JP5982976B2 - 血液凝固系解析装置、血液凝固系解析方法及びそのプログラム - Google Patents

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Description

本技術は、血液凝固系の病を持つサンプル血液を解析する解析装置、解析方法及びそのプログラムに関する。
従来から、例えば血栓症のリスクを有する患者あるいは健常者に、抗血小板凝集薬または抗凝固薬を予防的に投薬することが行われている。血栓症のリスクを有する患者には、例えば、糖尿病、動脈硬化症、癌、心疾患、呼吸器疾患などの患者や、周術期の患者、免疫抑制剤を服用中の患者などが含まれる。また、血栓症のリスクを有する健常者には、妊婦や高齢者が含まれる。抗血小板凝集薬にはアセチルサリチル酸などが、抗凝固薬にはワルファリン、ヘパリン、または活性化血液凝固第X因子(Factor Xa)阻害剤などが用いられている。
血栓症に対する抗血小板凝集薬または抗凝固薬の予防的投与では、投薬量が過剰である場合に出血リスクが増大するという副作用がある。この副作用を防ぎつつ、十分な予防効果を得るためには、被投薬者の血液凝固能を適時に評価して、薬剤及び投薬量を適切に選択、設定する投薬管理が必要となる。
血液凝固能検査としては、国際標準化比プロトロンビン時間(Prothrombin Time-International Normalized Ratio: PT-INR)及び活性化部分トロンボプラスチン時間(Activated Partial Thromboplastin Time: APTT)などの手法がある。また、血小板凝集能検査としては、血液を遠心分離して得られる多血小板血漿(Platelet Rich Plasma: PRP)に血小板の凝集を誘発する物質を添加し、凝集に伴う透過光度あるいは吸光度の変化を測定することにより、凝集能の良否を判定する手法がある。
本技術に関連して、特許文献1には、血液の誘電率から血液凝固に関する情報を取得する技術が開示されており、「一対の電極と、上記一対の電極に対して交番電圧を所定の時間間隔で印加する印加手段と、上記一対の電極間に配される血液の誘電率を測定する測定手段と、血液に働いている抗凝固剤作用が解かれた以後から上記時間間隔で測定される血液の誘電率を用いて、血液凝固系の働きの程度を解析する解析手段と、を有する血液凝固系解析装置」が記載されている。この血液凝固系解析装置は、血液が粘弾性という力学的観点で固まり始める時期よりも前の誘電率の時間変化によって、早期の血液凝固系の働きを解析することができる。
特開2010−181400号公報
PT−INR及びAPTTなどの従来の血液凝固能検査方法は、実質的には抗凝固薬の過剰投与による血液凝固能の低下に伴う出血リスクしか評価できない。
本技術の目的は、血液凝固能の亢進によるリスクを適切に評価することができる血液凝固系解析装置、血液凝固系解析方法及びそのプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術に係る血液凝固系解析装置は、測定部と、解析部とを具備する。
前記測定部は、サンプル血液に交流電場が印加されることにより得られる、前記サンプル血液のインピーダンスの時間変化を測定する。
前記解析部は、前記測定されたインピーダンスの時間変化のデータから、前記インピーダンスの特徴を示すパラメータを抽出する。また、前記解析部は、抽出したパラメータと、血液凝固能の亢進の基準を定める少なくとも1つの基準値との比較に基づき、前記血液凝固能の亢進の程度を解析する。
解析部は、サンプル血液のインピーダンスの時間変化に基づき、血液凝固の亢進の程度を解析するため、これによるリスクを適切に評価することができる。
前記測定部は、前記測定したインピーダンスに基づき誘電率を算出し、誘電率の時間変化を取得してもよい。また、前記解析部は、前記誘電率の特徴を示す時間である特徴時間を、前記パラメータとして解析を行ってもよい。
前記解析部は、健常者の特徴時間を取得し、前記健常者の特徴時間の2/3以上3/3以下のうちいずれか1つの時間を前記基準値として取得してもよい。これにより、血液凝固能によるリスク評価の確実性を高めることができる。
前記解析部は、前記基準値として、複数段階に設定された基準値を取得してもよい。これにより、血液凝固能によるリスクを段階的に評価することができる。この場合、前記解析部は、健常者の特徴時間を取得し、前記健常者の特徴時間の2/3以上3/3以下のうちいずれか複数の時間を前記基準値として取得してもよい。
前記解析部は、呼吸器疾患、糖尿病、または他の内科系疾患を有する患者から採取されたサンプル血液を判定の対象としてもよい。
前記解析部は、健常者の特徴時間を取得し、前記健常者の特徴時間の23/30以上30/30以下のうちいずれか1つの時間を前記基準値として取得してもよい。これにより、血液凝固能によるリスク評価の確実性を高めることができる。
前記解析部は、健常者の特徴時間を取得し、前記健常者の特徴時間の23/30以上30/30以下のうちいずれか複数の時間を前記基準値として取得してもよい。これにより、血液凝固能によるリスクを段階的に評価することができる。
前記解析部は、人工膝関節置換術または他の外科手術を受けた患者から採取されたか、または、抗血小板薬または抗凝固薬を服用している患者から採取されたサンプル血液を判定の対象としてもよい。
前記測定部は、初期のピークエリアである第1の上側ピークエリアと、前記第1の上側ピークエリアの次のピークエリアである第2の上側ピークエリアを含む前記誘電率の時間変化のデータを取得し、前記解析部は、前記第2の上側ピークエリアを取り得る時間である凝固時間を、前記特徴時間として用いてもよい。
あるいは、前記測定部は、第1の誘電率エリア及びそれより高い第2の誘電率エリアを含むランプ状の誘電率の時間変化のデータを取得してもよい。そして、前記解析部は、前記第1及び前記第2の誘電率エリアの間の区間において傾きが最大となるように挿入された第1の外挿線と、前記第2の誘電率エリアにおいて傾きが最小となるように挿入された第2の外挿線との交点における時間である凝固時間を、前記特徴時間として用いてもよい。
このような誘電率の第2の上側ピークエリアを取り得る凝固時間は、血液凝固能の亢進に関係性が深いため、これをパラメータとして用いることにより、血液凝固能の亢進状態によるリスクの評価の確実性を高めることができる。
