JP7183027B2 - 二相ステンレス熱間圧延鋼材および溶接構造物 - Google Patents

二相ステンレス熱間圧延鋼材および溶接構造物 Download PDF

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Description

本発明は、二相ステンレス鋼およびそれを使用した溶接構造物に関するものである。
河川、ダム施設等の構造物では、雨水および河川水との接触部分に普通鋼を使用した場合、その部分に腐食が生じることから、塗装やめっき施工を行うか、もしくはステンレス鋼が使用される。なかでもゲート等に含まれる摺動部では、ゲート開閉等設備稼動に伴い生じる摩擦により塗膜やめっきの劣化が著しく加速される。このため、摩擦の影響が小さいステンレス鋼が広く用いられる。
摺動部では耐摩耗性の観点から、SUS304にN(窒素)を含有し硬度を高めたSUS304N2が広く使用されている。SUS304N2の固溶化熱処理材の表面硬度はおよそHB(ブリネル硬度)200程度である。さらに耐摩耗性の改善が求められる場合には、冷間加工や熱間のTMCP製造(加工熱処理)により強度を上昇させた上で適用される。
特許文献1では、表面硬度を高めたステンレス鋼として、V含有およびTMCP製造により硬度を高めたオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
加えて、大きな構造物には長尺の帯板を溶接接合して部材を製作する必要がある。これは鍛造等により製作されるロールとは明確に異なる。従来、これらの構造物の溶接接合にはTIG溶接やFCAW溶接が適用されてきた。
特許庁文献2では、汽水部などで良好な耐食性を示す二相ステンレス鋼が示されている。
特開平8-209310号公報 国際公開第2018/181990号
梶村治彦:第215・216回西山記念講座、日本鉄鋼協会編、(2013)、17.
ゲートを有する河川施設、例えば河口部の水門では海水が混入するため河川水の塩化物イオン濃度が著しく高まることにより、過酷な腐食環境となる。このような場所では、Cr量の小さいSUS304N2では所望の耐食性を確保できない場合がある。また、特許文献1に開示された鋼材でも、同様であり、耐食性の改善は認められない。
また、大きな構造物には長尺の帯板を溶接接合して部材を製作する必要がある。その際、溶接による変形に対して摺動面の平坦度を確保するため、溶接入熱上限等の施工条件の制約、変形した部材の矯正や研削が必要である。特許文献1に開示された鋼材はオーステナイト組織を有することから溶接時の変形量が大きく、この溶接に際しての問題を抱えている。
一方、二相ステンレス鋼では、汎用型二相ステンレス鋼のSUS329J4Lには高価なNi、Mo量が多く含有されている。ダム施設等の構造物がおかれる環境における耐食性としては十分であるが、価格が高く適用先が限定されてきた。SUS329J1は、母材耐食性は良好であるが、溶接部のフェライト相率が過大となり、溶接部では所望の耐食性や靭性を確保できず、溶接を含まないローラー等に適用が限定されてきた。特に、一般に用いられるFCAW等の溶接方法と比較して冷却速度が大きいレーザー溶接ではその傾向が強くなり、レーザー溶接の適用は困難であった。特許文献2に開示された二相ステンレス鋼はSUS329J4LよりNi、Moを低減した鋼組成であり、高塩化物イオン濃度の環境下で優れた耐食性を発現することが記載されているが、耐摩耗性には十分ではなく、過酷な摺動部に適用できない。
本発明は、河口部の海水混入により塩化物イオン濃度が著しく高まる河川中の構造物や、ダム施設等において、母材部、溶接部のいずれの部位においても十分な耐食性を有し、さらに摺動部に耐用可能な耐摩耗性(表面硬度)を有し、かつ経済性に優れるステンレス鋼を得ることを課題とする。
摺動部材の耐摩耗性の評価指標として、その表面硬度が、これと接触するローラーと同等以上のブリネル硬度を有すること望ましい。一般に用いられるSUS304N2製ローラーの硬度がHB190~230程度であることから、表面硬度がHB230以上のステンレス鋼であることが望ましい。
オーステナイト組織と比較して熱膨張係数の小さいフェライト組織を含む二相ステンレス鋼は、オーステナイト組織のみからなるオーステナイト系ステンレス鋼と比較して熱膨張係数が小さい。即ち、溶接による熱変形が小さい。
