JP7184265B2 - 紡績糸ならびにこの紡績糸を用いた生地、加工生地および加工生地の製造方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
単繊維繊度2.4dtex、繊維長35mmの疎水性吸放湿吸湿発熱性繊維と、単繊維繊度1.7dtex、繊維長38mmの水溶性ビニロン繊維(溶解繊維)と、単繊維繊度1.0dtex、繊維長38mmのポリエステル繊維(疎水性繊維)とを用意した。
-実施例1-
図1(a)および(b)に示すように、練条機に使用する8本のスライバーのうち、2本の第一スライバーS1を中心に、その両側に2本ずつの合計4本に第二スライバーS2を使用し、残る両側の2本に第四スライバーS4を使用して粗糸を作製した。
得られた粗糸を引き延ばしながらよりをかけてボビンに巻き取って、第一スライバーS1が中芯となり、第二スライバーS2が中間層となり、第四スライバーS4が外層となる40番手相当の実施例1に係る紡績糸を完成させた。
図2(a)および(b)に示すように、練条機に使用する8本のスライバーのうち、上記実施例1の第四スライバーS4を第五スライバーS5に変更した以外は、当該実施例1と同様にして、第一スライバーS1が中芯となり、第二スライバーS2が中間層となり、第五スライバーS5が外層となる40番手相当の実施例2に係る紡績糸を完成させた。
練条機に使用する8本のスライバーを、全て第四スライバーS4とした以外は、上記実施例1と同様にして40番手相当の比較例1に係る紡績糸を完成させた。
練条機に使用するスライバーを、全て第五スライバーS5とした以外は、上記実施例1と同様にして40番手相当の比較例2に係る紡績糸を完成させた。
上記実施例1~2、比較例1~2の各紡績糸を使用してそれぞれの生地を作製した。
生地は、編釜径3.5インチの汎用タイプの一口試験筒編み機を使用し、1インチ当たりのタテ/ヨコが37±1本/26±1本となるようにした、135±5g/m2の天竺編みである。
このようにして得られた実施例1に係る紡績糸を使用した生地を90℃で湯洗し、水溶性ビニロン繊維を溶解させ、溶解した跡が空隙となって、実質的に疎水性吸放湿吸湿発熱性繊維とポリエステル繊維と空隙とによって形成された40番手相当の紡績糸による天竺編みの加工生地となった。
この加工生地を構成する紡績糸は、図1(c)に示すように、水溶性ビニロン繊維を溶解させたことにより、中芯が空隙Vで構成され、中間層が疎水性吸放湿吸湿発熱性繊維aとポリエステル繊維pと空隙Vによって構成され、外層が疎水性吸放湿吸湿発熱性繊維aとポリエステル繊維pとによって構成され、空隙Vは、中心から外に向かうにしたがって疎から密になるように構成されたものとなった。
このようにして得られた実施例2に係る紡績糸を使用した生地は、上記実施例1と同じ条件で湯洗することで、水溶性ビニロン繊維を溶解させ、溶解した跡が空隙となって、実質的に疎水性吸放湿吸湿発熱性繊維とポリエステル繊維と空隙とによって形成された40番手相当の紡績糸による天竺編みの加工生地となった。
この加工生地を構成する紡績糸は、図2(c)に示すように、中芯が空隙Vで構成され、中間層が疎水性吸放湿吸湿発熱性繊維aとポリエステル繊維pと空隙Vによって構成され、外層がポリエステル繊維pによって構成され、空隙Vは、中心から外に向かうにしたがって疎から密になるように構成されたものが得られた。
このようにして得られた比較例1に係る紡績糸を使用した生地は、上記実施例1と同じ条件で湯洗したが、溶解する水溶性ビニロン繊維を含んでいないので、実質的に疎水性吸放湿吸湿発熱性繊維とポリエステル繊維とによって構成された40番手相当の紡績糸による筒状の天竺編みの加工生地となった。
この加工生地を構成する紡績糸は、疎水性吸放湿吸湿発熱性繊維とポリエステル繊維とによって構成され、紡績時及び生地作製時に形成される隙間以外は、空隙が形成されていないものが得られた。
このようにして得られた比較例2に係る紡績糸を使用した生地は、上記実施例1と同じ条件で湯洗したが、溶解する水溶性ビニロン繊維を含んでいないので、実質的にポリエステル繊維のみによって構成された40番手相当の紡績糸による筒状の天竺編みの加工生地となった。
この加工生地を構成する紡績糸は、ポリエステル繊維のみによって構成され、紡績時及び生地作製時に形成される隙間以外は、空隙が形成されていないものが得られた。
上記実施例1~2、比較例1~2の各加工生地を使用して吸湿試験を行った。
