JP7190328B2 - Mtf測定装置およびそのプログラム - Google Patents
Mtf測定装置およびそのプログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP7190328B2 JP7190328B2 JP2018205786A JP2018205786A JP7190328B2 JP 7190328 B2 JP7190328 B2 JP 7190328B2 JP 2018205786 A JP2018205786 A JP 2018205786A JP 2018205786 A JP2018205786 A JP 2018205786A JP 7190328 B2 JP7190328 B2 JP 7190328B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mtf
- roi
- line
- edge
- average
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Image Processing (AREA)
Description
現在、MTFを測定する方法として、カメラが撮像する測定用のチャートのサイズが比較的小さく、撮像画角を正確にチャートサイズにフレーミングする必要がないSlanted-edge法(傾斜エッジ法;以下、エッジ法という)が一般的に用いられている(特許文献1,2、非特許文献1~4参照)。
まず、エッジ法は、図16(a)に示すように、エッジを含んだチャートを撮像した画像(エッジ画像I)において、MTFの測定対象となるROI(Region Of Interest:関心領域)を選定する。
次に、エッジ法は、図16(b)に示すように、ROIからエッジeを検出し、その傾きθeを求める。そして、エッジ法は、ROIの各画素を、エッジeに沿って、等間隔に区分されたビンが並ぶ投影軸(x軸)に投影する。このとき、ビンの幅は、ROIの1画素の幅の1/4、1/8といったサブピクセル幅とする。
さらに、エッジ法は、エッジ広がり関数を微分することで、図16(d)に示すような線広がり関数(LSF:Line Spread Function)を求める。
最後に、エッジ法は、エッジ広がり関数をフーリエ変換して絶対値をとり、直流(空間周波数“0”)で正規化することで、図16(e)に示すように、MTFを求める。
また、近年では、図17(c)に示すように、垂直方向あるいは水平方向から大きく傾いたエッジ(例えば、傾きが斜め約45°)でも、エッジ広がり関数のピクセル間隔をエッジの傾き角に応じてスケーリングしてMTFを算出する手法が開示されている(非特許文献5参照)。
また、放射状にエッジが存在するチャート上で、図18(a),(b)に示すように、斜め45°に近い傾きをもったエッジに限定して、固定的に平行四辺形でROIを特定することで、MTFを算出する手法が開示されている(特許文献3参照)。
また、図19に示すように、例えば、放射状にエッジが存在するチャートを撮像したエッジ画像I上で、垂直に近いエッジを含む領域(ROI1)は、画像中心付近において指定可能である。しかし、斜めに傾いたエッジを含む領域(ROI2)は、ROI1と同様のエッジの画素領域を確保するには、画像中心付近において他のエッジを含んでしまうため、指定することができない。このように、従来の長方形でROIを指定する手法では、ROIを指定することができない場合があるという問題がある。
そのため、エッジを含んだ画像上で、任意の位置や傾きで存在するエッジからでもMTFを測定することが可能なように、ROIを指定する手法が求められていた。
そして、MTF測定装置は、ROI設定手段の位置調整手段によって、測定者から指示された位置にROIの位置を変更する。これによって、測定者は、測定対象のエッジ上にROIを移動させることができる。
また、MTF測定装置は、ROI設定手段の傾き調整手段によって、測定者から指示された傾きでROIを傾け、ROIの短辺の長さと短辺同士を結ぶ垂線の距離である短辺間の距離とを一定とし、ROIの長辺の長さを変えた平行四辺形の形状でROIを変形する。これによって、エッジに沿った傾きをもった平行四辺形でROIを設定することができる。
そして、MTF測定装置は、MTF算出手段のラインMTF算出手段によって、ROIにおいて、エッジを含むラインごとに離散フーリエ変換を行うことで、ラインごとのMTFであるラインMTFを算出する。
また、MTF測定装置は、MTF算出手段のラインMTF平均化手段によって、ラインMTFを予め定めた空間周波数ごとにROIのライン数で平均化して平均MTFを算出する。
また、MTF測定装置は、MTF算出手段のエイリアシング除去手段によって、平均MTFからエイリアシング成分を除去する補正を行う。
本発明によれば、ROIをエッジに沿った平行四辺形の形状で設定することができる。これによって、本発明は、長方形のみでROIを指定する場合に比べて、任意方向のエッジに対して無駄な領域を減らすことができ、MTF測定の計算コストを抑えることができる。