耐食性の評価指標として、耐孔食性を評価指標としてJIS G0590:2013に定められた孔食発生温度(CPT)を用いた。これは、河川環境における鋼材表面の電位貴化を想定し、1mol/L(リットル)-NaCl溶液中で鋼材に745mV vs. SSE(SSEは飽和KCl溶液を電解質溶液とする銀-塩化銀参照電極基準であることを示す)の電位を印加した状態で、溶液の温度を上昇させ、孔食が発生する温度を求める手法である。本発明者らはステンレス鋼の腐食挙動を鋭意検討した結果、CPTが25℃以上あれば、河川環境において良好な耐食性を維持できることを明らかにした。ステンレス鋼の溶接部は母材部よりも耐食性が劣るので、ボトルネックとなる溶接部のCPTが25℃以上あれば実用上問題ないことも分かった。
母材部の耐食性を向上させると、溶接部の耐食性も向上する傾向がある。溶接部のCPTが25℃あればよいことから、コストパフォーマンスを考慮し、効率良く溶接部の耐孔食性を改善する必要がある。発明者らは鋭意検討を進め、母材と溶接部のCPTの差が15℃以下((母材部のCPT)-(溶接部のCPT)≦15(℃))を満たせば十分なコストパフォーマンスを得られることを明らかにした。
一般にステンレス鋼の耐孔食性は孔食指数で順位付けが行われるが、種々の計算式が提案されている。孔食指数(PRE)としては二相ステンレス鋼ではCr+3.3Mo+16Nの式で表現される場合が多く、さらにMnの悪影響とWの効果を考慮してPREW,Mn=Cr+3.3(Mo+0.5W)+16N-Mnの式が提案されている(非特許文献1)。本発明者らはこの式により、供試材の孔食指数を計算し、PREW,Mnが25.0~34.0であれば要求される耐食性を満たし、かつ経済性も良好な二相ステンレス鋼を得られることを明らかにした。これらの知見から、本発明を成したものであり、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)
質量%で、
C:0.001~0.030%、
Si:0.01~1.50%、
Mn:0.1~2.0%未満、
Cr:20.0~26.0%、
Ni:2.0~7.0%、
Mo:0.5~3.0%、
N:0.10~0.25%、
Ti:0.001~0.030%および
Al:0.003~0.050%を含有し、
さらに、
W:0.01~1.00%、
Co:0.01~1.00%、
Cu:0.01~2.00%、
V:0.01~0.30%、
Nb:0.005~0.100%、
Ta:0.005~0.200%、
Zr:0.001~0.050%
Hf:0.001~0.080%
Sn:0.005~0.100%、
B:0.0001~0.0050%、
Ca:0.0005~0.0050%、
Mg:0.0001~0.0030%、および
REM:0.005~0.100%のうち1種または2種以上を含有し、
残部がFeおよび不可避的不純物であり、
不純物として
O:0.006%以下、
P:0.050%以下、
S:0.003%以下、に制限した鋼であり、
表面のブリネル硬度がHB230以上で、
式1で求められるPREW,Mnが24.0以上34.0以下であり、
前記鋼材の溶接部評価のための試験片において、以下の(ア)に示すレーザー溶接した接合部位、または(イ)に示す溶接熱履歴を模擬した接合部位と、前記鋼の接合部位以外の母材部のJIS G0590:2013に定められた孔食発生温度(CPT)を測定したときに、前記接合部位のCPT(溶接部CPT)が25℃以上であり、前記母材部のCPT(母材部CPT)と前記溶接部CPTの差が15℃以下であることを特徴とする二相ステンレス熱間圧延
PREW,Mn=Cr+3.3(Mo+0.5W)+16N-Mn ・・・(式1)
ただし、式1中における元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)を示し、含有していない場合は0を代入する。
(ア)前記試験片を、出力を5kwのファイバーレーザーで、加工点スポット径がφ0.4mmとなるよう鋼板に対して垂直に照射し、シールドガスをArとし、溶接速度を0.5m~4.0m/minとし、冷却速度を3300℃/秒~750℃/秒として得られた接合部位。
(イ)前記試験片を、1360℃まで高周波誘導加熱し、5秒均熱した後、1360℃~900℃の温度域を冷却速度22℃/秒で、900~600℃の温度域を冷却速度7.2℃/秒でガス冷却するか、または1360℃~900℃の温度域を冷却速度60~100℃/秒で、900~600℃の温度域を冷却速度60℃/秒でガス冷却して得られた接合部位。
(2)
前記二相ステンレス熱間圧延は、帯状鋼材であることを特徴とする(1)に記載の二相ステンレス熱間圧延

摺動部を有する構造物に使用されることを特徴とする(1)または(2)に記載の二相ステンレス熱間圧延

前記(1)に記載の二相ステンレス熱間圧延を溶接して構成した溶接構造物。

前記溶接が、レーザー溶接である()に記載の溶接構造物。

前記溶接構造物が摺動部品である()または()に記載の溶接構造物。

