JP4092853B2 - Mtf測定方法およびmtf測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナやディジタルカメラ等のディジタル撮像系のMTF測定方法およびMTF測定装置に関し、特に、入力画像に重畳したノイズによるMTF測定誤差を軽減する技術と、MTF測定チャート撮影時の階調特性をMTF測定に反映させる技術とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光電変換素子を用いたディジタル撮像系のMTF(Modulation Transfer Function)測定法としては、サインチャートの振幅から求める方法や、ナイフエッジチャートから線広がり関数(Line Spread Function:LSF)を求めた後、フーリエ変換により計算する方法が知られている。
【0003】
また、電子スチルカメラのMTF測定法として、ISO/FDIS 12233 “Photography - Electronics still picture cameras - Resolution measurements”において、ナイフエッジチャートを用いた方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のナイフエッジチャートを用いた方法は、上記文献のDraftの本文とAnnex Aで2つのアルゴリズムが記載されている。この場合、以下に列挙するようないくつかの問題が存在している。
【0005】
▲1▼本文に記載されているSFRアルゴリズムでは、合成するライン数を固定しているため、ナイフエッジの角度を正碓に合わせないと、実際のMTFと一致しないという問題が存在している。
【0006】
▲2▼また、Annex Aに記載されたSFRアルゴリズムでは、複数ラインのエッジ広がり関数(ESF)を合成したあとに、複数のエッジ広がり関数(ESF)の差分により、線広がり関数(LSF)を求めるようにしていた。これにより、図16に示すように、LSF(図16のa)の振幅と、ノイズ成分(図16のa以外の部分)の振幅とのレベル差が小さくなり、MTFの測定誤差が大きくなる欠点があった。
【0007】
▲3▼MTF計算の際に、合成LSFの全データサンプルを使っているため、実際のMTFには影響しないLSF両端のデータにノイズが重畳していると、測定誤差が大きくなる欠点があった。
【0008】
▲4▼電子スチルカメラでは、被写体ごとに画像処理によって自動的に階調カーブを変えることがあるため、階調特性測定チャート撮影時と、MTF測定チャート撮影時との階調特性が異なっている場合がある。そのため、予め測定した階調特性データからカメラの階調特性を線形化しても、精度の高い変換ができなかった。
【0009】
以上の▲1▼〜▲4▼のような不具合に対し、従来技術においては何の対処もなされていないのが実情であった。
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、MTF測定に際し、ノイズによる測定誤差を軽減できるMTF測定方法及び、スリットの光学像によるMTFの劣化を補正できるMTF測定方法を有したMTF測定装置を提供することを目的とする。
【0010】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、ノイズによる測定誤差を軽減できるMTF測定を実現することを目的とする。
また、本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、MTF測定チャート撮影時の階調特性をMTF測定に反映させることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のMTF測定方法は、光電変換素子を用いたディジタル撮像系のMTF測定方法であって、前記ディジタル撮像系でナイフエッジチャー卜を読み込んだディジタル画像から、複数のエッジ広がり関数(ESF)を作成し、それら複数のエッジ広がり関数(ESF)の差分から線広がり関数(LSF)を求め、その線広がり関数(LSF)を合成して合成線広がり関数(合成LSF)を周波数領域へ変換し、合成線広がり関数(合成LSF)の周波数特性を補正してMTFを計算する、ことを特徴とする。
【0012】
また、本発明のMTF測定装置は、光電変換素子を用いたディジタル撮像系のMTF測定装置であって、前記ディジタル撮像系でナイフエッジチャー卜を読み込んだディジタル画像から、複数のエッジ広がり関数(ESF)を作成し、それら複数のエッジ広がり関数(ESF)の差分から線広がり関数(LSF)を求め、その線広がり関数(LSF)を合成して合成線広がり関数(合成LSF)を周波数領域へ変換し、合成線広がり関数(合成LSF)の周波数特性を補正してMTFを計算するMTF測定手段を備えた、ことを特徴とする。
【0013】