また、本発明によれば、エッジに沿った形状でROIを設定できるため、他のエッジと重ならないようにROIを設定することができる。
[MTF測定装置の構成]
最初に、図1を参照して、本発明の実施形態に係るMTF測定装置1の構成について説明する。
撮像系2は、MTFの被測定対象であって、ビデオカメラまたはスチールカメラ、MTFの被測定対象となるレンズを含んだカメラ等である。
撮像系2は、エッジ(コントラストの異なる境界)を含んだチャートCHを撮像したエッジ画像(動画像または静止画像)を、MTF測定装置1に出力する。
チャートCHは、エッジの傾きが、撮像系2の撮像素子(不図示)に対して任意の方向に傾いたエッジパターンを含んだテストチャートである。
なお、表示装置3は、撮像系2が撮像したエッジ画像を表示する表示装置と、測定結果を表示する表示装置とをそれぞれ別に設けてもよい。
図1に示すように、MTF測定装置1は、エッジ画像記憶手段10と、ROI設定手段11と、MTF算出手段12と、MTF出力手段13と、を備える。
なお、エッジ画像記憶手段10が記憶するエッジ画像は、図示を省略した映像出力手段を介して表示装置3に出力される。
初期形状のROIは、予め定めた水平画素数、垂直画素数の長方形である。なお、初期形状のROIは、縦長の長方形であっても、横長の長方形であっても構わないが、本実施形態では、縦長の長方形を例として説明する。
例えば、初期ROI表示手段110は、図2に示すように、ROIを、表示装置3が表示しているエッジ画像Iの中心に表示する。
この位置・大きさ調整手段111aは、例えば、測定者が操作する図示を省略した2つ(第1,第2)のプッシュ/プルスイッチ付きのつまみ(コントロールノブ)の調整によって、ROIの位置を移動させたり、ROIの大きさを変更したりする。
また、位置・大きさ調整手段111aは、第2のプッシュ/プルスイッチ付きのつまみにおいて、プッシュ状態でつまみを回転させることで、ROIの高さを変更し、プル状態でつまみを回転させることで、ROIの幅を変更する。このとき、位置・大きさ調整手段111aは、中心位置を固定して、ROIの高さや幅を変更することとする。
例えば、位置・大きさ調整手段111aは、ROIの領域内、あるいは、辺にマウスポインタをあわせてマウス(不図示)をドラッグおよびドロップ操作されることで、ROIを移動させてもよい。
また、位置・大きさ調整手段111aは、ROIの1頂点、あるいは、ROIの1辺の中心にマウスポインタをあわせてマウス(不図示)をドラッグおよびドロップ操作されることで、ROIの大きさを変更してもよい。
この傾き調整手段111bは、例えば、測定者が操作する図示を省略したつまみ(コントロールノブ)の調整によって、ROIの中心を回転中心として、ROIの傾きを変更する。
なお、ROIの短辺の長さと短辺間の距離(短辺同士を結ぶ垂線の距離)は、傾き角によらず一定とし、それに伴い、ROIの長辺の長さを変える。
この傾き調整手段111bによって、測定者は、図4に示すように、エッジ画像Iにおいて、ROIの対向する短辺とエッジとが交差するようにROIを傾ける。
図5(a)は、傾きがない状態(180°回転している場合も同様)のROIの形状を示す。ここで、図5(a)のROIの長辺の長さをLL、短辺の長さをLSとする。以下、垂直方向を傾きの角度の基準とし、傾きの角度を反時計回りを正としたθとする。
図5(b)は、傾きの角度θが0°<θ≦45°の場合のROIの形状を示す。このとき、ROIは、短辺の向きが水平方向で長さがLS、短辺間の距離がLLの平行四辺形となる。
図5(d)は、傾きの角度θが±90°の場合のROIの形状を示す。このとき、ROIは、短辺の向きが垂直方向で長さがLS、長辺の向きが水平方向で長さがLLの長方形となる。
図5(f)は、傾きの角度θが-90°<θ<-45°の場合のROIの形状を示す。このとき、ROIは、短辺の向きが垂直方向で長さがLS、短辺間の距離がLLの平行四辺形となる。
なお、傾きの角度θ=±45°の場合、図5(c)、(f)に示すように、ROIの形状を、短辺の向きが垂直方向で長さがLS、短辺間の距離がLLの平行四辺形としてもよい。
図1に戻って、MTF測定装置1の構成について説明を続ける。
ROI設定手段11は、スイッチ等の入力手段(不図示)を介して、ROIの設定が完了した旨、あるいは、MTFの算出を開始する旨の指示を測定者から指示された段階で、設定したROIの位置、大きさ、傾き等を示す情報をMTF算出手段12に出力する。
具体的には、ラインMTF算出手段120は、ξを1画素あたりの明暗サイクルである空間周波数(cycles/pixel)、Nを1ラインの画素数、nを画素位置のインデックス(0以上N未満)、x(n)を画素位置nの画素値としたとき、以下の式(1)により、ξごとに、ラインMTF(|FR(ξ)|)を算出する。
