JP7190813B2 - 地図データ生成プログラム、コンピュータ読取可能な記録媒体及び地図データ生成装置 - Google Patents
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Description
紐付けの概念検討はなされていたが、実際に、地図データと他のデータを紐付ける方法についての具体的な検討はされてはおらず、地図データと他のデータを紐付けるデータ構造の実現が望まれていた。
自動走行支援システムで用いられる地図データであって、
第1の交差点を表す仮想の第1の交差点領域と、
前記第1の交差点領域の内部に設定された仮想の第1の基準点と、
第2の交差点を表す仮想の第2の交差点領域と、
前記第2の交差点領域の内部に設定された仮想の第2の基準点と、
前記第1の交差点と前記第2の交差点とを接続する単路部であって前記第1の交差点と前記第2の交差点との間に他の交差点を持たない単路部である接続単路部を規定し、前記第1の交差点領域と前記第2の交差点領域とに接続する仮想の車道リンクと、
前記接続単路部の渋滞を表す渋滞データと、
を備え、
前記渋滞データは、
前記第1の基準点と前記第2の基準点との少なくともいずれかと、
前記車道リンクとに、対応付けられている。
自動走行支援システム100について、図1から図16に基づいて説明する。
図1の(a)に基づいて、自動走行支援システム100の構成を説明する。
自動走行支援システム100は、車両の自動走行を支援するためのシステムであり、後述する車両311に搭載される。
自動走行支援システム100は、自動走行支援装置110と車両制御システム120とを備える。
自動走行支援装置110は、車載器に相当する装置である。
車両制御システム120は、車両を制御するシステムである。
交通情報提供システム550は、後述する提供情報61を格納した交通情報データベース510を備えている。
提供情報61は、後述するダイナミックマップデータ500の準動的情報が格納されている。また、ダイナミックマップデータ500の静的情報、準静的情報、動的情報が格納されていても良い。
ダイナミックマップデータ500の準動的情報である提供情報61は、通信ネットワーク回線600および路側機312を介して、自動走行支援システム100の通信システム111に提供される。
通信システム111は、路側機312および他車両と通信する。具体的には、通信システム111は、他車両の位置情報を受信するとともに、自車両の位置情報を送信する。
ポジショニングシステム112は、衛星測位装置と慣性航法装置との組み合わせにより構成され、自車両の位置を計測する。ポジショニングシステム112は、例えば1m以下もしくは50cm以下の高精度な測位精度で位置計測を行っても良い。
基盤的地図データベース200は、基盤的地図データ290を備える。基盤的地図データ290は、自動走行支援に必要なデータで構成される。つまり、基盤的地図データ290は、道路形状および道路地物等に関するデータで構成される。道路地物は、道路または道路の周辺にある地物である。
車両位置情報処理部113は、通信システム111を介して取得される他車両の位置情報と、基盤的地図データベース200から取得されるデータとに基づき、他車両の位置や道路上の地物または道路の周辺に存在する地物の位置を特定する。また、車両位置情報処理部113は、ポジショニングシステム112により計測される自車両の位置と、基盤的地図データベース200から取得されるデータとに基づき、自車両の位置情報を生成する。
車両制御システム120は、車両位置情報処理部113により特定される他車両の位置と、ポジショニングシステム112により計測される自車両の位置と、道路上の地物または道路の周辺に存在する地物の位置とに基づいて、自車両を制御する。具体的には、車両制御システム120は、加速、操舵および制動等の制御を行う。
車両311は、自車両の車両位置情報301を送信し、他車両の車両位置情報301を受信する。
車両位置情報301は、路車間通信または車車間通信で通信される。
路車間通信は、路側機312と車両311との間で行われる通信である。
車車間通信は、車両311間で直接行われる通信である。
ここで、路車間通信で路側機312から車両311に伝達する情報は、例えば、車両311に搭載されているカメラ、レーダ等のセンサで検出できない「先の道路形状、道路の規制情報、道路の渋滞情報、気象情報」などの情報であって、ダイナミックマップデータ500の準動的情報も含まれる。
路側機312としては、道路上に配置されて専用狭域通信を行うETC2.0の通信スポットが用いられても良いし、ARIB STD‐T109またはIEEE802.11pに則り、広域通信または狭域通信を行う路車間通信システムが用いられても良いし、LTEまたは5Gによる移動体通信システムが用いられて良い。
また、車車間通信で複数の車両311間で伝達される情報は、例えば、自車両311の位置、速度、加速度、ワイパー稼働の有無、ウインカ稼働の有無、目的値、通信システム111の電波法で規定されている無線機としての識別ID(WCN:wireless call number)などの情報である。
自動走行を支援するためには、道路の形状および道路の周辺に存在する地物を特定することを可能とする基盤的地図データ290が必要になる。
基盤的地図データベース200には、基盤的地図データ290として、区画線データ201、交差点データ202、停止線データ203、信号機データ204、マーカーポイントデータ205、車線リンクデータ206および車道リンクデータ207等が記憶されている。
停止線データ203は、停止線に関するデータである。
信号機データ204は、信号機に関するデータである。
マーカーポイントは、停止線および交差点領域などの重要な位置に設定され、自車両の相対位置及び他車両の相対位置の原点となる。つまり、マーカーポイントは、相対位置を表現するための基準となる位置基準点である。
車道リンクデータ207は、車道リンクに関するデータである。車道リンクは、1以上の車線を有する車道を規定する。
マーカーポイントデータ205には、マーカーポイント毎に、マーカーポイントIDと位置情報と属性情報とが互いに対応付けられて含まれる。
マーカーポイントIDは、マーカーポイントを識別する識別情報である。なお、位置情報が識別情報として利用されてもよい。
