図59は,ドライブ・レコーダ1と通信可能なスマートフォンの処理手順を示すフローチャートである。
スマートフォンは,車両に設置されているドライブ・レコーダ1とWi-Fi,Bluetooth(登録商標)などにより通信可能に範囲に置かれている。たとえば,ドライブ・レコーダ1が自動車に設置されている場合にはその自動車内にスマートフォンが置かれている。また,スマートフォンは,無線LAN(local area network)環境などのある自宅,会社,事業所などに置かれているスマート・スピーカなどと無線LANを介してインターネット接続する機能を有する。
スマート・スピーカを利用して,スマートフォンに,たとえば,映像データの送信コマンド(トリガー)を送信し,その送信コマンドがスマートフォンにおいて受信されると(ステップ451でYES),受信した送信コマンドがスマートフォンによってドライブ・レコーダ1に送信される(ステップ452)。たとえば,「Aさんの映像を頂戴」というコマンドがスマート・スピーカに言うと,そのコマンドがAさんのスマートフォンに送信され,スマートフォンから,Aさんが運転している自動車に設置されているドライブ・レコーダ1に映像データの送信コマンドが送信される。
ドライブ・レコーダ1において,スマートフォンからの送信コマンドが受信されると,そのコマンドに応じて,ドライブ・レコーダ1に記録されている映像データがドライブ・レコーダ1からスマートフォンに送信される。スマートフォンに送信される映像データは,コマンドを受信した直前に記録された映像データでもよいし,コマンドを受信したタイミングの前後または前の一定期間内の映像データでもよいし,コマンドを受信した日に記録された映像データでもよい。
ドライブ・レコーダ1から送信された映像データをスマートフォンが受信すると(ステップ453でYES),その受信した映像データがスマートフォンからサーバに送信される(ステップ454)。
このように,スマホはクラウドに接続可能であり,スマホにクラウドからプッシュしてWi-FiかBluetoothでスマホと接続したドラレコへトリガをスマホから送ることとなる。IFTTTになどと連携して動作できるようにすると超絶便利となる。例えば事務所に設置したスマート・スピーカに管理者Xが「Aさんの映像頂戴」というと,運転者Aのスマホに通知を送り,スマホからドラレコにトリガーを送ってドラレコで記録する。トリガ名をユーザが設定できるようにしておく。ビューアでは設定されたトリガ名を表示する。例えば「管理者Xから運転者Aへの音声による撮影トリガ」のように表示する(例えば人気のある運転者(危ないやつ)にはいろんな管理者から沢山のトリガがかかる。)。
スマホはクラウドにつながっている。スマホがインターネット接続されているので,ドライブ・レコーダに直接LTE接続する機能が無い場合,スマホはインターネットに接続できるので。スマホとドラレコとをペアリングしてブルートゥースでつなぐようになる。サーバからはスマホに指示してスマホからドラレコに指示することとなる。事務所に設置したスマート・スピーカに,ある運転手の映像をくださいと指示すると,スマート・スピーカからスマホに指示し,スマホがドラレコに指示することとなる。トリガの名前が大事である。今,トリガの名前は固定,たとえば,加速度のトリガとか,スイッチを押したトリガとか,決まったトリガしかないが,トリガの名前を付けられるとよい。これは,XさんからYさんに撮影の指示があったトリガとかを設定できるとよい。ビューワでトリガの名前をユーザが自分で変えられるとよい。ビューワでトリガ名を表示するには,イベントのときにはスライド・バーのところに緑色の線がついているが,その緑のところにマウスをオーバーさせると,そこにトリガ名がポップアップする。黄色の線だとスマホ・トリガとか,スマホのトリガは管理者Aさんからのトリガだとか,トリガ名がポップアップするとよい。
また,ゲーマーはFPS(frames per second)が気になるので,記録フレーム・レートと表示フレーム・レートとを表示する機能をPCビューアに設けるとよい。ビューアにはフレーム補完機能を設けても良い。記録のフレーム・レートは決まっているが,再生の方はPCの能力によって記録時のフレーム・レートを再現できないことがある。記録のフレーム・レートと再生(表示)のフレーム・レートとの両方を表示画面に表示する。再生されている映像の左上にスーパーインポーズのような感じで表示する。記録30fps,再生25fpsとかで表示され再生の方は変わっていく。ドラレコのスペックが悪いのでなくPCのスペックが悪いので映像がなめらかに表示されないことが分かる。
[第12実施例]
図60から図62は,第12実施例を示している。
図60は,映像データの再生時の処理手順を示すもので,パーソナル・コンピュータ50の再生装置の処理手順を示すフローチャートと,パーソナル・コンピュータ50と通信可能なロボットの処理手順を示すフローチャートと,を示している。
ロボットは,たとえば,人型ロボットであり,胴体部に頭部,両腕および両足がついている。ロボットは,Wi-Fiなどのパーソナル・コンピュータ50と通信機能を有する。ロボットに内蔵するコンピュータによってロボットの動作が制御され,パーソナル・コンピュータ50との通信内容に応じた動作を行う機能を有する。ロボットは人型ロボットに限らず,犬,猫などの動物型のロボットなどでもよい。
映像データが記録されているSDカード23がパーソナル・コンピュータ50に装填され,再生プログラムの起動後に再生ボタンがクリックされると,映像データが再生される(ステップ461)。映像データの再生中に,急ブレーキなどの衝撃箇所が再生されると(ステップ462でYES),パーソナル・コンピュータ50からロボットに衝撃動作を行なうコマンドが送信される(ステップ469)。