前記測定部は、初期のピークエリアである第1の上側ピークエリアを過ぎた後の第1の下側ピークエリアと、前記第1の上側ピークエリアの次のピークエリアである第2の上側ピークエリアと、前記第1の下側ピークエリア及び前記第2の上側ピークエリアの間の主直線部とを含む前記誘電率の時間変化のデータを取得してもよい。また、前記解析部は、前記主直線部の開始時間を前記特徴時間として用いてもよい。
あるいは、前記測定部は、第1の誘電率エリア及びそれより高い第2の誘電率エリアを含むランプ状の誘電率の時間変化のデータを取得してもよい。そして、前記解析部は、前記第1及び前記第2の誘電率の間の区間において傾き最大となるように挿入された外挿線と、前記誘電率の時間変化の曲線との重なりが開始される時間を、前記特徴時間として用いてもよい。
このような主直線部の開始時間も血液凝固能の亢進に関係性が深いため、これをパラメータとして用いることにより、血液凝固能の亢進状態によるリスクの評価の確実性を高めることができる。
前記測定部は、2MHz以上40MHz以下、または、300kHz以上3MHz以下の周波数の交流電場が印加されたサンプル血液のインピーダンスの時間変化を測定してもよい。
前記解析部は、前記基準値として、健常者及び患者のそれぞれの前記パラメータの平均値、標準偏差、中間値、最高値及び最低値のうち少なくとも1つを取得してもよい。パラメータの統計上の値が基準値とされることにより、血液凝固能の亢進状態によるリスクの評価の確実性を高めることができる。
前記測定部は、抗血小板凝集薬または抗凝固薬を服用している患者から採取されたサンプル血液に交流電場が印加されることにより得られる、前記サンプル血液のインピーダンスの時間変化を測定してもよい。
本技術に係る血液凝固系解析方法は、サンプル血液に交流電場を印加することを含む。
前記交流電場の印加により得られる、前記サンプル血液のインピーダンスの時間変化が測定される。
前記測定されたインピーダンスの時間変化のデータから、前記インピーダンスの特徴を示すパラメータを抽出し、抽出したパラメータと、血液凝固能の亢進の基準を定める少なくとも1つの基準値との比較に基づき、前記血液凝固能の亢進の程度が解析される。
本技術に係るプログラムは、以下の処理をコンピュータに実行させる。
サンプル血液に交流電場が印加されることにより得られる、前記サンプル血液のインピーダンスの時間変化を測定すること。
前記測定されたインピーダンスの時間変化のデータから、前記インピーダンスの特徴を示すパラメータを抽出し、抽出したパラメータと、血液凝固能の亢進の基準を定める少なくとも1つの基準値との比較に基づき、前記血液凝固能の亢進の程度を解析すること。
以上、本技術によれば、血液凝固能の亢進によるリスクを適切に評価することができる。
図1は、本技術の一実施形態に係る血液凝固系解析装置の機能的な概略構成を示す。 図2は、測定部による測定結果を示し、時間軸を含む3次元の複素誘電率スペクトルを示す。 図3は、患者の周波数760kHzにおける誘電率の時間変化のデータの一例を示す。 図4は、患者の周波数10.7kHzにおける誘電率の時間変化のデータの一例を示す。 図5は、健常者の周波数10.7MHzでの誘電率の時間変化のデータの一例を示す。 図6は、自社プロトタイプ機と他社の機器の測定結果の例を示す。 図7は、健常者及び呼吸器疾患患者の凝固時間の度数分布を示す。 図8は、実験例Aにおいて、健常者及び呼吸器疾患患者の凝固時間の分布を示す。 図9は、図8における呼吸器疾患患者のうち静脈血栓塞栓症の凝固時間を、健常者のそれと比較した分布を示す。 図10は、図8及び9に示された各呼吸器疾患患者のDダイマー測定値である。 図11は、呼吸器疾患患者から採取された血液の10MHz付近の誘電率の時間変化を示す。 図12は、上記各パラメータのうち、上記オンセット時間をパラメータとして、健常者及び呼吸器疾患患者の度数分布を示す。 図13は、健常者、術後患者及び術後のDVT発症患者についての凝固時間の度数分布を示す。 図14は、健常者及び糖尿病患者の各凝固時間の度数分布を示す。 図15は、健常者及び各疾患患者の凝固時間の平均値及び標準偏差を示す。
以下、図面を参照しながら、本技術の実施形態を説明する。
1.血液凝固系解析装置の構成
図1は、本技術の一実施形態に係る血液凝固系解析装置の機能的な概略構成を示す。
血液凝固系解析装置は、サンプル血液を保持するサンプルカートリッジ2と、サンプルカートリッジ2に保持された血液に電圧を印加する一対の電極11及び12と、電極11及び12に交流電圧を印加する電源3とを備える。また、血液凝固系解析装置は、血液の誘電率を測定する測定部41と、測定部41からの測定結果を示す情報の出力を受けて血液の凝固能を判定する解析部42とを備える。測定部41及び解析部42により、信号処理部4が構成される。
サンプルカートリッジ2には、保持されたサンプル血液(以下、必要な場合を除き、「血液」という。)に、血小板活性化剤等を添加するための薬剤導入口を設けてもよい。予め血小板活性化剤等を血液に混合した後に、サンプルカートリッジ2にその血液を収容してもよい。
電源3は、測定を開始すべき命令を受けた時点または電源が投入された時点を開始時点として電圧を印加する。具体的には、電源3は、設定される測定間隔ごとに、電極11及び12に対して所定の周波数の交流電圧を印加する。これにより、血液にその所定の周波数の交流電場が印加される。
測定部41は、測定を開始すべき命令を受けた時点または電源が投入された時点を開始時点として複素誘電率及びその周波数分散等を所定周期で測定する。すなわち、測定部は、後述するように時間軸も含む3次元複素誘電率スペクトルを測定する。具体的には、例えば誘電率が測定される場合、測定部41は、電極11及び12間における電流またはインピーダンスを所定周期で測定し、測定値から誘電率を算出する。誘電率の算出には、電流またはインピーダンスと、誘電率との関係を示す既知の関数や関係式が用いられる。
解析部42には、測定部41から算出された誘電率のデータが測定間隔ごとに与えられる。つまり、これは誘電率の時間変化のデータである。解析部42は、後述するように、入力された誘電率の時間変化のデータから誘電率の特徴を示すパラメータを抽出し、抽出したパラメータと、血液凝固能の亢進の基準を定める少なくとも1つの基準値との比較に基づき、血液凝固能の亢進の程度を解析する。