すなわち、本発明のMTF測定は、測定する方向に対して直交する軸からエッジを傾けたナイフエッジの画像を読み込み、その画像からエッジの傾きを求め、合成するライン数を決定する。そして、各ラインの線広がり関数(LSF)のピークから合成線広がり関数(合成LSF)の中心位置を検出し、その前後の線広がり関数(LSF)を合成して合成線広がり関数(合成LSF)を作り、周波数領域へ変換する。その周波数データを、1画素幅のsinc関数で除算してMTFを求める。
【0014】
このようなMTF測定によれば、線広がり関数(LSF)を合成することによってSN比が高くなり、測定誤差を小さくすることができる。また、sinc関数で除算することで、正確にMTFを測定できるようになる。
【0015】
また、合成線広がり関数(合成LSF)を選択するようにしたことで、ノイズによる測定誤差を小さくすることができる。
また、合成線広がり関数(合成LSF)の表示色を測定対象色に応じて変えるようにすることで、測定対象色を容易に判別できる。
【0016】
また、合成線広がり関数(合成LSF)の両端のノイズを含んだデータを削除することで、ノイズによる測定誤差を小さくすることができる。
また、MTFと階調特性を同時に測定することで、階調の線形化を正確に行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例のMTF測定装置について図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は、MTF測定を行う画像システムの概略ブロック図を示したものである。X線写真等をスキャナ等の画像入力部10で読み取るような医用画像の分野では、入力のX線写真と出力のハードコピーの鮮鋭性が一致していなければならず、正確な周波数再現が求められるため、精度の高いMTF補正を行なうことは非常に重要である。このため、画像入力部10から入力されたテストチャートの画像を画像記憶部11で一旦記憶しておいて、MTF測定部20でMTF測定を行い、そのMTF測定値によって画像処理部30の画像処理におけるMTF補正を行い、画像出力部12から出力を行うようにしている。
【0019】
図3はMTF測定装置の画像入力部10である透過型フラットベットスキャナの概略構成を示す構成図である。ステージ1上に載置された写真フィルム等の透過原稿を上部から照明2で露光し、透過した光を下部に設けられたCCDラインセンサ3で走査しながら受光した後、光電変換して画像データを生成する。なお、CCDラインセンサ3の長手方向(図3の紙面と垂直な方向)で主走査し、図示しない駆動系によってCCDラインセンサ3を主走査とは直角方向(矢線で示す)に副走査することで二次元の画像データを得ている。なお、ここでは、フラットベッドスキャナを一例として示したが、2次元の撮像素子を備えた画像入力部10を用いることも可能である。
【0020】
そして、光電変換された画像データの電気信号は図示しないA/D変換回路によってディジタル化され、後述するMTF測定装置へ出力される。まず、上記透過原稿の読み取りに先立って画像入力部10のMTF測定が行なわれる。
【0021】
図1は、画像システム装置の概略構成を示すブロック図であり、図2は本実施の形態例の動作状態を示すフローチャートである。これらの図を用いてMTF測定装置の説明を行なう。
【0022】
〈第1の実施の形態例〉
以上のフラットベッドスキャナにおいて、図4に示すようにエッジを境にして濃度が異なるナイフエッジチャートを使い、主走査方向のMTFを測定する例を示す。
【0023】
ナイフチャートを図3のステージ1に置き、図5のように副走査方向に対してスリットを所定角度(たとえば、1°〜4°)傾ける。ここで、Xは副走査方向、Yは主走査方向を表す。この所定の角度θは、小さ過ぎると後述する合成線広がり関数(以下、合成LSF)の数が減ってしまい平均回数が少なくなるし、また、逆に角度θが大き過ぎると線広がり関数(以下、LSF)の位相ずれによってMTF測定値が不均一になってしまうので、1°〜4°の間で設定されることが望ましい。
【0024】
このナイフエッジチャートを読み込んで、164×754画素程度のRGB画像データを得る(図2S1)。
次に、MTF測定部20内のCPUでMTF測定プログラムを動作させ、該MTF測定プログラムにてナイフエッジチャートのディジタル画像を開く。そして、画面上に表示されたナイフエッジ画像から測定範囲を選択する。
【0025】
表示画面上に測定範囲を選択した例を図6として示す。ここで、主走査方向のMTFを測定する際は、Y方向よりもX方向が長くなるように範囲選択を行う。また、副走査方向の測定では、この逆になるようにする。45度、135度方向のMTF測定に対しては、X方向、Y方向をほほ同じ長さにする。このようにすることで、MTF測定プログラムが測定する方向を自動的に判別することができるようになる。また、X方向・Y方向の測定の際は、長辺を短辺の2倍以上にするとよい。これで45度、135度方向との判別が容易になる。
【0026】
図6の測定範囲の選択画面でOKボタンを押すと、MTF測定プログラムによって、ダイアログボックスが閉じて別のダイアログボックスが表示される。この新たなダイアログボックスには、以下の手順で計算した合成LSFが表示される。
