JP6967382B2 - Mtf測定装置およびそのプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、撮像系の空間周波数特性を示すMTF(Modulation Transfer Function)を測定するMTF測定装置およびそのプログラムに関する。
高解像度テレビジョンの最大の特徴は、高い空間解像度であり、カメラの解像度特性が重要となる。現行のハイビジョンカメラの解像度測定として、複数の空間周波数を有する矩形波が空間的に配置されたテストチャートを用いる手法が知られている。このテストチャートには、一般に、一般社団法人映像情報メディア学会(ITE:The Institute of Image Information and Television Engineers)が提供しているテストチャート(ITE高精細度インメガサイクルチャート:図9参照)が用いられる。
図9に示すように、インメガサイクルチャートは、映像周波数1MHzから36MHzまでに相当する白黒の縦縞を並べ、チャート中央と4つのコーナー部分に800TVL/ph(27.5MHz)の縦縞を並べた矩形波のパターンを有している。
インメガサイクルチャートを用いる手法では、波形モニタから矩形波の変調度の空間周波数特性を表すCTF(Contrast Transfer Function)を読み取ることが一般的である。
このインメガサイクルチャートを用いる手法は、波形モニタから目視でCTFを読も取ることができる手軽さはあるが、サンプリングの位相の影響で振幅が変動する曖昧さがある。また、一般的に、測定対象であるレンズの中央と周辺とでは解像度特性が異なるため、800TVL/phに相当するチャート中央の矩形波応答しか測定していないのが現状である。
さらに、インメガサイクルチャートを用いる手法は、所望の空間周波数特性を得るためには撮像画角を正確にチャートサイズにフレーミングする必要がある。しかし、例えば、4K/8Kカメラでは広角レンズを使用することが多いため、サイズの大きいインメガサイクルチャートが必要となり、非現実的である。
そこで、インメガサイクルチャートに代わりに、エッジ画像を含んだチャートを用いて空間周波数特性(MTF)を測定するSlanted-edge法(傾斜エッジ法)が提案されている(特許文献1〜3、非特許文献1参照)。Slanted-edge法は、チャートサイズが比較的小さく、フレーミングが不要な手法で、チャート上の僅かに傾いたエッジ画像を撮像して、そのエッジの広がりからMTFを算出する手法である。
このSlanted-edge法は、まず、チャートを撮像したチャート画像からエッジを含む長方形の関心領域(ROI〔Region Of Interest〕;図10参照)を選定する。そして、Slanted-edge法は、ISO12233に準拠したアルゴリズム(非特許文献1参照)等によって、関心領域からエッジを検出する。
そして、Slanted-edge法は、関心領域の各画素を、エッジの傾きに沿って、サブピクセルで等間隔に区分した水平軸(x軸)に投影する。そして、Slanted-edge法は、それぞれの区分けに投影された複数の画素の画素値の平均値を求め、オーバーサンプリング(ISO12233の場合、4倍オーバーサンプリング)されたエッジ広がり関数(エッジプロファイル)を求める。さらに、Slanted-edge法は、エッジ広がり関数を微分して線広がり関数を算出し、線広がり関数をフーリエ変換して絶対値を求めることで、DC成分からサンプリング周波数を超える帯域のMTFを求める。
そして、Slanted-edge法は、測定者に対して、視覚的に測定結果を提示するため、例えば、図11に示すように、横軸に周波数(cycles/pixel)、縦軸にMTFをとった座標上に、MTFをプロットしたグラフを表示装置に表示する。
特開2010−197201号公報 特開2010−237177号公報 特開2015−94701号公報
カメラの解像度の空間周波数特性は、わずかなフォーカスのずれで正確な測定ができなくなる。そのため、正確なMTFを測定するためには、MTFが最良となるようにカメラのフォーカスを精度よく合わせる必要がある。
しかし、従来は、あるフォーカス位置でMTFを測定し、その結果を表示しているのみであるため、何度も測定を繰り返して、MTFが最良となるフォーカス位置を特定しなければならなかった。すなわち、従来の手法では、最良のMTFを測定するために、多くの時間を要していた。
そこで、本発明は、効率よく、かつ、正確にフォーカス位置を合わせてMTFを測定することが可能なMTF測定装置およびそのプログラムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係るMTF測定装置は、境界でコントラストの異なるチャートを用いて、撮像系の空間周波数特性を表すMTFを測定するMTF測定装置であって、ROI画像抽出手段と、MTF算出手段と、グラフ生成手段と、を備え、グラフ生成手段が、最新グラフ生成手段と、最良グラフ生成手段と、を備える構成とした。
かかる構成において、MTF測定装置は、ROI画像抽出手段によって、撮像系によってフォーカス位置を変化させて前記チャートを撮像した時系列のチャート画像から、境界を含んだ画像であるROI画像を順次抽出する。これによって、測定者がフォーカス調整を行っている間のフォーカス位置が異なるROI画像が順次抽出される。
そして、MTF測定装置は、MTF算出手段によって、ROI画像抽出手段で抽出されたROI画像からSlanted-edge法によりMTFを算出する。このように、MTF算出手段は、ROI画像抽出手段で順次抽出されるROI画像から、周波数ごとのMTFを時系列に算出することができる。
そして、MTF測定装置は、グラフ生成手段によって、MTFをグラフ化して表示する。
このとき、MTF測定装置は、グラフ生成手段の最新グラフ生成手段によって、フォーカス調整時においてMTF算出手段で時系列に算出された最新のMTFの測定結果を予め定めた属性(線種、色、太さ等)の線で描画して最新グラフを生成する。これによって、現時点でのフォーカス位置に対応したMTFの測定結果がグラフ表示されることになる。
