しかしながら、特許文献1の場合、第一の実施例では発熱体だけを用いた乾燥であり、足拭きマットの下面に蒸気が籠もってしまい十分乾燥できない問題があった。また、第二の実施例から第六の実施例では、この問題を解決するため、足拭きマットに温風を送風する手段を設けているが、全面に温風を送風することになり、利用者が多い時間帯では、足拭きマットの中央部などの最も水分量が多いところが十分乾燥することはなく、どうしても足拭きマットを交換する必要が発生していた。
特に、温浴施設等に使用する業務用足拭きマットは、1200mmX700mm程度と大判サイズであり、十分な吸水能力を得るためには厚さも必要であり、最も水分量が多い中央部を乾燥させるには、大がかりな乾燥装置が必要となる問題もある。さらに、このような足拭きマットは、現実的には巻き取りをすることは難しく、頻繁に交換せざるを得ない問題もある。
また、特許文献1も特許文献2も、足拭きマットの使用する面をずらすために電動の搬送機構を使用しており、機構が複雑になるばかりでなく可動部の故障に繋がる問題もあった。さらに、上記のように足拭きマットの交換が発生した場合は、交換は非常に煩雑であり、利用者が多い時間帯では交換作業が行えない問題もあった。
本願発明は、上記問題点に鑑みその目的は、足拭きマットの乾燥性に優れ、交換がし易く、交換時期も最適なタイミングで効率よく交換することが出来る乾燥機能付きの足拭きマット装置と足拭きマットシステムを提供することを目的とする。
そこで本発明は、平面視長方形の平板状部材の内部に空気通路が水平方向に張り巡らされて上面に足拭きマットを載せるベースユニットと、該ベースユニット短辺側の上面又は側面に設けた接続部に接続されて前記空気通路に空気を送る電動式の送風ユニットと、前記空気を暖めるヒーターとを備え、前記ベースユニットの上面には前記空気通路の経路に沿って複数の通気孔が開口しており、前記送風ユニットを作動させて前記空気通路内に送気することで、前記通気孔から上面に載せた前記足拭きマット裏面側に温風を噴出させながら濡れた前記足拭きマットの乾燥を促進させる足拭きマット装置であって、前記ベースユニットは、平板状部材の上面から所定深さで形成されて水平方向に張り巡らされた通気溝を備えてなるロワベースの上面側に、前記通気孔を厚さ方向に貫通して設けた天板を前記通気溝の上方を総て覆うように被せながら前記上面に密着して設けたことで前記空気通路が形成されている、ことを特徴とするものとした。
このように、平板状部材の上面から通気溝を形成して水平方向に張り巡らしたロワベースの上面を通気孔のある天板で塞いだことで、平板状のベースユニットの内部に平面的に広がる空気通路を形成するとともに、その空気通路に送風ユニットを接続して通気孔から足拭きマットの裏面側に温風を噴射する構成としたことにより、足拭きマットの下に敷くベースユニットを平板状の薄く簡易な構成としながら、足拭きマット裏面にまんべんなく温風を噴射できるようになるため、比較的低コストでありながら足拭きマットの乾燥性に優れた足拭きマット装置となって、マット交換頻度を低減することが可能となる。
また、この足拭きマット装置において、その送風ユニットには送風ユニット又は/及びヒーターの作動を制御しながらその乾燥能力を調整する乾燥制御手段が付設されているとともに、足拭きマットの上を利用者が通過したことを検出する手段としての人感センサーが付設されており、その乾燥制御手段は、人感センサーで所定時間内に検出した利用者の通過数に応じて通気孔から噴出する温風の量又は/及び温度を調整する、ことを特徴とするものとすれば、利用者数の変化に伴う足拭きマットの時間あたりの吸水量の変動状況に応じて、噴射する温風の量・温度を自動的に調整することが可能になるため、無駄な電力を消費してしまう状況を低減して、ランニングコストの高騰を抑えやすいものとなる。
この場合、その空気通路の所定範囲には、その底面側に通電により発熱するヒーターが面状又は線状に配設されているとともに、そのヒーターにより構成される加熱部が水平面上の複数の領域に分割されており、乾燥制御手段がその領域ごとに加熱部のON/OFF制御を実行可能とされている、ことを特徴とするものとすれば、足拭きマットにおける部位ごとの濡れやすさのレベルに応じて、乾燥能力を調整することが可能となるため、さらにランニングコストを抑えやすいものとなる。
さらに、上述した足拭きマット装置において、その送風ユニットは、その平面視の長径がベースユニットの平面視の短径の半分以下のサイズとされているとともに、その接続部に対し着脱自在に接続されており、その接続部は、ベースユニットにおける一方の短辺の両端側又は左右の短辺の対向した端部側の2箇所に設けられており、送風ユニットをその2箇所の接続部のうちいずれかを選択してベースユニットに接続することが可能とされている、ことを特徴としたものとすれば、その構造により平面状のベースユニットよりも大きく上方に突出することになるベースユニットを、利用者の動線に対して干渉しにくい位置に配置可能として、利用者の安全性を確保しやすいものとなる。
さらにまた、上述した足拭きマット装置において、その空気通路は、接続部から2系統に分岐しており、一方の系統が接続部のあるベースユニットの短辺側からその長径方向中央部に向かう送気ルートを形成し、他方の系統がベースユニットの短辺側から長辺に沿って進むとともに対向する短辺側に達してから反転して中央部で一方の系統の送気ルートと合流させる送気ルートを形成する、ことを特徴としたものとすれば、長方形状のベースユニットにおける送風ユニットを接続した短辺側から長手方向に遠い位置まで、まんべんなく温風を送りやすいものとなって、足拭きマットの乾燥性をさらに高めることができる。
