<電子機器の外観>
図1及び2はそれぞれ電子機器1の外観の一例を示す斜視図及び背面図である。電子機器1は、例えば、スマートフォン等の携帯電話機である。
図1及び2に示されるように、電子機器1は、平面視で略長方形の板状の機器ケース10を備えている。機器ケース10は電子機器1の外装を構成している。電子機器1の前面1a、つまり機器ケース10の前面には、文字、記号、図形等の各種情報が表示される表示領域11が設けられている。表示領域11の背面側には後述するタッチパネル140が設けられている。これにより、ユーザは、表示領域11を指等で操作することによって、電子機器1に対して各種情報を入力することができる。なお、ユーザは、指以外の操作子、例えば、スタイラスペンなどのタッチパネル用ペンで表示領域11を操作することによっても、電子機器1に対して各種情報を入力することができる。
電子機器1の前面1a(機器ケース10の前面)の上側端部にはレシーバ穴12が設けられている。電子機器1の前面1aの下側端部にはスピーカ穴13が設けられている。電子機器1の下側の側面1cにはマイク穴14が設けられている。
電子機器1の前面1aの上側端部からは、後述する第1カメラ190が有するレンズ191が視認可能となっている。図2に示されるように、電子機器1の背面1bの上側端部からは、後述する第2カメラ200が有するレンズ201が視認可能となっている。
電子機器1の前面1aの下側端部には、複数の操作ボタン15,16,17から成る操作ボタン群18が設けられている。操作ボタン15,16,17のそれぞれはハードウェアボタンである。具体的には、操作ボタン15,16,17のそれぞれは押しボタンである。なお、操作ボタン15,16,17は、表示領域11に表示されるソウフトウェアボタンであっても良い。
操作ボタン15は、例えばバックボタンである。バックボタンは、表示領域11の表示を一つ前の表示に切り替えるための操作ボタンである。ユーザが操作ボタン15を操作することよって、表示領域11の表示が一つ前の表示に切り替わる。
操作ボタン16は、例えばホームボタンである。ホームボタンは、表示領域11にホーム画面を表示させるための操作ボタンである。ユーザが操作ボタン16を操作することよって、表示領域11にホーム画面が表示される。
操作ボタン17は、例えば履歴ボタンである。履歴ボタンは、電子機器1で実行されたアプリケーションの履歴を表示領域11に表示させるための操作ボタンである。ユーザが操作ボタン17を操作することよって、表示領域11には、電子機器1で実行されたアプリケーションの履歴が表示される。
<電子機器の電気的構成>
図3は電子機器1の電気的構成の一例を主に示すブロック図である。図3に示されるように、電子機器1は、制御部100、無線通信部110、表示部120、タッチパネル140、操作ボタン群18及びリアルタイムクロック(以後、「RTC]と呼ぶ)150を備えている。さらに電子機器1は、レシーバ160、スピーカ170、マイク180、第1カメラ190及び第2カメラ200を備えている。さらに電子機器1は、加速度センサ210、地磁気センサ220、圧力センサ230及び電池240を備えている。電子機器1が備えるこれらの構成要素は、機器ケース10内に収められている。
制御部100は、一種の演算処理装置であって、一種の電気回路でもある。制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)101、DSP(Digital Signal Processor)102及び記憶部103等を備えている。制御部100は、電子機器1の他の構成要素を制御することによって、電子機器1の動作を統括的に管理することが可能である。制御部100は、例えば、SoC(System-on-a-Chip)、MCU(Micro Control Unit)及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の副処理装置(co-processor)をさらに含んでも良い。この場合には、制御部100は、CPU101及び副処理装置を互いに協働させて各種の制御を行って良いし、両者を切り替えながら用いて各種の制御を行って良い。制御部100は制御装置100とも言える。
記憶部103は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリ103aと、フラッシュROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリ103bとを備えている。揮発性メモリ103a及び不揮発性メモリ103bのそれぞれは、CPU101及びDSP102が読み取り可能な非一時的な記録媒体である。不揮発性メモリ103bには、電子機器1を制御するための複数の制御プログラム103bbが記憶されている。制御部100の各種機能は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の各種制御プログラム103bbを実行することによって実現される。
なお、制御部100の全ての機能あるいは制御部100の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されても良い。また、記憶部103は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えても良い。記憶部103は、例えば、小型のハードディスクドライブ及びSSD(Solid State Drive)などを備えても良い。
記憶部103内の複数の制御プログラム103bbには、様々なアプリケーション(アプリケーションプログラム)が含まれている。記憶部103には、例えば、音声通話及びビデオ通話を行うための通話アプリケーション、ウェブサイトを表示するためのブラウザ、電子メールの作成、閲覧及び送受信を行うためのメールアプリケーションが記憶されている。また記憶部103には、第1カメラ190及び第2カメラ200を利用して被写体を撮影するためのカメラアプリケーション、動画を再生するための動画再生アプリケーション、地図を表示するための地図表示アプリケーション、音楽データの再生制御を行うための音楽再生制御アプリケーションなどが記憶されている。記憶部103内の少なくとも一つのアプリケーションは、記憶部103内にあらかじめ記憶されているものであって良い。また、記憶部103内の少なくとも一つのアプリケーションは、電子機器1が他の装置からダウンロードして記憶部103内に記憶したものであって良い。