パーソナル・コンピュータ50から送信されたコマンドがロボットにおいて受信されると(ステップ471でYES),コマンドの受信に応答して倒れる動作をロボットが行う(ステップ472)。ロボットは起き上がり,危険な運転についてユーザに注意する(ステップ473)。たとえば,危険な運転であることを音声で出力する。
映像データの再生が終了しなければ(ステップ464でNO,ステップ474でNO),再生装置はステップ461からの処理が繰り返され,ロボットはステップ471からの処理が繰り返される。
PCビューアからコミュニケーション・ロボットへ動作指示を送る。例えば,衝撃があった箇所を再生しているときに,コミュニケーション・ロボットが倒れそうな動作をする。そして起き上がってこんな危ない運転はだめだよ,と叱る動作をする。教習所などにおいておくと効果抜群である。バス・運送車両等の運行管理者から叱られると角が立つが,ロボットから叱られるのであれば人間関係に影響がない。通常は運行管理者という人がドライバを指導する場合,運行管理者が指導するが,その代わりにロボットが客観的に,ロボットが言ってくれる。トリガの内容とロボットがしゃべる内容を関連づけておき,トリガのところが再生されるとしゃべる。動きも関連づけて記憶しておく。Gセンサとかの加速度の大きさに動き,音量を合わせる。対応関係が記録されておき,その再生時点となるとロボットが指示する。
また,パーソナル・コンピュータ50において,帳票はあきらめ,プレゼン・ファイルの書き出し機能を設けるとよい。業務用ドライブ・レコーダは,業務用レポートを紙で出すという機能がある。「あなたの運転は何点です。急ハンドルが多い。」とか,言葉で注意事項が記載される。帳票がPCビューワの印刷機能から出力されるのがある。帳票を出力する代わりにプレゼン・ファイル,パワー・ポイントのひな型みたいのがあり,そこにあなたの運転が何点ですよ,というファイルが出てくる。
図61は,バーチャル・リアリティ装置の処理手順を示すフローチャートである。
パーソナル・コンピュータ50などの映像データの再生装置とバーチャル・リアリティ装置とが接続される。バーチャル・リアリティ装置には,VRコントローラとヘッド・マウント・ディスプレイとが含まれており,ヘッド・マウント・ディスプレイをユーザがかぶり,VRコントローラを用いて操作する。ヘッド・マウント・ディスプレイをユーザがかぶると,再生ウインドウ100がバーチャルで表示される(ステップ481)。
バーチャル・リアリティ装置のVRコントローラに形成されている2画面表示ボタンが押されると(ステップ482でYES),ヘッド・マウント・ディスプレイを被ったユーザは,第1のウインドウと第2のウインドウとが見える。第1のウインドウは,図26に示す再生ウインドウ100に対応し,操作ボタン類が表示されており,第2のウインドウは,図26に示す映像表示用ウインドウ160に対応し,映像が表示される(ステップ483)。
バーチャル・リアリティ装置のVRコントローラに形成されている展開用表示ボタンが押されると(ステップ484でYES),ヘッド・マウント・ディスプレイを被ったユーザ
は,全天球画像が展開して表示される(ステップ485)。
Windowsのアプリケーションのウィンドウは,3次元空間上に平面(板)または,緩やかな円筒面(または球面)の一部として配置できる。PCビューア(再生ウインドウ100を制御する再生ソフトウエア)を起動した場合,同様に,3次元空間上に平面(板)または,緩やかな円筒面(または緩やかな球面)の一部として,アプリの画面を配置できる。したがって,PCビューアの2画面表示ボタンを押すと,片側をPCビューア操作部,もう片側を再生映像とする表示がなされる。
上述のように,VR空間内で,人がいる場所を原点として球の内部全体に全天球映像を展開(テクスチャマッピング)する表示用ボタンを設ける。このボタンを押すとまるで車内に自分がいるかのような映像を見ることができる。球はWindowsのウィンドウの奥側に表示するようにしてもよいが,ウィンドウを,ウィンドウをすべて非表示として完全に車内にいるような表示状態としてもよい。コントローラのボタンで両社を切り替えられるようにするとよい。また,ウィンドウよりも手前に球を表示してもよい。球の外まで自分の位置を変える(前進すると球の外側に出て,操作ウィンドウなどを操作できる。例えば球の外側に出た状態で球の外側に映像を展開するとよい。このようにすれば球の外側からも映像を見ることができる。完全な球に展開するのではなく,レンズなど光学系の歪みなどを補正するように設定した曲面にマッピングするようにしてもよい。映像を投影する球面を半透過とする機能を備えるとよい。コントローラのボタンを押すと半透過にできるようにするとよい。原点位置と,球の半径は,コントローラの左右のスティックの上下などで可変するとよい。サムネイル表示,地図表示,加速度グラフなどはそれぞれ独立のパネルとして球の内側の3次元空間に配置するとよい。再生・停止・次のイベントなどの再生制御機能はコントローラで行えるように構成するとよい。
VRのヘッドセットというのがあり,PCビューワを起動するとVR上も板みたいな感じで表示される。再生してもその板に天球映像が再生される。2画面表示をしようとすると,左側がビューワの操作部,右側が再生されている映像の板同士があるという感じする構成とするとよい。VR空間上で人がいる場所を原点として球の内部に全天球映像を展開する表示用ボタンを設け,そのボタンを押すとVRモードとなる。自分が天球の中にいる感じで表示される構成とするとよい。運転席に座っているイメージとなる。実際には設置位置にいる感じとなる。