ここで、ξごととは、予め定めた空間周波数ごとである。この空間周波数はROIの1ラインの画素数Nで決まり、ξ=[0,1/N,…,(N-1)/N]である。
なお、ラインMTF算出手段120は、ROIのライン数分のラインMTF(|F1(ξ)|~|FR(ξ)|)を算出する前に、前フレームまでのROI画像と加算平均し、ラインMTFを算出する。これによって、ROIにおけるノイズを除去することができる。
すなわち、ラインMTF平均化手段121は、式(1)で算出されたライン数(R)分のラインMTF(|FR(ξ)|)を、ξごとに平均化して平均MTFを算出する。以下、ξごとに平均化した平均MTFを〈|FR(ξ)|〉と表記する。
ROIのエッジ位相がサンプリング位置に対して一様に分布していると仮定した場合、〈|FS(ξ)|〉は、以下の式(2)で表すことができる。
step(x-s)は、位置sで値が0から1に遷移する理想的なエッジの濃度変化を表すステップ関数を示す。
f(x)は、サンプリングを櫛関数comb(x)で表したカメラシステム(ここでは撮像系2)の線広がり関数(LSF)を示す。
δ(x)は、デルタ関数で、{δ(x)-δ(x-1)}は、エッジ広がり関数(ESF)の1次元微分を近似する差分フィルタを示す。
F(ξ)は、f(x)のフーリエ変換で計算される光伝達関数(OTF:Optical Transfer Function)を示す。
sinc(ξ)はsinc関数である。
ラインMTF平均化手段121は、有限の大きさのROIから算出した平均MTF〈|FR(ξ)|〉を理想的な平均〈|FS(ξ)|〉とみなし、式(3)に示した減衰補償を行う。
すなわち、ラインMTF平均化手段121は、以下の式(3)に示すように、〈|FR(ξ)|〉に、sinc(ξ)の逆関数(1/sinc(ξ))を掛けることで減衰成分を補償する。ここで、補償後の平均を〈|FR(ξ)|〉CORRと表記する。
〈|FR(ξ)|〉CORRは、撮像系2の撮像素子(不図示)のサンプリング位置(固定位相)に基づいて求められたもので、エッジ法(傾斜エッジ法)のように種々のエッジ位相により求められたMTFではない。そのため、〈|FR(ξ)|〉CORRは、エイリアシング(折り返し)の影響を受け、誤りを含んでいる。
そこで、エイリアシング除去手段122は、ラインMTF平均化手段121で算出された平均MTF〈|FR(ξ)|〉CORRから、エイリアシング成分を除去する。
図7に示すように、線広がり関数(LSF)であるf(x)をフーリエ変換して求められる本来のMTF(|F(ξ)|)(図7中、実線で示すMTFtrue)は、式(2)に示したcomb(x)が畳み込まれ、エイリアシングのMTF(図7中、破線で示すMTFaliasing)と位相差e-2πsξe-jπξで重なる。
図8において、MTFtrueは、従来のエッジ法により求めたMTF(本来のMTF)、MTFlineは、ラインMTF算出手段120で算出した複数のラインMTFを示す。
この場合、単純に、複数のラインMTF(MTFline)を平均化したMTFは、MTFaverage+aliasingとして求められることになる。
すなわち、ラインMTF算出手段120で算出されるMTFaverage+aliasingは、ナイキスト周波数ξN以下であっても、図9に示すように、MTFaverage+aliasingは、MTFaliasingの影響により、ナイキスト周波数ξNに近づくほど大きく見積もられる。
そこで、本来のMTFとエイリアシングのMTFとの割合を予め定めた制約の下で特定する。
まず、制約として、本来のMTFである|F(ξ)|が、ξ≧1、ξ≦-1で“0”とする。ここで、0≦ξ≦1の範囲で|F(ξ)|を求めることとした場合、エイリアシングのMTFは|F(1-ξ)|となる。
ここで、|F(ξ)|と|F(1-ξ)|との比r(ξ)を、以下の式(4)で定義する。
このように、ラインMTF平均化手段121で算出された平均MTF〈|FR(ξ)|〉CORRと本来のMTFである|F(ξ)|とは、|F(ξ)|とエイリアシングのMTF|F(1-ξ)|との比r(ξ)に応じて変化する。
なお、ξ=0.5の場合、前記式(4)よりr(ξ)=1となり、式(5)により|F(0.5)|は、〈|FR(0.5)|〉CORRを4/π(=1.2732)で除算することで求めることができる。
すなわち、ξ=0.5においては、本来のMTF値は、〈|FR(0.5)|〉CORRを4/πで除算した値として固定的に求めることができる。しかし、ξ≠0.5においては、式(4)のr(ξ)が未定であるため、本来のMTF値を求めることができない。
そこで、エイリアシング除去手段122は、平均MTF〈|FR(ξ)|〉CORRを予め定めた特定の点を通る単調減少の関数に近似するように補正して、MTF特性を求める。