【0027】
(1)ライン数決定:
ディジタル画像から合成LSFを作るためのライン数を決定する。合成するライン数nは、エッジの角度θから決定する。これは、以下の式▲1▼で表される。nが整数にならない場合は四捨五入などにより整数にする。
n≒1/tanθ …▲1▼
(2)平均値計算:
X方向の真中の1ラインについて、両端の数画素で平均値を計算する。
【0028】
(3)LSF作成:
Y方向の全ラインのLSFを作成する。上記(2)で計算した左端の平均値が右側の平均値より大きい場合は、式▲2▼によりLSFを求める。ただし、F[]は、階調特性を線形化するためのルックアップテーブル(LUT)を表す。また、Δxは1画素の幅を表す。
g(iΔx)=F[e(iΔx)]−F[e((i+1)Δx)] …▲2▼
ここでi=0,1,2,…,162
なお、左端の平均値が右側の平均値より小さい場合には、式▲3▼によりLSFを計算する。
g(iΔx)=F[e((i+1)Δx)]−F[e(iΔx)] …▲3▼
ここでi=0,1,2,…,162
なお、ここでは、e(iΔx)とe((i+1)Δx)がESFを表しており、g(iΔx)がLSFを表している。すなわち、この▲2▼式と▲3▼式がESFの差分からLSFを求めることを示している。
【0029】
(4)合成ライン数決定:
X方向に対するエッジの角度θを求め(図2S2)、合成するライン数を決定する(図2S3)。Y方向の各ラインのLSFの最大値を検出し、XY座標上にプロットする。そして、このデータに対して回帰直線を求め、その傾きからスリット角度θを求める。これは図7のようになる。図7中の式は図示されている回帰直線を表しており、傾きの絶対値がtanθになる。すなわちtanθ=0.035となり、式▲1▼にあてはめて四捨五入するとライン数nについて、n=28となる。
【0030】
(5)合成LSFの中心位置検出:
ここでは、合成LSFの中心位置を検出する(図2S4)。これは、Y方向の各ラインのLSFの最大値をプロットした図8から求める。図8より、波形がピークとなる位置を検出し、ピークのラインを中心とした前後のラインから合計28ラインのLSFを合成する。ここで、LSF合成の方法を図9に示す。ここでは、図9(a)にある4ラインの合成の場合の例を、図9(b)に示す。また、図8において、最初と最後のピーク位置ではライン数が足りないため、2番目から26番目のピーク位置で合成LSFを作る。
【0031】
(6)合成LSFの中心位置再計算:
ここで、MTF測定プログラムによるダイアログボックスヘ表示するため、検出した合成LSFの中心位置を再計算する。図10に示す合成LSFのピーク(振幅最大値)に対し、例えば1/2の振幅をもつ位置をピーク位置から左右に探索する。そして、その振幅を持つ2つの座標の真中を、合成LSFの中心位置として定める。
【0032】
(7)各色で処理実行:
以上の(1)〜(6)のそれぞれの処理ををRGBの3色についてそれぞれ実行する。
【0033】
合成LSFは、MTF測定プログラムによって、図11のダイアログボックスに表示される。合成LSFの中心位置が軸上にくるように表示を行う。ダイアログボックスに表示された合成LSFは、LSFナンバーを選択するためのスライドバーを動かすことにより、順次表示される。ここで、MTF計算に使用する合成LSFを選択する(図2S5)。ここでは、ノイズがなく、波形のきれいなものを選択することが望ましい。“Select”ボタンを押すと、LSFナンバーのボックスに色が付く、図11中ではナンバー4の合成LSFが選択されたことを示している。そして、Selected Countの数が1増加する。再度“Select”ボタンを押すと、LSFナンバーのボックスの色が消えて、Selected Countの数が1減少する。Selected Countに0を入力すると全ての合成LSFが選択される。
【0034】
また、Count of Samplesを書き換えて、“Retry”ボタンを押すとMTF計算で使用するデータ数が変化する。図11では、合成LSFの中心位置の前後800個のデータサンプルから、MTFを計算する例を示している。これにあわせて表示されるデータ数も変化する。
【0035】
Colorのいずれか(R(赤)、G(緑)、B(青)、Y(輝度))にチェックを入れることで選択をかえて、“Retry”ボタンを押すと、測定対象の色が切り替わる。このときに、合成LSFの表示色は、選択した測定色に応じて変化することが望ましい。例えばRが選択されたときは赤を、G,Bでは緑、青で表示をする。また、輝度Yのときはグレーで表示する。
【0036】
最初の表示では、輝度Yの合成LSFが表示される。RGB画像に対しては、以下の式▲4▼からYを計算する。a0、a1、a3は、ダイアログボックスに設定されているパラメータを用いる。図11の例では、a0=0.2125、a1=0.7154、a2=0.0721となっている。この係数は書き換えが可能であるが、グレースケール画像に対しては、この数値は無視される。
Y=a0・R+a1・G+a2・B …▲4▼
