JP7188281B2 - 成膜方法、樹脂製品の製造方法および成膜装置 - Google Patents

成膜方法、樹脂製品の製造方法および成膜装置 Download PDF

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Description

本発明は、成膜方法、樹脂製品の製造方法および成膜装置に関する。
樹脂を含む処理対象物に、スパッタリングにより金属被膜の成膜を行うことが知られている。このような成膜が行われた樹脂製品は、自動車部品等を含む様々な分野で用いられる(特許文献1および特許文献2参照)。所望の金属被膜を得るための様々な成膜方法が提案されている。特許文献3の成膜装置では、ターゲット材料の表面積に対して1平方センチメートル当たり25ワット以上の投入電力となるようにスパッタ電極に直流電圧を印加することが提案されている。特許文献4の成膜装置では、プラズマ処理を実行した後にスパッタリングを行うことが提案されている。
特開2018-154878号公報 特許第4706596号 特許第6202098号 特開2016-211051号公報
スパッタリングでクロムの被膜を形成する場合、ターゲット材料であるクロムが破損しやすいため、投入電力を高くすることが困難であり、反射率の高い金属被膜を形成することが容易でなかった。
本発明の第1の態様は、樹脂を含む処理対象物にスパッタリングによる成膜を行う成膜方法であって、前記処理対象物を、真空容器の内部に配置することと、前記真空容器の内部を0.1パスカル以上3.0パスカル未満の圧力に減圧することと、前記真空容器の内部に不活性ガスを導入することと、クロムを含むターゲット材料が配置されて前記真空容器の内部に設けられたスパッタ電極に、前記ターゲット材料の表面積1平方センチメートル当たり10ワット以上の投入電力となるように、前記スパッタ電極に直流電圧を印加することと、を備える成膜方法に関する。
本発明の第2の態様は、第1の態様の成膜方法により、樹脂を含む処理対象物にクロム膜を形成することと、膜応力により、前記クロム膜にクラックを形成することとを備える、電波透過性の金属被膜を有する樹脂製品の製造方法に関する。
本発明の第3の態様は、樹脂を含む処理対象物にスパッタリングによる成膜を行う成膜装置であって、前記処理対象物を収納する真空容器と、前記真空容器の内部を0.1パスカル以上3.0パスカル未満の圧力に減圧する減圧部と、前記真空容器の内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、クロムを含むターゲット材料が配置されて前記真空容器の内部に配設されたスパッタ電極と、前記ターゲット材料の表面積1平方センチメートル当たり10ワット以上の投入電力となるように、前記スパッタ電極に直流電圧を印加する直流電源とを備える成膜装置に関する。
本発明によれば、反射率が高く、例えばクロムめっきと同等のLab色空間上での値により表現される光を反射可能であり、クラックを形成可能なクロムの被膜を処理対象物に形成することができる。
図1は、一実施形態の成膜装置の構成を示す概念図である。 図2(A)は、ガス供給部の構成を示す概念図であり、図2(B)は、制御部の構成を示す概念図である。 図3は、一実施形態の成膜方法の流れを示すフローチャートである。 図4は、クロムを含む金属被膜を模式的に示す断面図である。 図5は、変形例の成膜装置の構成を示す概念図である。 図6は、変形例の成膜方法の流れを示すフローチャートである。 図7は、変形例の成膜方法の流れを示すフローチャートである。 図8は、クロムを含む金属被膜を模式的に示す断面図である。 図9は、クロムを含む金属被膜を模式的に示す斜視図である。 図10は、クロムを含む金属被膜を模式的に示す斜視図である。 図11は、変形例の成膜方法の流れを示すフローチャートである。 図12は、変形例の成膜方法の流れを示すフローチャートである。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
-第1実施形態-
図1は、本実施形態の成膜装置の構成を示す概念図である。成膜装置1は、真空容器10と、処理対象物Wpが載置される載置部20と、直流電源部30と、スパッタ電極31と、CVD電極34と、整合器35と、高周波電源部36と、真空排気系40と、ガス供給部50と、制御部100とを備える。真空容器10は、真空容器本体11と、開閉部12と、パッキン13と、接地部14と、シャッター15と、シャッター支持台16と、エアシリンダ17と、シリンダロッド18と、スライドピン19とを備える。スパッタ電極31は、電極部32と、ターゲット材料33とを備える。
真空容器10は、開閉部12が閉状態(図1)にあるとき、真空容器本体11と開閉部12との間に挟まれたパッキン13によりシールされる。真空容器本体11は、開口部110を備える。開閉部12が閉状態にあるとき、開口部110を開閉部12が覆うように開閉部12が配置されシールされる。開閉部12には、不図示の孔が形成されており、この孔を通過するように載置部20は開口部110と交差する方向(図1における左右方向)に移動可能に配置されている。