また、MTF測定装置は、グラフ生成手段の最良グラフ生成手段によって、フォーカス調整時においてMTF算出手段で時系列に算出されたMTFの中で、ナイキスト周波数以下の周波数に対応するMTF値の和が最大となった時点の測定結果を最良の測定結果として、最新グラフと同一座標上で、最新グラフとは異なる予め定めた属性の線で描画して最良グラフを生成する。
このように、最良グラフ生成手段は、MTF測定において、有効な周波数であるナイキスト周波数以下のMTF値の和により、MTFが最良か否かを判定することで、最良のMTFを精度よく求めることができる。
また、グラフ生成手段によって、最新グラフと最良グラフとを同一座標上で、かつ、異なる属性の線で表示させることで、測定者は、フォーカス調整段階において、フォーカスを最良のMTFを測定可能な位置に効率よく合わせることができる。
また、MTF測定装置は、グラフ生成手段に履歴グラフ生成手段をさらに備え、フォーカス調整時においてMTF算出手段で時系列に算出された最新のMTFから過去に遡って予め定めた回数分の測定結果を、最新グラフと同一座標上で、最新グラフおよび最良グラフとは異なる予め定めた属性の線で描画して履歴グラフを生成することとしてもよい。
なお、MTF測定装置は、コンピュータを、前記したROI画像抽出手段、MTF算出手段、グラフ生成手段として機能させるためのMTF測定プログラムで動作させることができる。
本発明は、以下に示す優れた効果を奏するものである。
本発明によれば、フォーカス位置の調整時におけるMTFの測定結果として、最新のフォーカス位置におけるMTFや、最良の値となったMTFをグラフ化して提示することができる。
これによって、本発明は、測定者がフォーカス位置を前後に調整する際に、調整途中でMTFが最良となったグラフと、最新のMTFのグラフとを合わせる単純な動作で、効率よく、かつ、正確にフォーカス位置を合わせることができる。
本発明の実施形態に係るMTF測定装置の構成を示すブロック構成図である。 チャート画像におけるROIを説明するための図であって、(a)は垂直のROI(垂直エッジ画像)、(b)は水平のROI(水平エッジ画像)である。 エッジ投影情報の生成手法を説明するための説明図である。 エッジプロファイルの生成手法を説明するための説明図である。 本発明の実施形態に係るMTF測定装置が表示するグラフの例を示す図である。 本発明の実施形態に係るMTF測定装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係るMTF測定装置の変形例の構成を示すブロック構成図である。 多方向のエッジを含むチャートの例を示す図である。 従来のチャートの例であるインメガサイクルチャートである。 Slanted-edge法で用いられるエッジ画像の例を示す図である。 従来のMTF測定装置が表示するグラフの例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[MTF測定装置の構成]
最初に、図1を参照して、本発明の実施形態に係るMTF測定装置1の構成について説明する。
MTF測定装置1は、撮像系2の空間周波数特性を表すMTFを測定するものである。ここで、MTF測定装置1は、撮像系2と表示装置3とを接続する。
撮像系2は、MTFの被測定対象となるビデオカメラまたはスチールカメラ、MTFの被測定対象となるレンズを含んだカメラ等である。なお、撮像系2は、MTF特性に影響を与える映像処理装置(例えば、ダウンコンバータ、アップコンバータ〔超解像〕)であってもよい。また、被測定対象は、カメラのDETAIL(ディテール)コントロールによってMTFが変化する映像であってもよい。
ここでは、撮像系2は、少なくともフォーカス調整機能(フォーカスレンズ20とその駆動部21)を備えたビデオカメラとする。駆動部21は、フォーカスリング(不図示)等の操作によって、フォーカスレンズ20の位置(フォーカス位置)を駆動制御するものである。ここでは、測定者がフォーカスリング(不図示)等を操作し、フォーカス位置を手前から奥、または、奥から手前に動かすことで、撮像系2は、そのフォーカス位置でチャートCHを撮像した映像(動画像)を、MTF測定装置1に出力する。
チャート(MTF測定用チャート)CHは、境界でコントラストの異なるチャートであって、撮像系2の撮像素子(不図示)に対して垂直方向または水平方向から所定角度傾いた境界が直線となる白黒パターンを有するSlanted-edge法で用いるチャートである。撮像系2は、チャートCHの白黒の境界線が、所定角度(1〜5度程度)傾いた状態で撮像する。
ここで、水平方向の周波数特性を測定する場合、撮像系2は、図2(a)のように、境界線を斜め垂直方向にした状態でチャートCHを撮像する。また、垂直方向の周波数特性を測定する場合、撮像系2は、図2(b)のように、境界線を斜め水平方向にした状態でチャートCHを撮像する。
なお、測定者は、撮像系2のMTFを測定したい撮像領域、例えば、中央部分、中央右(左、上、下)部分、右(左)斜め上部分、右(左)斜め下部分等に、コントラストの境界が位置するようにして、撮像系2によってチャートCHを撮像する。
表示装置3は、MTF測定装置1を操作するユーザインタフェースを提供するとともに、撮像系2が撮像したチャート画像、測定結果となるグラフ等を表示するものである。例えば、表示装置3は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。
なお、表示装置3は、撮像系2が撮像したチャート画像を表示する表示装置と、測定結果となるグラフ等を表示する表示装置とをそれぞれ別に設けてもよい。
以下、撮像系2で撮像された映像によって、撮像系2のMTFを測定するMTF測定装置1の構成について詳細に説明する。
図1に示すように、MTF測定装置1は、チャート画像記憶手段10と、ROI設定手段11と、ROI画像抽出手段12と、測定指示手段13と、MTF算出手段14と、エッジ投影情報記憶手段15と、MTF記憶手段16と、グラフ生成手段17と、MTF出力手段18と、を備える。