前記溶接構造物が、汽水環境または河川において用いられる()~()のいずれか1項に記載の溶接構造物。
本発明により得られる溶接部を含む二相ステンレス鋼製帯状鋼材は、SUS304N2と同等以上の表面硬さを有し、一般的な溶接方法に加え溶接部においてもSUS304N2を上回る耐食性を有する。一方で熱変形が小さく工数削減も可能であり、合金コストも抑制できることから経済性も良好である。その結果、例えば、本発明に係る二相ステンレス鋼でできた溶接構造物を、河川施設や汽水環境での施設等の構造物の摺動部に用いることで、性能・コストの両面から改善がなされ、産業面、環境面に寄与するところは極めて大である。
以下に、まず本発明の請求項1記載の限定理由について説明する。なお本明細書において特に断りのない限り成分に関する%は質量%を表す。
Cは、ステンレス鋼の耐食性を確保するために、0.030%以下の含有量に制限する。0.030%を超えて含有させると熱間圧延時にCr炭化物が生成して、耐食性、靱性が劣化する。好ましくは、0.025%以下であり、さらに好ましくは0.023%以下にするとよい。一方、ステンレスのC量を低減するコストの観点から0.001%を下限とする。
Siは、脱酸のため0.01%以上含有する。好ましくは、0.10%以上にするとよく、さらには0.15%以上にするとよい。一方、1.5%を超えて含有すると靱性が劣化する。そのため、1.5%以下にする。好ましくは、1.2%以下、さらに好ましくは1.0%以下にするとよい。
Mnはオーステナイト相を増加させ靭性を改善する効果を有する。また窒化物析出温度を低下させる効果を有するため、母材および溶接部の耐食性確保のため0.1%以上含有する。好ましくは0.3%以上、さらに好ましくは0.5%以上にするとよい。一方、Mnはステンレス鋼の耐食性を低下する元素であるので、Mnを2.0%未満にするとよい。好ましくは1.8%以下、さらに好ましくは1.5%以下にするとよい。
Crは、本発明鋼の基本的な耐食性を確保するため20.0%以上含有させる。好ましくは21.0%以上、さらに好ましくは21.5%以上にするとよい。一方、Crを26.0%を超えて含有させるとフェライト相分率が増加し靭性および溶接部の耐食性を阻害する。このためCrの含有量を26.0%以下とした。好ましくは25.0%以下、さらに好ましくは24.5%以下にするとよい。
Niは、オーステナイト組織を安定にし、靭性を改善するため2.0%以上含有させる。Ni含有量を増加することにより窒化物析出温度を低下させることが可能になる。好ましくは、3.0%以上、さらに好ましくは4.0%以上にするとよい。一方、Niは高価な合金であり、コストの観点より7.0%以下の含有量に制限する。好ましくは6.5%以下、さらに好ましくは6.0%以下にするとよい。
Moは、ステンレス鋼の母材部、溶接部双方の耐食性を高める非常に有効な元素であり、0.5%以上含有させる。好ましくは0.8%以上、さらに好ましくは1.0%以上にするとよい。一方、Moは金属間化合物析出を促進する元素であり、本発明鋼では熱間圧延時の析出を抑制する観点より3.0%以下とする。好ましくは2.5%未満、さらに好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.5%以下にするとよい。
Nは、オーステナイト相に固溶して二相ステンレス鋼の硬さ、耐食性を高め、溶接部のオーステナイト相の析出量を増加させる有効な元素であるため、0.10%以上含有させる。好ましくは0.15、さらに好ましくは0.18%以上にするとよい。固溶限度はCr含有量に応じて高くなるが、本発明鋼においては0.25%を超えて含有させるとCr窒化物を析出して靭性および耐食性を阻害するようになるため、その含有量を0.25%以下とした。好ましくは、0.20%以下にするとよい。
Tiは、溶接部耐食性を向上させる効果を有することから0.001%以上含有させるとよい。好ましくは0.003%以上、さらに好ましくは0.005%以上にするとよい。本発明鋼は溶体化熱処理を行わないため、鋼中に圧延による歪みが残存する。歪みはN(窒素)の拡散パスとなるため、鋼中に窒化物析出が生じやすく、特に熱影響を受ける溶接部でその傾向が顕著である。窒化物のうち、Cr窒化物は靭性および耐食性を阻害することから、Tiを含有することは有効である。その理由は明らかではないが、以下のような機構が考え得る。ステンレス鋼の結晶粒微細化にTiやAlの含有が有効なことが知見されており、SUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼において0.01%程度のTiとAlを複合して含有する場合があった。