球はWindowsのウインドウの奥側に表示する構成とするとよい。パソコンの映像を見ながら(パソコンを操作しながら),球の映像を見ることができる。ウインドウの操作ウインドウは非表示として映像の中にいるようにしてもいい。コントロールのボタンで両方を切り替える。コントローラのスティックを利用して球の半径を調整する。原点の位置もスティックで調整する。ウインドウよりも手前に球があってもいい。その状態で後ろを見ると球を見る状態だが,ユーザが動き,球を破ると映像が見える。その状態で後ろ側を見れば,球がある状態となるので,球の裏にも映像を張り付けると球の外側からも映像を見える。
実際にはレンズの歪があるので,ラグビーボール,卵のような形に映像を展開する。レンズの歪を補正した映像を見ることができる。ウインドウの中には地図表示,加速度グラフ,操作ボタンがあるが,VR画面の中にこれらのボタン,オブジェクトが割り当てられている。操作パネル的なものは3次元空間上にパネルとして表示される。
図62は,ドライブ・レコーダ1とスマートフォンとテレビジョン装置との処理手順を示すフローチャートである。
図62に示す処理は,ドライブ・レコーダ1に装填されているSDカード23に記録されている映像データを自宅,会社,事業所などに置かれているテレビジョン装置において見るものである。
自宅,会社,事業者などいるユーザがスマートフォンを用いて車両に搭載されているドライブ・レコーダ1に再生コマンドを送信する(ステップ501)。車両のエンジンがオフになっている場合には,ドライブ・レコーダ1はモバイル・バッテリなどにより電源が供給されており,再生コマンドを受信する。
スマートフォンから送信された再生コマンドをドライブ・レコーダ1において受信されると(ステップ491でYES),SDカード23に記録されている映像データが読み取られ,読み取られた映像データがドライブ・レコーダ1からスマートフォンに送信される(ステップ492)。
ドライブ・レコーダ1から送信された映像データがスマートフォンにおいて受信されると(ステップ502でYES),受信した映像データがスマートフォンからテレビジョン装置に送信される(ステップ503)。
スマートフォンから送信された映像データがテレビジョン装置において受信されると(ステップ511でYES),映像が再生されてドライブ・レコーダ1によって撮影された映像がテレビジョン装置の表示画面に表示されることとなる(ステップ512)。テレビジョン装置は,スマートフォンとWi-Fi接続する機能を有し,Wi-Fiを利用してスマートフォンから送信される映像データを受信して再生する。また,テレビジョン装置が自宅,会社,事業所などのLANと接続されており,インターネットと接続されている構成としてもよい。インターネットを介してスマートフォンからテレビジョン装置に映像データが送信されることとなる。
スマート・スピーカに対して,「動画再生サイトでパンダ再生して」などと言うと,Wi-Fi装置に接続されたテレビの電源が入り,そのテレビでパンダのビデオが流れる。BGVとしてテレビで映像を流して欲しい場合のように,特に細かく指定する必要がないときなどに,音声でざっくり指示したものが,テレビで再生されるのは非常に便利である。ドラレコの映像は事故が起きない限り再生しない人が多く,せっかくとった映像がほとんど活用されていない。さらには,事故が起きる前からドラレコが正常に動作していなかったにもかかわらず,そのことを知らずに,使っているときに事故が起きた場合には,肝心の事故映像が記録されていないといった事態が考えられる。
音声でドラレコ映像を再生できるようにする。車内においてスマホ等で操作するようにしてもよいが,車が家の近くでWi-Fiなど電波が届くなら自宅内のスマホ,スマート・スピーカ,コミュニケーション・ロボット,専用機器等から操作するようにするとよい。音声認識機器(スマホ,スマート・スピーカ,コミュニケーション・ロボット等)に,「ドラレコの映像流して」と言うと,ドラレコの電源をオンにし,『自分の』ドラレコの映像をWi-Fi等の無線でストリーミング転送させ,その映像をテレビで再生する(エンジンが切れていればバッテリ駆動する)。「昨日のドラレコの映像を流して」というと,昨日のドライブ・レコーダの映像を,ドラレコやドラレコから転送済みのデータを記憶する記憶装置(スマホやPC)を検索して,あれば流す,なければ「昨日のドライブ・レコーダの映像は見つかりませんでした」という。「代わりに一昨日のドライブ・レコーダの映像を再生します」のように最も近いドライブ・レコーダの映像を代わり再生するとよい。「さっきでかけたときのドラレコの映像流して」と言うと直近のドラレコの映像を再生する。ドラレコ再生時にはドラレコ映像とともに記録された音声も再生するとよいが,別の音楽等をBGMとして再生する機能を備えるとしてもよい。「BGMは○○にして」というと,ドラレ
コ音声に変えて,その曲をSpotifyなど音楽ストリーミング・サービスで映像とともに再生する。再生は,イベントが発生している箇所を中心にダイジェスト再生をするとよい。「ドラレコの映像を5分くらいで再生して」のように再生時間を指定できるようにするとよい。このとき,例えば,映像を指定された時間にまとめて再生する。映像は未再生の映像を優先して再生するようにするとよい。