載置部20は、処理対象物Wpが載置される載置面21を備える部材である。載置部20は、開閉部12の閉状態において、載置面21を含む一部が真空容器10の内部に配置され、他の一部は真空容器10の外部に配置されている。載置部20は、接地部22により接地され、上記左右方向に沿って、第1位置P1と第2位置P2との間を移動可能に構成されている。載置部20が第1位置P1にあるとき、載置面21および載置面21に配置された処理対象物WpがCVD電極34と向かい合って配置され、CVDが行われる。このとき、載置部21がCVD電極34の対向電極として機能する。載置部21が第2位置P2にあるとき、載置面21および載置面21に配置された処理対象物Wpがスパッタ電極31と向かい合って配置され、スパッタリングが行われる。このとき、載置部21がスパッタ電極31の対向電極として機能する。図1では、載置部20が第2位置P2にあるときの載置部20および処理対象物Wpを破線で示した。
開閉部12が開状態にあるときは、真空容器10の内部が大気に開放される。開閉部12は、開状態において、処理対象物Wpの搬入および搬出が可能な搬入搬出位置に配置され、処理対象物Wpを載置部20から回収したり、処理対象物Wpの載置面21への配置が行われる。処理対象物Wpは、樹脂が好ましい。
直流電源部30は、直流電源を備え、スパッタ電極31に直流電圧を印加する。直流電源部30は、スパッタ電極31と電気的に接続されている。直流電源部30は、不図示の接地部により接地されている。スパッタ電極31は、不図示の絶縁部材を介して真空容器本体11に設置されている。真空容器本体11は、接地部14により接地されている。
スパッタ電極31に配置されたターゲット材料33は、クロムを主成分として含む。クロムの被膜(以下、クロム膜と呼ぶ)は、見栄えが良いため、装飾性が求められる金属光沢製品等に用いられている。具体的には、クロム膜は、L*a*b*色空間で、80以上の高いL値と、負のb値を備え、明るく青みのある光を反射する。本実施形態の方法のようにスパッタリング等のドライプロセスでクロム膜を形成することは、めっきによりクロム膜を形成する方法よりも、環境に対する負荷が低減される利点がある。
スパッタリングによる成膜では、0.1Paよりも低い圧力の高真空、10ワットよりも低い投入電力の低パワーで成膜することが常識的である。本発明の発明者らは、このような当業者の常識に反し、0.1Pa(パスカル)以上3.0Pa未満または1.0Pa未満の低真空で投入電力をターゲット材料33の表面積1cm当たり10ワット以上とすることでスパッタリングによる成膜にて意匠性の高いクロム膜を形成できることを見出した。また、発明者らは、クロム以外の金属を含む金属被膜の形成においても、同様であることも見出した。
以上から、直流電源部30は、スパッタ電極31に直流電圧を印加する際、投入電力を、ターゲット材料33の表面積1cm当たり10ワット以上とすることが好ましく、11ワット以上とすることがより好ましく、12ワット以上とすることがさらに好ましい。投入電力が上記値より低くなると、意匠性が失われ、後述するクラックを形成することも難しくなる。あまり投入電力が高いと、クロムからなるターゲット材料33が割れたりして損傷しやすくなるため、上記投入電力は、適宜ターゲット材料33の表面積1cm当たり30ワット未満または25ワット未満等とすることができる。
ターゲット材料33と載置面21との間の距離をターゲット距離Lと呼ぶ。ターゲット距離Lは、50mm以上が好ましい。ターゲット距離Lが50mm未満になると、立体の対象物の成膜が困難となる。ターゲット距離Lは、200mm以下が好ましい。ターゲット距離Lが200mmを超えると、投入電力を下げる場合と同様、意匠性が失われ、クラックを形成することが難しくなる。
シャッター15は、ターゲット材料33と隙間Cを挟んで対向する位置である第3位置P3と、スパッタリングの際にスパッタ電極31と処理対象物Wpとの間を遮らない位置である第4位置P4との間を移動可能に構成されている。第3位置P3はターゲット材料33の近傍であり、隙間Cの間隔Dは数cm以下等に設定される。シャッター15が第3位置P3にあるときシャッター15によりターゲット材料33の少なくとも一部が覆われる。シャッター15は、非磁性体であり、かつ、金属等の導電体である、アルミニウム等の材料を含んで構成される。
シャッター支持台16は、シャッター15が第4位置P4にあるときにシャッター15を支持する。エアシリンダ17は、圧縮空気のエネルギーを調節することによりシリンダロッド18を伸長させたり、収縮させたりする。シリンダロッド18は、シャッター15を下方から押圧し第4位置P4から第3位置P3へと移動させたり、シャッター15を下方から支持しながらシャッター15を第3位置P3から第4位置P4まで下降させる。スライドピン19は、シャッター15を第3位置P3に固定するピンである。シャッター15の移動の制御の詳細については、特許文献3を参照されたい。
なお、シャッター15を第3位置P3から第4位置P4まで、および、第4位置P4から第3位置P3まで移動させる方法は特に限定されない。
CVD電極34は、不図示の絶縁部材を介して真空容器本体11に設置されている。CVD電極34は、マッチングボックス等を含む整合器35および高周波電源部36と電気的に接続されている。高周波電源部36は、高周波電源を備え、高周波電圧を発生させ、この高周波電圧をCVD電極34に印加する。以下では、高周波は、20kHz以上の周波数を指す。CVD電極34に印加される高周波の周波数は特に限定されず、例えば数十kHz等とすることができる。整合器35は、高周波電源部36で発生した高周波電圧が効率よくCVD電極34に印加されるように、高周波電圧が印加される回路の入力側と出力側の電気的特性を整合させる。