位置情報は、マーカーポイントの絶対位置を示す。絶対位置とは、地球のある位置を原点として決まる位置であり、緯度、経度及び標高の座標系で表現可能な座標値である。各車両311でナビゲーションシステムに利用される地図が異なる場合であっても、マーカーポイントの位置情報は、各車両311で共通である。
属性情報は、マーカーポイントが有する属性を示す。例えば、属性情報は、車道リンクIDを示す。この車道リンクIDは、マーカーポイントの付近に存在する交差点領域と接続する車道リンクを識別する。
マーカーポイント313は、図5の(a)、(b)また(c)に示すような位置に設けられる。
図5の(a)は、交差点の手前にある停止線の右端にマーカーポイント313が設けられた例を示している。車両311は交差点が位置する方向に走行している。
図5の(b)は、マーカーポイント313が車線の分岐点に設けられた例を示している。車両311は分岐点が位置する方向に走行している。
図5の(c)は、マーカーポイント313が車線の合流点に設けられた例を示している。車両311は合流点が位置する方向に走行している。
図5の(a)において、マーカーポイント313は、交差点の中心に設けられてもよい。
図5の(b)において、マーカーポイント313は、車両311の進行方向に対して分岐点の手前に設けられてもよい。
図5の(c)において、マーカーポイント313は、車両311の進行方向に対して合流点の手前に設けられてもよい。
具体的には、車両311の位置は、道のりdとオフセットLとで表すことができる。道のりdは、道路の長さ方向におけるマーカーポイント313から車両311までの距離である。オフセットLは、道路の幅方向におけるマーカーポイント313から車両311までの距離である。オフセットLは、マーカーポイント313が位置する車線から車両311が位置する車線までの車線の数でもよい。
基点となるマーカーポイント313は、車両311の進行方向に位置する直近のマーカーポイント313である。
図6に基づいて、自動走行支援システム100の車両位置情報処理部113による自車両位置処理を説明する。
自車両位置処理は、自車両の車両位置情報301を生成し、生成された車両位置情報301を通信システム111に出力する処理である。
他車両位置処理は、他車両の位置を特定して、特定した他車両の位置を車両制御システム120に出力する処理である。
他車両の位置とは、他車両の絶対位置、または、自車両に対する他車両の相対位置である。
ステップS130において、自車両の進行方向の直近にマーカーポイントMr10が存在する場合、車両位置情報処理部113は、マーカーポイントMr10に対する自車両の相対位置を算出する。
ステップS210において、車両位置情報処理部113は、マーカーポイントMr10の識別情報(Mr10)と、マーカーポイントMr10に対する他車両の相対位置とを取得する。
ステップS220において、車両位置情報処理部113は、図4のマーカーポイントデータ205から、Mr10に対応付けられた絶対位置(例えば、北緯35°29′13″、東経137°24′8″、標高312.9m)を取得する。
ステップS230において、車両位置情報処理部113は、マーカーポイントMr10に対する自車両の相対位置とマーカーポイントMr10に対する他車両の相対位置とに基づいて、自車両に対する他車両の相対位置を特定する。
図8の(a)~(c)は、車両Aと車両Bと車両Cとのそれぞれの位置の変化を示している。
車両Aは、本線に合流しようとする車両311である。
車両Bおよび車両Cは、本線を走行している車両311である。
車両Aと車両Bと車両Cとのそれぞれに、自動走行支援システム100が搭載されている。
すると、車両Aの自動走行支援システム100は、図7に基づいて説明した他車両位置処理により、車両Bの位置と、車両Cの位置とを所定時間の間隔で特定する。
そして、車両Aの自動走行支援システム100は、車両Bと車両Cとのそれぞれの位置と、車両Bと車両Cとのそれぞれの速度とに基づいて、車両Aが適切なタイミングで本線に合流するように、車両Aの走行を制御する。なお、速度は、所定時間の間隔で特定された位置を用いることによって、求めることができる。
このように、車両A~車両Cに共通の絶対位置を有するマーカーポイント313が車線の合流点に設定されることにより、車両Aの自動走行支援システム100は、マーカーポイント313に対する車両Bの相対位置とマーカーポイント313に対する車両Cの相対位置とを利用することができる。そして、車両Aの自動走行支援システム100は、それらの相対位置を利用することにより、車両Bとの衝突および車両Cとの衝突を回避することができる。
図9において、実線は現実の道路を表している。一点鎖線は地図Aにおける道路を表している。破線は地図Bにおける道路を表している。
また、マーカーポイントMrは、現実の道路におけるマーカーポイントを表している。マーカーポイントMaは、地図Aにおけるマーカーポイントを表している。マーカーポイントMbは、地図Bにおけるマーカーポイントを表している。各マーカーポイントは、道路の合流点に設けられている。
そのため、地図Aおよび地図Bにおける道路の位置に、現実の道路に対する誤差が生じる。
それに伴い、地図Aおよび地図Bにおけるマーカーポイント(Ma、Mb)の位置にも、マーカーポイントMrに対する誤差が生じる。
車両Aは、本線に合流しようとしているため、本線を走行している車両Bの位置情報を必要としている。
車両Bは、地図BにおけるマーカーポイントMbに対する自車両の相対位置(道のりdおよびオフセットL)を送信する。
車両Aは、車両Bの相対位置を取得する。
車両Aは、取得した車両Bの相対位置と、地図AにおけるマーカーポイントMaの位置とに基づいて、車両Bの位置を算出する。
地図AにおけるマーカーポイントMaの位置は、地図BにおけるマーカーポイントMbの位置と異なるため、車両Aによって算出される車両Bの位置には、現実の道路における車両Bの位置に対して、誤差が生じる。
つまり、車両Aは、車両Bの位置を正確に特定することができない。その結果、車両Aは、適切な自動走行を実現することができない。
図11に基づいて、基盤的地図データベース200に格納される基盤的地図データ290について説明する。