吸湿試験Aは、汗や雨などの液相の水分に接した状態を想定した環境条件下での吸湿能力を測定した。この吸湿試験Aは、各加工生地を絶乾状態にした後、この絶乾状態の加工生地の重量を100%として、25℃、60%RHの環境条件下で23℃の水が入った水槽に90分間浮かべた後の重量変化を測定した。結果を図3に示す。各加工生地は、当該加工生地が有する疎水性により水槽の水分は吸水しないが、当該23℃の水槽水面の飽和水蒸気圧分の水蒸気を吸湿しながら、水面と接していない面からは25℃、60%RHの環境条件下に放湿することとなる。図中の数値は、各試料における絶乾状態に対する重量変化率(X)を示している。
吸湿試験Bは、飽和状態での気相の水分(蒸気)、すなわち、蒸れた状態を想定した環境条件下での吸湿能力を測定した。この吸湿試験Bは、各加工生地を絶乾状態にした後、この絶乾状態の加工生地の重量を100%として、25℃、95%RHの無風環境条件下で90分間放置した後の飽和重量を測定した。結果を図4に示す。図中の数値は、各試料における絶乾状態に対する飽和重量変化率(Y)を示している。
飽和重量変化率Yから吸湿試験Aの重量変化率Xを引いた値(Y-X)を吸湿余力率とした。この数値が大きい程、余剰の吸湿能力を有することとなる。また、吸湿試験Aの重量変化率/飽和重量変化率(X/Y)の値を求め、動的平衡係数とした。この数値が小さい程、雨や汗などの環境条件下であっても、これらの水分の影響を受けにくく、加工生地が吸湿と放湿とのバランスを長く保つ動的平衡状態となる。吸湿余力率および動的平衡係数の結果を表1に示す。
上記実施例1~2、比較例1~2の各加工生地を使用して発熱試験を行った。
試験は、各加工生地を絶乾状態にした後、20℃、65%RHの環境条件下で15~16℃の水が入った水槽に浮かべ、この水に浮かんだ生地の表面温度の経時的変化を非接触温度計で測定した。結果を図5に示す。
p ポリエステル繊維
V 空隙
Claims (8)
- 生地を後加工により加工生地にして使用するようになされた紡績糸であって、
アクリル繊維またはアクリル系繊維を改質してなる吸放湿吸湿発熱性繊維に疎水化剤を設けてなる疎水性吸放湿吸湿発熱性繊維と、溶解繊維と、疎水性繊維とを混紡してなり、
前記生地の後加工により溶解繊維を溶解させて取り除くことにより、この溶解繊維が取り除かれた跡に、空隙を形成できるようになされ、
中心に溶解繊維を集中させ、
外周縁に疎水性繊維または、疎水性吸放湿吸湿発熱性繊維および疎水性繊維を集中させ、中心と外周縁との中間に溶解繊維、疎水性吸放湿吸湿発熱性繊維および疎水性繊維を集中させ、中心を疎で外周縁に向かうにしたがって密となるように形成できるようになされたことを特徴とする紡績糸。 - 溶解繊維を5~60質量%使用した請求項1に記載の紡績糸。
- 天竺編みされた絶乾状態の加工生地を25℃、95%RHの無風環境条件下で90分間放置した時の重量増加率から、当該加工生地を25℃、60%RHの環境条件下で23℃の水が入った水槽に90分間浮かべた時の重量増加率を引いて算出される吸湿余力率が1.5%以上となされた請求項1または2に記載の紡績糸。
- 天竺編みされた絶乾状態の加工生地を25℃、60%RHの環境条件下で23℃の水が入った水槽に90分間浮かべた時の重量変化率を、当該加工生地を25℃、95%RHの無風環境条件下で90分間放置した時の飽和重量変化率で割った値が0.9以下になされた請求項1ないし3の何れか一に記載の紡績糸。
- 天竺編みされた絶乾状態の加工生地を温度20℃、湿度65%RHの雰囲気下にある15℃の水が入った水槽に浮かべた時の表面温度が、環境温度(20℃)よりも高い温度を維持し、測定開始から10分経過しても温度変化が1℃の範囲内に保つことがなされた請求項1ないし4の何れか一に記載の紡績糸。
- 請求項1ないし5の何れか一に記載の紡績糸によって構成された生地。
- 請求項1ないし6の何れか一に記載の紡績糸によって構成された生地から、この生地に含まれる溶解繊維を溶解させて取り除く後加工により、当該溶解繊維を取り除き、この溶解繊維が取り除かれた跡に、空隙を形成した加工生地。
- 請求項1ないし7の何れか一に記載の紡績糸によって生地を構成した後、当該生地の後加工により溶解繊維を溶解させて取り除くことにより、この溶解繊維が取り除かれた跡に、空隙を形成する加工生地の製造方法。
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