ここで、本来のMTF特性である|F(ξ)|をsincp(ξ)(0≦ξ≦1)とする。sincp(ξ)のpは、ξ=0.5(r(0.5)=1)として、前記式(5)を変形した以下の式(7)により求めることができる。なお、ξ=0.5が存在しない場合は、近接する空間周波数に対応する値〈|FR(ξ)|〉CORRから、内挿によって、〈|FR(0.5)|〉CORRを求めればよい。
エイリアシング除去手段122は、〈|FR(ξ)|〉CORRを補正した|F(ξ)|をMTF出力手段13に出力する。
このMTF出力手段13は、空間周波数ごとのMTF値を出力してもよいし、グラフ化して出力してもよい。
これによって、MTF測定装置1は、図12に示すように、ラインごとの平均のMTFにエイリアシングを含んだMTFaverage+aliasingからエイリアシングを除去して、本来のMTFtrueを測定することができる。
また、MTF測定装置1は、長方形のROIでは他のエッジを含んでしまうような場合でも、ROIを平行四辺形に変形して、他のエッジと重ならないようにROIを設定することができる。
また、MTF測定装置1は、ROIのラインごとにMTF(ラインMTF)を算出して平均化することで、必ずしもエッジが直線である必要がない。
なお、MTF測定装置1は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるためのプログラム(MTF測定プログラム)により動作させることができる。
次に、図13~図15を参照して、本発明の実施形態に係るMTF測定装置1の動作について説明する。
ここでは、MTF測定装置1は、撮像系2から入力される、チャートCHを撮像したエッジ画像を、エッジ画像記憶手段10に記憶するとともに、表示装置3にエッジ画像を表示する。以下、MTF測定装置1がエッジ画像からMTFを測定する動作について詳細に説明する。
まず、図13を参照(構成については適宜図1参照)して、MTF測定装置1の全体動作について説明する。
ステップS1において、ROI設定手段11は、ROIの位置、大きさおよび傾きを設定する。このステップS1の動作は、図14を参照して、後で詳細に説明する。
ステップS2において、MTF算出手段12は、エッジ画像記憶手段10に記憶されているエッジ画像から、ステップS1で設定されたROIを対象としてMTFを算出する。このステップS2の動作は、図15を参照して、後で詳細に説明する。
ステップS3において、MTF出力手段13は、ステップS2で算出されたMTFを、例えば、グラフ化して、表示装置3に出力する。
一方、測定動作を継続する場合(ステップS4でNo)、MTF測定装置1は、ステップS2に戻る。なお、ROIを再設定する場合は、ステップS1に戻る(不図示)。
次に、図14を参照(構成については適宜図1参照)して、図13のステップS1のROI設定動作について説明する。なお、ROI設定動作は、ROI設定手段11が行う。
ステップS10において、初期ROI表示手段110は、予め定めた水平画素数、垂直画素数の長方形である初期形状のROIをエッジ画像に重畳して、表示装置3の画面に表示する。
ステップS11において、ROI調整手段111は、測定者から指示に応じて、ROIの位置、大きさおよび傾きを調整する。
ここで、測定者から、ROIの位置や大きさの調整を指示された場合(ステップS11で“位置・大きさ”)、位置・大きさ調整手段111aは、測定者のつまみ等の操作に応じて、ROIの位置を水平方向または垂直方向に移動させたり、ROIの大きさ(高さ、幅)を変更させたりする(ステップS12)。
このとき、傾き調整手段111bは、図5で説明したように、ROIの短辺の長さと短辺同士を結ぶ垂線の距離である短辺間の距離とを一定とし、ROIの長辺の長さを変えた平行四辺形の形状で傾きを変更する。また、傾き調整手段111bは、水平方向または垂直方向に対して、傾きが±45°を区切りとして、ROIの短辺(平行四辺形の底辺)の向きを水平方向または垂直方向に切り替える。
これによって、ROI設定手段11は、任意の向きのエッジであっても、エッジに沿ってROIの形状を指定することができる。
また、測定者から、ROIの設定が完了した旨、あるいは、MTFの算出を開始する旨が指示された場合(ステップS11で“完了”)、MTF測定装置1は、図13のステップS2に動作を移す。
次に、図15を参照(構成については適宜図1参照)して、図13のステップS2のMTF算出動作について説明する。なお、MTF算出動作は、MTF算出手段12が行う。
ステップS31において、ラインMTF算出手段120は、ステップS30で読み出したROI画像を、前フレームまでのROI画像とで加算平均を行う。
ステップS32において、ラインMTF算出手段120は、ROI画像のラインごとに、1ライン分の画像データの濃度変化の微分した値に対して、前記式(1)の離散フーリエ変換を施すことで、ラインMTFを算出する。
ここで、まだ、ROI画像のすべてのラインについてラインMTFを算出していない場合(ステップS33でNo)、MTF測定装置1は、ステップS32に戻って、ラインMTF算出手段120において、次のラインを対象としてラインMTFを算出する。