ドラレコの映像の「再生中」に「この映像をとっておいて」という音声が認識されると,ドラレコからWi-Fi等で記憶装置(スマホやPCなど)に,その再生中の映像ファイルを転送する。動画投稿SNSにアップしてシェアするようにしてもよい。ドラレコの映像の「録画中」に「この映像をとっておいて」という音声が認識されると,ドラレコからWi-Fi等で記憶装置(スマホやPCなど)に,その時点に至る所定時間前からの録画済みの映像とその時点から所定時間先までの映像データを音声指示トリガとしてドラレコに映像記録する。ドラレコの映像の「録画中」に「映像を送って」という音声が認識されると,LTE等で,その時点に至る所定時間前からの録画済みの映像とその時点から映像データをサーバ等へ送信する。動画投稿SNSにアップしてシェアするようにしてもよい。「映像送信止めて」という音声が認識されると,映像のサーバ等への送信を停止する。ドラレコの映像の「録画中」に「ここまでの映像を送って」という音声が認識されると,LTE等で,その時点に至る所定時間前からの録画済みの映像サーバにアップロードする。動画投稿SNSにアップしてシェアするようにしてもよい。ドラレコの前で「ライブ配信開始」というと,ドラレコ映像のライブ配信を開始する。
AIスピーカ,スピーカがクラウドに接続されている,スマホの映像をテレビにつながるものなどがある。スマホだと一つ一つ映像を指定しなければならないが,「パンダの映像を再生して」というと,その関連映像を勝手に再生し続ける。ドラレコの映像は事故が起きないと再生しない。いざ,事故が起きたときにドラレコが正常に動いてなかったといことも起きる。音声指示でドラレコ映像を再生する。車の中でスマホに向かって音声指示してドラレコを動かす。家と車とが近くにあり,家のWi-Fiの電波が車に届くのであれば,Wi-Fi経由で家から車のドラレコの映像を再生し,家の中のテレビでドラレコの映像を再生する。音声の認識技術,スマホ,スマート・スピーカ,ロボットなどに対してドラレコの映像を流してっていうと自動的に家の近くにあるドラレコの電源をオンにして自分のドラレコの映像をWi-Fiで転送してテレビに再生する。AIスピーカに再生指令を与えてユーチューブの動画を再生するという代わりに,AIスピーカなどに再生指令を与えてあらかじめ登録してあるドラレコの映像をスマホ,テレビなどで再生する。車のエンジンが切れていればバッテリ駆動する。ドラレコ自体は指示を受けるだけの機能を動かしていればいい。指示がWi-Fi経由で来たら全体の電源をオンにしてバッテリで動いて映像を転送する。シガー・ソケットはエンジンを切ると切れてしまう。シガー・ソケットからモバイル・バッテリに接続され,そのモバイル・バッテリからドラレコに電源が供給される。今まではSDカードを抜いてパソコンに入れて再生していたが,気軽に閲覧できる。
昨日のドラレコの映像を流してというと,昨日のドラレコの映像が流れる。再生映像の期日を指定できる。なければ,「見つかりませんでした」でもいいし,「昨日の映像の代わりにおとといの映像を再生してもいい。」さっき出かけたときの映像というと「直近のドラレコ映像」を再生する。「いつの」という指定機能がある。ドライブ・レコーダは音声も記録している。常時記録,イベント記録には音声も入っている。そのままストリーミングで再生してもいいが,BGMを「何とかにして」というとドラレコの音声に代えてBGMは音楽ストリーミング・サービスから再生する。音楽をBGMにしてドラレコ映像を見ることができる。再生はイベントが発生している箇所を中心にダイジェスト再生する。長いのをだらだら流しても仕方ない。イベントの箇所30秒程度を飛ばし飛ばし再生する。ドラレコの映像の再生時間を指定できるようにする。イベントのダイジェストを5分くら
い再生してというように調整する。未再生の映像を優先して再生する。再生済みというのをドラレコ,スマホなどに記録しておく。ドラレコ映像の再生中に,あとで見たい映像の場合に「この映像取っておいて」というと,ドラレコからWi-Fi等でスマホにファイルで転送する。
ドラレコの映像の録画中に,車内で運転しているときに「この映像スマホに取っておいて」というとドラレコから車内にスマホがあればスマホに転送する。「この映像ドラレコに取っておいて」というとイベント記録としてドラレコに記録する。「この映像の記録を開始して」,「この映像の記録を終了して」というのでもいい。音声指示記録データとして別領域に記録してもよい。録画中にこの映像送ってというとLTEでサーバに送る。「映像送信止めて」というとサーバへの送信を止める。録画中にここまでの映像を送ってというと,設定されている前の時間までの常時記録のデータをLTEでサーバに送る。ドラレコにライブ配信開始というとライブ配信を開始する。ストリームでずっと上げ続ける。
[第13実施例]
図63から図65(A),図65(B),図65(C),図65(D)および図65(E)は,第13実施例を示している。
第13実施例は,サムネイル画像表示についてのものである。
図63は,パーソナル・コンピュータ50のような再生装置におけるサムネイル画像表示の処理手順を示すフローチャートである。図64は,サムネイル画像の表示の一例である。図65(A)-(E)は,サムネイル画像の表示形態の一例である。
この実施例は,半天球型のカメラ,全天球型のカメラなどにより撮影された円形に記録されている映像についてのサムネイル画像表示に適するが,他の映像についてのサムネイル画像表示にも適用できる。
図64を参照して,複数の映像を表す映像データが記録されているSDカード23がパーソナル・コンピュータ50に装填され,再生用ソフトウエアが起動されて再生ウインドウ100が表示装置52の表示画面に表示されると,複数の映像のサムネイル画像Ith1-Ithnが,たとえば,再生ウインドウ100のプレイ・リスト表示領域141に表示される。複数の映像のサムネイル画像Ith1-Ithnのうちのいずれかのサムネイル画像上にカーソル531が置かれ,クリックされると(図63ステップ521でYES),クリックされたサムネイル画像上にサムネイル画像の表示形態を選択するポップアップ・メニュー530が表示される(図63ステップ522)。