無線通信部110は、アンテナ111を有している。無線通信部110は、アンテナ111を用いて、制御部100による制御よって無線通信を行うことが可能である。無線通信部110は、電子機器1とは別の携帯電話機からの信号、あるいはインターネットに接続されたウェブサーバ等の通信装置からの信号を、基地局等を介してアンテナ111で受信することが可能である。無線通信部110は、受信信号に対して増幅処理及びダウンコンバートを行って制御部100に出力することが可能である。制御部100は、入力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれるユーザデータ及び制御データ等を取得することが可能である。また無線通信部110は、制御部100で生成された、ユーザデータ及び制御データ等を含む送信信号に対してアップコンバート及び増幅処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ111から無線送信することが可能である。アンテナ111からの送信信号は、基地局等を通じて、電子機器1とは別の携帯電話機、あるいはインターネット等に接続された通信装置で受信される。
表示部120は、電子機器1の前面1aに設けられた表示領域11と、表示パネル130とを備えている。表示部120は、表示領域11に各種情報を表示することが可能である。表示パネル130は、例えば、液晶表示パネルあるいは有機ELパネルである。表示パネル130は、制御部100によって制御されることによって、文字、記号及び図形などの各種情報を表示することが可能である。表示パネル130は、機器ケース10内において、表示領域11と対向して配置されている。表示パネル130に表示される情報は表示領域11に表示される。
タッチパネル140は、表示領域11に対する指等の操作子による操作を検出することが可能である。タッチパネル140は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルであって、表示領域11の裏側に配置されている。ユーザが指等の操作子によって表示領域11に対して操作を行ったとき、その操作に応じた電気信号がタッチパネル140から制御部100に入力される。制御部100は、タッチパネル140からの電気信号に基づいて、表示領域11に対して行われた操作の内容を特定して、その内容に応じた処理を行うことが可能である。
操作ボタン群18の操作ボタン15,16,17のそれぞれは、ユーザによって操作されると、操作されたことを示す操作信号を制御部100に出力することが可能である。これにより、制御部100は、操作ボタン15,16,17のそれぞれについて、当該操作ボタンが操作されたか否かを判断することができる。操作信号が入力された制御部100が他の構成要素を制御することによって、電子機器1では、操作された操作ボタンに割り当てられている上述の機能が実行される。
RTC150は、現在の日時を計測して制御部100に出力することが可能である。RTC150は、現在の日時を取得する日時取得部として機能する。
マイク180は、電子機器1の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部100に出力することが可能である。電子機器1の外部からの音は、マイク穴14から電子機器1の内部に取り込まれてマイク180に入力される。
スピーカ170は、例えばダイナミックスピーカである。スピーカ170は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。スピーカ170から出力される音はスピーカ穴13から外部に出力される。スピーカ穴13から出力される音は、電子機器1から離れた場所でも聞こえるようになっている。
レシーバ160は受話音を出力することが可能である。レシーバ160は例えばダイナミックスピーカで構成されている。レシーバ160は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力する。レシーバ160から出力される音はレシーバ穴12から外部に出力される。レシーバ穴12から出力される音の音量は、スピーカ穴13から出力される音の音量よりも小さくなっている。レシーバ穴12から出力される音は、当該レシーバ穴12に耳を近づけた場合に聞こえるようになっている。なお、レシーバ160の代わりに、機器ケース10の前面部分を振動させる、圧電振動素子等の振動素子を設けて、当該前面部分から音をユーザに伝えても良い。
第1カメラ190は、レンズ191及び撮像素子などを備えている。第2カメラ200は、レンズ201及び撮像素子などを備えている。第1カメラ190及び第2カメラ200のそれぞれは、制御部100による制御に基づいて静止画あるいは動画を撮影して制御部100に出力することが可能である。
第1カメラ190のレンズ191は、電子機器1の前面1aから視認可能となっている。したがって、第1カメラ190は、電子機器1の前面1a側(表示領域11側)に存在する被写体を撮影することが可能である。第2カメラ200のレンズ201は、電子機器1の背面1bから視認可能となっている。したがって、第2カメラ200は、電子機器1の背面1b側に存在する被写体を撮影することが可能である。以後、第1カメラ190を「インカメラ190」と呼び、第2カメラ200を「アウトカメラ200」と呼ぶことがある。また、インカメラ190及びアウトカメラ200を特に区別する必要がないときには、それぞれを単に「カメラ」と呼ぶことがある。
加速度センサ210は、電子機器1の加速度を検出し、検出した加速度に応じた検出信号を制御部100に出力することが可能である。制御部100は、加速度センサ210を動作させたり、加速度センサ210の動作を停止したりすることが可能である。
地磁気センサ220は、地磁気を検出し、検出した地磁気に応じた検出信号を制御部100に出力することが可能である。制御部100は、地磁気センサ220を動作させたり、地磁気センサ220の動作を停止したりすることが可能である。
圧力センサ230は、気体及び液体の圧力を検出することが可能である。圧力センサ230は、電子機器1にかかる圧力を検出し、検出した圧力に応じた検出信号を出力することが可能である。制御部100は、圧力センサ230を動作させたり、圧力センサ230の動作を停止したりすることが可能である。
電池240は電子機器1の電源を出力することが可能である。電池240は例えば充電式の電池である。電池240から出力される電源は、電子機器1が備える制御部100及び無線通信部110などの各種構成に対して供給される。
<制御部内の機能ブロック>
図4は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の制御プログラム103bbを実行することによって形成される機能ブロックの一例を示す図である。図4に示されるように、制御部100は、機能ブロックとして、速さ算出部300、気圧算出部310、標高算出部320、方角特定部330及び再生制御部340を備えている。なお、これらの機能ブロックのうちの一部あるいは全部が、その機能の実行にソフトウェアが不要なハードウェア回路で実現されても良い。
速さ算出部300は、加速度センサ210から出力される検出信号に基づいて、電子機器1の速さを算出することが可能である。電子機器1では、加速度センサ210及び速さ算出部300によって、電子機器1の速さを取得する速さ取得部350が構成される。以後、特に説明が無い限り「速さ」と言えば電子機器1の速さを意味する。