加えて、上述した足拭きマット装置において、その送風ユニットには、所定の検出手段による検出信号を基に足拭きマットの濡れレベルを検知又は/及び推定しながら足拭きマットの交換時期を判定するマット交換判定手段が付設されており、そのマット交換判定手段が交換時期を判定することで、所定の通知手段を介し所定のタイミングにて足拭きマットの管理者にその交換時期を通知する、ことを特徴としたものとすれば、管理者の手間を最小限に抑えながら、最適なタイミングの交換時期にて効率よく交換することができる。
この場合、そのマット交換判定手段には無線送信手段が接続されており、この無線送信手段との間で無線接続可能な通知手段であるパーソナルコンピュータ又は/及び携帯端末に対し、所定のタイミングでベースユニットに載せた足拭きマットの交換時期に関する情報を送信することにより、足拭きマットの管理者に前記交換時期を通知する、ことを特徴としたものとすれば、管理者が浴場から離れた位置にいる場合でも、足拭きマットの最適な交換時期を認識することが可能となり、頻繁に足拭きマットの濡れ状態をチェックする手間を解消して、マット管理のための労力を大きく削減することができる。
そして、前述した無線送信手段を備えた足拭きマット装置と、パーソナルコンピュータ又は/及び携帯端末とを備えており、そのパーソナルコンピュータ又は/及び携帯端末に対し、足拭きマット装置から所定のタイミングで前記情報を送信することにより管理者に足拭きマットの交換時期を通知する、ことを特徴とした足拭きマットシステムを構築することで、上述した各発明による効果を実現することが可能となるが、そのシステムをより具体的に実現する手段が以下のようなものとなる。
即ち、本願発明に係る手段1は、内部に複数の通気溝を有する長方形のベースユニット、ベースユニットの通気溝内に温風を送風する送風ユニット、ベースユニット上を通過する人を感知する複数の人感センサー、ベースユニットの上面に配設した複数の温湿度センサー、該温湿度センサーの温湿度情報、人感センサーの計数カウント情報を取り込み、通信手段を用いて温湿度情報、計数カウント情報、内部のタイマーカウント情報を送信する制御ユニット、ベースユニットを覆うように載置した足拭きマット、制御ユニットに給電する電源部、を備える足拭きマット装置と、温湿度情報、計数カウント情報、タイマーカウント情報により時間の変化に基づいて計算処理を行い、計算結果を表示する表示手段、計算結果に基づいて足拭きマットの交換を促す警告を発する警告手段を備えるシステム制御部と、システム制御部と通信し、送られた計算結果の表示情報、または、警告の表示情報、またはその両方の情報を表示する端末と、を具備したことである。
本願発明の手段1によれば、足拭きマットの下面のベースユニット部に複数の通気溝を設け、その通気溝内に温風を流し、足拭きマットの下面に温風を吹き付けることで足拭きマット自体の乾燥を早める効果がある。さらに、足拭きマットはベースユニットを覆うように載置してあるだけであり、交換作業も非常に簡単に行える利点がある。
また、足拭きマットの下面部に温湿度センサーを設けて足拭きマットの湿潤を検出し、同時に、人感センサーの計数カウント情報と合わせシステム制御部に送信し、システム制御部にて計算処理を行い、足拭きマットの交換時期を推定し警告するようにしたことにより、担当する施設従業員(担当スタッフ)が持つ携帯端末や、施設内に各種情報を表示する表示端末に足拭きマットの状況の表示や警告の表示を送信することで、担当スタッフが足拭きマットの交換時期を知り得て、迅速な交換が可能となる効果がある。さらに、足拭きマットを頻繁に交換する必要もなくなり、無駄な交換が発生することもなく交換人件費が削減でき、洗濯等のリネン経費も削減することが出来る。
本願発明によれば、足拭きマットの乾燥性に優れ、交換がし易く、交換時期も最適なタイミングで効率よく交換することが出来る乾燥機能付きの足拭きマット装置と足拭きマットシステムを提供することができる。
(課題を解決するための他の手段)
本願発明に係る手段2は、長方形のベースユニットが、底面から起立する複数のリブにより長手方向に複数の通気溝が形成されたロワベースと、底面とリブを挟んで対向するように、通気溝の少なくとも一部を覆うように設けられた通気制御部材と、一部に開口を有し、底面と対向して設けられた天板とを備えるようにし、天板の開口を通し、送風ユニットによりベースユニット内に温風を送風するようにしたことである。
本願発明に係る手段2によれば、足拭きマットの下面部に複数の通気溝を設け、その通気溝内に温風を流し、足拭きマットの下面に通気制御部材を介して温風を効果的に吹き付けることで一層足拭きマット自体の乾燥を早める効果がある。さらに、通気制御部材の通気特性を部分的に変え、足拭きマットの湿潤にあわせて温風を効果的に吹き付けることで、さらに一層乾燥を早める効果がある。
本願発明に係る手段3は、送風ユニットが、空気を取り込む送風手段と、一端は、送風手段の送風口部と対向し、他端は天板の開口と対向するように配設した中空のダクトと、該ダクト内の一部に設けられた発熱体とを備えたことである。
本願発明の手段3によれば、ダクト内に発熱体を設け、取り込んだ外気を送風手段でダクト内に押し込みながら直ぐに高温に温め、天板の開口からベースユニット内に送り込むことで、効率よく温風を作り出せる効果がある。さらに、足拭きマット装置の端部近傍に設けることで、足拭きマット上を通過するには邪魔にもならず、必要な温風を得るために必要な発熱・送風能力を得やすい利点がある。
本願発明に係る手段4は、足拭きマット装置が、送風ユニットに加え、さらにベースユニット内の複数の通気溝部に、複数の面状発熱体と電極端子から成る発熱体ユニットを設け、発熱領域を複数に分割して温湿度センサーの情報に基づいて発熱領域を個別にON/OFF制御したことである。
本願発明の手段4によれば、送風ユニットに設けられた発熱体に加え、ベースユニット内に発熱体ユニットを設け、ベースユニット内の通気溝部に配設された複数の面状発熱体で内部の空気を直接加熱し、通気制御部材を介して温風を足拭きマットに吹き付けることが出来る。このため、一層短時間で足拭きマットを乾燥させることが出来る。また、発熱体ユニットを複数の発熱領域に分割して温湿度センサーの情報に基づいて発熱領域を個別にON/OFF制御したことで、足拭きマットの乾燥した領域は加熱する必要がなく、省エネになる効果も発生する。