図64を参照してポップアップ・メニューには,「魚眼表示」,「拡大フラット表示」,「パノラマ表示」,「リング型表示」および「ドーム型表示」のサムネイル画像表示のメニューが含まれている。
「魚眼表示」は,図65(A)に示すように,魚眼レンズを用いて撮影した映像の静止画をサムネイル画像にて表示するものである。「拡大フラット表示」は,図65(B)で示すように,ユーザの気になる箇所を他の箇所よりも拡大してサムネイル画像にて表示するものである。「パノラマ表示」は,図65(C)で示すように,水平360度方向を横長の一枚画像でサムネイル画像にて表示するものである。「リング型表示」は,図65(D)で示すように,リング型によりサムネイル画像にて表示するものである。「ドーム型表示」は,図65(E)で示すように,ドーム型によりサムネイル画像にて表示するものである。
ポップアップ・メニュー530を用いていずれかのサムネイル画像の表示方法が指定され
る(ステップ523)。指定されると(ステップ523でYES),指定された表示方法で,クリックされたサムネイル画像が表示される(ステップ524)。複数のサムネイル画像があった場合でも,サムネイル画像ごとに異なる表示方法によってサムネイル画像を表示できる。
ビデオファイルを再生管理するソフトウエアにおいて,映像を所望の映像を選択等するため一覧するため,映像の先頭の画像を縮小表示するサムネイル表示が知られている。このような,サムネイル表示は,通常ファイルの先頭や指定したフレームの静止画を縮小表示している。しかしながら半天球のカメラの映像は円形に記録されているため,サムネイル表示はその表示状態を選べる機能のものがよいが,サムネイルの表示形態を変更することはできず,表示範囲も変更できないのが一般的である。一方,あるスマホアプリでは,のアイコンをタップして,サムネイル表示を相互に切り替えることができ,サムネイル表示の表示形態を変更でき,サムネイルをフリックすると映像の表示範囲を移動できるが,サムネイルの表示方法は,すべて一括で切り替わってしまう。
このために,上述のように,サムネイルの表示方法と表示範囲を「個々のサムネイルごと」に変更する機能を備える。個々のサムネイル上で右クリックすると,クリックされたサムネイルの表示方法を選択するポップアップ・メニューが表示される。サムネイルの表示方法の種類としては上述したものがよい。上述のように,魚眼表示,パノラマ表示,拡大フラット表示,リング型表示,ドーム型表示の表示方法を設けるとよい。また,オリジナル,ツインカット,パノラマカット,アングルカットを設けるようにしてもよい。個々のサムネイル上で左クリックすると映像の表示範囲を変更する。表示範囲を変更するようにするとよい。の右クリックのメニュー内に「180度回転」「90度回転」のメニューを設けるとよい。2カメラの場合には「カメラ切り替え」を設けるとよい。変更したサムネイルの表示方法と表示範囲を保存しておく機能を備える。
原則として,加えた変更状態を保つように構成するとよい。サムネイルの表示方法と表示範囲の変更をアンドゥ(取り消し)・リドゥ(再実行)する機能を備える。サムネイルの表示方法と表示範囲をサムネイル間でそろえる機能を備える。シフトキーを押しながら左クリックされるとサムネイルの周囲に選択枠を描画する。複数の選択枠がある状態で,いずれかのサムネイルを右クリックして表示される。ポップアップ・メニューで選択された表示方法に選択枠のあるサムネイルにつきすべて変更する。また複数の選択枠がある状態で,いずれかのサムネイルを左ドラッグした場合そのサムネイルが表示している範囲にすべての選択枠のあるサムネイルの状態を連動させてリアルタイムに変更する。なお選択枠の解除(選択状態の解除)はサムネイル以外の部分の左クリックが解除されたときとするとよい。
同一とみなされる時刻(例えば同一フレーム)のサムネイルであって,サムネイルの表示方法または表示範囲が異なるサムネイルを表示する行を設けるとよい。例えば,360度×2のカメラで前方360度の魚眼表示の第一サムネイルの行と後方360度の魚眼表示の第二サムネイルの行を設け,同一時刻のサムネイルが同一の列となるように描画する。サムネイルの行は任意に増設できる機能を備えるとよい。サムネイルの増設はサムネイル表示部の行間に空間を設け,その空間部分を右クリックして表示されるポップアップ・メニューから「行の挿入」を選択してするようにするとよい。またこのポップアップ・メニューには「上の行の削除」「下の行を削除」などの項目も設けるとよい。行または列は画面の表示範囲を超える部分はスクロールバーでスクロール表示できるようにするとよい。例えば360度×2のカメラで10行のサムネイル行を作り,上から,前魚眼表示,後魚眼表示,前を中心としたパノラマ表示,後ろを中心としたパノラマ表示,下を中心とした拡大フラット表示,上を中止とした拡大フラット表示,前を一番見える箇所としたリング型表示,後ろを一番見える箇所としたリング型表示,前を一番見える箇所としたドーム
型表示,後ろを一番見える箇所としたドーム表示のように表示するとよい。同一の列には同一時刻のこれらの種類の表示がなされることになる。また左右方向にスクロールすることで,列が左右に移動でき,全体のサムネイルを見ることができる。
サムネイルを左ダブルクリック等で選択すると,そのサムネイルの映像を再生する機能を設けるとよく,その再生はサムネイルとして設定されている表示方法と表示範囲で再生を開始するようにすると特によい。再生ウインドウで右クリックすると表示されるポップアップ・メニューに「この状態をサムネイルに設定」の選択項目を設け,これが選択されたとき,そのときの表示方法と表示範囲での映像をその映像のサムネイルとして設定する機能を備えるとよい。サムネイル表示とは右クリックしたサムネイルに対応する元画像を表示する領域を設け,その元画像中で現在のサムネイルでの表示領域を明示する(線で囲む,半透明で塗りつぶすなど)表示をする機能を設けるとよい。このようにすれば,元画像の中でどの部分をサムネイルとして設定しているのかを用意に把握できる。