気圧算出部310は、圧力センサ230から出力される検出信号に基づいて、電子機器1の周囲の気圧を算出することが可能である。標高算出部320は、気圧算出部310で求められた気圧に基づいて、電子機器1が存在する場所の標高を算出することが可能である。電子機器1では、圧力センサ230、気圧算出部310及び標高算出部320によって、電子機器1が存在する場所の標高を取得する標高取得部360が構成される。以後、特に説明が無い限り「標高」と言えば電子機器1が存在する場所の標高を意味する。
方角特定部330は、地磁気センサ220から出力される検出信号に基づいて、インカメラ190のレンズ191が向いている方角を特定することが可能である。また、方角特定部330は、地磁気センサ220から出力される検出信号に基づいて、アウトカメラ200のレンズ201が向いている方角を特定することが可能である。電子機器1では、地磁気センサ220及び方角特定部330によって、インカメラ190及びアウトカメラ200のレンズが向いている方角を取得する方角取得部370が構成される。
再生制御部340は、表示部120に動画を再生させることが可能である。再生制御部340は、表示部120での動画の再生を制御することが可能である。
<動画撮影について>
図5は、電子機器1が動画を撮影する際の当該電子機器1の使用態様の一例を示す図である。図5に示される例では、電子機器1は、アウトカメラ200を使用して動画を撮影する。電子機器1は、ユーザ50が乗る自転車60のハンドル61に対して固定部材70によって固定されている。電子機器1は、アウトカメラ200のレンズ201が、自転車60の進行方向を向くように、ハンドル61に固定されている。これにより、アウトカメラ200は、自転車60の進行方向に存在する被写体を動画撮影することが可能である。
なお電子機器1は、インカメラ190で動画を撮影しても良い。また、電子機器1が動画を撮影する際の当該電子機器1の使用態様は図5の例に限られない。例えば、ユーザは電子機器1を手に持った状態で電子機器1に動画を撮影させても良い。また、電子機器1に対してネックストラップを取り付け、ユーザは、当該ネックストラップを首から下げた状態で電子機器1に動画を撮影させても良い。また、電子機器1が自動車の一部に対して固定部材によって固定されても良い。この場合には、電子機器1を例えばドライブレコーダとして使用することができる。
図6は動画撮影時の電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。電子機器1は、例えば、動画撮影中に各種情報を取得し、取得した情報を撮影中の動画とともに表示する。この情報を「付帯情報」と呼ぶ。付帯情報には、例えば、速さ、時刻、標高、動画撮影で使用しているカメラのレンズが向いている方角などが含まれる。以後、動画撮影で使用しているカメラのレンズが向いている方角を単に「カメラレンズの向き」と呼ぶことがある。また動画撮影で使用するカメラを「使用カメラ」と呼ぶことがある。
図6に示されるように、ステップs1において、制御部100は、タッチパネル140が、カメラアプリケーションの実行を指示する実行指示操作を受け付けると、ステップs2において、記憶部103内のカメラアプリケーションを読み出して実行する。カメラアプリケーションが実行されると、ステップs3において、表示部120は、制御部100による制御によって、使用カメラで撮影されるスルー画像を表示する。ユーザは、表示領域11を操作することによって、使用カメラを、インカメラ190にするのか、アウトカメラ200にするのかを電子機器1に対して指示することができる。スルー画像は、使用カメラが撮影する撮影範囲内の被写体を、ユーザがリアルタイムに確認するための動画である。スルー画像は、ライブビュー画像あるいはプレビュー画像とも呼ばれる。使用カメラで撮影されるスルー画像は、揮発性メモリ103aに一時的に記憶される。制御部100は、揮発性メモリ103aからスルー画像を読み出して表示部120に表示させる。
次にステップs4において、タッチパネル140が、動画撮影の開始を指示する開始指示操作を受け付けると、ステップs5において、制御部100は、使用カメラに、動画の撮影を開始させる。使用カメラで撮影される動画は不揮発性メモリ103bに保存される。以後、特に断らない限り、使用カメラで撮影される動画とは、スルー画像ではなく、不揮発性メモリ103bに保存される動画を意味する。
使用カメラで動画の撮影が開始すると、ステップs6において、制御部100は、使用カメラで撮影中の動画及び付帯情報を表示部120に表示させる。使用カメラで動画が撮影されている間、使用カメラで撮影される動画と、当該動画の撮影と並行して取得される付帯情報とが、リアルタイムに表示部120で表示される。
ここで、タッチパネル140が、動画撮影の開始を指示する開始指示操作を受け付けると、制御部100は、付帯情報の取得に必要であって、動作が停止している構成要素を起動させる。具体的には、制御部100は、動作が停止している加速度センサ210、地磁気センサ220及び圧力センサ230を起動する。これにより、加速度センサ210を有する速さ取得部350は速さの取得を開始する。また、圧力センサ230を有する標高取得部360は標高の取得を開始する。また、地磁気センサ220を有する方角取得部370はカメラレンズの向きの取得を開始する。なお、電子機器1の動作中においては、RTC150は例えば常に動作していることから、タッチパネル140が、動画撮影の開始を指示する開始指示操作を受け付けた時点においてRTC150は動作している。
制御部100は、使用カメラで動画の撮影が開始すると、使用カメラで撮影される動画と、当該動画の撮影と並行して取得される付帯情報、本例では、速さ、時刻、標高及びカメラレンズの向きとをリアルタイムに表示部120に表示させる。
図7は、動画撮影中に表示部120に表示される撮影画面400の一例を示す図である。図7には、上述の図5の例のように、ユーザが自転車に乗りながら電子機器1に動画を撮影させる場合の撮影画面400が示されている。図7の例では、自転車に乗るユーザの進行方向と、カメラレンズの向きとが一致している。
図7に示されるように、撮影画面400は部分画面401,402を含む。部分画面402は部分画面401の下側に位置する。部分画面401には、使用カメラで撮影中の動画410が示される。部分画面402には、動画410の撮影を終了するための撮影終了ボタン420が示される。
また部分画面401には、付帯情報を含む付帯情報画面430が示される。付帯情報画面430は、例えば、動画410に重ねられて示される。付帯情報画面430には、RTC150で取得される現在時刻を示すアナログ時計440が含まれている。また付帯情報画面430には、速さ取得部350で取得される現在の速さを数値で示す速さ情報450と、当該速さを示すアナログ式のスピードメータ460とが含まれる。スピードメータ460に含まれる針461が現在の速さを示す。また付帯情報画面430には、標高取得部360で取得される現在の標高を示す標高情報470と、方角取得部370で取得される現在のカメラレンズの向きを示す方角情報480とが含まれている。