基盤的地図データベース200には、仮想の地物と実在の地物とに関するデータが基盤的地図データ290として格納される。
具体的には、35種類の地物に関するデータが基盤的地図データ290として基盤的地図データベース200に格納される。
No.27~No.35の地物は、仮想の地物である。
仮想の地物に関する基盤的地図データは、実在の地物に関する基盤的地図データに含まれる情報のうちの形状および位置を表す情報に基づいて生成される。
「紐づけられる情報」とは、地物の静的情報に対応付けられて車両311に提供される情報を指す。
ここで、地物の静的情報に対応付けられて車両311に提供される情報は、後述の図19に示している「準静的情報」、「準動的情報」、「動的情報」である。
ここで、時間経過の目安としては、
静的情報は1か月程度もしくは1か月以上は変化しずらい情報、
準静的情報は1日程度もしくは1時間以内で変化する情報、
準動的情報は1時間以内もしくは1分程度で変化する情報、
動的情報は1分以下で変化する情報、
のように分類することができる。
各情報における主な内容は、
「準静的情報」としては交通規制情報、道路工事情報、広域の気象情報等であり、
「準動的情報」としては事故情報、渋滞情報、狭域気象情報等であり、
「動的情報」としては周辺車両情報、歩行者情報、信号機の現示情報等である。
なお、「準静的情報」は、上記のように、「準動的情報」及び「動的情報」と同様に、時間経過に伴って変化する情報である。
情報の種別によっては、「準静的情報」と「準動的情報」とのいずれかへの分類が困難な情報も有る。
言い換えれば、「準静的情報」、「準動的情報」及び「動的情報」は、「静的情報」と比べて、「静的情報」よりも時間経過に対して変化しやすい情報であり、この意味で、「準静的情報」、「準動的情報」及び「動的情報」は、「静的情報」に対して広い意味での動的情報である。
静的情報は基盤的地図データベース200に予め格納され、動的情報は動的に静的情報に対応付けられる。
車両311の相対位置は、マーカーポイントの識別情報に対応付けられて、路車間通信または車車間通信で車両311に提供される。
渋滞情報および規制情報等の動的情報は、車線リンクの識別情報等に対応付けられて、路車間通信または車車間通信で車両311に提供される。
渋滞情報は、渋滞の有無など、渋滞に関する情報である。
規制情報は、交通規制の有無、車線規制の有無および通行止めの有無など、規制に関する情報である。
「広域および狭域の気象情報」および「規制情報」等の「準静的情報」および「準動的情報」は、車道リンクの識別情報等に対応付けられて路車間通信または車車間通信で車両311に提供される。
「広域および狭域の気象情報」は、天気および温度など、気象に関する情報である。
車両情報および歩行者情報および信号機の現示情報等の動的情報は、交差点領域の識別情報等に対応付けられて路車間通信または車車間通信で車両311に提供される。
車両情報は、交差点領域に存在する車両に関する情報である。
歩行者情報は、交差点領域に存在する歩行者に関する情報である。
信号機の現示情報のカウント情報は、信号機の識別情報に対応付けられて、路車間通信または車車間通信で車両311に提供される。
車線リンクは車線の中心線を表す。そのため、自動走行支援システム100は、車線リンクに紐づけられた渋滞情報又は規制情報を用いることで、車線ごとに、渋滞又は規制の有無を判断することができる。
例えば、3車線の高速道路においては、ある出口の付近で左車線(出口に接続する車線)のみ渋滞が発生する場合がある。この場合、車線リンクに対応づけられた渋滞情報を利用することで、この出口の付近で左車線のみ渋滞が発生していることを判断することができる。よって、この出口を避けて次の出口、又は1つ手前の出口を利用する等の判断が可能である。
図16に基づいて、区画線321と車道リンク322と車線リンク323との関係を説明する。
区画線321は実在の地物であり、車道リンク322および車線リンク323は仮想の地物である。
基盤的地図データベース200において、区画線321は、所定間隔毎に設定されるノードと、ノードを接続するリンクとにより表される。図16において、実線の端にある黒丸が区画線321のノードであり、実線が区画線321のリンクである。
区画線321のノードは、一般道では2.5m間隔で設定される。
区画線321のノードは、高速道において、直線の部分およびカーブが緩やかな部分では5m間隔で設定され、カーブが急な部分では2.5m間隔で設定される。
基盤的地図データベース200には、ノード情報およびリンク情報等が区画線データ201として格納される。ノード情報はノードの位置を示し、リンク情報はリンクを示す。
基盤的地図データベース200において、車道リンク322は、区画線321と同様に、ノードとリンクとにより表される。図16において、一点鎖線の端にある黒丸が車道リンク322のノードであり、一点鎖線が車道リンク322である。
車道リンク322のノードは、道路の左側端に設定された区画線321のノードと道路の右側端に設定された区画線321のノードとの中間に作成される。車道リンク322のノードは、道路の長さ方向に所定間隔で設定される。
車道リンクデータ207は、区画線データ201に基づいて生成される。
基盤的地図データベース200において、車線リンク323は、区画線321と同様に、ノードとリンクとにより表される。図16において、点線の端にある黒丸が車線リンク323のノードであり、点線が車線リンク323である。
車線リンク323のノードは、車線の左側端に設定された区画線321のノードと車線の右側端に設定された区画線321のノードとの中間に作成される。車線リンク323のノードは、車線の長さ方向に所定間隔で設定される。
車線リンクデータ206は、区画線データ201に基づいて生成される。
図17において、交差点領域326の中の実線が交差点内車線リンク327である。また、交差点領域326と交差点の絵との間に記された点線は車線リンク323である。
交差点領域326および交差点内車線リンク327は、仮想の地物である。
交差点領域326は、停止線と車道境界線とにより囲まれた領域に設定される。停止線は車線が交差する部分に存在する。
交差点データ202は、停止線データ203に基づいて生成される。
