JP7192944B2 - 血液凝固系解析装置、血液凝固系解析システム、血液凝固系解析方法、及び血液凝固系解析用プログラム、並びに、出血量予測装置、出血量予測システム、出血量予測方法、及び出血量予測用プログラム - Google Patents
血液凝固系解析装置、血液凝固系解析システム、血液凝固系解析方法、及び血液凝固系解析用プログラム、並びに、出血量予測装置、出血量予測システム、出血量予測方法、及び出血量予測用プログラム Download PDFInfo
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Description
血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する推定部
を含む血液凝固系解析装置を提供する。
また、本技術は、
血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する推定部
を含む血液凝固系解析装置も提供する。
前記第一の測定と前記第二の測定は、測定に付される血液の特性において相違していてよい。
前記血液の特性における相違は、前記血液に含まれる前記血液凝固因子の濃度の違い、または前記血液凝固因子の含有の有無における違い、または用いられる血液の違いであってよい。
前記第一の測定と前記第二の測定は、前記血液の測定条件において相違していてよい。
前記測定条件における相違は、印加電圧の周波数の違いであってよい。
前記第1の結果及び前記第2の結果は、血液凝固の開始後に前記電気的特性の経時変化が最大となる時点における、電気的特性の変化率でありうる。
前記比較結果は、前記第1の結果と前記第2の結果との比でありうる。
前記第1の結果が得られた血液中の血液凝固因子濃度と前記第2の結果が得られた血液中の血液凝固因子濃度との差が0.50pM以上でありうる。
前記阻害因子は組織因子経路インヒビターでありうる。
前記比較結果は、前記第1の結果と前記第2の結果との比に対して、前記血液のヘマトクリット値による補正を行ったものであってもよい。
前記比較結果は、前記第1の結果と前記第2の結果との比に対して、前記血液のヘマトクリット値及び内因系凝固経路に関する特性値による補正を行ったものであってもよい。
また、前記阻害因子に関する特性は当該阻害因子の濃度又は活性でありうる。
血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、個体の出血量を予測する予測部
を含む出血量予測装置も提供する。
また、本技術は、
血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、個体の出血量を予測する予測部
を含む出血量予測装置も提供する。
血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する推定部を含む血液凝固系解析装置、及び
前記推定の結果を表示する表示装置
を備える血液凝固系解析システムも提供する。
また、本技術は、
血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する推定部を含む血液凝固系解析装置、及び
前記推定の結果を表示する表示装置
を備える血液凝固系解析システムも提供する。
血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、個体の出血量を予測する予測部を含む出血量予測装置、及び
前記予測された出血量を表示する表示装置
を備える出血量予測システムも提供する。
また、本技術は、
血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、個体の出血量を予測する予測部を含む出血量予測装置、及び
前記予測された出血量を表示する表示装置
を備える出血量予測システムも提供する。
血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
を比較する工程、及び
前記比較の結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する工程
を含む血液凝固系解析方法も提供する。
また、本技術は、
血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
を比較する工程、及び
前記比較の結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する工程
を含む血液凝固系解析方法も提供する。
血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
を比較する工程、及び
前記比較の結果に基づき、個体の出血量を予測する工程
を含む出血量予測方法も提供する。
また、本技術は、
血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
を比較する工程、及び
前記比較の結果に基づき、個体の出血量を予測する工程
を含む出血量予測方法も提供する。
血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する工程をコンピュータに実行させるための
血液凝固系解析用プログラムも提供する。
また、本技術は、
血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する工程をコンピュータに実行させるための