標高情報470には、複数の目盛472が付された、標高を示す目盛軸471が含まれている。各目盛472には標高の値473が付されている。そして、標高情報470には、目盛軸471のある箇所を指し示す三角形のマーク474が含まれている。現在の標高は、目盛軸471における、マーク474が指し示す箇所の値となる。本例では、マーク474の位置は固定であり、標高取得部360で取得される標高に応じて目盛472の値473が変化する。
方角情報480には、複数の目盛482が付された、方角を示す目盛軸481が含まれている。複数の目盛482の一部には、方角を示す文字483が付されている。図7に示される「N」という文字483は「北」を意味し、「NW]という文字483は「北西」を意味する。そして、方角情報480には、目盛軸481のある箇所を指し示す三角形のマーク484が含まれている。現在のカメラレンズの向きは、目盛軸481における、マーク484が指し示す箇所の方角となる。本例では、マーク484の位置は固定であり、方角取得部370で取得されるカメラレンズの向きに応じて、方角を示す文字483が変化する。図7の例では、ユーザが進行する方角と、カメラレンズの向きとが一致することから、方角情報480は、ユーザが進行する方角を示すと言える。図7の例では、カメラレンズの向きは北であって、ユーザは北に向かって移動している。
撮影中の動画410の各フレーム画像について、当該フレーム画像の撮影時に電子機器1で取得される付帯情報と、当該フレーム画像とが、撮影画面400に同時期に示される。具体的には、撮影画面400では、フレーム画像の撮影時にRTC150、速さ取得部350、標高取得部360及び方角取得部370でそれぞれ取得される時刻、速さ、標高及びカメラレンズの向きと、当該フレーム画像とが同時期に示される。
このように、撮影画面400には、撮影中の動画410だけではなく、動画410の撮影中に取得される付帯情報も示される。そのため、ユーザは、例えば、動画410の撮影中にその撮影状況を確認することができる。
制御部100は、使用カメラで動画の撮影が開始すると、使用カメラで撮影される動画の各フレーム画像と、当該フレーム画像の撮影時に取得される付帯情報とを互いに対応付けて不揮発性メモリ103bに記憶する。図8は、フレーム画像と付帯情報とが互いに対応付けられ不揮発性メモリ103bに記憶されている様子の一例を示す図である。制御部100は、動画の撮影中に、使用カメラでフレーム画像が撮影されるたびに、当該フレーム画像の撮影時に速さ取得部350、RTC150、標高取得部360及び方角取得部370でそれぞれ取得される速さ、時刻、標高及びカメラレンズの向きと、当該フレーム画像とを対応付けて不揮発性メモリ103bに記憶する。
不揮発性メモリ103bにおいて、フレーム画像に対応付けられている速さは、当該フレーム画像の撮影時の電子機器1の速さであると言える。不揮発性メモリ103bにおいて、フレーム画像に対応付けられている時刻は、当該フレーム画像の撮影時刻であると言える。不揮発性メモリ103bにおいて、フレーム画像に対応付けられている標高は、当該フレーム画像の撮影時に電子機器1が存在する場所の標高であると言える。言い換えれば、フレーム画像に対応付けられている標高は、当該フレーム画像の撮影時における、当該フレーム画像の撮影場所の標高であると言える。不揮発性メモリ103bにおいて、フレーム画像に対応付けられているカメラレンズの向きは、当該フレーム画像の撮影時のカメラレンズの向きであると言える。図7の例のように、ユーザの進行方向とカメラレンズの向きが同じである場合には、フレーム画像に対応付けられているカメラレンズの向きは、当該フレーム画像の撮影時のユーザの進行方向であると言える。
ステップs6の後、ステップs7において、タッチパネル140が、動画撮影の終了を指示する終了指示操作を検出すると、ステップs8において、制御部100は、使用カメラに動画の撮影を終了させる。本例では、図7に示される撮影終了ボタン420に対する所定の操作(例えばタップ操作)が終了指示操作となる。その後、制御部100は、ステップs9において、使用カメラで撮影されるスルー画像を表示部120に表示させる。使用カメラでの動画の撮影が終了すると、表示部120には付帯情報は表示されない。つまり、表示部120にスルー画像が表示されるときには付帯情報は表示されない。なお、図7と同様に、表示部120にスルー画像が表示されるときに付帯情報が表示されても良い。
<動画再生について>
図9は動画が再生される際の電子機器1の動作を示すフローチャートである。図9に示されるように、ステップs11において、タッチパネル140が、不揮発性メモリ103b内に存在する、使用カメラで撮影された動画を選択する選択操作を受け付けると、制御部100は、ステップs12において、不揮発性メモリ103b内の動画再生アプリケーションを実行する。そして、ステップs13において、制御部100の再生制御部340は、選択された動画を再生対象とし、例えば、再生対象の動画の最初のフレーム画像を表示部120に表示させる。その後、ステップs14において、タッチパネル140が、再生対象の動画の再生を指示する再生指示操作を受け付けると、再生制御部340は、ステップs15において、表示部120に、再生対象の動画を再生させる。
図10は、動画再生アプリケーションの実行中に、表示部120が再生制御部340による制御によって表示する再生画面500の一例を示す図である。図10では、動画再生中の再生画面500が示されている。動画再生中の再生画面500には、再生中の動画とともに、不揮発性メモリ103b内において当該動画に対応付けられている付帯情報が示される。言い換えれば、動画再生中の再生画面500には、再生中の動画とともに、当該動画の撮影中に取得された付帯情報が示される。
図10に示されるように、再生画面500は、部分画面501,502を含んでいる。部分画面502は部分画面501の下側に位置する。部分画面501には、再生中の動画510が示される。部分画面501には、再生中の動画510の各フレーム画像511が順次示される。さらに、部分画面502には、上述の付帯情報画面430と同様の付帯情報画面530も示される。付帯情報画面530は、例えば、動画510に重ねられて示される。
付帯情報画面530には、不揮発性メモリ103bにおいてフレーム画像511に対応付けられている時刻を示すアナログ時計540が含まれている。部分画面501にあるフレーム画像511が示される場合に、アナログ時計540は、不揮発性メモリ103bにおいて当該フレーム画像511に対応付けられている時刻を示す。これにより、アナログ時計540は、再生画面500において現在再生されているフレーム画像511の撮影時刻を示す。
付帯情報画面530には、不揮発性メモリ103bにおいてフレーム画像511に対応付けられている速さを数値で示す速さ情報550と、当該速さを示すアナログ式のスピードメータ560とが含まれている。部分画面501にあるフレーム画像511が示される場合に、速さ情報550及びスピードメータ560は、不揮発性メモリ103bにおいて当該フレーム画像511に対応付けられている速さを示す。これにより、速さ情報550と、スピードメータ560に含まれる針561は、再生画面500において現在再生されているフレーム画像511の撮影時の電子機器1の速さを示す。