ここで、停止線データ203は、図17で示しているが、先の図5においては、「(a)交差点」に適用され、図5の「(b)分岐点」及び「(c)合流点」を表わす部分も交差点の一種であり、「(b)分岐点」及び「(c)合流点」も交差点領域と呼ばれる。なお、(b)と(c)には停止線データ203は存在しない。
図18に基づいて、自動走行支援装置110のハードウェア構成について説明する。
自動走行支援装置110は、プロセッサ901とメモリ902と補助記憶装置903と通信装置904といったハードウェアを備えるコンピュータである。プロセッサ901は、信号線を介して他のハードウェアと接続されている。
メモリ902は揮発性の記憶装置である。メモリ902は、主記憶装置またはメインメモリとも呼ばれる。具体的には、メモリ902はRAM(Random Access Memory)である。
補助記憶装置903は不揮発性の記憶装置である。具体的には、補助記憶装置903は、ROM、HDDまたはフラッシュメモリである。ROMはRead Only Memoryの略称であり、HDDはHard Disk Driveの略称である。
通信装置904は、通信を行う装置であり、レシーバとトランスミッタとを備える。具体的には、通信装置904は通信チップまたはNIC(Network Interface Card)である。
さらに、補助記憶装置903にはOS(Operating System)が記憶されている。OSの少なくとも一部は、メモリ902にロードされて、プロセッサ901によって実行される。
つまり、プロセッサ901は、OSを実行しながら、「部」の機能を実現するプログラムを実行する。
「部」の機能を実現するプログラムを実行して得られるデータは、メモリ902、補助記憶装置903、プロセッサ901内のレジスタまたはプロセッサ901内のキャッシュメモリといった記憶装置に記憶される。これらの記憶装置は、データを記憶する記憶部として機能する。
なお、自動走行支援装置110が複数のプロセッサ901を備えて、複数のプロセッサ901が「部」の機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
補助記憶装置903は、基盤的地図データベース200として機能する。
通信装置904は、通信システム111として機能する。また、通信装置904のレシーバはデータを受信する受信部として機能し、通信装置904のトランスミッタはデータを送信する送信部として機能する。
「部」は「処理」または「工程」に読み替えてもよい。「部」の機能はファームウェアで実現してもよい。
「部」の機能を実現するプログラムは、磁気ディスク、光ディスクまたはフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体に記憶することができる。
車線が交差、合流または分岐する交差点領域にマーカーポイントが設けられる。マーカーポイントは、各車両で共通に用いられる絶対位置を有する。マーカーポイントに関するデータは、基盤的地図データに設けられる。当該基盤的地図データを利用する自動走行支援システムにおいて、マーカーポイントに対する他車両の相対位置を用いて、他車両の位置をより正確に特定することが可能となる。
これにより、マーカーポイントが設けられる領域において、合流点、交差点または分岐点等に向かって進行する他車両との衝突を回避することが可能となる。
基盤的地図データにおいて、車線ごとに生成される車線リンクに、渋滞情報又は規制情報が対応づけられる。そのため、基盤的地図データを利用する自動走行支援装置において、車線ごとに渋滞又は規制の有無を判断することができる。その結果、状況に応じた運転が可能となる。
基盤的地図データにおいて、車道ごとに生成される車道リンクに、気象情報又は規制情報が対応づけられる。そのため、基盤的地図データを利用する自動走行支援装置において、車道に属する各車線の天候又は規制を判断することができる。その結果、状況に応じた運転が可能となる。
基盤的地図データにおいて、交差点領域に、車両又は歩行者の情報が対応づけられる。そのため、基盤的地図データを利用する自動走行支援装置において、交差点領域内の車両又は歩行者の有無を判断することができる。その結果、他車両又は歩行者との衝突を防止することが可能となる。
実施の形態1は、好ましい形態の例示であり、本発明の技術的範囲を制限することを意図するものではない。実施の形態1は、部分的に実施してもよいし、他の形態と組み合わせて実施してもよい。フローチャート等を用いて説明した手順は、適宜に変更してもよい。
図19から図30を用いて実施の形態2を説明する。実施の形態2では地図データ905としてダイナミックマップデータ500を想定する。
なお、図24から図29は、ケース1-1からケース2-2-1の例を説明する図であるともに、地図データ905を概念的に示す図である。ダイナミックマップデータ500は自動走行支援システムで用いられる3次元の高精度地図データである。ダイナミックマップデータ500には、基準点(Common Reference Point)と呼ばれる位置表現方法に使用可能な点がある。実施の形態2は、この基準点(CRP)を用いた位置表現に関する。以下、基準点はCRPと記す。
CRPは実施の形態1のマーカーポイントと同様のものである。
すなわち、CRP毎に、CRPを識別するためのID(IDentification、以下CRPIDと記す)と、位置情報と、属性情報とが互いに対応付けられている。
CRPIDは、CRPを識別する識別情報である。CRPは、例えば図11や図15におけるNo.35の地物名称に示すマーカーポイントの代わりに用いても良い。
CRPの位置情報は、CRPの絶対位置を示す。絶対位置とは、地球のある位置を原点として決まる位置であり、緯度、経度及び標高の座標系で表現可能な座標値である。CRPは位置座標によって3次元位置が特定され、好ましくは50cm以下、より好ましくは25cm以下の位置精度を有すると良い。各車両311でナビゲーションシステムに利用される地図が異なる場合であっても、CRPの位置情報は、各車両311で共通である。
属性情報は、CRPが有する属性を示す。例えば、属性情報は、車道リンクIDを示す。この車道リンクIDは、CRPの付近に存在する交差点領域と接続する車道リンクを識別する。
(1)位置情報表現タイプ1
位置情報表現タイプ1は、CRPからの差分距離で位置を表現する。