解析部42は、誘電率の時間変化のデータ及びこれに基づく凝固能の解析結果を示す情報等を通知する。この通知は、例えば、グラフ化してモニタに表示、あるいは所定の媒体に印刷することにより行われる。
信号処理部4は、コンピュータにより実現され得る。すなわち、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等のハードウェアと、図示しない記憶デバイスに格納された、測定及び解析に必要なソフトウェアとの協働により、信号処理部4の各ブロックの機能が実現される。あるいは、信号処理部4は、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(Programmable Logic Device)、DSP(Digital Signal Processor)、その他ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデバイスにより実現されてもよい。
2.血液凝固系解析方法
以上のように構成された血液凝固系解析装置を用いた解析方法を説明する。
(1)パラメータの設定について
図2は、上記測定部41による測定結果を示し、時間軸を含む3次元の複素誘電率スペクトルを示す。なお、図における縦軸は、各時刻及び各周波数における複素誘電率の実数部を、時刻ゼロ(測定開始直後)での各周波数における複素誘電率の実数部で除算し、規格化して表されている。
また、測定部41は、図3〜5に示すように、上記3次元の測定結果のうちの2次元として、誘電率及び時間を軸としたデータ、つまり誘電率の時間変化のデータを出力する。
本発明者らは、上記特許文献1において、血液の誘電率の時間変化が血液の凝固過程を反映することを明らかにしている。したがって、本測定で得られる複素誘電率スペクトルは、血液の凝固能を定量的に表す指標となるものであり、その変化に基づけば、凝固時間、凝固速度、凝固強度などの血液の凝固能に関する情報を得ることが可能である。
図3は、図に示した3次元スペクトルを構成する周波数のうち、周波数300kHz以上3MHz以下、特に760kHzで切り出した例を示している。図3に示すように、符号(A)は赤血球の連銭形成に伴うピークであり、(B)は血液凝固過程に伴うピーク(最高ピーク値)である。
図4は、図に示した3次元スペクトルを構成する周波数のうち、周波数2MHz以上40MHz以下、特に10.7MHzで切り出した例を示している。周波数10.7MHzでは、ステップ状の誘電率変化が現れている。
図5は、図4とは別に、健常者のサンプル血液についての周波数10.7MHzでの誘電率の時間変化を示す。このケースでは、図4で見られたような誘電率変化の明確なピークは見れない。
上記のような誘電率の時間変化のデータから、解析部は、上述したようにその誘電率の特徴を示すパラメータを抽出する。パラメータとして、以下のような各種のパラメータが挙げられる。
複素誘電率スペクトルを示す曲線に対して引いた外挿線(図4における符号L1〜L4)、
外挿線の交点(符号M1〜M4)の座標、
外挿線の傾き、
複素誘電率スペクトルを示す曲線に対して引いた接線の傾き(誘電率の微分値)、
所定の誘電率E(例えば最大値、極大値、中間値など)を与える時間T、
誘電率の時間変化、3次元複素誘電率スペクトル、または2次元複素誘電率スペクトルを画像パターンとして解析して得た特徴量、
前記画像パターンを再構成可能な関数式を用いたパラメータフィッティングにより得た特徴量、
スペクトルデータ中の多数のデータを用いたクラスター解析により得た特徴量、
また、これらのうち少なくとも2つの組み合わせ
本発明者らは、これらのパラメータのうち、誘電率の特徴を示す「時間」(特徴時間)に着目する。解析部は、抽出された特徴時間と、予め設定した少なくとも1つの基準値との比較し、比較の結果得られる情報に基づき、血液凝固能の亢進の程度を解析する。特徴時間としては、例えば以下に説明するように、「凝固時間」あるいは「オンセット時間」が定義される。
A.凝固時間
図3及び4に示すように、この誘電率の時間変化のデータには、初期のピークエリアである第1の上側ピークエリアPu1に対応する時間(時間エリア)の次のピークエリアである第2の上側ピークエリアPu2が含まれる。「凝固時間」は、この第2の上側ピークエリアPu2を取る時間(時間エリア)である。凝固時間は、少なくとも周波数300kHz以上3MHz以下、及び、2MHz以上40MHz以下において、データの極大値を含むエリアであり、また、データの最大値を含むエリアでもある。


上側ピークエリアとは、誘電率について、そのピークエリアに含まれるピーク値(極大値)と、そのピーク値から−3%〜−5%の値との間のエリアである。この−3%〜−5%という範囲は、対象とされる周波数(図4では10.7MHz)における誘電率変化において、下側ピークエリア(後述)に含まれる極小値と、第2の上側ピークエリアPu2に含まれる極大値との間を100%とした場合のパーセンテージを示す。
ただし、図5に示すように、ランプ状の誘電率の時間変化のデータが取得された場合、外挿線L2(第1の外挿線)及びL3(第2の外挿線)の交点M2における時間を凝固時間とする。
外挿線L2としては、第1の誘電率エリア及びそれより高い第2の誘電率エリアの間の区間、すなわち誘電率の変化幅(縦軸の幅)が最も大きい区間で、傾きが最大となるように挿入された直線が選択される。測定データのばらつき(ノイズ)による影響を抑えるために、適切なスムージング処理が行われた後に、傾きが最大となるように直線L2が決定されてもよい。
一方、外挿線L3は、第2の誘電率エリアにおいて傾きが最小となるように挿入された直線である。実際には、当該「直後」における区間は、その外挿線L2から測定プロットが外れ始める時間から、概ね30分経過するまでの区間にある。
測定データのばらつき(ノイズ)による影響を抑えるために、適切なスムージング処理が行われた後に、傾きが最小となるように直線L3が決定されてもよい。
B.オンセット時間
図4に示すように、データに、上記第1の上側ピークエリアを過ぎた後の下側のピークエリアPlと、上記第2の上側ピークエリアとの間の主直線部(外挿線L2に沿う)が含まれる場合に、オンセット時間は、その主直線部の開始時間(t2)である。図で示すように、オンセット時間は、外挿線L2と誘電率曲線との重なりが開始される時点である(図11も参照)。