血液凝固系解析用プログラムも提供する。
血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、個体の出血量を予測する工程をコンピュータに実行させるための 出血量予測用プログラムも提供する。
また、本技術は、
血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、個体の出血量を予測する工程をコンピュータに実行させるための
出血量予測用プログラムも提供する。
1.血液凝固系解析装置
(1)血液凝固因子及び血液凝固因子に対する阻害因子
(2)電気的特性
(3)第1の結果及び第2の結果
(4)第1の結果と第2の結果との比較結果
(5)阻害因子に関する特性の推定
(6)その他の構成
2.出血量予測装置
3.血液凝固系解析システム
4.出血量予測システム
5.血液凝固系解析方法
6.出血量予測方法
7.血液凝固系解析用プログラム
8.出血量予測用プログラム
9.実施例
本技術の血液凝固系解析装置は、
血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する推定部を含む。
本技術において、血液凝固因子は、例えば外因系凝固因子若しくは内因系凝固因子であり、又は凝固系活性化剤であってもよい。本技術において、血液凝固因子は外因系凝固因子であることが好ましい。外因系凝固因子としては例えば、第III因子(組織因子)、第VII因子、及びその活性化型、すなわち活性化第VII因子、並びにこれらの遺伝子組換え型を挙げることができる。内因系凝固因子としては例えば、第VIII因子、第IX因子、第XI因子、及び第XII因子、並びにこれらの活性化型、例えば活性化第VIII因子等、並びにこれらの遺伝子組換え型を挙げることができる。凝固系活性化剤としては例えばエラグ酸及びカオリンを挙げることができる。エラグ酸及びカオリンは内因系を活性化させることができる。本技術において、血液凝固因子は、第III因子、すなわち組織因子であることが特に好ましい。本技術において、血液凝固因子が組織因子である場合に、より良い推定(又は、下記2.で述べる出血量予測装置の場合においては予測)が行われうる。
本技術において、電気的特性として例えば、誘電率、インピーダンス、アドミッタンス、キャパシタンス、コンダクタンス、導電率、及び位相角等を挙げることができる。本技術において、電気的特性は、これらのいずれか1つ又は2つ以上であってもよい。これらの電気的特性は、下記表1に示す数式によって互いに変換可能である。これらの電気量や物性値の多くは複素数を用いて記述することができ、それによって変換式を簡略化することもできる。本技術において用いられる電気的特性は、好ましくは誘電率でありうる。例えば、電気的特性として複素インピーダンス測定が行われ、これに基づき誘電率が決定されうる。
本技術において、阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果は、前記電気的特性に基づき得られるものである。当該第1の結果は、例えば当該電気的特性の変化率又は電気的特性の積分値であり、好ましくは電気的特性の変化率でありうる。当該第1の結果は、より好ましくは、血液凝固の開始後に前記電気的特性の経時変化が最大となる時点における電気的特性の変化率、又は、当該時点の前後一定区間の変化率の平均値でありうる。抗凝固剤(例えばクエン酸等)によって凝固を抑制されている血液に対し、抗凝固作用解除剤(例えばカルシウム含有化合物、特には塩化カルシウム等)を添加することで抗凝固作用が解除され、その後、血液の凝固が開始する。当該血液の電気的特性を経時的に測定した場合、当該血液の凝固開始後に、前記電気的特性の経時変化が最大となる時点がある。当該時点における電気的特性の変化率が、本技術における第1の結果でありうる。
図2は、凝固過程にある血液に対して所定の周波数の交番電圧を印加した場合における、当該血液について測定される誘電率の時間に対するプロットの例である。図2の時間軸の左端が、抗凝固作用を解除する為の剤を添加した時点である。
電圧の周波数が10MHzの場合において、抗凝固作用を解除する為の剤の添加後、誘電率が低下し、最小値Eminに達し、その後上昇する。最小値Eminの時点が、凝固開始時点(図2におけるCT)である。凝固開始後、図2におけるCT3の時点において、誘電率の経時変化(増加率)が最大になる。この時点における誘電率の時間に対する変化を表す曲線の勾配(図2におけるCFR2)、すなわち誘電率の時間に対する変化率が、本技術における第1の結果でありうる。
また、周波数が1MHzの場合において、抗凝固作用を解除する為の剤の添加後に誘電率が上昇し、最大値Aに達し、その後低下する。最大値Aの時点が、凝固開始時点(図2におけるCT)である。凝固開始後、周波数が1MHzの場合においても、誘電率の経時変化(減少率)が最大になる時点がある。この時点における、誘電率の時間に対する変化を表す曲線の勾配(図2におけるCFR)、すなわち誘電率の時間に対する変化率が、本技術における第1の結果でありうる。