本願発明に係る手段5は、制御ユニットの制御部が、温湿度センサーの温湿度情報、人感センサーの計数カウント情報、内部のタイマーカウント情報を基に、送風ユニットの送風手段の風量を制御する、または、発熱体のON/OFFを制御する、または、その両方の制御をするようにしたことである。
本願発明の手段5によれば、足拭きマットの湿潤状態と利用者数の情報により、足拭きマットが乾燥している時や、利用者が少ない時は発熱体の電源を間欠で切断したり、送風手段の風量を低下させたり、送風手段自体を停止させたりすることが出来るため、省エネとなる効果がある。
本願発明に係る手段6は、システム制御部と通信し、送られた計算結果の表示情報、または、警告の表示情報、またはその両方の情報を表示する端末を、無線通信機能を有する携帯端末としたことである。
本願発明に係る手段6によれば、表示する端末を、スマートフォン等の無線通信機能を有する携帯端末として、システム制御部の計算結果から得られる状況の表示、警告の表示を担当スタッフがどこにいても瞬時に情報を得ることができ、足拭きマットを効率よく迅速に交換することができる利点がある。この結果、無駄な交換が発生することもなく交換人件費が削減でき、洗濯等のリネン経費も削減することが出来る。
本願発明に係る第1の実施の形態について、図1から図6を用いてその構成を説明する。図1は足拭きマットシステム1の構成を示す全体図であり、足拭きマット装置100と、その内部に設けられた制御ユニット30から無線通信で送信される情報を受信し、計算処理を行い、結果を表示及び出力するパーソナルコンピュータなどのシステム制御部400と、さらに、システム制御部400から無線通信で送信された結果を受信する携帯端末500で構成される。
足拭きマット装置100は、図1、図2、図3に示すように、長方形のベースユニット10と、一方の短辺近傍に配置されベースユニット10の内部に外気を強制送風する送風ユニット20、ベースユニット10の天面から上方で、一定の距離Lを離して配置された2つの第1の人感センサー41と第2の人感センサー42、ベースユニット10の上面に配設された複数の温湿度センサー15、ベースユニット10の天面を覆うように敷設された足拭きマット43、送風ユニット20近傍で電気部材を制御する制御ユニット30、さらに、電源を供給する電源部45で構成され、送風ユニット20、制御ユニット30と第1の人感センサー41および第2の人感センサー42は保護カバー44内に配設されている。第1の人感センサー41および第2の人感センサー42は焦電型の赤外線センサーで、センサー孔44a、44bから外に向けて赤外線を照射し足拭きマット43上を通過する人を感知して後述する計数カウントを行っている。
ベースユニット10には、図3、図4、図5に示すように長方形で、外枠11xで四方を囲まれた平板状のロワベース11を基に、その一部の上面に配置された不織布等の素材からなる第1の通気制御部材13、および第2の通気制御部材14が部分的に重ねて設けられている。なお、図4では温湿度センサー15も合わせて分解前の位置に想像線(二点鎖線)にて引出し記載してある。図中左端近傍には一部に開口12aを有する天板12が並設されている。また、ベースユニット10と足拭きマット43の間には、ロワベース11の後述するセパレートリブ11dの位置に足拭きマット43の温湿度を検出する前述の複数の温湿度センサー15が分散して配設されている。温湿度センサー15の配設は、通気制御部材の内側でも外側でもよいが、足拭きマット43に当椄させることが好ましい。また、通気制御部材を重ねて設けていることは、上面への通気量を部分的に変えるためであり、通気特性の異なる種類の不織布を並設させて配置しても良い。
ロワベース11は前述したように、その外枠11xで四方を囲まれて凹状を成し、その底面11zからはガイドリブ11a、ガイドリブ11b、および複数のセパレートリブ11dが外枠11xの上端の高さまで起立している。
複数のセパレートリブ11dは天板12の端部近傍から長手方向に延伸し右端の外枠11xに突き当たるまで間隔を空けて配設されており、その間で複数の通気溝11eを形成している。一方、底面11zの天板12に対向する部分は、ガイドリブ11a、ガイドリブ11bが起立しており、ベースユニット10には、天板12と底面11zで囲まれ通気溝11eに向かって八の字状の流路空間部11cが形成さている。
送風ユニット20は、図6に示すように外気を取り込み、送風口21aから風を吹き出すブロアー21と、その送風口21aと対向して一端に流入開口23a、他端に流出開口23bを形成する中空のダクト23と、ダクト23の内部に設けられ通電で発熱する発熱体22A、22Bで構成されている。流出開口23bは、前述の天板12の開口12aと略同一の形状をしており開口12aと接続される。発熱体22A、22Bには、例えばセラミックヒーターやカーボンヒーター、シーズヒーター等が用いられる。なお、所望の発熱量が得られれば形状や数量は自由である。
次に、送風ユニット20からベースユニット10、さらに、足拭きマット43への温風の流れについて説明する。ブロアー21により送り込まれた空気は、発熱体22A、22Bにより温められ、温風となって送風ユニット20から開口12aを通して流れ込み、流路空間部11cを通して八の字状にロアベース11内に広がり、複数の通気溝11eへと案内される。流路空間部11c近傍の通気溝11e部分では、流入する温風は動圧が高く風量も多いため、一部は第1の通気制御部材13、および第2の通気制御部材14を通過して上部の足拭きマット43に吹き付けられ、残りは通気溝11eに添って先へと案内される。