下側ピークエリアとは、誘電率について、そのピークエリアに含まれるピーク値(極小値)と、そのピーク値から−3%〜−5%の値との間のエリアである。
ただし、図5に示すように、ピーク値が現れないランプ状のデータが取得される場合、オンセット時間は、第1の誘電率エリア及びそれより高い第2の誘電率エリアの間の区間において傾きが最大となるように挿入された外挿線と、その誘電率曲線との重なりが開始される時間である。
あるいは、図5の場合、オンセット時間は、外挿線L1とL2との交点M1における時間であってもよい。この場合、外挿線L1は、上記の「A.凝固時間」の場合における外挿線L3と同様の趣旨で定義され得る。すなわち、外挿線L1は、第1の誘電率エリアにおいて傾きが最小となるように挿入された直線である。
(2)基準値の設定について
以下では、上記のように抽出されたパラメータの比較対象となる「基準値」の設定について説明する。本発明者らが、以下に説明する実験に基づいて基準値を設定する。以下に説明する実験では、上記パラメータとして上記「特徴時間」が用いられる。
A.実験例A
実験例Aでは、健常者及び呼吸器疾患を有する入院患者(以下、呼吸器疾患患者という)のそれぞれの測定結果から基準値が設定される。
A−1.採血及び疾病について
本発明者らは、クエン酸ナトリウムを抗凝固剤として処理した真空採血管を用いて、健常者から採血を行った。これが健常者全血サンプルとされる。同様に、本発明者らは、呼吸器疾患患者の入院時に、その患者の採血を行った。これが呼吸器疾患患者全血サンプルとされる。
ここで、対象となる呼吸器疾患患者の疾病は、間質性肺炎(IP)、肺癌(LK)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、膠原病(CVD)、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、肺炎などの感染症(INFECTION)に分類された(図8参照)。
また入院中に、その患者が、深部静脈血栓症(DVT)、または肺血栓塞栓症(PE)を発症した場合は、それらを血栓症(静脈血栓塞栓症(THRONBOEMBOLISM))の分類に加えた(図8参照)。
A−2.誘電測定
本発明者らは、37℃に保温された上記各サンプル血液に、0.25M塩化カルシウム水溶液を添加(血液1mLあたり85μL)し、血液凝固反応を開始させた。本発明者らは、血液凝固反応開始直後、上記血液凝固系解析装置を用いて、温度37℃、周波数域100Hz〜40MHz、測定時間間隔1分、計60分間、誘電測定を行った。
血液凝固系解析装置としては、誘電コアグロメータープロトタイプ機(ソニー株式会社製)が用いられた。図6では、この誘電コアグロメータープロトタイプ機によって得られる凝固時間と、特開2010−181400号公報で用いられたインピーダンスアナライザー(アジレント社製、4294A)による凝固時間とが、良く一致することを証明している。
A−3.結果
図7は、健常者及び呼吸器疾患患者の凝固時間の度数分布を示す。ここでの凝固時間は、10.7MHzの誘電率の時間変化のデータから、図4に示す交点M2(外挿線L2及びL3の交点)における時間である。交点M2は、上記した第2の上側ピークエリアでの時間エリアに含まれる時間である。なお、凝固時間は、このM2における時間と定義してもよい。図8は、健常者及び呼吸器疾患患者の疾病別の凝固時間を示す。また、図9は、図8における呼吸器疾患患者のうち血栓症(静脈血栓塞栓症)の凝固時間を、健常者のそれと比較した分布を示す。
これらのグラフから明らかなように、健常者の凝固時間は約30〜60分の範囲に含まれているが、呼吸器疾患患者の凝固時間は、30分より短い範囲に多く分布している。つまり、これは、呼吸器疾患患者は、血液凝固能の亢進による血栓症のリスクが高い患者であることを示している。特に、呼吸器疾患患者のうち実際にDVTもしくはPEを発症した患者の凝固時間は、20分以下となっている。
これらのことから、我々は、「血液凝固能の亢進の程度」がどれくらいかの判定基準となる基準値を認識することができる。健常者の凝固時間である30分以上という事実、及び、静脈血栓塞栓症患者の凝固時間である20分以下という事実から、基準値は20〜30分(2/3以上3/3以下)に設定され得る。
基準値は、20分〜30分のうち、30分、27分、または24分など、いずれか1つの時間として設定されればよい。解析部は、得られた凝固時間が基準値を超える場合、血液凝固能の亢進が低く、血栓症のリスクがない、または低い、などと判定することができ、それを通知することができる。一方、解析部は、得られた凝固時間が基準値以下である場合、血液凝固能の亢進が高く、血栓症のリスクがある、または高いなどと判定することができ、それを通知することができる。
あるいは基準値は、複数段階で設定されてもよい。例えば第1の基準値が30分(3/3)とされ、第2の基準値が20分(2/3)とされてもよい。この場合、解析部は、得られた凝固時間が第1の基準値以上であれば、血液凝固能の亢進が低く、血栓症のリスクがないなどと判定することができ、それを通知することができる。一方、解析部は、得られた凝固時間が、第2の基準値以上、第1の基準値以下、つまり20分以上30以下(2/3以上3/3以下)である場合、次のように解析することができる。つまりその場合、解析部は、血液凝固能の亢進があり、血栓症のリスクが多少あり、などと判定することができ、それを通知することができる。さらに、解析部は、得られた凝固時間が、第2の基準値以下であれば、血液凝固能の亢進が高く、血栓症のリスクが高いなどと判定することができ、それを通知することができる。
このように設定された基準値の情報は、予め図示しない記憶デバイスに格納されていればよい。血液凝固系解析装置がこの記憶デバイスを有していてもよいし、血液凝固系解析装置にアクセス可能な他の機器がこの記憶デバイスを有していてもよい。解析部は、解析処理の実行時にその基準値を記憶デバイスから取得する。
また、解析部が、基準値として上記「2/3以上3/3以下」のように比を用いるのは、次の理由による。
