JP6795998B2 - Mtf測定装置およびそのプログラム - Google Patents
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Description
図10に示すように、インメガサイクルチャートは、映像周波数1MHzから36MHzまでに相当する白黒の縦縞を並べ、チャート中央と4つのコーナー部分に800TVL/ph(27.7MHz)の縦縞を並べた矩形波のパターンを有している。
このインメガサイクルチャートを用いる手法は、波形モニタから目視でCTFを読み取ることができる手軽さはあるが、サンプリングの位相の影響で振幅が変動する曖昧さがある。また、一般的に、測定対象であるレンズの中央と周辺とでは解像度特性が異なるため、800TVL/phに相当するチャート中央の矩形波応答しか測定していないのが現状である。
しかし、従来のSlanted-edge法は、エッジの傾きによっては、投影軸のビンに画素が投影されず、集合平均を求めることができない場合がある。
この画素がビンに対応しない状態は、傾きθeが45°に近い場合でも発生する。あるいは、投影軸をy軸とした場合、エッジがy軸に対してほぼ垂直の場合でも発生する。
また、エッジが適度の傾いていても、ROIのサイズが小さい場合、オーバーサンプリングの逓倍率が高い場合にも、画素が対応しないビンが発生する。
このように、従来のSlanted-edge法では、ROIの画素が対応しないビンの発生状態によって、算出されるMTFの精度が大きく異なってしまうという問題がある。
そして、MTF測定装置は、エッジ投影情報生成手段によって、ROI画像から、境界をエッジとして検出し、エッジの傾きに沿ってROI画像の各画素位置を投影した座標軸上のサブピクセル間隔のビンの位置とROI画像の画素位置とを対応付けたエッジ投影情報を生成する。このとき、エッジの傾きによっては、ビンの位置にROI画像の画素が対応しない場合がある。
そして、MTF測定装置は、エッジプロファイル生成手段によって、エッジ投影情報を用いて、ROI画像の各画素の画素値を座標軸に投影し、ビン単位で平均化することで、エッジの特性を示すエッジプロファイルを生成する。
ここで、測定者が、ROI画像の画素が対応しないビンを無くすようにチャートを調整すれば、MTF測定装置は、精度の高いMTFを算出することができる。
本発明によれば、ROIのエッジの傾きに応じて画素が投影軸のビンに対応しない状態を可視化して、測定者に提示することができる。
これによって、本発明は、測定者がROIのエッジの傾きを適正に修正することが可能になり、精度の高いMTFを測定することができる。
[MTF測定装置の構成]
最初に、図1を参照して、本発明の実施形態に係るMTF測定装置1の構成について説明する。
この撮像系2は、チャートCHを撮像した画像を、MTF測定装置1に出力する。
なお、測定者は、撮像系2のMTFを測定したい撮像領域、例えば、中央部分、中央右(左、上、下)部分、右(左)斜め上部分、右(左)斜め下部分等に、コントラストの境界が位置するようにして、撮像系2によってチャートCHを撮像する。
なお、表示装置3は、撮像系2が撮像したチャート画像を表示する表示装置と、測定結果となるグラフ等を表示する表示装置とをそれぞれ別に設けてもよい。
図1に示すように、MTF測定装置1は、チャート画像記憶手段10と、ROI設定手段11と、ROI画像抽出手段12と、エッジ投影情報生成手段13と、投影状態表示手段14と、MTF算出指示手段15と、エッジプロファイル生成手段16と、周波数特性演算手段17と、測定結果表示手段18と、を備える。
なお、チャート画像記憶手段10が記憶するチャート画像は、図示を省略した映像出力手段を介して表示装置3に出力されるとともに、ROI画像抽出手段12によって読み出される。
このROI設定手段11は、設定したROIの位置および大きさを示すROI情報をROI画像抽出手段12に出力する。
このROI画像抽出手段12は、抽出したROI画像を、エッジ投影情報生成手段13およびエッジプロファイル生成手段16に出力する。
そして、エッジ投影情報生成手段13は、ROI画像の各画素位置と、エッジの傾きに沿って各画素位置をx軸またはy軸に投影した位置とを対応付けたエッジ投影情報を生成する。
このエッジ投影情報生成手段13は、ROI画像の画素位置と、サブピクセル単位の座標軸とを対応付けたエッジ投影情報を、投影状態表示手段14およびエッジプロファイル生成手段16に出力する。
この投影状態表示手段14は、エッジ投影情報生成手段13で生成されたエッジ投影情報に基づいて、投影される座標軸上のサブピクセル単位のビンごとに、投影されるROI画像の画素の数を累計する。そして、投影状態表示手段14は、ビンごとに画素の累計数を対応付けて、グラフ化する。
この投影状態表示手段14は、このヒストグラムを表示装置3に出力して表示する。これによって、測定者は、画素が対応しないビンの発生状態を確認することができる。
例えば、測定者は、ビンの並びの中央部分(エッジの近傍部分)に画素が欠落したビンが存在しない場合、あるいは、ほぼ存在しない場合(例えば1ビンあたり5画素未満)に、MTFの測定に影響がないものと判断し、MTFの算出の指示を行う。
これによって、MTF測定装置1は、最終的にMTFを測定する前に、精度の高いMTFを測定するためのROI画像の調整を行うことができる。
なお、エッジプロファイル生成手段16は、MTF算出指示手段15から、MTFを算出する指示が通知された段階で動作する。
ここでは、エッジプロファイル生成手段16は、ビン内画素値平均化手段16aと、ビン間画素値補間手段16bと、を備える。
なお、このエッジプロファイルは、エッジ投影情報で画素値が設定されていないビンが存在する場合、部分的に平均画素値が設定されていないことになる。
このビン内画素値平均化手段16aは、生成したエッジプロファイルを、ビン間画素値補間手段16bに出力する。