しかし、微量のTiを含有させた場合でもTiとNとの間には非常に強い親和力があるため、非常に微量のTiが鋼中でTiの窒化物を形成する。鋼中に析出した微細なTiの窒化物はHAZのフェライト粒径の粗大化を抑制する作用があって、オーステナイト相の析出サイトとなるフェライト/フェライト粒界を増加させていると考えられる。一方、Tiを、0.030%を超えて含有させると、Tiの窒化物が粗大になるとともに、鋼の靱性を阻害するようになることから、その含有量を0.030%以下に制限する。好ましくは0.020%以下、さらに好ましくは0.015%以下にするとよい。
Alは、鋼の脱酸のための重要な元素であり、鋼中の酸素を低減するために0.003%以上含有させる。好ましくは0.005%以上にするとよい。一方、AlはNとの親和力が比較的大きな元素であり、Tiとともに含有させることで結晶粒微細化が促進されると考えられる。過剰に含有するとAlの窒化物を生じてステンレス鋼の靭性を阻害する。その程度はN含有量にも依存するが、Alが0.050%を超えると靭性低下が著しくなるためその含有量を0.050%以下にするとよい。好ましくは0.040%以下、より好ましくは0.030%以下にするとよい。
さらに、以下の元素のうち1種または2種以上を任意に含有してもよい。
Wは、Moと同様にステンレス鋼の耐食性を向上させる元素であり、含有してもよい。耐食性の観点から、1.00%以下含有させてもよい。好ましくは0.70%以下、さらに好ましくは0.50%以下にするとよい。含有する場合、その効果を得るために0.01%以上含有するとよく、好ましくは0.05%以上、さらに好ましくは0.10%以上含有するとよい。
Coは、鋼の靭性と耐食性を高めるために有効な元素であり、含有してもよい。Coは、1.00%を超えて含有させても高価な元素であるためにコストに見合った効果が発揮されないようになるため、1.00%以下含有するとよい。好ましくは0.70%以下、さらに好ましくは0.5%以下含有するとよい。含有する場合、その効果を得るために0.01%以上含有するとよく、好ましくは0.03%以上含有することが好ましい。好ましくは0.03%以上、さらに好ましくは0.10%以上にするとよい。
Cuは、ステンレス鋼の酸に対する耐食性を付加的に高める元素であり、かつ靭性を改善する作用を有するため、含有してもよい。Cuを、2.00%を超えて含有させると熱間圧延後の冷却時に固溶度を超えてεCuが析出し脆化を発生するので2.00%以下含有するとよい。好ましくは1.70%以下、さらに好ましくは1.50%以下含有するとよい。Cuを含有する場合、その効果を得るために0.01%以上含有するとよく、好ましくは0.20%以上、さらに好ましくは0.33%以上含有させるとよい。
Vは、Nと親和力があり、クロム窒化物の析出速度を低下する作用を有する元素である。このため、Vを含有させてもよい。しかし、0.30%を超えて含有させるとVの窒化物が多量に析出し、靱性を阻害するようになることから、Vの含有量は0.30%以下、好ましくは0.25%以下、さらに好ましくは0.20%以下にするとよい。Vを含有する場合、その効果を得るため0.01%以上含有するとよく、好ましくは0.03%以上、さらに好ましくは0.08%以上にするとよい。
Nbは、Nとの親和力がVよりも強く、クロム窒化物の析出速度をさらに低下する作用を有する元素である。このため、Nb含有させても良い。含有する場合、Nbは0.005%以上含有させる。好ましくは0.010%以上、さらに好ましくは0.020%以上、より好ましくは0.030%以上にするとよい。一方、Nbは0.100%を超えて含有させるとNbの窒化物が多量に析出し、靱性を阻害するようになることから、その含有量を0.100%以下とした。好ましくは0.085%以下、より好ましくは0.080%以下にするとよい。なお、Nbは高価な元素であるが、スクラップに含有されるNbを積極的に利用することで、ステンレス溶解原料コストを安価にすることができる。このような方法により、Nb含有鋼の溶解コストの低減を図ることが好ましい。
Taは、Nbと同様の作用があり、クロム窒化物の析出速度を低下する作用を有する元素である。このためにTaを含有させても良い。含有する場合、Taは0.005%以上含有させる。好ましくは0.010%以上にするとよい。一方、Taは0.200%を超えて含有させるとTaの窒化物が多量に析出し、靱性を阻害するようになることから、その含有量を0.200%以下と定めた。好ましくは0.150%以下にするとよい。