ベースユニット10の中央近傍の領域では、やや動圧が下がった温風が、一部は第1の通気制御部材13を通過して上部の足拭きマット43に吹き付けられ、残りは通気溝11eに添ってさらに先へと案内される。ベースユニット10の右端近傍の領域では、さらに動圧が下がった温風は、通気溝11eが外枠11xに堰き止められており、直接足拭きマット43に吹き付けられる。このように、送風ユニット20から送られた温風は徐々に変化する通気制御部材の抵抗に抗して、均一に足拭きマット43に吹き付けられる。なお、一般的には足拭きマット43は均一に湿潤する訳ではないため、足拭きマット43に吹き付ける温風の制御をする必要があり、後述する第1の実施形態の変形例で詳細に説明する。
足拭きマット装置100の制御ユニット30について図6、図7を用いて説明する。天板12の上面部には中継駆動基板32と制御基板31が配置され電気的に接続されている。中継駆動基板32は、ブロアー21、発熱体22A、22B、温湿度センサー15、第1の人感センサー41、第2の人感センサー42、図示せぬLED表示器のそれぞれの端子部から配線接続され、それらを駆動する駆動回路が設けられている。
一方制御基板31は、いわゆるワンボードマイクロコンピュータ(ワンボードマイコン)や、例えばRaspberry Pi(登録商標)等のシングルボードコンピュータの基板であり、制御部31aと無線通信部31bで構成されている。制御基板31は、接続される中継駆動基板32を通してブロアー21、発熱体22A、22B、温湿度センサー15、第1の人感センサー41、第2の人感センサー42、図示せぬLED表示器を制御するようにプログラムされている。さらに、無線通信部31bを介してシステム制御部400と、例えばWi-Fi(登録商標)等により無線通信する。また、上記制御基板31と中継駆動基板32は1枚の基板であっても良い。なお、上記では、制御基板31とシステム制御部400とはWi-Fi等の無線通信手段で無線通信されていると説明したが、有線で接続されたローカルエリアネットワーク(LAN)で通信しても構わない。また、図7の想像線で表示する発熱体ユニット70は、本願発明の第2の実施形態で説明する。
次に、足拭きマット装置100において、入浴者と退浴者を計数カウントする方法について説明する。第1の人感センサー41および第2の人感センサー42は焦電型の赤外線センサーであり、人が足拭きマット43上を通過すると熱を感知して動作する。先ず、入浴者は第1の人感センサー41側から入り第2の人感センサー42側に抜けていくとすると、第1の人感センサー41が反応し、続いて第2の人感センサー42が反応することになる。この反応の順番で入浴者が通過したかが分かる。
一方、退浴者の場合は、第2の人感センサー42が先に反応し、続いて第1の人感センサー41が反応することになる。この方法で入浴者か退浴者かを判別し、計数カウンタでそれぞれをカウントし、計数カウント情報とする。なお、人感センサーは焦電型の赤外センサーで説明したが、超音波センサーや発光側と反対側に受光部を有する光透過型センサーで実現しても構わない。
足拭きマット装置100は足拭きマット43が十分乾燥しているときや、浴室利用者が少ないときに、常に加熱送風していることは、省エネの観点から無駄である。そこで、足拭きマット43の乾燥状態や浴室利用者の人数状況を監視しながら、適切な温風を送ることが求められる。足拭きマット装置100におけるブロアー21と発熱体22A、22Bの制御について図8を用いて説明する。
<ステップS1>
まず、足拭きマット43の湿潤状態を温湿度レベルとしてレベルの設定を行う。図8では3段階のレベルをLevel1、Level2、Level3としているが、何段階に分けても構わない。
<ステップS2>
次に、現在の利用状況として、累積した入浴通過カウント値M1、累積した退浴通過カウント値M2から、差分カウント値Nを求める、すなわち、N=M1-M2は現在入浴中の人数となる。
<ステップS3>
上記、差分カウント値Nを判別する。N=0の場合は浴室内には利用者が居ないということを表す。このときは、足拭きマット43の湿潤状態を温湿度センサー15の情報から求める。一方、N>0の場合は差分カウント値Nの値が、現在入浴中の利用者数となる。この場合は、温湿度センサー15の情報から足拭きマット43の湿潤状態を求めると共に、退浴予定者が今後足拭きマット43上を通過することを想定して、一定時間後の足拭きマット43の湿潤状態を予測する。一般に、湯上りでは約20cc/人~約50cc/人の肌水や落水があることが知られており、この水分が増えたものとみて予測する。なお、退浴予定者数の推定は、例えば、平均入浴時間30分として、現在の入浴中の利用者は今後30後までに全員退浴すると考えると、退浴予定者数は5分間隔でサンプリングするとしたならば、現在の入浴中の利用者全員が均等に退浴するとして、5分後は、現在の入浴中の利用者の5/30=1/6人が退浴することになり、退浴予定者数を決定する。
<ステップS4>
上記、足拭きマット43の湿潤状態および予測される湿潤状態を基に、設定されたレベル設定Level1~Level3に基づいて送風ユニット20のブロアー21と発熱体22A、22Bの制御を行う例を以下に示す。先ず、マットの温湿度がLevel1を越えているか判別し、越えていない場合はブロアー21を低速回転/発熱体22A、22Bを停止する。Level1を越えている場合は次のLevel2で判別する。Level2を越えていない場合は、ブロアー21は低速回転のまま発熱体22A、22Bを間欠加熱する。Level2を越えている場合はLevel3で判別する。Level3を越えていない場合は、ブロアー21は高速回転にし、発熱体22A、22Bを間欠加熱する。さらに、Level3を越えている場合は、ブロアー21は高速回転にし、発熱体22A、22Bを常時加熱にする。なお、発熱体の間欠加熱は、発熱体22A、22Bの片方のみの加熱、交互の加熱や、電力制御で発熱量を制御しても良い。