Toneでは、画像の階調特性を線形化するためのデータを選択する。スキャナの階調特性がリニアのときは、“Linear”を選択し、予めフォーマットが決められている階調特性測定用チャートを使用するときは“Test Chart”を選択する。このとき、画像ファイルを開くためのウィンドウが表示される。階調特性が予め測定されているときは、“Text”を選択し、テキスト形式のデータファイルを読み込む。読み込んだファイル名は、“File Name”に表示される。ここで、“Retry”ボタンを押すと、階調特性が変換された合成LSFが表示される。最初の表示では、“Linear”が設定される。
【0037】
“OK”ボタンを押すと、選択された合成LSF(図2S7)からMTF計算を行う。これは以下の手順となる。
(8)離散フーリエ変換:
合成LSFの中心800個のデータを抽出し、そのデータを離散フーリエ変換する(図2S8)。
【0038】
(9)実部・虚部の平均:
合成LSFの選択数が2以上であるときは、実数部Hr(f)、虚数部Hi(f)で平均をとる(図2S10)。
【0039】
(10)除算:
実数部Hr(f)、虚数部Hi(f)を、以下の式(▲5▼のsinc関数で除算する(図2S11)。これは、式▲6▼、▲7▼となる。ただし、ここでNは偶数でサンプリング周波数に対する分割数を表す。
S(f)=sin(πΔxf)/(πΔxf) …▲5▼
Hr’(f)=Hr(f)/S(f) …▲6▼
Hi’(f)=Hi(f)/S(f) …▲7▼
ここで、f=k/NΔxであり、k=0,1,…,N/2
(11)MTF計算:
以下の▲8▼式により、MTFの計算を行う(図2S12)。
MTF(f)=√〔(Hr’(f))2+(Hi’(f))2〕…▲8▼
以上、(1)〜(11)に示した手順によりMTF測定を行う。従来手法では図16に示したようにLSF(図16のa)の振幅と、ノイズ成分(図16のa以外の部分)の振幅とのレベル差が小さくなりMTFの測定誤差が大きくなる欠点があったが、本実施の形態例によれば図12に示すようにLSF(図12のa)の振幅とノイズ成分(図12のa以外の部分)の振幅とのレベル差が極めて大きくなりMTFの測定誤差を小さくできる。 また、MTF測定値を比較した図13に示すように、従来測定結果(太線)はノイズの影響などで特性が滑らかでないのに対し、本実施の形態例の測定結果(細線)では滑らかで誤差の小さい測定結果が得られる。
【0040】
〈第2の実施の形態例〉
以上の第1の実施の形態例に加え、階調特性とMTFを同時に測定することにより、撮影時の階調特性を正確に線形化することができる。
【0041】
図14に示すMTF測定に使用するナイフエッジチャートは、濃度の異なる複数のグレーパッチが垂直方向または水平方向に対し所定の角度だけ傾けられた状態で、全体として円環形に配置されたテストチャートである。なお、図14では各グレーパッチの濃度をハッチングによって模式的に示している。
【0042】
このテストチャートをスキャナで読み込んで得た画像データをMTF測定プログラムで読み込み、MTF測定範囲として全画面を選択する。選択範囲に対し、グレーパッチの位置を自動検出し、各パッチの画像データの平均値を求める。この平均値と予め測定されている反射率のデータより、図15のような階調補正カーブが求まる。R,G,Bの補正カーブは以下の式(a),(b),(c)で表される。この式より式▲2▼、▲3▼のLUTを作成する。なお、このテストチャートを読み込んだ際は、ダイアログボックスのToneが“Test Chart”に設定される。
y=1.419e−5x2−4.506e−4x+4.683e−2 …(a)
y=1.359e−5x2−1.469e−4x+4.048e−2 …(b)
y=1.370e−5x2−3.684e−4x+4.155e−2 …(c)
MTF測定は傾いたグレーパッチのエッジ部分を用いて行う。エッジ部が自動的に抽出され、合成LSFが作られる。これを、全てのパッチの縦横方向について行う。このように濃度の異なるグレーバッチからMTFを測定することで、複数の各コントラストにおけるMTFが測定できる。
【0043】
この結果、電子スチルカメラ等で、被写体ごとに画像処理によって自動的に階調カーブを変えるような場合でも、階調特性とMTFを同時に測定することにより、撮影時の階調特性を正確に線形化することができる。
【0044】
また、グレーパッチの画像データの標準偏差を計算し、RMSノイズも同時に測定可能である。これにより、MTFとSN比との関係を調べることが可能になる。
【0045】
〈その他の実施の形態例〉
以上の各実施の形態例の説明において使用した具体的数値や表示画面はあくまでも一例であって、種々の変更が可能である。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)LSFを合成することによりSN比が高くなり、測定誤差を小さくすることができる。また、sinc関数で除算することで、正確にMTFを測定できる。
【0047】
(2)合成LSFを選択することで、ノイズによる測定誤差を小さくすることができる。
(3)合成LSFの表示色を変えることで、測定対象色を容易に判別できる。