真空排気系40は、真空容器10の内部を0.1Pa以上3.0Pa未満または1.0Pa未満の圧力に減圧する。真空排気系40は、不図示のターボ分子ポンプおよび補助ポンプを備える。補助ポンプは、粗びきおよびターボ分子ポンプの背圧を維持するポンプであり、ロータリーポンプ等で構成される。補助ポンプは、不図示の開閉弁を介して真空容器10と排気可能に接続されている。補助ポンプは、ターボ分子ポンプ41に排気可能に接続されている。ターボ分子ポンプは、真空容器10に排気可能に接続されている。
真空排気系40は、例えば、補助ポンプにより真空容器10の内部の圧力を100Pa程度まで減圧(粗引き)した後、ターボ分子ポンプにより0.1Pa以上3.0Pa未満または1.0Pa未満の圧力まで減圧する。これにより、短い時間で減圧を行うことができる。ターボ分子ポンプは、最大排気速度が1秒当たり300リットル以上であることが、より短い時間で減圧を行う観点から好ましい。
なお、真空容器10の内部を0.1Pa以上3.0Pa未満または1.0Pa未満の圧力まで減圧することができれば、真空排気系40の構成は特に限定されず、例えば補助ポンプとは別の粗引きポンプにより真空容器10の粗引きを行ってもよい。
ガス供給部50は、成膜処理の際に必要なガスを真空容器10の内部に供給する。
図2(A)は、ガス供給部50の構成を示す概念図である。ガス供給部50は、不活性ガス供給部51と、原料ガス供給部52とを備える。不活性ガス供給部51は、開閉弁54aと、不活性ガス流量調整弁55aと、不活性ガス格納容器G1とを備える。原料ガス供給部52は、開閉弁54bと、原料ガス流量調整弁55bと、原料ガス格納容器G2とを備える。
不活性ガス供給部51は、不活性ガスを真空容器10の内部に供給する。不活性ガスの種類は、成膜に悪影響を与えなければ特に限定されないが、アルゴン等を用いることができる。不活性ガスは不活性ガス格納容器G1に格納されており、不活性ガス格納容器G1から不活性ガス流量調整弁55aに導入される。不活性ガスは、不活性ガス流量調整弁55aで流量を調整された後、開閉弁54aに導入される。開閉弁54aは、不活性ガスの導入または非導入を切り替え、この開閉弁が開状態のときに不活性ガスを真空容器10の内部に導入する。
原料ガス供給部52は、原料ガスを真空容器10の内部に供給する。原料ガスとしては、HMDSO等のSiを含む気体を用いることができる。原料ガスは原料ガス格納容器G2に格納されており、原料ガス格納容器G2から原料ガス流量調整弁55bに導入される。原料ガスは、原料ガス流量調整弁55bで流量を調整された後、開閉弁54bに導入される。開閉弁54bは、原料ガスの導入または非導入を切り替え、この開閉弁54bが開状態のときに原料ガスを真空容器10の内部に導入する。
図2(B)は、制御部100の構成を示す概念図である。制御部100は、ラダー、PLC(Programmable Logic Controller)または中央処理装置(CPU)等の処理装置を備え、成膜装置1の制御を実行するためのプログラムが記憶された不揮発性の記憶媒体、および処理に必要なデータを一時的に記憶するメモリを備え、成膜装置1の各部の動作を制御する主体となる。
搬送制御部110は、載置部20を移動させる不図示の搬送機構を制御し、処理対象物Wpを真空容器10の外部から内部へ搬入したり、真空容器10の内部から外部へと搬出したりする。弁制御部120は、真空排気系40に配置された不図示の開閉弁、開閉弁54a、55a、不活性ガス流量調整弁55a、原料ガス流量調整弁55b等の弁を制御し、真空排気系40による排気、不活性ガス供給部51による不活性ガスの導入および原料ガス供給部52による原料ガスの導入を制御する。開閉制御部130は、開閉部12の移動を制御し、開閉部12を開状態または閉状態に切り替える。電源制御部140は、不図示の入力装置からの入力等により設定された投入電力となるように、直流電源部30の電圧印加を制御する。電源制御部140は、さらに、高周波電源部36による、CVD電極34への電圧印加の制御を行う。
図3は、本実施形態に係る成膜方法の流れを示すフローチャートである。この成膜方法は、成膜装置1により行われる。ステップS101において、搬送制御部110は、処理対象物Wpを真空容器10の内部に搬入する。搬入された処理対象物Wpは、載置面21上において、CVD電極34と対向する位置に配置される(図1において載置部20が第1位置P1にある場合に相当)。ステップS101が終了したら、ステップS103が開始される。
ステップS103において、真空排気系40は、真空容器10の内部を減圧する。真空排気系40の補助ポンプにより真空容器10の粗引きがされた後、真空排気系40のターボ分子ポンプにより、真空容器の内部が0.1Pa以上3.0Pa未満または1.0Pa未満の圧力となるまで減圧される。ステップS103が終了したら、ステップS105が開始される。