「最も適切な基準値」は、凝固開始剤として例えばカルシウム溶液のみが血液に加えられ、その他の凝固活性化要因が極力排除された測定の場合に成り立つ。逆に、意図的にマイルドな凝固活性化を行うことで基準値を短くすることも可能である。その手段として、例えば血液に一定量(微量)の凝固活性化物質(組織因子または接触因子活性化剤など)を加える、あるいは、上記サンプルカートリッジ2の材質として凝固活性化作用が高い金属やプラスティック材を使用する、などが考えられる。あるいは、サンプルカートリッジ2の構造を変更する(特に、サンプルカートリッジ2のうち、血液と金属やプラスティック材との接触面積を増やす)などが考えられる。
このような理由から、凝固時間は、凝固活性化要因にもよるため、血液に意図的な凝固活性化要因が加えられない場合に比べ、短くなる。したがって、基準値として比が用いられることが望ましい。
健常者の特徴時間(ここでは凝固時間)は、不変の時間として予め30分として設定されてもよいし、可変の時間として設定されてもよい。後者の場合、上記したように、凝固活性化要因によっても変わるため、そのことを考慮して、任意のタイミングまたは周期で、健常者の特徴時間が再測定及び再設定されればよい。健常者の特徴時間も、上記した記憶デバイスに格納され、解析部がその記憶デバイスにアクセスし、その健常者の特徴時間を取得すればよい。
ここで、血液凝固能の亢進は、静脈血栓症リスクの重要な要因であると考えられているが、血液凝固能の亢進度を簡便且つ定量的に評価する手法は、現在までのところ実用化されたものはない。既存技術の中で、Dダイマーは血栓の分解生成物であり、静脈血栓症に関連した分子マーカーとして注目されている。しかし、Dダイマー値が高値になるということは、すでに血栓が形成されていることを意味し、静脈血栓症のリスク評価という意味では適当ではない。また、その感度も十分かどうかまだはっきりと分かっていない。さらに、Dダイマーの静脈血栓症に対する特異性は低いことが分かっている。
図10は、図8に示された各呼吸器疾患患者のDダイマー測定値である。Dダイマー値は、一般に静脈血栓症等で高値になると考えられている。しかし、実際にDVTまたはPEを発症した呼吸器疾患患者のプロットは、Dダイマー値は高値から低値まで広く分布していることが分かる。
一方、図8に示した本技術の解析方法である誘電測定により得られる凝固時間では、実際にDVTまたはPEを発症したすべての呼吸器疾患患者の凝固時間は短く、これは血液凝固の亢進状態であると判定される。この結果は、本技術の誘電測定がDダイマー測定よりも、静脈血栓塞栓症のリスクを評価する上で高感度であり、優れていることを示している。
以上のように、本技術は、サンプル血液の誘電率の時間変化に基づき、血液凝固の亢進の程度を解析するため、これによるリスクを適切に評価することができる。
上述したように、PT−INR及びAPTTなどの従来の血液凝固能検査方法は、実質的には抗凝固薬の過剰投与による血液凝固能の低下に伴う出血リスクしか評価できなかった。また、PRPを用いた既存の血小板凝集能検査は、遠心分離手順が必須となり、該手順中に血小板が活性化してしまうことにより正確な検査結果が得られず、操作も煩雑である。本技術によれば、上述のように血液凝固能の亢進の程度を解析することができ、高精度な検査結果が得られ、また、操作も簡便になる。
なお、以上の実験例Aにより設定された基準値は、他の内科系疾患患者にも適用可能であると考えられる。なお、外科系患者は、手術による影響から血栓症をより起こしやすくなる場合があるので、そのリスク判定の範囲を広げる意味で、基準値は内科系患者よりも長い時間に設定される。
以上の結果は、「特徴時間」として「凝固時間」を用いた例を示したが、「オンセット時間」についても同様の考察が行われ得る。
図11は、呼吸器疾患患者から採取された血液の10MHz付近の誘電率の時間変化を示す。この図では、各外挿線L2及びL3、交点M2、凝固時間t1及びオンセット時間t2が示されている。図12は、上記各パラメータのうち、上記オンセット時間t2をパラメータとして、健常者及び呼吸器疾患患者の度数分布を示す。
図12から分かるように、図7に示した凝固時間をパラメータとした場合と同様に、呼吸器患者のオンセット時間は、健常者のそれとと比べて短い方に多く分布していることが示されている。オンセット時間は、その定義から、凝固時間より短くなる。健常者のオンセット時間は、では約15分から約40分の間に分布した。このことから、オンセット時間を用いる場合でも、「血液凝固能の亢進の程度」がどのくらいかの判定基準となる基準値として、15分が設定され得る。この基準値を比で表す場合も、上記した2/3〜3/3が基準値として適用され得る。
B.実験例B
実験例Bでは、外科領域、特に人工膝関節置換術後のDVT及びPE発症例から、基準値が設定される。
B−1.採血及び疾病について
人工膝関節置換術は、術後に深部静脈血栓症(DVT)を発症するリスクが非常に高い手術である。手術当日の朝(術前)と手術翌日(術後)にクエン酸ナトリウムを、抗凝固剤として処理した真空採血管を用いて患者から採血が行われ、これらの血液が測定に用いられた。DVT発症の検査は、手術後4〜5日に超音波検査によって行われた。また、同様にクエン酸ナトリウムを、抗凝固剤として処理した真空採血管を用いて健常者から採血が行われ、これらの血液が測定に用いられた。

B−2.誘電測定
本発明者らは、37℃に保温したサンプル血に0.25M塩化カルシウム水溶液を添加(血液1mLあたり85μL)し、血液凝固反応を開始させた。本発明者らは、血液凝固反応開始直後、上記誘電コアグロメータープロトタイプ機を用いて、温度37℃、周波数域100Hz〜40MHz、測定時間間隔1分、計60分間、測定を行った。
B−3.結果
11症例のうち6例がDVTを発症した。
本発明者らは、周波数10MHz付近の誘電率の時間変化のデータを用い、図4及び11で示す交点M2を凝固時間として規定した。
DVT発症患者の凝固時間(術後)の平均は19分であり、未発症患者の平均は22分であった。DVT発症患者のうち、最も凝固時間が長かったケースは26分であった。ただし、このケースは術前からDVTが認められていたので特別な場合である。この特別なケースを除くと、DVT発症患者のうち、最も凝固時間が長かったケースは23分であった。
これらの結果から、静脈血栓症の危険度が著しく増すかどうかを判定するための基準値としては、最も適切な値として26分とすることができる。DVTを発症しなかった患者でも、その凝固時間が26分より短いケースが多い。これらのケースでは、結果的にDVTを発症しなかったものの、それは幸運の結果であり、本来のリスクは高かったことになる。