チャート画像記憶手段10は、撮像系2でMTF測定用のチャートCHを撮像した画像(チャート画像)を記憶するものである。このチャート画像記憶手段10は、図示を省略した映像入力手段を介して、チャート画像が撮像系2からフレーム画像として順次時系列に入力され、入力したチャート画像を上書き記憶する。すなわち、チャート画像記憶手段10は、新たなチャート画像が撮像系2から入力された場合、すでに記憶しているチャート画像を新たなチャート画像で上書きする。このチャート画像記憶手段10は、例えば、ハードディスク、メモリ等の一般的な記憶装置である。
なお、チャート画像記憶手段10が記憶するチャート画像は、図示を省略した映像出力手段を介して表示装置3に出力されるとともに、ROI画像抽出手段12によって読み出される。
ROI設定手段11は、撮像系2で撮像したチャート画像内で、境界(エッジ)を含む関心領域(ROI)を設定するものである。例えば、ROI設定手段11は、表示装置3が表示しているチャート画像内において、測定者が操作するポインティングデバイス(不図示)で矩形領域を指定されることで、ROIの位置および大きさをROI情報として設定する。
ここで、水平方向の周波数特性を測定する場合、ROI設定手段11は、測定者によって、図2(a)のように、チャートCHを撮像したチャート画像から、縦長の矩形領域(ROI)を指定されることで、ROI情報を設定する。この場合、ROIによって、水平方向で明度が異なるROI画像(垂直エッジ画像)が特定されることになる。
また、垂直方向の周波数特性を測定する場合、ROI設定手段11は、測定者によって、図2(b)のように、チャートCHを撮像したチャート映像から、横長の矩形領域(ROI)を指定されることで、ROI情報を設定する。この場合、ROIによって、垂直方向で明度が異なるROI画像(水平エッジ画像)が特定されることになる。
このROI設定手段11は、設定したROIの位置および大きさを示すROI情報をROI画像抽出手段12に出力する。
なお、ROI設定手段11によるROIの設定は、順次入力されるチャート画像において、ROIを変更する必要がなければ、一度の設定でよい。これによって、MTF測定装置1は、フォーカスを変えてチャート画像を入力する場合でも、測定者のROI設定の手間を軽減することができる。
ROI画像抽出手段12は、チャート画像記憶手段10が記憶するチャート画像から、ROI設定手段11で設定されたROI情報で示されるROIの位置および大きさの画像を、ROI画像として抽出するものである。
なお、ここでは、ROI画像抽出手段12は、測定指示手段13から測定の開始を指示された段階で、チャート画像記憶手段10に記憶されているチャート画像からROI画像を抽出する。
このROI画像抽出手段12は、抽出したROI画像を、MTF算出手段14に出力する。
また、ROI画像抽出手段12は、ROI設定手段11から新たにROI情報が入力されるまで、設定済みのROI情報を流用する。
測定指示手段13は、MTFの測定の開始を指示するものである。
この測定指示手段13は、撮像系2のフォーカスがほぼ合ったと測定者が判断したタイミングで、測定者によって測定の開始が指示される。ROI画像内のエッジの傾きは、フォーカスが厳密に合っていなくても、一定の値となる。そこで、ここでは、測定指示手段13は、測定者が表示装置3のチャート画像を視認して、フォーカスがほぼ合っていると判定した段階で、指示ボタン等の操作によって、測定開始の指示を受け付ける。
この測定指示手段13は、測定の開始を指示された旨を、ROI画像抽出手段12に通知する。
なお、測定指示手段13は、測定の終了を指示されることで、MTF測定を終了させることとしてもよい。この場合、測定指示手段13は、ROI画像抽出手段12に測定の終了を指示し、ROI画像抽出手段12がROI画像の抽出を停止することとすればよい。
MTF算出手段14は、ROI画像抽出手段12で抽出されたROI画像から、時系列に周波数ごとのMTFを算出するものである。ここで、MTF算出手段14は、エッジ投影情報生成手段14aと、周波数特性演算手段14bと、平均MTF算出手段14cと、を備える。
エッジ投影情報生成手段14aは、ROI画像抽出手段12で抽出されたROI画像から、エッジ投影情報を生成するものである。エッジ投影情報は、ROI画像のコントラストの境界をエッジとして、エッジの傾きに沿ってROI画像の各画素位置を座標軸に投影した位置と、対応する画素位置と対応付けた情報である。
このエッジ投影情報生成手段14aは、ROI画像が抽出されるたびに、エッジ投影情報を生成するのではなく、測定指示手段13から測定の開始を指示されたタイミングで、エッジ投影情報を生成する。
具体的には、エッジ投影情報生成手段14aは、まず、ROI画像における水平方向および垂直方向の軸を2軸とする座標系(xy座標系)において、ROI画像のxy座標値とその画素値とからエッジの傾きを求める。このエッジの傾きは、一般的な手法で求めることができるが、例えば、正規累積密度関数等によるフィッティングにより求めることができる。
そして、エッジ投影情報生成手段14aは、ROI画像の各画素位置と、エッジの傾きに沿って各画素位置をx軸またはy軸に投影した位置とを対応付けたエッジ投影情報を生成する。
ここで、図2(a)のROIで特定されるROI画像(垂直エッジ画像)から、MTFとして水平方向の周波数特性を求める場合、エッジ投影情報生成手段14aは、図3に示すように、エッジeの傾きθeと同じ角度で水平軸(x軸)にROI画像の画素位置を投影する。
また、図2(b)のROIで特定されるROI画像(水平エッジ画像)から、MTFとして水平方向の周波数特性を求める場合、エッジ投影情報生成手段14aは、エッジの傾きと同じ角度で垂直軸(y軸:不図示)にROI画像の画素位置を投影する。もちろん、エッジ投影情報生成手段14aは、例えば、ROI画像(水平エッジ画像)を右90度回転させて、垂直エッジ画像と同じ処理を行ってもよい。
なお、座標軸の座標の幅は、画素よりも小さいサブピクセル単位とし、例えば、1画素の1/4の幅の座標系とする。