制御ユニット30における足拭きマット43の温湿度情報、利用者の計数カウント情報を、システム制御部400にWi-Fi(登録商標)等により無線通信する方法を、図9を用いて説明する。図9の左半分のフローは、制御ユニット30側の処理で、データを無線通信するまでを表し、右半分のフローは、システム制御部400側の処理でデータ受信後に必要な計算処理を行い、システム制御部400に表示出力および警告出力を行うまでを表している。
制御ユニット30側の処理は、制御ユニット30のワンボードマイコン等の制御基板31にプログラムが組み込まれており、先ず、内部のタイマーカウンタTMの値を0としてスタートし、時間をカウントする。次に、温湿度センサー15の情報を基に一定時間間隔で足拭きマット43の温湿度を検出する。このマット温湿度の情報と、その時のタイマーカウント値である温湿度検出時のタイマー値Tnを一時バッファに保存する。同時に、常に第1の人感センサー41、第2の人感センサー42を監視し、イベントが発生した場合には入浴者か退浴者かを判別して入浴通過カウント値M1、退浴通過カウント値M2として加算し、上記一時バッファにイベント発生時のタイマー値Txと合わせて保存する。
タイマーカウンタTMが予め定めた定値Pになった場合は、マット温湿度の情報と、その時のタイマーカウンタTM=P、および、入浴通過カウント値M1の値、退浴通過カウント値M2の値、イベント発生時のタイマー値Txの値、および一時バッファに保存してある全データと合わせ、計数カウント情報、タイマーカウント情報として無線通信部31bからシステム制御部400に送信する。同時に、一時バッファのデータとタイマーカウンタTMの値をリセットして元に戻り繰り返す。すなわち、一定時間間隔である定値Pにおいて、定期的に上記の情報をシステム制御部400に送信することとなる。なお、入浴通過カウント値M1、退浴通過カウント値M2は1日単位でリセットしても良い。
システム制御部400での処理は、まず、受信データの各種タイマー値を日時情報に変換する必要がある。受信した時点でのタイマーカウンタTM=Pに対してシステム制御部400内の日時情報が同一となるため、温湿度検出時点での時刻は、温湿度検出時のタイマー値Tnと送信された最終タイマー値である定値Pの差分値(P-Tn)を現在時刻から引き算すると求められる。同様に、人感センサーによるイベント発生時点での時刻も、イベント発生時のタイマー値Txと最終タイマー値である定値Pの差分値(P-Tx)を現在時刻から引き算すると求まる。
上記で求められた日時とマット温湿度情報の関係を、時間軸に対してグラフ表示し、現時点の温湿度情報、現時点の入浴者数(差分カウント値Nの値)をシステム制御部400の表示部に表示出力する。図10は上記の結果をシステム制御部400の表示部に表示出力した例である。温湿度センサーの表示はグラフと数値で表示され、現時点での入浴者数も表示されていることが分かる。
図9において、マット温湿度が予め設定したLevel4以上になった場合は、足拭きマット43の交換が近々に発生することが予想される。この結果、例えば、”マットの交換時期が近づいています”等のマット交換の注意喚起の表示を行う。さらに、マット温湿度が予め設定したLevel5以上になった場合は、例えば、”足拭きマットを交換してください”等のマット交換の警告表示を行う。
さらに、システム制御部400は、無線通信手段を使用して、担当スタッフが携帯する例えばスマートフォンやタブレット型端末などの携帯端末500に、上記温湿度センサーのグラフと数値の情報、および、現時点での入浴者数の情報、マット交換の注意喚起の表示やマット交換の警告表示を送信する。この結果、担当スタッフは、施設内の各所に配設された足拭きマット43の情報を瞬時に得られるとともに、どこの足拭きマット43を交換する必要があるかが迅速にかつ明確に分かり、無駄な交換が発生することもなく交換人件費が削減でき、洗濯等のリネン経費も削減することが出来る。さらに、足拭きマット43はベースユット10の上に敷置してあるだけであり、簡単に交換することが出来る。
なお、携帯端末500は必ずしも表示機能を有する携帯端末とは限らず、警告ブザーを鳴らすような携帯端末であってもよいし、さらに、システム制御部400とLAN等の有線で接続され施設内に配置された表示端末であってもよい。なお、上記の無線通信手段を有する携帯端末500であれば、担当スタッフが常時携帯することができ、さらに、施設内のどこにいても瞬時に情報を得ることができ、足拭きマットの交換に対して迅速に対応できるため最も好ましい。
一般に、温浴施設等で使用する足拭きマット43は前述したように1200mmX700mm程度の大判サイズのものが多く、温浴施設で使用する場合には、どうしてもその中央部付近の湿潤が最も甚だしい場合が殆どである。そのため、足拭きマット43の乾燥は、その中央部を中心に乾燥させることが効率的で、交換頻度を減らせることが容易に推察される。
図11は、本願発明の第1の実施形態の変形例を示している。なお、図11では温湿度センサー15も合わせて想像線にて引出し記載してある。ベースユニット50は、ロワベース51とその上面に設けられた薄板状の通気制御部材53、天板12で構成され、通気制御部材53と足拭きマット(図示せぬ)の間には足拭きマットの温湿度を検出する複数の温湿度センサー15が配設されている。ロワベース51は底面51zから長手方向に複数のセパレートリブ51dが外枠51xの上面まで起立しており、その間隔はそれぞれ異なり、溝幅の異なる通気溝51e、51f、51g、51hが形成されている。中央部の通気溝51eは広く、図中前後の外枠51xに近づくほど通気溝51f、51g、51hの溝は間隔が徐々に狭くなっている。