ステップS105において、不活性ガス供給部51は、真空容器10の内部に不活性ガスを導入する。不活性ガスは、例えば真空容器10の内部の圧力が0.1Pa~3Paとなるように導入することができる。ステップS105が終了したら、ステップS107が開始される。
ステップS107において、原料ガス供給部52は、成膜圧力が0.1~3Paとなるように、真空容器10の内部に原料ガスを導入する。ステップS107が終了したら、ステップS109が開始される。ステップS109において、成膜装置1は、プラズマ処理を行う。高周波電源部36は、原料ガスの存在下でCVD電極34に高周波電圧を印加し、これにより処理対象物Wpの基材の表面を清浄するための表面活性化処理がなされ、形成された金属被膜の基材への密着力を上げることができる。ステップS109が終了したら、ステップS111が開始される。
なお、所望の精度でクロム膜の成膜を行うことができれば、プラズマ処理を省略してもよい。
ステップS111において、搬送制御部110は、載置部20を移動させ、真空容器10の内部で処理対象物Wpを移動させる。ステップS111が終了したら、ステップS113が開始される。
ステップS113において、直流電源部30は、ターゲット材料33の表面積1cm当たり10ワット以上の投入電力となるように、スパッタ電極31に直流電圧を印加する。スパッタリング現象により、ターゲット材料33から放出された、ターゲット材料33を構成するクロムが、処理対象物Wpの表面に入射し、クロムの金属被膜が形成される。ステップS113が終了したら、ステップS115が開始される。
ステップS115において、搬送制御部110は、処理対象物Wpを真空容器10から搬出する。適宜、不図示のドライエア格納容器から供給されたドライエアが真空容器10に導入され、真空容器10内がベントされる。このドライエアの導入は空気中の水分の真空容器10への付着量を低減し、次に真空容器10で成膜を行う場合に排気時間の短縮が可能になる点で好ましい。その後、開閉部12が開状態とされて搬入搬出位置に移動され、成膜された処理対象物Wpが搬出される。ステップS109が終了したら、処理が終了される。
なお、ドライエアの代わりに、窒素等の不活性ガスを用いてもよい。
図4は、処理対象物Wpに金属被膜60としてクロム膜61が形成された樹脂製品Pr1を示す概念図である。図4中の破線は、樹脂製品Pr1において図示した部分と図示を省略した部分の境界を示し、樹脂製品を示す以下の各図でも同様である。本実施形態に係る成膜方法によると、処理対象物Wpを構成する樹脂70の表面上に均一なクラックを有したクロム膜61を形成することができる。クロム膜61の厚さD1は、樹脂製品の用途等に応じて適宜設定することができる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、上述の実施形態と組み合わせることが可能である。以下の変形例において、上述の実施形態と同様の構造、機能を示す部位等に関しては、同一の符号で参照し、適宜説明を省略する。
(変形例1)
上述の実施形態において、ステップS113のスパッタリングを行う前に、ステップS113と同様のスパッタリング条件でプレスパッタリングを行ってもよい。これにより、ターゲット材料33の表面を削ること等により、当該表面に存在していた不純物を除去することができ、その後の成膜により、純度の高いクロム膜を形成することができる。
図5は、本変形例の成膜装置2の構成を示す概念図である。成膜装置2は、複数のスパッタ電極を備える。成膜装置2は、第1スパッタ電極31a、第2スパッタ電極31b、第1スパッタ電極31aと電気的に接続された第1直流電源部30a、および、第2スパッタ電極31bと電気的に接続された第2直流電源部30bを備える。第1スパッタ電極31aは、第1電極部32aと第1ターゲット材料33aとを備える。第2スパッタ電極31bは、第2電極部32bと第2ターゲット材料33bとを備える。第1スパッタ電極31a、第1電極部32aおよび第1ターゲット材料33aは、上述の実施形態のスパッタ電極31、電極部32およびターゲット材料33と同様であるため説明を省略する。成膜装置2は、上述の実施形態におけるCVD電極34、整合器35および高周波電源部36の代わりに、第2直流電源部30bおよび第2スパッタ電極31bを備える点が成膜装置1とは異なっている。
第2直流電源部30bは、直流電源を備え、第2スパッタ電極31bに直流電圧を印加する。直流電源部30bは、不図示の接地部により接地されている。第2スパッタ電極31bは、不図示の絶縁部材を介して真空容器本体11に設置されている。第2スパッタ電極31bに配置された第2ターゲット材料33bを構成する物質は特に限定されず、目的または用途に合わせて適宜選択される。
成膜装置2において、載置部20が第1位置P1にあるとき、載置面21に配置された処理対象物Wpは第2スパッタ電極31bと対向する。成膜装置2において、載置部20が第2位置P2にあるとき、載置面21に配置された処理対象物Wpは第1スパッタ電極31aと対向する。本変形例の成膜方法では、載置部20を第1位置P1に配置しながら、第1直流電源部30aが第1スパッタ電極31aに直流電圧を印加し、プレスパッタリングを行う例を説明する。プレスパッタリングは、上述の実施形態のスパッタリング条件で同様の条件で行うことができる。これにより、第1ターゲット材料33aの表面を削ること等により、当該表面に存在していた不純物を除去することができ、その後の成膜により、純度の高いクロム膜を形成することができる。