このエッジ投影情報生成手段14aは、ROI画像の画素位置と、サブピクセル単位の座標軸とを対応付けたエッジ投影情報を、エッジ投影情報記憶手段15に記憶する。
周波数特性演算手段14bは、ROI画像抽出手段12で抽出されたROI画像から、周波数特性として、周波数ごとのMTFを演算するものである。
この周波数特性演算手段14bは、Slanted-edge法により、周波数ごとのMTFを演算するが、ROI画像の各画素位置と座標軸のサブピクセル単位の座標位置との対応については、予めエッジ投影情報生成手段14aが生成し、エッジ投影情報記憶手段15に記憶されているエッジ投影情報を参照する。
具体的には、図2(a)のROIで特定されるROI画像(垂直エッジ画像)から、MTFとして水平方向の周波数特性を求める場合、周波数特性演算手段14bは、図3のように対応付けられたエッジ投影情報により、ROI画像の各画素の画素値を、図4に示すように、水平軸(x軸)に投影し、サブピクセル単位ごとに平均化することで、エッジの特性を示すエッジプロファイルを生成する。
また、図2(b)のROIで特定されるROI画像(水平エッジ画像)から、MTFとして水平方向の周波数特性を求める場合、周波数特性演算手段14bは、エッジ投影情報により、ROI画像の各画素の画素値を、垂直軸(y軸:不図示)に投影し、サブピクセル単位ごとに平均化することで、エッジの特性を示すエッジプロファイルを生成する。
なお、エッジ投影情報生成手段14aにおいて、水平エッジ画像を右90度回転させて、垂直エッジ画像と同じエッジ投影情報を生成することとした場合、周波数特性演算手段14bは、水平エッジ画像を右90度回転させて、垂直エッジ画像と同様にエッジプロファイルを生成すればよい。
そして、周波数特性演算手段14bは、エッジプロファイルを微分することで、線広がり関数(LSF:Line Spread Function)を求め、そのLSFをフーリエ変換することで周波数ごとのMTFを求める。
なお、エッジ投影情報生成手段14aおよび周波数特性演算手段14bにおいて、MTFとして水平方向の周波数特性を求めるか、垂直方向の周波数特性を求めるかは、予め設定しておくものとしてもよいし、ROI画像が縦長であるか横長であるかによって、判定することとしてもよい。
この周波数特性演算手段14bは、ROI画像のMTFを、そのMTFを求めたエッジプロファイルと対応付けて、順次、MTF記憶手段16に記憶する。そして、周波数特性演算手段14bは、ROI画像のMTFを算出するたびに、グラフ生成手段17にその旨を通知する。
なお、周波数特性演算手段14bは、MTFの算出回数が所定回数を超過する、あるいは、記憶するMTFのデータ量がMTF記憶手段16の容量を超過する場合、MTF記憶手段16に記憶されている古いMTFから順に削除する。
平均MTF算出手段14cは、測定結果を平均化したMTFである平均MTFを算出するものである。
ここでは、平均MTF算出手段14cは、MTF記憶手段16に記憶されている複数回(例えば、100回)分のエッジプロファイルを平均化し、その平均化したエッジプロファイルを微分することで、線広がり関数を求め、フーリエ変換することでMTF(平均MTF)を算出する。そして、平均MTF算出手段14cは、算出した平均MTFをMTF出力手段18に出力する。
この平均MTF算出手段14cは、フォーカス調整等を行っている際に動作する必要はなく、外部から指示されたタイミングで動作すればよい。具体的には、平均MTF算出手段14cは、後記するグラフ生成手段17で生成されるグラフによって、測定者がフォーカス調整等を完了したと判断したタイミングで指示されることで、ノイズの影響を抑えた最良のMTFを算出することができる。
エッジ投影情報記憶手段15は、MTF算出手段14のエッジ投影情報生成手段14aで生成されたエッジ投影情報を記憶するもので、メモリ等の一般的な記憶装置である。このエッジ投影情報記憶手段15に記憶されているエッジ投影情報は、MTF算出手段14の周波数特性演算手段14bによって参照される。
MTF記憶手段16は、MTF算出手段14の周波数特性演算手段14bで算出されたMTFを順次記憶するものである。このMTF記憶手段16は、例えば、ハードディスク、メモリ等の一般的な記憶装置である。
このMTF記憶手段16に記憶されるMTFは、グラフ生成手段17によって参照される。
グラフ生成手段17は、MTF算出手段14で算出され、MTF記憶手段16に記憶されるMTFをグラフ化するものである。このグラフ生成手段17は、横軸を周波数、縦軸をMTFとする座標上に、MTF算出手段14で算出されたMTFをプロットする(あるいはプロットした点を繋ぐ)ことで、グラフを生成し、表示装置3に表示する。
このグラフ生成手段17は、MTF算出手段14で算出された最新のMTFに対応するグラフを生成するのみならず、フォーカス調整時におけるMTFの履歴、最新のMTF、最良のMTFを同一座標上でグラフ化する機能を有する。
ここでは、グラフ生成手段17は、履歴グラフ生成手段17aと、最新グラフ生成手段17bと、最良グラフ生成手段17cと、を備える。
履歴グラフ生成手段17aは、MTF算出手段14で算出された直近の所定回数分のMTFをグラフ化するものである。
この履歴グラフ生成手段17aは、MTF算出手段14で算出され、MTF記憶手段16に記憶されている最新のMTFの直近の所定回数(例えば、100回)分のMTFをそれぞれ操作途中の履歴としてグラフ化する。
例えば、履歴グラフ生成手段17aは、所定回数分の履歴のMTFを座標上にプロットする際に、プロット点やプロット点間を繋ぐ線の色(属性)を、予め定めた色(例えば、グレー)で描画する。
すなわち、履歴グラフ生成手段17aは、図5に示すように、履歴を示すグラフHを、フォーカスの変化に応じて、所定回数分描画する。これによって、測定者は、フォーカスの変化に応じたMTFの変化を視覚的に把握することができる。
最新グラフ生成手段17bは、MTF算出手段14で算出された最新のMTFをグラフ化するものである。
この最新グラフ生成手段17bは、履歴グラフ生成手段17aで生成されるグラフと同じ座標上に、プロット点やプロット点間を繋ぐ線の色を、履歴のグラフとは異なる予め定めた色(例えば、赤)で描画する。