一方、薄板状の通気制御部材53は、複数の通気孔53a、53b、53cが設けられており、流路空間部51cに近い方から、第1の通気領域F、第2の通気領域G,第3の通気領域Hと3分割されている。第1の通気領域Fには通気孔53aが粗の状態で形成され、第2の通気領域Gには通気孔53bが密の状態で形成され、第3の通気領域Hには通気孔53cが粗と密の中間の状態で形成されている。
ロワベース51の通気溝51e、51f、51g、51hと間隔が徐々に狭くなっている理由は、流路空間部51cから流れ込む温風を流路抵抗の少ない通気溝51e、51fに誘導して、足拭きマット43の中央部に吹き付けるためであり、さらに、通気制御部材53の第2の通気領域Gの通気孔53bが密の状態で形成し、開口面積を多くしていることも、足拭きマット43の中央部に温風を集中的に吹き付けるためである。なお、通気制御部材53の通気孔53a、53b、53cは各領域において等密度で分布して設けたが、当然、足拭きマット43に吹き付ける開口面積を除変させて設けても良い。このロワベース51と通気制御部材53の組み合わせにより、足拭きマット43の乾燥を最適化せせることが可能となる。
本願発明の第2の実施の形態を図12、図13に示す。なお、温湿度センサー15も合わせて分解前の位置に想像線にて引出し記載してある。第2の実施の形態ではベースユニット60が異なっており、ロワベース61の底面61zに面状の発熱体ユニット70を設けたことである。ロワベース61の底面61zには、第1の実施形態と同様に長手方向にセパレートリブ61dが起立しており、セパレートリブ61dに直交するように電極溝部61kが底面61zに達するまで3ヶ所形成されている。ロワベース61の底面61z上には各通気溝61eに添って複数の面状発熱体71が敷設されている。(図14,図15参照)さらに、ベースユニット60はロワベース61、上面には第1の通気制御部材13,第2の通気制御部材14、天板で構成されて、内部に面状の発熱体ユニット70が敷設された状態となっている。また、ベースユニット60と足拭きマット(図示せぬ)の間には足拭きマットの温湿度を検出する複数の温湿度センサー15が配設されている。
面状の発熱体ユニット70は図14、図15に示すように複数の面状発熱体71が間隔を空けて平行に並べられ、その両端部分は各電極端子72A、72B、72C、72Dと接続されている。図15の例では面状発熱体71は3ヶ所の領域に分かれて接続されている。なお、面状発熱体71としてはPTCヒーター(Positive Temperature Coefficient Heater)を用いることが好ましいが、カーボンナノチューブインキを印刷した面状発熱体でも構わない。各電極端子は、その端部からそれぞれ配線ハーネス75、76、77、78と接続され引き回されて、前述の中継駆動基板32に接続されている。また、面状発熱体71の絶縁をするために、その両面、および各電極端子は耐熱性の絶縁フィルム73A、73Bで面状発熱体71を挟み込むようにラミネートされて、内包した状態となっている。(図14断面参照)
発熱体ユニット70のロワベース61への組み付けは、図14に示すようにロワベース61から起立したセパレートリブ61dで形成される通気溝61eの間に配設されており、面状発熱体71が通電で発熱することにより、通気溝61e部の空気を直接加熱して温めることになる。この結果、送風ユニット20の発熱体22A、22Bと発熱体ユニット70を併用して用いれば、さらに一層効率よく足拭きマット43を乾燥させる効果がある。
発熱体ユニット70の通電制御に関して図16と表1を用いて説明する。図7の想像線(二点鎖線)で示すように、発熱体ユニット70から伸びた配線ハーネス75、76、77、78はそれぞれ中継駆動基板32に接続されており、電極端子72AはグランドアースGrに接続され、電極端子72BはスイッチSW1を介して駆動電源Vccに、電極端子72CはスイッチSW2を介して同様に駆動電源Vccに、さらに、電極端子72DはスイッチSW3を介してグランドアースGrに接続されている。電極端子72Aと電極端子72B間を通電すると第1の発熱領域Xが発熱し、電極端子72Aと電極端子72C間を通電すると第2の発熱領域Yが発熱し、電極端子72Bと電極端子72D間を通電すると第3の発熱領域Zが発熱する。
上記の電極端子間を通電する制御は、各スイッチを組み合わせてONにすることで、発熱できる。図16に示す接続では、表1に示すスイッチの組み合わせで、所望の領域を任意に選択し発熱させることができる。第1の実施形態で説明したように、足拭きマット43は、温浴施設で使用する場合には、その中央部付近の湿潤が最も甚だしい場合が多い。そのため、中央部付近を乾燥させるためには、温度の高い温風を多量に吹き付けることが効果的である。本願発明の第2の実施形態では、この中央部(図16の第1の発熱領域X)の通気溝61e内の空気を温めることで、一層効果的に足拭きマット43を乾燥させることができる。
また、第2の発熱領域Y、第3の発熱領域Zと3領域に分割して独立して発熱できるようにしたのは、足拭きマット43の両端部が乾燥している場合には、第1の発熱領域Xのみ発熱させることで、省エネにできる利点もある。さらに、発熱体22A、22Bと併用して使用する場合には、送風ユニット20の温風が通気溝61eの下流に行くほど温風の温度が下がるため、この温度の落ち込みを防ぐこともでき、一層効果的に足拭きマット43を乾燥させることができる。なお、各発熱領域の発熱は常にスイッチをONにするばかりでなく、発熱温度に差を設けるようにスイッチを適宜ON/OFF制御してもよい。
上記、第1の実施形態から、その変形例、第2の実施形態まで、送風ユニットは送風手段としてブロアー21を使用して説明してきたが、横長のクロスフローファンを使用してガイドリブ11a、11bで形成する流路空間部11cを幅広くとって、横一列に温風を送風しても構わない。また、ブロアー21の代わりに圧電ポンプを複数個並べて、送風手段を構成してもよい。