(2)位置情報表現タイプ2は、CRPからの道のり距離で位置を表現する。「道のり距離」とは、一方のCRP(地点)から該当地点までの、曲り及び凹凸も考慮した距離である。位置情報表現タイプ2は車道中心線からのオフセットを使用してもよいが、実施の形態2では説明を簡略化するため、主にオフセットを使用しない例について説明する。車道リンクを使用することで、道のり距離を表現できる。
CRPを用いた位置表現について、複数のCRPを跨ぐ準静的情報または準動的情報の表現を対象に、ケース1-1からケース2-1を説明する。実施の形態2では、準動的情報とされる渋滞を表現対象とする。
ケース1-1は、単路部において、隣接するCRPどうしの間で生じている渋滞の位置表現に関する。ケース1-1では、交通情報リンクの数と、車道リンクの数とは、1:1に対応している。この意味は後述する。
よって、交通情報リンクの数:車道リンクの数=1:1である。つまり、一つの車道リンクに一つの提供情報61が対応する。言い換えれば、一つの車道リンク11に、一つの提供情報61が対応付けられる。
(2)図24では、提供情報61の示す渋滞は、交差点領域41と交差点領域42との間で起きている。提供情報61は渋滞始点61s、渋滞終点61eを含む。図の右方向が車両進行方向である。以下図26~図29も右方向が車両進行方向である。渋滞始点61sと渋滞終点61eは、交差点領域41と交差点領域42との間にある。
(3)交差点領域41にはCRP1が設定されており、交差点領域42にはCRP2が設定されている。
(4)渋滞始点61sは、CRP1と対応付けられている。つまり、渋滞始点61sは、CRP1からCRP2へ、0.3000と、対応付けられている。0.3000の意味は、CRP1からCRP2への道のり距離のうち、渋滞始点61sの位置がCRP1から0.3、つまり30%の道のり距離であることを示す。図24の他の記載及び図25~図29の記載も、同じ意味である。ダイナミックマップ500の持つ車道リンクによって、曲り及び凹凸のような道路の変化が反映できるため、道のり距離が計算可能である。より具体的には、CRP1と渋滞始点61sとの道のり距離は、CRP1と車道リンク11の端点11aとを結ぶ点線30と、車道リンク11の端点11aから渋滞始点61sまでの車道リンク11の部分とによって構成される。交差点領域の内部には車道リンクがないため、交差点領域の内部の場合には、CRPと車道リンク端点とを結ぶ線により距離を表現する。この距離はCRPの座標と車道リンクの端点の座標とから求まる距離を用いる。
(5)渋滞終点61eは、渋滞始点61sと同様にCRP1と対応付けられている。上記のように、渋滞終点61eの位置は、CRP1からCRP2への道のり距離の80%として、CRP1に対応付けられている。
(6)ケース1-1では、交通渋滞情報1は、CRP1と、渋滞始点61s及び渋滞終点61eとの道のり距離で表現される。
なお、図24において、車道80は片側3車線の道路を示している。CRP1とCRP2は同一の車道リンク11上にあるが、進行方向に対し最も左側の車線、中央の車線、最も右側の車線のそれぞれに車両311が走行している。
そこで、車線毎に渋滞始点61sと渋滞終点61eの位置が異なる場合は、交通渋滞情報1において、車線毎の渋滞始点61sと渋滞終点61eを表現しても良い。
この場合、最も左側の車線の渋滞始点61s,渋滞終点61eと、最も右側の車線の渋滞始点61s,渋滞終点61eとは、それぞれオフセットを付加して構成される。
このオフセットは、道路の幅方向における車道リンク11から各車線の中央までの距離、すなわち車道リンク11に垂直な方向の各車線の中央までの長さとなる。また中央の車線の渋滞始点61s,渋滞終点61eはオフセットが0となる。
(1)第1の交差点領域41は、第1の交差点を表す仮想のデータである。
(2)CRP1は、第1の交差点領域41の内部に設定された仮想の第1の基準点である。
(3)第2の交差点領域42は、第2の交差点を表す仮想のデータである。
(4)CRP2は、第2の交差点領域42の内部に設定された仮想の第2の基準点である。
(5)車道リンク11は、第1の交差点と第2の交差点とを接続する単路部であって、第1の交差点と第2の交差点との間に他の交差点を持たない単路部である接続単路部を規定する。
車道リンク11は、第1の交差点領域41と第2の交差点領域42とに接続する仮想のデータである。
(6)提供情報61は、車道リンク11で表される接続単路部の渋滞を表す。
(7)提供情報61は、第1の基準点であるCRP1と第2の基準点であるCRP2との少なくともいずれかと、車道リンク11と、に対応付けられている。
提供情報61を車道リンク11に対応付けることで、道のり距離で渋滞を位置表現できる。
また提供情報61をCRPに対応付けることで、準動的情報である提供情報61を静的情報であるCRPに簡単に対応付けることができる。図24の場合は提供情報61はCRP1に対応付けられているが、提供情報61はCRP2に対応付けられてもよい。
(1)提供情報61は、接続単路部における渋滞始点61sと渋滞終点61eとを含んでいる。
(2)渋滞始点61sと渋滞終点61eとは、第1の交差点領域41と第2の交差点領域42との間に位置し、第1の基準点のCRP1と第2の基準点のCRP2との少なくともいずれかとの道のり距離が対応付けられている。なお、提供情報61はCRP1に対応付けられていたが、提供情報61はCRP2に対応付けられてもよい。
ケース1-2では、提供情報61の数と、車道リンクの数とは、1:nに対応している。nは整数を意味する。
図22は、図25について、提供情報61の数と車道リンクの数とを模式的に示す図である。
図22では、図25において、交差点領域41と交差点領域42とは車道リンク11で接続されており、交差点領域42と交差点領域43とは車道リンク12で接続されており、交差点領域43と交差点領域44とは車道リンク13で接続されていることを示す。また、図22は、交差点領域42には車道リンク14が接続しており、交差点領域43には車道リンク15が接続している。また図22では、提供情報61は一つである。