すなわち、最新グラフ生成手段17bは、図5に示すように、最新のグラフNを、フォーカスの変化に応じて、順次描画する。なお、最新のグラフNは、次のMTF算出時点において、履歴グラフ生成手段17aによって、履歴を示すグラフHに書き換えられる。これによって、測定者は、現在のフォーカス位置におけるMTFの状態を視覚的に把握することができる。
最良グラフ生成手段17cは、MTF算出手段14で算出された最良のMTFをグラフ化するものである。
この最良グラフ生成手段17cは、MTF算出手段14で算出されたMTFについて、ナイキスト周波数以下(0以上0.5cycles/pixel以下)の各周波数に対応するMTF値の和が最大となった時点を、MTFが最良になった時点と判定する。
ここで、最良グラフ生成手段17cがナイキスト周波数以下の周波数を対象とするのは、画像としての重要な特性がその周波数帯域に限られるからである。また、最良グラフ生成手段17cがナイキスト周波数以下の各周波数に対応するMTF値の和を用いるのは、ある特定の周波数のMTF値だけでは、ノイズの影響を受けやすいからである。
そして、最良グラフ生成手段17cは、MTFが最良になった時点における各周波数および対応するMTFからグラフを作成する。
この最良グラフ生成手段17cは、履歴グラフ生成手段17aや最新グラフ生成手段17bで生成されるグラフと同じ座標上に、プロット点やプロット点間を繋ぐ線の色を、履歴や最新のグラフとは異なる予め定めた色(例えば、緑)で描画する。
すなわち、最良グラフ生成手段17cは、図5に示すように、最良のMTFを示すグラフGを描画する。これによって、測定者は、MTFが最良となったフォーカス位置を視覚的に把握することができる。
このように、グラフ生成手段17は、撮像系2のフォーカス調整時おいて、表示装置3に表示される履歴、最新、最良のMTFをプロットしたグラフによって、測定者は、フォーカスが合っているのか否かを視覚的に確認することができる。
例えば、フォーカス調整時に、赤色(最新)のグラフNが、緑色(最良)のグラフGから離れる方向に行く場合、測定者は、フォーカスがずれていると判定することができる。
また、フォーカス調整時に、赤色(最新)のグラフNと、緑色(最良)のグラフGと、グレー(履歴)のグラフHとがほぼ一致したとき、測定者は、フォーカスが合ったと判定することができる。
MTF出力手段18は、MTF算出手段14の平均MTF算出手段14cで算出されたMTF(平均MTF)を外部(例えば、表示装置3)に出力するものである。
ここでは、MTF出力手段18は、平均MTF算出手段14cで算出された平均MTFを、例えば、テキストデータとして外部に出力する。
このMTF出力手段18は、周波数ごとのMTFの値を出力してもよいし、撮像系評価における代表的な周波数(例えば、0.37cycles/pixel)のMTFの値のみを出力することとしてもよい。
なお、測定者がグラフ生成手段17で生成されるグラフにより最良のMTFを把握するだけでよければ、平均MTF算出手段14cおよびMTF出力手段18を構成から省略してもよい。
以上説明したようにMTF測定装置1を構成することで、MTF測定装置1は、グラフの一致具合によって、測定者が効率よく、かつ、正確にフォーカス位置を合わせることができ、最良のMTFを測定することができる。
なお、MTF測定装置1は、図示を省略したコンピュータを、前記した各手段として機能させるためのMTF測定プログラムで動作させることができる。
[MTF測定装置の動作]
次に、図6を参照(構成については適宜図1参照)して、本発明の実施形態に係るMTF測定装置1の動作について説明する。
ここでは、MTF測定装置1は、撮像系2から入力される、チャートCHを撮像したチャート画像を、順次、チャート画像記憶手段10に記憶するとともに、表示装置3にチャート画像を表示する。以下、MTF測定装置1が連続して入力されるチャート画像からMTFを測定する動作について詳細に説明する。
まず、MTF測定装置1は、ROI設定手段11によって、ROIの位置および大きさをROI情報として設定する(ステップS1)。例えば、ROI設定手段11は、表示装置3が表示しているチャート画像内において、測定者が操作するポインティングデバイス(不図示)で矩形領域を指定されることでROI情報を設定する。
ここで、MTF測定装置1は、測定指示手段13によって、MTFの測定の開始が指示されるまで待機する(ステップS2でNo)。
そして、MTF測定装置1は、測定指示手段13によって、MTFの測定の開始が指示された場合(ステップS2でYes)、ROI画像抽出手段12によって、チャート画像記憶手段10が記憶するチャート画像から、ステップS1で設定されたROI情報で示されるROIの位置および大きさの画像を、ROI画像として抽出する(ステップS3)。
そして、MTF測定装置1は、MTF算出手段14のエッジ投影情報生成手段14aによって、ステップS3で抽出されたROI画像から、エッジ投影情報を生成する(ステップS4)。すなわち、エッジ投影情報生成手段14aが、ROI画像からエッジの傾きを求め、ROI画像の各画素位置と、エッジの傾きに沿って各画素位置を座標軸に投影した位置とを対応付けたエッジ投影情報を生成する。
その後、MTF測定装置1は、エッジ投影情報生成手段14aによって、ステップS4で生成したエッジ投影情報をエッジ投影情報記憶手段15に記憶する(ステップS5)。
そして、MTF測定装置1は、MTF算出手段14の周波数特性演算手段14bによって、ROI画像抽出手段12で抽出されたROI画像から、Slanted-edge法により、周波数ごとのMTFを算出する(ステップS6)。
すなわち、周波数特性演算手段14bは、ステップS6でエッジ投影情報記憶手段15に記憶されているエッジ投影情報を参照して、ROI画像の各画素の画素値を、座標軸に投影し、サブピクセル単位ごとに平均化することで、エッジの特性を示すエッジプロファイルを生成する。そして、周波数特性演算手段14bは、エッジプロファイルを微分することで、線広がり関数(LSF)を求め、そのLSFをフーリエ変換することでMTFを算出する。
