JP7188281B2 - 成膜方法、樹脂製品の製造方法および成膜装置 - Google Patents
成膜方法、樹脂製品の製造方法および成膜装置 Download PDFInfo
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Description
本発明の第2の態様は、第1の態様の成膜方法により、樹脂を含む処理対象物にクロム膜を形成することと、膜応力により、前記クロム膜にクラックを形成することとを備える、電波透過性の金属被膜を有する樹脂製品の製造方法に関する。
本発明の第3の態様は、樹脂を含む処理対象物にスパッタリングによる成膜を行う成膜装置であって、前記処理対象物を収納する真空容器と、前記真空容器の内部を0.1パスカル以上3.0パスカル未満の圧力に減圧する減圧部と、前記真空容器の内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、クロムを含むターゲット材料が配置されて前記真空容器の内部に配設されたスパッタ電極と、前記ターゲット材料の表面積1平方センチメートル当たり10ワット以上の投入電力となるように、前記スパッタ電極に直流電圧を印加する直流電源とを備える成膜装置に関する。
図1は、本実施形態の成膜装置の構成を示す概念図である。成膜装置1は、真空容器10と、処理対象物Wpが載置される載置部20と、直流電源部30と、スパッタ電極31と、CVD電極34と、整合器35と、高周波電源部36と、真空排気系40と、ガス供給部50と、制御部100とを備える。真空容器10は、真空容器本体11と、開閉部12と、パッキン13と、接地部14と、シャッター15と、シャッター支持台16と、エアシリンダ17と、シリンダロッド18と、スライドピン19とを備える。スパッタ電極31は、電極部32と、ターゲット材料33とを備える。
なお、シャッター15を第3位置P3から第4位置P4まで、および、第4位置P4から第3位置P3まで移動させる方法は特に限定されない。
なお、真空容器10の内部を0.1Pa以上3.0Pa未満または1.0Pa未満の圧力まで減圧することができれば、真空排気系40の構成は特に限定されず、例えば補助ポンプとは別の粗引きポンプにより真空容器10の粗引きを行ってもよい。
なお、所望の精度でクロム膜の成膜を行うことができれば、プラズマ処理を省略してもよい。
なお、ドライエアの代わりに、窒素等の不活性ガスを用いてもよい。
(変形例1)
上述の実施形態において、ステップS113のスパッタリングを行う前に、ステップS113と同様のスパッタリング条件でプレスパッタリングを行ってもよい。これにより、ターゲット材料33の表面を削ること等により、当該表面に存在していた不純物を除去することができ、その後の成膜により、純度の高いクロム膜を形成することができる。
上述の実施形態または変形例において、クロム膜の上に、さらにアルミニウム等の金属被膜を形成してもよい。これにより、得られる金属被膜の表面反射率(明度)または色合いを調節することができる。特に、アルミニウムはクロムよりも表面反射率が高いため、より輝きの強い金属被膜を得ることができる。
なお、所望の精度でクロム膜等の成膜を行うことができれば、ステップS307のプレスパッタリングは省略してもよい。
上述の実施形態または変形例において、スパッタリングにより金属被膜60が形成された処理対象物Wpは、加熱処理をしなくても膜応力によりクラックを有している。このような電波透過性を有する金属被膜60は、電波を受信または送信するための機器または機械等に用いることができ、例えば、自動車のドアハンドルおよびエンブレム、時計ならびにスマートフォンのケース等に用いることができる。
上述の実施形態または変形例において、処理対象物Wpは、基材である樹脂の上に下地層が形成されたものとすることができる。下地層があれば金属被膜60を割り切るクラックを形成することができるため、形成された金属被膜60はより高い電気抵抗値を取れるようになる。
なお、図10では、金属被膜60がクロム膜61とアルミニウム膜62とを含む構成としたが、金属被膜60がクロム膜61の一層からなる構成としてもよい。
上述の実施形態または変形例において、成膜により得られた金属被膜60に、誘電体膜からなる干渉光学層または、顔料若しくは染料を適宜含む保護層を設けて、輝度、色合いまたは耐久性等を調節してもよい。
上述の実施形態または変形例において、プレスパッタリングを省略してもよい。図11は、変形例2の場合でプレスパッタリングを省略した場合の成膜方法の流れを示すフローチャートを示す図である。ステップS401において、搬送制御部110は、処理対象物Wpを真空容器10の内部に搬入する。搬入された処理対象物Wpは、載置面21上において、第1スパッタ電極31aと対向する位置に配置される。ステップS401が終了したら、ステップS403が開始される。ステップS403~S413は、それぞれ上記図7のフローチャートのステップS303、S305およびS311~S317と同様であるため、説明を省略する。