一方、ROI画像のすべてのラインについてラインMTFを算出した場合(ステップS33でYes)、MTF測定装置1は、ステップS34に動作を進める。
ステップS35において、ラインMTF平均化手段121は、前記式(3)により、平均MTF〈|FR(ξ)|〉の減衰成分を補償した〈|FR(ξ)|〉CORRを算出する。
ステップS38において、エイリアシング除去手段122は、ステップS37で算出した比r(ξ)と、ステップS35で算出した〈|FR(ξ)|〉CORRとから、前記式(9)により、空間周波数ξごとのMTF値である|F(ξ)|を算出する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
ここでは、MTF測定装置1は、MTF算出手段12において、エッジ画像上のエッジの傾きを求めずに、ROIのラインごとに求めたラインMTFを平均化して、エイリアシングを除去する手法で、MTFを算出した。
これによって、MTF測定装置1は、エッジの傾きを求める従来のエッジ法に比べて、計算コストを抑えることができる。
しかし、MTF算出手段12は、計算コストに余裕があれば、従来のエッジ法によって、MTFを算出してもよい。
また、MTF算出手段12は、測定者から指示されたROIの傾きではなく、ROI画像において、エッジの傾きを演算により求め、非特許文献5に記載されているように、エッジの傾き角に応じてエッジ広がり関数のピクセル間隔をスケーリングして、ラインごとのMTFを算出してもよい。
ここでは、MTF測定装置1は、位置・大きさ調整手段111aによって、ROIの位置および大きさを調整可能とした。
しかし、初期ROI表示手段110で表示する予め定めたROIの大きさを必ずしも変更する必要はない。
その場合、位置・大きさ調整手段111aは、ROIの位置のみを調整する位置調整手段として機能させればよい。
ここでは、MTF測定装置1は、エイリアシング除去手段122において、前記式(8)の比r(ξ)を逐次算出した。
しかし、この比r(ξ)の算出は、ROIを設定した後、予め定めた時間または回数だけROI画像を加算平均した場合、省略してもよい。
その場合、MTF測定装置1は、エイリアシング除去手段122によって、ROI設定後、予め定めた時間、あるいは、予め定めた回数だけROI画像の加算平均を行った後、図示を省略した記憶部に、空間周波数ξと比r(ξ)とを、1次元ルックアップテーブルとして保持する。そして、エイリアシング除去手段122は、ステップS8において、空間周波数ξごとに、1次元ルックアップテーブルから、比r(ξ)を読み出すこととする。これによって、MTF測定装置1は、演算量を減らすことができる。
10 エッジ画像記憶手段
11 ROI設定手段
110 初期ROI表示手段
111 ROI調整手段
111a 位置・大きさ調整手段(位置調整手段)
111b 傾き調整手段
12 MTF算出手段
120 ラインMTF算出手段
121 ラインMTF平均化手段
122 エイリアシング除去手段
13 MTF出力手段
2 撮像系
3 表示装置
CH チャート画像
Claims (5)
- 撮像系の空間周波数特性を示すMTFを測定するMTF測定装置であって、
前記撮像系によって撮像された、傾きを有するエッジを含んだエッジ画像において、前記エッジを含んだ領域であるROIを設定するROI設定手段と、
前記ROIにおいて前記MTFを算出するMTF算出手段と、を備え、
前記ROI設定手段は、
予め定めた大きさの長方形のROIを前記エッジ画像上に表示する初期ROI表示手段と、
測定者から指示された位置に前記ROIの位置を変更する位置調整手段と、
前記測定者から指示された傾きで前記ROIを傾け、前記ROIの短辺の長さと短辺同士を結ぶ垂線の距離である短辺間の距離とを一定とし、前記ROIの長辺の長さを変えた平行四辺形の形状でROIを変形する傾き調整手段と、を備え、
前記MTF算出手段は、
前記ROIにおいて、前記エッジを含むラインごとに離散フーリエ変換を行うことで、前記ラインごとのMTFであるラインMTFを算出するラインMTF算出手段と、
前記ラインMTFを予め定めた空間周波数ごとに前記ROIのライン数で平均化して平均MTFを算出するラインMTF平均化手段と、
前記平均MTFからエイリアシング成分を除去する補正を行うエイリアシング除去手段と、
を備えることを特徴とするMTF測定装置。 - 前記傾き調整手段は、水平方向または垂直方向に対して、傾きが±45°を区切りとして、前記ROIの傾きが垂直方向に近い場合、前記ROIの短辺の向きを水平方向とし、前記ROIの傾きが水平方向に近い場合、前記ROIの短辺の向きを垂直方向とすることを特徴とする請求項1に記載のMTF測定装置。
- 前記ラインMTF平均化手段は、空間周波数ξごとに、前記平均MTFに1/sinc(ξ)を乗算することで、前記平均MTFの減衰成分を補償することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のMTF測定装置。