そして、MTF測定装置1は、グラフ生成手段17によって、ステップS6で算出されたMTFをグラフ化する。
すなわち、MTF測定装置1は、グラフ生成手段17の履歴グラフ生成手段17aによって、MTF算出手段14で算出され、MTF記憶手段16に記憶されている最新のMTFの直近の所定回数(例えば、100回)分の履歴のMTFを座標上にプロットしてグラフ(履歴グラフ)を生成する(ステップS7)。このとき、履歴グラフ生成手段17aは、プロット点やプロット点間を繋ぐ線の色を、予め定めた色(例えば、グレー)で描画する。
また、MTF測定装置1は、グラフ生成手段17の最新グラフ生成手段17bによって、MTF算出手段14で算出された最新のMTFを座標上にプロットしてグラフ(最新グラフ)を生成する(ステップS8)。このとき、最新グラフ生成手段17bは、プロット点やプロット点間を繋ぐ線の色を、履歴グラフとは異なる予め定めた色(例えば、赤)で描画する。
また、MTF測定装置1は、グラフ生成手段17の最良グラフ生成手段17cによって、MTF算出手段14で算出されたMTFの中で最良のMTFを座標上にプロットしてグラフ(最良グラフ)を生成する(ステップS9)。このとき、最良グラフ生成手段17cは、プロット点やプロット点間を繋ぐ線の色を、履歴グラフおよび最新グラフとは異なる予め定めた色(例えば、緑)で描画する。
なお、最良グラフ生成手段17cは、MTF算出手段14で算出されたMTFの中で、ナイキスト周波数以下(0以上0.5cycles/pixel以下)の各周波数に対応するMTF値の和が最大となるものを、最良のMTFと判定する。
そして、測定の終了が指示されない場合(ステップS10でNo)、MTF測定装置1は、ROI画像抽出手段12によって、チャート画像記憶手段10が記憶するチャート画像から、ステップS1で設定されたROI情報で示されるROIの位置および大きさの画像を、ROI画像として抽出する(ステップS11)。
そして、MTF測定装置1は、ステップS6に戻って、MTFの算出、グラフの生成動作を継続する。
一方、測定の終了が指示された場合(ステップS10でYes)、MTF測定装置1は、MTF算出手段14の平均MTF算出手段14cによって、平均MTFを算出し、MTF出力手段18を介して、最良のMTFとして外部(例えば、表示装置3)に出力する(ステップS12)。
以上の動作によって、MTF測定装置1は、測定者が撮像系2のフォーカスを調整している間、MTFをグラフ化して表示することができる。このとき、MTF測定装置1は、履歴グラフによるフォーカス調整過程におけるMTFの変化、最新グラフによる現在のフォーカス位置でのMTF、および、最良グラフによるフォーカス調整過程における最良のMTFを、それぞれ測定者に視覚的に提示することができる。
これによって、MTF測定装置1は、効率よく、かつ、正確にフォーカス位置を合わせることができ、最良のMTFを測定することができる。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、この実施形態に限定されものではない。
(変形例1)
ここでは、グラフ生成手段17が履歴グラフ生成手段17aを備えることとしたが、この構成を省略しても構わない。この場合、フォーカス調整時に最良グラフ(例えば、緑色)が表示された段階で、測定者は、最新グラフ(例えば、赤色)を最良グラフに合わせるようにフォーカスを調整することで、最適なフォーカスに合わせることができる。
(変形例2)
ここでは、平均MTF算出手段14cは、複数回分のエッジプロファイルを平均化し、その平均化したエッジプロファイルから、MTF(平均MTF)を算出することとした。
しかし、平均MTF算出手段14cは、MTFを算出した線広がり関数を平均化し、その平均化した線広がり関数からMTF(平均MTF)を算出してもよい。
その場合、平均MTF算出手段14cは、MTF記憶手段16に記憶されている複数回(例えば、100回)分のエッジプロファイルを微分することで複数回分の線広がり関数を求め、複数回分の線広がり関数を平均化し、その平均化した線広がり関数からMTF(平均MTF)を算出すればよい。
なお、周波数特性演算手段14bが、MTFをそのMTFを求めた線広がり関数と対応付けて、順次、MTF記憶手段16に記憶しておき、平均MTF算出手段14cは、MTF記憶手段16に記憶されている複数回(例えば、100回)分の線広がり関数を平均化し、その平均化した線広がり関数からMTF(平均MTF)を算出してもよい。
(変形例3)
また、平均MTF算出手段14cは、MTFを算出したROI画像を平均化し、その平均化したROI画像からMTF(平均MTF)を算出してもよい。
その場合、平均MTF算出手段14cは、最新のMTFを算出したROI画像から過去に遡って予め定めた回数分のROI画像を平均化し、その平均化したROI画像から、境界をエッジとして検出する。そして、平均MTF算出手段14cは、エッジの傾きに沿って平均化したROI画像の各画素位置を座標軸に投影して、サブピクセル単位で平均化することで、エッジの特性を示すエッジプロファイル(第2エッジプロファイル)を生成し、そのエッジプロファイルから、平均MTFを算出すればよい。
(変形例4)
また、平均MTF算出手段14cは、時系列に算出されたMTFを最新のMTFから過去に遡って予め定めた回数分平均化し、MTF(平均MTF)を算出してもよい。
なお、この変形例4で算出された平均MTFは、エッジプロファイルを平均化して求めたMTF(平均MTF)、変形例2の線広がり関数を平均化して求めたMTF(平均MTF)、あるいは、変形例3のROI画像を平均化して求めたMTF(平均MTF)とは等価ではない。前記したエッジプロファイルを平均化して求めたMTF(平均MTF)や、変形例2の線広がり関数を平均化して求めたMTF(平均MTF)や、変形例3のROI画像を平均化して求めたMTF(平均MTF)は、カメラ(撮像系2)やチャートCHがブレているときには、著しく劣化してしまう。しかし、変形例4の手法ではブレの影響を抑えたMTF(平均MTF)を測定することが可能となる。
(変形例5)