図13は、健常者、術後患者及び術後のDVT発症患者についての凝固時間の度数分布を示す。実験例Aと同様、健常者の凝固時間は30分以上である。したがって、健常者の凝固時間が30分以上である事実と、DVT発症患者の最も長い凝固時間が26分である事実とから、これを比で表すと、26/30(=13/15)を基準値として設定できる。あるいは、上記23分を考慮して、23/30を基準値として設定されてもよい。
つまり、23/30以上30/30以下のうち、いずれか1つ時間が基準値として設定され得る。あるいは、23/30以上30/30以下のうち段階的な複数の時間が、段階的な複数の基準値として設定されてもよい。
このように、周術期では静脈血栓症のリスクが増大するので血栓症予防が重要であるが、手術時には十分な止血能力が必要である。しかも、周術期の患者の血液凝固能は一般的に刻々と変化する。そこで、手術予定を有する患者に対しては、まず本技術に係る血液凝固系解析装置による検査が行われることにより、血栓症リスクが高いか否か、また、血小板の機能が正常か否かが判定され得る。
その判定結果に応じて、医師は、個々の患者の状況(予定される手術の種類と規模、あるいは疾病など他の要因)を総合的に検討して、投薬量等を慎重に判断することでき、その判断も容易となる。
血液凝固活性が刻々と変化する周術期においては、医師は、誘電凝固検査と既存検査(PT−INR、APTT等)を組み合わせて定期的に行い、血栓症リスク及び出血傾向リスクの両方を避けるように、必要に応じて投薬量を調整することが可能となる。
C.実験例C
実験例Cは、糖尿病患者の投薬モニタリングである。
C−1.実験方法
本発明者らは、健常者及び糖尿病患者からそれぞれ採取したサンプル血液を用いて実験を行った。採血には、クエン酸ナトリウムを抗凝固剤として処理した真空採血管が用いられ、健常者から採血された。本発明者らは、37℃に保温したサンプル血に0.25M塩化カルシウム水溶液を添加(血液1mLあたり85μL)し、血液凝固反応を開始させた。本発明者らは、アジレント社製インピーダンスアナライザー(4294A)を用い、温度37℃、測定周波数域は40Hz〜110MHz、測定時間間隔1分、計60分間、測定を行った。
C−2.血液凝固時間の解析
誘電測定の結果得られた周波数760kHzにおける誘電率の時間変化のデータが用いられた。
C−3.結果
図14は、健常者及び糖尿病患者の各凝固時間の度数分布を示す。図14では、糖尿病患者のうち、抗血小板治療(抗血小板凝集薬の投与)の有無が判明している患者(15症例)中、抗血小板治療が施されている患者(5症例)の度数も示されている。
この結果からも、血液凝固能の亢進の程度を判定するための基準値を、健常者の凝固時間の2/3以上3/3以下のうち、いずれか1つ以上に設定することができる。
糖尿病はしばしば血管内皮の障害を引起し、血液凝固能の亢進を引起すと考えられているが、図14に示す結果はそれを裏付けるものである。すなわち、大多数の糖尿病患者の凝固時間が25分以下であり、血栓症リスクが高いことが分かる。
上記したように、本実験での糖尿病患者には、血栓症ハイリスク群の中には、抗血小板凝集治療を受けている患者が含まれている。これらの患者は、抗血小板治療だけでは十分ではなく、抗凝固療法を合わせて行った方が良いことを示している。
また、多くの糖尿病患者が血栓症ハイリスク群に含まれながらも、抗血小板凝集薬または抗凝固薬による薬治療を受けていない。これは、従来の検査法では血液凝固能の亢進を定量的に評価することができず、今まで見過ごされてきたリスクであると言える。
なお、抗血小板治療に用いる薬剤としては、上記の抗血小板凝集薬の他、抗凝固薬に分類されるものもある。
[その他の実施形態]
本技術は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
図15は、健常者及び各疾患患者の凝固時間の平均値及び標準偏差を示す。患者として、上から呼吸器内科では静脈血栓塞栓症発症患者、整形外科では全体及び静脈血栓塞栓症発症患者、また、糖尿病全体の患者が挙げられている。このような統計から、基準値が設定されてもよい。平均値及び標準偏差の他、中間値、最高値及び最低値のうち少なくとも1つが基準値として設定されてもよい(言うまでもないが、最高値及び最低値は、上記各実験例A〜Cで用いられた。)。このような統計上の値が用いられることにより、血液凝固能の亢進状態によるリスクの評価の確実性を高めることができる。
解析部が、それら統計上の値のうち少なくとも1つを抽出し、所定のアルゴリズムを用いて演算により基準値を設定してもよい。
上記実施形態に係る測定部は、誘電率(複素誘電率)を算出したが、複素誘電率に電気的に等価な量として、複素インピーダンス、複素アドミッタンス、複素キャパシタンス、複素コンダクタンスなどがある。これらは単純な電気量変換によって相互に変換可能である。また、「複素誘電率」の測定には、実数部のみあるいは虚数部のみの測定も含まれる。
上記の説明では、パラメータとして「特徴時間」(凝固時間、オンセット時間)が用いられた。しかし、本技術の範囲は、インピーダンスの時間変化(誘電率の時間変化)のうち上記した様々なパラメータを用いて、上記同様の考察を行うことにある。
上記の説明では、3次元複素誘電スペクトルデータから切り出された周波数は、760kHzや10.7MHzなどであり、このような1つの周波数のみについての誘電率の時間変化のデータが用いられた。しかし、複数の周波数についての誘電率(インピーダンス)の時間変化のデータが用いられ、これらから抽出されたパラメータの組み合わせた解析を行うことにより、解析精度を高めてもよい。
上でも記載したが、図3(あるいは、4及び11等も)で示したピークを持つデータ(図5に示すランプ状のデータでないデータ)において、そのランプ状のデータで設定された外挿線L1〜L3により、凝固時間またはオンセット時間が定義されてもよい。つまり、図3等で示したピークを持つデータのうち、最も誘電率の変化幅が大きい区間において傾きが最大となるように挿入された直線が、外挿線L2となる。そして、その外挿線L2の対応する区間の直前及び直後の各区間で傾きが最も小さく(負の値)なるように挿入された直線が、それぞれ外挿線L1及びL3となる。この場合も、測定データのばらつき(ノイズ)による影響を抑えるために、適切なスムージング処理が行われた後に、傾きが最大(または最小)となるように直線L2(またはL3)が決定されてもよい。