ZrはTiと同様に強い窒化物生成元素であって、結晶粒微細化効果を有する元素である。このためにZrを含有させても良い。含有する場合、Zrは0.001%以上含有させる。好ましくは0.005%以上にすると良い。一方Zrは0.050%を超えて含有させるとZrの粗大な窒化物が析出し、靱性を阻害するようになることから、その含有量を0.050%以下と定めた。好ましくは0.030%以下にすると良い。
HfはTi、Zrと同様に強い窒化物生成元素であって、結晶粒微細化効果を有する元素である。このためにHfを含有させても良い。含有する場合、Hfは0.001%以上含有させる。好ましくは0.005%以上にすると良い。一方Zrは0.080%を超えて含有するとHfの粗大な窒化物が析出し、靱性を阻害するようになることから、その含有量を0.080%以下と定めた。好ましくは0.050%以下にすると良い。
Snはステンレス鋼の酸に対する耐食性を高める元素である。このため、Snを含有させても良い。含有する場合、Snは0.005%以上含有させる。好ましくは0.010%以上にすると良い。一方でSnは鋼の熱間加工性を阻害する元素であり、このためにその含有量の上限を0.100%以下に制限する。好ましくは0.050%以下にすると良い。
Bは、鋼の熱間加工性を改善する元素であり、必要に応じて含有させてもよい。また、Nとの親和力が非常に強い元素であり、多量に含有させるとBの窒化物が析出して、靱性を阻害するようになる。このため、その含有量を0.0050%以下、好ましくは0.0040%以下、さらに好ましくは0.0030%以下にするとよい。Bを含有する場合、その効果を得るために0.0001%以上含有するとよく、好ましくは0.0005%以上、さらに好ましくは0.0014%以上含有するとよい。
CaおよびMgは発明鋼の耐孔食性と熱間加工性を高めるために必要に応じて含有される。CaおよびMgを含有する場合、その効果を得るために、Caの含有量を0.0005%以上、 Mgの含有量を0.0001%以上にするとよい。好ましくはCaを0.0010%以上、Mgを0.0003%以上、さらに好ましくはCaを0.0015%以上、Mgを0.0005%以上にするとよい。
一方、CaおよびMgは、いずれも過剰な含有は逆に熱間加工性および靭性を低下するため、Caについては0.0050%以下、Mgについては0.0030%以下にするとよい。好ましくはCaを0.0040%以下、Mgを0.0025%以下、さらに好ましくはCaを0.0035%以下、Mgを0.0020%以下にするとよい。
REMは鋼の熱間加工性を改善する元素であり、その目的で0.005%以上含有されることがある。含有する場合、好ましくは0.010%以上、さらに好ましくは0.020%以上含有するとよい。一方で過剰な含有は逆に熱間加工性および靭性を低下するため、0.100%以下含有するとよい。好ましくは0.080%以下、さらに好ましくは0.070%以下にするとよい。ここでREMの含有量とは、LaやCe等のランタノイド系希土類元素の含有量の総和とする。
残部はFeおよび不可避的不純物である。不可避的不純物とは、鋼の製造過程において、意図せず混入し、除去しきれずに残存する不純物である。特に、不純物中のO、P、Sは、以下の理由により制限される。
O(酸素)は、不可避的不純物であり、ステンレス鋼の熱間加工性、靱性、耐食性を阻害する元素であるため、できるだけ少なくすることが好ましい。そのため、O含有量は0.006%以下にすることが好ましい。また、酸素を極端に低減するには精錬に非常に大きなコストが必要となるため、経済性を考慮し、酸素量は0.001%以上であってもよい。
Pは原料から不可避に混入する元素であり、熱間加工性および靱性を劣化させるため、できるだけ少ない方がよく、0.050%以下に限定する。好ましくは、0.030%以下にするとよい。Pを極低量に低減するには、精錬時のコストが高くなるため、経済性を考慮して、P量は0.001%であってもよい。
Sも原料から不可避に混入する元素であり、熱間加工性、靱性および耐食性をも劣化させるため、できるだけ少ない方がよく、上限を0.003%以下に限定する。Sを極低量に低減するには、精錬時のコストが高くなるため、経済性を考慮して、S量は0.0001%であってもよい。
[表面のブリネル硬度がHB230以上]
帯状摺動部材の表面には、これと接触するローラー等の硬度と同等程度の硬度が要求される。一般に用いられるローラーの表面硬度はブリネル硬さ(HB)190~230であることから、摺動部材表面はHB230以上の硬度があるとよい。より好ましくは、HB250以上が望ましい。
[耐食性:PREW、Mn