付帯情報画面530には、不揮発性メモリ103bにおいてフレーム画像511に対応付けられている標高を示す標高情報570が含まれる。部分画面501にあるフレーム画像511が示される場合に、標高情報570は、不揮発性メモリ103bにおいて当該フレーム画像511に対応付けられている標高を示す。これにより、標高情報570は、再生画面500において現在再生されているフレーム画像511の撮影時における、当該フレーム画像の撮影場所の標高を示す。
標高情報570には、複数の目盛572が付された、標高を示す目盛軸571が含まれている。各目盛572には標高の値573が付されている。そして、標高情報570には、目盛軸571のある箇所を指し示す三角形のマーク574が含まれている。現在再生されているフレーム画像511の撮影時の標高は、目盛軸571における、マーク574が指し示す箇所の値となる。本例では、マーク574の位置は固定であり、フレーム画像511に対応付けられている標高に応じて、目盛572の値573が変化する。
付帯情報画面530には、不揮発性メモリ103bにおいてフレーム画像511に対応付けられているカメラレンズの向きを示す方角情報580が含まれる。部分画面501にあるフレーム画像511が示される場合に、方角情報580は、不揮発性メモリ103bにおいて当該フレーム画像511に対応付けられているカメラレンズの向きを示す。これにより、方角情報580は、再生画面500において現在再生されているフレーム画像511の撮影時のカメラレンズの向きを示す。動画510の撮影時においてユーザの進行方向とカメラレンズの向きとが一致している場合には、方角情報580は、再生画面500において現在再生されているフレーム画像511の撮影時のユーザの進行方向を示す。
方角情報580には、複数の目盛582が付された、方角を示す目盛軸581が含まれている。複数の目盛582の一部には、方角を示す文字583が付されている。図10に示される「N」という文字583は「北」を意味し、「NW]という文字583は「北西」を意味する。そして、方角情報580には、目盛軸581のある箇所を指し示す三角形のマーク584が含まれている。現在再生されているフレーム画像511の撮影時のカメラレンズの向きは、目盛軸581における、マーク584が指し示す箇所の方角となる。本例では、マーク584の位置は固定であり、フレーム画像511に対応付けられているカメラレンズの向きに応じて、方角を示す文字583が変化する。図10の例では、現在再生されているフレーム画像511の撮影時のカメラレンズの向きは北であって、現在再生されているフレーム画像511の撮影時にユーザは北に向かって移動している。
動画再生中の再生画面500の部分画面502には、一時停止ボタン520、早戻しボタン521及び早送りボタン522が示される。
再生制御部340は、タッチパネル140が、早送りボタン522に対する所定の操作(例えば、所定時間以上の接触操作)を検出すると、動画510の再生フレームレートを大きくして、動画510の再生を早送りする。例えば、再生制御部340は、ユーザが指等の操作子で早送りボタン522を触っている間、表示部120での動画510の再生を早送りする。
再生制御部340は、タッチパネル140が、早戻しボタン521に対する所定の操作(例えば、所定時間以上の接触操作)を検出すると、表示部120での動画510の再生を早戻しする。例えば、再生制御部340は、ユーザが指等の操作子で早戻しボタン521を触っている間、表示部120での動画510の再生を早戻しする。
早送りボタン522及び早戻しボタン521が操作されていないときの動画510の再生、つまり通常再生の再生フレームレートは、動画510の撮影フレームレートと一致する。言い換えれば、通常再生の再生速度は、動画510の撮影速度と一致する。動画510の撮影フレームレートが例えば30fpsであれば、30fpsで動画510が通常再生される。なお、ここでの速度は、スカラー量であって、速さと同じ意味である。
一方で、動画510の早送り再生及び早戻し再生の再生フレームレートは、動画510の通常再生時の再生フレームレートのα倍(α>1)である。言い換えれば、動画510の早送り再生及び早戻し再生の再生フレームレートは、動画510の撮影フレームレートのα倍である。αは例えば1.5に設定される。
再生制御部340は、タッチパネル140が、一時停止ボタン520に対する所定の操作(例えばタップ操作)を検出すると、表示部120での動画510の再生が停止するように表示部120を制御する。このとき、一時停止ボタン520に対する所定の操作をタッチパネル140が検出したときの動画510の再生箇所で動画510の再生は停止する。
図11は、動画510の再生が停止している場合の再生画面500の一例を示す図である。動画510の再生が停止している場合には、部分画面502には、一時停止ボタン520の代わりに再生ボタン523が示される。また部分画面501には、一時停止ボタン520に対して所定の操作が行われたときの動画510の再生箇所のフレーム画像511が示される。再生制御部340は、タッチパネル140が、再生ボタン523に対する所定の操作(例えばタップ操作)を検出すると、表示部120に、再生が停止している箇所から動画510を再生させる。言い換えれば、再生制御部340は、表示部120に、部分画面501に示されるフレーム画像511から動画510を再生させる。再生ボタン523に対する所定の操作が、上述の再生指示操作となる。
動画再生が停止している場合に、再生画面500に含まれる早送りボタン522に対して、操作子による所定時間以上の接触操作が行われると、操作子が早送りボタン522に接触している間、動画510が早送り再生される。そして、早送りボタン522に対して操作が行われなくなると、操作が行われなくなったときの動画510の再生箇所で動画510の再生は停止する。また、動画再生が停止している場合に、再生画面500に含まれる早戻しボタン521に対して、操作子による所定時間以上の接触操作が行われると、操作子が早戻しボタン521に接触している間、動画510が早戻り再生される。そして、早戻しボタン521に対して操作が行われなくなると、操作が行われなくなったときの動画510の再生箇所で動画510の再生は停止する。
このように、再生画面500には、再生中の動画510だけではなく、動画510の撮影中に取得された付帯情報も示される。そのため、ユーザは、例えば、動画510の再生中に、その動画510の撮影状況を確認することができる。
<電子機器の速さに基づく再生フレームレートの決定>
再生制御部340は、表示部120に動画を再生させる場合に、当該動画が撮影されるときの電子機器1の速さに基づいて、当該動画についての再生フレームレート(再生速度)を決定することができる。以下にこの点について詳細に説明する。