「画像をつないでいる部分」を明示する機能を備えるとよい。例えばスティッチしている部分に赤色の線を引く。スティッチの精度が上がるとつなぎ目部分がわかりにくくなる。商業写真等ではつなぎ目は使いたくないが,わかりにくくなると,つなぎ目をまたがってトリミングしてしまう可能性があり,商業印刷後などの納品後につなぎ目の破綻部分が発覚すると問題になるかもしれないが,そのような機能があると対処できる。
「本体の映り込み部分を明示する機能」を備える。例えば本体部分に相当する箇所に網掛けまたは半透過の塗りつぶしを行う機能を備えるとよい。ビューア画面に,「ぼかしを入れた画像か否かを表示する領域」を設ける。再生中の映像がぼかしを入れた画像であることを示すアイコンを表示するようにしてもよいし,ファイル名のリストの中にぼかしを入れた画像であることを示すアイコンなどを表示するようにしてもよい。「無線ライブ・ストリーミング」に関連して,ライブ・ストリーミングとともに録画する機能を備え,録画映像のうちストリーミングしているものがわかるような情報を記憶しておき,録画映像をビューアで再生する際にライブ・ストリーミングしたものか否かの表示を行う機能を備えるとよい。単純にライブ・ストリーミングしたものとそうでないものを,ファイルを別として記録しておき,ファイルのプロパティにライブ・ストリーミングしたものであるか否かの情報を記憶するようにしてよいが,特に1つのファイルの中で,ライブ・ストリーミングした範囲とライブ・ストリーミングをしていないファイルとを識別可能に記録しておき,タイムライン上で両者の領域が区別できる表示を行うとよい。
タイムラプス撮影した映像であることを識別する情報を付加して記録しておき,ビューアで再生する際にタイムラプス撮影したものか否かを表示する機能を備えるとよい。一連のタイムラプス撮影した映像を一まとめのものとして取り扱う機能を備えるとよい。どのデバイスからの記録開始・記録終了指示・設定指示が来たものかの情報を映像に付加して記録する機能を備え,ビューアでその情報を表示する機能を備えるとよい。音声認識でビューアのボタンに相当する箇所を操作する機能,特に表示方法・表示範囲を変更する機能を備えるとよい。また音声認識で記録する方法・記録範囲を変更する機能を備えるとよい。
半点球のカメラは円形で記録されている。サムネイルの状態を選択できるものがある。長いサムネイルとか,2つ切り替えられるものとか,フリックするとくるくる回る。サムネイルを切り替えると複数のサムネイルが一括で切り替わる。このファイルに関しては球型,長いもののサムネイルとできないので,できるようにする機能を備えるとよい。サムネイルで右クリックするとポップアップ・メニューが出てきて表示方法の種類が選べる機能とするとよい。フォークリフトのドライブ・レコーダのサムネイルの表示方法,魚眼表示,パノラマ表示,フラット表示などの表示方法があるが,サムネイルごとにそれらの表
示方法を指定できるようにするとよい。左クリックすると映像の表示方法を変える機能とするとよい。サムネイルの中のドラッグで動く機能とするとよい。右クリックのメニュー内に90度回転とか,180度回転とか設ける。2カメラの場合にはカメラ切り替えを設ける。変更したサムネイルの表示方法と表示範囲を保存しておく機能を備えるとよい。サムネイルの状態を保存できるとよい。回したら回した状態のものを保存する。運転者だけを見たいという場合に対処できる。
サムネイルの表示方法と表示範囲の変更を元に戻すボタンを付ける。操作したけど初期状態に戻す。少し動かしたが取り消して元の状態に戻す。サムネイル間でそろえる機能があるとよい。運転者が写っている範囲で全部のサムネイルをそろえたいときに一つ一つそろえると大変なので,たとえば,コントロールキーを押しながら左クリックすると外枠ができ,右クリックするとポップアップ・メニューが表示され,表示方法が現れる。選択すると一括で表示方法が切り替わる。選択枠がある状態で中身をドラッグしたら,全部動くとよい。関係ない所をクリックすれば選択枠が解除される。同一とみなされる時刻のサムネイルであって,サムネイルの表示方法または表示範囲が異なるサムネイルを表示する行を設けるとよい。違う見方のサムネイル行を作りたい。1つに対して1つのサムネイル行しかないが,別の見方をしたサムネイルを表示させる機能をもつとよい。たとえば,360度のカメラで前のカメラのサムネイルと後ろのカメラのサムネイルとを表示するとよい。行を増設するが列状は同時刻とするとよい。サムネイルの行は任意に増設できるとよい。いろいろな表示方法,表示角度から見られるようにするとよい。サムネイルの行間に空間を設けて,その空間を右クリックすると新たなサムネイル行が挿入され表示されるとよい。行を挿入すると基本はコピーしたものが表示されるとよい。個別で変更してもよいし,選択枠を表示して一括で変更してもよい。
サムネイルを左ダブルクリックで選択するとサムネイルの映像を再生する。再生の開始のときにサムネイルで設定した表示方法かつ表示範囲で行う。円形のサムネイルで表示されている場合にダブルクリックすると円形の状態で再生する。長細い状態でサムネイル表示されている場合には,映像も同様にして再生する。再生している映像をサムネイルにしてしまう。再生ウインドウで右クリックするとサムネイルにするというメニューが表され,表示されている映像をサムネイルにする。デフォルトはファイルの先頭のフレームとするとよい。