当該差は、特に好ましくは0.50pM以上であり、さらにより好ましくは0.52pM以上であり、さらにより好ましくは0.55pM以上であり、さらにより好ましくは0.57pM以上でありうる。電気的特性が測定される2つの血液の濃度差をこのように設定することで、例えば濃度差が約0.3pMの場合と比べて、さらにより良い推定結果(又は、下記2.で述べる出血量予測装置の場合においては予測結果)が得られうる。当該血液凝固因子濃度は、血液に添加される血液凝固因子の量のみに基づき算定される。すなわち、血液に元々含まれる血液凝固因子の量は当該濃度の算定において考慮されない。例えば第2の結果を得るために用いられる血液が、血液凝固因子が添加されていない血液である場合、血液凝固因子濃度は0である。
第1の結果が得られた血液の血液凝固因子濃度は、第2の結果が得られた血液の血液凝固因子濃度に対して、特に好ましくは5倍以上、さらにより好ましくは6倍以上、7倍以上、又は8倍以上でありうる。このように濃度を設定することで、濃度差が約2倍である場合と比べて、さらにより良い推定結果(又は、下記2.で述べる出血量予測装置の場合においては予測結果)が得られうる。
本技術において、第1の結果と第2の結果との比較結果は、好ましくは前記第1の結果と前記第2の結果との比、又は、当該比を所定の補正項により補正したものでありうる。当該比又は当該比を所定の補正項により補正したものを用いて推定することで、より良い推定結果(又は、下記2.で述べる出血量予測装置の場合においては予測結果)が得られうる。
血液凝固反応において内因系凝固因子のFXIIaは、内因系を活性化するだけでなく、外因系凝固因子FVIIを活性化する能力もある。また、TF/FVIIa複合体はFXを活性化するだけでなく、内因系凝固因子FIXを活性化する能力も持つ。活性化されたFIXaはFXを活性化し、トロンビン生成に寄与することで、さらにFVIIの活性化(即ち、外因系凝固反応の促進)につながる。このように、外因系凝固経路と内因系凝固経路とは相互に作用し合う。そのため、仮に外因系凝固因子濃度とTFPI濃度が全く同じ2つの検体があり、しかし、一方の内因系凝固因子の濃度が他方より有意に高い場合には、前記2つの検体の凝固反応は異なることがある。そのため、内因系凝固経路に関する特性値による補正によって、より良い推定結果が得られうる。
本技術において、推定部は、前記比較結果に基づき、血液凝固因子に対する阻害因子に関する特性の推定を行う。当該推定は、例えば、当該比較結果と当該特性との相関関係に基づき行われうる。当該相関関係は、例えば、以下のとおりにして予め用意されうる。複数の個体、特にはヒト、からそれぞれ得られた血液試料に対して電気的特性の測定を行い、測定結果に基づき第1の結果及び第2の結果の比較結果を得ておく。これら複数の個体の血液試料に対して、阻害因子に関する特性、例えば濃度又は活性等、を実際に化学的又は生化学的な方法により測定する。統計学的処理により、前記比較結果と前記阻害因子に関する特性との間の相関関係が得られる。阻害因子に関する特性を推定したい個体の血液についても同様に比較結果を得、そして、当該相関関係、例えば当該相関関係を表すグラフ又は式等、を参照して、当該比較結果に基づき阻害因子に関する特性が推定されうる。当該比較結果は、上で説明したとおりの前記第1の結果と前記第2の結果との比であってよく、特には前記式1~6のいずれかにより表されるyでありうる。
本技術の血液凝固系解析装置は、必要に応じて、前記推定部において行われる推定に用いられる各種データを取得する為に用いられる構成、推定された特性を出力する構成、及び/又は各種データを記憶する構成をさらに含んでいてもよい。そのような構成の例として例えば、図1に示されたとおりの、血液試料を保持する試料保持部102、電気的特性を測定する測定部103、阻害因子の血液凝固阻害能に関する結果を得る結果算出部104、前記第1の結果と前記第2の結果とを比較する比較部105、推定された特性を表示する表示部106、及び記憶部(図示せず)を挙げることができるがこれらに限定されない。以下で、これらの構成についてそれぞれ説明する。
本技術の出血量予測装置は、
血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、個体の出血量を予測する予測部を含む。
本技術は、血液凝固系解析装置及び当該装置による推定結果を表示する表示装置を備える血液凝固系解析システムも提供する。当該血液凝固系解析装置は、上記1.で述べた血液凝固系解析装置である。
本技術は出血量予測装置を備える出血量予測システムを提供する。当該出血量予測装置は、上記2.で述べた出血量予測装置である。
本技術は、
血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
を比較する工程、及び、
前記比較の結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する工程
を含む血液凝固系解析方法も提供する。
本技術は、
血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
を比較する工程、及び、
前記比較の結果に基づき、個体の出血量を予測する工程
を含む出血量予測方法も提供する。
本技術は、
血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する工程をコンピュータに実行させるための
血液凝固系解析用プログラムも提供する。
本技術は、
血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、個体の出血量を予測する工程をコンピュータに実行させるための
出血量予測用プログラムも提供する。