【0048】
(4)ノイズを含んだデータを削除することで、ノイズによる測定誤差を小さくすることができる。
(5)MTFと階調特性を同時に測定することで、階調の線形化を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例の構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態例の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態例の主要部の構成を示す構成図である。
【図4】本発明の実施の形態例で使用するナイフエッジチャートの一例を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態例で使用するナイフエッジチャートを傾けた様子の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態例におけるMTF測定範囲を指定する様子を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態例において読み込んだテストチャートからエッジの角度を求める様子を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態例においてLSFの測定位置を検出する様子を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態例においてLSF合成の様子を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態例においてLSFの中心位置を求める様子を示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態例においてLSFの指定の様子を示す説明図である。
【図12】本発明の実施の形態例のLSFの振幅とノイズとの比較の様子を示す説明図である。
【図13】本発明の実施の形態例のMTF測定値の特性を従来と比較して示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態例における円環状のテストチャートの構成を示す構成図である。
【図15】本実施の形態例における階調補正カーブの様子を示す特性図である。
【図16】従来におけるLSFの振幅とノイズとの比較の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
10 画像入力部
11 画像記憶部
12 画像出力部
20 MTF測定部
30 画像処理部

Claims (4)

  1. 光電変換素子を用いたディジタル撮像系のMTF測定方法であって、
    前記ディジタル撮像系でナイフエッジチャー卜を読み込んだディジタル画像から、複数のエッジ広がり関数(ESF)を作成し、
    それら複数のエッジ広がり関数(ESF)の差分から線広がり関数(LSF)を求め、
    その線広がり関数(LSF)を合成して合成線広がり関数(合成LSF)を作成し、
    複数の合成線広がり関数(合成LSF)を表示し、
    MTFの計算に使用する合成線広がり関数(合成LSF)を選択し、
    該選択された合成線広がり関数(合成LSF)を平均し、
    該平均された合成線広がり関数(合成LSF)を周波数領域へ変換し、
    該周波数領域へ変換された合成線広がり関数(合成LSF)の周波数特性を補正してMTFを計算する、
    ことを特徴とするMTF測定方法。
  2. 前記表示された複数の合成線広がり関数(合成LSF)は、測定対象の色に応じて表示色を変化させる、
    ことを特徴とする請求項記載のMTF測定方法。
  3. 光電変換素子を用いたディジタル撮像系のMTF測定装置であって、
    複数の合成線広がり関数(合成LSF)を表示する表示手段と、
    MTFの計算に使用する合成線広がり関数(合成LSF)の選択を受け付ける入力手段と、
    前記ディジタル撮像系でナイフエッジチャー卜を読み込んだディジタル画像から、複数のエッジ広がり関数(ESF)を作成し、それら複数のエッジ広がり関数(ESF)の差分から線広がり関数(LSF)を求め、その線広がり関数(LSF)を合成して合成線広がり関数(合成LSF)を作成し、前記表示手段に複数の合成線広がり関数(合成LSF)が表示された中で、前記入力手段において選択された合成線広がり関数(合成LSF)を平均し、該平均された合成線広がり関数(合成LSF)を周波数領域へ変換し、該周波数領域へ変換された合成線広がり関数(合成LSF)の周波数特性を補正してMTFを計算するMTF測定手段を備えた、
    ことを特徴とするMTF測定装置。
  4. 前記表示手段で表示された複数の合成線広がり関数(合成LSF)は、測定対象の色に応じて表示色を変化させる、
    ことを特徴とする請求項記載のMTF測定装置。
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