上述の実施形態または変形例において、金属被膜60として、アルミニウム膜を形成した後、クロム膜を形成してもよい。これにより、例えば基材70が透光性を有し、基材70の側から金属被膜60が視認される場合に、アルミニウムはクロムよりも表面反射率が高いため、より輝きの強い金属被膜を得ることができる。図12は、変形例6においてクロム膜の形成とアルミニウム膜の形成の順序を逆とした場合の成膜方法の流れを示すフローチャートを示す図である。
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
Claims (10)
- 樹脂を含む処理対象物にスパッタリングによる成膜を行う成膜方法であって、
前記処理対象物を、真空容器の内部に配置することと、
前記真空容器の内部を0.1パスカル以上3.0パスカル未満の圧力に減圧することと、
前記真空容器の内部に不活性ガスを導入することと、
クロムを含むターゲット材料が配置されて前記真空容器の内部に設けられたスパッタ電極に、前記ターゲット材料の表面積1平方センチメートル当たり10ワット以上の投入電力となるように、前記スパッタ電極に直流電圧を印加することと、
を備え、
前記スパッタ電極に、前記ターゲット材料の表面積に対して、1平方センチ当たり10ワット以上25ワット未満の投入電力となるように、前記スパッタ電極に直流電圧が印加される成膜方法。 - 請求項1に記載の成膜方法において、
前記スパッタ電極に直流電圧を印加するとき、前記処理対象物と前記ターゲット材料との間の距離は50mm以上200mm以下である成膜方法。 - 請求項1または2に記載の成膜方法において、
前記処理対象物を前記ターゲット材料と対向しない位置に配置し、前記スパッタ電極に直流電圧を印加してプレスパッタリングを行うことを備える成膜方法。 - 請求項1から3までのいずれか一項に記載の成膜方法において、
前記真空容器の内部に原料ガスを供給することと、
前記真空容器の内部に配設されたCVD電極に高周波電圧を印加することと
を備える成膜方法。 - 樹脂を含む処理対象物にスパッタリングによる成膜を行う成膜方法であって、
前記処理対象物を、真空容器の内部に配置することと、
前記真空容器の内部を0.1パスカル以上3.0パスカル未満の圧力に減圧することと、
前記真空容器の内部に不活性ガスを導入することと、
クロムを含むターゲット材料が配置されて前記真空容器の内部に設けられたスパッタ電極に、前記ターゲット材料の表面積1平方センチメートル当たり10ワット以上の投入電力となるように、前記スパッタ電極に直流電圧を印加することと、
を備える成膜方法により、樹脂を含む処理対象物にクロム膜を形成することと、
膜応力により、前記クロム膜にクラックを形成することとを備える、電波透過性の金属被膜を有する樹脂製品の製造方法。 - 請求項5に記載の樹脂製品の製造方法において、
スパッタリングにより前記クロム膜の上に、クロムよりも表面反射率の高い金属を含む被膜を形成することを備える樹脂製品の製造方法。 - 請求項5または6に記載の樹脂製品の製造方法において、
前記樹脂の上に下地層を形成することを含み、
前記下地層が形成された前記処理対象物の前記下地層に前記成膜が行われ、前記クロム膜が形成される樹脂製品の製造方法。 - 請求項7に記載の樹脂製品の製造方法において、
前記処理対象物を加熱処理に供し、前記クロム膜を含む金属被膜と前記樹脂との間の線膨張係数の差により前記クロム膜にクラックが形成される、樹脂製品の製造方法。 - 樹脂を含む処理対象物にスパッタリングによる成膜を行う成膜装置であって、
前記処理対象物を収納する真空容器と、
前記真空容器の内部を0.1パスカル以上3.0パスカル未満の圧力に減圧する減圧部と、
前記真空容器の内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、
クロムを含むターゲット材料が配置されて前記真空容器の内部に設けられたスパッタ電極と、
前記ターゲット材料の表面積1平方センチメートル当たり10ワット以上の投入電力となるように、前記スパッタ電極に直流電圧を印加する直流電源とを備え、
前記直流電源は、前記投入電力が前記ターゲット材料の表面積1平方センチメートル当たり10ワット以上25ワット未満となるように前記スパッタ電極に直流電圧を印加する成膜装置。 - 請求項9に記載の成膜装置において、
前記真空容器の内部に、前記スパッタ電極に加えて配設された、スパッタ電極またはCVD電極を備える成膜装置。
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WO2015037315A1 (ja) | 2013-09-10 | 2015-03-19 | 株式会社島津製作所 | 成膜装置および成膜方法 |
JP2015151618A (ja) | 2014-02-19 | 2015-08-24 | 株式会社島津製作所 | 成膜装置 |
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