電子機器1は、上記のように動画510が再生される基本的な再生モードとは別に、再生対象の動画が、まるで、電子機器1が特定の速さで移動しているときに電子機器1が撮影した動画であるかのように、再生対象の動画が再生される再生モードを有している。前者の再生モードを「第1再生モード」と呼び、後者の再生モードを「第2再生モード」と呼ぶ。第2再生モードでの特定の速さは、例えば、ユーザによって電子機器1に対して指定される。したがって、第2再生モードでは、電子機器1は、再生対象の動画が、まるで、ユーザが指定する速さで電子機器1が移動しているときに電子機器1が撮影した動画であるかのように、再生対象の動画を再生すると言える。言い換えれば、第2再生モードでは、電子機器1は、再生対象の動画が、まるで、電子機器1に指定される速さでユーザが移動しているときに当該ユーザが電子機器1に撮影させた動画であるかのように、再生対象の動画を再生すると言える。
図12は、電子機器1の再生モードが第1再生モードから第2再生モードに切り替わる際の電子機器1の動作を示すフローチャートである。図12に示されるように、ステップs21において、第1再生モードで動作する電子機器1が表示する再生画面500に対する所定の操作をタッチパネル140が検出すると、ステップs22において、再生制御部340は、ユーザの速さ指定を受け付けるための入力画面700を表示部120に表示させる。ステップs21では、例えば、図13に示されるように、ユーザが指等の操作子で再生画面500に含まれるスピードメータ560に対してロングタップ操作を行うと、再生制御部340は表示部120に入力画面700を表示させる。図13には、ユーザが自身の指600でスピードメータ560に対してロングタップ操作を行う様子が示されている。
図14は入力画面700の表示例を示す図である。図14に示されるように、入力画面700は、例えば、再生画面500において付帯情報画面530の替りに示される。入力画面700は、例えば、複数の速さ指定ボタン701〜704を含む。ユーザが速さ指定ボタン701に対して所定の操作(例えばタップ操作)を行うと、ユーザから電子機器1に対して時速20kmの速さが指定される。ユーザが速さ指定ボタン702に対して所定の操作(例えばタップ操作)を行うと、ユーザから電子機器1に対して時速50kmの速さが指定される。ユーザが速さ指定ボタン703に対して所定の操作(例えばタップ操作)を行うと、ユーザから電子機器1に対して時速80kmの速さが指定される。ユーザが速さ指定ボタン704に対して所定の操作(例えばタップ操作)を行うと、ユーザから電子機器1に対して時速100kmの速さが指定される。速さ指定ボタン701〜704に対する所定の操作が、電子機器1に対して特定の速さを指定する速さ指定操作となる。
ステップs22の後、ステップs23において、タッチパネル140が速さ指定操作を検出すると、ステップs24において、電子機器1の動作モードが第1再生モードから第2再生モードに変化する。
第2再生モードの電子機器1では、再生制御部340は、タッチパネル140で検出された速さ指定操作で指定される特定の速さと、動画510の撮影時の電子機器1の速さとに基づいて、動画510の再生フレームレートを決定する。そして、再生制御部340は、決定した再生フレームレートで動画510を表示部120に再生させる。これにより、動画510が、まるで、電子機器1が特定の速さで移動しているときに電子機器1が撮影した動画であるかのように、動画510が再生される。第2再生モードでの再生フレームレートの決定方法については後で詳細に説明する。
図15は、第2再生モードの電子機器1が動画再生中に表示する再生画面800の一例を示す図である。図15には、ユーザによって指定された特定の速さが時速80kmのときの再生画面800が示されている。図15に示されるように、再生画面800は、部分画面801,802を含んでいる。部分画面802は部分画面801の下側に位置する。部分画面802は上述の図10に示される部分画面502と同じである。
部分画面801には、再生中の動画510と付帯情報画面530とが示される。部分画面801では、動画510が、まるで、電子機器1が特定の速さで移動しているときに電子機器1が撮影した動画であるかのように、動画510が再生される。第2再生モードでの動画510の再生フレームレートは、当該動画510の撮影時の速さの変化に応じて変化する。
第2再生モードでの付帯情報画面530は、第1再生モードでの付帯情報画面530と比較して、速さ情報550及びスピードメータ560が示す値だけが異なる。第2再生モードでの付帯情報画面530に含まれる速さ情報550及びスピードメータ560は、ユーザによって指定された特定の速さ(本例では時速80km)を示す。したがって、この場合、速さ情報550及びスピードメータ560は一定値を示す。
図16は、第2再生モードの電子機器1において動画510の再生が停止している場合の再生画面800の一例を示す図である。動画510の再生が停止している場合には、部分画面802には、一時停止ボタン520の代わりに再生ボタン523が示される。また部分画面801には、一時停止ボタン520に対して所定の操作が行われたときの動画510の再生箇所のフレーム画像511が示される。再生制御部340は、タッチパネル140が、再生ボタン523に対する所定の操作(例えばタップ操作)を検出すると、表示部120に、再生が停止している箇所から動画510を再生させる。
なお、第2再生モードにおいて再生画面800に含まれる早送りボタン522に対して操作が行われたときの電子機器1の動作は、第1再生モードと同様である。同様に、第2再生モードにおいて再生画面800に含まれる早戻りボタン521に対して操作が行われたときの電子機器1の動作は、第1再生モードと同様である。
第2再生モードの電子機器1が再生画面800を表示している場合に、タッチパネル140が再生画面800に対する所定の操作を検出すると、電子機器1は、再生モードを、第2再生モードから第1再生モードに変化させる。例えば、図17に示されるように、ユーザが指等の操作子で再生画面800に含まれるスピードメータ560に対してロングタップ操作を行うと、電子機器1は、再生モードを、第2再生モードから第1再生モードに変化させる。図17には、ユーザが自身の指600でスピードメータ560に対してロングタップ操作をする様子が示されている。電子機器1の再生モードが第2再生モードから第1再生モードに変化すると、再生制御部340は、表示部120に再生画面500を表示させる。
<第2再生モードでの再生フレームレートの決定方法の詳細>
次に、再生制御部340が第2再生モードでの再生フレームレートを決定する方法について詳細に説明する。図18は当該方法を説明するための図である。図18では、複数枚のフレーム画像511が、撮影順に、言い換えれば再生順に並べられている。