全体の中でどこなのかを出す機能を設けるとよい。表示している映像のうち,サムネイルが表示している部分がどこなのかを表示する。
全天球だと前の映像と後ろの映像とをつなぐ必要があるが,そのつなぎの部分が目立つので逆につないでいる部分に明確にラインを入れる機能があるとよい。PCビューワでボタンを押すとラインが表示される。映り込み低減。手とか,カメラ本体が写りこんでいる部分は処理して消しているが,それらの部分が分かるように網掛けなどとするように明示する機能を設けるとよい。自動顔ぼかしを入れた映像の場合には,顔ぼかしを入れた映像であることをPCビューワに表示されるとよい。ドラレコの映像をアップするサイトで顔を自動的にぼかすようにしてもよい。ライブ・ストリーミングとともに録画する機能を設けて,ストリーミング開始,終了いう指令を常時記録の中に記録しておく。録画した映像の中でどこをストリーミングしたのかが分かる。ピンクでライブ・ストリーミング区間とスライド・バーに表示してもよい。タイムラップス撮影,たとえば一時間置きに静止画撮影とか,10秒撮影するとかの設定ができる。タイムラップス撮影したものであることを表すマークを常時記録の中にいれるとよい。タイムラップス撮影した映像をまとめて1個の映像としてもよい。
何等かのデバイスからの指示にもとづいて撮影を開始する。例えば,ドアが開いたら指
示が来る。どのデバイス由来で記録開始,終了したのかを記録しておく。デバイスIDなどを受信して記録する。ビューワのボタンのそれぞれに名前を付けておく。設定を音声で変える。設定されるとその設定内容をドラレコが回答し,その設定内容での記録が開始する。
また,ドライブ・レコーダからLTE等の携帯電話ネットワークを利用して撮影した映像データをクラウドに上げるためには,SIMの契約が必要である。ドライブ・レコーダの映像のビューアには特に料金やデータ容量に関連した機能は今までなかった。そのため,どの程度の通信を行っているのか,料金プランが適正であるのかがビューアからはわからないという問題があった。
法人向けドライブ・レコーダでは,その法人の車の利用形態により,さまざまな通信料金プランに対応する機能が考えらえる。
低速定額容量無制限プラン,夜間特化プラン,上り特化プラン,法人シェア・プランなど。月額300円~500円の低速定額無制限関連であるとよい機能。高速通信ができず200kbps程度のSIMに対応する機能。200kbpsあれば音声の送信+静止画(jpeg)をリアルタイム以上の速度で送ることができる。モノラル64kbpsでも事故の音であるか否かを判定するには十分な音質がある。したがって,過去分については実時間よりも短い時間で伝送できる。過去分をまとめて実時間よりも短い時間となるビット・レートを現在(直近の履歴など)の通信ビット・レートまたはSIMの契約ビット・レートから算出してそのビット・レートで圧縮して送る機能。過去分を圧縮ファイルで送り,現在分をストリーミングで送る(IP電話でもよい)機能。3日間で366MBなど,一定期間において一定データ量までのデータ制限があるSIM。残り転送可能容量をドラレコとビューアに表示する機能を備えるとよい。データ制限が近くなったら送信する情報の種類を制限するとよい。例えば写真データは送らず音声データのみを送るように変更するとよい。低速専用SIMでバースト転送(バースト機能:最初の1,2秒は数Mbpsくらい出る)ができるもの。イベント発生した送り始めにイベントに関連した異なる時点の写真を数枚(1枚でもよい)送った後で,音声データを送る。写真はバースト転送される。
夜間特化プランに対応する機能。ある会社の「夜間特化プラン」は6時から22時の間は下り上り最大200kbpsと制限されるが,22時から6時までの夜間は下り最大375Mbps,上り最大50Mbpsと高速通信が可能で3GB/月で低額プラン。高速通信の可能な時間帯あるいは通信制限のかかる時間帯を設定でき,高速通信が可能な時間帯にまとめて,動画はアップする機能を備えるとよい。特に,高速通信の可能な時間帯にエンジンオフで駐車されている車両のドラレコの電源を自動的にオンにして,映像データの送信を開始させる機能を備えるとよい。
上り特化プランに対応する機能。ある会社の「上り特化プラン」は,下り通信のデータ通信速度を最大200kビット/秒と低く抑える代わりに,データを送信するための上り通信のデータ通信速度を最大50Mビット/秒と広く確保したプラン。1.1GBで比較的低額。下りのIP電話の帯域は確保できると思われるので,サーバからは指示コマンドとIP電話の下りの通信に制限する機能を備えるとよい。つまり例えばドラレコに他のドラレコの映像を受信する機能などがあってもその機能は制限するとよい。
法人シェア・プランに対応する機能。特に法人向けプランでは,例えば50GBを20回線で分け合えるといった,データシェアプランの利用が想定される。SIM提供業者等が用意している管理画面の情報をスクレイピングやAPI経由で取得してドラレコでSIMの利用状況をカウントし,センタでそれらを取得し,ビューアに表示する機能を備えるとよい。情報を対比して表示する機能を備えるとよい。パケットシェアしているドラレコの合計のパ
ケット使用量と残りの使用可能量をビューアに表示する機能を設けるとよい。また,残り容量が少なくなってきたらアラートを出す機能や,予測の容量使用量のグラフなどを表示するとよい。パケットシェアしているドラレコの個別のパケット使用量と残りの使用可能量をビューアにランキングで表示する機能を備えるとよい。例えば上位のドラレコの車両のイベントの状況を見ることで,その運転者の運転が悪いのか,あるいは,ドラレコの設定が悪いのかなどを検証することが容易にできる。シェアするグループを複数設定している企業向けに,シャアしているグループ間で使用状況を対比表示する機能を備えるとよい。このようにすれば各グループへの各ドラレコのSIMの割り当ての最適化の参考とすることができる。AIなど自動解析して特定のSIMを他のグループへ移動するようアドバイスを出すようにしてもよい。ビューアの表示する対象の選択欄に,ファイルの容量の表示を設けるとよい。