河川環境では、河川水に含まれる塩化物イオンが腐食要因となって腐食が発生する。当該環境で十分な耐食性を確保するためには、Cr、Mo、N、Wを含有し、Mnを制限することにより以下の式1で求められるPREW、Mnの値を24.0以上とすればよい。好ましくは25.0以上、さらに好ましくは27.0以上とするとよい。一方、PREW、Mnを高めるためにCr、Mo、Wの含有量を過大にすると合金コストの増加等を招き、Nの含有量を過大にすると靭性が悪化する等悪影響が現れる。また、Mnを過度に低減するとNの固溶量が低下し、Cr窒化物が析出して逆に耐食性が低下する。これらのコストパフォーマンスを勘案し、PREW、Mnの上限は34.0とするのがよい。
PREW,Mn=Cr+3.3(Mo+0.5W)+16N-Mn ・・・(式1)
ただし、式1中における元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)を示し、含有していない場合は0を代入する。
[耐食性:CPT]
海水が混入し汽水が主体となる河口付近は、塩化物イオン濃度が高く非常に過酷な腐食環境となる。さらに河口付近に特有の現象として、上流から流入する淡水の量と下流から遡上する海水の量が逐次変動するため、環境が短時間のうちに著しく変化する。実際に鋼材の適用可否を検討する上では、腐食環境の過酷さを決定する塩化物イオンの濃度、水温、電位の値と、そのような値をとる時間の長さを両方考慮する必要がある。発明者らは実際の汽水におけるステンレス鋼の腐食状況と、腐食要因となる塩化物イオン濃度、水温、電位推移の関係を詳細に調査した。その結果、最も注意すべき塩化物イオン濃度、水温、電位の条件があることを明らかにし、当該用途に必要な耐食性水準は、耐孔食性を評価指標としてJIS G0590:2013に定められた孔食発生温度(CPT)で25℃以上であることを見出した。
一方で、二相ステンレス鋼の溶接部は母材部と比較して耐食性が低下する。このため、溶接による接合部を含む溶接構造物が、こうした環境下で使用に耐えるためには当該構造物の溶接部のCPTが25℃以上であるとよいことになる。好ましくはCPT28℃以上、さらに好ましくはCPT30℃以上、より好ましくはCPT35℃以上であるとよい。
なお、CPTは、前述したように、河川環境における鋼材表面の電位貴化を想定し、1mol/L(リットル)-NaCl溶液中で鋼材に745mV vs. SSE(SSEは飽和KCl溶液を電解質溶液とする銀-塩化銀参照電極基準であることを示す)の電位を印加した状態で、溶液の温度を上昇させ、孔食が発生する温度を求める手法である。
一般に、母材部の耐食性を改善する元素を含有すると溶接部の耐食性も改善される傾向がある。しかし経済性を考慮すると、母材部と溶接部の耐食性の差が過大であることは好ましくない。そこで、コストパフォーマンスを考慮した溶接部耐食性向上の指標として、母材部CPTと溶接部CPTとの差を用いることができることを見出した。ここで、母材部CPTとは、鋼材を溶接することにより得られる溶接構造物において、溶接部以外の鋼材部分(母材)のCPTのことである。また溶接部CPTは、前記溶接構造物において、溶接による接合部分(溶接接合部)のCPTのことである。
具体的には母材部CPTと溶接部CPTの差が15℃以下であればコストパフォーマンスが良好であると言える。CPTの差は、好ましくは13℃以下、さらに好ましくは11℃以下、より好ましくは10℃以下であるとよい。
溶接部CPT25℃を確保するとともに、母材部と溶接部のCPTの差が15℃以下にすることにより、耐食性を確保しつつコストパフォーマンスのよい、二相ステンレス鋼を得ることができる。
溶接構造物を作成するまでもなく、鋼において、当該鋼どうしを溶接した試験片において、溶接した接合部位と、当該鋼の接合部位以外の母材部のJIS G0590:2013に定められた孔食発生温度(CPT)を測定することにより得られた溶接部CPTと母材部CPTで、当該鋼の耐食性が評価できる。
溶接構造物や、鋼どうしを溶接した試験片において、溶接方法は特に限定されない。既存の溶接手段を適用すればよい。特に、FCAW等の溶接方法と比較して冷却速度が大きく耐食性の観点から溶接部への適用が困難であったレーザー溶接でも、本発明に係る二相ステンレス鋼を適用すれば、溶接部における耐食性を確保することができる。
従って、鋼の試験片を製作する場合も、レーザー溶接により製造して評価してもよい。
鋼の形状は特に限定しない。帯状鋼材であっても、棒状鋼材や線状鋼材、管状鋼材であってもよい。もちろん、これらを組み合わせて溶接構造物を製造してもよい。
次に製造方法について説明する。