第2再生モードの電子機器1では、図18に示されるように、再生制御部340は、撮影時刻が連続する所定枚数のフレーム画像511ごとに、当該所定枚数のフレーム画像511の再生フレームレートを決定する。以後、この連続する所定枚数のフレーム画像511を「単位フレーム画像群515」と呼ぶ。単位フレーム画像群515は、例えば、連続する数十枚のフレーム画像511で構成される。例えば、動画510が3000枚のフレーム画像511で構成されて、単位フレーム画像群515が30枚のフレーム画像511で構成される場合には、当該動画510は100個の単位フレーム画像群515で構成される。
図19は、再生制御部340が、ある単位フレーム画像群515の再生フレームレートを決定する際の当該再生制御部340の動作の一例を示すフローチャートである。図19に示されるように、ステップs31において、再生制御部340は、不揮発性メモリ103bにおいて、対象の単位フレーム画像群515を構成する複数枚のフレーム画像511にそれぞれ対応付けられている速さの平均値を求める。つまり、再生制御部340は、対象の単位フレーム画像群515を構成する複数枚のフレーム画像511の撮影時の電子機器1の速さの平均値を求める。次にステップs32において、再生制御部340は、求めた平均値に対する、ユーザによって指定された特定の速さの倍率を求める。次にステップs33において、再生制御部340は、対象の単位フレーム画像群515を含む動画510の撮影フレームレートに対して、求めた倍率を掛け合わせた値を、第2再生モードにおいて、対象の単位フレーム画像群515を通常再生するときの再生フレームレートとする。
例えば、対象の単位フレーム画像群515を構成する複数枚のフレーム画像511にそれぞれ対応付けられている速さの平均値が時速20kmであるとする。また特定の速さが時速80kmであるとする。また、対象の単位フレーム画像群515を含む動画510の撮影フレームレートが30fpsであるとする。この場合、対象の単位フレーム画像群515の通常再生時の再生フレームレートは、30×(80/20)=120fpsとなる。
再生制御部340は、このようにして、第2再生モードでの通常再生時の再生フレームレートを、動画510に含まれる各単位フレーム画像群515について決定する。そして、再生制御部340は、第2再生モードにおいて、単位フレーム画像群515を通常再生する場合には、当該単位フレーム画像群515に対応する再生フレームレートで当該単位フレーム画像群515を再生する。これにより、第2再生モードの通常再生では、動画510が、まるで、電子機器1が特定の速さで移動しているときに電子機器1が撮影した動画であるかのように、動画510が再生される。動画510の撮影時の電子機器1の速さが変化する場合には、第2再生モードでの再生フレームレートは一定ではなく変化する。
なお、単位フレーム画像群515を構成する複数枚のフレーム画像511は、所定期間において撮影された複数枚のフレーム画像511であると言える。したがって、再生制御部340は、動画510の撮影時の所定期間での電子機器1の速さの平均値を求めると言える。そして、再生制御部340は、求めた平均値に対する特定の速さの倍率を、動画510の撮影フレームレートに掛け合わせた値を、当該動画510における、当該所定期間に対応する部分の再生時の再生フレームレートとすると言える。
第2再生モードにおいて、再生画面800に含まれる早送りボタン522に対して所定の操作が行われると、再生制御部340は、再生対象の動画510における早戻り再生される部分に含まれる各単位フレーム画像群515の再生フレームレートを、通常再生時の再生フレームレートのα倍に設定する。また、第2再生モードにおいて、再生画面800に含まれる早戻りボタン521に対して所定の操作が行われると、再生制御部340は、再生対象の動画510における早戻り再生される部分に含まれる各単位フレーム画像群515の再生フレームレートを、通常再生時の再生フレームレートのα倍に設定する。
このように、第1再生モードの電子機器1は、動画510の撮影フレームレートと一致する再生フレームで当該動画510を再生するのに対して、第2再生モードの電子機器1は、動画510の撮影時の電子機器1の速さに基づいて決定された再生フレームで当該動画510を再生する。
なお上記の例では、第1再生モードの電子機器1は、再生画面500に含まれるスピードメータ560に対してロングタップ操作が行われると、入力画面700を表示していたが、これに加えて、あるいはこれの替りに、再生画面500に含まれる速さ情報550に対してロングタップ操作が行われると、入力画面700を表示しても良い。
また入力画面700は、上記の図14に示される画面以外であっても良い。図20は入力画面700の他の例を示す図である。図20に示される入力画面700はドラムロール式の入力画面である。ユーザが、指等の操作子で、入力画面700に対して上下方向にスライド操作あるいはフリック操作を行うと、入力画面700に含まれる指定エリア710に示される速さが変化する。そして、ユーザが完了ボタン711に対して所定の操作(例えばタップ操作)を行うと、再生制御部340は、指定エリア710に示される速さを、ユーザによって指定された特定の速さとする。そして、電子機器1の動作モードは、第1再生モードから第2再生モードに変化する。
またユーザは、表示部120に表示されるキーボードを利用して、電子機器1に対して速さを指定しても良い。図21はこの場合の入力画面700の一例を示す図である。入力画面700には数字キーボード721が含まれる。数字キーボード721には、0から9の数字にそれぞれ対応する複数の数字ボタン722と、削除ボタン723とが含まれる。ユーザが数字ボタン722に対して所定の操作(例えばタップ操作)を行うと、当該数字ボタン722に対応する数字が入力エリア720に示される。またユーザが削除ボタン723に対して所定の操作(例えばタップ操作)を行うと、入力エリア720に示される数字が削除される。そして、ユーザが完了ボタン724に対して所定の操作(例えばタップ操作)を行うと、再生制御部340は、入力エリア720に示される数字の速さを、ユーザによって指定された特定の速さとする。そして、電子機器1の動作モードは、第1再生モードから第2再生モードに変化する。
また、ユーザが入力画面700を利用して電子機器1に対して特定の速さを指定した後であっても、ユーザが新たに電子機器1に対して特定の速さを指摘できるようにしても良い。例えば、第2再生モードの電子機器1が表示する再生画面800に含まれるスピードメータ560に対してユーザが所定の操作を行うことによって、ユーザが電子機器1に対して速さを指摘できるようにしても良い。例えば、図22に示されるように、ユーザがスピードメータ560の周端部に対して指600等の操作子でタップ操作を行うと、図23に示されるように、スピードメータ560に含まれる針561が、タップ操作が行われた箇所まで回転する。図23では回転前の針561が破線で示されている。再生制御部340は、回転後の針561が示す速さを、ユーザが指定する特定の速さとして、第2再生モードでの再生フレームレートを再度決定し、決定した再生フレームレートで動画510を表示部120に再生させる。この場合、速さ情報550は、回転後の針561が示す速さを示す。