(2)図25では、提供情報61の示す渋滞は交差点領域41と交差点領域44の間で起きている。また、交差点領域41と交差点領域44との間には、交差点領域42と交差点領域43がある。提供情報61の渋滞は、交差点領域42から交差点領域43を経ている。渋滞始点61sは、交差点領域41と交差点領域42の間にある。渋滞終点61eは、交差点領域43と交差点領域44の間にある。
(3)交差点領域41,42,43,44には、それぞれ、CRP1,2,3,4が設定されている。
(4)渋滞始点61sは、CRP1と道のり距離で対応付けられている。
(5)渋滞終点61eは、CRP3と道のり距離で対応付けられている。
(6)図25では、CRP1とCRP4の間に、CRP2及びCRP3が設定されている。この理由は、提供情報61の示す渋滞に対して、渋滞始点61sと渋滞終点61eの位置を表現しただけでは不十分だからである。つまり、渋滞始点61sと渋滞終点61eの位置を特定しただけの場合、渋滞始点61sから、CRP2、高速道路バス停留所610、CRP3、渋滞終点61eと連続しておりCRP2とCRP3との間には生じていない場合と、渋滞がCRP1からCRP4への方向に直線的に連続して渋滞している場合とを区別できないからである。この区別を可能とするために、CRP2とCRP3との設定が必要である。CRP2とCRP3との設定により、一つの提供情報61は、車道リンクごとに、交通渋滞情報1と、交通渋滞情報2と交通渋滞情報3との3つに分割される。交通渋滞情報1は、CRP1から渋滞始点61sまでの道のり距離と、CRP1からCRP2までの道のり距離で表現される。交通渋滞情報2は、CRP3の位置と、CRP2からCRP3までの道のり距離で表現される。交通渋滞情報3は、CRP2の位置と、CRP3から渋滞終点61eまでの道のり距離で表現される。
提供情報61の示す渋滞は、渋滞始点61sから渋滞終点61eまで続く。つまり、提供情報61の示す渋滞は、渋滞始点61sと渋滞終点61eとのいずれか一方のみが、第1の交差点領域41と第2の交差点領域42との間に位置する。図25では渋滞始点61sが間に位置する場合を示している。提供情報61の示す渋滞において、交差点領域41と交差点領域42の間に関しては、渋滞始点が渋滞始点61s、渋滞終点がCRP2の渋滞情報が交通渋滞情報1である。「一方」に該当するのは渋滞始点61sである。「一方」である渋滞始点61sは、第1の基準点であるCRP1と第2の基準点であるCRP2との少なくともいずれかとの道のり距離が対応付けられる。図25では、渋滞始点61sはCRP1との道のり距離が対応付けられている。
提供情報61の示す渋滞は、渋滞始点61sと渋滞終点61eとのいずれか一方のみが、第1の交差点領域43と第2の交差点領域44との間に位置する。1の交差点領域43と第2の交差点領域44との間の渋滞では、渋滞始点はCRP3であり、渋滞終点は渋滞終点61eであり、「一方」に該当するのは渋滞終点61eである。渋滞始点がCRP3、渋滞終点が渋滞終点61eの渋滞情報が交通渋滞情報3である。「一方」である渋滞終点61eは、第1の基準点であるCRP3と第2の基準点であるCRP4との少なくともいずれかとの道のり距離が対応付けられる。
図25は渋滞終点61eは、CRP3との道のり距離が対応付けられている場合を示している。
提供情報61の示す渋滞では、渋滞始点61sと渋滞終点61eとは、いずれも第1の交差点領域42と第2の交差点領域43との間に位置することなく、提供情報61の示す渋滞は第1の交差点領域42から第2の交差点領域43まで連続している。よって、提供情報61の示す渋滞のうち、第1の交差点領域42から第2の交差点領域43へ連続する渋滞は、第1の基準点であるCRP2と第2の基準点であるCRP3との間の道のり距離が対応付けられており、これが交通渋滞情報2である。
なお、図25において、車道80は片側3車線の道路を示している。
CRP1,CRP2,CRP3,CRP4は同一の車道リンク11上にあるが、進行方向に対し最も左側の車線、中央の車線、最も右側の車線のそれぞれに車両311が走行している。
そこで、車線毎に渋滞始点61sと渋滞終点61eの位置が異なる場合は、交通渋滞情報1及び交通渋滞情報3において、車線毎の渋滞始点61sと渋滞終点61eを表現しても良い。
この場合、最も左側の車線の渋滞始点61s,渋滞終点61eと最も右側の車線の渋滞始点61s,渋滞終点61eは、それぞれオフセットを付加して構成される。このオフセットは、道路の幅方向における車道リンク11から各車線の中央までの距離、すなわち車道リンク11に垂直な方向の各車線の中央までの長さとなる。また中央の車線の渋滞始点61s,渋滞終点61eは、オフセットが0となる。
ケース1-3は、交差点領域が設定されていない範囲に渋滞が発生する状況を表現する。ケース1-3では、提供情報61の数と、車道リンクの数とは、n:1である。nは整数を意味する。
なお、ここでは、二次メッシュ境界611と記載したが、データの境界は、県境、国境、市町村などの自治体での区切りとして定義してもよい。
(2)図26では、実際の渋滞は交差点領域41と交差点領域42との間で起きており、渋滞の状況は、図24と同じである。しかし、提供情報61-1と、提供情報61-2とは分割された別々の情報として提供されるため、提供情報61-1及び提供情報61-2をCRPと対応付ける必要がある。そのため、提供情報61-1と提供情報61-2の示す渋滞は、CRPと二次メッシュ境界611とを用いて表現される。これが交通渋滞情報1と交通渋滞情報2である。交通渋滞情報1は、CRP1から渋滞始点61-1sまでの道のり距離と、CRP1から二次メッシュ境界611までの道のり距離で表現されている。交通渋滞情報2は、CRP1から二次メッシュ境界611までの道のり距離と、CRP1から渋滞終点61-2eまでの道のり距離で表現されている。
なお、図26において、車道80は片側3車線の道路を示している。
CRP1,CRP2は同一の車道リンク11上にあるが、進行方向に対し最も左側の車線、中央の車線、最も右側の車線のそれぞれに車両311が走行している。
そこで、車線毎に渋滞始点61-1sと渋滞終点61-2eの位置が異なる場合は、交通渋滞情報1及び交通渋滞情報2において、車線毎の渋滞始点61-1sと渋滞終点61-2eを表現しても良い。
この場合、最も左側の車線の渋滞始点61-1s,渋滞終点61-2eと最も右側の車線の渋滞始点61-1s,渋滞終点61-2eは、それぞれオフセットを付加して構成される。