図17は本願発明における足拭きマット43の乾燥性に関する実施例で、(a)はベースユニット10の写真であり、ロワベース11の上面には、全体を覆う第3の通気制御部材16が追加で設けられている。左から順番に、第1の通気制御部材13と第2の通気制御部材14と第3の通気制御部材16が重なった部分、第1の通気制御部材13と第3の通気制御部材16が重なった部分(中央部分)、第3の通気制御部材16のみの部分(右側)の3か所の領域に分けられている。また(b)は、通気制御部材を取り除いたロワベース11のセパレートリブ11dにより形成された通気溝11eを表している。
実験の条件は、ロワベース11の大きさは1250mmX450mmで、通気溝11eが形成されている部分は900mmX450mmの部分である。また、通気溝11eは断面が幅6mmX高さ8mmの形状で、37か所の溝が略均等に設けられている。実験に使用した送風ユニット20は、温風温度:73℃、風量:141リットル/分の風量となっている。通気制御部材は不織布が、3枚重ね部分の透過率:53%、2枚重ね部分:73%、1枚のみ:83%となっている。
本実験の実施例としては実施例1、実施例2の2種類の条件とし、比較例として、比較例1~比較例3の3種類の条件で比較を行った。実施例の違いは、実施例1:通気溝11e内部に温風を流し、足拭きマットの下面から温風を吹き付けたもので、通気制御部材は設けていない。実施例2:実施例1に対して、上記3種類の通気制御部材13、14、16を取り付けた。また、比較例として、比較例1:自然乾燥、比較例2:通気溝11e内部に冷風(室温)を流し、足拭きマットの下面から冷風を吹き付けた。比較例3:温風を上方から足拭きマット表面に吹き付けた。なお、各実験の条件を表2に示す。
まず、ロワベース11の900mmX450mmの部分と対応する足拭きマット43に、ほぼ全面に均一に500gの水をスプレーで吹き付け、温度:23℃/湿度:40%の室内環境で足拭きマット43の乾燥性の実験を行った。乾燥性は、時間経過ごとの足拭きマット43の重量の変化を60分間測定した。なお、重量測定計は、株式会社エー・アンド・デイ製のSH-15KWPを使用して測定した。その結果を図18に示す。
実験の結果では、比較例1<比較例2<比較例3<<実施例1<実施例2の順に重量が軽くなっており、乾燥が進んだことになる。この結果から、温風を、通気溝11eを経由して足拭きマットの下面から吹き付けることは非常に効果があることが分かる。さらに、上面に領域を分けて透過率の異なる通気制御部材を設けることにより、温風を全体的に行き渡せるようになり、さらに一層乾燥効率が上がることが分かった。
次に、図19、図20を参照しながら、本発明における第3の実施の形態である足拭きマット装置100Bについて説明する。この足拭きマット装置100Bは、平面視長方形の平板状部材の内部に空気通路が水平方向に張り巡らされて上面に足拭きマット43を載せるベースユニット10Bと、このベースユニット10B短辺側の側面に設けた接続部としての接続溝112又は接続溝113に接続されて前記空気通路に空気を送る電動式の送風ユニット20Bと、送風ユニット20Bのケースに内装されて送出する空気を加熱するセラミックヒーター24,24とを備えている。
そのベースユニット10Bの上面には、空気通路の経路に沿って足拭きマット43の濡れやすさのレベルに応じた領域ごとに異なるサイズにて配置された複数の通気孔53d,・・・,53e・・・,53f・・・が開口しており、送風ユニット20B内のブロアー21,21を作動させて空気通路内に送気することで、その通気孔53d,53e,53fから、これに載せた足拭きマット43の裏面側に温風を噴出して濡れた足拭きマット43の乾燥を促進させるようになっている。
また、前述したベースユニット10Bは、平板状部材の上面から所定深さで形成されて水平方向に張り巡らされた通気溝11h,11h,11i,・・及び流路空間部11j,11kを備えてなるロワベース11Bの上面側に、通気孔53d,53e,53fを厚さ方向に貫通して設けた天板12Bを、通気溝11h,11i及び流路空間部11j,11kの上方を総て覆うように被せながらロワベース11B上面に密着して設けたことで空気通路が形成されている。
このように、平板状部材の上面から通気溝11h,11iを形成して水平方向に張り巡らしてなるロワベース11Bの上面を通気孔53d,53e,53fのある天板12Bで塞いだことで、平板状のベースユニット10Bの内部に平面的に広がる空気通路を形成するとともに、その空気通路に送風ユニット20Bを接続して通気孔53d,53e,53fから足拭きマット43の裏面側に温風を噴射する構成を採用したことにより、足拭きマット43の下に敷くベースユニット10Bを平板状に薄い簡易な構成としながら、足拭きマット43裏面にまんべんなく温風を噴射可能となるため、コストを低廉に抑えても足拭きマット43の乾燥性に優れたものとなり、その交換頻度を大幅に低減することを可能としている。
また、この足拭きマット装置100Bの送風ユニット20Bには、これに内装しているブロアー21,21又は/及びセラミックヒーター24,24の作動を制御しながらその乾燥能力を調整するための乾燥制御手段を機能的に実現している制御ユニット33が、その保護カバー内に設けられているとともに、足拭きマット43の上を施設利用者が通過したことを検出する手段としての人感センサー29が付設されている点を特徴としている。
即ち、上述した制御ユニット33により実現される乾燥制御手段は、人感センサー29で所定時間内に検出した利用者の通過数に応じて、通気孔53d,53e,53fから噴出する温風の量又は/及び温度を自動的に調整するようになっており、利用者数の変化に伴う足拭きマット43の時間あたり吸水量の変動状況に応じて、噴射する温風の量・温度を自動的に調整するようになっており、無駄な電力消費を回避しながら効率的な乾燥機能を発揮することで、装置のランニングコストを抑えやすいものとしている。