また例えば、ユーザが、スピードメータ560に含まれる針561を直接操作することによって、ユーザが電子機器1に対して特定の速さを指摘できるようにしても良い。例えば、図24に示されるように、ユーザが、指600等の操作子を針561に接触させた状態で、当該操作子を、スピードメータ560の周方向に沿って移動させると、図25に示されるように、当該操作子の移動に追従して針561が回転する。図24,25の例では、ユーザは指600を反時計まわりに移動させている。再生制御部340は、回転後の針561が示す速さを、ユーザが指定する特定の速さとして、第2再生モードでの再生フレームレートを再度決定し、決定した再生フレームレートで動画510を表示部120に再生させる。この場合、速さ情報550は、回転後の針561が示す速さを示す。
また、ユーザが再生画面800に含まれる速さ情報550に対して所定の操作を行うことによって、ユーザが電子機器1に対して特定の速さを指摘できるようにしても良い。例えば、ユーザが再生画面800に示される速さ情報550に対してロングタップ操作を行うと、上述の入力画面700と同様の入力画面が付帯情報画面530の替りに示される。ユーザは、入力画面700に対する操作と同様にして、再生画面800上の入力画面を操作することによって、電子機器1に対して特定の速さを指定することができる。再生制御部340は、新たに指定された特定の速さに基づいて、第2再生モードでの再生フレームレートを再度決定し、決定した再生フレームレートで動画510を表示部120に再生させる。この場合、速さ情報550及びスピードメータ560は、新たに指定された特定の速さを示す。なお、ユーザが、スピードメータ560に対してロングタップ操作を行う場合、入力画面700と同様の入力画面が付帯情報画面530の替りに示されても良い。
また、第2再生モードでの再生フレームレートが決定される際に使用される特定の速さは、ユーザによって指定されるのではなく、予め定められていても良い。この場合には、例えば、不揮発性メモリ103bに、特定の速さを示す特定速さ情報が予め記憶される。そして、第1再生モードの電子機器1は、再生画面500に含まれるスピードメータ560に対してロングタップ操作が行われると、上記のような入力画面700を表示することなく、動作モードを第2再生モードに変更する。第2再生モードの電子機器1では、再生制御部340は、ある単位フレーム画像群515の再生フレームレートを決定する場合、不揮発性メモリ103bにおいて、当該ある単位フレーム画像群515を構成する複数枚のフレーム画像511にそれぞれ対応付けられている速さの平均値を求める。また再生制御部340は、不揮発性メモリ103bから特定速さ情報を読み出す。そして、再生制御部340は、求めた平均値に対する、読み出した特定速さ情報が示す特定の速さの倍率を求める。次に再生制御部340は、当該ある単位フレーム画像群515を含む動画510の撮影フレームレートに対して、求めた倍率を掛け合わせた値を、第2再生モードにおいて、当該ある単位フレーム画像群515を通常再生するときの再生フレームレートとする。これにより、第2再生モードの電子機器1では、再生対象の動画510が、まるで、予め定められた特定の速さで電子機器1が移動しているときに電子機器1が撮影した動画であるかのように、再生対象の動画510が再生される。
また、第2再生モードの電子機器1が、予め定められた特定の速さに基づいて再生フレームレートを決定した後、ユーザが新たな特定の速さを電子機器1に対して指摘できるようにしても良い。この場合には、上記のように、ユーザが、再生画面800に含まれるスピードメータ560あるいは速さ情報550に対して所定の操作を行うことによって、ユーザが特定の速さを電子機器1に対して指摘できるようにしても良い。
また、第2再生モードの電子機器1は、図26に示されるように、再生画面800だけではなく、第1再生モードでの再生画面500も表示しても良い。これにより、第2再生モードの電子機器1では、再生対象の動画510が撮影フレームレートと一致する再生フレームレートで再生される再生画面500と、再生対象の動画510が撮影時の電子機器1の速さに基づいて決定された再生フレームレートで再生される再生画面800とが同時に表示される。
また、第2再生モードの動画の再生フレームレートは、当該動画の撮影中に得られる速さではなく、当該動画の撮影中に得られる他の情報に基づいて決定されても良い。例えば、第2再生フレームレートの再生フレームレートは、付帯情報に含まれる時刻、標高あるいはカメラレンズの向きに基づいて決定されても良い。
以上のように、第2再生モードの電子機器1では、動画510の再生フレームレートが、当該動画510の撮影中に得られる情報に基づいて決定される。したがって、動画510が、まるで、その撮影時の電子機器1の実際の速さとは異なる速さで電子機器1が移動するときに撮影された動画であるかのように、当該動画510を再生することができる。よって、電子機器1の利便性が向上する。
また上記のように、動画510の再生フレームレートが、当該動画510が撮影されるときの電子機器1の速さと、特定の速さとに基づいて決定される場合には、電子機器1は、動画510が、まるで、特定の速さで電子機器1が移動するときに撮影された動画であるかのように、当該動画510を再生することができる。
また上記のように、第2再生モードの電子機器1が再生画面800と再生画面500とを同時に表示する場合には、ユーザは、撮影時の電子機器1の速さに基づいて決定された再生フレームレートで再生される動画510と、撮影フレームレートと一致する再生フレームレートで再生される動画510とを同時に確認することができる。よって、電子機器1の利便性がさらに向上する。
なお付帯情報には、速さ、時刻、標高及びカメラレンズの向きが含まれなくても良い。また、付帯情報には、速さ、時刻、標高及びカメラレンズの向き以外の情報が含まれても良い。例えば、電子機器1がGPS受信機が備える場合には、当該GPS受信機で取得される電子機器1の現在位置が付帯情報に含まれても良い。また、電子機器1が温度センサを備える場合には、温度センサで検出される温度が付帯情報に含まれても良い。また、付帯情報には、気圧算出部310が算出する気圧が含まれても良い。
また上記の例では、電子機器1は自ら撮影した動画を再生していたが、電子機器1とは別の撮影装置が撮影する動画を電子機器1が再生しても良い。また、電子機器1は、自ら付帯情報を取得していたが、電子機器1とは別の装置が付帯情報を取得しても良い。
また上記の例では、電子機器1は、スマートフォン等の携帯電話機であったが、他の種類の電子機器であっても良い。電子機器1は、例えば、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル機器などであっても良い。当該ウェアラブル機器は、腕時計型などの腕に装着するタイプであっても良いし、メガネ型などの頭に装着するタイプであっても良いし、服型などの体に装着するタイプであっても良い。
以上のように、電子機器1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。