本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)サンプル血液に交流電場が印加されることにより得られる、前記サンプル血液のインピーダンスの時間変化を測定する測定部と、
前記測定されたインピーダンスの時間変化のデータから、前記インピーダンスの特徴を示すパラメータを抽出し、抽出したパラメータと、血液凝固能の亢進の基準を定める基準値との比較に基づき、前記血液凝固能の亢進の程度を解析する解析部と
を具備する血液凝固系解析装置。
(2)(1)に記載の血液凝固系解析装置であって、
前記測定部は、前記測定したインピーダンスに基づき誘電率を算出し、誘電率の時間変化を取得し、
前記解析部は、前記誘電率の特徴を示す時間である特徴時間を、前記パラメータとして解析を行う
血液凝固系解析装置。
(3)(2)に記載の血液凝固系解析装置であって、
前記解析部は、健常者の特徴時間を取得し、前記健常者の特徴時間の2/3以上3/3以下のうちいずれか1つの時間を前記基準値として取得する
血液凝固系解析装置。
(4)(2)に記載の血液凝固系解析装置であって、
前記解析部は、前記基準値として、複数段階に設定された基準値を取得する
血液凝固系解析装置。
(5)(4)に記載の血液凝固系解析装置であって、
前記解析部は、健常者の特徴時間を取得し、前記健常者の特徴時間の2/3以上3/3以下のうちいずれか複数の時間を前記基準値として取得する
血液凝固系解析装置。
(6)(3)または(5)に記載の血液凝固系解析装置であって、
前記解析部は、呼吸器疾患、糖尿病、または他の内科系疾患を有する患者から採取されたサンプル血液を判定の対象とする
血液凝固系解析装置。
(7)(2)に記載の血液凝固系解析装置であって、
前記解析部は、健常者の特徴時間を取得し、前記健常者の特徴時間の23/30以上30/30以下のうちいずれか1つの時間を前記基準値として取得する
血液凝固系解析装置。
(8)(4)に記載の血液凝固系解析装置であって、
前記解析部は、健常者の特徴時間を取得し、前記健常者の特徴時間の23/30以上30/30以下のうちいずれか複数の時間を前記基準値として取得する
血液凝固系解析装置。
(9)(7)または(8)に記載の血液凝固系解析装置であって、
前記解析部は、人工膝関節置換術または他の外科手術を受けた患者から採取された抗血小板薬または抗凝固薬を服用している患者から採取されたサンプル血液を判定の対象とする
血液凝固系解析装置。
(10)(2)から(9)のうちいずれか1つに記載の血液凝固系解析装置であって、
前記測定部は、初期のピークエリアである第1の上側ピークエリアと、前記第1の上側ピークエリアの次のピークエリアである第2の上側ピークエリアを含む前記誘電率の時間変化のデータを取得し、
前記解析部は、前記第2の上側ピークエリアを取り得る時間である凝固時間を、前記特徴時間として用いる
血液凝固系解析装置。
(11)(2)に記載の血液凝固系解析装置であって、
前記測定部は、第1の誘電率エリア及びそれより高い第2の誘電率エリアを含むランプ状の誘電率の時間変化のデータを取得し、
前記解析部は、前記第1及び前記第2の誘電率エリアの間の区間において傾きが最大となるように挿入された第1の外挿線と、前記第2の誘電率エリアにおいて傾きが最小となるように挿入された第2の外挿線との交点における時間である凝固時間を、前記特徴時間として用いる
血液凝固系解析装置。
(12)(2)から(9)のうちいずれか1つに記載の血液凝固系解析装置であって、
前記測定部は、初期のピークエリアである第1の上側ピークエリアを過ぎた後の第1の下側ピークエリアと、前記第1の上側ピークエリアの次のピークエリアである第2の上側ピークエリアと、前記第1の下側ピークエリア及び前記第2の上側ピークエリアの間の主直線部とを含む前記誘電率の時間変化のデータを取得し、
前記解析部は、前記主直線部の開始時間を前記特徴時間として用いる
血液凝固系解析装置。
(13)(2)に記載の血液凝固系解析装置であって、
前記測定部は、第1の誘電率エリア及びそれより高い第2の誘電率エリアを含むランプ状の誘電率の時間変化のデータを取得し、
前記解析部は、前記第1及び前記第2の誘電率の間の区間において傾き最大となるように挿入された外挿線と、前記誘電率の時間変化の曲線との重なりが開始される時間を、前記特徴時間として用いる
血液凝固系解析装置。
(14)(1)から(11)のうちいずれか1つに記載の血液凝固系解析装置であって、
前記測定部は、2MHz以上40MHz以下、または、300kHz以上3MHz以下の周波数の交流電場が印加されたサンプル血液のインピーダンスの時間変化を測定する
血液凝固系解析装置。
(15)(1)、(2)、または(14)に記載の血液凝固系解析装置であって、
前記解析部は、前記基準値として、健常者及び患者のそれぞれの前記パラメータの平均値、標準偏差、中間値、最高値及び最低値のうち少なくとも1つを取得する
血液凝固系解析装置。
(16)(1)に記載の血液凝固系解析装置であって、
前記測定部は、抗血小板薬または抗凝固薬を服用している患者から採取されたサンプル血液に交流電場が印加されることにより得られる、前記サンプル血液のインピーダンスの時間変化を測定する
血液凝固系解析装置。
(17)サンプル血液に交流電場を印加し、
前記交流電場の印加により得られる、前記サンプル血液のインピーダンスの時間変化を測定し、
前記測定されたインピーダンスの時間変化のデータから、前記インピーダンスの特徴を示すパラメータを抽出し、抽出したパラメータと、血液凝固能の亢進の基準を定める基準値との比較に基づき、前記血液凝固能の亢進の程度を解析する
血液凝固系解析方法。
(18)サンプル血液に交流電場が印加されることにより得られる、前記サンプル血液のインピーダンスの時間変化を測定し、
前記測定されたインピーダンスの時間変化のデータから、前記インピーダンスの特徴を示すパラメータを抽出し、抽出したパラメータと、血液凝固能の亢進の基準を定める基準値との比較に基づき、前記血液凝固能の亢進の程度を解析する
ことをコンピュータに実行させるプログラム。
信号処理部…4
測定部…41
解析部…42

Claims (17)

  1. サンプル血液に2MHz以上40MHz以下の周波数の交流電場が印加されることにより得られる、前記サンプル血液のインピーダンスの時間変化を測定する測定部と、