健常者の血液に体外で人為的にリコンビナントTFPI(以下、rTFPIという)を異なる濃度で添加した複数の血液試料を用意した。当該血液試料それぞれに異なる濃度の組織因子を添加した状態で、凝固経路を活性化させ、血液凝固過程における誘電率を経時的に測定した。測定結果を解析して、異なる組織因子濃度のそれぞれの場合について誘電率変化の最大勾配を得た。得られた最大勾配の比を求めたところ、rTFPI濃度に依存して当該比が変化した。したがって、血中TFPI濃度を当該比により評価できることが分かった。また、解析に用いる測定の組織因子濃度差がある程度大きい場合に、より有効な評価ができることも分かった。
クエン酸を抗凝固剤として使用した真空採血管を用いて、健常者の静脈血の採血を行った。rTFPIはシグマ・アルドリッチ社から購入したものを用いた。当該rTFPIは凍結乾燥状態にあるので、メーカー推奨の方法に従って50μg/mLの濃度になるように溶解してrTFPI溶液を得た。当該溶液を血液に加え、rTFPI濃度が30、50、70及び90ng/mLである血液試料を用意した。なお、rTFPI溶液の添加量によって血液の希釈度が変化するのを防ぐため、生理食塩水を適宜血液試料に加え、全ての血液試料においてrTFPI溶液+生理食塩水の量は血液の10分の1になるようにした。
測定結果から、凝固開始後における誘電率変化の最大勾配を求めた。TF濃度が0.65pMである場合の最大勾配とその他の濃度のいずれかの場合の最大勾配との比yを求めた。yは以下の式7により表される。
このように、yとTFPI濃度との間の相関関係に基づき、血液のTFPI濃度を推定することができる。
(1)実験方法
人工心肺を用いる心臓血管手術を受けた18名の成人患者の血液を、閉胸後手術終了時に採血した。当該手術において、人工心肺が適用されている間は、プロタミンによるヘパリン中和が行われていた。得られた血液に、クエン酸が抗凝固剤として添加された。また、術後48時間のドレーンからの出血量を計量した。
測定結果から、凝固開始後における誘電率変化の最大勾配を求めた。TF濃度が0.65pMである場合の最大勾配とTFを添加しない場合(すなわちTF濃度が0pMの場合)との比に対してヘマトクリット値による補正を行ったyを求めた。yは以下の式8により表される。
このように、yと術後出血量との間の相関関係に基づき、術後出血量を予測することができる。
〔1〕血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する推定部
を含む血液凝固系解析装置。
〔2〕前記第1の結果及び前記第2の結果が、血液凝固の開始後に前記電気的特性の経時変化が最大となる時点における、電気的特性の変化率である、前記〔1〕に記載の血液凝固系解析装置。
〔3〕前記比較結果が、前記第1の結果と前記第2の結果との比である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の血液凝固系解析装置。
〔4〕前記第1の結果が得られた血液中の血液凝固因子濃度と前記第2の結果が得られた血液中の血液凝固因子濃度との差が0.50pM以上である、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の血液凝固系解析装置。
〔5〕前記阻害因子が組織因子経路インヒビターである、前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の血液凝固系解析装置。
〔6〕前記比較結果が、前記第1の結果と前記第2の結果との比に対して、前記血液のヘマトクリット値による補正を行ったものである、前記〔1〕、〔2〕、〔4〕、及び〔5〕のいずれかに記載の血液凝固系解析装置。
〔7〕前記比較結果が、前記第1の結果と前記第2の結果との比に対して、前記血液のヘマトクリット値及び内因系凝固経路に関する特性値による補正を行ったものである、前記〔1〕、〔2〕、〔4〕、及び〔5〕のいずれかにに記載の血液凝固系解析装置。
〔8〕前記阻害因子に関する特性が当該阻害因子の濃度又は活性である、前記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の血液凝固系解析装置。
〔9〕血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、個体の出血量を予測する予測部
を含む出血量予測装置。
〔10〕血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する推定部を含む血液凝固系解析装置、及び
前記推定の結果を表示する表示装置
を備える血液凝固系解析システム。
〔11〕血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、個体の出血量を予測する予測部を含む出血量予測装置、及び、
前記予測された出血量を表示する表示装置
を備える出血量予測システム。
〔12〕血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
を比較する工程、及び、
前記比較の結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する工程
を含む血液凝固系解析方法。
〔13〕血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
を比較する工程、及び
前記比較の結果に基づき、個体の出血量を予測する工程
を含む出血量予測方法。