一般的なステンレス鋼の熱間圧延鋼は、熱間圧延後に行われる固溶化熱処理で圧延時に導入されたひずみが取り除かれ軟化する。本発明鋼は、摺動部材に適した表面硬さを得るために圧延において鋼板温度を制御し、圧延により導入した歪を活用して表面硬さを得るため、固溶化熱処理を省略する。具体的には圧延前に所定の成分を含有させ溶製した鋼片を1050~1250℃の間の温度まで加熱した後、最終圧延の温度(仕上圧延温度)を800~1000℃とする熱間圧延を施す。仕上圧延温度は低温とするほどより大きな硬さを得られる傾向があるが、800℃未満ではσ相が析出し靭性が劣化する。さらに圧延後の冷却過程では、クロム窒化物の析出を抑制することを目的に、800~600℃のクロム窒化物の析出速度が大きくなる温度領域での保持時間を短縮するため、この温度領域を1℃/秒以上の冷却速度で冷却すると良い。好ましくは3℃/秒以上、さらに好ましくは5℃/秒以上にすると良い。これにより、表面硬さを確保し、さらに耐食性のよい鋼材を得ることができる。前述したように、表面硬さを確保するため、熱間圧延後に冷却した後は、溶体化熱処理は実施しない。
以下に実施例について記載する。表1に供試鋼の化学組成とPREW,Mnを示す。これらの鋼は真空溶解炉を用いて得たものである。表1に示した成分について、含有量が記載されていない部分は不可避的不純物レベルであることを示している。REMはランタノイド系希土類元素を意味し、含有量はそれら元素の合計を示している。これらの真空溶解で得た鋳片を1200℃で2時間加熱した後、熱間鍛造により所定の形状の鋼塊を得た。ここで鋼塊の形状は、最終的に得る鋼板の板厚が20mm以下にするものは110mmw(幅)×150mmL(長さ)×60mmt(厚さ)、最終的に得る鋼板の板厚が20mmを超えるものは110mmw×150mmL×100mmtとした。
表2に鋼塊を鋼板とするために実施した熱間圧延の条件と、得られた鋼板のブリネル硬度、母材部CPT、溶接部CPTおよび母材部CPTから溶接部CPTを引いた値(差)を示す。以下に鋼板の製造条件を示す。まず、上述の鍛造で得た鋼塊を1200℃で60分均熱した。その後、仕上圧延温度が800~1000℃間の温度となるよう熱間圧延を施した。その後、800~600℃の区間の冷却速度(表2の圧延後冷却速度は、この800~600℃の温度域の冷却速度を示す。)が1℃/秒以上となるよう冷却した。
溶接部評価のため、アーク溶接時の熱履歴を模擬した再現熱サイクル試験を実施した。即ち、鋼板から10mmφ×60mmLの棒状試験片を切り出し、この試験片の中央部に熱電対を溶着し、1360℃まで高周波誘導加熱し、5秒均熱した後、ガス冷却を行った。均熱域は15mmLであった。この冷却時の冷却速度は900~600℃の温度域を7.2℃/秒あるいは60℃/秒となるよう制御した(表2の溶接部評価冷却速度は、この900~600℃の温度域の冷却速度を示す。)。900~600℃の温度域を7.2℃/秒で冷却した試験片は、1360℃~900℃の温度域の冷却速度を22℃/秒に制御した。900~600℃の温度域を60℃/秒で冷却した試験片は、1360℃~900℃の温度域の冷却速度を60~100℃/秒に制御した。
また、冷却速度が極めて速いレーザー溶接については、実際にレーザー溶接により継手を製作し評価した。評価に用いたレーザーは、出力を5kwのファイバーレーザーとし、加工点スポット径がφ0.4mmとなるよう鋼板に対して垂直に照射し、溶接速度0.5m~4.0m/minの間で変化させ、冷却速度を3300℃/秒~750℃/秒の間で変化させた。シールドガスにはArを用いた。
ブリネル硬度の測定方法を記す。鋼材より30mmw×30mmLの試験片を鋸切断により切り出し、圧延面の酸化スケールを研削により除去して測定面とし、JIS Z2243の方法に従って試験を実施した。圧子には直径10mmの超硬合金球を用いた。試験力は29.42kNとした。
CPTの測定方法を記す。鋼材表層より15mmw×30mmL×2mmtの試料を機械加工により切り出し、表層から0.2mm研削した位置を試験面として研磨した。この試験面のうち、10mm×10mmの面を残し、それ以外の部分に樹脂を塗布して評価面を作成した。
溶接部を模擬した再現熱サイクル試験片は、熱サイクル試験片を10mmφ×30mmLに切断した後、これを半割にして10mmw×30mmLの試験面として研磨した。この試験面のうち、幅中央の7mm×14.5mmの面を残して、それ以外の部分に樹脂を塗布して評価面を作成した。
レーザー溶接は、溶接余盛りを切削した後、鋼材表層より、溶接線が試料長手方向中央を横断するよう15mmw×30mmL×2mmtの大きさに機械加工により切り出し、母材表層から0.2mm研削した位置を試験面として研磨した。さらに、溶接線が評価面の中央を横断するよう、10mm×10mmの面を残して、それ以外の部分に樹脂を塗布して評価面を作成した。なお、レーザー溶接を行った試験片については、表2の備考欄に「レーザー溶接」と記載している。