このオフセットは、道路の幅方向における車道リンク11から各車線の中央までの距離、すなわち車道リンク11に垂直な方向の各車線の中央までの長さとなる。また中央の車線の渋滞始点61-1s,渋滞終点61-2eはオフセットが0となる。
図27はケース1-4を示す。ケース1-4は、ケース1-2と、ケース1-3との組み合わせである。図27の場合は、ケース1-2の渋滞の状態において、ケース1-3と同様に、提供情報が、二次メッシュ境界611、2つに分割されている。よって、ケース1-4は、ケース1-2と、ケース1-3との組み合わせで、渋滞を表現できる。図27に示すように、提供情報61-1及び提供情報61-2からなる提供情報61は、交通渋滞情報1から交通渋滞情報4として表される。交通渋滞情報1は、CRP1から渋滞始点61-1sまでの道のり距離と、CRP1からCRP2への道のり距離で表現される。渋滞始点61-1sは提供情報61-1の渋滞始点である。交通渋滞情報2は、CRP2の位置と、CRP2から二次メッシュ境界611までの道のり距離で表現される。交通渋滞情報3は、CRP2から二次メッシュ境界611までの道のり距離と、CRP2からCRP3までの道のり距離で表現される。交通渋滞情報4は、CRP3の位置と、CRP3から渋滞終点61-2eまでの道のり距離で表現される。渋滞終点61-2eは提供情報61-2の渋滞終点である。
なお、図27において、車道80は片側3車線の道路を示している。
CRP1,CRP2,CRP3,CRP4は同一の車道リンク11上にあるが、進行方向に対し最も左側の車線、中央の車線、最も右側の車線のそれぞれに車両311が走行している。
そこで、車線毎に渋滞始点61-1sと渋滞終点61-2eの位置が異なる場合は、
交通渋滞情報1及び交通渋滞情報4において、車線毎の渋滞始点61-1sと渋滞終点61-2eを表現しても良い。
この場合、最も左側の車線の渋滞始点61-1s,渋滞終点61-2eと最右側の車線の渋滞始点61-1s,渋滞終点61-2eは、それぞれオフセットを付加して構成される。
このオフセットは、道路の幅方向における車道リンク11から各車線の中央までの距離、すなわち車道リンク11に垂直な方向の各車線の中央までの長さとなる。また中央の車線の渋滞始点61s,渋滞終点61eはオフセットが0となる。
以下に説明するケース2-1では,交差点領域の内部の渋滞を、CRPを用いて位置表現する。ケース2-1では、位置情報表現タイプ1を用いる。位置情報表現タイプ1は、道のり距離を使用せず、座標間の距離で渋滞を表現する。これは、交差点領域の内部には車道リンクが形成されていないからである。ケース2-1の具体例として、ケース2-1-1とケース2-1-2を示す。
図28はケース2-1-1を示し、図29はケース2-1-2を示す。図28では車道リンクは、車道リンク11、車道リンク12としており、図29では車道リンク10としている。
ケース2-1-1では、交差点領域41の内部に、提供情報61の持つ渋滞始点61s及び渋滞終点61eが存在する場合である。渋滞始点61s及び渋滞終点61eは、CRP1を用いて位置表現される。ここで、渋滞始点61s及び渋滞終点61eは、地球のある位置を原点とし、緯度、経度及び標高の座標系で表現可能な座標値であって、図28の例において、渋滞始点61s及び渋滞終点61eはともに、車道リンク11上の車線上の位置で座標値を表現している。
(1)図28を参照して、提供情報61の示す渋滞の位置表現を説明する。
(2)図28では、提供情報61の示す渋滞は交差点領域41の内部で起きている。
(3)交差点領域41の内部にCRP1が設定されている。
(4)提供情報61は、CRP1から渋滞始点61sまでの距離と、CRP1から渋滞終点61eまでの距離で表現される。CRP1から渋滞始点61sまでの距離で表現される渋滞が交通渋滞情報1である。CRP1から渋滞終点61eまでの距離で表現される渋滞が交通渋滞情報2である。CRP1から渋滞始点61sまでの距離は、CRP1の座標と、渋滞始点61sの座標との距離51であり、この距離によって交通渋滞情報1が位置表現される。CRP1から渋滞終点61eまでの距離は、CRP1の座標と、渋滞終点61eの座標との距離52であり、この距離によって交通渋滞情報2が位置表現される。交通渋滞情報1及び交通渋滞情報2の位置表現によって、提供情報61の示す渋滞が位置表現される。交通渋滞情報1及び交通渋滞情報2の位置表現は、位置情報表現タイプ1に基づく。
ケース2-1-2では、交差点領域41の内部に渋滞始点61s、交差点領域41の外に渋滞終点61eが存在する場合に、CRPを用いて渋滞を位置表現する。ここで、渋滞始点61sは、地球のある位置を原点とし、緯度、経度及び標高の座標系で表現可能な座標値である。図28の例において、渋滞始点61sは、車道リンク11上の車線上の位置で座標値を表現している。
(1)図29を参照して、提供情報61で表される渋滞の位置表現を説明する。
(2)図29では、提供情報61の渋滞始点61sは交差点領域41の内部に存在し、提供情報61の渋滞終点61eは交差点領域41の外に存在する。
(3)交差点領域41の内部にCRP1が設定されている。
交差点領域42の内部にCRP2が設定されている。
(4)提供情報61の示す渋滞は、CRP1の座標と渋滞始点61sの座標との間の距離51と、CRP1からCRP2に向かって渋滞終点61eまでの道のり距離で表現される。CRP1の座標と渋滞始点61sの座標との間の距離51で表現される渋滞情報が交通渋滞情報1である。CRP1と渋滞終点61eの座標との間の道のり距離で表現される渋滞情報が交通渋滞情報2である。CRP1の座標と渋滞始点61sの座標との距離は位置情報表現タイプ1に基づき、CRP1から渋滞終点61eまでの道のり距離は位置情報表現タイプ2に基づく。
なお、図29において、車道80は片側3~4車線の道路を示している。
CRP2の対応した車道リンク11に対して、車線毎に渋滞終点61eの位置が異なる場合は、交通渋滞情報2において、車線毎の渋滞終点61eを、オフセットを用いて表現しても良い。
この場合、最も左側の車線の渋滞終点61eと最も右側の車線の渋滞終点61eは、それぞれオフセットを付加して構成される。
このオフセットは、道路の幅方向における車道リンク11から各車線の中央までの距離、すなわち車道リンク11に垂直な方向の各車線の中央までの長さとなる。また車道リンク11と同一である中央の車線の渋滞終点61eはオフセットが0となる。