具体的には、ビン間画素値補間手段16bは、画素値が設定されていないビンについて、画素値が設定されている画素値から線形補間することで画素値を算出し、当該ビンに設定する。これによって、ビン間画素値補間手段16bは、画素値が欠落しているビンをなくしたエッジプロファイルを生成することができる。
このビン間画素値補間手段16bは、生成したエッジプロファイルを、周波数特性演算手段17に出力する。
この周波数特性演算手段17は、エッジプロファイル生成手段16で生成されたエッジプロファイルを微分することで、線広がり関数(LSF:Line Spread Function)を求め、そのLSFをフーリエ変換する。これによって、周波数特性演算手段17は、MTFを求めることができる。
この周波数特性演算手段17は、算出したMTFを測定結果表示手段18に出力する。
例えば、測定結果表示手段18は、図6に示すように、横軸を周波数(cycles/pixel)、縦軸をMTFとするグラフに対応するデータをプロットする。
この測定結果表示手段18は、このグラフを表示装置3に出力して表示する。これによって、測定者は、被測定対象である撮像系2のMTFを認識することができる。
これによって、MTF測定装置1は、測定者によるROI画像のエッジの傾き調整が可能になり、精度の高いMTFを測定することができる。
なお、MTF測定装置1は、図示を省略したコンピュータを、前記した各手段として機能させるためのMTF測定プログラムで動作させることができる。
次に、図7を参照(構成については適宜図1参照)して、本発明の実施形態に係るMTF測定装置1の動作について説明する。
そして、ステップS2において、MTF測定装置1は、ROI設定手段11によって、ROIの位置および大きさをROI情報として設定する。例えば、ROI設定手段11は、表示装置3が表示しているチャート画像内において、測定者が操作するポインティングデバイス(不図示)で矩形領域を指定されることでROI情報を設定する。
その後、ステップS3において、MTF測定装置1は、ROI画像抽出手段12によって、チャート画像記憶手段10が記憶するチャート画像から、ステップS2で設定されたROI情報で示されるROIの位置および大きさの画像を、ROI画像として抽出する。
一方、ステップS6において、MTF測定装置1は、MTF算出指示手段15を介して、測定者によるMTFの算出の指示があった場合(Yes)、ステップS7に動作を進める。
これによって、測定者は、ROI画像のエッジの傾き調整を、表示装置3の画面を見ながら行うことができる。そして、MTF測定装置1は、調整後におけるROI画像のエッジの傾きから、精度の高いMTFを測定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、この実施形態に限定されものではない。
ここでは、MTF測定装置1は、エッジ投影情報を可視化した後、MTF算出指示手段15によって、MTFの算出を指示されるまで、MTF算出を行わない構成とした。これによって、MTF測定装置1は、不要な演算を行わずに測定時間の短縮化を行うことができる。
しかし、MTF測定装置1は、MTF算出指示手段15を構成から省略し、エッジ投影情報を可視化した後、そのままMTFを算出することとしてもよい。
ここでは、ROI画像(エッジ画像)として、水平エッジ画像、垂直エッジ画素を例に説明した。
しかし、ROI画像は、エッジを含めばその傾きは任意である。
10 チャート画像記憶手段
11 ROI設定手段
12 ROI画像抽出手段
13 エッジ投影情報生成手段
14 投影状態表示手段
15 MTF算出指示手段
16 エッジプロファイル生成手段
16a ビン内画素値平均化手段
16b ビン間画素値補間手段
17 周波数特性演算手段
18 測定結果表示手段
2 撮像系
3 表示装置
CH チャート(MTF測定用チャート)
Claims (5)
- 境界でコントラストの異なるチャートを用いて、撮像系の空間周波数特性を表すMTFを測定するMTF測定装置であって、
前記撮像系によって前記チャートを撮像したチャート画像から、前記境界を含んだ画像であるROI画像を抽出するROI画像抽出手段と、
前記ROI画像から、前記境界をエッジとして検出し、前記エッジの傾きに沿って前記ROI画像の各画素位置を投影した座標軸上のサブピクセル間隔のビンの位置と前記画素位置とを対応付けたエッジ投影情報を生成するエッジ投影情報生成手段と、
前記エッジ投影情報をグラフとして表示する投影状態表示手段と、
前記エッジ投影情報を用いて、前記ROI画像の各画素の画素値を前記座標軸に投影し、前記ビン単位で平均化することで、前記エッジの特性を示すエッジプロファイルを生成するエッジプロファイル生成手段と、
前記エッジプロファイルからMTFを算出する周波数特性演算手段と、
を備えることを特徴とするMTF測定装置。 - 前記エッジプロファイル生成手段は、
前記エッジ投影情報を用いて、前記ROI画像の各画素の画素値を前記座標軸に投影した前記ビン単位で平均化するビン内画素値平均化手段と、
前記画素値が投影されていないビンの画素値を他のビンの画素値から線形補間により算出するビン間画素値補間手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のMTF測定装置。 - 前記投影状態表示手段は、前記ROI画像の画素が投影されないビンの位置にマーカを付加して前記グラフを表示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のMTF測定装置。
- 前記グラフは、前記サブピクセル間隔のビンごとに、当該ビンに投影される画素数の累計数を表示したヒストグラムであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のMTF測定装置。
- コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のMTF測定装置の各手段として機能させるためのMTF測定プログラム。
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