- 前記エイリアシング除去手段は、空間周波数ξにおいて、前記ROIの本来のMTF特性|F(ξ)|を単調減少関数であるsincp(ξ)と仮定し、比r(ξ)=|F(1-ξ)|/|F(ξ)|=(ξ/(1-ξ))pに基づいて、前記平均MTFの空間周波数ξごとのMTFの値を、((2/π)(r(ξ)+1)E(4r(ξ)/(r(ξ)+1)2))(E()は第二種完全楕円積分)で除算して補正することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のMTF測定装置。
- コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のMTF測定装置として機能させるためのMTF測定プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018205786A JP7190328B2 (ja) | 2018-10-31 | 2018-10-31 | Mtf測定装置およびそのプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018205786A JP7190328B2 (ja) | 2018-10-31 | 2018-10-31 | Mtf測定装置およびそのプログラム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020071145A JP2020071145A (ja) | 2020-05-07 |
JP7190328B2 true JP7190328B2 (ja) | 2022-12-15 |
Family
ID=70547603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018205786A Active JP7190328B2 (ja) | 2018-10-31 | 2018-10-31 | Mtf測定装置およびそのプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7190328B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001324413A (ja) | 2000-05-15 | 2001-11-22 | Konica Corp | Mtf測定方法およびmtf測定装置 |
JP2004134861A (ja) | 2002-10-08 | 2004-04-30 | Nikon Corp | 解像度評価方法、解像度評価プログラム、および光学機器 |
JP2010197201A (ja) | 2009-02-25 | 2010-09-09 | Nippon Hoso Kyokai <Nhk> | Mtf測定用チャート、mtf測定装置およびmtf測定プログラム |
JP2018136222A (ja) | 2017-02-22 | 2018-08-30 | 日本放送協会 | Mtf測定装置およびそのプログラム |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0998292A (ja) * | 1995-10-02 | 1997-04-08 | Konica Corp | Mtf測定方法及びmtf補正装置 |
-
2018
- 2018-10-31 JP JP2018205786A patent/JP7190328B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001324413A (ja) | 2000-05-15 | 2001-11-22 | Konica Corp | Mtf測定方法およびmtf測定装置 |
JP2004134861A (ja) | 2002-10-08 | 2004-04-30 | Nikon Corp | 解像度評価方法、解像度評価プログラム、および光学機器 |
JP2010197201A (ja) | 2009-02-25 | 2010-09-09 | Nippon Hoso Kyokai <Nhk> | Mtf測定用チャート、mtf測定装置およびmtf測定プログラム |
JP2018136222A (ja) | 2017-02-22 | 2018-08-30 | 日本放送協会 | Mtf測定装置およびそのプログラム |
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
Kenichiro Masaoka,Accuracy and Precision of Edge-Based Modulation Transfer Function Measurement for Sampled Imaging Systems,IEEE Access,2018年07月,Vol.6 |