ここでは、フォーカス調整時にはエッジの傾きが変化しないことを利用して、エッジ投影情報生成手段14aが、順次抽出されるROI画像のうちで1回だけエッジ投影情報を生成することで、高速処理を行うこととした。
しかし、CPU性能等によって高速化が可能であれば、必ずしもこの構成に限定されるものではない。
例えば、図1のMTF測定装置1から、エッジ投影情報記憶手段15を省略し、図7に示すMTF測定装置1Bの構成としてもよい。この場合、MTF算出手段14Bは、順次抽出されるROI画像ごとに、エッジ投影情報生成手段14Baによるエッジ投影情報の生成と、周波数特性演算手段14Bbによる周波数ごとのMTFの算出とを繰り返す。
(変形例6)
ここでは、ROI画像(エッジ画像)として、水平エッジ画像、垂直エッジ画素を例に説明した。
しかし、ROI画像は、エッジを含めばその傾きは任意である。
例えば、MTF測定装置1は、チャートCHとして、図8に示すように、エッジの傾きが多方向(図8では、24方向)に存在するチャートCHを用いてもよい。この場合、ROI設定手段11は、水平または垂直方向のエッジを含む1箇所のROIを設定されることで、チャートCHの中心Cを点対称の中心として、24個分のROIを設定することとすればよい。
そして、エッジ投影情報生成手段14aは、多方向のROIごとにエッジ投影情報を1回だけ生成し、周波数特性演算手段14bは、そのエッジ投影情報を参照して、多方向のROIごとにMTFを算出する。このとき、エッジ投影情報生成手段14aおよび周波数特性演算手段14bは、例えば、基準となるROI(垂直エッジ画像)以外のROIについては、画像を回転させて、基準となるROIと同様に、エッジ投影情報を生成したり、MTFを算出したりすればよい。
そして、グラフ生成手段17は、それぞれのエッジ方向のROIごとに、履歴、最新、最良の各グラフを生成すればよい。
また、平均MTF算出手段14cは、MTF記憶手段16に記憶されているそれぞれのエッジ方向ごとの複数回(例えば、100回)分のエッジプロファイルを平均して、エッジ方向ごとにMTFを算出し出力する。あるいは、平均MTF算出手段14cは、MTF記憶手段16に記憶されているそれぞれの方向ごとのMTFの複数回(例えば、100回)分の値(24方向×100回)の中で、周波数ごとのMTF値の和が最大となるMTFを最良のMTFとして出力する。この場合、平均MTF算出手段14cは、どのエッジ方向のROIでMTFが最良となったかを併せて出力することとしてもよい。
なお、変形例6として、エッジ方向ごとの複数回分のエッジプロファイルを平均して、エッジ方向ごとにMTF(平均MTF)を算出する例を示したが、エッジ方向ごとに、変形例2〜4で説明した手法でMTF(平均MTF)を算出してもよい。
すなわち、平均MTF算出手段14cは、エッジ方向ごとに、MTFを算出した線広がり関数を平均化し、その平均化した線広がり関数からMTF(平均MTF)を算出してもよい。また、平均MTF算出手段14cは、エッジ方向ごとに、時系列に算出されたMTFを最新のMTFから過去に遡って予め定めた回数分平均化し、MTF(平均MTF)を算出してもよい。あるいは、平均MTF算出手段14cは、エッジ方向ごとに、時系列に算出されたMTFを最新のMTFから過去に遡って予め定めた回数分平均化し、MTF(平均MTF)を算出してもよい。
(変形例7)
ここでは、MTF測定装置1は、フォーカスレンズ20の位置を動かして撮像系2が撮像したチャートCHの画像を入力した。しかし、フォーカス位置を動かす対象をチャートCHとしてもよい。例えば、チャートCHを印刷あるいは貼付した金属板、ガラス板等を垂直に固定し、撮像系2を光軸方向に移動させるXステージを用いてもよい。この場合、撮像系2はフォーカスを合わせる機能を有する必要はなく、Xステージがその機能を有することになる。
(変形例8)
ここでは、MTF測定装置1を独立した構成としたが、撮像系2の内部や表示装置3の内部に構成しても構わない。
例えば、MTF測定装置1(あるいは、MTF測定プログラム)を、波形モニタとなる表示装置3の内部に組み込み、撮像系2として、放送用ビデオカメラを波形モニタに接続することで、放送用ビデオカメラのMTFをほぼリアルタイムで算出することができる。
また、例えば、モニタ(表示装置3)を備えたPC内にMTF測定プログラムを組み込み、例えば、USBによりPCと接続したデジタルカメラから、チャートCHの画像を逐次キャプチャーして、デジタルカメラのMTFを測定することとしてもよい。
(変形例9)
ここでは、グラフ生成手段17の履歴グラフ生成手段17a、最新グラフ生成手段17bおよび最良グラフ生成手段17cが、一例として、それぞれ異なる色でグラフを描画することとした。しかし、このグラフは、描画する線の属性が異なれば、色に限定されるものではなく、一点鎖線、破線等の線種、線の太さ、プロット点の形状(星、三角等)等を異ならせることで、それぞれのグラフを描画することとしてもよい。
1 MTF測定装置
10 チャート画像記憶手段
11 ROI設定手段
12 ROI画像抽出手段
13 測定指示手段
14 MTF算出手段
14a エッジ投影情報生成手段
14b 周波数特性演算手段
14c 平均MTF算出手段14c
15 エッジ投影情報記憶手段
16 MTF記憶手段
17 グラフ生成手段
17a 履歴グラフ生成手段
17b 最新グラフ生成手段
17c 最良グラフ生成手段
18 MTF出力手段
2 撮像系
20 フォーカスレンズ
21 駆動部
3 表示装置
CH チャート(MTF測定用チャート)

Claims (8)

  1. 境界でコントラストの異なるチャートを用いて、撮像系の空間周波数特性を表すMTFを測定するMTF測定装置であって、
    前記撮像系によってフォーカス位置を変化させて前記チャートを撮像した時系列のチャート画像から、前記境界を含んだ画像であるROI画像を順次抽出するROI画像抽出手段と、
    このROI画像抽出手段で抽出されたROI画像から時系列に周波数ごとのMTFを算出するMTF算出手段と、
    このMTF算出手段で算出されたMTFをグラフ化して表示するグラフ生成手段と、を備え、
    前記グラフ生成手段は、