(1)基準点設定部410は、第1の交差点領域41と、第2の交差点領域42と、車道リンク11とを有する地図データ905の第1の交差点領域41の内部に仮想の第1の基準点であるCRP1を設定し、第2の交差点領域42の内部に仮想の第2の基準点であるCRP2を設定する。
なお、この設定は、基盤的地図データ290が基盤的地図データベース200に実装されるときに設定がなされる。もしくは通信システム111による外部との路車間通信または移動体通信によって、基盤的地図データベース200の基盤的地図データ290の更新がなされるときに設定が行われる。
この設定は、自動走行支援システム100のメモリ902もしくはプロセッサ901の内部メモリにおいて設定が行われる。
(2)渋滞データ取得部420は、車道リンク11で示される接続単路部の渋滞を表す渋滞データである提供情報61を取得する。提供情報61は、提供情報61を提供する提供元から取得する。例えば、渋滞データ取得部420は通信装置904によってネットワークから提供情報61を取得する。取得した提供情報61は、予め各CRPと渋滞始点および渋滞終点との対応関係が取られている。
(3)対応付け部430は、提供情報61を、地図データ生成装置400の基盤的地図データ290に格納されたCRP1とCRP2との少なくともいずれかと、車道リンク11とに、対応付ける。
(1)基準点設定部410は、交差点領域41を有する地図データ905の交差点領域41の内部に仮想の基準点であるCRP1を設定する。
(2)渋滞データ取得部420は、交差点領域41の内部の渋滞を表すとともに、渋滞始点61sと渋滞終点61eとの少なくともいずれかが交差点領域41の内部に位置する渋滞データである提供情報61を取得する。提供情報61は例えばネットワークを介して取得される。
(3)対応付け部430は、渋滞データの渋滞始点61sが交差点領域41の内部に位置する場合には、渋滞データにCRP1の座標と渋滞始点61sの座標との距離を対応付ける。対応付け部430は、提供情報61の渋滞終点61eが交差点領域41の内部に位置する場合には、提供情報61にCRPの座標と渋滞終点61eの座標との距離を対応付ける。
実施の形態2の地図データ905によれば、静的情報であるCRPと、準動的情報である提供情報61とを対応付けることができるので、高精度の3次元地図データに渋滞情報を容易に関連付けることができる。
Claims (7)
- コンピュータに、
第1の交差点を表す3次元座標の位置座標を有した仮想の第1の交差点領域と、第2の交差点を表す3次元座標の位置座標を有した仮想の第2の交差点領域と、前記第1の交差点と前記第2の交差点とを接続する単路部であって前記第1の交差点と前記第2の交差点との間に他の交差点を持たない単路部である接続単路部を規定し、前記第1の交差点領域と前記第2の交差点領域とに接続する仮想の車道リンクとを有する地図データの前記第1の交差点領域の内部に仮想の第1の基準点を設定し、前記第2の交差点領域の内部に仮想の第2の基準点を設定する基準点設定処理と、
前記接続単路部の渋滞を表す渋滞データを取得する渋滞データ取得処理と、
前記渋滞データを、前記第1の基準点と前記第2の基準点との少なくともいずれかと、前記車道リンクとに、対応付ける対応付け処理と
を実行させる地図データ生成プログラム。 - 前記渋滞データ取得処理によって取得される前記渋滞データは、
前記接続単路部における前記渋滞の始点と終点とを含んでおり、
前記対応付け処理では、前記始点と前記終点とは、
前記第1の交差点領域と前記第2の交差点領域との間に位置し、前記第1の基準点と前記第2の基準点との少なくともいずれかとの道のり距離が対応付けられている請求項1に記載の地図データ生成プログラム。 - 前記渋滞データ取得処理によって取得される前記渋滞データは、
前記渋滞の始点と終点とのいずれか一方のみが、前記第1の交差点領域と前記第2の交差点領域との間に位置し、
前記対応付け処理では、前記一方は、
前記第1の基準点と前記第2の基準点との少なくともいずれかとの道のり距離が対応付けられる請求項1に記載の地図データ生成プログラム。 - 前記渋滞データ取得処理によって取得される前記渋滞データは、
前記渋滞の始点と終点とのいずれも前記第1の交差点領域と前記第2の交差点領域との間に位置することなく、前記第1の交差点領域から前記第2の交差点領域まで続く渋滞を示しており、
前記対応付け処理では、
前記第1の基準点と前記第2の基準点との間の道のり距離が対応付けられる請求項1に記載の地図データ生成プログラム。 - 前記渋滞データ取得処理によって取得される前記渋滞データは、
前記車道リンクの途中で、第1の渋滞データと第2の渋滞データとに分割されているとともに、分割されている位置を表す分割位置データを有し、
前記分割位置データは、
前記対応付け処理では、前記第1の基準点と前記第2の基準点との少なくともいずれかとの道のり距離が対応付けられる請求項1に記載の地図データ生成プログラム。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の地図データ生成プログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記録媒体。
- 第1の交差点を表す3次元座標の位置情報を有した仮想の第1の交差点領域と、第2の交差点を表す3次元座標の位置情報を有した仮想の第2の交差点領域と、前記第1の交差点と前記第2の交差点とを接続する単路部であって前記第1の交差点と前記第2の交差点との間に他の交差点を持たない単路部である接続単路部を規定し、前記第1の交差点領域と前記第2の交差点領域とに接続する仮想の車道リンクとを有する地図データの前記第1の交差点領域の内部に仮想の第1の基準点を設定し、前記第2の交差点領域の内部に仮想の第2の基準点を設定する基準点設定部と、
前記接続単路部の渋滞を表す渋滞データを取得する渋滞データ取得部と、
前記渋滞データを、前記第1の基準点と前記第2の基準点との少なくともいずれかと、前記車道リンクとに、対応付ける対応付け部と
を備える地図データ生成装置。
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