SMS対応SIMの場合,トリガが発生したら最大Gなどの程度に関する情報など,トリガの要因の重要度を付加した文字列を生成して,センタ電話番号へSMS送信する機能を備えるとよい。センタ(例えばビュアー)ではSMSデータに基づいて送信依頼指示をそのドラレコへ送信するか否かを決定するとよい。センタでは,そのドラレコへ映像等の送信データ種別や送信範囲等の情報を決定して,送信依頼指示をドラレコに送信するとよい。
音声通話対応SIMの場合,ドラレコに音声通話機能を設け,センタにセンター(営業所)にかかってきた外線を転送する機能を備えるとよい。センタではドラレコの運行状況をLTE等で取得し,走行状態にある場合など設定された条件の場合には外線の転送を行わない機能を備えるとよい。IP電話と音声電話との料金比較・通話し相手・過去の走行履歴等のドラレコの状況に基づいて適する方でセンタへの電話をする機能をドラレコに備えるとよい。強い衝撃が発生した場合には音声で,弱い衝撃の場合はIP電話で通話発信する機能,センタとの通話はVoIPで行い外線との接続は電話で行う機能などを設けるとよい。
公衆無線LANとLTEの併用の場合,公衆無線LANへの接続機能を備え,LTEでは制限されたデータを送り,公衆無線LANで制限されないまたは制限の緩い映像データを送る。コンビニの無料Wi-Fiや,などからアップする機能を備えるとよい。
法人向けのドライブ・レコーダの料金プランは多くの種類がある。低速低料金200kの場合,音声だけを先に送る。事故の音が入っているかをサーバで識別し,事故見たいだから映像の送信リクエストをサーバがドラレコに送信する。静止画を数枚送ってもよい。ビット・レートを可変させるとよい。過去分を圧縮ファイルで送り,現在分をストリーミングで送る。イベントよりも過去分はファイルにしてしまいファイルで少しずつ送信し,現在分は音声,映像のストリーム・データを送る。事故が起きたらIP電話がつながるイメージ。音声がセンタに入ってくる。SIMはたとえば,3日間での送信量の制限がある。大量に使用しているユーザは制限する。そのようなSIMに対してはドラレコの表示画面に使用量を表示する。残りの送信量が分かる。ビューワの方でもリアルタイムで容量を送信し,一覧で表示してもよい。データ制限が近くなったら送信する情報の種類を制限するとよい。
低速専用SIMの中にバースト転送専用のものがある。最初の1,2秒は数メガ出るがその後は200kに制限される。イベントに関連した映像を先に送り,あとで音声を送る。夜間特価プランなど高速送信可能な時間帯に動画を送信し,制限時間帯は音声のみ送信する。夜間の停車中の車のドラレコから動画を送信する。上り特価プランなどの場合には下りを制限する。例えば,他人のドラレコの映像を受信する場合,それを制限する。法人シェア・プランでは取得してビューワ側で見られる。ビューワでSIMの使用状況を取得してもよい。
キャリアの使用量と実測値とを比較して表示するとよい。制限近くなったら表示する。パケット使用量のランキングを並べて出すとよい。グループごとの使用量を表示する。ファイルの容量表示とするとよい。
SMSに対応するSIMの場合,トリガ発生何時何分という文字列を生成し,SMSデータにもとづいてドラレコに送信する。昔のポケベルみたいなものとするとよい。重要なデータだけ即時性のあるSMSで送信する。
音声対応SIMの場合,普通の電話番号で電話ができるので,センタにかかってきた外線をドラレコの電話番号に転送する。ドラレコを利用してハンズフリーで話ができる。強い衝撃が発生した場合には音声で電話をかけ,弱い衝撃の場合はIP電話でかける。緊急性ある場合には安定したネットワークを使用する。センタとの通話はVOIP,パケット通信,IP電話でおこなう。
公衆無線LANの場合,ドラレコに公衆無線LANの接続機能を設け,公衆無線LANで接続された場合には常時記録でアップする。
本発明の範囲は,明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく,本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも,その範囲に含むものである。本発明のうち,特許を受けようとする構成を,添付の特許請求の範囲に特定したが,現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても,本明細書に開示される構成を,将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と,発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
また,意匠出願への変更出願により,全体意匠または部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが,全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと,部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては,装置の一部の部材としても良いし,その部材の部分としても良い。全体意匠はもちろんのこと,図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を,権利化する意思を有する。