    フォーカス調整時において前記MTF算出手段で時系列に算出された最新のMTFの測定結果を予め定めた属性の線で描画して最新グラフを生成する最新グラフ生成手段と、
    フォーカス調整時において前記MTF算出手段で時系列に算出されたMTFの中で、ナイキスト周波数以下の周波数に対応するMTF値の和が最大となった時点の測定結果を最良の測定結果として、前記最新グラフと同一座標上で、前記最新グラフとは異なる予め定めた属性の線で描画して最良グラフを生成する最良グラフ生成手段と、
    を備えることを特徴とするMTF測定装置。
  2. 前記グラフ生成手段は、
    フォーカス調整時において前記MTF算出手段で時系列に算出された最新のMTFから過去に遡って予め定めた回数分の測定結果を、前記最新グラフと同一座標上で、前記最新グラフおよび前記最良グラフとは異なる予め定めた属性の線で描画して履歴グラフを生成する履歴グラフ生成手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のMTF測定装置。
  3. 前記MTF算出手段は、前記ROI画像から、前記境界をエッジとして検出し、前記エッジの傾きに沿って前記ROI画像の各画素位置を座標軸に投影した位置を、前記画素位置と対応付けたエッジ投影情報を生成するエッジ投影情報生成手段と、
    前記エッジ投影情報を用いて、前記ROI画像抽出手段で順次抽出されるROI画像において、各画素の画素値を前記座標軸に投影して、サブピクセル単位で平均化することで、前記エッジの特性を示すエッジプロファイルを生成し、前記エッジプロファイルを微分することで線広がり関数を生成し、前記線広がり関数から、周波数ごとのMTFを算出する周波数特性演算手段と、
    最新のMTFから過去に遡って予め定めた回数分のMTFを算出した前記エッジプロファイルを平均化し、その平均化したエッジプロファイルから平均MTFを算出する平均MTF算出手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のMTF測定装置。
  4. 前記MTF算出手段は、前記ROI画像から、前記境界をエッジとして検出し、前記エッジの傾きに沿って前記ROI画像の各画素位置を座標軸に投影した位置を、前記画素位置と対応付けたエッジ投影情報を生成するエッジ投影情報生成手段と、
    前記エッジ投影情報を用いて、前記ROI画像抽出手段で順次抽出されるROI画像において、各画素の画素値を前記座標軸に投影して、サブピクセル単位で平均化することで、前記エッジの特性を示すエッジプロファイルを生成し、前記エッジプロファイルを微分することで線広がり関数を生成し、前記線広がり関数から、周波数ごとのMTFを算出する周波数特性演算手段と、
    最新のMTFから過去に遡って予め定めた回数分のMTFを算出した前記線広がり関数を平均化し、その平均化した線広がり関数から平均MTFを算出する平均MTF算出手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のMTF測定装置。
  5. 前記MTF算出手段は、前記ROI画像から、前記境界をエッジとして検出し、前記エッジの傾きに沿って前記ROI画像の各画素位置を座標軸に投影した位置を、前記画素位置と対応付けたエッジ投影情報を生成するエッジ投影情報生成手段と、
    前記エッジ投影情報を用いて、前記ROI画像抽出手段で順次抽出されるROI画像において、各画素の画素値を前記座標軸に投影して、サブピクセル単位で平均化することで、前記エッジの特性を示すエッジプロファイルを生成し、前記エッジプロファイルを微分することで線広がり関数を生成し、前記線広がり関数から、周波数ごとのMTFを算出する周波数特性演算手段と、
    最新のMTFを算出したROI画像から過去に遡って予め定めた回数分のROI画像を平均化し、その平均化したROI画像から、前記境界をエッジとして検出し、前記エッジの傾きに沿って前記平均化したROI画像の各画素位置を座標軸に投影して、サブピクセル単位で平均化することで、前記エッジの特性を示す第2エッジプロファイルを生成し、前記第2エッジプロファイルから、平均MTFを算出する平均MTF算出手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のMTF測定装置。
  6. 前記MTF算出手段は、前記ROI画像から、前記境界をエッジとして検出し、前記エッジの傾きに沿って前記ROI画像の各画素位置を座標軸に投影した位置を、前記画素位置と対応付けたエッジ投影情報を生成するエッジ投影情報生成手段と、
    前記エッジ投影情報を用いて、前記ROI画像抽出手段で順次抽出されるROI画像において、各画素の画素値を前記座標軸に投影して、サブピクセル単位で平均化することで、前記エッジの特性を示すエッジプロファイルを生成し、前記エッジプロファイルを微分することで線広がり関数を生成し、前記線広がり関数から、周波数ごとのMTFを算出する周波数特性演算手段と、
    最新のMTFから過去に遡って予め定めた回数分のMTFを平均化し、平均MTFを算出する平均MTF算出手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のMTF測定装置。
  7. 前記エッジ投影情報生成手段は、測定者から指定されたタイミングで、前記エッジ投影情報を生成してエッジ投影情報記憶手段に記憶し、
    前記周波数特性演算手段は、前記エッジ投影情報記憶手段に記憶されている前記エッジ投影情報を用いて、前記周波数ごとのMTFを算出することを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか一項に記載のMTF測定装置。
  8. コンピュータを、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のMTF測定装置の各手段として機能させるためのMTF測定プログラム。
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