図6は、本変形例における成膜方法の流れを示すフローチャートを示す図である。この成膜方法は、成膜装置2により行われる。ステップS201において、搬送制御部110は、処理対象物Wpを真空容器10の内部に搬入する。搬入された処理対象物Wpは、載置面21上において、第2スパッタ電極31bと対向する位置に配置される(図5)。ステップS201が終了したら、ステップS203が開始される。ステップS203およびS205は、上述の図3のフローチャートのステップS103およびS105と同様であるため説明を省略する。ステップS205が終了したら、ステップS207が開始される。
ステップS207において、処理対象物Wpが第2スパッタ電極31bと対向する位置にある状態で、第1直流電源部30aは、第1スパッタ電極31aに直流電圧を印加する(プレスパッタリング)。このときにスパッタ電極31aに印加する電圧の投入電力等の条件は、第1ターゲット材料31aの表面にある不純物を除去できれば特に限定されないが、例えばクロム膜を形成するスパッタリングの際と同様の条件にすることができる。ステップS207が終了したら、ステップS209が開始される。
ステップS209において、搬送制御部110は、載置部20を第1位置P1から第2位置P2へ移動させ、真空容器10の内部で処理対象物Wpを移動させる。処理対象物Wpは、第1スパッタ電極31aに対向する位置に配置される。ステップS209が終了したら、ステップS211が開始される。ステップS211およびステップS213は、上記図3のフローチャートのステップS113およびS115と同様であるため、説明を省略する。
(変形例2)
上述の実施形態または変形例において、クロム膜の上に、さらにアルミニウム等の金属被膜を形成してもよい。これにより、得られる金属被膜の表面反射率(明度)または色合いを調節することができる。特に、アルミニウムはクロムよりも表面反射率が高いため、より輝きの強い金属被膜を得ることができる。
本変形例に係る成膜方法には、例えば上述の成膜装置2を用いることができる。この場合、成膜装置2の第2ターゲット材料33bがアルミニウムを主成分として含む構成とし、第2スパッタ電極31bと対向する位置に配置された処理対象物Wpにアルミニウム等の金属被膜をスパッタリングにより形成することができる。以下では、第2ターゲット材料33bがアルミニウムを主成分として含み、アルミニウムの金属被膜(以下、アルミニウム膜と呼ぶ)をクロム膜の上に形成する例を用いて説明する。
図7は、本変形例の成膜方法の流れを示すフローチャートを示す図である。ステップS301~S311は、それぞれ上記図6のフローチャートのステップS201~S211と同様であるため説明を省略する。ステップS311が終了したら、ステップS313が開始される。
なお、所望の精度でクロム膜等の成膜を行うことができれば、ステップS307のプレスパッタリングは省略してもよい。
ステップS313において、搬送制御部110は、載置部20を第2位置P2から第1位置P1へ移動させ、真空容器10の内部で処理対象物Wpを移動させる。処理対象物Wpは、第2スパッタ電極31bに対向する位置に配置される。ステップS313が終了したら、ステップS315が開始される。
ステップS315において、第2直流電源部31bは、第2スパッタ電極31bに直流電圧を印加する。投入電力等の条件は、例えば数十nm等の厚さで所望の精度のアルミニウム膜が形成されれば特に限定されない。スパッタリング現象により、第2ターゲット材料33bから放出された、第2ターゲット材料33bを構成するアルミニウムが、処理対象物Wpの表面に入射し、アルミニウム膜が形成される。ステップS315が終了したら、ステップS317が開始される。ステップS317は、上記図6のフローチャートのステップS213と同様であるため説明を省略する。
図8は、クロム膜61とアルミニウム膜62を含む金属被膜60が処理対象物Wpの上に形成された樹脂製品Pr2を示す概念図である。アルミニウムはL*a*b*色空間で、正のb値を備えるため、色合いの観点から好まれない場合がある。クロム膜の厚さD1およびアルミニウム膜の厚さD2は特に限定されない。金属被膜60(Cr+Al積層膜)上にハードコートを行い、色調の調節を行うことが可能である。クロムに対するハードコートよりもアルミニウムに対するハードコートのほうが製品化されている実績が多く課題が少ないという利点がある。またクロムのb値の影響を得るためにはアルミニウム膜の膜厚のみ薄くすることまたはアルミニウムの純度を上げることなどを行うことができる。
(変形例3)
上述の実施形態または変形例において、スパッタリングにより金属被膜60が形成された処理対象物Wpは、加熱処理をしなくても膜応力によりクラックを有している。このような電波透過性を有する金属被膜60は、電波を受信または送信するための機器または機械等に用いることができ、例えば、自動車のドアハンドルおよびエンブレム、時計ならびにスマートフォンのケース等に用いることができる。