さらにまた、上述した送風ユニット20Bは、図19に示したように、その平面視の長径がベースユニット10Bの平面視の短径の半分以下(約4分の1)のサイズとされているとともに、その接続部である接続管26,26が、ベースユニット10B側の接続部である接続溝112,113に対し着脱自在に接続されるようになっているが、そのベースユニット10Bの接続部は、ベースユニット10Bにおける一方の短辺の両端側(左右の短辺の対向した端部側でも可)の2箇所に設けられており、送風ユニット20Bを、その2箇所の接続部のうちいずれかを選択してベースユニット10Bに接続することが可能である。
これにより、図20の側面図に示したようにブロアー21,21及びセラミックヒーター24,24を備えて、平面状のベースユニット10Bよりも大きく上方に突出している形状とされた送風ユニット20Bを、図21(A),(B),(C)に示すように、浴室開口部の壁側など、利用者の動線に干渉しにくい位置に配置することが可能となるため、利用者の安全を確保しやすいものとしている。尚、接続溝112,113のうち接続しない方は、封止栓111を上から嵌め込んで開口部を封止することで、空気通路から温風が漏出して噴出圧力を低下させてしまう事態を回避することができる。
これに加えて、本実施の形態の足拭きマット装置100Bでは、図19に示したように、その空気通路が接続部から2系統に分岐しており、一方の系統が接続部のあるベースユニット10Bの短辺側から入口側の流路空間部11j、通気溝11i等を通ってその長径方向中央部に向かう送気ルートを形成し、他方の系統がベースユニット10Bの短辺側から通気溝11hを通って長辺に沿って進むとともに対向する短辺側の流路空間部11kに達してから反転して、中央部で一方の系統の送気ルートと合流する送気ルートを形成しており、長方形状のベースユニット10Bにおける送風ユニット20Bを接続した短辺側から長径方向に遠い位置まで、まんべんなく温風を送りやすくなることから、足拭きマット43の乾燥性をさらに高めたものとなっている。
また、本実施の形態では、その送風ユニット20Bに、上述した検出手段である人感センサー29で所定時間内に検出した利用者の通過数を基に、足拭きマット43の濡れレベルを推定しながら足拭きマット43の交換時期を判定するマット交換判定手段が、上述した制御ユニット33により機能的に実現されるようになっている。
即ち、そのマット交換判定手段が所定時間内に検出した利用者の通過数のレベルと、これに相関するものとして予め記憶しておいた足拭きマット43の濡れレベルを推定するための表又は数式に基づいて適切な交換時期を判定し、送風ユニット20Bを介して所定のタイミングにて足拭きマット43の管理者に対し、送風ユニット20B上部に設けた通知手段としての通知ランプ27の点灯状態を変化させることにより、その交換時期を自動的に通知する設定が可能とされている。
例えば、足拭きマット43が比較的乾いている状態では青色、交換時期が近くなった状態では黄色、交換時期になった状態では赤色など、濡れレベルに応じて通知ランプ27の点灯及び発光の色を自動的に変化させて視覚的に通知する方式が想定される。これにより、管理者の手間を最小限に抑えながら最適なタイミングによる交換時期にて足拭きマット43を効率的に交換することが可能となる。
尚、上述したシステム形式による実施の形態と同様に、そのマット交換判定手段に無線送信手段を接続したものとし、この無線送信手段との間で無線接続可能な通知手段であるパーソナルコンピュータ又は/及び携帯端末に対し、所定のタイミングでベースユニット10Bに載せた足拭きマット43の交換時期に関する情報を送信することにより、管理者に対しマット交換時期を通知するようにしても良い。また、その空気通路の底面側に、通電により発熱するヒーターを面状に配設するとともに、そのヒーターにより構成される加熱部が水平面上の複数の領域に分割されたものとして、上述した乾燥制御手段がその領域ごとに加熱部のON/OFF制御を実行できるようにしても良い。また、図19では人感センサー29が1個の配置となっているが、上述した実施の形態と同様に、指向方向の異なる2個を配置して利用者の通過方向を検知しながら入浴者と退浴者を区別できるようにすることで、判定精度をさらに高めることが可能となる。
図22は、上述した総ての実施の形態に共通した変形例としての足拭きマット装置100Cを示している。この例では、所定の高さを有した柱状の送風ユニット20Cが、ベースユニットの端部側に立設されている点を特徴としている。このように、送風ユニット20Cを柱状にして利用者の膝と同等以上の高さにしたことで、利用者はその存在を容易に認識できるようになってこれに衝突する事故を防止しやすいものとなる。また、図示は省略するが、その送風ユニット20の上部に観葉植物等を載置することにより、利用者がさらに認識しやすくなることに加え、外観上の審美性にも優れたものとなる。
以上、本願発明の実施の形態や実施例に基づいて詳細に説明してきたが、実施形態はこれに限定されるものでなく、本願発明の主旨を逸脱することなく、その他種々の構成をとり得ることは勿論である。例えば、システム制御部における過去の計算結果から、日付及び時間情報を基に季節要因、曜日要因、時間帯要因と、足拭きマットの交換実績から湿潤/乾燥のバランスデータを予めシステム制御部に学習させるとともに、現時点での温湿度情報と利用者数情報から、足拭きマットの交換時期を推察し、“マットの交換時期が近づいています”“マットの交換時期は**時頃です”“マットを早急に交換してください”等のように、注意喚起・警告・指示と段階的に変化させて出力することもできる。この結果、交換作業が一層効率化する効果がある。なお、本願発明の波及効果として、温浴施設を有する温泉旅館やホテル等で利用する場合は、現在の利用者人数が把握できるため、お客様に現在の浴場施設の混雑状況などを知らせることも可能となる。