    前記測定されたインピーダンスの時間変化のデータから、前記インピーダンスの特徴を示すパラメータを抽出し、抽出したパラメータと、血液凝固能の亢進の基準を定める少なくとも1つの基準値との比較に基づき、前記血液凝固能の亢進の程度を解析する解析部と
    を具備する血液凝固系解析装置。
  2. 請求項1に記載の血液凝固系解析装置であって、
    前記測定部は、前記測定したインピーダンスに基づき誘電率を算出し、誘電率の時間変化を取得し、
    前記解析部は、前記誘電率の特徴を示す時間である特徴時間を、前記パラメータとして解析を行う
    血液凝固系解析装置。
  3. 請求項2に記載の血液凝固系解析装置であって、
    前記解析部は、健常者の特徴時間を取得し、前記健常者の特徴時間の2/3以上3/3以下のうちいずれか1つの時間を前記基準値として取得する
    血液凝固系解析装置。
  4. 請求項2に記載の血液凝固系解析装置であって、
    前記解析部は、前記基準値として、複数段階に設定された基準値を取得する
    血液凝固系解析装置。
  5. 請求項4に記載の血液凝固系解析装置であって、
    前記解析部は、健常者の特徴時間を取得し、前記健常者の特徴時間の2/3以上3/3以下のうちいずれか複数の時間を前記基準値として取得する
    血液凝固系解析装置。
  6. 請求項3または5に記載の血液凝固系解析装置であって、
    前記解析部は、呼吸器疾患、糖尿病、または他の内科系疾患を有する患者から採取されたサンプル血液を判定の対象とする
    血液凝固系解析装置。
  7. 請求項2に記載の血液凝固系解析装置であって、
    前記解析部は、健常者の特徴時間を取得し、前記健常者の特徴時間の23/30以上30/30以下のうちいずれか1つの時間を前記基準値として取得する
    血液凝固系解析装置。
  8. 請求項4に記載の血液凝固系解析装置であって、
    前記解析部は、健常者の特徴時間を取得し、前記健常者の特徴時間の23/30以上30/30以下のうちいずれか複数の時間を前記基準値として取得する
    血液凝固系解析装置。
  9. 請求項7または8に記載の血液凝固系解析装置であって、
    前記解析部は、人工膝関節置換術または他の外科手術を受けた患者から採取されたか、または、抗血小板薬または抗凝固薬を服用している患者から採取されたサンプル血液を判定の対象とする
    血液凝固系解析装置。
  10. 請求項2から9のうちいずれか1項に記載の血液凝固系解析装置であって、
    前記測定部は、初期のピークエリアである第1の上側ピークエリアと、前記第1の上側ピークエリアの次のピークエリアである第2の上側ピークエリアを含む前記誘電率の時間変化のデータを取得し、
    前記解析部は、前記第2の上側ピークエリアを取り得る時間である凝固時間を、前記特徴時間として用いる
    血液凝固系解析装置。
  11. 請求項2に記載の血液凝固系解析装置であって、
    前記測定部は、第1の誘電率エリア及びそれより高い第2の誘電率エリアを含むランプ状の誘電率の時間変化のデータを取得し、
    前記解析部は、前記第1及び前記第2の誘電率エリアの間の区間において傾きが最大となるように挿入された第1の外挿線と、前記第2の誘電率エリアにおいて傾きが最小となるように挿入された第2の外挿線との交点における時間である凝固時間を、前記特徴時間として用いる
    血液凝固系解析装置。
  12. 請求項2から9のうちいずれか1項に記載の血液凝固系解析装置であって、
    前記測定部は、初期のピークエリアである第1の上側ピークエリアを過ぎた後の第1の下側ピークエリアと、前記第1の上側ピークエリアの次のピークエリアである第2の上側ピークエリアと、前記第1の下側ピークエリア及び前記第2の上側ピークエリアの間の主直線部とを含む前記誘電率の時間変化のデータを取得し、
    前記解析部は、前記主直線部の開始時間を前記特徴時間として用いる
    血液凝固系解析装置。
  13. 請求項2に記載の血液凝固系解析装置であって、
    前記測定部は、第1の誘電率エリア及びそれより高い第2の誘電率エリアを含むランプ状の誘電率の時間変化のデータを取得し、
    前記解析部は、前記第1及び前記第2の誘電率の間の区間において傾き最大となるように挿入された外挿線と、前記誘電率の時間変化の曲線との重なりが開始される時間を、前記特徴時間として用いる
    血液凝固系解析装置。
  14. 請求項1または2に記載の血液凝固系解析装置であって、
    前記解析部は、前記少なくとも1つの基準値として、健常者及び患者のそれぞれの前記パラメータの平均値、標準偏差、中間値、最高値及び最低値のうち少なくとも1つを取得する
    血液凝固系解析装置。
  15. 請求項1に記載の血液凝固系解析装置であって、
    前記測定部は、抗血小板凝集薬または抗凝固薬を服用している患者から採取されたサンプル血液に交流電場が印加されることにより得られる、前記サンプル血液のインピーダンスの時間変化を測定する
    血液凝固系解析装置。
  16. サンプル血液に2MHz以上40MHz以下の周波数の交流電場を印加し、
    前記交流電場の印加により得られる、前記サンプル血液のインピーダンスの時間変化を測定し、
    前記測定されたインピーダンスの時間変化のデータから、前記インピーダンスの特徴を示すパラメータを抽出し、抽出したパラメータと、血液凝固能の亢進の基準を定める少なくとも1つの基準値との比較に基づき、前記血液凝固能の亢進の程度を解析する
    血液凝固系解析方法。
  17. サンプル血液に2MHz以上40MHz以下の周波数の交流電場が印加されることにより得られる、前記サンプル血液のインピーダンスの時間変化を測定し、
    前記測定されたインピーダンスの時間変化のデータから、前記インピーダンスの特徴を示すパラメータを抽出し、抽出したパラメータと、血液凝固能の亢進の基準を定める少なくとも1つの基準値との比較に基づき、前記血液凝固能の亢進の程度を解析する
    ことをコンピュータに実行させるプログラム。
JP2012091947A 2012-04-13 2012-04-13 血液凝固系解析装置、血液凝固系解析方法及びそのプログラム Active JP5982976B2 (ja)

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