図9は、クラックが形成された樹脂製品の表面を含む一部を示す斜視図である。クロム膜61の厚さD1が薄すぎるとクロムの輝きおよび色合いが十分に出ないために好ましくなく、厚すぎるとクラックCkの形成が難しくなったり、成膜に時間がかかり生産効率が低下する。クロム膜61の厚さD1は、これらの観点から適宜調節されるが、例えば10nm以上100nm以下等にすることができる。
(変形例4)
上述の実施形態または変形例において、処理対象物Wpは、基材である樹脂の上に下地層が形成されたものとすることができる。下地層があれば金属被膜60を割り切るクラックを形成することができるため、形成された金属被膜60はより高い電気抵抗値を取れるようになる。
図10は、本変形例で得られる樹脂製品Pr3の表面を含む一部を示す斜視図である。樹脂70と下地層71とを備える処理対象物Wpが、上述の実施形態または変形例における成膜に供され、クロム膜61およびアルミニウム膜62を含む金属被膜60が形成される。
なお、図10では、金属被膜60がクロム膜61とアルミニウム膜62とを含む構成としたが、金属被膜60がクロム膜61の一層からなる構成としてもよい。
下地層71は、基材樹脂70の影響を抑制し、クラックCkを管理することができる。下地層71を構成する樹脂は、ポリエステル樹脂、親水性(メタ)アクリル樹脂、水酸基を有する樹脂またはイソシアネート化合物等とすることができる。下地層71は、これらの樹脂を適当な溶媒に溶解させた塗布液をスプレー塗布などの塗工法により樹脂70上に塗布することで形成することができる。下地層71の厚さは、適宜調節可能だが、例えば1μm~40μmとすることができる。
金属被膜60を下地層71の上に形成し、金属被膜60に所望の電気抵抗値が必要な場合は、加熱処理によりクラックCkが形成される。以下、加熱処理と記載した場合はクラックを形成させるための加熱処理を指す。
処理対象物Wpの樹脂70の線膨張係数は、金属被膜60を構成するクロム等の金属の線膨張係数よりも高いものとする。この際、加熱処理により樹脂70が膨張すると、金属被膜60が樹脂70の膨張に追従できず割れ、金属被膜60にクラックCkが形成される。加熱処理の際の加熱温度が低すぎると、クラックCkを裂き切ることができず好ましい電気抵抗値を得ることが難しいが、加熱温度が高すぎると、大きなクラックCkが形成され目視可能となり外観不良となるため好ましくない。所望の形状のクラックCkを形成するため、加熱温度は樹脂材質により適宜調節されるが、例えば、加熱温度は、樹脂70のガラス転移温度よりも50℃低い温度よりも高く、かつ、当該ガラス転移温度よりも50℃高い温度よりも低くすることができる。
加熱処理の際の加熱時間は、所望の形状のクラックCkが得られれば特に限定されないが、あまり長いと生産効率が低下するため、例えば1分から60分等とすることができる。
上述の加熱処理により得られるクラックCkは、下地層71とクロム膜61との間の界面におけるクロム膜自体を割り切ることができる。これにより、クロム膜61における隣り合う断片同士が確実に絶縁され、所望の電気抵抗値が得られる。
(変形例5)
上述の実施形態または変形例において、成膜により得られた金属被膜60に、誘電体膜からなる干渉光学層または、顔料若しくは染料を適宜含む保護層を設けて、輝度、色合いまたは耐久性等を調節してもよい。
(変形例6)
上述の実施形態または変形例において、プレスパッタリングを省略してもよい。図11は、変形例2の場合でプレスパッタリングを省略した場合の成膜方法の流れを示すフローチャートを示す図である。ステップS401において、搬送制御部110は、処理対象物Wpを真空容器10の内部に搬入する。搬入された処理対象物Wpは、載置面21上において、第1スパッタ電極31aと対向する位置に配置される。ステップS401が終了したら、ステップS403が開始される。ステップS403~S413は、それぞれ上記図7のフローチャートのステップS303、S305およびS311~S317と同様であるため、説明を省略する。
(変形例7)
上述の実施形態または変形例において、金属被膜60として、アルミニウム膜を形成した後、クロム膜を形成してもよい。これにより、例えば基材70が透光性を有し、基材70の側から金属被膜60が視認される場合に、アルミニウムはクロムよりも表面反射率が高いため、より輝きの強い金属被膜を得ることができる。図12は、変形例6においてクロム膜の形成とアルミニウム膜の形成の順序を逆とした場合の成膜方法の流れを示すフローチャートを示す図である。
ステップS501において、搬送制御部110は、処理対象物Wpを真空容器10の内部に搬入する。搬入された処理対象物Wpは、載置面21上において、第2スパッタ電極31bに対向する位置に配置される。ステップS501が終了したら、ステップS503が開始される。ステップS503~S507は、図11のフローチャートのステップS403、S405およびS411と同様であるため説明を省略する。ステップS507が終了したら、ステップS509が開始される。
ステップS509において、搬送制御部110は、載置部20を第1位置P1から第2位置P2へ移動させ、真空容器10の内部で処理対象物Wpを移動させる。処理対象物Wpは、第1スパッタ電極31aに対向する位置に配置される。ステップS509が終了したら、ステップS511が開始される。ステップS511およびS513は、上記フローチャートのステップS407およびS413と同様であるため説明を省略する。
(態様)
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)一態様に係る成膜方法は、樹脂を含む処理対象物にスパッタリングによる成膜を行う成膜方法であって、前記処理対象物を、真空容器の内部に配置することと、前記真空容器の内部を0.1パスカル以上3.0パスカル未満の圧力に減圧することと、前記真空容器の内部に不活性ガスを導入することと、クロムを含むターゲット材料が配置されて前記真空容器の内部に設けられたスパッタ電極に、前記ターゲット材料の表面積1平方センチメートル当たり10ワット以上の投入電力となるように、前記スパッタ電極に直流電圧を印加することとを備える。これにより、反射率が高く、例えばクロムめっきと同等のLab色空間上での値により表現される光を反射可能であり、クラックを形成可能なクロムの被膜を処理対象物に形成することができる。
(第2項)他の一態様に係る成膜方法では、第1項に記載の成膜方法において、前記スパッタ電極に、前記ターゲット材料の表面積に対して、1平方センチ当たり10ワット以上25ワット未満の投入電力となるように、前記スパッタ電極に直流電圧が印加される。これにより、成膜の際、ターゲット材料が割れる等の損傷を防ぐことができる。
(第3項)他の一態様に係る成膜方法では、第1項または第2項に記載の成膜方法において、前記スパッタ電極に直流電圧を印加するとき、前記処理対象物と前記ターゲット材料との間の距離は50mm以上200mm以下である。これにより、より反射率の高いクロムの被膜を形成することができる。
(第4項)他の一態様に係る成膜方法では、第1項から第3項までのいずれか一項に記載の成膜方法において、前記処理対象物を前記ターゲット材料と対向しない位置に配置し、前記スパッタ電極に直流電圧を印加してプレスパッタリングを行うことを備える。これにより、不純物の少ない金属被膜を得ることができる。
(第5項)他の一態様に係る成膜方法では、第1項から第4項までのいずれかに記載の成膜方法において、前記真空容器の内部に原料ガスを供給することと、前記真空容器の内部に配設されたCVD電極に高周波電圧を印加することとを備える。これにより、プラズマ処理等のCVD電極を用いた処理を行うことにより、より品質の良いクロム膜を形成することができる。
(第6項)一態様に係る樹脂製品の製造方法は、電波透過性の金属被膜を有する樹脂製品の製造方法であって、第1項から第5項までのいずれかに記載の成膜方法により、樹脂を含む処理対象物にクロム膜を形成することと、膜応力により、前記クロム膜にクラックを形成することとを備える。これにより、反射率の高いクロム膜を備える樹脂製品を得ることができ、さらに電波を利用する機器または機械等に好適に設置することができる。
(第7項)他の一態様に係る樹脂製品の製造方法では、第6項に記載の樹脂製品の製造方法において、スパッタリングにより、前記クロム膜の上に、クロムよりも表面反射率の高い金属を含む被膜を形成することを備える。これにより、より輝きの強い金属被膜を有する樹脂製品を提供することができる。
(第8項)他の一態様に係る樹脂製品の製造方法では、第6項または第7項に記載の樹脂製品の製造方法において、前記樹脂の上に下地層を形成することを含み、前記下地層が形成された前記処理対象物の前記下地層に前記成膜が行われ、前記クロム膜が形成される。これにより、クロム膜の断片同士をより確実に絶縁することができる。
(第9項)他の一態様に係る樹脂製品の製造方法では、第8項に記載の樹脂製品の製造方法において、前記処理対象物を加熱処理に供し、前記クロム膜を含む金属被膜と前記樹脂との間の線膨張係数の差により前記クロム膜にクラックが形成される。これにより、さらに確実にクロム膜の断片同士を絶縁することができる。
(第10項)一態様に係る成膜装置は、樹脂を含む処理対象物にスパッタリングによる成膜を行う成膜装置であって、前記処理対象物を収納する真空容器と、前記真空容器の内部を0.1パスカル以上3.0パスカル未満の圧力に減圧する減圧部(真空排気系40)と、前記真空容器の内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、クロムを含むターゲット材料が配置されて前記真空容器の内部に配設されたスパッタ電極と、前記ターゲット材料の表面積1平方センチメートル当たり10ワット以上の投入電力となるように、前記スパッタ電極に直流電圧を印加する直流電源とを備える。これにより、反射率が高く、例えばクロムめっきと同等のLab色空間上での値により表現される光を反射可能であり、クラックを形成可能なクロムの被膜を処理対象物に形成することができる。
(第11項)他の一態様に係る成膜装置では、第10項に記載の成膜装置において、前記直流電源は、前記投入電力が前記ターゲット材料の表面積1平方センチメートル当たり10ワット以上25ワット未満となるように前記スパッタ電極に直流電圧を印加する。これにより、成膜の際、ターゲット材料が割れる等の損傷を防ぐことができる。
(第12項)他の一態様に係る成膜装置では、第10項または第11項に記載の成膜装置において、前記真空容器の内部に、前記スパッタ電極に加えて配設された、スパッタ電極またはCVD電極を備える。これにより、プレスパッタリングまたは、プラズマ処理等のCVD電極を用いた処理を行うことにより、より品質の良いクロム膜を形成することができる。