〔14〕血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する工程をコンピュータに実行させるための
血液凝固系解析用プログラム。
〔15〕血液凝固因子が添加された血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記血液凝固因子が添加された前記血液中の当該血液凝固因子の濃度とは異なる濃度となるように当該血液凝固因子が添加された又は当該血液凝固因子が添加されていない前記血液の少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、個体の出血量を予測する工程をコンピュータに実行させるための
出血量予測用プログラム。
101 推定部
102、202 試料保持部
103、203 測定部
104、204 結果算出部
105、205 比較部
106、206 表示部
200 出血量予測装置
201 予測部
300 血液凝固系解析システム
301 血液凝固系解析装置
302 表示装置
400 出血量予測システム
401 出血量予測装置
402 表示装置
Claims (19)
- 血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する推定部
を含む血液凝固系解析装置。 - 前記第一の測定と前記第二の測定は、測定に付される血液の特性において相違する、請求項1に記載の血液凝固系解析装置。
- 前記血液の特性における相違は、前記血液に含まれる前記血液凝固因子の濃度の違い、または前記血液凝固因子の含有の有無における違い、または用いられる血液の違いである、請求項2に記載の血液凝固系解析装置。
- 前記第一の測定と前記第二の測定は、前記血液の電気的特性の測定条件において相違する、請求項1に記載の血液凝固系解析装置。
- 前記測定条件における相違は、印加電圧の周波数の違いである、請求項4に記載の血液凝固系解析装置。
- 前記第1の結果及び前記第2の結果が、血液凝固の開始後に前記電気的特性の経時変化が最大となる時点における、電気的特性の変化率である、請求項1~5のいずれか一項に記載の血液凝固系解析装置。
- 前記比較結果が、前記第1の結果と前記第2の結果との比である、請求項1~6のいずれか一項に記載の血液凝固系解析装置。
- 前記第1の結果が得られた血液中の血液凝固因子濃度と前記第2の結果が得られた血液中の血液凝固因子濃度との差が0.50pM以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載の血液凝固系解析装置。
- 前記阻害因子が組織因子経路インヒビターである、請求項1~8のいずれか一項に記載の血液凝固系解析装置。
- 前記比較結果が、前記第1の結果と前記第2の結果との比に対して、前記血液のヘマトクリット値による補正を行ったものである、請求項1~9のいずれか一項に記載の血液凝固系解析装置。
- 前記比較結果が、前記第1の結果と前記第2の結果との比に対して、前記血液のヘマトクリット値及び内因系凝固経路に関する特性値による補正を行ったものである、請求項1~10のいずれか一項に記載の血液凝固系解析装置。
- 前記阻害因子に関する特性が当該阻害因子の濃度又は活性である、請求項1~11のいずれか一項に記載の血液凝固系解析装置。
- 血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、個体の出血量を予測する予測部
を含む出血量予測装置。 - 血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する推定部を含む血液凝固系解析装置、及び
前記推定の結果を表示する表示装置
を備える血液凝固系解析システム。 - 血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、個体の出血量を予測する予測部を含む出血量予測装置、及び
前記予測された出血量を表示する表示装置
を備える出血量予測システム。 - 血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
を比較する工程、及び
前記比較の結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する工程
を含む血液凝固系解析方法。 - 血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
を比較する工程、及び
前記比較の結果に基づき、個体の出血量を予測する工程
を含む出血量予測方法。 - 血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、前記阻害因子に関する特性を推定する工程をコンピュータに実行させるための
血液凝固系解析用プログラム。 - 血液凝固因子を含む血液に対する第一の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、当該血液凝固因子に対する阻害因子の血液凝固阻害能に関する第1の結果と、
前記第一の測定と異なる条件における、血液に対する第二の測定により取得される少なくとも一つの電気的特性に基づき得られた、前記血液凝固阻害能に関する第2の結果と
の比較結果に基づき、個体の出血量を予測する工程をコンピュータに実行させるための
出血量予測用プログラム。
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