KENICHIRO MASAOKA,Practical edge-based modulation transfer function measurement,OPTICS EXPRESS ,2019年01月,Vol. 27, No. 2 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020071145A (ja) | 2020-05-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US10887519B2 (en) | Method, system and apparatus for stabilising frames of a captured video sequence | |
WO2014069632A1 (ja) | 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び記録媒体 | |
EP1912171A2 (en) | Super-resolution device and method | |
JP4345940B2 (ja) | 手ぶれ画像補正方法、記録媒体及び撮像装置 | |
JP2008500529A (ja) | デジタル画像化システムを特徴付ける方法 | |
JP2015094701A (ja) | Mtf測定装置およびmtf測定プログラム | |
JP4445327B2 (ja) | ディスプレイの評価方法及び装置 | |
JPWO2019069634A1 (ja) | 二次元フリッカ測定装置、二次元フリッカ測定システム、二次元フリッカ測定方法、及び、二次元フリッカ測定プログラム | |
Masaoka | Line-based modulation transfer function measurement of pixelated displays | |
JP2015127903A (ja) | 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム | |
JP7190328B2 (ja) | Mtf測定装置およびそのプログラム | |
JP2007081611A (ja) | 表示画面補正パラメータ設定方法 | |
JP7190327B2 (ja) | Mtf測定装置およびそのプログラム | |
JP6806587B2 (ja) | Mtf測定装置およびそのプログラム | |
KR102565900B1 (ko) | 영역 줌 기능을 제공하는 촬상장치 및 그 방법 | |
JP7257231B2 (ja) | Mtf測定装置およびそのプログラム | |
JP6742180B2 (ja) | Mtf測定装置及びそのプログラム | |
JP6967382B2 (ja) | Mtf測定装置およびそのプログラム | |
JP6795998B2 (ja) | Mtf測定装置およびそのプログラム | |
JP7208737B2 (ja) | カメラ評価値測定装置およびカメラ評価値測定方法 | |
Buckner et al. | Schlieren unwrapped: distortion correction in digital focusing schlieren | |
JP4644595B2 (ja) | ディスプレイの評価装置、評価方法及びプログラム | |
JP6748504B2 (ja) | Mtf測定用チャート | |
JP7058102B2 (ja) | 解像度特性測定装置およびそのプログラム | |
Masaoka | Real-time modulation transfer function measurement system |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210916 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220712 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220823 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220830 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221028 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221108 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221205 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7190328 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |