JP7186337B1 - ばね部材 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2021年2月26日に日本に出願された特願2021-029867号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
第1方向に積層された複数の基板部を備えているので、複数のばね突片の例えばヤング率等の物性値の選択の幅を容易に広げること等が可能になり、ばね部材を適用可能な製品に構造や種類上の制限を生じさせにくくすることができる。
本実施形態のばね部材1は、図1Aおよび図1Bに示されるように、第1方向Zで互いに対向する一対の被押圧体W1、W2の間に設けられる。ばね部材1は、第1方向Zに積層された複数の基板部11a、11bを備えている。基板部11a、11bは、各々の表裏面が第1方向Zに向けられた状態で設けられている。第1方向Zで互いに隣り合う基板部11a、11bは、例えば溶接、加締め、枠体、ピン、若しくは締結部材等により互いに固定されている。基板部11a、11bは、例えば炭素鋼、若しくはステンレス鋼等で形成されている。
なお、第1方向Zで互いに隣り合う基板部11a、11bは、枠体、若しくはピン等により、第1方向Zに直交する平面に沿う沿面方向(すなわち当該平面に平行な方向、または第1方向Zに直交する方向)で互いに位置決めされてもよい。
ばね突片12は、第1方向Zから見て、4つの辺部分を有する矩形状を呈する。ばね突片12は、第1方向Zから見て、4つの辺部分のうちの対辺の長さが互いに等しい矩形状を呈する。なお、ばね突片12は、第1方向Zから見て、台形状等を呈してもよい。
以下、沿面方向のうち、ばね突片12における基端部12aおよび先端部12bに直交する方向を第2方向Xといい、ばね突片12における基端部12aおよび先端部12bに沿う方向を第3方向Yという。
なお、第2方向Xおよび第3方向Yそれぞれのピッチ間隔を、不均一にしてもよいし、基板部11a、11bにおいて互いに異ならせる等してもよい。
なお、基板部11a、11bの、各基板部に形成された複数のばね突片12のうち、一部のばね突片12と、他のばね突片12と、で第1方向Zに突出する向きを互いに逆向きにしてもよい。
基板部11a、11bの、各基板部に形成された複数のばね突片12の、第1方向Zに対する傾斜角度は互いに同等になっている。この傾斜角度は、基板部11a、11bにおいても互いに同等になっている。なお、それぞれの基板部11a、11bに形成された複数のばね突片12のうち、少なくとも一部のばね突片12の前記傾斜角度を、他のばね突片12の前記傾斜角度と異ならせてもよい。
第1挿通孔13は、それぞれの基板部11a、11bにおいて、複数のばね突片12と第1方向Zで対向する全ての位置に各別に設けられている。第1挿通孔13の大きさは、それぞれの基板部11a、11bにおいて、第1挿通孔13と第1方向Zで対向するばね突片12の大きさ以上となっている。本実施形態では、ばね突片12および第1挿通孔13は、プレス成形により形成されている。
なお、それぞれの基板部11a、11bに形成された複数のばね突片12について、長さ、幅、および厚さといった外形寸法を互いに同じにしたうえで、ばね突片12に厚さ方向に貫く貫通孔を形成することによって、ばね突片12の体積を、それぞれの基板部11a、11bに形成された複数のばね突片12のうち、少なくとも一部のばね突片12と、他のばね突片12と、で互いに異ならせてもよい。
以上より、沿面方向において、ばね突片12が設けられている複数個所のうち、ばね部材1の外周縁部に設けられている各個所のばね定数が、ばね部材1における沿面方向の中央領域に設けられている各個所のばね定数より高くなっている。
第1方向Zに積層された複数の基板部11a、11bを備えているので、複数のばね突片12の例えばヤング率等の物性値の選択の幅を容易に広げること等が可能になり、ばね部材1を適用可能な製品に構造や種類上の制限を生じさせにくくすることができる。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
以上より、ばね部材2では、沿面方向において、ばね突片12が設けられている複数個所のうち、ばね部材2の外周縁部に設けられている各個所のばね定数が、ばね部材2における沿面方向の中央領域に設けられている各個所のばね定数より低くなっている。
なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
以上より、ばね部材3では、沿面方向において、ばね突片12が設けられている複数個所のうち、ばね部材3の外周縁部に設けられている各個所のばね定数が、ばね部材3における沿面方向の中央領域に設けられている各個所のばね定数より高くなっている。
第2基板部11bの表裏面のうち、一対の被押圧体W1、W2のうちの第2被押圧体W2を向く面における沿面方向の中央領域に、凹部11cが形成されることで、第2基板部11bにおける沿面方向の中央領域の厚さが、第2基板部11bの外周縁部の厚さより薄くなっている。凹部11cは、例えばエッチング、切削、若しくはプレス等により形成される。本実施形態における複数のばね突片12は、凹部11cの形成後に、プレス成形により形成されている。
凹部11cは、第2基板部11bの表裏面のうち、一対の被押圧体W1、W2のうちの第1被押圧体W1を向く面に形成してもよい。
なお、この第4実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
以上より、沿面方向において、ばね突片12が設けられている複数個所のうち、ばね部材4の外周縁部に設けられている各個所のばね定数が、ばね部材4における沿面方向の中央領域に設けられている各個所のばね定数より高くなっている。
なお、この第5実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
第1基板部11aのうち、外周縁部にのみ複数のばね突片12が形成され、沿面方向の中央領域には第2挿通孔14が形成されている。第2挿通孔14は、第2基板部11bに形成されたばね突片12より大きくなっている。第2基板部11bのうち、沿面方向の中央領域にのみ複数のばね突片12が形成され、外周縁部には、ばね突片12が形成されておらず、外周縁部は、平坦に形成されている。
以上より、沿面方向において、ばね突片12が設けられている複数個所のうち、ばね部材5の外周縁部に設けられている各個所のばね定数が、ばね部材5における沿面方向の中央領域に設けられている各個所のばね定数と異なっている。
なお、第1基板部11aと第2基板部11bとで材料のヤング率を異ならせるには、材料の材質そのものを異ならせるほか、同じ材質の材料に対して、例えば熱処理等の有無、若しくは熱処理等の条件を異ならせてもよい。
なお、この第6実施形態においては、図5Aおよび図5Bに示した第5実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
図6に示すように、第2基板部11bに形成された複数のばね突片12の厚さが、第1基板部11aに形成された複数のばね突片12の厚さより薄くなっている。第2基板部11bの厚さが、第1基板部11aの厚さより薄くなっている。
なお、第2基板部11bに形成された複数のばね突片12の厚さを、第1基板部11aに形成された複数のばね突片12の厚さより厚くしてもよい。第2基板部11bの厚さを、第1基板部11aの厚さより厚くしてもよい。また、第1基板部11aを形成する材料のヤング率を、第2基板部11bを形成する材質のヤング率と異ならせてもよい。
なお、この第7実施形態においては、図4Aおよび図4Bに示した第4実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
なお、第1基板部11aとして、金属材料で形成され、かつ第1基板部11aのうちの少なくともばね突片12が電気絶縁材料で被覆された構成等を採用してもよい。
なお、この第8実施形態においては、図5Aおよび図5Bに示した第5実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
なお、第2基板部11bとして、金属材料で形成され、かつ第2基板部11bのうち、少なくとも一対の被押圧体W1、W2のうちの第2被押圧体W2に当接する部分が、電気絶縁材料で被覆された構成等を採用してもよい。
なお、この第9実施形態においては、図3Aおよび図3Bに示した第3実施形態における構成要素と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
第2基板部11bに形成された複数のばね突片12の全てが、第1被押圧体W1に当接する。
以上より、沿面方向において、ばね突片12が設けられている複数個所のうち、ばね部材9の外周縁部に設けられている各個所のばね定数が、ばね部材9における沿面方向の中央領域に設けられている各個所のばね定数より高くなっている。
凹部11cは、第2基板部11bの表裏面のうち、一対の被押圧体W1、W2のうちの第1被押圧体W1を向く面に形成してもよい。
前記実施形態では、沿面方向において、ばね突片12が設けられている複数個所のうち、ばね部材の外周縁部に設けられている各個所のばね定数が、ばね部材における沿面方向の中央領域に設けられている各個所のばね定数と異なっている構成を示したが、これに限らず例えば、第2方向X、若しくは第3方向Yの複数の位置の間で異ならせたり、沿面方向において千鳥状に異ならせたりする等、適宜変更してもよい。
この構成において、第1方向Zで互いに隣り合う基板部11a、11bに形成された各ばね突片12の先端部12b同士が、第1方向Zに積層された構成等を採用してもよい。
11a、11b 基板部
12 ばね突片
12a 基端部
12b 先端部
13 第1挿通孔(挿通孔)
14 第2挿通孔(挿通孔)
W1、W2 被押圧体
X 第2方向
Y 第3方向
Z 第1方向
Claims (6)
- 第1方向で互いに対向する一対の被押圧体の間に設けられるばね部材であって、
前記第1方向に積層された複数の基板部を備え、
それぞれの前記基板部に、一対の前記被押圧体のうちのいずれか一方の被押圧体に向けて突出し、一対の前記被押圧体を互いが前記第1方向に離反する向きに付勢する複数のばね突片が形成され、
前記第1方向で互いに隣り合う2つの前記基板部のうち、前記一方の被押圧体寄りに位置する前記基板部には、もう一方の前記基板部の前記ばね突片が、前記第1方向に貫通した状態で挿通された挿通孔が形成され、
前記第1方向に直交する平面に沿う沿面方向において、前記ばね突片が設けられている複数個所のうち、少なくとも一部の個所におけるばね定数が、他の個所におけるばね定数と異なっている、ばね部材。 - 複数の前記基板部の、少なくとも1つの基板部に形成された複数の前記ばね突片のうち、前記一部の個所に設けられた前記ばね突片の体積が、前記他の個所に設けられた前記ばね突片の体積と異なっている、請求項1に記載のばね部材。
- 前記一部の個所に位置する前記ばね突片の数量が、前記他の個所に位置する前記ばね突片の数量と異なるとともに、同一の個所に位置する複数の前記ばね突片は、前記第1方向に積層されている、請求項1または2に記載のばね部材。
- 複数の前記基板部のうち、少なくとも1つの前記基板部を形成する材料のヤング率は、他の前記基板部を形成する材料のヤング率と異なっている、請求項1から3のいずれか1項に記載のばね部材。
- 前記基板部のうち、前記被押圧体に当接する部分の少なくとも一部は、この被押圧体に対して電気的に絶縁され、
一対の前記被押圧体を、電気的に絶縁した状態で互いが前記第1方向に離反する向きに付勢する、請求項1から4のいずれか1項に記載のばね部材。 - 第1方向で互いに対向する一対の被押圧体の間に設けられるばね部材であって、
表裏面が前記第1方向を向く基板部を1つ備え、
前記基板部に、前記第1方向に突出し、一対の前記被押圧体を互いが前記第1方向に離反する向きに付勢する複数のばね突片が形成され、
複数の前記ばね突片のうち、少なくとも一部の前記ばね突片の厚さが、他の前記ばね突片の厚さと異なっている、ばね部材。
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