これらの試料を用いて、JIS G0590の方法に従って試験を実施した。ただしJIS G0590では開始温度を25℃としてあるところを、5℃とした。測定はアノード電流密度が1mA/cmとなるまで行い、孔食発生温度(CPT)は、電流密度が100μmA/cmを超えた時点の液温とした。これらの結果を表2に示す。
以上の実施例から分かったように本発明により摺動部材に適した表面硬さと、溶接による接合部においても優れた耐食性を有し、かつ良好な経済性を示す二相ステンレス鋼製帯状鋼材が得られることが明確となった。
Figure 0007183027000001
Figure 0007183027000002
本発明が対象とする二相ステンレス鋼は、耐食性と耐摩耗性を要求する構造物に利用することができる。特に、既存のステンレス鋼(SUS304N2やSUS329J1、SUS329J4L)よりも経済性または長期の耐食性と溶接部の耐食性にも優れるため河川・ダム構造物の省資源や維持管理コストの低減に寄与する部品として好適である。

Claims (7)

  1. 質量%で、
    C:0.001~0.030%、
    Si:0.01~1.50%、
    Mn:0.1~2.0%未満、
    Cr:20.0~26.0%、
    Ni:2.0~7.0%、
    Mo:0.5~3.0%、
    N:0.10~0.25%、
    Ti:0.001~0.030%および
    Al:0.003~0.050%を含有し、
    さらに、
    W:0.01~1.00%、
    Co:0.01~1.00%、
    Cu:0.01~2.00%、
    V:0.01~0.30%、
    Nb:0.005~0.100%、
    Ta:0.005~0.200%、
    Zr:0.001~0.050%
    Hf:0.001~0.080%
    Sn:0.005~0.100%、
    B:0.0001~0.0050%、
    Ca:0.0005~0.0050%、
    Mg:0.0001~0.0030%、および
    REM:0.005~0.100%のうち1種または2種以上を含有し、
    残部がFeおよび不可避的不純物であり、
    不純物として
    O:0.006%以下、
    P:0.050%以下、
    S:0.003%以下、に制限した鋼であり、
    表面のブリネル硬度がHB230以上で、
    式1で求められるPREW,Mnが24.0以上34.0以下であり、
    前記鋼材の溶接部評価のための試験片において、以下の(ア)に示すレーザー溶接した接合部位、または(イ)に示す溶接熱履歴を模擬した接合部位と、前記鋼の接合部位以外の母材部のJIS G0590:2013に定められた孔食発生温度(CPT)を測定したときに、前記接合部位のCPT(溶接部CPT)が25℃以上であり、前記母材部のCPT(母材部CPT)と前記溶接部CPTの差が15℃以下であることを特徴とする二相ステンレス熱間圧延
    PREW,Mn=Cr+3.3(Mo+0.5W)+16N-Mn ・・・(式1)
    ただし、式1中における元素記号は、それぞれの元素の含有量(質量%)を示し、含有していない場合は0を代入する。
    (ア)前記試験片を、出力を5kwのファイバーレーザーで、加工点スポット径がφ0.4mmとなるよう鋼板に対して垂直に照射し、シールドガスをArとし、溶接速度を0.5m~4.0m/minとし、冷却速度を3300℃/秒~750℃/秒として得られた接合部位。
    (イ)前記試験片を、1360℃まで高周波誘導加熱し、5秒均熱した後、1360℃~900℃の温度域を冷却速度22℃/秒で、900~600℃の温度域を冷却速度7.2℃/秒でガス冷却するか、または1360℃~900℃の温度域を冷却速度60~100℃/秒で、900~600℃の温度域を冷却速度60℃/秒でガス冷却して得られた接合部位。
  2. 前記二相ステンレス熱間圧延は、帯状鋼材であることを特徴とする請求項1に記載の二相ステンレス熱間圧延
  3. 摺動部を有する構造物に使用されることを特徴とする請求項1または2に記載の二相ステンレス熱間圧延
  4. 請求項1に記載の二相ステンレス熱間圧延を溶接して構成した溶接構造物。
  5. 前記溶接が、レーザー溶接である請求項に記載の溶接構造物。
  6. 前記溶接構造物が摺動部品である請求項またはに記載の溶接構造物。
  7. 前記溶接構造物が、汽水環境または河川において用いられる請求項のいずれか1項に記載の溶接構造物。
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