本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1,2…成膜装置、10…真空容器、11…真空容器本体、12…開閉部、15…シャッター、16…シャッター支持部、17…エアシリンダ、18…シリンダロッド、19…スライドピン、20…載置部、30…直流電源部、30a…第1直流電源部、30b…第2直流電源部、31…スパッタ電極、31a…第1スパッタ電極、31b…第2スパッタ電極、32…電極部、32a…第1電極部、32b…第2電極部、33…ターゲット材料、33a…第1ターゲット材料、33b…第2ターゲット材料、34…CVD電極、35…整合部、36…高周波電源部、40…真空排気系、50…ガス供給部、51…不活性ガス供給部、52…原料ガス供給部、60…金属被膜、61…クロム膜、62…アルミニウム膜、70…樹脂、71…下地層、100…制御部、C…隙間、Ck…クラック、Pr1,Pr2,Pr3…樹脂製品、Wp…処理対象物。

Claims (10)

  1. 樹脂を含む処理対象物にスパッタリングによる成膜を行う成膜方法であって、
    前記処理対象物を、真空容器の内部に配置することと、
    前記真空容器の内部を0.1パスカル以上3.0パスカル未満の圧力に減圧することと、
    前記真空容器の内部に不活性ガスを導入することと、
    クロムを含むターゲット材料が配置されて前記真空容器の内部に設けられたスパッタ電極に、前記ターゲット材料の表面積1平方センチメートル当たり10ワット以上の投入電力となるように、前記スパッタ電極に直流電圧を印加することと、
    を備え
    前記スパッタ電極に、前記ターゲット材料の表面積に対して、1平方センチ当たり10ワット以上25ワット未満の投入電力となるように、前記スパッタ電極に直流電圧が印加される成膜方法。
  2. 請求項に記載の成膜方法において、
    前記スパッタ電極に直流電圧を印加するとき、前記処理対象物と前記ターゲット材料との間の距離は50mm以上200mm以下である成膜方法。
  3. 請求項1または2に記載の成膜方法において、
    前記処理対象物を前記ターゲット材料と対向しない位置に配置し、前記スパッタ電極に直流電圧を印加してプレスパッタリングを行うことを備える成膜方法。
  4. 請求項1からまでのいずれか一項に記載の成膜方法において、
    前記真空容器の内部に原料ガスを供給することと、
    前記真空容器の内部に配設されたCVD電極に高周波電圧を印加することと
    を備える成膜方法。
  5. 樹脂を含む処理対象物にスパッタリングによる成膜を行う成膜方法であって、
    前記処理対象物を、真空容器の内部に配置することと、
    前記真空容器の内部を0.1パスカル以上3.0パスカル未満の圧力に減圧することと、
    前記真空容器の内部に不活性ガスを導入することと、
    クロムを含むターゲット材料が配置されて前記真空容器の内部に設けられたスパッタ電極に、前記ターゲット材料の表面積1平方センチメートル当たり10ワット以上の投入電力となるように、前記スパッタ電極に直流電圧を印加することと、
    を備える成膜方法により、樹脂を含む処理対象物にクロム膜を形成することと、
    膜応力により、前記クロム膜にクラックを形成することとを備える、電波透過性の金属被膜を有する樹脂製品の製造方法。
  6. 請求項に記載の樹脂製品の製造方法において、
    スパッタリングにより前記クロム膜の上に、クロムよりも表面反射率の高い金属を含む被膜を形成することを備える樹脂製品の製造方法。
  7. 請求項またはに記載の樹脂製品の製造方法において、
    前記樹脂の上に下地層を形成することを含み、
    前記下地層が形成された前記処理対象物の前記下地層に前記成膜が行われ、前記クロム膜が形成される樹脂製品の製造方法。
  8. 請求項に記載の樹脂製品の製造方法において、
    前記処理対象物を加熱処理に供し、前記クロム膜を含む金属被膜と前記樹脂との間の線膨張係数の差により前記クロム膜にクラックが形成される、樹脂製品の製造方法。
  9. 樹脂を含む処理対象物にスパッタリングによる成膜を行う成膜装置であって、
    前記処理対象物を収納する真空容器と、
    前記真空容器の内部を0.1パスカル以上3.0パスカル未満の圧力に減圧する減圧部と、
    前記真空容器の内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給部と、
    クロムを含むターゲット材料が配置されて前記真空容器の内部に設けられたスパッタ電極と、
    前記ターゲット材料の表面積1平方センチメートル当たり10ワット以上の投入電力となるように、前記スパッタ電極に直流電圧を印加する直流電源とを備え
    前記直流電源は、前記投入電力が前記ターゲット材料の表面積1平方センチメートル当たり10ワット以上25ワット未満となるように前記スパッタ電極に直流電圧を印加する成膜装置。
  10. 請求項に記載の成膜装置において、
    前記真空容器の内部に、前記スパッタ電極に加えて配設された、スパッタ電極またはCVD電極を備える成膜装置。
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